月曜日, 5月 6, 2024
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【どこで見れる?】アニメ「名探偵コナン」が見れる動画サイト4選!一覧と特徴

名探偵コナン テレビアニメ シリーズ

元エンタメ業界歴10年のハリウッドじゅんです!

このページでは、

人気テレビアニメ「名探偵コナン」シリーズが見れる動画配信サイトをご紹介します。

ハリウッドじゅん
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劇場版アニメ(映画シリーズ)については、コチラのページでまとめてます☆

名探偵コナン

TVアニメシリーズは どこで見れる?
無料で見れる?
全話見たい!

そんなあなたの疑問を、ほぼ全ての人気動画配信サイトを実際に使ってみたエンタメマニアの私が解決!

アニメ「名探偵コナン」が見れるオススメ動画配信サイトを、特徴と共に、わかりやすく一覧にまとめました!

いきなり結論からお伝えすると・・・、

結論:「名探偵コナン」は…

  • 4つの動画サイトで配信中
  • TVerとYouTubeで無料配信あり
  • ダントツでU-NEXTがオススメ!

アニメ「名探偵コナン」は、U-NEXT、アマプラ、Hulu、ネトフリの5社で見れます。

※配信サイクル※

23/12現在、TVシリーズは配信中ですが、劇場版は配信されてません。
逆に、毎年4月の映画公開時は劇場版シリーズを配信。TVシリーズは配信停止というサイクルのようです。

 

無料配信はTVerで、最新話のみ約1週間の無料配信中(23/12)

公式YouTubeチャンネルでも、シーズン1~5までの数話が無料公開されています☆
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ちなみに2024/3現在は、

【TVアニメシリーズ】…シーズン29がTV放送中
【オンライン動画】…シーズン1~26まで配信中

ただしNetflixは一部のシーズンのみ配信中なので、

シーズン1~26まで全て見れる人気の動画配信サイトは下記3社のみとなっています。

  • U-NEXT
  • アマプラ
  • Hulu

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「名探偵コナン」は4つのサイトで配信中

実際にほぼ全ての動画サービスを使ってみた私が厳選!

アニメ「名探偵コナン」シリーズを見ることができる人気の動画配信サービスです。

配信中サイト一覧

※TV…テレビシリーズ、映…劇場版

サイト 配信 特徴
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「名探偵コナン」を見るならU-NEXT!

 
アニメ「名探偵コナン」が見れる配信サイトの中でも、一押しはU-NEXTです!

理由は、トータルで考えるとお得すぎるからw

どういうことか?説明します(^^♪

U-NEXTのメリット・デメリット

メリット デメリット
見放題 作品数 No.1
雑誌190誌読み放題
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ポイントで漫画購入
大人の動画も見放題
月額が他より高い
ほぼすべての動画サブスクを実際に使ってみて、わかったことがあります。

それは…意外にも、

見たい作品が配信されてないサービスが多い!

VOD選びで一番重要なのは、見放題作品が充実してるかどうかです。

だって、いくら安くても自分の見たい作品が配信されてなければ意味がないですよね?
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メリット1

その点、実はU-NEXT、見放題作品数がダントツNo.1!
見放題作品数 比較 グラフ
U-NEXT:31万本以上
● DMM TV:19万本以上
● Hulu:14万本以上
● dアニメ:5,700本以上

※4社とも公式情報より(24/5)その他はGoogle生成AI等を参考

作品数No.1だと見たい作品が、ほぼ見れる♪
作品 U-NEXT アマプラ Hulu

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作品 U-NEXT dアニメ DMM

ドリカムLIVE
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ちなみにU-NEXTはアニメの配信数も、dアニメとほぼ同じで日本最大級です

メリット2

またU-NEXTでは190誌以上の雑誌が読み放題

私も映画雑誌「SCREEN」やアニメ雑誌「アニメージュ」などを毎号、無料で読んでます♪

※読み放題の雑誌一例↓


月刊アニメージュ

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韓流ぴあ

ディズニーファン


東京カレンダー

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ゲーテ

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漫画や小説などは、購入またはポイント交換可♪

ポイントを使えば実質無料で読めちゃいます!

※漫画・書籍一例↓


ONE PIECE

SPYxFAMILY

推しの子

薬屋のひとりごと

メリット3

さらに・・・!

U-NEXTでは毎月1,200ポイントもらえます☆

そのため月額2,189円が、実質的には989円!

しかも4アカウントまで作成可能。家族4人で使えば1人あたり実質約250円で使えます♪

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[参考] Amz:1万、Hulu:10万本
コンテンツ 映画・TVドラマ・アニメ・本
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「名探偵コナン」とは?

 
アニメ「名探偵コナン」は、1994年~連載中の漫画が原作の大人気シリーズ。

毎週のTV放送に加えて、毎年4月には劇場版映画が公開されています♪

原作者は、青山剛昌(あおやま ごうしょう)さんで、週刊少年サンデーに現在も連載中です。

コミックは なんと104巻まで既刊

ハリウッドじゅん
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累計発行部数は2億7,000万部を突破してます☆

参考までに2億7,000万部前後の漫画というと、

  • ワンピース ONE PIECE(5億部)
  • ドラえもん(3億部)
  • ゴルゴ13(3億部)
  • ドラゴンボール(2億6,000万部)
  • ナルトNARUTO(2億5,000万部)
  • ブラック・ジャック(1億7,600万部)
  • スラムダンク(1億7,000万部)
  • こち亀(1億5,650万部)

などがあります。(23/12現在:Wikipedia調べ)

というか、上のランキングはそのまま「日本の漫画の歴代ベストセラー」一覧ですねw
ハリウッドじゅん
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アニメ「名探偵コナン」は歴代4位!人気スゴ過ぎですーっ!!(笑)

TVアニメシリーズ

 
アニメは1996年1月8日~12月16日(全42話)に、シーズン1の放送がスタート!

ハリウッドじゅん
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1シーズンの放送期間は約1年で、40話前後のエピソード構成になってます☆

以下に「名探偵コナン」のアニメシリーズ一覧をまとめました↓

23/12現在のアニメ化一覧

シーズン1(1996:1話~)
シーズン2(1997:43話~)
シーズン3(1998:86話~)
シーズン4(1999:129話~)
シーズン5(2000:174話~)
シーズン6(2001:219話~)
シーズン7(2002:263話~)
シーズン8(2003:304話~)
シーズン9(2004:345話~)
シーズン10(2005:384話~)
シーズン11(2006:425話~)
シーズン12(2007:460話~)
シーズン13(2008:491話~)
シーズン14(2009:521話~)
シーズン15(2010:562話~)
シーズン16(2011:602話~)
シーズン17(2012:642話~)
シーズン18(2013:681話~)
シーズン19(2014:724話~)
シーズン20(2015:763話~)
シーズン21(2016:804話~)
シーズン22(2017:845話~)
シーズン23(2018:887話~)
シーズン24(2019:927話~)
シーズン25(2020:965話~)
シーズン26(2021:993話~)
シーズン27(2022:1033話~)
シーズン28(2023:1068話~)

また最新シーズン28を放送中の主なTV・CS放送局の情報もまとめておきます。

放送情報

日本テレビ系列:土曜 18:00~
テレビ大分:土曜 18:30~
テレビ宮崎:火曜 25:24~
琉球放送:水曜 14:20~
宮古テレビ(ケーブル):火曜 19:00~
アニマックス(BS):水曜 19:00~
日テレプラス(CS):土曜 10:30~

オンライン動画は、TVerで最新話が約1週間の見逃し配信中です♪

また、過去のシーズンを好きな時に好きなだけ見たい方には、動画配信サイトが相性抜群☆

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映画シリーズ

 
コナンの劇場版アニメ(映画シリーズ)は、1997年4月19日に第1作「時計じかけの摩天楼」が公開!

それ以降2020年を除き、毎年4月に新作が制作されて既に26作が公開済みです。(23/12)

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累計興行収入は、なんと1,000億円突破☆

劇場版アニメ一覧 (24/1)

01.時計じかけの摩天楼(1997)
02.14番目の標的ターゲット(1998)
03.世紀末の魔術師(1999)
04.瞳の中の暗殺者(2000)
05.天国へのカウントダウン(2001)
06.ベイカー街ストリートの亡霊(2002)
07.迷宮の十字路クロスロード(2003)
08.銀翼の奇術師マジシャン(2004)
09.水平線上の陰謀ストラテジー(2005)
10.探偵たちの鎮魂歌レクイエム(2006)
11.紺碧の棺ジョリー・ロジャー(2007)
12.戦慄の楽譜フルスコア(2008)
13.漆黒の追跡者チェイサー(2009)
14.天空の難破船ロスト・シップ(2010)
15.沈黙の15分クォーター(2011)
16.11人目のストライカー(2012)
17.絶海の探偵プライベート・アイ(2013)
コラボ.ルパン三世VS名探偵コナン(2013)
18.異次元の狙撃手スナイパー(2014)
19.業火の向日葵(2015)
20.純黒の悪夢ナイトメア(2016)
21.から紅の恋歌ラブレター(2017)
22.ゼロの執行人(2018)
23.紺青の拳フィスト(2019)
24.緋色の弾丸(2021)
25.ハロウィンの花嫁(2022)
26.黒鉄の魚影サブマリン(2023)
27.100万ドルの五稜星(2024)
2024年の4月12日には最新27作目の「100万ドルの五稜星」が封切予定です☆

 
映画が公開される4月頃には人気動画配信サイトでも全作、見放題配信されることがありますよ!

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「名探偵コナン」の公式情報

以下、テレビアニメ「名探偵コナン」シリーズの基本情報です。

シーズン 第28期放送中(23/12)
決め台詞 真実は、いつもひとつ!!
話数 各期40話前後
放送時期 1996/1/8~
原作 青山剛昌
キャラクターデザイン 須藤昌朋(23/12)
美術監督 吉原俊一郎(23/12)
色彩設計 中尾総子(23/12)
撮影監督 吉田雅紀
CGディレクター 伊藤雅美
音響監督 浦上慶子、浦上靖之
音楽 大野克夫
編集 岡田輝満
ストーリーエディター 飯岡順一、小宅由貴恵
制作担当 福西将士
プロデューサー 汐口武史、藤堂真孝
アソシエイトプロデューサー 近藤秀峰
チーフプロデューサー 永井幸治、寺島清晃
監督 山本泰一郎、鎌仲史陽
音響制作 AUDIO PLANNING U
音響効果 石野貴久、横山亜紀
録音スタジオ AUDIO PLANNING U
アニメーション制作 第1スタジオ
制作 ytv、TMS(トムス・エンタテインメント)/Die4studio
放送局 日本テレビ系列ほか
あらすじ オレは高校生探偵・工藤 新一。

幼なじみで同級生の毛利蘭と遊園地に遊びに行って、黒ずくめの男の怪しげな取引現場を目撃した。

取引を見るのに夢中になっていたオレは、背後から近づいてくるもう一人の仲間に気づかなかった。

オレはその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたら…

体が縮んでしまっていた!!

工藤 新一が生きていると奴らにバレたら、また命が狙われ、周りの人間にも危害が及ぶ。

阿笠博士の助言で正体を隠すことにしたオレは、蘭に名前を聞かれてとっさに、江戸川コナンと名乗り、奴らの情報をつかむために、父親が探偵をやっている蘭の家に転がり込んだ。

謎に包まれた黒ずくめの組織…。

わかっているのは、そのコードネームがお酒にちなんだ名前であることくらいだ…。

そんな奴らの正体を暴くため、小さな名探偵、江戸川コナンの活躍が始まった!!

たったひとつの真実見抜く
見た目は子供、頭脳は大人

その名は、名探偵コナン!!

(公式サイトより引用編集)

基本情報 原作公式サイト
読売テレビ内アニメ公式サイト
週刊少年サンデー公式Xアカウント
アニメ公式Xアカウント
公式YouTubeチャンネル
Wikipedia
劇場版 劇場版アニメ「名探偵コナン」(映画シリーズ)は、1997年4月19日~ほぼ毎年4月に公開されてます。26作品が公開済み(23/12)
詳細は当サイトこちらのページで紹介してます♪
漫画 「名探偵コナン」の漫画は、23/12現在104巻まで既刊してます。
また、劇場版シリーズのコミックも発売されています。

amebaマンガ

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「名探偵コナン」のキャスト&声優

アニメ「名探偵コナン」シリーズのキャストと声優をご紹介します。

江戸川コナン(高山みなみ)

高山みなみさんは「名探偵コナン」江戸川コナン役、「魔女の宅急便」キキ役のほか「ドラえもん」「僕だけがいない街」「機動戦士ガンダム00」「ミスター味っ子」「らんま1/2」「まじかる☆タルるートくん」などに出演してる声優さん!実は、名探偵コナンの原作者、青山剛昌さんと2005~2007年まで結婚してました!

工藤新一(山口勝平)

山口勝平さんは「名探偵コナン」工藤新一役、「らんま1/2」早乙女乱馬役のほか「ONE PIECE」「犬夜叉」「機動武闘伝Gガンダム」「まじっく快斗」「魔女の宅急便」などに出演してる声優さん!

毛利蘭(山崎和佳奈)

山崎和佳奈さんは「名探偵コナン」毛利蘭役のほか「ママレード・ボーイ」「ひみつのアッコちゃん」「ONE PIECE」などに出演してる声優さん!

毛利小五郎(神谷明 → 小山力也:553話~)

神谷明さんは「北斗の拳」ケンシロウ役、「キン肉マン」キン肉マン役、「シティーハンター」冴羽獠役、「名探偵コナン」毛利小五郎役のほか「ドカベン」「うる星やつら」「めぞん一刻」「聖闘士星矢」「YAWARA!」「美少女戦士セーラームーン」などに出演してるベテラン大物人気声優さん!

そして小山力也さんは「名探偵コナン」毛利小五郎役のほか「はじめの一歩」「NARUTO」「ハイスクールD×D」「文豪ストレイドッグス」海外ドラマ「24 -TWENTY FOUR-」ジャック・バウアー役などにも出演してる声優さん!

阿笠博士(緒方賢一)

緒方賢一さんは「名探偵コナン」阿笠博士役、「らんま1/2」早乙女玄馬役のほか「宇宙戦艦ヤマト」「ゲッターロボ」「一休さん」「忍者ハットリくん」「魔神英雄伝ワタル」「To LOVEる」「僕のヒーローアカデミア」などに出演してる声優さん!

その他のキャスト

 ▶ 灰原哀(林原めぐみ)
 ▶ 吉田歩美(岩居由希子)
 ▶ 小嶋元太(高木渉)
 ▶ 円谷光彦(大谷育江)
 ▶ 鈴木園子(松井菜桜子)
 ▶ 服部平次(堀川りょう)
 ▶ 遠山和葉(宮村優子)
 ▶ 妃英理(高島雅羅)
 ▶ 怪盗キッド(山口勝平)
 ▶ 赤井秀一(池田秀一)
 ▶ 沖矢昴(置鮎龍太郎)
 ▶ 安室透(古谷徹)
 ▶ 目暮十三(茶風林)
 ▶ 高木渉(高木渉)
 ▶ 佐藤美和子(湯屋敦子)
 ▶ 白鳥任三郎(塩沢兼人→井上和彦:205話~)
 ▶ ジン(堀之紀)
 ▶ ウォッカ(立木文彦)
 ▶ ベルモット(小山茉美)
 ▶ 水無怜奈(三石琴乃)

「名探偵コナン」の全タイトル&あらすじ

あらすじには若干のネタバレも含まれていますので、内容を知りたくない方は飛ばして下さいね♪


※ピンクのタイトルをクリック(タップ)すると開閉できます。(2期以降のカッコ内は通算話数)

シーズン1

第01話 ジェットコースター殺人事件 数々の難事件を解決する高校生探偵・工藤新一は、ガールフレンドの毛利蘭と遊園地でデート中、ジェットコースターで殺人事件にまき込まれた。 ズバ抜けた推理力で事件を解決したが乗客の中にいた怪しげな黒服の男たちが現金受け渡しする犯罪現場に遭遇。現場の証拠を押さえようとするが背後から襲われ気を失ってしまい・・・。
第02話 社長令嬢誘拐事件 黒服の男に殴られ意識を失った新一が目覚めると、飲まされた毒薬のせいで身体が小学生くらいまでに縮んでしまっていた。新一は小学生・江戸川コナンと名乗り、黒服の男たちの情報を得るため私立探偵の父を持つガールフレンドの毛利蘭の家に居候することに。すると金持ちの娘が黒ずくめの男たちに誘拐されたという話が入る。
第03話 アイドル密室殺人事件 毛利小五郎の事務所に、アイドル・沖野ヨーコが訪ねてきた。何者かに後をつけられたり、部屋に侵入されているというのだ。調査のためコナンたちがヨーコの部屋に入ると、そこには男の刺殺死体があった…。コナンは小五郎を気絶させ、阿笠博士が発明した蝶ネクタイ型変声機を使って小五郎の声で事件の謎解きを始める。
第04話 大都会暗号マップ事件 偶然謎の図形と「ORO」という文字が書かれた紙を手に入れたコナンと同級生三人組。宝の地図に違いないと、早速捜索を開始したが、実はその暗号は、現在逃走中のイタリアの強盗団が隠したという金貨のありかを示したものだった。暗号を解読し、忍び寄る強盗団をかいくぐり、見事お宝にたどり着くことができるのか!?
第05話 新幹線大爆破事件 京都に向かう新幹線でコナンに毒薬を飲ませた黒服の男たちそっくりな二人組に出会う。様子を探るため、盗聴器を仕かけたところ、アタッシュ・ケースに爆弾をセットし、新幹線ごとあと40分で爆破するという声が…。
第06話 バレンタイン殺人事件 蘭がバレンタインパーティーに招かれた。主催者の医大生・克彦に夢中な同級生の園子にむりやり付き合わされたらしいが、コナンは気が気ではない。テニス仲間が集まるパーティーで、仲間の一人・好美が贈ったチョコレートを食べた克彦が、苦しみ出し死亡する。駆けつけた目暮警部と小五郎は、好美が犯人だとにらむが…。
第07話 月いちプレゼント脅迫事件 毛利探偵事務所に小川という依頼人がやってきた。二年前から毎月、送り主の名前も住所もデタラメなオモチャと現金が送られてきていて、今日送られてきた現金には、「2500万円払い終わりました。引き替えに、いただきに参ります」という意味不明の手紙が添えられていた。小五郎は手のこんだイタズラだと断定するが…。
第08話 美術館オーナー殺人事件 夜な夜な甲冑の騎士が歩き回るというウワサの美術館。興味津々の蘭は、コナンと小五郎を連れ見学に行く。 だが最後の「地獄の間」でコナンたちが見たのは、ホテルに転業するため美術館を閉館すると決めた新オーナー・真中が、「天罰」と題された絵画の後ろで、絵と同じように喉を剣で串刺しにされて絶命している姿だった。
第09話 天下一夜祭殺人事件 天下一春祭りの夜、ホテルの居室で人気作家・今竹智が殺害された。友人の笹井の犯行ではないかと疑われたが、笹井は祭りの会場にいたと主張し、証拠に蘭がシャッターを押したインスタントカメラを差し出した。完壁なアリバイに笹井は自信満々だが、コナンは笹井が犯人だと確信し、笹井のアリバイを崩す糸口を探し始める。
第10話 プロサッカー選手脅迫事件 毛利探偵事務所に赤木量子と名乗る女子高生が、新一を探してほしいと訪ねてきた。量子と会ったこともないコナンは戸惑うばかりだが、蘭のほうは新一への怒りで我を忘れてしまっている。新一をとっちめようと、蘭はコナンを連れて量子の家に押しかけるが、その依頼が、あるプロサッカー選手の脅迫事件と関係する事を知り…。
第11話 ピアノソナタ「月光」殺人事件 謎の依頼人に伊豆の小島・月影島に呼び出されたコナンたち。依頼人は12年前にピアノソナタ「月光」を弾きながら死亡した有名なピアニストだったことを知る。謎の依頼主のことを調べるため訪れた公民館で営まれていた前村長の法要の最中、「月光」の第一楽章と共に村の資産家が殺され、これを機に次々と殺人事件が…。
第12話 歩美ちゃん誘拐事件 公園でかくれんぼをするコナンたち。二時間たってもみつからない歩美にコナンがトランシーバーで連絡を取ると、歩美はなんと車のトランクの中。しかも、それは少女連続誘拐殺人事件の犯人の車だった! スケボーの動力ソーラー・エンジンも日没が迫り、時間がたてば歩美の命も危ない。コナンは絶体絶命のピンチに陥る。
第13話 奇妙な人捜し殺人事件 毛利探偵事務所に広田雅美と名乗る娘が、1か月前から行方不明になっている父を捜してほしいと依頼に来た。蘭は広田の飼っていた猫の名前が人気の競争馬の名前から付けられたことに気づき、競馬場であっという間に観客の中から広田を見つけ出す。 雅美との感激の再会となったが、その翌日、広田がアパートで絞殺された。
第14話 謎のメッセージ狙撃事件 コナンたちが川原で遊んでいると銃声のような音とともに風船が破裂した。コナンが双限鏡で川の対岸を見ると、土手の向こうのビルの屋上で二人の男に拳銃を向けられライフルを構えている男を目撃。その現場に駆けつけると、謎の十桁の数字を表示した電卓が置かれていた。これは男がコナンに残したメッセージだろうか。
第15話 消えた死体殺人事件 猫を探す依頼を受けたコナンたちは、猫が出てきた家の浴室で男の死体を発見した。コナンたちの通報で駆けつけた目暮警部は、その家を捜索するが、死体のあった浴室には一滴の血痕すら残っていない。コナンたちに見られずに死体を運び出すのは不可能だと判断した目暮警部は、コナンの通報がウソだと判断するが…。
第16話 骨董品コレクター殺人事件 コナンたちが、資産家の丸伝次郎の屋敷に妻の浮気調査報告のために訪れていた時、伝次郎自身が何者かによって惨殺された。残された伝次郎の手帳に名前が書き込まれていたのは、小五郎、伝次郎の主治医・波多野、彫刻家の阿久津、そして居合の道場主・諏訪の4人。はたして、この中に犯人がいるのか?
第17話 デパートジャック事件 「仮面ヤイバーショー」を見にデパートを訪れたコナンたちは、元太が大事なヤイバーのサインを忘れ閉店間際のデパートにとりに戻るが、出入口が閉まり閉店後のデパートに取り残されてしまう。警備室に行ったコナンたちは、そこでヤイバーとジョッカー軍団の着ぐるみ姿で閉店後のデパートを狙う強盗団に遭遇してしまう。
第18話 6月の花嫁殺人事件 今日は新一と蘭の中学の恩師・松本小百合先生の結婚式。式の時間が迫り、小百合は控室に一人で残った。妙な物音がして、コナンたちが控室に戻ってみると、純白のウェディングドレスに身を包んだ小百合が苛性ソーダの混入されたレモンティーを飲み吐血して倒れていた。容疑者は新婦の控室に出入りしたものに絞られる・・・。
第19話 エレベーター殺人事件 トップデザイナーの芦屋映子に街でファッションモデルにスカウトされた蘭。衣装合わせのためビルに行くと、秘書の美香がエレベーターの中で殺害されているのに出くわした。暎子は床に残った靴跡を見つけビル荒らしに殺されたのだと断定するが、コナンは映子がエレベーターのボタンをハンカチで拭いたのを見逃さなかった。
第20話 幽霊屋敷殺人事件 歩美が幽霊屋敷を見つけてきた。コナンたち少年探偵団は、さっそく幽霊退治に乗り出すことになった。そこは5年前に殺人事件があった家で、現在は空き家のはずだ。一人でトイレに行った光彦の悲鳴に続き、元太の悲鳴が聞こえた。本当に幽霊なのか?コナンは床の隠し扉に気づき開けると、扉の向こうは地下への階段だった。
第21話 TVドラマロケ殺人事件 人気アイドル沖野ヨーコ主演のサスペンスドラマのロケが米花神社で行われた。そのドラマの推理監修として協力することになった小五郎はゴキゲンだ。しかしその日の夜、コナンたちが神社の前を通りかかると、撮影助手の安西が狛犬の前で血まみれで倒れていた。手掛かりは血で書かれた「コマイヌ」の文字だけ。
第22話 豪華客船連続殺人事件(前編) 旗本島に旅行に来たコナンたち。偶然、旗本島の旧家・旗本一族が貸切りにした豪華客船に便乗させてもらうことになった。一族の当主・豪蔵は今日の結婚式の途中から機嫌が悪く、自室に引き上げて行った。夕食に姿を見せない豪蔵を迎えに行くと、自室で殺害されていた。遺産分配をめぐっての争いだろうと推察されるのだが…。
第23話 豪華客船連続殺人事件(後編) 旗本一族のチャーターした豪華客船内で、当主の豪蔵が刺殺され、孫娘の夏江と結婚式を挙げたばかりの花婿・武が犯人と疑われ、倉庫に監禁された。これで一件落着かと思われたが、惨劇の幕はまだ下りていなかった。第二の殺人が起き、武が監禁されていた倉庫の扉が開いていて、武の姿が消えていた。真犯人は一体誰なのか?
第24話 謎の美女記憶喪失事件 二か月前にコナンの推理で逮捕された保険金殺人犯・湯田が、刑務所を脱走した。いつものようにコナンが小五郎の声を使って事件を解決したのだが、そうとは知らない湯田は、小五郎を恨んでいた。逮捕された時に「この礼は必ずしてやる」と言った湯田の言葉を思い出し、蘭は小五郎の身を案じる。小五郎に魔の手がしのびよる。
第25話 偽りの身代金誘拐事件 蘭の同級生・直子が誘拐され身代金の受渡しが埠頭で行なわれたが、誘拐犯の車は逃走途中、直子を乗せたまま海中に転落してしまった。しかし引き上げられた車には、直子も犯人の姿もなかった。その後事件当日、埠頭の対岸で不審なクルーザーがいた事を知り、コナンは直子たちが生きていると確信し、推理をはじめる…。
第26話 愛犬ジョン殺人事件 コナンたちは、学校帰りに坂口家の愛犬ジョンと遊ぶのを楽しみにしていた。ある夜、コナンが小五郎と蘭と共に坂口家の前を通りかかると、犬の鳴き声と悲鳴が聞こえ、若い女性が飛び出してきた。家の中では倒れた男性と唸っているジョンの姿が。コナンや蘭には人懐っこいジョンが訳もなく人を襲うとは考えられないのだが…。
第27話 小五郎の同窓会殺人事件(前編) 小五郎の大学の柔道部の同窓会が開かれることになった。昔のアルバムを眺め、思い出話に花が咲く。中道が皆を卓球に誘うと、かつて恋人だった由美は疲れたから休むと言って部屋に戻ってしまう。由美を除いた全員で卓球を楽しんだ後、一同は花火大会に。しかし部屋に戻ってみると、側頭部を銃で撃ち抜かれた由美の姿が。
第28話 小五郎の同窓会殺人事件(後編) 小五郎の大学の柔道部の同窓会で柔道部のマドンナだった堀田由美が死んだ。旅館の自室で頭を銃で撃ち抜いていたのだが、数々の証拠から自殺に見せかけた他殺とわかった。犯人は同窓会に集まった小五郎の親友の四人の内の誰か。だが、この時間は全員が卓球をしていたというアリバイがある。小五郎のつらい謎ときが始まる。
第29話 コンピューター殺人事件 コンピューター・ソフト会社の社長・大木田が死亡した。遺体に外傷はなく、毒物を飲んだ形跡もないことから、突然死だと思われた。しかしコナンは家中がコンピューターで快適な温度に管理されているはずなのに、遺体が多量の汗をかいている事に気づく。急激に温度が上昇しただけで心臓発作を起こすとは考えにくいのだが。
第30話 アリバイ証言殺人事件 小五郎に高名な弁護士・巽から妻の浮気調査の依頼があった。しかし、その日、自宅で縛り上げられて空の浴槽に押し込まれていた巽の妻の遺体が発見された。死亡推定時刻に小五郎と一緒にいた巽には完璧なアリバイがあるはずだが、コナンは、何か釈然としないものを感じる。全ての推理の出発点は、あのホテルだ。
第31話 テレビ局殺人事件 小五郎がゲスト出演した人気番組の生放送終了直後、プロデューサー・諏訪が、ミーティングルームで殺された。諏訪はここで番組終了後に司会の松尾と打合せをすることになっていた。番組降板の噂もあった松尾に目暮警部が問い正すが、生番組の司会をやっている自分に犯行は不可能だと自分のアリバイに自信たっぷりだ。
第32話 コーヒーショップ殺人事件 蘭が新一とデートだと言って、うれしそうに出かけて行った。「新一はオレなのに」とコナンは気が気でない。不安になったコナンは無理やり待ち合わせの喫茶店までついていく。客の観察をしているその時、トイレから男の絶叫が響きわたった。トイレの個室の中で心臓をナイフで一突きされた女性が血まみれで倒れていた。
第33話 探偵団サバイバル事件 川原にキャンプにやってきたコナンと少年探偵団の四人は、阿笠博士から宝物の在りかだという古い絵地図をもらいはりきって宝探しを始める。地図に従って森の中の目印をたどっていくと、途中で怪しげな二人組の男にでくわすが、男たちは四人を見てあわてて立ち去った。その後地図に書かれた暗号の謎を解いていくのだが…。
第34話 山荘包帯男殺人事件(前編) 蘭とコナンは同級生・園子の別荘に招待された。そこには園子の姉と姉の大学時代の映画研究会の仲間も集まっていた。蘭が森の中で顔に包帯を巻いた男に斧で襲われた。そして山荘の電話線は切断され、吊り橋が落とされていた。その夜、コナンたちは森の中で、バラバラに切断された脚本家の知佳子の惨殺死体を発見する。
第35話 山荘包帯男殺人事件(後編) 包帯男に蘭が再び襲われたことで、全員が食堂で夜明かしすることになった。知佳子が連れ去られた時に首に付けていたチョーカーを綾子が玄関で見つけ、知佳子殺しの謎が新たに浮上する。内部の犯行だとすると、蘭がなぜ二度までも襲われるのか。コナンは山荘に到着した時の出来事を思い出す。
第36話 月曜夜7時30分殺人事件 歩美が歯科医・沢木葉子に歯を抜いてもらった夜、あるマンションで殺人事件が起こった。第一発見者は隣室に住む葉子。葉子には、歯科医院で歩美と一緒にテレビを見ていたというアリバイがあった。が、歩美は眠ってしまって番組の最初と最後しか見ていないという。コナンはどこかにトリックが隠されているとにらむが…。
第37話 サボテンの花殺人事件 小五郎に人捜しの依頼が来た。手掛かりは赤いスポーツカーのナンバーと、依頼人・典子が描いた似顔絵だ。信州でその男と知り合ったという典子の話に、小五郎は勝手に恋の相手だと決めつけるが、コナンは似顔絵の表情が陰険なのが気になった。コナンは小五郎にこのことを指摘するが、相手にされず一人で調査を開始した。
第38話 赤鬼村火祭殺人事件 赤鬼村の火祭会場で、燃えさかる櫓の中から焼死体が発見された。殺人事件として捜査が始まったが、被害者の根岸は小五郎が阿部という男の依頼で3日間尾行をしていた相手で、しかも二人は互いに五億円の生命保険をかけていた。状況から、犯人は阿部に違いない。が、小五郎によって阿部のアリバイは完璧に証明されていた。
第39話 資産家令嬢殺人事件(前編) 資産家の一人娘・四井麗花の誕生パーティーに招かれた小五郎と蘭、コナン。わがままな麗花の一言で、麗花の花婿候補と目されているヨットクラブのメンバー四人が家政婦の米、コナンたちと共に別荘に残ることになった。そんな中で麗花が行方不明になり、捜している最中に、二階堂が庭の噴水で溺死しているのが発見された。
第40話 資産家令嬢殺人事件(後編) 人里離れた別荘で資産家令嬢・麗花の花婿候補の一人・二階堂が不審な溺死を遂げ、蘭までもが同様の手口で襲われた。行方不明だった麗花も浴室で溺死体となっていた。三件の犯行はこの夜別荘にいた同一人物によるものに違いない。全身ずぶ濡れの麗花の死体の状況から、コナンはシャワーを利用したトリックを見破る。
第41話 優勝旗切り裂き事件 コナンと小五郎、蘭は米花高校野球部の遠征試合を応援に行った。相手は昨年の地区大会優勝校で、今年も優勝候補ナンバーワンの修好学園。試合は思わぬ展開で米花が逆転勝利したが、試合直後、修好学園の理事長室で昨年の優勝旗がズタズタに引き裂かれているのが発見され、校長は、野球部の大会出場を辞退すると宣言した…。
第42話 カラオケボックス殺人事件 園子に誘われ、人気バンド「レックス」の打ち上げパーティーに参加した蘭とコナン。しかし、ボーカルの達也が、ヒット曲を熱唱した直後に吐血して倒れ、死亡した。死因は青酸カリ中毒。警察は昔のバンド仲間だったカラオケボックスの店長を疑うが…。コナンはカラオケボックスに全員を集め、店内放送を使って推理を始める。


シーズン2

第01話
(43話)
江戸川コナン誘拐事件 毛利探偵事務所にコナンの母親だという女が現れた。蘭や小五郎の手前、ウソだとも言えず、コナンは女の車に乗り込んだが、コナンに母親などいるわけがない。案の定、女はコナンの正体が工藤新一だと知っていて誘拐したのだ。謎のベールに包まれていた世界的推理作家と元美人女優の新一の両親がついに登場する特別編。
第02話
(44話)
堀田三兄弟殺人事件 小五郎と蘭、コナンは、山道で車が故障して困っていた、堀田重工の会長・堀田耕作を別荘まで送っていった。別荘では堀田の誕生パーティーが開かれるところだったが、息子たちがケンカを始めて険悪な雰囲気になった。その夜、堀田の寝室が爆破され、堀田が死亡。小五郎は行方不明になった次男を疑うが…。
第03話
(45話)
顔パック殺人事件 高級住宅街で会社社長・児島郁子が顔にパックしたまま、ガウン姿で絞殺された。防犯カメラの映像とガードマンの証言から、死亡時刻が夜の9時すぎの18分間と推定される。容疑者は専務の吉岡、娘の千尋、証券マンの泉の三人。来客の予定があったのに、ガウン姿でパックをしているのは不自然だと気づいたコナンだが…。
第04話
(46話)
雪山山荘殺人事件 雪山にスキーに来たコナンと蘭、小五郎は、貸別荘の鍵を無くして医大教授・大山将の別荘で電話を借りることにした。別荘には大山の弟子の助教授や助手たちが集まり、コナンたちも鍋パーティーに招待される。食後、一人別室でテレビを見ていた大山の惨殺死体が発見された。コナンは大山のダイイングメッセージに気付く。
第05話
(47話)
スポーツクラブ殺人事件 元高飛び込み女子選手がオーナーであるスポーツクラブが新装オープンすることになった。その前日に招待されたコナン、蘭、小五郎だが、高飛び込みの代表選手の西条と他のインストラクターたちが対立しているところを目撃してしまう。その夜、西条の死体がプールに浮いているのが発見された。西条の死は事故か殺人か。
第06話
(48話)
外交官殺人事件(前編) 新一に会うために、蘭のところへ“西の高校生探偵・服部平次”と名乗る少年が押しかけてきた。風邪気味のコナンは服部に飲まされた中国酒でフラフラになる。蘭が服部をにらみつけているところへ小五郎の依頼人が訪れる。小五郎と蘭、コナン、服部の四人で依頼人の外交官宅へ出向くと、外交官は何者かに毒殺されていた。
第07話
(49話)
外交官殺人事件(後編) 服部に飲まされた中国酒のせいで気分が悪くなったコナンは、外交官・辻村勲の殺害現場で倒れてしまう。辻村を毒殺したトリックを暴いた服部は、辻村の父・利光を犯人だと決めつける。そこへ、突然、新一が現れ、服部の推理の間違いを指摘する。新一は、真犯人を突き止め、辻村夫婦の過去を掘り起こす。
第08話
(50話)
図書館殺人事件 図書館で逆向きにケースに入れられて包装された変な洋書を見つけたコナンは、ここの図書館の職員が行方不明になっていることを知る。警察は手掛かりを見つけられずに帰っていったが、コナンは少年探偵団の3人と一緒に閉館した図書館の内部を捜索する。そして児童図書の書棚で背表紙のない本に隠された麻薬を発見した。
第09話
(51話)
ゴルフ練習場殺人事件 お気に入りのアイドル・沖野ヨーコの推薦でチャリティーゴルフ大会に出場することになった小五郎は、早朝のゴルフ練習場にやってきた。ド下手な小五郎の練習にコナンが見飽きた時、サラリ-マンの4人連れが入ってきた。部長の橘がドライバーに持ち替え、振り下ろした瞬聞、激しい爆発音と共にもうもうと黒煙が上がった。
第10話
(52話)
霧天狗伝説殺人事件 コナン、蘭、小五郎が一泊することになった山寺には、若い女をさらって高い木に登り、そこに死体を吊してその肉を食うという霧天狗の伝説が伝わっていた。修行僧たちは小五郎に、2年前に若い修行僧が伝説と同じような死に方をした事件を話そうとするが、和尚に一喝される。翌朝、和尚が高い梁から吊されて息絶えていた。
第11話
(53話)
謎の凶器殺人事件 マンションのベランダで会社社長・井本が、日課にしていた太極拳の最中に何かで後頭部を一撃されて死亡した。マンションには、井本の妻・貴子、井本夫妻の仲人・土橋、マンションの住人で釣具店主の寺沢がいて、それぞれに殺害の動機がある。コナンはベランダの手すりについた傷から、釣り竿を使ったトリックを見破るが…。
第12話
(54話)
ゲーム会社殺人事件 小五郎が監修したゲームソフトの発表パーティーで、コナンは自分を小さい体にした黒ずくめの男たちの仲間らしい大男を見かける。手掛かりをつかもうと、尾行を始めると、大男はトイレで爆死した。爆発は大男がクロークでアタッシュケースを受け取った直後だったことから、コナンは大男の取引相手を捜し出そうと知恵を絞る。
第13話
(55話)
列車トリック殺人事件 温泉旅行から帰る途中、コナン、蘭、小五郎は乗換えの駅で殺人事件に遭遇する。殺されたのは、コナンたちと同じ列車に乗り合わせた医師会のメンバーで、並行して走っている別の路線の車内で毒物を注射されて死亡していた。コナンは、医師会のメンバー・伊達をあやしいとにらむが、別の列車の中にいては、犯行は不可能だ。
第14話
(56話)
おじゃマンボウ殺人事件 「TVおじゃマンボウ」の中山秀征、麻木久仁子らが、実名のままゲスト出演。おじゃマンボウ清掃会社の専務が、落ちてきた鉄材で頭を打って死亡した。現場は会社近くの細い路地。日曜日の今日は社長の中山と秘書の麻木だけが出社していた。偶然現場に居合わせたコナンは、事故に見せかけた殺人事件のトリックに挑戦する。
第15話
(57話)
ホームズ・フリーク殺人事件(前編) 小五郎と蘭と一緒に「シャーロックホームズ・フリーク歓迎ツアー」に参加したコナンだが、ツアーの主催者・金谷が車に乗ったまま崖から転落、炎上してしまった。孤立した参加者たちは一室に閉じこもるが、第2の事故が起こってしまう。ツアーに参加していた服部平次と共にコナンは犯人との知恵くらべをすることになった。
第16話
(58話)
ホームズ・フリーク殺人事件(後編) ツアーの主催者・金谷に続いて綾子が爆死。さらに、藤沢がアイスピックで襲われるに及んで、ツアーの参加者たちは戦々恐々としていた。犯人は残ったメンバーの中にいるのか、それとも、死んだはずの金谷なのか?服部平次と共に犯人のトリックを推理していくが、平次はコナンの正体に疑いを持ちはじめる。
第17話
(59話)
初めてのお使い殺人事件 商店街のイベント“初めてのおつかい大会”に記録係として参加した少年探偵団の面々とコナンは、参加者のひろしの突飛な行動にてんてこ舞。一度は姿を見失ったひろしをやっと見つけたかと思えば、今度はそのひろしに危険が迫る。本人が何も気付かないまま間一髪で難を逃れたものの、ついに何者かに連れ去られてしまう。
第18話
(60話)
イラストレーター殺人事件 コナンと小五郎たちの目の前で女性イラストレーターがマンションのベランダから転落、死亡した。直前に師匠の花岡に予告電話をかけていたことから、投身自殺かと思われたが、コナンは転落前に女性が死んでいたと見抜く。一番怪しいのは、離れたデザイン事務所にいた花岡だ。自殺に見せかけるトリックの方法は一体何だ!
第19話
(61話)
幽霊船殺人事件(前編) 水軍伝説の伝わる瀬戸内海の小島・敷島では、7年前に金塊を積んで沈没したはずの小型船・竜神丸が浜に打ち上げられた。講演会を依頼されて島にやって来た小五郎は10億円の金塊探しも依頼される。が、小五郎の代わりにくす玉の紐を引いた村役場の職員がガソリンを浴びて火だるまになった。何者かが小五郎の命を狙ったのだ。
第20話
(62話)
幽霊船殺人事件(後編) 竜神丸のキャビンから灯台守・浜田の惨殺死体が発見され、現場で気絶していた小五郎に殺人容疑がかかった。島民たちの怒りに小五郎と蘭共々八つ裂きにされかねない不穏な雰囲気に、コナンは小五郎を麻酔銃で眠らせ、小五郎の声で小五郎がはめられた罠を暴き出す。小五郎を罠にはめた真犯人は金塊を狙っているに違いない。
第21話
(63話)
大怪獣ゴメラ殺人事件 映画「大怪獣ゴメラ」の撮影所を見学に行ったコナンと少年探偵団の子供たちは、ゴメラ役の俳優・松井の案内でセットや怪獣の着ぐるみを見て大喜び。が、松井がゴメラに刺され、逃げたゴメラを追うコナンたちは、スタジオでゴメラがシリーズの中止を決定したプロデューサーを刺殺するところを目撃する。
第22話
(64話)
第3の指紋殺人事件 小五郎の刑事時代の先輩で暴力団担当の警部・寺岡からバーベキューパーティーに招待された小五郎、蘭、コナン。寺岡は暴力団の幹部から呼び出され、一人で会いに行くと言う。心配した小五郎は寺岡に付き添っていくが、寺岡が入っていったコンテナ置場から銃声が聞こえ、暴力団幹部・松山が喉を撃たれて死亡した。
第23話
(65話)
カニとクジラ誘拐事件 ビアガーデンで誘拐事件に気づいたコナンは、小五郎、蘭と共に、脅迫されているらしい歯科医・遠藤を家まで尾行する。急患のふりをして入り込んだ3人は、4歳の息子・圭太が誘拐され、身代金を要求されていることを知る。圭太の監禁場所の手掛かりは「カニ」と「クジラ」。コナンたちは水族館やカニ料理店を調べまくるが…。
第24話
(66話)
暗闇の道殺人事件 街灯の壊れている夜道で大学生が側頭部を鈍器で一撃されて死亡した。現場付近で凶器は発見されなかった。真っ暗闇の中で誰が、どうやって殺害したのか?直前まで前のマンションで一緒に酒を飲んでいた仲間と現場にいた友人、それぞれ動機はある。コナンは向かいのビルの屋上を利用した密室からのトリックに挑戦する。
第25話
(67話)
舞台女優殺人事件 公演を目前に控えた有名劇団に脅迫状が送られてきた。調査を依頼された小五郎たちの目の前で主演女優の大手祥子がリハーサル中に死亡する。服毒自殺を演じる心中シーンで青酸化合物を飲まされたようだ。衆人監視の中、祥子だけに確実に毒を飲ませる方法はあるのか?祥子殺しの動機を持つ容疑者が次々と浮上するが…。
第26話
(68話)
闇の男爵(ナイトバロン)殺人事件(事件篇) コナンたちは阿笠博士の申し込んだ「伊豆ミステリーツアー」に博士の代わりに参加した。ツアーの中に紛れ込んでいる主催者を見つけ出すと、極秘のプログラムのフロッピーがもらえるという。謎の主催者はコナンの父・工藤優作の書いたミステリーの主人公・闇の男爵(ナイトバロン)に扮してツアー中に事件を起こすらしい。
第27話
(69話)
闇の男爵(ナイトバロン)殺人事件(疑惑篇) ツアーに参加した7人はナイトバロンという名の幻のコンピューターウィルスのフロッピー目当てに参加したことが判った。そんな中、プログラマーの江原が転落死した。江原がナイトバロンの衣装を身に着けていたことから、ツアーの主催者は江原で、酒に酔った上の事故と見られた。が、衣装は何者かに着せられたことが判明。
第28話
(70話)
闇の男爵(ナイトバロン)殺人事件(解決篇) ナイトバロンに襲われた警官は空手の達人だった。ナイトバロンは蘭のキックもかわしている。こんなことができるのは、空手の日本チャンピオンだった前田しかいない。コナンは死んだ江原の部屋の防犯ロックを外からかける方法を横溝刑事と小五郎に教え、小五郎たちは改めてツアーのメンバーのアリバイを確認する。
第29話
(71話)
ストーカー殺人事件 早朝からハイキングに出かけていたコナンたちは、若い男が変死した現場に遭遇する。男が飲んだと思われる毒入りの清涼飲料水は、小五郎が自動販売機から2本出てきたと喜んだ清涼飲料水と同じ商品だった。事件は自動販売機を利用した無差別殺人と考えられたが、死んだ男にはストーカーで警察に通報された前歴があった。
第30話
(72話)
三つ子別荘殺人事件 園子の別荘に招かれた蘭とコナンは、園子の姉の婚約者・富沢雄三を紹介される。雄三の父・哲治は隣の別荘の持ち主で、富沢財閥の会長だ。その夜、哲治が惨殺され、停電中の暗闇でコナンたちは偶然、殺害の場面を見てしまう。犯人の顔は、紛れもなく雄三のものだった。が、雄三にはそっくりな顔をした三つ子の兄弟がいた。
第31話
(73話)
少年探偵団遭難事件 少年探偵団のメンバーたちと海に遊びにきたコナンは、春日財閥の御曹司・輝彦と恋人の忍と知り合い、モーターボートに乗せてもらって大はしゃぎ。夕方になって、コナンたちは先に帰ったはずの忍の名前と「SOS」とメッセージの入ったペットボトルを拾う。メッセージが本物だと考えた4人は、忍を捜して海辺の洞窟に入り込む。
第32話
(74話)
死神陣内殺人事件 映画「死神陣内」の主役・死神陣内を演じる俳優・南条隼人の元に死神陣内の名で殺人予告状が届けられた。警護が南条の事務所を取り巻く中、映画と同じ死神陣内の扮装をした人物が現れたが、コナンのキックも小五郎のタックルもかわして逃走する。その直後に銃声が響きわたり、南条が事務所で射殺死体となって発見される。
第33話
(75話)
金融会社社長殺人事件 金融会社の社長・肥田が毒殺された。肥田は一人で残高の確認をしていた。被害者の親指と数枚の札から毒物反応が検出され、札を数える際に親指をなめる被害者のクセを知っている者の犯行と思われる。が、肥田の親指、札、ドアノブ以外から毒物反応は出てこない。密室の中で、誰がどうやって肥田の指だけに毒を塗ったのか? 
第34話
(76話)
コナンVS怪盗キッド 園子の家に怪盗キッドからの犯行予告状が届けられた。鈴木家の家宝の黒真珠“ブラックスター”を狙ったものだ。園子は小五郎に捜査を依頼する。予告状の暗号を解いたコナンがホテルの屋上で待機すると、目の前にキッドが現れるが、姿を見せただけで捜査を指揮する警部の手に再度の予告状を残して忽然と消えてしまう。
第35話
(77話)
名家連続変死事件(前編) 名家・長門家の当主・長門道三の誕生パーティーに呼ばれた小五郎は、道三の初恋の人を捜してほしいと依頼された。その夜、道三の次女・康江の夫、光明が何者かにベランダから突き落とされて死亡。その直前に包丁を口にくわえた長男・秀臣が目撃されている。コナンは服部平次と二人で事件の真相を探り始める。
第36話
(78話)
名家連続変死事件(後編) 池の底から秀臣の死体が発見され、事件をほのめかすかのような遺書も見つかった。鑑識の結果から、光明を殺害した直後に入水自殺したものと思われたが、コナンと平次は遺書の文面に不自然な箇所を見つける。秀臣の部屋で事件前日に録音された留守番電話のメッセージを聞いた二人は、推理を裏付ける遺留品を発見する。
第37話
(79話)
銀行強盗殺人事件 閉店間際の銀行で、コナンは蘭、園子と銀行強盗に遭遇する。拳銃を持った犯人は、背後から殴りかかろうとした行員を射殺。銀行内がパニックに陥った隙をつき、別の行員が飛びかかって犯人を射殺してしまう。犯人を倒した行員の勇気ある行動で解決したと思われる事件だが、コナンは何か不自然なものを感じて調査を始める。
第38話
(80話)
放浪画家殺人事件 コナンが捕り損ねた野球の打球が絵を描いている男のキャンバスに当たった。男はコナンが見覚えのある画家で、記憶喪失のようだ。突然苦しみだした男を、病院に運ぶが、男は病院を抜け出し、翌日、絞殺死体となって発見される。遺体の鞄の中に銀杏の葉が入っているのを見たコナンは、少年探偵団の仲間たちと調査を開始する。
第39話
(81話)
人気アーティスト誘拐事件(前編) 武道館でのコンサートの開幕直前に、人気デュオ・TWO-MIXの二人が誘拐された。事件を目撃したコナンと少年探偵団の子供たちは、犯人から連絡役に指名され、大はりきりで事件解決を目指すが……。コナンの声を担当する高山みなみが参加し、ヒットチャートをにぎわせているTWO-MIXが劇中に登場。
第40話
(82話)
人気アーティスト誘拐事件(後編) 誘拐されたTWO-MIXを救出するため、歩美になりすまして犯人に新曲のデモテープを届ける役目を買って出たコナン。だが、コナンに手柄を独り占めされたくない元太たちは目暮警部にコナンの行方をたどる追跡メガネを渡さなかった。自分たちだけで事件を解決しようと、TWO-MIXが監禁されている倉庫までたどりつくのだが…。
第41話
(83話)
総合病院殺人事件 ある夜、ケガで入院中の小五郎が病室の窓ごしに殺人を目撃した。あわてて警察を呼び、現場と思われる病室に急行するが、そこには死体はおろか、事件の痕跡は何もなかった。精神科の医師・白井はストレスによる幻覚だと決めつけるが、コナンは小五郎が見たのは窓ガラスを利用したトリックだったことに気づく。
第42話
(84話)
スキーロッジ殺人事件(前編) スキー場で小学校時代の恩師・米原と出会ったコナン、蘭、園子は、米原が現在の教師仲間と借りた貸別荘に招侍される。吹雪で別荘に足止めされたコナンたちは、押しかけてきた新聞記者から3年前に米原の学校で何か事件があったことを聞く。険悪な雰囲気になる教師たち。その夜、米原と園子が何者かに襲われる。
第43話
(85話)
スキーロッジ殺人事件(後編) 猛吹雪に閉じ込められた山荘で、蘭たちの恩師・米原の同僚・杉山が死体となって発見され、自室に閉じこもっていた下田も殺された。下田の首には縄で絞められた跡がくっきりと残っているが、どこからも縄は出てこない。犯人は下田の部屋のそばにいた3人の中にいる。コナンは手掛かりを求めて山荘の周辺を再調査するが…。


シーズン3

第01話
(86話)
誘拐現場特定事件 ワイドバンドレシーバーで誘拐犯の脅迫電話を聞いてしまったコナンと少年探偵団の子供たちは、レシーバーから聞こえてくる情報だけを頼りにどこの誰とも判らない被害者と犯人の居場所を突き止めようとする。犯人は川田という男に娘を殺されたくなかったら言うことをきけと、無茶な要求を次々に突きつける。
第02話
(87話)
鶴の恩返し殺人事件 北海道でツルを観察していたコナンと蘭、小五郎は、ツルの世話をする老人と出会う。老人の家に招待されたコナンたちは、老人が引退した実業家で、全財産をツルのために村に寄付するという遺言書を作成中だということを知る。老人の弟と子供たちは猛反対。手続きが終了する直前に老人はボウガンの矢で射抜かれ、死亡する。
第03話
(88話)
ドラキュラ荘殺人事件(前編) 吸血鬼の小説で有名なホラー作家・虎倉大介の依頼でドラキュラ荘と呼ばれる彼の山荘を訪れた小五郎と蘭、コナンは、豪雨のために山荘に一泊することになった。その夜、一人で書斎にこもっていた虎倉は、ドラキュラの衣装を身に着け、十字架上で白木の杭を胸に打ち込まれていた凄惨な死体となって発見される。
第04話
(89話)
ドラキュラ荘殺人事件(後編) ホラー作家・虎倉大介を惨殺した犯人を特定するためには、殺害現場である書斎が完全な密室状態にあったという謎を解かなくてはならない。この夜、山荘にいた虎倉の妻たちの前で、小五郎は謎解きをしてみせると豪語する。案の定、小五郎の推理は的外れだったが、全員に殺害の動機と機会があったことが判明する。
第05話
(90話)
花の香り殺人事件 生け花アーティスト・岡野利香に殺人を予告する脅迫状が届いた。脅迫状には、利香の世界芸術大賞受賞パーティー会場となる紅花ベイサイド・ホテルに「死の花が咲く」とある。パーティー当日、会場を訪れた小五郎、蘭、コナンの3人はホテルの支配人の死体を発見する。小五郎と目暮警部は遺体の状況から絞殺と断定するが…。
第06話
(91話)
強盗犯人入院事件 骨折で入院した小五郎の病室に銀行強盗の容疑者が入院していた。被害にあった銀行の行員の父親も同室で、強盗の仲間たちは行員の娘を人質に、仲間の口封じをするよう脅迫していた。容疑者を監視する警官の中にも仲間が紛れ込んでいて、行員は通報することもできずにいる。動揺する行員の姿に事件を見抜いたコナンだが……。
第07話
(92話)
恐怖のトラヴァース殺人事件(前編) 小五郎のもとに奇妙な依頼が舞い込んだ。半年前、見事な手際で殺人を実行し、姿を消した名うての殺し屋・狐(フォックス)に間違って自分の殺しを依頼してしまったというのだ。殺人を阻止し、狐を捕らえるために、依頼者の不動産会社社長が実行を指定した山の縦走にコナンたちも同行することになる。
第08話
(93話)
恐怖のトラヴァース殺人事件(後編) 殺し屋・狐の標的ではないはずの大学生・平井が殺され、山小屋で恭子の死体が発見された。恭子も背中にナイフを突き立てられていて、狐の第2の殺人かと思われた。小五郎は自分の正体を明かし、犯人捜しを始める。コナンが恭子の正体に勘づいた時、恭子の連れの河辺と依頼人の潮、山小屋の管理人の老婆の姿が消えていた。
第09話
(94話)
雪女伝説殺人事件 スキーに来たコナンたちは、古びた民宿に泊まることになる。他の宿泊客はドラマで雪女を演じた女優・木下明子と専属のスタント・ウーマン浅沼洋子だけだ。蘭が露天風呂で雪女の幽霊を見た夜、明子が遺書を残して姿を消した。翌朝、雪女の衣装を着た明子の凍死体が発見され、睡眠薬を飲んだ上での自殺と思われるが…。
第10話
(95話)
小五郎のデート殺人事件 酔って帰宅中の小五郎は、中学校の裏手で知り合いの佐知子と出会う。あわてた様子で車に乗り込もうとしていたが、なぜか小五郎をドライブに誘う。大喜びの小五郎だが、ドライブから戻ると佐知子のルームメイトが自宅のマンションで殺されていた。小五郎の証言で佐知子のアリバイは成立。事件は強盗殺人事件かと思われた。
第11話
(96話)
追いつめられた名探偵!連続2大殺人事件 変死した世界的なマジシャン・九十九元康の妻が、蘭の母・妃英理の紹介で小五郎を訪れた。夫の死の真相を調査してほしいというのだ。巧妙なトリックと痛ましい犯行の動機を見事推理したコナン。だが、蘭はそんなコナンの様子を見て、コナンの正体が新一だという確信を強める。蘭に詰め寄られたコナンは…。
第12話
(97話)
別れのワイン殺人事件 市川産業の会長・市川孝太郎に呼ばれた小五郎は、二人の娘の行動を監視してほしいと依頼される。親族会で小五郎は、性格の悪そうな長女と次女の様子をうかがう。コナンは長女・一重が地下室でワインに毒を注入するのを目撃するが、何者かに襲われ意識を失う。が、その間に孝太郎は一重が勧めたワインを飲んで急死してしまう。
第13話
(98話)
名陶芸家殺人事件(前編) 小五郎は人間国宝の陶芸家・菊右衛門に招待され、コナン、蘭と共に東京郊外の家を訪れた。小五郎のファンだという菊右衛門老人は高価な作品を惜しげもなく小五郎に与え、歓待する。小五郎に見せようとした新作の壺「風水丸」が割れてしまい、落胆する菊右衛門。翌朝、とんでもない事件が小五郎とコナンを待ち構えていた。
第14話
(99話)
名陶芸家殺人事件(後編) 人間国宝の陶芸家・菊右衛門の息子の嫁・益子の死は、新作の壺「風水丸」を壊したことを苦にしての自殺かと思われた。が、素足で首を吊っていた益子の足が汚れていないことに気づいたコナンは、一人で殺人事件の証拠探しを始める。益子をワナにかけ、自殺に見せかけて殺した犯人をコナンは追い詰めていく。
第15話
(100話)
初恋の人想い出事件(前編) 蘭たちの中学の先輩だった内田麻美が新一の留守宅を訪ねてきた。新一を誕生パーティーに招待したいのだという。新一の代わりに園子、小五郎、コナンがそのパーティーに参加することに。麻美の誕生パーティーは、盛り上がったが、寝込んでしまった麻美を残して全員でカラオケに行っている間に別荘が火事になってしまう。
第16話
(101話)
初恋の人想い出事件(後編) 蘭のおかげで麻美は一命をとりとめた。ケーキのローソクの火が何かに引火したのが火事の原因らしい。消し忘れの事故か、それとも麻美自身が火をつけたのか?コナンは火事の前後で別荘の家具の配置が変わっていることに気づき、焼け跡を調べ始める。そして、燃え残ったファックス用紙から仕組まれた火事のトリックを見破る。
第17話
(102話)
時代劇俳優殺人事件(前編) 探偵の心得を教えてほしいという時代劇俳優の土方幸三郎の自宅マンションに招かれた小五郎とコナン、蘭は、離婚騒動の渦中にある土方の妻・永倉勇美が隣の沖田一の部屋のベランダで変死するのを目撃する。沖田は勇美の不倫の相手と噂される俳優だ。一人で部屋にいたと言い張る沖田は、身の潔白を主張するが…。
第18話
(103話)
時代劇俳優殺人事件(後編) 時代劇俳優の土方幸三郎の妻・永倉勇美が隣の沖田一の部屋のベランダで絞殺され、現場の状況から沖田が犯人と思われた。だが、真犯人は巧妙なトリックを使って沖田の犯行に見せかけていた。コナンは詰めかけた取材記者たちの前で小五郎に麻酔銃を撃ち込み、事件の全貌を解き明かす。
第19話
(104話)
盗賊団謎の洋館事件(前編) 小五郎はミステリー作家の中村操という人物から、死んだ祖父から譲り受けた洋館で不思議な出来事が続いているという手紙を受け取り洋館を訪れた。有名な時計職人・出淵紋時郎の家だったという洋館の内部は、動物の絵や飾りのついた食器と家具、様々な時計が所狭しと並べられていた。
第20話
(105話)
盗賊団謎の洋館事件(後編) 時計職人・出淵紋時郎が住んでいたという洋館は、やはり妙な家だった。1時10分に鳩時計から3匹の鬼が飛び出して鳴き始める。屋根裏部屋で人の気配がしたり、書斎にファイルしてあった犯罪記事も気にかかる。コナンも小五郎も謎の意味がつかみきれないでいると、蘭が家の中にライオンだけが飾られてないことに気づく。
第21話
(106話)
スクープ写真殺人事件 有名な賞を受賞した報道写真家・柳瀬隆一と授賞式で知り合ったコナンたちは、柳瀬に付きまとうルポライター中井の姿を見かける。その夜、中井が「命を狙われている」と小五郎に電話をかけてきた。コナンが中井のマンションに行くと、火ダルマの中井が転落してくる。向かいの高速道路では、柳瀬がこの光景を写真に収めていた。
第22話
(107話)
モグラ星人謎の事件(前編) 洋館の庭に野球のボールを入れてしまったコナンたちは、ボールを取らせてもらおうと頼みに行くが、洋館の主・綿貫義一に追い返されてしまう。しかたなく毛利探偵事務所に戻ると、テレビの「仮面ヤイバー」に出てくるモグラ星人そっくりの幸田という男が小五郎を訪れ、綿貫に殺された妹が庭に埋められていると言いだした。
第23話
(108話)
モグラ星人謎の事件(後編) 謎の洋館の主・綿貫が妹を殺して庭に埋めたと言い張っていた幸田が、宝石店に強盗に入った。逃走中の幸田はマンホールを利用して綿貫邸に入り込み、庭のあちこちを棒で突き刺している。コナンは張り込み中の歩美たちと合流し、幸田に自首を促す。幸田は駆けつけた目暮警部に、盗んだ宝石は分散して庭に埋めたと告白する。
第24話
(109話)
探偵団大追跡事件 歩美をひいて逃げた黒塗りの車を追いかけたコナンと元太、光彦は、休業中の工場の前で車を見失ってしまう。が、2、3分後にまた現れた車はコナンたちの目の前で交番に乗り付け、運転していた宍戸という男が自首をした。そのころ、車を見失った工場内で社長の刺殺体が発見され、宍戸が工場の元従業員だったことが判明する。
第25話
(110話)
料理教室殺人事件(前編) 蘭は園子の代わりに1日だけフランス料理の教室に習いに行くことになった。有名な料理研究家・上森美智が自宅で開いている教室には、蘭の他に三人の生徒が集まっていた。コナンと小五郎も試食につられてついて行ったが、美智は気難しく、生徒たちや助手を怒鳴り散らしている。突然家の明かりが消え、美智が苦しみ始める。
第26話
(111話)
料理教室殺人事件(後編) 有名な料理研究家・上森美智は、細い針のような凶器で何者かに背中を刺されて死亡した。授業に参加していた蘭以外の3人の生徒と助手の祐子の4人全てが、殺人の直前に家の明りが消えるように氷を使って配電盤に細工をすることは可能だった。しかも、それぞれに美智に恨みを抱いているようで、全員に動機がある。
第27話
(112話)
帝丹小7不思議事件 元太と光彦が「この学校は呪われている」と言い出した。夜になると不思議なことが起きるようになったというのだ。歩美も夜の教室で不審な人影を見たが、相談した教頭先生が学校に出てこなくなったとおびえている。コナンと少年探偵団は謎を解明しようと夜の学校に入り込み、真相を突き止めることにする。
第28話
(113話)
白い砂浜殺人事件 道に迷って偶然訪れた海辺の町で、コナンと蘭は若い女性の水死体を発見する。足首に重りの石を結びつけ、外傷も見当たらないことから、検死を担当する医師の田中は自殺だとほのめかす。水死した女性・光子の親友・智子は、その田中が殺したのだと主張するが、光子の死亡推定時刻の田中のアリバイは小五郎の証言で成立する。
第29話
(114話)
スキューバダイビング殺人事件(前編) 蘭は父・小五郎と別居中の母・英理を別々に伊豆のホテルに誘い、久々に家族そろっての夏のバカンスを計画した。計画通りに進んで大喜びの蘭だが、知らずに鉢合わせした小五郎と英理は大あわて。さっそく、夫婦ゲンカを始めてしまう。そんな時、小五郎が知り合ったダイビングサークルの女子大生が海で溺れ、仲間が救助する。
第30話
(115話)
スキューバダイビング殺人事件(後編) 蘭が計画した父・小五郎と別居中の母・英理と家族そろっての夏のバカンスは散々なことになってしまった。小五郎と英理は険悪なムードだし、海で溺れたダイビングサークルの女子大生は、ウミヘビに咬まれて意識不明の重体のままだ。計画的な殺人だと見抜いたコナンは、被害者の貴和子の仲間4人の中に犯人がいるとにらむ。
第31話
(116話)
ミステリー作家失踪事件(前編) ある夜、毛利探偵事務所に人気推理小説家の新名任太朗の娘が訪ねてきた。彼女によると新名夫妻は2ヶ月前から行方不明となり、原稿だけが毎週同じ時間に編集部にファックスで送られてくるという。編集部へ向かったコナンは、作品の中の本人が登場するシーンを見て、それが作者からのメッセージだという事に気付く。
第32話
(117話)
ミステリー作家失踪事件(後編) 行方不明のミステリー作家・新名任太朗夫妻はどこかに監禁されているのか?コナンは新名の原稿に登場する新名本人のセリフが暗号になっていることに気づく。最初のセリフから読み取れるのは「助けてくれ…」。だが、その後のセリフの解読ができない。犯人が新名夫妻を監禁している目的は何なのか?コナンはあせる。
第33話
(118話)
浪花の連続殺人事件 服部平次の招待で大阪見物を楽しむはずだったコナンと蘭、小五郎の3人は連続殺人事件に巻き込まれてしまう。コナンたちの乗ったパトカーの上に死体が落ちてきて、同じ手口の殺人事件がこれで3件目だということを知る。平次はコナンが犯人に刺される夢を見たと言うが、コナンは4件目の殺人事件にもかかわってしまう。
第34話
(119話)
仮面ヤイバー殺人事件 コナンは小五郎・蘭・歩美・元太、光彦と一緒に食事に行く途中で人気テレビ番組「仮面ヤイバー」の登場人物の格好をした若者と出会う。若者に番組のファンクラブの仮装パーティーに招待された小五郎と子供たちだが、メンバーの一人が拳銃を持って乱入し、レンジャーポリス姿の本田を撃ち、自分も自殺するのを目撃してしまう。
第35話
(120話)
ハニーカクテル殺人事件 小五郎は以前の依頼人、山崎開発の女性社長の招待でコナンと蘭を連れて岩美渓谷沿いの社長の別荘を訪れた。山崎社長は岩美町の町長と提携してスパリゾートの建設を計画している。が、前祝いの酒宴の最中に二階の自室で山崎社長がスズメバチに襲われ、ベランダから崖下に転落、死亡してしまう。
第36話
(121話)
バスルーム密室事件(前編) 沖野ヨーコのコンサートのチケットを落としてしまった小五郎は、コンサートに行けなくなったと嘆いている若い女性・青島全代を見つける。全代はチケットを譲る代わり自分と妹を車で会場まで送ってほしいという。自宅まで妹を迎えに行った小五郎たちは、ガムテープで目張りされバスルームで死んでいる妹・美菜を発見する。
第37話
(122話)
バスルーム密室事件(後編) ガムテープで目張りされ、密室状態になった浴室で発見された青島美菜の死を、目暮警部と小五郎は自殺と断定した。が、コナンは自殺に見せかけた殺人事件だと確信していた。犯人を追い詰めるためには、犯行後に密閉された浴室から脱出する方法を突き止め、犯行の決定的な証拠を発見しなくてはならない。
第38話
(123話)
お天気お姉さん誘拐事件 大人気のお天気お姉さん・浅野亜紀のメッセージを聞いた元太たちは、亜紀に会いにテレビ局を訪れる。亜紀はコナンのポケベルの番号を控えて「仕事を頼む時は連絡する」と約束。が、亜紀は電話に呼び出されたきり行方不明になり、代役を立てて番組が始まってしまう。そして、コナンのポケベルに謎の数字が次々と表示される。
第39話
(124話)
謎の狙撃者殺人事件(前編) 会社社長・石本は何者かに「殺してやる」と脅迫されていた。犯人を捜してほしいと依頼された小五郎の目の前で石本が銃で撃たれ、石本の後側にいた来賓の代議士・高田の胸に弾丸が当たり、高田代議士は死亡した。コナンはパーティー会場で挙動不審だった男が照明用の足場に立っているのを目撃するが…。
第40話
(125話)
謎の狙撃者殺人事件(後編) パーティー会場で小五郎が調査を依頼された会社社長・石本に向かって発射された銃弾は、高田代議士の胸を貫いて死亡させた。犯人と思われる挙動不審の恐喝屋・平岡の転落死体が翌日発見され、事件は解決したと思われた。石本は平岡に脱税をネタに脅迫されていたと告白するが、コナンは事件の真相は別のところにあるとにらむ。
第41話
(126話)
旅芝居一座殺人事件(前編) 蘭のクラスに旅回り一座の二代目座長・玉之助という美少年が転校してきた。一座の通し稽古に招待された蘭は園子とコナン、歩美や元太、光彦を誘って見に行くが、玉之助と座員たちの間が何かギクシャクしている。公演を5日後に控え大急ぎで新作の台本を執筆中だった玉之助一座の座付き作家・近石が何者かに殺害されてしまう。
第42話
(127話)
旅芝居一座殺人事件(後編) 旅回り一座の座付き作家が殺されたのに続き、女性座員の一人が殺され、二代目座長・玉之助も何者かに襲われて負傷してしまった。警察は一座の経理係も兼ねていた被害者の糸江が不正経理が発覚するのを恐れて玉之助を襲ったと考えているらしい。コナンは、玉之助と糸江のほかにもう一人の人物が現場にいたと推理する。
第43話
(128話)
黒の組織10億円強奪事件 銀行の裏口で現金輸送車の襲撃事件に出くわしたコナンは、ターボエンジン付きスケボーで犯人を追跡するが見失う。単なる強盗事件として捜査が開始されたが、犯人の一味と思われるガードマンと元レーサーが殺され、遺留品の口紅から銀行窓口のお姉さんに容疑がかかる。この事件にはもっと裏があると見抜いたコナンだが…。


シーズン4

第01話
(129話)
黒の組織から来た女 大学教授殺人事件 コナンのクラスに灰原哀という名の奇妙な少女が転校してきた。クールな態度で歩美たちをあしらう哀だが、コナンだけには興味を示す。少年探偵団に依頼された事件の調査に哀を誘い、コナンと一緒に同級生の俊也の兄を救い出し、事件を解決する。その復路、哀を家まで送る途中でコナンは思いもかけない言葉を哀の口から聞く。
第02話
(130話)
競技場無差別脅迫事件(前編) 元日の国立競技場にサッカーの天皇杯決勝を観戦に行ったコナンたちの目の前でサッカーボールに銃弾が撃ち込まれた。この銃弾は身代金を要求する脅迫電話の犯人が、脅迫が本物だと見せつけるためのものだった。犯人の指示通り、現金が入ったバッグが用意され、駆けつけた刑事たちが競技場内で張り込みをするが…。
第03話
(131話)
競技場無差別脅迫事件(後編) 五千万円の身代金入りのバッグを持ち去ろうとした犯人は刑事たちに取り押さえられたが、床に転がっていた携帯電話からもう一人の犯人が仲間の解放と、さらに10億円の現金を要求してきた。試合終了までに金を用意しなければ観客を殺すという。目暮警部は捕らえた男を解放し、大観衆の中に潜むもう一人の犯人の姿を捜すが…。
第04話
(132話)
奇術愛好家殺人事件(事件篇) 園子がインターネットでアクセスしている「奇術愛好家連盟」の集まりが雪の山中にあるロッジで開催された。蘭も園子と一緒に参加することになり、小五郎とコナンは車で二人を送っていく。その帰り道、カーラジオのニュースで蘭が参加している集まりのリーダーが自宅で殺されたことを知り、あわててロッジに引き返すが…。
第05話
(133話)
奇術愛好家殺人事件(疑惑篇) 園子と蘭が参加した『奇術愛好家連盟』の集まりは連続殺人事件の様相を呈してきた。ボードリーダーの西山が自宅で殺されたのに続き、雪の山中で孤立したロッジでは浜野の死体が雪の降り積もる裏庭に放置されていた。疑心暗鬼に陥るメンバーから西山と影法師との口論のいきさつを聞いたコナンは第三の事件に身構えるが…。
第06話
(134話)
奇術愛好家殺人事件(解決篇) 園子と蘭が参加した『奇術愛好家連盟』の集まりで二人が殺され、蘭と園子までがボーガンの矢で狙われた。林の中に落ちていたボーガンと、木の幹に空けられた穴、矢が撃ち込まれた風呂場の外に落ちていたホチキスの針。犯人の正体とトリックを見破ったコナンはひもやホチキスなどの小道具を集め、謎解きの準備を始める。
第07話
(135話)
消えた凶器捜索事件 歩美は「緑美容室」の美容師・美香から自宅でカットしてあげるという申し出を受け、コナンたちと一緒に美香のマンションに行く。が、美香は何者かに殺されていた。美香の首の前方にだけ索条痕があり、美容室の店長・緑の態度に不振を抱いたコナンは、緑が気にしていた不燃ゴミ置き場を捜索するが…。
第08話
(136話)
青の古城探索事件(前編) 阿笠博士とキャンプに来たコナンたちは、森の中にそびえ立つ西洋風の城に迷い込み、城の主人・間宮満の招きで城に一泊することになる。間宮家の長女で満の妻が焼死したという不気味な塔、チェス盤をかたどった庭など、いわくあり気な事件や事柄が続いている城らしい。コナンは怪しげな雰囲気漂う城の内部を捜索するが…。
第09話
(137話)
青の古城探索事件(後編) キャンプの途中で見つけた古城に一泊することになったコナンたちは、いわくあり気な住人たちから、宝の在り処を示すらしい城の謎を聞かされ、興味を持つ。が、早々にコナンが行方不明になり、阿笠博士までもが姿を消してしまう。残された哀、歩美、光彦、元太の子供たち四人は自分たちだけで二人を捜し出そうとするが…。
第10話
(138話)
最後の上映殺人事件(前編) 小学校の創立記念日にコナンと、哀、歩美、元太、光彦の5人は、リバイバルの映画「大怪獣ゴメラ」を見に行く。この映画館は不動産屋の張田の嫌がらせで閉館に追い込まれ、今日が最後の上映だという。コナンも昔に戻って映画を楽しもうとするが、映画の上映中に首を吊った張田のシルエットがスクリーンに映し出される。
第11話
(139話)
最後の上映殺人事件(後編) コナンたちが見に行った映画館で、上映中に首を吊った男のシルエットが映し出され、自殺、他殺両面での捜査が始まった。遺体で発見された不動産屋の張田は、この映画館を閉館に追い込んだ張本人だ。多額の借金を苦に自殺したと考える目暮警部たちだが、コナンは光彦の証言から、何者かがトリックを使って殺害したとにらむ。
第12話
(140話)
SOS!歩美からのメッセージ 風邪で学校を休んだ歩美が、一人で留守番をしていると、何者かがマンションに侵入してきた。逃走中の強盗殺人犯だと思い込んだ歩美は押し入れに隠れ、コナンたちに少年探偵団バッジでメッセージを送る。声の出ない歩美はおもちゃのピアノの音と目覚まし時計の音声を組み合わせてSOSを伝えようとするのだが…。
第13話
(141話)
結婚前夜の密室事件(前編) コナンのライバル、服部平次が結婚式に出席するため上京した。ガールフレンドの和葉と一緒に東京見物がしたいと、小五郎、コナン、蘭を呼び出す。結婚式で花嫁になる楓と、森園家の執事・重松に出会い、コナンたちと平次、和葉は森園家に招待される。豪華な食事を振る舞われた5人は、帰り際、殺人事件に遭遇する。
第14話
(142話)
結婚前夜の密室事件(後編) 森園家の執事・重松は密室で殺害された。容疑者は犯行時刻に屋敷にいた森園家の当主・幹雄、息子の菊人、娘の百合江、そして菊人の婚約者・楓、重松を父のように慕う使用人の桜庭の五人に絞られた。コナンと平次は、凶器を発見したことを伏せたまま、関係者全員の前でトリックを再現して犯人を告げる…。
第15話
(143話)
疑惑の天体観測 園子に付き合って、蘭とコナンは星美山保養所に星を見るためにやってきた。やはり天体観測に来ていた宇宙科学専攻の大学院生3人と知り合うが、大きな賞を受賞したばかりの野中が天体写真を撮影中にテレビ中継塔から転落死。コナンたちは望遠鏡のレンズごしに転落の瞬間を目撃するが…。
第16話
(144話)
上野発北斗星3号(前編) 北海道に招待されたコナン、蘭、小五郎の三人は“北斗星3号”のA寝台で優雅な列車の旅を楽しむはずだった。食堂車で出会った宝石店オーナーは強盗を撃退した事件で話題の人物だったが、乗客の一人に射殺される。コナンは宝石強盗とこの殺人事件が幼い時に読んだ父・優作の未発表小説と同じ筋書きだということに気づく。
第17話
(145話)
上野発北斗星3号(後編) 車内で出雲を射殺し、逃亡した犯人と思われる男・浅間の死体もトンネル内で発見された。コナンの父・優作の未発表小説の筋書き通りに進む事件に疑問を抱いたコナンは、列車に潜入していた母・有希子と協力して調査を始める。問題の原稿は銀行強盗事件に巻き込まれた編集者が浅間たち強盗団に奪われたものだった。
第18話
(146話)
本庁の刑事恋物語(前編) コナンたちは事件の証言をするため警視庁に行った。応対してくれた高木刑事は先輩の佐藤刑事に片思いをしているらしい。そんな時、強盗の被害にあった銀行の支店長が二人の刑事を訪ねてくる。支店長が自宅に電話すると妻の悲鳴が聞こえ、支店長宅に駆けつけると、エアロバイクの横に支店長夫人の遺体が横たわっていた。
第19話
(147話)
本庁の刑事恋物語(後編) 銀行の支店長の増尾が警視庁に事情聴取に来ている時に、彼の妻が自宅で殺害された事件は、銀行の襲撃犯の犯行という線で捜査が続けられている。コナンは増尾が犯人だと確信し、本棚とエアロバイクに残されたわずかな痕跡から増尾の完璧なアリバイを崩し、十数キロ離れた自宅にいる妻を殺害するためのトリックに挑む。
第20話
(148話)
路面電車急停止事件 遊園地の絶叫マシーンに一番乗りしようと、コナンと少年探偵団の子供たちは早朝の市電に乗り込んだ。他に乗客は鉄道研究会の大学生3人だけ。途中下車して線路脇で市電の写真を撮り始めた大学生の一人が乗っていた脚立が倒れ、市電は急停止する。その学生は無事だったが、車内では、もう一人の学生が血まみれで倒れていた。
第21話
(149話)
遊園地バンジー事件 小五郎は蘭とコナンを遊園地に連れてきた。が、蘭は違う遊園地に行きたかった上に、小五郎の目的が近くの競艇場だったと知って大憤慨。罰として小五郎にバンジージャンプを命じる。クレーンの上で小五郎が躊躇していると、アトラクションの「仮面ヤイバー・ショー」の俳優が先に飛び降りた。見物の子供たちは大喜びだが…。
第22話
(150話)
自動車爆発事件の真相(前編) 小五郎はコナンと蘭を連れて、学生時代に家庭教師をしていた教え子の崎原恵に会いに行った。再会できた喜びも束の間、小五郎たちの目の前で車が爆発、恵の妹・寛美が死亡する。車は恵のもので、ガレージから出すのを手伝った寛美が犠牲になった。小五郎は恵のためにも、必ず真犯人を捕まえると決意するが…。
第23話
(151話)
自動車爆発事件の真相(後編) 小五郎の教え子だった恵の夫・崎原は、高橋という男と互いの妻を殺す交換殺人を計画し、実行した。が、高橋が仕掛けた爆弾で死亡したのは恵の妹・寛美だった。崎原と高橋は犯行を認め、事件は解決したかに見えた。コナンは恵が高度な運転技術を持つことを知り、事件にはまだ裏があると睨む。
第24話
(152話)
謎の老人失踪事件 蘭がバスで知り合った老人が突然いなくなった。心配した蘭は老人を捜すが、その足取りは全くつかめない。同じバスで居眠りをしていた園子は最初からそんな老人はいなかった、蘭が寝ぼけたのだと決めつける。が、帰宅した蘭のポーチの中に見覚えのないMOが入っていた。コナンはMOの調査を阿笠博士に依頼するが…。
第25話
(153話)
園子のアブない夏物語(前編) 蘭とコナンを誘って伊豆の海岸にやってきた園子の目的は、言わずと知れた男探し。今回はわざと古びた旅館に泊まって、お嬢様のイメージを払拭しようと涙ぐましい努力を重ねる。そんな園子にキザな大学生・道脇が言い寄ってきた。道脇は園子たちをレストランに誘い、1年前の女性刺殺事件を話して聞かせる。
第26話
(154話)
園子のアブない夏物語(後編) せっかくのバカンスだというのに、殺人事件に遭遇するわ、旅館で襲われるわで、園子は散々な目にあった。道脇に誘われて呪いのレストランに出かけた園子にまたしても危険が迫る。駐車中の道脇の車が、眠っている園子を乗せたまま動き出したのだ。車が崖下に転落する間際に、蘭が窓ガラスを蹴破り園子を救出するが…。
第27話
(155話)
水中の鍵密室事件 小五郎は学生時代に住んでいたアパートの大家・光江に相談があると呼び出され、コナンと蘭を連れてきれいなマンションに改築されたかつてのボロアパートを訪れる。光江は同じフロアの別室に住む孫の真がふさぎ込んでいる理由を聞き出してほしいという。光江と共に真の部屋に入った小五郎たちは、浴室で真の遺体を発見する。
第28話
(156話)
本庁の刑事恋物語2(前編) コナンたちが学芸会の練習をしているところへ佐藤刑事に追われた殺人事件の容疑者・東田が逃げ込んできた。歩美を人質にして逃走する東田を追い詰めて逮捕した佐藤刑事だったが、手違いから杯戸美術館のトイレに東田と共に手錠でつながれてしまう。身動きの取れない佐藤刑事は、高木刑事とコナンたちに真犯人探しを頼む。
第29話
(157話)
本庁の刑事恋物語2(後編) 佐藤刑事に逮捕された被疑者の東田の無実の訴えを証明するため、再調査を始めた高木刑事とコナンたちは、被害者の村西真美の部屋と、同じマンションの東田の部屋を調べた。そこで4つの疑問浮かび上がった。手錠でつながれたまま身動きの取れない佐藤刑事と東田がいる杯戸美術館は、阿笠博士が解体ショーで爆破する予定だ。
第30話
(158話)
沈黙の環状線 環状線に乗ったコナンと小五郎、蘭の3人は乗客の女性が遺体で発見されたところに居合わせる。遺体を発見したのは女性の同僚3人で、死亡した橋本清美は先に帰宅したはずだった。清美は車内で死亡し、環状線を一周してしまったらしい。清美の耳に毒物を注入されたような痕があり、小五郎は殺人事件の可能性があるとにらむ。
第31話
(159話)
怪奇五重塔伝説(前編) 蘭とコナン、小五郎は懸賞で伊豆の旅行が当たり、新規オープンのホテルにやってきた。ホテルは立派な五重塔のある幻塊寺という古い寺のある丘の麓に建っている。この寺には戒律を破ると五重塔の祟りがあるという言い伝えがあるという。翌朝、五重塔からつり下げられた観光会社のオーナーの遺体が発見される。
第32話
(160話)
怪奇五重塔伝説(後編) 観光会社のオーナー・小田の死は、祟りを恐れる幻塊寺の関係者をパニックに陥れた。地元警察は自殺の線で捜査を進めるが、境内の草むらに落ちていた小田のネクタイピンと、服に付いていた草の種から、コナンは小田が草むらで殺害されたと確信する。だが、遺体を塔の先端まで吊り上げたトリックが分からない。
第33話
(161話)
流水亭に流れる殺意 コナンたちは料理が船に載せられ店内の水路を通って部屋に運ばれるという趣向で評判の料亭・流水亭にやってきた。コナンは料理を運ぶ船の動きに興味津々。そんな時、隣の部屋の三人連れの一人が別の客室で刺殺される。死んだのは大学の助教授で、この日は彼の昇進祝いだったという。コナンは船を使ったトリックを疑う。
第34話
(162話)
空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件 沖縄旅行を楽しむために少年探偵団の子供たちとコナン、蘭、小五郎は羽田空港からジャンボジェット機に乗り込んだ。コナンの寝顔を見て、蘭は1年前の新一との旅行を思い出す。新一の両親に招待されて二人でロスに向かったその機内で起こった殺人事件は、高校生探偵・工藤新一のデビューを飾った記念すべき事件でもあった。
第35話
(163話)
月と星と太陽の秘密(前編) 阿笠博士は伯父が残した別荘にコナンと少年探偵団の子供たちを招待し、隠されている宝を探してほしいと頼む。コナンは50年間誰も足を踏みいれていないはずの別荘に何者かが住み着いていた形跡に気づく。だが、このことは不思議な記号が書かれた食器のかけらと共に博士が仕組んだ宝探しゲームの筋書きにはないものだった。
第36話
(164話)
月と星と太陽の秘密(後編) 別荘から不思議な記号のついた品物が10個も発見され、同じ模様のついたハガキが伯母に送られてきたことを阿笠博士が思い出したことから、コナンは暗号を解く手掛かりを見つける。暗号を解き、屋根裏に通じる隠し階段を発見。屋根裏部屋を探索するコナンたちの背後に、おもちゃを壊した犯人の影が忍び寄る。
第37話
(165話)
少年探偵団消失事件 町内の子供会で人形劇をやることになったコナンたちは、他の子供たちと高原のペンションで合宿することになった。演出をする青年と知り合いの光彦は大はりきりで練習に口を出し、子供たちの反感を買う。休憩後、練習を再開する時間になっても三丁目の子供たちと演出の青年が姿を見せず、人数分の人形も消えてしまった。
第38話
(166話)
鳥取クモ屋敷の怪(事件編) 事件を依頼された小五郎と、コナン、蘭は絡繰峠の蜘蛛屋敷と呼ばれる鳥取県の旧家・武田家に向かう途中、服部平次と和葉、米人カメラマンのロバートを拾う。武田家当主の信一は、先日納屋で首を吊った出入り業者の根岸を殺した犯人を見つけてほしいと言う。その夜、信一が人形倉の梁から首を吊った無残な姿で発見される。
第39話
(167話)
鳥取クモ屋敷の怪(疑惑編) 人形倉の梁に吊された絡繰人形の匠で武田家当主の信一の死は、蜘蛛御前の祟りに見せかけた殺人事件だとコナンと平次は推測する。二人が信一の事件に気を取られている間に、和葉が何者かに襲われる。体を糸でグルグル巻きにされて首を吊られそうになった和葉を間一髪のところで救出したコナンたちだったが…。
第40話
(168話)
鳥取クモ屋敷の怪(解決編) 蜘蛛御前の祟りに見せかけた武田家当主・信一殺しのトリックを解明し、真犯人を割り出したコナンと平次は、関係者を人形倉の二階に集め、謎解きショーを始める。倉の外から信一の首を絞めた方法を説明したコナンは、犯人の狙いと一連の事件の関係を説明するため、武田家の人々に辛い事実を告げなければならなかった。
第41話
(169話)
ビーナスのキッス 水族館の水中ショーに招待されたコナンたちは、ショーの主役・大沢美智子がショーの最中に溺死体で発見されるところを目撃する。美智子の足に湿布が張られていたことから、肉離れを起こしたための事故と思われた。が、コナンは美智子のプロ意識の高さと素潜りの実力を考えると、不自然なことが多過ぎると考える。
第42話
(170話)
暗闇の中の死角(前編) 体調を崩して病院に行った小五郎は、検査結果を家族と一緒に聞きに来るようにと言われ、動揺する。診察をした医師・新出から酒を控えるようにと忠告され、重病ではないと知り小五郎は一安心。その夜、小五郎とコナン、蘭は新出家の夕食に招待され、新出家の家族と食卓を囲むが、肝心の新出が入浴中で待たされることに。
第43話
(171話)
暗闇の中の死角(後編) 新出医院の院長の入浴中の感電死は、不幸な事故と思えた。が、不審な点が多いことに気づいた目暮警部は、停電中の全員の行動を再現してもらうことにする。事件の停電時間は一分間。だが、再現した暗闇の中ではお手伝いのひかるがブレーカーを上げるのに34秒しかかからなかった。コナンはこの空白を埋める証拠を発見する。
第44話
(172話)
よみがえる死の伝言(ダイイング・メッセージ)(前編) コナンと蘭、園子の三人は遊園地にあるスケートリンクで冬の夜のイベントである花火大会を待っていた。寒さに我慢できずにトイレに駆け込んだ園子は、若い女性の射殺死体を発見する。遺体の近くには血で書かれた文字のようなものがある。これが被害者のダイイング・メッセージなのだろうか?
第45話
(173話)
よみがえる死の伝言(ダイイング・メッセージ)(後編) トイレの壁に残された血文字から、小五郎は千尋殺しの犯人は佐野泉だと決めつける。だが、被害者は即死状態だったと思われ、自分で文字を書き残すのは不可能だ。千尋の携帯電話に残された「KIX」の文字が事件の謎を解くカギだとにらんだコナンは、千尋の仲間たちの会話から、千尋の残した暗号を解くヒントを得る。


シーズン5

第01話
(174話)
二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件 クイズに応募したコナンたちは、見事豪華クルーザーの旅をゲットする。乗客は他に8人。服部平次と小五郎の先輩の元警視 鮫崎もいた。鮫崎は二十年前の現金強奪事件の主犯・叶才三と同じ名の乗客がいると知り色めき立つ。が、その時、非常用縄ばしごの箱の中から乗客の一人・蟹江らしい焼死体が発見される。
第02話
(175話)
四回殺された男 横溝刑事に内密の捜査を依頼された小五郎は、コナンと蘭を連れて静岡に向かう。横溝刑事を悩ませている事件は、有名なベテラン俳優が楽屋で死亡し、3人の共演者がそれぞれ犯行を自供したというものだ。静岡に到着早々、県警の課長に真犯人は誰なのか名推理を聞かせてほしいと迫られ、小五郎は窮地に追い込まれる。
第03話
(176話)
黒の組織との再会(灰原編) 黒ずくめの組織に発見される夢を見た哀はコナンに心の動揺を見抜かれ、子供を演じ続けろと忠告される。その直後、哀は組織のメンバー・ジンの車を発見。コナンは車に発信器と盗聴器を仕掛け、追跡をする途中で組織の暗殺計画を知る。計画を阻止するため、コナンは暗殺が予定されているホテルに一人で乗り込む決心をする。
第04話
(177話)
黒の組織との再会(コナン編) 黒ずくめの組織の暗殺計画を知り、ホテルに駆けつけたコナンと哀の目の前で呑口議員が死亡する。犯人のピスコは議員の周辺にいた7人の中にいる。混乱した人込みの中で、哀はピスコの手でホテルの酒蔵に閉じ込められてしまう。メガネ型携帯電話で連絡を取ったコナンは哀にパイカル(白乾児)という酒を見つけて飲めと指示する。
第05話
(178話)
黒の組織との再会(解決編) ホテルの酒蔵に監禁されてしまった哀は、コナンの指示でパイカル酒を飲み、古い暖炉の中に隠れる。その直後に酒蔵に入ってきたジンとウォッカは、仲間のピスコと哀を見つけられずに立ち去る。暖炉の中で哀は元のシェリーの姿に戻り、煙突から脱出を試みる。が、ホテルの屋上に出たシェリーを一発の銃弾が襲う…
第06話
(179話)
喫茶店トラック乱入事件 阿笠博士と坂の途中にある喫茶店に行ったコナンたち少年探偵団の面々は大はしゃぎ。子供たちはアイスクリームやパフェを注文してゴキゲンだったが、坂の上に停車中の宅配便のトラックが店に飛び込み、客の一人が死亡する。不幸な事故だと誰もが思った。が、コナンは死亡した男の連れの不審な行動に疑問を抱く。
第07話
(180話)
赤い殺意の夜想曲 (ノクターン)(前編) 音楽産業グループの会長の妻に不気味な脅迫状が送られてくるという。脅迫状には、極秘に進めている日本人シャンソン歌手・ジェラール天馬の日本デビューの契約をかねて開く内輪のパーティーで事件が起こることが暗示されている。小五郎と蘭、コナンは会長の知り合いの家族と偽ってパーティーに潜入することになるが…。
第08話
(181話)
赤い殺意の夜想曲(ノクターン)(後編) ジェラール天馬は青銅のアーサー王の剣が背中に突き刺さり息絶えていた。死の直前まで、天馬と口論をしていた義則に容疑が掛かるが、義則は頑に犯行を否認する。グランドピアノの蓋が開いていたことを不審に思ったコナンは、遺体の下の床についた傷跡とピアノの内部にあった紫色のシミから事件のトリックを追う。
第09話
(182話)
大捜索九つのドア 下校途中にS字フックのついた指輪が落ちてきた。コナンと少年探偵団の子供たちは二つのS字フックに繋がれた結婚指輪を『SOS』のサインだと考え、女の人がどこかに監禁されていると思い込む。指輪に彫られたイニシャルを頼りに、子供たちは道路に面した窓のある九つの部屋の大捜索に取りかかる。
第10話
(183話)
危険なレシピ 拾ったスーパーのレシートでその家の献立を推理して遊んでいたコナンと少年探偵団の子供たちは、6枚まとめて捨てられていたレシートを拾う。そこには食料品と日用品などのほかに「クロニン」という薬品の名前が印刷されている。毒性の強いクロニンを何に使うのか?コナンたちはレシートを捨てた人物を探そうと決意する。
第11話
(184話)
呪いの仮面は冷たく笑う 大物歌手・蘇方紅子が主催するチャリティーショーにゲスト出演することになった小五郎は、他のゲストと共に世界各国のおびただしい数の仮面が飾られた蘇方邸に招かれる。深夜、「呪いの仮面の使者」と名乗る人物の電話で起こされた小五郎、コナン、蘭の3人は、鍵のかかった寝室で惨殺された蘇方紅子の遺体を発見する。
第12話
(185話)
殺された名探偵(前編) 伊豆・天城山中の山荘に遊びに来たコナンと小五郎、蘭の3人は人気テレビ番組「アーバンハンター」のスタッフたちと知り合う。番組の親睦会ということだったが、主演俳優の砂岡とスタッフとの間はギクシャクした雰囲気。その夜、小五郎たちとの酒宴で悪酔いした砂岡が自室に引き上げた後、ライフルで射殺されてしまう。
第13話
(186話)
殺された名探偵(後編) 伊豆の山荘で知り合った人気テレビ番組「アーバンハンター」の主演俳優・砂岡を射殺した犯人は山荘内にいるとコナンは確信する。が、誰もが物理的に犯行は不可能と思われた。谷向かいの岩場から狙撃したように見えるのは犯人の偽装工作に違いない。コナンは弾丸の小さな傷から複雑なトリックを崩す突破口を発見する。
第14話
(187話)
闇に響く謎の銃声 小五郎はドラマ制作会社の社長から母親の身辺警護を依頼された。依頼人の古川悦子の母・勝江は、三日前に襲われてケガをしたという。古川邸を訪れた小五郎とコナン、蘭の3人は、古川家の家族仲の悪さに呆れ、メイドの梓も勝江にひどい仕打ちを受けているらしいことを知る。その直後、勝江の部屋から銃声が響く。
第15話
(188話)
命がけの復活  洞窟の探偵団 コナンと少年探偵団の子供たちは阿笠博士の車で山にキャンプに出かけた。薪拾いの途中で鍾乳洞を見つけた光彦と元太、歩美は、コナンの制止を振り切って中に入る。だが、洞窟の奥で男の射殺死体を発見し、コナンが犯人の一人に銃で撃たれて重傷を負う。子供たちはコナンを背負って鍾乳洞の中を逃げ回ることに…。
第16話
(189話)
命がけの復活  負傷した名探偵 鍾乳洞で仲間を殺した強盗一味と遭遇してしまった少年探偵団の子供たちは、銃弾を受けて負傷したコナンを背負って出口を捜す。石碑の謎を解き、出口に通じる『龍の道』を見つけた子供たちだったが、脱出直前に強盗一味に捕らえられてしまう。万事休すと思った瞬間、警官隊に救出され、コナンは病院に担ぎ込まれるが…。
第17話
(190話)
命がけの復活  第三の選択 蘭に全てを打ち明ける決心をしたコナンに銃口を向けた哀は、打ち明ければ蘭も組織に狙われると諭し、コナンに三つの選択肢を示す。コナンの退院と前後して蘭の学園祭が始まった。蘭が主役を演じる芝居を見るため、客席にはコナン、小五郎、和葉が座っていた。その客席で、高校のOBの一人が死亡、芝居は悲鳴で中断される。
第18話
(191話)
命がけの復活  黒衣の騎士 蘭の芝居の上演中に起こった殺人事件の容疑者は4人。小五郎は容疑者の1人である蜷川彩子が一方的に婚約を破棄したと知ると、失恋のショックと、あてつけのための自殺と決め込む。が、蘭と舞台で演技をしていた黒衣の騎士が異議を唱え、仮面の下の素顔を見せる。その顔は紛れもなく工藤新一のものだった。
第19話
(192話)
命がけの復活  帰ってきた新一… 哀の作った解毒剤で元の体を取り戻した新一だったが、薬を飲んだ目的は蘭に安心させることにあった。蘭に大事な話があると言ったきりその機会を失ってしまった新一は、蘭を高層ビルの展望レストランに誘う。新一の姿に安心しきっている蘭に新一が話を切り出そうとした時、またしても殺人事件が発生。
第20話
(193話)
命がけの復活  約束の場所 父と母の思い出の展望レストランで遭遇した殺人事件。専用エレベーターの中で社長を射殺したのは、社長令嬢の恋人・大場だとにらむ新一だったが、肝心なところで解毒剤が切れ始める。大場のトリックを突き崩し、自供に持ち込む。コナンの姿に戻る前に、新一には蘭に伝えたい言葉があった。待ち続ける蘭の元へ急ぐ新一。
第21話
(194話)
意味深なオルゴール(前編) 再び小学生・江戸川コナンとして蘭の家での居候生活が始まった。毛利探偵事務所を若い女性・春菜が訪れ、連絡の取れなくなったポケベル友達にもらったオルゴールを返したいと依頼してきた。ベル友の緒方秋悟の家を訪ねた春菜とコナンたちは秋悟が死亡していることを聞かされ、遺族から妙な質問を浴びせられる。
第22話
(195話)
意味深なオルゴール(後編) 春菜のベル友・緒方秋悟の家で、蘭が老人の影を見た直後に秋悟の孫・稔が襲われたにも係わらず、緒方家に何者かが侵入した形跡は見つからない。秋悟の遺品の中で時価2億円もする切手が見当たらず、家族で探していたことが判明。コナンは、事件の犯人と切手の行方の両方を追う。
第23話
(196話)
見えない凶器 蘭の初推理 蘭と園子はホテルの入り口近くで車に轢かれそうになる。車を運転していたのは、フラワーデザイン講師の吉野千恵という女性で、最近めまいや頭痛がひどいので運転を誤ったと二人にわびる。蘭は千恵の夫・昭夫の様子が不自然なことが気になり、千恵のめまいや頭痛の原因を調べてみようと決心する。
第24話
(197話)
スーパーカーの罠(前編) 福引きで当てた無料招待券で小五郎とコナン、蘭は、伊豆高原の霧ヶ峰ホテルに泊まる。バス便もない不便な山中のホテルだが、カーマニアの社長・寺泉のコレクションを集めたスーパーカーの展示場が明日オープンするという。小五郎が探偵と知った寺泉は、届いた脅迫状を見せ、警備を依頼する。
第25話
(198話)
スーパーカーの罠(後編) コナンたちの泊まった霧ヶ峰ホテルの社長・寺泉はスーパーカーの展示場のオープン直前に死体で発見された。運転席で排気ガスによる一酸化中毒死ということから、小五郎は不幸な事故と決めつける。が、コナンは発見された時の車の状況が不自然なこと、寺泉に恨みを抱く容疑者が多いことなどから殺人事件の可能性を疑う。
第26話
(199話)
容疑者・毛利小五郎(前編) 軽井沢のホテルにやって来た小五郎と蘭、コナンは、偶然、蘭の母・英理と出会う。英理の後輩弁護士・碓氷律子と酒の席で盛り上がった小五郎は、夜遅くなっても部屋に戻らない。英理と蘭、コナンは小五郎を捜している最中に密室状態の自室で殺されている碓氷を発見。碓氷のベッドの中では小五郎が眠りこけていた。
第27話
(200話)
容疑者・毛利小五郎(後編) 小五郎は別居中の妻・英理の後輩弁護士・碓氷律子の殺害容疑で警察に連行されてしまった。英理はコナンと蘭の手を借りて小五郎の無実を証明するため、行動を開始する。英理は律子の部屋のドアに貼ってあったメモとドアチェーンの細工から密室のトリックを見抜き、犯人に罠を仕掛ける。
第28話
(201話)
10人目の乗客(前編) コナンと蘭、小五郎はハイキングを楽しむつもりで昔懐かしいボンネットバスに揺られていた。が、その車中で地元・影鍬村の観光開発反対派のリーダーで、村の助役・奥村が毒殺される。バスに乗っていた賛成派の青年団長・矢部に容疑がかかり、小五郎は賛成派の村長から事件の解決を依頼される。
第29話
(202話)
10人目の乗客(後編) コナンたちがハイキングにやって来た影鍬村で、観光開発の反対派と賛成派のリーダーが相次いで殺され、蘭も負傷してしまった。蘭の肩についた痣から、蘭に体当たりをして逃げたのは矢部と判明。しかし、コナンは犯人を矢部と決めつけるには疑問が多すぎると感じ、阿笠博士に頼んで7年前のバス事故を調べ直す。
第30話
(203話)
黒いイカロスの翼(前編) 山奥の古風なホテルを訪れたコナンと蘭、小五郎の3人は実業家の城元と女優の備前千鶴夫妻と知り合う。映画の主役を降ろされて機嫌の悪い千鶴は夫の城元やホテルの従業員らに当たり散らし、わがままで横柄なその態度に、コナンたちもあっけに取られる。翌日、コナンたちは山頂の高原に遊びに出るが…。
第31話
(204話)
黒いイカロスの翼(後編) 女優の備前千鶴は自室で首を吊って死亡していた。死亡推定時刻は小五郎と千鶴以外の全員が外出していた午後2時。ドアに施された細工と千鶴が素足で踏み台にしたはずの電話帳に足の指紋がないことが判明し、殺人事件としての捜査が始まる。コナンは犯人の侵入経路を考え、ホテルの屋上であるものを発見する。
第32話
(205話)
本庁の刑事恋物語3(前編) 歩美が放火犯人を目撃した。歩美とコナンたち少年探偵団の子供たちは連続放火事件を捜査する警視庁で証言をし、佐藤刑事、高木刑事、白鳥刑事と現場検証に同行することになる。現場に行く途中で、佐藤刑事は交差点で花を供え、合掌した。この日は18年前に強盗殺人犯を追跡中に殉職した佐藤刑事の父の命日だった。
第33話
(206話)
本庁の刑事恋物語3(後編) 高木刑事は電話で「18年前の事件の犯人がわかった」と佐藤刑事に伝えている最中に何者かに襲われ、消息が途絶えた。高木の身を案じる一方で、父を殺した犯人が父の友人の中にいるという高木の指摘に佐藤刑事は動揺する。佐藤刑事が聞き込みをしている間に、歩美たちは連続放火犯人を見かけ、勝手に追跡を始める。
第34話
(207話)
見事すぎた名推理 コナンたちが酔った小五郎を家に連れ帰る途中、激しく言い争う声と物音を聞いた。翌日、そのアパートで男の刺殺体が発見され、小五郎はショックを受ける。そんな小五郎のところに事件の容疑者が現れ、ケンカはアリバイ工作のための偽装で自分は無実だと訴える。名誉挽回のため真犯人探しに乗り出す小五郎だが…。
第35話
(208話)
迷宮への入口 巨大神像の怒り 小五郎、コナン、蘭の3人は天部山ロープウェイの開通式に招待された。ロープウェイは昔から住民に信仰されてきた巨大な天女像の下にトンネルを掘って開通させたため、地元住民の反対運動が起こり新聞に書き立てられていた。堂本観光社長・堂本栄造は地元の声を無視して開通式を強行したが…。
第36話
(209話)
龍神山転落事件 阿笠博士の車で九十九折峠を登っていたコナンたち少年探偵団の子供たちは、頂上付近から転落する乗用車を目撃。コナンたちが救助に掛けつけるが、運転手は死亡。ただの事故ではないと見抜いたコナンが事故現場を再調査に出かけている間に、手掛かりを隠し持っていた光彦、歩美、元太の3人は暗号の解読を始める。
第37話
(210話)
五彩伝説の水御殿(前編) 茶会の招待状をもらった小五郎とコナン、蘭は、「五彩の水御殿」と呼ばれる水面が五色に変化する池の中央に建てられた茶道の家元・青野木亮蔵の屋敷を訪れた。魔物が棲むという伝説もある池の中の茶室に亮蔵は一人でこもり準備をする。客間で待つコナンたちは、池が赤く染まり始めた午後2時、茶室の異変を知る。
第38話
(211話)
五彩伝説の水御殿(後編) 魔物伝説が伝わる水面が五色に変化する池に建てられた「五彩の水御殿」と呼ばれる茶室で茶道の家元・青野木亮蔵が伝説と同じように首吊り死体で発見された。現場は密室状態の茶室の中。関係者全員にアリバイがあることから、捜査は自殺の方向に傾く。が、他殺だと確信するコナンは、一人で証拠探しを始める。
第39話
(212話)
きのこと熊と探偵団(前編) コナンは阿笠博士と少年探偵団の子供たちと一緒に紅葉の山に松茸狩りにやってきた。松茸探しに夢中になった元太が、狩猟区域に迷い込み、コナンたちは元太を捜すため二手に別れて狩猟区域に入る。哀と光彦はそこでハンターの射殺死体と一匹の子熊を発見するが、その直後に二人を狙って銃弾が撃ち込まれる。
第40話
(213話)
きのこと熊と探偵団(後編) 松茸狩りに来て射殺死体を発見した哀と光彦は殺人犯に追われ、熊が出るという狩猟区域を逃げまどう。二人は自分たちを捜すコナンたちに気づくが、一緒にいる3人のハンターの中に犯人がいた。旅館からの連絡で事件を知ったコナンが二人の残した暗号を解いた時、一行の前に巨大な熊「十兵衛」が立ちはだかる。
第41話
(214話)
レトロルームの謎事件 「ドルフィンランド」に行く途中のモノレール乗り場でコナンと蘭、小五郎は3人の美女と出会う。彼女たちが待ち合わせているもう一人の美女に興味津々の小五郎は、ドルフィンランドに隣接するホテルまでついていく。が、もう一人の美女・直美は密室で殺されていた。一見、強盗殺人のような現場の様子にコナンは疑問を抱く。
第42話
(215話)
ベイ・オブ・ザ・リベンジ(前編) 小五郎と蘭、コナンは海辺の道を走行中に車が故障、近くの家に助けを求める。そこは有名な弁護士・橘の別荘で、3人は勧められるまま一泊する。翌日、コナンと蘭は海釣りに出た橘のボートが沖合で転覆するのを目撃。水死体で発見された橘の遺体から睡眠薬が検出され、自殺、他殺両面からの捜査が始まる。
第43話
(216話)
ベイ・オブ・ザ・リベンジ(後編) 弁護士の橘殺害の容疑者・熊田は、同じ町のアパートの自室で首を吊っていた。小五郎は熊田が橘を殺して自殺したと考えるが、コナンは熊田が橘に弁護を依頼して無罪を勝ち取った2年前の事件にカギがあるとにらみ独自に調査を始める。被害者の実家を訪れたコナンは、そこである物を発見する。
第44話
(217話)
封印された目暮の秘密(前編) コナンたちは園子に付き合って杯戸百貨店にやってきた。コナンと一緒に蘭と園子を待っていた小五郎は目暮警部たちに連続婦女殴打事件の犯人に間違われる。事件の被害者は若い女性ばかりの3人。襲われた当時、派手な格好をしていたという以外に共通点がないため、佐藤刑事が変装してオトリ捜査をしていたのだ。
第45話
(218話)
封印された目暮の秘密(後編) 連続婦女殴打事件は、蘭が杯戸百貨店の地下駐車場で4人目の犠牲者の遺体を発見したことで殺人事件になった。コナンは遺体から靴が脱げ落ちたのを見て、犯人は車を運転する厚底ブーツの女性を狙ったことを見抜く。コナンが犯人の目星をつけたころ、厚底ブーツでトイレを探していた園子に犯人の金属バットが振り下ろされる。


シーズン6

第01話
(219話)
集められた名探偵!工藤新一VS怪盗キッド 『黄昏の館』の晩餐会に招待された小五郎、蘭、コナンは、小五郎の他に5人の名探偵が招待されていたことを知る。探偵が次々と殺されていく中で、コナンは館の謎と怪盗キッドを暗示させる招待主を突き止めようとする。新一と怪盗キッドの攻防の過去と、キッドの哀しい素顔の一部を明らかにするスペシャル編。
第02話
(220話)
偽りだらけの依頼人(前編) 毛利探偵事務所を中年の和服の美女が訪れ、中学の同級生捜しを依頼した。依頼人・静華に一目惚れの小五郎は大張り切りで調査を開始。尋ね人の柴田四朗の剣道大会の写真からすぐさま行方を突き止め、静岡の柴田のマンションを訪ねるが、そこには依頼人・静華の写真を握り締めて絶命した柴田の遺体があった。
第03話
(221話)
偽りだらけの依頼人(後編) 静華の依頼で捜し当てた柴田四朗は、自宅マンションで撲殺されていた。静岡県警の横溝刑事は静華に容疑をかける。が、静華は堂々とした態度で事情聴取を拒否。コナンは四朗の手に写真とは別の物が握られていた痕跡を発見し、真犯人を追い詰めていく。
第04話
(222話)
そして人魚はいなくなった(事件編) 奇妙な手紙を受けとった服部平次とコナンたちは人魚伝説の伝えられる若狭湾の美国島に渡った。が、手紙の差出人・沙織は行方不明になっていた。この日は年に一度の奇祭『儒艮(ジュゴン)祭り』の日で、不老不死のお守りとされる儒艮の矢を授かろうと人々が集まっていた。島の人々は沙織が人魚の祟りを恐れていたと話す。
第05話
(223話)
そして人魚はいなくなった(推理編) 人魚伝説の伝えられる若狭湾の美国島で年に一度の奇祭『儒艮(ジュコン)祭り』の夜、コナンたちに助けを求めた沙織の幼なじみ・寿美が人魚のような姿で滝の中から首吊り状態で発見され、その通夜の席でまた、新たな事件が起きる。依頼人・沙織の行方も分からぬまま、平次とコナンは連続殺人事件の謎に挑む。
第06話
(224話)
そして人魚はいなくなった(解決編) 人魚伝説の伝えられる若狭湾の美国島で起きた三つの連続殺人事件。被害者の3人は平次とコナンに助けを求め、行方不明になっている沙織の幼なじみだ。県警は沙織の父・弁蔵を事件の犯人と決めつける。だが、コナンは神社に集まった島民たちに、“眠りの小五郎”のポーズを取らせた小五郎の声で意外な真相を語り始める。
第07話
(225話)
商売繁盛のヒミツ コナンたちの同級生・倫太郎が「家に怪しいおじさんがいる」と、少年探偵団に相談にきた。食堂をやっている倫太郎の家にやってきて、亡き祖父への恩返しだと店に住み込み無給で働いているという。男が店の改装費を出してくれたお蔭で店は大繁盛だが、「絶対おかしい」と倫太郎は言い、男の企みを暴いてほしいと依頼する。
第08話
(226話)
バトルゲームの罠(前編) ゲームセンターでプリクラを撮っていたコナンと蘭、園子は、帝丹高校の英語教師ジョディと会う。ジョディの勧めでファイティングゲームに挑んだ蘭は、凄腕のゲーマー・尾藤賢吾に打ち負かされしまう。尾藤は挑戦者の志水と壮絶なゲームファイトを始めるが、一方的に優勢だった尾藤はゲーム終了後に座ったまま死亡していた。
第09話
(227話)
バトルゲームの罠(後編) ゲームセンターで死亡した尾藤賢吾の死因は毒殺とコナンはにらんだ。容疑者は対戦相手の志水、店員の出島、客のタクシー運転手・江守、そして英語教師・ジョディ。鑑識の結果、尾藤はフグ毒を針のような物で注入されたことが判るが、凶器は発見されない。コナンは容疑者たちが移動する度に妙な音がすることに気づく。
第10話
(228話)
殺意の陶芸教室(前編) 蘭が園子と一緒に陶芸教室に通い始めた。コナンが様子を見に行くと、教室では陶芸家・美濃宗之の婿養子・素夫が帰宅して教室を手伝うと言ったまま姿を現さないと皆が心配していた。美濃の屋敷内を捜したコナンたちは、物置の戸棚の中で変わり果てた素夫の遺体を発見する。
第11話
(229話)
殺意の陶芸教室(後編) 蘭と園子が通う陶芸教室で、陶芸家・美濃宗之の婿養子・素夫が絞殺された。コナンは犯人に目星を付けていた、そのトリックも見抜いていた。残るは決定的な証拠だ。だが、目暮警部は、宗之の弟子・菊代に多額の借金があり、素夫の生命保険の受取人になっていたことから菊代を容疑者として署に連行しようとする。
第12話
(230話)
謎めいた乗客(前編) コナンと阿笠博士、少年探偵団の子供たちはスキー旅行に行くため、路線バスに乗っていた。途中で新出先生と帝丹高校のジョディ先生が乗り込んできた時、なぜか哀はおびえ出し、身を隠そうとする。哀は黒ずくめの組織のメンバーの強烈なオーラを感じていたのだ。だが、コナンたちを乗せたバスは二人組に乗っ取られる…。
第13話
(231話)
謎めいた乗客(後編) 強盗犯2人組に乗っ取られた路線バス。コナンは乗客の中に紛れている第3の犯人を割り出し、乗客もろともバスを爆破する犯人の計画を阻止する策を考える。警察が2人組の要求に応じて、既に逮捕されている主犯の男を開放し、乗っ取り犯たちが小仏トンネル内で脱出の準備を始めた時、コナンたちの反撃も始まる。
第14話
(232話)
マンション転落事件 小五郎は医大講師の上田という男から、嫌がらせを受けて困っている同僚・吉村のために調査を依頼された。事件の当事者から話を聞くため、小五郎は上田、コナンと一緒にマンションに向かうが、3人はマンションの脇の路地で吉村の転落死体を発見する。警察は脅迫におびえた吉村が誤って自室から転落した事故と推定するが…。
第15話
(233話)
消えなかった証拠(前編) コナンたちは阿笠博士の友人で愛犬家の加納照也の家に招かれた。引っ越しをするので不用品を譲りたいというのだ。コナンたちの他に加納の愛犬家仲間3人も来ていた。正午に柱時計が鳴り、この音を聞くと青い座布団に座っておやつを食べる習慣のある加納の愛犬・パピヨンのドイルが走り出し、そのまま姿を消してしまう。
第16話
(234話)
消えなかった証拠(後編) コナンたちが招かれた加納家の愛犬・パピヨンのドイルが姿を消してしまった。何者かがドイルをさらい、逃亡したかに見えたが、首輪が見つかった焼却炉の中から、焼け残ったグラスウールを発見したコナンは、ドイルの居場所を突き止め、少年探偵団の子供たちの手助けで情況を再現し、謎解きをしながら犯人を追い詰めていく。
第17話
(235話)
密室のワインセラー 小五郎、コナン、蘭は、ワイン収集家の日下の自宅パーティに招かれた。ソムリエの外村とワインの利き酒勝負を始めた日下は、ワインセラーに改造した地下室に自慢の逸品を取りに行く。が、日下は40分たっても戻らない。探しに行った小五郎は、電子錠でロックされたワインセラーの中で絞殺されていた日下を発見する。
第18話
(236話)
南紀白浜ミステリーツアー(前編) 福引の1等賞が当たり、南紀白浜1泊旅行にやってきたコナン、小五郎、蘭の3人は5人の医大生グループと知り合う。写生旅行だという5人には、女王然とした金持ち令嬢の真紀を中心にした複雑な人間関係があるようだ。翌日、真紀に教えられたルートで観光を楽しんでいたコナンたちは、真紀が刺殺されたという知らせを聞く。
第19話
(237話)
南紀白浜ミステリーツアー(後編) 南紀白浜でコナンたちが知り合った医大生・真紀が刺殺されたのは、顔見知りの犯行だとコナンは考えた。だが、真紀の5人の仲間たちには、それぞれアリバイがあった。藤が自分のアリバイを証明するために見せたデジカメの写真に疑問を抱いたコナンは、藤がいたと主張するアドベンチャーワールドで調査を始める。
第20話
(238話)
大阪“3つのK”事件(前編) 服部平次に誘われて、コナンと蘭、小五郎は有名な3人のスポーツ選手がオーナーの大阪のレストラン、「K3」の開店記念パーティに参加した。蘭に、3人のオーナーたちはビルの窓を利用したパフォーマンスの手助けを頼む。夜空に窓の灯で作った「K」の文字が浮かび上がった時、一発の銃声が響きわたった。
第21話
(239話)
大阪“3つのK”事件(後編) 銃声がした部屋にかけつけたコナンと服部平次は、そこで新聞記者のエドが殺害されているのを発見した。コナンと平次はエド殺害のトリックと犯人を解明するため捜査を開始する。3人のオーナーには殺害は不可能と判断するコナンだが、捜査が進むにつれ、一番認めたくない真実がそこにはあった。
第22話
(240話)
新幹線護送事件(前編) 東京に帰る新幹線内でコナンたちは、麻薬密売人の小倉千造を護送中の佐藤刑事と高木刑事に偶然遭遇した。佐藤刑事が出払ってしまっている最中、トイレに行きたいと席を立つ小倉に一人付き添う高木刑事。小倉をトイレの外で待っていると、突然うめき声が聞こえ慌ててドアを開ける。そこには自殺を図る小倉の姿があった。
第23話
(241話)
新幹線護送事件(後編) 新幹線で護送中に被疑者の麻薬密売人・小倉が死亡したのは、自殺に見せかけた殺人事件だと佐藤刑事は断定した。爆弾騒ぎを起こして、その隙に被疑者を前の車輌のトイレに行かせ、自殺の偽装をさせる。その指示を出せた可能性のある乗客は3人。コナンは3人が手に持っていたという新聞に着目する。
第24話
(242話)
元太少年の災難 いつも元気な元太の様子がおかしい。給食は残すし、コナンたちを避けるように一人で学校から帰ってしまう。コナンたちが問い詰めると、元太はひったくりの犯人を目撃して命を狙われていると訴える。初めは本気にしなかったコナンたちも、元太の頭上めがけてデパートの看板が落下してきたのを見て真実だと悟り対策を考える。
第25話
(243話)
毛利小五郎のニセ者(前編) 事件の調査のため依頼された葵屋旅館の主人に会う群馬県警の山村刑事、コナン、蘭、小五郎。その事件には4年前に死亡した赤いジャケットの男と、その男が主人にあずけたアタッシュケースが関係しているという。しかし、すでにアタッシュケースは毛利小五郎を名乗る別の男が持ち去っていた。
第26話
(244話)
毛利小五郎のニセ者(後編) 首を吊って死亡していた毛利小五郎のニセモノ。そばにあったアタッシュケースの中に入っていた5年前のスポーツ新聞と長い毛髪を見て、コナンは殺人事件だと断定した。捜査するにつれ、スポーツ新聞が何かの隠し場所を示す暗号だと気付いたコナンは、4年前に死亡した赤いジャケットの男の持ち物から犯人を追い詰める。
第27話
(245話)
ヒマワリ館の銃声 ストーカー調査のために依頼人の建築家・金沢柳一郎のもとに来たコナン、蘭、小五郎。3ヶ月前から毎週のように写真が送られてくるが、全く心当たりがないという。その日の夜、金沢の庭内で夕食の最中に一発の銃声が鳴り響く。12時間で一周するヒマワリ館と呼ばれる屋敷の部屋の中で金沢は銃で撃たれ死亡していた。
第28話
(246話)
網にかかった謎(前編) 伊豆の海に遊びに来た阿笠博士とコナンたちは漁師の吉澤と下条と知り合う。2人は海のルールを無視し手荒な漁をする荒巻と話し合いをするため、ホテルのレストランで待ち合わせをする。約束の時間になっても荒巻が現れないので、もう一人の漁師根津が電話をかけるが、電話越しに聞こえたのは波の音だけだった…。
第29話
(247話)
網にかかった謎(後編) 漁師の吉澤と下条・根津の3人と話し合いのためホテルのレストランで待ち合わせをしていた荒巻が海で遺体で発見された。園子がトンチンカンな推理をするが、コナンはそれをヒントに殺害方法と犯人を突き止める。荒巻の携帯に残された着信履歴から犯人を追い詰めるが…。
第30話
(248話)
癒しの森のアリバイ ペンションオーナーの村上紫郎と弟の立柴金次とともに癒しの森にあるペンションにやってきた、コナン、蘭、小五郎。村上と立柴が夕食用の山菜採りから戻ると、2人の父であり村長である村上竜蔵が自宅で殺害されたとの知らせが届く。村長宅からペンションまでは1時間の距離があり、兄弟2人に犯行は不可能に思えたが…。
第31話
(249話)
アイドル達の秘密(前編) 小五郎のもとに沖野ヨーコから友人で女優の草野薫の婚約パーティの招待状が届いた。同じく招待された、元アースレディースの岳野ユキと星野輝美とともに、薫が風呂から出た時にアースレディースの衣装で出迎えてビックリさせようという計画だが、薫は一向に出てこない。心配になり見に行くと、そこには無残な薫の姿が…。
第32話
(250話)
アイドル達の秘密(後編) 婚約パーティの最中に襲われた沖野ヨーコの友人で女優の草野薫。その場にいた全員の身体検査をしたが薫を襲った凶器は見つからなかった。最近ストーカーに付きまとわれていると言っていた薫の証言と部屋の中から見つかった盗聴器により、外部の人間による犯行と思われたが…。
第33話
(251話)
OK牧場の悲劇 オークス牧場にやってきた、コナン、蘭、小五郎は、従業員の竹内早苗に牧場を案内してもらっていた。その時、突然暴れ、逃げ出す牧場主・大楠友之の愛馬マダムリープ。引き止めるマダムリープの蹄に血がついているのに気づいたコナンは、馬小屋で頭から血を流した装蹄師・杉山の遺体を発見する。
第34話
(252話)
絵の中の誘拐犯 学校帰りに公園で遊んでいたコナンたち少年探偵団は、不信な行動をとる燕(つばくろ)財閥会頭秘書の堺に出会う。話を聞くと、燕財閥会頭・燕健三の孫・秋夫が誘拐されたというのだ。健三は孫の安全を考え警察の捜査も断るが、コナンは絵を描くことが大好きな秋夫の絵の中から監禁場所のヒントを見つけ出す。
第35話
(253話)
本庁の刑事恋物語4(前編) 佐藤刑事に見合いを勧める佐藤刑事の母。仕方なく了承し顔も見ず適当に決めた見合い相手はなんと白鳥警部だった。同じときコンビニ強盗を追う高木刑事。よそよそしい佐藤刑事を見て白鳥警部はある賭けをもちかける。その賭けとは日没までに高木刑事が迎えに来なければ、佐藤刑事は白鳥警部の妻となることだった。
第36話
(254話)
本庁の刑事恋物語4(後編) 母に進められ、佐藤刑事が顔も見ず適当に決めた見合い相手はなんと白鳥警部だった。日没までに高木刑事が迎えに来なければ、佐藤刑事は白鳥警部の妻となってしまう。だが肝心の高木刑事は目撃者たちのバラバラの証言から、犯人を絞れないでいた。果たして、高木刑事は日没までに佐藤刑事を迎えにいくことができるのか?
第37話
(255話)
松江玉造連句14番勝負(前編) 島根県・松江に旅行にやってきたコナン、蘭、小五郎は、ホテルのロビーで大阪から連句旅行に来ていた短大国文科助教授・安藤礼子たち5名の連句の会の仲間と知り合う。翌日、八重垣神社に来ていた蘭とコナンのもとに連句仲間の1人・牛窪が亡くなったとの知らせが届く…。
第38話
(256話)
松江玉造連句14番勝負(後編) 島根県・松江の旅行先で安藤礼子たち連句の会のメンバーと知り合ったコナンたち。しかし、仲間の1人牛窪が翌日何者かによって殺害された。牛窪の供養の為にもと、連句の会のメンバーは句会を開き、コナンたちもそれに参加した。そしてその連句の会の中でコナンは犯人を追い詰めていく…。
第39話
(257話)
世にも奇妙な天罰 午前2時15分に発生した大地震。翌朝、帝丹神社の境内で落ちてきた鈴で頭を強打し倒れていたさい銭泥棒・浦沢が逮捕された。帝丹神社からの帰り道、コナンたち少年探偵団は、空き巣に入られ、その際に頭を強打し気絶したという被害者の竹中と出会う。コナンたちは浦沢の不可解な行動を紐解いていく…。
第40話
(258話)
シカゴから来た男(前編) アニマルショーにやってきた阿笠博士とコナンたち少年探偵団。その時、アニマルショーのスポンサー、ランディ・ホークと間違われてインタビューを受けていた外国人のジェイムズ・ブラックを助ける。ジェイムズは助けてくれたお礼にランチに招待したいと言い車を取りにいくが、駐車場で誘拐されてしまった。
第41話
(259話)
シカゴから来た男(後編) アニマルショーの帰り、ショーのスポンサー、ランディ・ホークと間違われて困っていた外国人のジェイムズ・ブラックを助けた阿笠博士とコナンたち少年探偵団。しかしジェイムズは駐車場で誘拐されてしまう。ジェイムズがストラップに残した手がかりを元にコナンたちは犯人を追い詰めていく…。
第42話
(260話)
揺れるレストラン 小五郎はコナンと蘭をつれてレストラン・花乱亭に食事をしにきた。閉店後、小五郎が店の前を通ると、隣の工事現場からでてきたコックの和田実が花乱亭の主人の妻・礼子の車に乗る所を偶然見かけた。そして翌朝、主人の花岡茂が頭部強打により死亡していた。一見、隣の工事の揺れで花瓶が落ち、頭を強打したかに見えたが…。
第43話
(261話)
雪の夜の恐怖伝説(前編) 雪で旅館までの道が封鎖されて困っていたコナン、蘭、小五郎は、大門工業の社長の息子・大門良郎のはからいで大門家に宿泊させてもらえることとなった。しかし翌朝、大門家の当主・大門源一郎が自室の離れで遺体となって発見される。源一郎の部屋からは沖滑秀友の鎧と刀が忽然と消えていた…。
第44話
(262話)
雪の夜の恐怖伝説(後編) 大門家に宿泊した翌朝、コナンたちは離れで大門家の当主・大門源一郎の遺体を、更にオーディオルームで沖滑秀友の鎧を着た長男・一樹の遺体を発見した。一樹が死亡した部屋についていた不可解な傷から、コナンは一樹が自殺ではなく秀友伝説を利用して殺された殺人事件であると確信する。


シーズン7

第01話
(263話)
大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城 平次と和葉の二人が訪れた浪花中央体育館で開催された、近畿剣道大会で殺人事件がおこる。平次の活躍により事件はその日のうちに解決となった。平次の自宅で念願のてっちり料理を堪能したコナンたちだが、翌日大阪城で、またしても巧妙な殺人計画に遭遇することになった。大阪を舞台にした2大殺人事件のスペシャル編。
第02話
(264話)
法廷の対決 妃VS小五郎(前編) 蘭の母・妃英理に対抗する、検察のマドンナ・九条玲子。その彼女の担当する事件の被告人弁護を引き受けることとなった妃は、今回弁護する宇佐美真治という男のアリバイを証明するため調査を開始。妃は、宇佐美の別れた妻に会うために訪れた居酒屋で、小五郎と再会。アリバイの鍵を握っているのは、なんと毛利小五郎だった。
第03話
(265話)
法廷の対決 妃VS小五郎(後編) 蘭の母・妃英理が弁護する宇佐美真治のアリバイの鍵を握っているのは、なんと小五郎だった。しかし、公判当日、小五郎は九条により検察側の証人として呼び出されてしまう。宇佐美のアリバイを証明するために訪れた宇佐美のマンション内で見つけた居酒屋“美枡”のマッチを見て、コナンは事件解決の糸口を見つける。
第04話
(266話)
バレンタインの真実 (事件編) バレンタインデーを目前にして、コナンは気が滅入っていた。「くっだらねえー」と口では言いつつ、小学生の体になったために蘭からお子様用のチョコしかもらえないのが切ないのだ。 そんなコナンの気持を知ってか知らずか、コナンと小五郎、蘭は園子と一緒に山奥の吹渡山荘というロッジに行くことになる。 ロッジの宿泊客はコナンたちの他に、この話を説明してくれた二垣というルポライターと恋人の亜子、亜子の友だちの実果、ハンターのように銃を背負った二人連れの中年男性がいた。 二垣と亜子、実果は常連らしく、二垣は幻のニホンオオカミを追って取材を続けており、亜子と実果は千代子に代わって宿泊客のチョコ作りを手伝っているという。 蘭と園子はさっそく亜子と実果と一緒にチョコ作りを始め、二垣は取材に、酒見というハンターもニホンオオカミを求めて山へ入っていく。 夕方から吹雪になり、帰りの遅い二垣を心配する亜子と実果は森の中を捜しに行くが、二垣の姿はどこにも見当たらなかったという。 小五郎は吹雪で視界がゼロになる前に捜さねばと、蘭と園子を連れて出て行く。 残されたコナンは犬の三郎と共に捜索を開始する。
第05話
(267話)
バレンタインの真実(推理編) コナンと小五郎、蘭が園子と一緒に山奥の吹渡山荘というロッジに来たのは、園子 と蘭がこの山荘でバレンタイン・チョコを作るためだった。だが、またしても殺人事件に遭遇してしまった。吹雪になっても戻らない宿泊客のルポライター・二垣が撲殺死体となってロッジ近くの森の中で発見されたのだ。宿泊客の酒見が言う通り、雪崩でトンネルが埋まってしまったため、警察の到着はいつになるか分からない。二垣が所持していた遺品の中に、未使用のテープが入ったビ デオカメラ、未開封のフィルムとビデオテープ、カメラの中に残された使用済みのフィルム1本があり、手掛かりになりそうなのは、カメラの中のフィルムだけだった。
第06話
(268話)
バレンタインの真実(解決編) コナンと小五郎、蘭が園子と一緒に山奥の吹渡山荘というロッジに来たのは、園子 と蘭がこの山荘でバレンタイン・チョコを作るためだった。そのチョコレートが事件の謎を解く重要なカギになるとはコナンにも予想できなかった。宿泊客のルポライ ター・二垣の撲殺死体がロッジ近くの森の中で発見され、様々な謎が残された。寒さ で遺体が凍っていたため推定できなかった死亡時刻を暗示するようなレンズの血痕を写したフィルムが所持品の中に残されていた。 小五郎はこれを見て犯行は昼間の内に 行われたと考えるが、コナンはトリックだと推理する。だが、遺体の傍らに置かれたチョコレートがそのトリックを台無しにしていた。 前オーナーの愛犬・三郎の名前の 由来を聞いたコナンは、事件のトリックと犯人に思い当たる(前回まで)。なぜ血痕 の影の写った写真の前に真っ黒な写真が 2枚写されていたのか。誰がロッジからチョコレートを持ち出し、なぜ遺体の傍に置いたのか。そして、誰が二垣を殺害したの か。謎は解けた。だが、証拠がない。コナンは蘭と園子、実果と亜子が昼間チョコ レート作りをしていたキッチンに入る。テーブルの上には遺体の傍らで発見された亜子のチョコ以外の 3つのチョコが載っていた。「to MAKOTO」と書かれた園 子のチョコ、チェック柄の実果のチョコ、そして、ハートの枠に縁取られた蘭のチョコ…。ネームの入ってない蘭のチョコを見たコナンの胸が痛む。その時、勝手口のド アが開き、吹雪と共に動かぬ証拠がロッジの中に入ってくる。 コナンはキッチンを覗 きに来た小五郎に麻酔銃を撃ち込み、キッチンに酒見、板倉、亜子、実果、千代子を 集めて『眠りの小五郎』の推理ショーを始める。なぜ遺体の傍にチョコレートが置かれていたのか。夜8時までキッチンにあったチョコレートが遺体の傍に置かれていた ことで、犯行時刻や関係者のアリバイは混乱し、犯人のトリックも台無しになった。 それは、事件とは直接関係のない、前オーナーの愛犬・三郎の仕業だった。三郎はコ ナンが遺体を発見した時にコナンと一緒にいた。だが、三郎そっくりの犬がもう1匹いたのだ。千代子が12年前に死んだと聞かされていた次郎は生きていた。千代子が毎 日墓参りをする時に交代しながら三郎と共に 1日置きに前オーナーと先妻の墓を守ってきたのだ。 2匹とも、山岳救助犬として訓練されていたため、遭難者に栄養価の高 いチョコレートを与え、意識を回復させるために顔をなめる。二垣の顔に拭き取ったような跡があったのはそのせいだ。チョコの謎を明かしたコナンは、事件の核心へと 迫っていく。 昼間に撮影されたと思われる血痕の影が写った写真がカメラの中に残っ ていたこと、その 1枚を最後に巻き取られていたのに犯人がフィルムを持ち去らなかったことの矛盾を真犯人に突きつける。そして、決定的な証拠を三郎が持ってきた ことを告げる。
第07話
(269話)
犯罪の忘れ形見(前編) 蘭が阿笠博士と少年探偵団の子供たちに手作りチョコを用意した。阿笠博士と、コナン、歩美、元太、光彦、哀の似顔をかたどったチョコに子供たちは大興奮。にぎや かに騒ぐ子供たちに、小五郎は仕事の邪魔だから静かにしてくれと言うが、実はラジオで競馬中継を聞いていたのだ。コナンたちが呆れていると、依頼人がやって来た。 死んだ妻の形見の時計が無くなったので探してほしいのだという。時計はこの護田と いう男が昔、妻に贈ったもので、手巻き式の古い腕時計だという。護田が時計を家の中で無くしたと聞くと、小五郎は「ふざけんな!!」と怒り、「俺は名探偵の毛利小五郎だぞ!」と高飛車な態度で依頼を断ってしまう。小五郎に追い返され、ため息をつく護田に、コナンは「僕たちが探してあげるよ」と、時計探しを買って出る。 さっそ く護田のマンションを訪れた阿笠博士とコナンたちは小さな映画館のようなオーディ オルームに驚く。様々なオーディオ機器と大画面テレビ、大量のソフトと映画パンフレットなどであふれた部屋の中は、いつ物が無くなっても不思議じゃないような散ら かりようだ。映画パンフレットの山に取りかかった子供たちだったが、出月映子という中年女性に追い出されてしまう。 映子は同じマンションの住人で、護田に貸した金を取り立てに来たのだった。護田は金と一緒に映子が探していたという古い映画のビ デオを用意していて、映子は護田のオーディオルームを占領してビデオ鑑賞を始めたのだ。映子が鑑賞している映画の大音響が響く中、コナンたちは家中を探し回るが、 時計は中々見つからない。護田がお礼代わりにと作ってくれたサンドイッチを食べ、探す場所も尽きたころ、コナンは亡くなった奥さんでないと操作が難しく、護田は使っていないという洗濯機の中を探し始める。洗濯機に入っていた洗濯物の中に時計はあった。しかも、ちゃんと動いている。コナンが護田の言動に不審を抱いた時、「ガッシャーン!!」と何かが割れたような音が響いた。続いて誰かが走る足音、ドア がバタンと閉まる音。洗面所から玄関に駆けつけたコナンは、玄関に花を活けて置かれていた花瓶がないことに気づく。オーディオルームのドアを開けると、ビデオテープを手に持った映子がモニターの前に倒れていた。
第08話
(270話)
犯罪の忘れ形見(後編) 蘭んだ妻の形見の時計が無くなったので探してほしいという護田のために阿笠博士とコナン、少年探偵団の子供たちは時計探しを買って出る。護田のマンションで時計 探しの真っ最中に、小さな映画館のようなオーディオルームで古い映画のビデオを鑑賞していた出月映子という中年女性が花瓶で頭を殴られて殺害された。コナンはおそ らく犯人は護田だろうと推測するが、護田にはアリバイがある。 事件のトリックに頭 を悩ますコナンだが、もう一つ、気になる情報が高木刑事からもたらされる。小五郎 が手がけた事件の調書が盗まれたという(前回まで)。コナンは狙われているのは小五郎ではなく、自分ではないかと考え、蘭の身を案じるが、目の前の事件の謎を解決 しなければならない。元太が異臭がすると言い出し、子供たちはキッチンの電子レンジの中から焦げたような臭いがすることに気づく。レンジの中は空だったが、ごみ箱 の中に枯れた花が捨ててあった。コナンはもう一つの証拠を戸棚の中で確認し、オーディオルームに急ぐ。 コナンの推理通りだとすると、棚にしまわれている沢山の古い ビデオデッキの中にトリックのカギが隠されているはずだ。タイマーのスイッチを入 れてみると、デッキの一つに電源が入り、テープ在中のマークが灯る。コナンは護田のトリックを見抜いたコナンは、阿笠博士と子供たちの協力で目暮警部に事件を再現 することを提案する。 食器棚の中に底の抜けたドンブリがあったことを目暮警部と護田に示し、全員でオーディオルームに入る。棚の上のビデオデッキ類に電源が入って いることに気づき、護田は慌てた様子を見せる。目暮警部は出月映子がビデオを見終わってテープを巻き戻し、デッキからテープを取り出した時に背後から襲われたと考 えられることから、実際にテープを使って再現しようと言う。護田は自分はこの部屋に詳しいからと、被害者役を買って出る。だが、テープを巻き戻し、デッキから取り 出す時にリモコンを使おうとしない。コナンがリモコンの取り出しボタンを押すと、護田は絶叫して頭を抱える。阿笠博士を探偵役に、コナンは阿笠博士の声で事件の謎 解きを始める。
第09話
(271話)
隠して急いで省略(前編) 蘭は黒いニット帽の男が気になって仕方がなかった。バスジャック事件の以前にも会ったはずだが、思い出せない。このことを考えると遊園地で新一が姿を消した時と同じ不吉な胸騒ぎがする。ジョディの英語の授業中、蘭は黒いニット帽の男のことを 考えてボーッとしていたのだ。突然、ジョディに指され、黒板に書いた『×』の意味 を聞かれた。ジョディが「レディなら知ってて損しない、キュートなマークです」と教えたのを聞き逃してしまったらしい。 考えても分からないと悩む蘭に園子は「新一 にメールで聞いたら?」とからかう。コナンは母・有希子の手紙の最後に×印が書か れていたのを思い出すが、その意味までは分からなかった。帰り道、蘭、コナン、園 子はジョディに声をかけられ、喫茶店に行く。帝丹高校の女生徒が通学途中にチカンに遭っているという。ジョディは「アメリカ流のお仕置きをしてあげま~す」と、張り切っている。 その時、突然、停電になる。すぐに復旧したものの、蘭は園子と一緒 に巻き込まれた事件を思い出し、恐怖に身がすくむ思いだった。と、女性の悲鳴がビル内で響きわたる。 喫茶店のすぐ前のエスカレータに人だかりができている。エスカ レーターの降り口で男が封筒を抱えてうずくまっている。何者かに刺殺されたようだ。コナンは男が抱えている封筒に血で書かれた『○×△』の文字を見つける。 刺されたのは、興信所の所長・中条で、包丁で一突きにされ、死亡していた。事件直前に被害者と電話で話をしていた来生という男は、社内の横領事件を内部調査を中条に頼 んでいたという。 抱えていた封筒の中身は抜き取られており、横領犯人が中条を殺害 して証拠の書類を奪ったということのようだ。来生の手元には、中間報告で疑わしい社員をピックアップした58人のリストだけが残されていた。この社員たちと中条のダイイングメッセージの『○×△』はどうつながるのか?血文字から中条の指紋が検出され、刺された直後に中条が残したメッセージだと確認された。 目撃者によると、 犯人は下階のエスカレータの前で中条ともみ合い、停電後に明かりがついたら中条がエスカレーターのステップにうずくまっていたという。コートを着た男が封筒の中身を抜き取って上階の方に逃げて行ったのも目撃された。『○×△』は何を表すのか?コナンは封筒に書かれた文字がもう一つあることに気づく。
第10話
(272話)
隠して急いで省略(後編) 下校途中で蘭、コナン、園子は英語教師・ジョディに声をかけられ、喫茶店に行く。その喫茶店のすぐ前のエスカレーターで興信所の所長・中条が何者かに刺殺され た。中条は抱えている封筒に血で書いた『○×△』というダイイングメッセージを残す。 このビル内の会社の横領事件の内部調査を依頼された中条は調査結果の報告のた めに来ていたという。横領犯人が中条を殺害して封筒の中身の証拠書類を奪ったらしい。中条が中間報告で疑わしい社員をピックアップした58人のリストが容疑者リストということになる。このリストとダイイングメッセージの『○×△』はどうつながるのか? コナンは封筒に書かれた文字がもう一つあることに気づく(前回まで)。封 筒からはみ出していた中条のメッセージはエスカレーターの踏み板から見つかった。 封筒の文字より少し大きい『□』という文字だ。この『□』と『○×△』が何を表すのか、コナンたちにも、目暮警部にも分からなかった。ジョディは殺害現場で鑑識員 につまみ出されるコナンを見て、「ダチョウさんですね」と言う。アメリカでは「頭隠して尻隠さず」のようなドジな人をダチョウのようだと表現するという。コナンはジョディの言葉から、血文字の暗号を解くヒントを得る。さっそく目暮警部に、文字の一部分を隠すと記号のような形になること、急いでいる時には文字を省略して書くことがあることを示唆し、目暮警部は容疑者リストから該当する文字の使われている名前を探す。漢字4文字の内、後ろの3文字が上半分を隠すと『○×△』になる名前があった。しかも、最初の一文字を省略して書くと『□』になる。踏み板に書かれた□以外の文字は封筒と中の書類にまたがって書かれていたのだ。 コナンと目暮警部は ビル内のオフィスで容疑者をみつけ、事情聴取を始める。が、容疑者は証拠書類を見 せろと開き直る。「僕が犯人なら、書類はもう燃やしている」とうそぶく容疑者に、コナンはシュレッダーから取り出した書類を突きつける。血文字が目印になって、簡 単に断片をつなぎ合わせることができたのだ。犯人は「学生時代に『○×△』や『大口』というあだ名で呼ばれていたが、やっとその意味が分かった」と観念する。
第11話
(273話)
クイズ婆さん失踪事件 コナンは元太と光彦から、歩美に外国人のボーイフレンドができたらしく様子がおかしいと相談され、歩美がデートをしているはずの公園に出かけていく。 だが、歩美は公園でお婆さんと一緒に猫の世話をしていた。 安心した元太と光彦、コナンは歩美たちを手伝い、捨て猫の世話をする。 翌日もお婆さん・大森静とこの公園で待ち合わせ、猫の世話を手伝うと約束するコナンたちだったが、 静は不安げな様子で歩美に猫の薬を預ける。 翌日の日曜日、約束の時間になっても現れない静を心配したコナンたちは静のアパートに行ってみる。静は応答をせず、コナンが新聞受けを見ると昨日の夕刊から新聞がたまっていた。 昨日から帰っていないようだ。アパートの大家さんから、 静は公園近くの江崎という老人の家でお手伝いさんをしていたが、先月、江崎が風呂場で事故死し、職を失ったと聞く。 静は江崎を伊豆の温泉に連れて行ったり、よく面倒を見ていたという。 現在は江崎の甥が住んでいるという江崎家を訪れ、情報を聞き出そうとするコナンだったが、甥の望月は心配をしなくても大丈夫と言うだけで何も手掛かりは得られない。 公園に集まった少年探偵団の子供たちは、何の情報も得られなくて困り果てていた。 静が事故や事件に巻き込まれたという記録はなく、公園で静と揉めていた猫嫌いの男の名前さえ分からない。 そこへ静が特に可愛がっていたブルースという名の野良猫が現れた。首に昨日静がしていたスカーフを巻いている。 スカーフを外して広げてみると、血で『日』という文字が 8つ書かれていて、 ブルースの体には何かの油が付着している。コナンは静が何者かに拉致されて監禁されていると推理する。 車のボンネットにもぐり込むのが好きなブルースが、犯人の車に偶然もぐり込み、 車に連れ込まれた静と遭遇した。体に油が付いているのはこのためだ。静は犯人が血文字を見つけても意味が分からないように暗号を使ってスカーフにメッセージを残し、 ブルースの首に巻いたと思われる。 だが、8個の『日』にどんな意味があるのだろう。歩美は静からもらったクイズの本に同じ問題があったことを思い出す。 『日』に棒を1本足すと『目』という文字になる。 このようにして『日』からできる漢字は8個。本の正解欄には『目』、『田』、『白』、『旧』、『由』、『甲』、『申』、『旦』と出ている。 コナンはこの漢字を組み合わせて「旦那の理由は旧い白目の申の甲」と解読する。残る一文字『田』は口と十に分解し、口を塞ぐという意味か。 静は自分の命より、江崎老人の死の真相を暴く事を選んだらしい。 江崎老人を事故に見せかけて殺し、静を口封じのために拉致することができる人物は限られている。 コナンは江崎家の猿の置物のコレクションの中から白目の猿の手の甲を調べるよう目暮警部に連絡し、 静の救出に向かう。
第12話
(274話)
幽霊屋敷の真実 (前編) 珍しく風邪で寝込んだ蘭は、見舞いに来た園子に「誰かに覗かれているようで、一人でいるのが怖い」と訴える。「あれはきっと、座敷童子よ」と言い張る蘭はひどくおびえていて、 診察を受けに行った新出医院でも、蘭は広い家に一人暮らしで怖くないのかと新出医師に聞く始末。「今時、お化けなんて…」と笑い飛ばす小五郎に背後から老人が声をかけた。 「おるんじゃよ。ワシのアパートにも化けて出て、悪さをしとる」と言い出す。 新出の患者で音無芳一というその老人は、コナンに「若い女子の亡霊を見に来るか?」と誘う。幽霊話に興味を持ったコナンと小五郎は、嫌がる蘭を連れて老人のアパートについていく。 そこはモルタル 2階建てのボロアパートで、隣に工事が中断したままのビル建設現場、路地を挟んだ反対側に公園がある。ごく普通の光景に落胆する小五郎たちに、 老人はこの公園で 4年前に若い女性の黒こげの焼死体が発見され、 隣の工事現場は施工主がここで首吊り自殺をして工事が中断しているが、元々墓地があった場所だと告げる。 老人に案内されてアパート内に入ったコナンたちは、風変わりな住人たちに出会う。 模型店勤務で不気味なフィギュアを造っているという番長菊次、特撮マニアの大学生・四谷岩尚、大学院生の牡丹露彦だ。8人いた住人の半分が幽霊騒動でアパートを出て行き、残ったのが老人を含めて 4人だけ。 老人によると、牡丹以外は幽霊を見ているのだという。 最初に老人が隣のビルに人魂のようなものが映るのを見た。始めは誰も信じようとしなかったが、トイレの水が突然赤く染まったり、 窓から不気味な人影が覗いていたり、急に気が遠くなって恐ろしい幻を見たりと、 立て続けに奇妙な事件が起こるようになって、テレビや雑誌の取材が来た事もあったという。音無の部屋で、いつの間にか寝込んでしまったコナンたちだったが、目を覚ました蘭はテレビに亡霊が映り、 「出て行けぇ~」という声がするのに気づく。 蘭の悲鳴で目を覚ました小五郎は、トイレで真っ赤な水が出てくるのを見た。そして、コナンたちと住人たちは全員で窓に映った不気味な人影を見る。
第13話
(275話)
幽霊屋敷の真実(後編) 新出医院で出会った老人の「若い女子の亡霊が出る」という言葉に惹かれてアパートについて行ったコナン、小五郎、蘭は、老人の言葉通りの怪現象を体験する。急に気が遠くなった後にテレビに映った亡霊、水洗の水が赤く染まったトイレ、窓から覗く不気味な人影…。そこはモルタル2階建てのボロアパートで、隣に工事が中断したままのビル建設現場、路地を挟んだ反対側には4年前に若い女性の焼死体が発見された公園がある。コナン は科学的に説明のできない怪現象と、それが意図的に行われているとしたら、犯人の目的は何なのか、謎ばかりのアパートに興味津々(前回まで)。 赤く染まったトイレの水と怜ビビるに映った亡霊の謎はコナンにも理解できる。だが、窓から覗く不気味な人影と、老人が見たという人魂の仕組みが理解できない。老人以外の住人も人魂を見たと聞いて、コナンは住人たちの部屋を訪れる。四谷は2階に以前住んでいた先輩の部屋で目撃したと言い、 番長は他の二人が見たというビル側の窓ではなく、不気味な人影が覗いた窓の斜め上の窓で見たという。コナンは小五郎にばかり蛾がとまるのを見て、あることに思い当たる。このアパートにはなぜ蛾が多いのか? さきほど人影が見えた2階の小窓に駆け寄り、カー テンを引いてみる。網戸を見たコナンは幽霊騒動のカラクリと犯人の目的に気づく。4年前に起こした焼死事件の決定的証拠をお化け騒動で隠そうとしたのだ。お化け嫌いの蘭が 早く帰りたがるので、小五郎は帰宅することにする。コナンは玄関に蘭を残し、小五郎をトイレに誘う。そのトイレに住人の一人を呼び、真っ赤に染まった水が流れるところを見せた。そして、住人のテレビから亡霊の映像が流れ、慌てた住人が逃げ出す途中で小窓を振り返ると、そこにはユラユラ揺れる人影が…。トイレの前では眠りのポーズをとった小 五郎が住人たちの前で、謎解きを始める。
第14話
(276話)
警察手帳紛失事件 歩美が何かを必死で探し回る高木刑事を見かけたというので、コナン、元太、光彦も歩美と共に公園に駆けつける。高木刑事はこの公園でケンカの仲裁をした後、警察手帳が紛失していることに気づいたと打ち明ける。ケンカをしていたのは半崎という売れない歌手とそのマネージャーの杉山という男だというが…。
第15話
(277話)
英語教師VS西の名探偵(前編) コナンは阿笠博士に小五郎の事件調書が警視庁から盗まれ、その後戻されたことを明かした。謎の黒ずくめの組織が近くまで迫っているかもしれないことを示す大事な情報をコナンが内緒にしていたことで阿笠博士は腹を立てるが、哀を心配させたくなかったというコナンの気持を理解する。 阿笠博士のほうは、コナンが悩んでいる様子なので力を貸してやってくれと、親友の服部平次を呼び寄せていた。コナンは平次と阿笠博士に、杯戸シティホテ ルの事件のことが気になっていると話す。あの時の容疑者の中に、犯人のピスコの仲間がいたはずだ。 容疑者は皆、有名人で、その後もマスコミに頻繁に顔を出しているが、あの事件以来休業宣言をして姿を現さない人物がいる。それが、アメリカの映画女優、クリス・ヴィンヤードだ。 コナンは阿笠博士にインターネットでクリスの情報を調べてくれるように頼む。平次は「お前の周りに怪しい外国人女性がいるんやろ?」とコナンを問い詰め、 蘭の高校の英語教師・ジョディを調べると言い出す。その気になったら止まらない平次を伴い、ジョディの住む高級マンションを訪れたコナンは、ジョディに玄関前で待たされる間に隣の部屋から出てくる3人の男女を見かける。 酒に酔ったらしい男と、彼を支えて歩くもう一人の男、二人になにやら謝っている女。入浴中だったので待たせてしまったと言うジョディの言葉に、コナンと平次はトイレを借りるふりをしてバスルームを点検する。外に食事に行こうと誘われ、ジョディと連れ立ってマンションを出たコナンと平次は、先程の女性が写真撮影をしているのを見る。隣室の高井のガールフレンドだとジョディが説明していると、3人の足元に携帯電話が落ちてくる。続いて人間が猛烈な勢いで落下してきた。 墜落死したのはジョディの隣室の高井で、恋人 の下田千加は、高井は一人で部屋で寝ていたと言い、「なぜ自殺なんか…」と号泣する。 自殺以外に考えられないと言う千加に、コナンと平次は落下してきた携帯電話のメモリーを示し、落下する直前まで高井が川上という男と通話をしていたこと、その1分前には仲町という人物からのメールを読んでいたのに、自殺と断定するのは早いと告げる。平次は暗い中でマンションの写真を撮っていた千加も怪しいと言い、警察に通報する。
第16話
(278話)
英語教師VS西の名探偵(後編) コナンと服部平次は、蘭の高校の英語教師・ジョディが黒ずくめの組織のメンバーかもしれな いと疑い、ジョディの住む高級マンションを訪れる。だが、連れ立って食事に出ようとした3人の目の前で隣室の住人・高井が墜落死した。 捜査に当たる目暮警部と高木刑事は高井が転落した21階の部屋が密室状態だったことから、自殺と考えるが、コナンと平次は他殺だと確信する。 窓のカーテンに酒に酔って一人で寝室で寝ていたという高井が転落する直前につかんだと思われる形跡が残っていたのだ(前回まで)。 密室殺人事件の謎を解くカギは、外から何かがぶつかったような跡が傷になって残っている窓ガラスにあるとにらんだ平次だったが、それが何を示すのかは分からない。転落直前に高井の恋人・千加が撮影した写真の中に高井が写っているものがあった。 高井はカーテンを右手で握り、左手で何かを投げている。高井が投げたのは落下してきた携帯電話で、窓ガラスについているのは携帯電話がぶつかった跡だったのだ。 高井はどのようにして窓から身を乗りだして落下す るように仕向けられたのか? 千加は地上で写真撮影をしていた。同僚の仲町は墜落する1分前に携帯電話にメールを送っている。同じ同僚の川上は死の直前まで携帯電話で通話を していた。「死ね」と言われたくらいで窓から飛び降りるとは思えない。高井が部屋に向かって携帯を投げたのには意味があるに違いない。だが、携帯の画面には怪しい文字が残っている訳ではない。この時、平次の携帯電話が鳴った。 約束をすっぽかされた和葉が怒りの電話を寄越したのだ。携帯の感度が悪く、平次は窓辺に行って通話を続け、「私の手帳にメモしてある」と言う和葉の言葉に、コナンと平次は事件のトリックと携帯電話に残された証拠に気づく。 二人は目暮警部に事件の再現をすることを提案する。千加、仲町、川上が呼ばれ、酒に酔った高井の役はジョディが演じることになる。ジョディはワインを飲んで川上のベッドに横たわり、枕元に携帯電話が置かれた。仲町がしたように平次はジョディにメールを送る。「あんた何者や?」。そして、千加がしたようにマンションの下でカメ ラのフラッシュを光らせ、川上がしたようにジョディの携帯に電話をかける。「メールの答を聞かせてくれ」と言う平次に、ジョディは「あなたこそ何者?」と返す。電話の声が聞こえにくいと言われ、ジョディは暗い室内で窓辺に近づく。
第17話
(279話)
迷宮のフーリガン(前編) コナンと歩美、元太、光彦、哀は阿笠博士と一緒に東都競技場で行われた東京スピリッ ツ対ノワール東京のサッカーの試合を観戦した。試合は東京スピリッツが勝利したが、コ ナンたちは帰り道で負けたノワール東京を話題にしながら歩いていた。 ノワール東京の戦力が落ちた原因の一つに、主力FWだった比護選手がビッグ大阪に移籍してしまったことがあげられる。比護選手が移籍したチームのサポーターからもブーイングを受けていたと聞いた哀は「裏切り者に居場所なんかない」と言い切る。 比護選手の出場するビッグ大阪 の試合のテレビ中継が電器店のテレビで放映されていた。比護は今日も味方サポーターか らブーイングを受けている。テレビを食い入るように見つめていたコナンたちの後ろから「地獄に落ちた裏切り者は二度と這い上がれない」と声がした。 赤野というノワール東京の熱狂的サポーターで、フーリガンを気取ってブラックリストにも載るような悪名高い男だった。赤野は試合で暴れるだけではなく、自分のホームページで「今日はこんなサポーターにヤキを入れた」と日記を公開している。 帰りの電車に間に合うようにと、コナンた ちは駅へと歩き出したが、哀だけはテレビ中継から中々目が離せない様子だった。コナン たちの乗った電車は試合帰りのサポーター達で大混雑。身動きできないほどの車内で、さきほどの赤野の声が聞こえてくる。 どうやら、同じ車輛に乗っているらしい。電車が杯戸駅に到着した時、コナンは赤野の悲鳴を聞いた。 次々とホームに降り立つ乗客たちをかき分けて、コナンが赤野に近づくと、赤野は何者かに刺殺され、倒れていた。犯人は今電車を降りた乗客の中にいる。コナンは阿笠博士に救急車と警察への通報を頼み、駅長の元に駆けつける。 事件を知らせ、改札でチェックをして午後5時以前に購入した切符を持っていた人を足止めするように頼む。目暮警部たちが到着し、捜査が始まった。目暮警部はサ ポーターで超満員という情況では、犯人はすでに逃走していると考える。 が、駅長はコナンに言われた条件に合う乗客を3人待機させていた。コナンは目暮警部に、これは計画殺人で犯人は前もって切符を買って電車に乗り込んだサポーターの格好をした人物のはずだと説明する。
第18話
(280話)
迷宮のフーリガン(後編) コナンと歩美、元太、光彦、哀は阿笠博士と一緒に東都競技場で行われた東京スピリッ ツ対ノワール東京のサッカーの試合を観戦した。その帰りの電車内で悪名高いフーリガンの赤野が何者かに刺殺された。赤野は熱狂的なノワール東京のサポーターで、フーリガン を気取って試合で暴れるだけではなく、自分のホームページで「今日はこんなサポーターにヤキを入れた」と日記を公開している。コナンは犯人は今電車を降りた乗客の中にいると判断し、駅長に午後5時以前に購入した切符を持っていたサポーターを改札で足止めするように頼む。駅長はコナンの条件に合う乗客を3人待機させていた(前回まで)。 ノワー ル東京のサポーターの吉良蓮絵と大葉悦敏、東京スピリッツのサポーター・船戸三昭の3人はそれぞれアリバイを主張し、証明できたのは3人が満員の車輛に乗っていたということだけだった。3人の中から犯人を特定し、事件を解くカギになるものが何かあるはずだ。 コナンはノワール東京から移籍した比護選手の試合のテレビ中継を食い入るように見つめる哀に気づく。比護は味方チームのサポーターからもすさまじいブーイングを受けてプレーしていた。 「比護さんて、オメェに似てるよな。ノワール(黒)から出て行った裏切り者。でも、オメェと一緒で、比護さんにもチームを離れる理由があったんだ」。コナンは哀に比護が移籍した理由を教える。テレビ中継の画面から犯人のウソを見抜くヒントを得たコナンは、急いでホームの目暮警部たちの元へ戻る。容疑者の3人は任意同行を拒み、詳しい事情聴取は後日にしてほしいと訴えていた。コナンは阿笠博士の声で3人に呼びかける。 「そんなに時間を置いてしまったら、せっかくの証拠が消えてしまう。殺人現場から早く立ち去りたいわけでもあるのかのう?」。コナンは犯人は嘘をついているエセサポーターだと宣言し、赤野を殺害する予定の犯人が標的を見失うおそれがあるのに観客席で試合観戦をしているはずがないと指摘する。 吉良は正面スタンドで、大葉はノワールの応援席で、船戸はスピリッツの応援席で観戦していたと主張し、チケットの半券を出して見せる。今日の試合はスピリッツの主催ゲームで、正面スタンドからみて左側にスピリッツの応援席、右側にノワールの応援席が設けてあった。3人の中に自分のいた席からは見えるはずのないゴールの場面を表現した者がいる。しかも、見つかれば周りのサポーターたちに袋叩きにされかねないユニフォームを着ている。コナンは目暮警部に、赤野を付け狙い、満員電車の中でナイフを隠し持っていたのなら、体の一部分にナイフを押しつけていた痕がついているはずだと教える。
第19話
(281話)
小さな目撃者たち 歩美、元太、光彦の3人は廃ビルの中で探偵ごっこをしていた。この日はテレビで「仮面ヤイバー」があるのでそろそろ帰ろうかと言っていると、争っているような声が聞こえてくる。声がした隣のテナントにもぐり込んでみると、一人の男がもう一人の男をシャベルで殴り殺していた。本物の殺人事件を目の前で見て、腰を抜かした3人だったが、窓の外を見ると、犯人が黒い毛布に包んだ遺体を軽トラックの荷台に乗せているところだった。 歩美は探偵バッジでコナンに連絡を取るが、軽トラックの荷台に飛び乗った元太と光彦を追うはずみでバッジを落としてしまう。軽トラックの荷台で段ボール箱に隠れた3人は死体と一緒にどこかへ運ばれていく。

段ボール箱の穴から覗いて見える町並みは全然知らない景色だ。ここまできたら、犯行の全容を突き止めなければと、3人は荷台に潜んで様子をうかがう。郊外に出た軽トラックは川を越える鉄橋を渡り、真っ暗な山林に乗り入れた。トラックが止まり、犯人が荷台から死体を下ろす。血だらけのシャベルで穴を掘る音が聞こえる。そして、死体を埋めている音。トラックは町に戻り、3人は信号待ちで停車した隙に荷台から飛び降りた。歩美たちは電話ボックスからコナンに軽トラックのナンバーを伝えた。

翌朝、コナンと小五郎も加わって犯行現場の廃ビルを調べ、小五郎が突き止めた軽トラックを所有する倉田運輸を訪れる。事務所に飾ってある社長の肖像写真を見て、歩美たちは「この人が犯人よ!」と叫ぶ。そこへ鈴木専務が昨夜から行方不明になっているという連絡が入る。鈴木専務は無断欠勤などしたことのない真面目な人柄だと事務員に聞いて、コナンたちは倉田社長が鈴木専務を殺害したと考える。昨夜の軽トラックの荷台は片づけられ、証拠は残っていなかった。子供たちの勘違いだと決めつけて、小五郎はさっさと帰ってしまう。コナンは「遺体が見つかれば、全てが証明される」と、被害者が埋められた場所を探すことにする。トラックに乗っていた時間から走行距離を推定し、段ボール箱の穴から垣間見えた景色や、聞こえてきた音からルートを探していく。元太が隣の車の液晶テレビで見た「仮面ヤイバー」の必殺技、その時何本も電車が通過したという記憶から、倉田運輸を出た40分後に高架線と交差し、信号待ちをする街道を地図で捜し出す。コナンたちはバスで目指す山林に向かい、林の中に新しいタイヤ痕を発見する。

第20話
(282話)
水流るる石庭の怪(前編) 山道で車がガス欠し、困っていたコナンと蘭、小五郎の3人は、通りかかった木山家具社長の馬島に助けられ、社長宅に一泊することになった。

社長宅の母屋には、縁側に面して白砂が敷きつめられた見事な石庭があり、1日に3回、庭内に作られた滝の水が白砂の上に流れ込む仕掛けになっていた。この日は木山家具が 1号店を出した記念日で、関係者が集まり、晩餐会が開かれる事になっていて、コナンたちも招待される。

豪華な邸宅に泊めてもらえる上に、美味しい食事と酒にありつけるとあって、小五郎は上機嫌。晩餐会までくつろいでくれという馬島の勧めで別棟の洋館のサロンに案内されたコナンたちは、移動の途中で親切な馬島が部下を罵倒する声を聞く。

サロンには晩餐会に出席する関係者が集まっていた。先程馬島に罵倒されていた木山家具社長秘書の橋本、木山インテリア社長の遠藤、フリーライターの木山智則だ。

橋本と遠藤は身内だけの集まりのはずの晩餐会に見知らぬ客が加わることに戸惑い、コナンたちは気まずい思いをする。!

そんな険悪な雰囲気を智則がとりなした。智則は遠藤がアーチェリーの国体出場選手だったと紹介し、自分はフリーライターだと名乗る。智則の著作を読んでいた蘭は感激してサインをねだり、写真展のチケットを貰って感激する。智則は昨年交通事故で亡くなった先代の木山家具社長の息子で、母屋の石庭は父が心血を注いで作った自慢の庭だと言う。

晩餐会が終わり、馬島が退席したのに続き、智則もビデオを見ると言って食堂を出て行った。残った橋本は遠藤が智則のためにビデオを見つけてきたと言うのを聞いて、「そんなもんに夢中になっているから、会社を乗っ取られるんだ」と悪態をつく。なだめる遠藤にも、親会社の損益を押しつけられて業績不振を理由に首になるそうだと指摘し、「あの調子じゃ馬島を殺しかねないと、みんなが心配していた」と言い放つ。橋本だけではなく、遠藤も、智則も、馬島に恨みを抱いているらしい。

遠藤を相手に酒を飲み続け、ヘベレケになった小五郎が遠藤に送られてきた。コナンと蘭は泥酔し高いびきをかいている小五郎を残して、智則に案内されて夜景の絶好ポイントだという見晴らし山に行く。戻ると、家政婦の綾佳が厳しい顔をして写真のようなものを見ていた。翌朝、コナンたちは綾佳の悲鳴で目を覚ます。

第21話
(283話)
水流るる石庭の怪(後編) 木山家具社長の馬島宅に一泊したコナンと蘭、小五郎の3人は、翌朝馬島の絞殺死体を発見することになった。社長宅の母屋には、縁側に面して白砂が敷きつめられた見事な石庭があり、1日に3回、庭内に作られた滝の水が白砂の上に流れ込む仕掛けになっていた。

馬島はこの石庭の真ん中に横たわっていたが、白砂の川模様に乱れはなく、足跡もついていなかった。馬島とコナンたち以外に社長宅にいたのは、昨夜の晩餐会に出席した先代社長の息子・木山智則、社長秘書の橋本、木山インテリア社長の遠藤と家政婦の綾佳の4人だけだ。おそらく犯人はこの4人の中にいる。だが、犯人はどうやって足跡もつけずに遺体を庭の真ん中まで運んだのだろうか?

コナンが見つけた手掛かりは縁側近くについた擦れたような跡と、馬島の服に残った針のようなもので刺した跡だけだ(前回まで)。 小五郎の通報で横溝刑事が駆けつけ、捜査が始まった。鑑識の結果、死因は絞殺による窒息、死亡推定時刻は午後8時から午前1時までの間と判明。小五郎は遺体の背中だけが濡れていたことから、遺体が庭に運ばれたのは石庭から水が流れ出た朝9時以降と考え、いきなり「犯人が分かった!」と言い出す。小五郎は4人のアリバイ証言から、犯行時刻に洋館にいた遠藤とコナンたちと一緒にいた智則を除外し、橋本が犯人だと決めつける。自信満々の小五郎は犯人が遺体を石庭の真ん中に運ぶのに掃除用の取り竿を使ったと推理するが、実験中に取り竿はあっけなく折れてしまう。面目を失った小五郎をよそに、事件のトリックを考え続けるコナン。

遠藤と智則が帰りたいと言い出した時、ごみ箱に捨てられていた脅迫状が発見される。それは馬島を洋館の屋上に呼び出すものだった。そして、先代社長と一緒に転落死した運転手の娘で真相を探るために馬島家に入り込んだと告白した綾佳が、昨夜の10時40分から11時の間に、遠藤に脅迫されたと言い出す。その間、洋館の出入りを綾佳はチェックできなかったことになる。小五郎は今度は遠藤が馬島を殺害し、アーチェリーの矢に紐をつけて遺体を運んだと決めつける。コナンが心配しながら見守っていると、捜査員が小五郎の推理通り、紐のついた矢とアーチェリーを発見する。だが、小五郎の推理通りだとすれば必ずあるはずの跡がどこにもないことを確認したコナンは、滝の排水口からあるものを発見する。それは、この事件の遺体運搬のトリックと真犯人を指し示すヒントとなるものだった。

第22話
(284話)
中華街雨のデジャビュ(前編) 蘭が福引で食事券を当てたので、小五郎は蘭とコナンを連れて横浜・中華街へと車を走らせる。車中で蘭は雨の景色を見ながらある男のことを思い浮かべていた。バスジャック事件で会った赤井という男。前にも会ったことがある。見なれない街の裏通りで、雨の中に立っていた。それがどこなのかは、分からない。新一も、哀しい顔をして同じように雨の中に立っていた。最近、よく思い出すこの光景。蘭にはその意味が分からない。

目的の店に着き、食事券を使おうとした小五郎は、従業員に断られてしまう。納得のできない蘭と小五郎は従業員と口論になり、蘭は思わず空手の蹴りを繰り出し、説明を求める。コナンたちは日曜祝日は使えないと小さく書いてあるのを見逃していたのだ。

3人が途方に暮れていると、店内で食事中の客が声をかけてきた。川端という映画プロデューサーがコナンたちを自分たちの席に招待し、食事をご馳走してくれるという。訳の分からないまま招待に応じた3人に、川端は蘭を映画のヒロインにスカウトしたいと言い出す。映画に出てスターになれば芸能人や有名スポーツ選手にも会えるし、世界中にロケで行くこともできるという川端の口説き文句に、小五郎とコナンは乗り気になり、蘭もその気になってくる。必死で蘭を口説く川端とは逆に、同席している監督の磯上、原作者の北浦、助監督の伊東は「やるなら覚悟を決めたほうがいい」と、映画出演の厳しさを口にし、蘭のやる気を削ぐようなことを言う。体調が悪そうな蘭を心配して、コナンは早く帰ろうと言うが、蘭にも聞き流されてしまう。

と、突然、北京ダックを食べた川端が喉元を押さえて苦しみだし、円卓の上に倒れ込んだ。川端は死亡し、死因は青酸カリによる窒息と推定される。

捜査に当たったのは、静岡県警の横溝警部の弟で、神奈川県警の横溝重悟警部だった。横溝警部は探偵を目の敵にしているようで、小五郎にも冷たい態度をとる。横溝警部は川端と一緒に食卓を囲んでいたメンバーの中に犯人がいると断定し、小五郎が一番怪しいと決めつける。

第23話
(285話)
中華街雨のデジャビュ(後編) 蘭が福引で当てた食事券を使おうと、小五郎は蘭とコナンを連れて横浜・中華街にやってきた。だが、目的の店で食事券は使えず、川端という映画プロデューサーに声をかけられて訳の分からないまま招待に応じた。

川端は蘭を映画のヒロインにスカウトしたいと言い出し、同席している監督の磯上、原作者の北浦、助監督の伊東と映画の話をしながら食事を共にする。蘭の体調が悪く、心配するコナンだったが、食事中に川端が倒れ、死亡してしまう。死因は青酸カリによる窒息と推定され、捜査に当たった静岡県警の横溝警部の弟で、神奈川県警の横溝重悟警部は川端と一緒に食卓を囲んでいたメンバーの中に犯人がいると断定し、小五郎が一番怪しいと決めつける(前回まで)。

川端の死因となった青酸カリは料理からは検出されず、川端が使用していた皿とおしぼりから検出された。横溝警部は川端の隣に座っていた小五郎が毒物を仕込んだと疑っているのだ。

青酸カリが入っていたと思われる容器がトイレで発見され、コナンは店に入ってからトイレに行っていない小五郎は犯人ではないと指摘するが、横溝警部は小五郎を疑い続ける。体調の悪い蘭を気遣い、早く事件を解決しようとコナンはあせる。食事中に回転テーブルに載っていた醤油が取りにくかったこと、川端が卵アレルギーで玉子料理を毛嫌いしていたことを思い出したコナンは、事件のトリックに気づく。

鑑識課員にある場所の毒物検査を依頼し、川端が使っていたと思われているおしぼりから青酸カリとスープのシミだけが付着していたことを確認する。コナンは小五郎に麻酔銃を撃ち込み、推理ショーを開始する。横溝警部は兄から聞いていた通りに、奇妙な声と踊りを合図に小五郎が“眠りの小五郎”に変身するのを目の当たりに見る。コナンは食卓を囲んでいたメンバーと横溝警部に事件を再現しながら、食事中に何が起こったのか、その真相と真犯人について、謎を一つ一つ解き明かしていく。

第24話
(286話)
工藤新一NYの事件(事件編) 横浜・中華街で事件を解決したコナンだったが、蘭が高熱で倒れてしまう。薄れゆく意識の中で、蘭の脳裏に黒い帽子の男・赤井、新一のこと、米人女優シャロン・ヴィンヤードのイメージが浮かんでくる。

蘭は以前に赤井に会ったのがニューヨークで、新一と一緒にシャロン・ヴィンヤードと事件に遭遇した時だったのを思い出す。あれは新一と二人でアメリカに住む新一の両親に会いに行ったときのことだった。ニューヨークの街を新一の母・有希子の運転するジャガーが疾走していた。有希子がブロードウェイで評判のミュージカル「ゴールデンアップル」のチケットを入手し、劇場に向かっているのだ。

突然、有希子が焦り出す。サマータイムになっていたのを忘れていたというのだ。開演1時間前に劇場で待ち合わせをしているという。「ゴールデンアップル」の開演は夜8時、1時間前といえば、もう間もなくだ。有希子は蘭と新一に覚悟を促し、猛スピードでジャガーを飛ばす。ニューヨークの街には若い女性を襲う通り魔が出没し、警戒のためパトカーが走りまわっている。有希子は構わず爆走を続け、ファントムシアターに到着した。「問題なくちゃんと着いたじゃない」と微笑む有希子だったが、追ってきたパトカーに捕まり、スピード違反をとがめられる。窮地に陥った有希子は、知り合いのニューヨーク市警のラディッシュ警部に救われる。

が、ラディッシュは変装した女優・シャロン・ヴィンヤードだった。有希子のジャガーが猛スピードで暴走しているという警察無線を聞いたシャロンが一計を案じ、映画のロケと偽って有希子たちを救出したのだという。シャロンはアメリカの大女優で、有希子の昔なじみでもあった。蘭は感激し、「神様に感謝しなくちゃ」と叫ぶが、シャロンは「神様なんているのかしら?」と表情を曇らせる。「私の人生は不幸の連続」とシャロンは言い、女優デビューした当日に両親を火事で失い、アカデミー賞のオスカーを取った翌日に夫が病死、娘のクリスとも仲違いしたまま疎遠になっていると話す。

シャロンの案内で楽屋を訪れた新一たちは、有希子がテレビの特捜番組にゲスト出演したのがきっかけとなり、『ナイトバロニス』と呼ばれる女探偵として評判になっていることを知る。

第25話
(287話)
工藤新一NYの事件(推理編) 横浜・中華街で事件が解決した直後、蘭は高熱で倒れてしまう。朦朧とする意識の中で蘭は新一と二人でアメリカに住む新一の両親に会いに行ったときのことを思い出していた。

新一の母・有希子に連れられ、ニューヨークに来た15歳の蘭と新一は、ブロードウェイで評判のミュージカル「ゴールデンアップル」の楽屋を訪れた。有希子の親友でアメリカの大女優、シャロン・ヴィンヤードの案内で開演直前の舞台裏を見学していた時、衣装がクギに引っかかって身動きの取れない女優・ローズめがけて鎧が天井から落ちてくる。蘭が間一髪でローズを救う(前回まで)。だが、ローズは蘭に助けられたことより、何者かが自分の命を狙っていると怯える。開演時間が迫り、俳優たちは舞台の準備を始めた。有希子たちと一緒に舞台を鑑賞するはずだったシャロンは、なぜか帰ってしまい、蘭と新一、有希子の3人だけで鑑賞する。

ミュージカルは、ギリシャ神話の「金の林檎」を題材にしたもので、人気男優、ヒースが演じる主人公が3人の美女の中から一人を選ぶというものだ。舞台はクライマックスにさしかかり、天使に変身したヒースが舞台中央に現れ、空中を舞うはずだった。だが、舞台に現れたヒースは左胸を銃で撃ち抜かれ、ぐったりとして天井から吊り下げられていた。

ニューヨーク市警察のラディッシュ警部らが捜査に当たり、ヒースは上のほうから銃で狙われたことが判明する。有希子はヒースが撃たれた時、テラス席からレーザーライトが当てられていた事から、犯人はテラス席にいてヒースが登場する瞬間を狙撃したと推理する。だが、ラディッシュ警部は遺体についていた二つの奇妙な痕跡の意味が分からないと言う。一つは首もとについている火傷のような跡、もう一つは右の手のひらについた血痕がかすれていることだという。

新一は事件直後にテラス席に行ってみたが、そこに落ちていた薬莢は熱を帯びていなかったと証言する。犯人はテラス席から撃ったのではない。新一は舞台にいた4人の女優たちの中に犯人がいると断言する。だが、長身のヒースを上から撃つのは、4人の中の誰にも不可能だと思われる。

第26話
(288話)
工藤新一NYの事件(解決編) 高熱で倒れた蘭は、朦朧とする意識の中で新一と二人でアメリカに住む新一の両親に会いに行ったときのことを思い出していた。新一の母・有希子に連れられ、ニューヨークに来た15歳の蘭と新一は、ブロードウェイで評判のミュージカル「ゴールデンアップル」の楽屋を訪れた。

が、その直後、ミュージカルの上演中に主演男優・ヒースが何者かに射殺される。犯人は舞台上にいた4人の女優の中にいると考えた新一は、舞台を点検し、ヒースの衣装についていた羽根が舞台装置に挟まっているのを見つける。舞台中央に設置されていた大鏡に傷がついていること、しかも、殺される直前まで長身のヒースが身を隠していたにしては大鏡が小さ過ぎることに気づく(前回まで)。 新一は舞台のスタッフに舞台装置について問いただす。だが、見知らぬ日本人の少年に秘密を打ち明けるはずがない。

スタッフの口を開かせたのは、"ナイトバロニス(闇の男爵夫人)"としてアメリカの人気者になっていた有希子だった。ニューヨーク市警の現場検証が続く中、ラディッシュ警部は事件は外部犯の仕業と考え、容疑者の女優たちを解放しようとしていた。

突然、舞台が暗転し、スポットライトに照らされて有希子が登場する。ナイトバロニス・有希子はラディッシュ警部に向かい、「舞台と事件を覆い隠していた謎めいた霧は晴れたわよ」と宣言し、新一の推理を披露していく。蘭は有希子の謎解きショーを見ながら、新一に事件の謎を一つ一つ説明してもらう。関係者が舞台の守り神と信じていた大鏡に傷がつき、スタッフはみんなに動揺を与えないように鏡の割れた部分を切り取って修復した。だが、鏡が小さくなって、裏に身を隠す事になっているヒースの体がはみ出してしまうことがわかる。スタッフは出演者にも内緒にして上演中に奈落のふたを開け、ヒースの身を隠すことにする。ヒースは奈落の中で身を潜めて出番を待っていた。犯人は立てた鏡の下の隙間と奈落の鉄格子の蓋の間に拳銃を握った右手を入れ、ヒースを射殺した。有希子は奈落にヒースが隠れることを知っていて、大鏡の隙間に手を入れることができるのは一人しかいないと指摘する。

事件が解決し、蘭と新一は二人でホテルに戻る途中、廃ビルの中で銀髪の通り魔と遭遇する。そこで新一が通り魔に言った言葉が蘭の心にしみる。蘭の心の中で封印されていたニューヨークの嫌な思い出も大切な思い出も、全てが甦ってくる。

第27話
(289話)
迷いの森の光彦(前編) コナンは夏休み恒例のラジオ体操に参加している。同級生の歩美たちと阿笠博士も一緒だ。本当なら、高校2年の夏を満喫しているはずなのに、と自分が情けない。そんなことを考えている時、哀が光彦の姿が見えないことに気づく。几帳面な光彦が寝坊してサボッたとは考えにくい。

心配した阿笠博士とコナンたちは光彦の家を訪れる。光彦の姉の朝美は、光彦がラジオ体操の後、みんなでキャンプに行くと言って早朝に家を出たと言う。デイパックに笹団子をいっぱい詰め、朝美の日焼け止めローションを借りて、財布を持って行ったようだ。光彦の部屋に残されていたラジオ体操の出席カードから、光彦がラジオ体操を休んだのは日曜日だけだと気づいたコナンは。光彦が以前から計画してどこか遠くへ行ったと考える。

光彦が話していたというフラワーショップの女の子に聞くと、光彦が先週の日曜日にバス停でおじさんたちに怒られていたのを見かけたと言う。今朝も帽子をかぶってデイパックを背負い、レモンのような香りをさせてバスに乗り込む後ろ姿を見たが、声をかけても無視されたという。コナンたちは、バスの運転手、米花駅員らに聞き込みを重ね、光彦が群馬県内の小さな駅に降り立ったことを突き止める。山の中に入って行ったという駅員の話から、コナンは追跡メガネで光彦の探偵バッジの位置を追うことにする。だが、真面目で協調性を重んじる光彦が、コナンたちに背を向けて単独行動を取る理由は何なのか? たった一人でこんな山奥に来るには、それなりの理由があるに違いない。探偵バッジの呼びかけに応答を返さない光彦の身を案じ、コナンたちは森の中へ入っていく。森の中で数人の人影を見つけた子供たちが駆け寄ってみると、群馬県警の山村刑事がいた。

現場検証中に連続殺人犯・沼淵己一郎が逃亡したという。沼淵といえば、浪花の連続殺人事件でコナンが包丁で刺された相手だ。光彦にこのことを知らせようと焦るコナンだったが、山村刑事はコナンたちの話を探偵ごっこと思い込んで信用しない。そのころ、光彦は探偵バッジの呼び出し音から、コナンたちが探しに来たことに気づくが、今応答したらここに来た意味が無くなってしまうと、必死にこらえていた。

第28話
(290話)
迷いの森の光彦(後編) 光彦がコナンたちに内緒でどこかへ出かけてしまった。夏休みのラジオ体操に来なかった光彦を心配したコナンたちと阿笠博士は、光彦の後を追う。

光彦はリュックに笹ダンゴと日焼け止めローションを詰め、姉にキャンプに行くと言って家を出たという。聞き込みを重ね、群馬県のある森の中までやって来たコナンたちは、近くに光彦がいることを突き止めるが、光彦は探偵バッジの呼びかけに応答しない。コナンは森の中で群馬県警の山村刑事と出会い、連続殺人犯・沼淵が森の中に逃亡したことを知る(前回まで)。

光彦との連絡は依然として取れないままだ。沼淵は故郷のこの森にもう一人の被害者を埋めたと供述し、群馬県警の刑事たちはそのための現場検証をしていたという。だが、沼淵の記憶があやふやで遺体は見つかっていない。自分も子供のころにこの森で遊んだという山村刑事に、コナンたちは光彦を捜す3つの手掛かりを教える。

レモンの香りと、武将の名前、そして、笹ダンゴ。コナンはレモンの香りは、日焼け止めローションに含まれている虫よけの香料だと見当をつける。残る笹ダンゴと武将の名前の謎を考えていると、木の上から沼淵が飛び下りてきた。沼淵はあっと言う間に森の中に消えた。コナンは光彦の身を案じ、探偵バッジで呼びかける。「凶悪犯が森の中に逃げ込んでいる」と叫ぶコナンだが、この時光彦は沼淵に捕まっていた。

「お前は俺と一緒やな…」と沼淵は光彦に声をかける。コナンは光彦が小川沿いのどこかにいると推理し、付近を捜すが、光彦の帽子が落ちていただけだった。光彦は沼淵に捕まってしまったらしい。探偵バッジの呼びかけに光彦が返事をしないのは、手がふさがっているからなのか?

コナンたちは沼淵を捜すことにするが、沼淵の特徴がよくわからない。その時、哀が「薄い眉にくぼんだ瞳…」と、沼淵の特徴を詳しく描写する。哀はコナンに、沼淵が黒の組織の末端メンバーだったこと、哀の実験材料になるのを恐れて組織を逃げ出し、追手と勘違いして3人の人を殺してしまったことを告げる。コナンは、とにかく光彦を捜すことが先決と、捜索を再会しようとする。が、元太と歩美が森の中から探偵バッジの発信音が近づいてくるのに気づく。

第29話
(291話)
孤島の姫と龍宮城(事件編) 小五郎と平次の東西推理対決というテレビの企画で、コナンたちは沖縄にやって来た。二人が推理するのは、1年前、『鬼亀島』と呼ばれる無人島で奇妙な文字を背にして餓死した男の遺体が発見されたという事件だった。

小五郎にどうしても負けたくない平次は、ロケの下見に行くというスタッフに同行することにする。平次とコナン、蘭と和葉の4人はスタッフ6人とともにクルーザーに乗り込む。 船上でディレクター以外の5人の地元スタッフは、コナンたちに「日が暮れるとグソーの使いがマブイを取りに来る(あの世の使いが魂を吸い取る)」という言い伝えを教える。

無人島に到着して、コナンたちは廃墟の前の柱に案内された。ここが遺体発見現場であり、謎の文字が刻まれた柱だった。柱には「姫眠るるは甲なりて乙にあらず」と彫ってある。廃墟はこの島の町長・金城の別荘で、台風の被害にあってから手入れをしていないようだという。  クルーザーに戻り、コナンと平次は謎の文字の意味を考えていた。この時、スタッフの1人・伊江がまだ戻ってきていないことに気づく。スタッフが船に戻ってから1時間以上たっている。まだ海に潜っているのだろうか?

コナンと平次は海岸沿いに伊江を捜し、船着場の真裏に当たる浜辺で伊江を発見する。伊江の絞殺死体は波打ち際に仰向けに横たえられ、顔の横の部分の砂に文字が書かれていた。「我はグソーの使いなり」。 集まったスタッフに、平次は推理を披露する。遺体の状況から、伊江は森の中で殺され、わざわざこの浜まで運ばれてきた。殺害されたのは約2時間前、犯人はコナンたちが来る直前に逃亡したと思われる。砂に書いた文字が波で消えたときのために、平時はデジカメで遺体と砂浜の写真を撮った。平次は証拠を見つけるために海に潜り、海底に沈んだ碇を発見する。海から上がると、乗ってきたクルーザーが船長とともに消えていることに気づく。

第30話
(292話)
孤島の姫と龍宮城(追求編) 小五郎と平次の東西推理対決というテレビの企画で、コナンたちは沖縄にやって来た。二人が推理するのは、1年前、『鬼亀島』と呼ばれる無人島で奇妙な文字を背にして餓死した男の遺体が発見されたという事件だった。

ロケの下見に行くというスタッフに同行することにした平次とコナン、蘭と和葉の4人はスタッフ6人とともにクルーザーで無人島に渡る。だが、スタッフの1人・伊江が絞殺死体デ発見され、乗ってきたクルーザーも船長とともに消えていることに気づく(前回まで)。 廃墟のような金城家の別荘で救助船を待つ間、コナンたちはスタッフから金城家に立て続けに起きたという不幸な事件の話を聞く。

4,5年前、金城町長の娘・都が誘拐され、その1年後強盗グループに家宝の金屏風を盗まれた。誘拐事件は町長夫人が死亡した頃に起き、町長が身代金の支払いも屏風の代償金の支払いも拒否したため、娘も屏風も行方がわからずじまいだという。

強盗事件で家政婦が殺され、執事も辞めて行った。町長は冷血漢と陰口をたたかれ、1年前に餓死した男と別荘の柱に刻まれた奇妙な文字が発見された。そして、今回の殺人事件。ディレクターは金城家がグソーの使いに魅入られてしまったのではないかと思うという。話をしていくうちに、地元のスタッフが全員、金城家と関わりのあることがわかる。コナンたちとスタッフは手分けをして別荘の内部を探索する。

その結果、町長の娘・都が幼い頃に書いたと思われる文字を発見する。「わたし」、「ママ」、「ちよにい」、「かあちゃん」。ちよにいとかあちゃんとは誰のことなのか? コナンと平次は事件の謎を検討し続け、奇妙な音を聞く。外に出てみると、船の姿が見える。桟橋に走った行ったコナンたちは、船が乗ってきたクルーザーで、船体の側面に船長・下地の遺体が吊るされていた。遺体の横には血文字で「我はグソーの使いなり」と書いてある。

第31話
(293話)
孤島の姫と龍宮城(解決編) 小五郎と平次の東西推理対決というテレビの企画で、コナンたちは沖縄にやって来た。1年前、『鬼亀島』と呼ばれる無人島で奇妙な文字を背にして餓死した男の遺体が発見されたという事件の謎を解くため下見に行くスタッフに同行し、島に渡った平次とコナン、蘭と和葉の4人だったが、スタッフの1人・伊江が絞殺死体で発見され、乗ってきたクルーザーの船長・下地も殺害された。 船の無線機を壊し、燃料とコナンたちの荷物まで捨てて島に閉じ込めようとした犯人の狙いは何なのか?

島の町長・金城の周辺で起きた事件の数々は、今回の事件と関わりがあるのか? コナンと平次は伊江と下地の殺害方法に違いがありすぎること、別荘にあった椅子に子供の字で書かれた名前に不自然なところがあること、あるはずの名前が2つ足りないことに気づく(前回まで)。

島に取り残され、殺人犯の影におびえながら、コナンたちは廃墟のような金城家の別荘で救助船を待って夜を明かした。平次はダイニングルームで見つからなかった「ちよにい」と「かあちゃん」と書かれた椅子をキッチンで見つける。

和葉は「かあちゃん」が家政婦の松本嘉子のことではないかと推測し、コナンと平次も納得するが、「ちよにい」の正体がわからない。コナンは「ちよにい」と書かれた文字の下に「どじょうさん」と書いて消した跡があるのに気づく。だが、それが何を意味するのかはわからない。蘭と和葉との会話から、コナンと平次は伊江を殺した犯人のトリックに気づく。

犯人のメッセージが波に消されてしまったように見える浜辺には、コナンの小さな足跡が見落とされ、くっきりと残っていた。消されていたメッセージ「姫眠るるは甲なりて乙にあらず」は、もう証拠として使えない。二人は一計を案じ、犯人を森に誘い出し、証拠を持ち出させようと考える。別荘に戻り、二人は残った4人のスタッフに「犯人のトリックと、その犯人が俺らとずーっと一緒におったということも、わかってしまった」と告げる。「犯人が誰かということは、1人ずつ話を聞いてから決める」と言い、平次は久米を部屋の外に連れ出す。

30分後、ほかのスタッフと和葉、蘭が待つダイニングルームに平次の叫び声が聞こえてくる。久米が逃げたという。「自殺でもされたら、洒落にならんで」という平次の言葉に、全員で手分けして島の捜索を始める。森の中に走りこんだ男の影が何かを見つける。シートが被されたボートとその中に隠されていた金属ケースのようだ。その時、男の背後からロープが首に回され、後ろに引っ張られる。何者かが男の首を締め上げる。男は口にくわえていたナイフでロープを切り、犯人に向き直る。「あんたを罠にかけたんや」。平次とコナンは犯人に二人の推理を突きつけ、町長の娘・都の誘拐事件に始まる事件の全貌を明らかにしていく。

第32話
(294話)
愛と決断のスマッシュ(前編) コナンと蘭、園子、小五郎、元太、歩美、光彦、哀は飛行機で熊本にやって来た。元太が懸賞で「テニス大会ご招待」を当てたのだ。光彦は「ボクたちは、勝つためにここに来たんです!」と大張り切り。 子供たちはさっそくトレーニングを開始。その後、熊本城の周辺から、水前寺公園など観光する。その途中、園子が蘭を呼び止めた。女物らしいストラップのついた携帯電話を拾ったというのだ。園子は「たった今入ったの」と、その携帯のメール画面を示す。そこには、「その子…会いたい!

明日11時に待っている」とある。園子は自分と同名のその子の恋の手助けをしようと、交番には届けず、携帯電話を直接待ち合わせ場所に持って行き、メールの差出人に渡そうと考える。 待ち合わせ場所はテニス大会の会場の近くらしい。蘭の心配をよそに、園子は「明日はテニスと恋の行方の二本立て!」と、すっかりその気になっている。コナンたちが出場するテニス大会は、「第1回火の国カップ・慈善テニス大会」と言い、汚職疑惑の渦中にある国会議員・成増健三の主催だった。コナンたち少年探偵団の4人はジュニア部門だ。

彼らは意外に強く、ついに準決勝まで勝ち進む。蘭と園子は、会場を抜け出し、メールに指定されていた喫茶店に来た。それらしい男性の姿はない。が、園子がトイレに立った直後に蘭は「その子、遅いな」という声を聞く。姿は見えないが、二人の男の声が「その子が来なくても、あいつはあの男を殺す」と言っている。警察に通報しようと喫茶店を抜け出した蘭の前に二人の男が立ちはだかる。「聞いたな、俺たちの話」。蘭は男が「このまま帰すわけにはいかない」というのを聞き、とっさに空手の構えをする。この時、3人目の男が蘭を棍棒で殴り倒した。

第33話
(295話)
愛と決断のスマッシュ(後編) コナンと蘭、園子、小五郎、元太、歩美、光彦、哀は「第1回火の国カップ・慈善テニス大会」という、汚職疑惑の渦中にある国会議員・成増健三の主催するテニス大会に参加するため熊本にやって来た。

市内観光中に携帯電話を拾った園子は、大会当日、蘭を誘い、試合会場を抜け出して携帯電話を届けに行く。だが、蘭は何者かに誘拐され、倉庫のようなところに監禁されてしまう。隙を見て、園子に電話をして犯人たちが殺人を計画していると伝えた蘭だったが、監禁されている場所がヒマワリの咲いている場所であることと、「ヒルコマチ」と書いてある看板の見える場所ということしかわからなかった。

犯人は熊本県警に身代金を要求する電話を入れ、小五郎と熊本県警は誘拐事件の捜査を始める(前回まで)。  犯人の狙いも動機も不明のまま、あせるコナンだったが、テニス大会は進行していた。テニス会のホープ・立川正人も順調に勝ち進み、決勝戦を残すのみとなっていた。少年探偵団の2組のダブルスも、準決勝を控えている。

蘭を誘拐した犯人は、身代金を持って2時間後に遊覧船で天草・松島に来るよう要求していた。身代金の運搬役は小五郎が引き受けた。コナンは身代金要求の電話に不審を抱き、身代金は小五郎に任せて、自分は独自の捜査をすることにする。蘭が伝えてきた"殺人計画"は進行しているに違いない。計画の全容をつかむためにも、蘭の居場所を早く突き止めねば…。

コナンと哀はインターネットで「ヒルコマチ」を捜そうとするが、見つからず途方にくれていた。そこへ、歩美、元太、光彦も合流した。コナンは園子に電話をして、拾った携帯電話に他に手がかりになるようなものがなかったかと聞く。園子は待ち合わせの喫茶店に着く直前にもう1回、メールが入ったことを思い出す。そのメールには、「ヨコマチの工場の裏に咲いたヒマワリ」という言葉があったという。コナンと少年探偵団の子供たちは、「蛭子町」と書いて「ヨコマチ」と読む町の存在を電話帳で見つけ、蘭が監禁されている倉庫にたどり着く。コナンたちは倉庫に踏み込み、犯人たちを取り押さえることに成功する。蘭からもう1人の犯人が大会に出場していると聞いたコナンは、県警に連絡する。が、大会は中止にならず、テレビ中継が続いていた。

第34話
(296話)
屋形船 釣りショック 小五郎とコナン、蘭は、工務店社長・河井に招待され、屋形船に乗りこんだ。船を一艘借り切ったのに、河井の知り合いの金融業者・山崎が加わっただけで船は出航した。

米花湾の中程に錨を下ろし、コナンたちは対岸の夜景と花火を楽しみながら料理をごちそうになり、河井と山崎は舳先で釣りをしていた。釣り好きらしい山崎はシャツを脱ぎ捨て、ランニング姿になって裸足で釣り竿を握っている。河井の用意したカーボン製の竿が気に入ったらしく、上機嫌だ。

蘭とコナンが夢中になって見物していた花火大会も第1部のフィナーレに突入し、夜空いっぱいに花火が咲き乱れた。一瞬、船内の電灯と船縁の提灯が点滅し、すぐに回復した。

花火大会が休憩に入り、夜空も暗くなり、静寂が戻る。河井たちにビールを届けに行った船長の娘・サヨリの悲鳴が聞こえる。船の舳先への出入り口のガラス戸に顔を密着させて、山崎と河井が折り重なるようにして倒れている。河井は程なくして意識を取り戻したが、山崎は死亡していた。山崎は竿を両手で握ったまま硬直しており、手のひらに火傷のような傷がある。山崎の竿の、ネックレスに触れた部分と竿先に焦げ跡があった。船縁の提灯の明かりをともすための電線が、3cmほどビニールの被覆がはがれて裸線になっているのを小五郎が見つけた。山崎は素手で竿を握り、裸足で立っていた。足元の床はバケツからこぼれたのか、海水で濡れている。釣り竿は通電性の高いカーボン製だ。山崎は、感電によるショック死だと推測された。

当時、海は波がなく、穏やかで、船も揺れていなかった。それなのになぜ、二人は倒れたのか?

河井は、自分の竿に大物がかかり、山崎に助けを求めたと説明する。その瞬間、釣り糸が切れ、二人でガラス戸の方に倒れ込んだという。その時の様子は、20mほど離れて停泊していた船の船長が目撃していた。目撃証言によると、二人とも素手で竿を握り、裸足で立っていて、同じように倒れ込んだことになる。コナンは山崎だけが死亡したことに疑問を持つ。

「私は運がよかった」と言う河井のポケットから、肌色のものがはみ出しているのに気づいたコナンは、一人で屋形船の周りを調べてみる。船上に引き上げられた錨にからんだ藻をかき分けてみると、意外なものが出てくる。舳先に回ってみると、切れた釣り糸が二重に絡まっていて、糸の先は鋭利なもので切断されたようになっている。これは偶然の事故ではない、と確信したコナンは、小五郎の首筋に麻酔銃を発射し、謎解きショーを始める。

第35話
(297話)
法廷の対決II 妃VS九条(前編) 蘭は小五郎と別居中の弁護士の母・英理を温泉旅行に誘うつもりで事務所に訪ねるが、英理は検察のマドンナ・九条玲子検事の担当する事件の被告の当番弁護士を引き受けるつもりでいるらしい。英理と小五郎を復縁させたいという蘭の願いは今回も叶えられそうにない。

事件は不動産業の事務所で社長の他殺死体が発見されたというもので、室内に残されていた指紋と遺留品から事務所荒らしの常習犯の井上隆志が逮捕されたというもの。井上は空き巣の現場を社長に見つかり、争いになり社長の頭をガラスの灰皿で殴ったと自供。単純な傷害致死事件と思えるが、コナンは九条が強盗殺人罪で井上を起訴していることに疑問を持つ。英理も九条がこんなことで初歩的なミスを犯すとは思えないといぶかりながらも、被告に面会する。

井上は社長の大津を殴ったことは認めるが、金庫から奪ったとされる1,200万円の現金については知らないと言い、殺意はなかったと主張。英理は井上の言葉を信じ、傷害致死罪が相当として九条と争うことを決断する。

公判が始まり、九条は被告が殺意はなかったと主張するのを真っ向から否定。偶然大津不動産に盗みに入っただけで、大津社長に何の恨みもなかったというのは間違いで、被告の20年前に離婚した妻との間に一人娘がおり、その紀子と大津社長は愛人関係にあったことを明かす。 九条は井上がこのことで大津を恨んでおり、現場のビルに侵入したのは偶然ではないと主張する。九条は傍聴席に紀子を呼んでいて、必要とあらば証言させる用意があると言う。九条の隠し玉はこれだったのだ。英理にライバル心をむき出しにする九条は、英理に向かって「弁護を引き受けたことを後悔させてあげます」とでも言うように微笑を浮かべる。

公判の後で、英理は紀子に話を聞き、井上が紀子と大津との関係を知っていたことを確認した。紀子は「父は盗人のろくでなしだけど、人を殺せるような人じゃない」と言い切るが、この裁判で英理が圧倒的に不利な立場に立っていることに変わりはなかった。

蘭は何とかして父の小五郎に英理の手助けをしてほしかったが、小五郎は「動機、物証があって、金庫のダイヤルに指紋まで残している。これでどうやって弁護するって言うんだ!?」と、そっけない。だが、散歩だと外出した小五郎をコナンがつけていくと、現場のビルに入っていく。そこには英理もいて、コナンと3人で殺害現場を検分し、管理人から話を聞いた。

管理人の秋山は、大津の娘婿・有馬と一緒に社長室のドア上部にあるのぞき窓から大津が殴られる瞬間を見たという。コナンたちは有馬が持ってきた鍵で社長室に入る。

コナンは、井上が大津を殴り倒した位置に小五郎を立たせ、のぞき窓から中を見てみる。

第36話
(298話)
法廷の対決II 妃VS九条(後編) 小五郎と別居中の蘭の母で弁護士の英理は、検察のマドンナ・九条玲子検事の担当する事件の被告の当番弁護士を引き受けた。

事件は不動産業の事務所で社長の他殺死体が発見され、事務所荒らしの常習犯の井上隆志が逮捕されたというもの。井上は空き巣の現場を社長に見つかり、争いになり社長の頭をガラスの灰皿で殴ったと自供。九条は単純な傷害致死事件ではなく、強盗殺人罪で井上を起訴した。英理は殺意はなかったという井上の言葉を信じ、傷害致死罪が相当として九条と争う。  公判が始まり、九条は井上に大津を殺害する動機があることを明かし、英理を窮地に追い込む。コナンは小五郎と共に殺害現場に行き、ビル管理人と大津の娘婿・有馬が目撃したという大津殺害の瞬間にトリックが存在したことに気づく(前回まで)。

英理と小五郎、コナンが事件現場の社長室を調べるのに立ち合った有馬は、3人を自分が経営するレストランに招待した。有馬は、大津の遺体を発見することになったとき、大津がレストランに忘れた老眼鏡を届けに行ったと言う。コナンは事件の証拠品リストの中に眼鏡の留めネジがあったことを思い出し、事件の真相に思い当たる。

英理を心配しながらも憎まれ口をきく小五郎に、コナンは事件の特別弁護人になって法廷で名推理を披露して見せてと、けしかける。これを聞いた英理は弁護の邪魔になるだけだと反対する。コナンは英理を事件現場に連れて行き、ビルの管理人に目撃証言と同じようにしてのぞき窓から中を見るように促す。

社長室をのぞいた管理人は、びっくりして絶句。英理も信じられない思いでのぞき窓から見える光景に見入る。

目撃証言のトリックを再現して見せたコナンは、英理に「おじさんが真相は法廷ではっきりさせるって」と言い、小五郎の特別弁護人を了承させる。

第2回公判が始まり、証言席に立った有馬に、小五郎は質問を開始する。自信満々で臨む小五郎だったが、例によって小五郎の推理は迷走し、弁護人席で英理と小五郎の争いが始まってしまう。コナンは小五郎に麻酔銃を撃ち込む。

井上が大津を殴って逃走した後、何者かが社長室にやってきたと、小五郎の声で事件の謎解きを始める。有馬は大津が老眼鏡がないとメニューも読めなかったと証言したが、検察の起訴状では、被害者は犯人に脅されて金庫を開けたとなっている。

コナンはこの矛盾をつき、事件の真相を明らかにしていく。

第37話
(299話)
友情と殺意の関門海峡(前編) 小五郎がまたしても福引で一等賞を引き当て、コナンと蘭、小五郎の3人は山口県下関市にやってきた。さっそく観光に繰り出した3人は、『海峡ゆめタワー』で4人の男女、秋田谷徹、野島栄子、大坪圭介、井坂茜と知り合う。

4人は地元の高校のクラスメートで、高校3年生のときに自殺したもう一人の仲間、本堂和行の13回忌と、大坪と茜の婚約を祝うために集まったのだという。その夜、コナンたちは4人の案内でふぐ料理店で食事をした。ここへ針尾という男が現れ、秋田谷に会社を手放せと迫る。針尾も同じ高校のクラスメートで、栄子の恋人だった本堂を自殺に追い込んだ張本人だという。

針尾はコナンたちが新幹線の車中で見かけた携帯電話で話しながら通路を歩いていた男だ。針尾は秋田谷の会社をゴミのようなものと言い捨て、栄子の恋人だった本堂のことを聞いたこともないとうそぶく。針尾の傲慢な態度に腹を立てた大坪と茜がたしなめようとするが、大坪の手を振り払うようにして、針尾は出て行った。残された秋田谷と栄子は怒りに震え、コナンたちにも辛い会食となってしまった。

翌日、小五郎が「我が先祖・毛利元就公の子孫のお屋敷・毛利邸を訪ねる」と言い張り、コナンたちは長府行きのバスに乗る。海岸沿いの道を走っているバスの中から、関門橋のたもとに数台のパトカーが停まっているのが見え、3人は途中下車して事件現場を見学する。シートをかぶせられた遺体らしきものを見ている刑事たちが「被害者は針尾清治さん、30歳」と言うのを聞いて、小五郎は驚き、身分を明かして前夜の経緯を説明する。針尾は後頭部を石で強打され、脳挫傷で死亡していた。小五郎は前日に知り合った4人を事情聴取することを提案し、下関警察署に集められた4人は、針尾が死亡したと思われる午前9時から11時ごろまでのアリバイを説明する。

第38話
(300話)
友情と殺意の関門海峡(後編) コナンと蘭、小五郎の3人は山口県下関市にやってきた。4人の男女、地元の高校のクラスメートだったという秋田谷徹、野島栄子、大坪圭介、井坂茜と知り合い、ふぐ料理店で食事をした。だが、同じ高校のクラスメートだった針尾という男が現れ、秋田谷に会社を手放せと迫る。針尾は栄子の恋人だった本堂を自殺に追い込んだ張本人でもある。針尾の不遜な態度に4人は怒りに震え、コナンたちにも辛い会食となってしまった。

その翌日、コナンたちは針尾の殺害現場に遭遇し、小五郎は前日に知り合った4人を事情聴取することを提案する。下関警察署に集められた4人は、それぞれアリバイを主張。4人のアリバイが確認された午前11時ごろに「人道トンネル」の監視カメラに針尾の姿が映っていることが明らかになる。

警察は4人をシロと結論を下し、釈放するが、小五郎はトンネルの監視員から、針尾の顔を確認したわけではないということを聞き出した(前回まで)。

針尾に変装して犯行時刻を午前11時ごろと思わせるのが犯人の狙いだ。関門橋のたもとで針尾を殺害した犯人は、針尾の服を脱がせて針尾になりすまして人道トンネルでパニックを起こしたように振る舞い、11時ごろにまだ針尾が生きていたと思わせた。その時刻には4人ともアリバイがある。だが、それ以前のアリバイには4人とも、1時間から2時間の空白がある。あの4人の内、誰にでも針尾の殺害は可能だ。

だが、この偽装工作は一人ではできない。謎を解く突破口を見つけたコナンは、4人の中で誰が犯人なのかを突き止めようと、聞き込みを始める。小五郎は4人のアリバイを確認し直す作業を始め、秋田谷のいたという唐戸市場と、大坪のいた桟橋、栄子と茜がいた海響館も、すぐ近くにあることに気づく。コナンは車を運転をするときに眼鏡をかける栄子が、水族館で眼鏡をしていなかったことを確認する。栄子が見たはずの大坪は替え玉だったかもしれない。栄子は他の3人のアリバイ工作に利用されたのか?小五郎が山口県警の刑事に推理を披露しているころ、下関署を栄子が訪れた。

栄子は蘭と二人で思いでのデートコースをたどり、蘭は新一への思いを馳せた。このあとで下した栄子の決断は、コナンと小五郎の推理を覆すような告白をすることだった。

第39話
(301話)
悪意と聖者の行進(前編) コナンたち少年探偵団の子供たちは、阿笠博士と一緒に東京スピリッツの優勝パレードを見にやってきた。スター選手のヒデやナオキを生で見ようと大群衆が沿道に押しかけている中、コナンたちは捜査のために変装した佐藤刑事・白鳥警部と遭遇する。本庁に妙なファックスが届き、それが以前に関わった事件と似ているのだ。
第40話
(302話)
悪意と聖者の行進(後編) コナンたち少年探偵団の子供たちは、阿笠博士と一緒に東京スピリッツの優勝パレードを見にやってきた。だが、このパレードを妨害するとファックスが送られ、佐藤刑事らが捜査を始めた。

コナンたちの目の前で高木刑事の車が爆発し、目暮警部らは3年前の連続爆破事件と同一犯人と考えて捜査を開始。爆発の直前に近くでビデオ撮影していた光彦が何者かにカメラを奪われている。幸いテープを入れ換えたばかりで、撮影済みのテープは手元にあった(前回まで)。

コナンたちはこのなかに犯人の手がかりを探すことにするが、それらしき不審人物は発見できない。コナンはビデオに映っているものではなく、映っていないものに事件のカギがあるとにらむ。 光彦は郵便ポストの近くで撮影をしていた。テープに残された撮影時間表示によると、光彦は午後2時23分から2時38分までポストのそばにいたことになる。そのポストの郵便回収時刻は2時30分となっていて、この時間に集配車は来ていなかった。コナンは少年探偵団の子供たちに指示を出し、全員でパレードのコースにあるポストの郵便回収時刻を調査する。

調査の結果から、コナンたちがいたポストに集配車がこなかった理由は渋滞や事故などの可能性は低い事がわかる。犯人の狙いがスピリッツへの嫌がらせでも、警察官への恨みを晴らす事でもなく、別のものだと考えたコナンは、ある郵便局を特定する。

第41話
(303話)
戻ってきた被害者 コナンは歩美、元太、光彦とバスで曙町にやってきた。ここ1か月ばかり曙町で連続している空き巣事件の犯人を捕まえようというのだ。手がかりの情報もなしに犯人を捕まえると張り切っている子供たちにコナンは呆れるが、歩美たちは大真面目だ。

人通りのない住宅街で手がかりを探していると、傍らのマンションから女性の悲鳴が聞こえてきた。コナンたちがその部屋に駆けつけると、部屋の主・細野早苗が腰を抜かし、ソファを指さしている。シートの外れたソファの中を覗き込んだコナンは、老女の他殺死体を発見する。

老女は後頭部を鈍器で殴られており、腕時計が壊れて2時45分で止まっていたが、身元を特定できる物は所持していなかった。目暮警部は死亡推定時刻を前日の2時45分と見て捜査を開始。早苗は昨日の夕方リサイクルショップでソファを購入し、今日の朝、10時ごろに配達されたと説明する。外れかけたシートを直そうとして遺体を発見したという。早苗は死亡推定時刻には一人で映画を見ていたと主張するが、目暮警部は第1発見者の早苗を容疑者と考える。

早苗の隣室の住人・徳永が「言い争う声を聞いた」と証言したことで、早苗は不利な立場に立たされる。目暮警部が早苗を疑う様子を見て、歩美は「あの人、本当に驚いていたもの。お芝居なんかしていないよ」と、早苗の無実を訴える。子供の目をだますのは簡単だと取り合わない目暮警部に、高木刑事は逆の場合もあると子供たちをかばう。目暮警部は高木刑事に早苗の証言に沿って捜査をするように命じ、高木刑事と子供たちはリサイクルショップに聞き込みに行く。

聞き込みの結果、ソファは担当者が買い取ってきたものではなく、ゴミ置き場から拾ってきたものだと判明。ソファが捨てられていたゴミ置き場は、早苗のマンションのすぐそばだった。老女の遺体はこのゴミ置き場からリサイクルショップを経由して、また元の場所に戻ってきたのだ。


シーズン8

第01話
(304話)
揺れる警視庁 1200万人の人質 コナンと少年探偵団の子供たちを連れて郵便局強盗事件の実況検分をしながら、佐藤刑事は3年前の連続爆破事件を思い出していた。携帯電話には、その時から消すことができないでいるメールが残っている。犯人の罠にかかり、最後の爆弾の在りかを突き止めるのと引き換えに殉職していった松田刑事。彼の最後のメールには、爆弾の場所と共に「あんたの事、わりと好きだったぜ」という文が付け加えられていた。佐藤刑事はこの事件と松田刑事のことが忘れられない。

またしても爆弾予告電話があり、捜査にきた白鳥警部はこのことを高木刑事に話す。「佐藤さんがまだ彼のことを引きずっているなら、我々には勝ち目はないよ」と言う。今日は11月 7日、7年前と3年前に爆弾事件が起きた日だ。捜査を終え、一人で車に乗りこんだ白鳥警部の車が佐藤刑事やコナンたちの目の前で爆発。コナンは犯人が刑事を予告電話でおびき出し、その隙に車に爆弾を仕掛けたと考える。白鳥警部は車内に貼られていたメッセージが3年前の連続爆破事件の犯人からだと気づき、ドアを開けると爆弾が爆発すると予知する。それなのに、危険を冒してすぐにドアを開け外に出ようとした。白鳥警部は佐藤刑事に犯人のメッセージを早く見せたかったと言う。それは、佐藤刑事を悩ませている消せない記憶を吹っ切るチャンスだと考えたからだ。

重傷を負った白鳥警部が佐藤刑事に手渡した犯人のメッセージは、「俺は剛球豪打のメジャーリーガー さあ延長戦の始まりだ…」とあり、3年前の連続爆破事件で送られてきた犯人の予告状と酷似した文面だった。同じメッセージが警視庁管轄内の警察署にも一斉に送られていた。警視庁では、FAXの文面から爆弾は 2つ、爆発時刻は明日正午と午後 3時と推測し、緊急配備を敷く。

コナンと少年探偵団の子供たちは、佐藤刑事と高木刑事の車に乗りこみ、両刑事と一緒に爆弾の在りかを推理しようとする。1,200 万人の東京都民を人質に警察への恨みを晴らそうとする犯人にコナンも刑事たちも怒りを燃やすが、発見される爆弾は偽物ばかりで、捜査員は犯人に翻弄されているようだった。

朝になり、佐藤刑事は高木刑事の身を案じ、コナンたちを家に帰すことを口実に高木刑事を捜査の現場から遠ざけようとする。もう二度と身近な人間を死に神に連れて行かせない、佐藤刑事はこう決意していた。だが、車中で1個目の爆弾が東都タワーのエレベーターに仕掛けられていると気づいたコナンは、高木刑事と共に現場に急行する。東都タワーでは、小さな爆発が起きエレベーターが止まっていた。電話でこれを聞いた佐藤刑事は3年前と同じように警察を誘い込むための犯人の罠だと気づく。佐藤刑事は高木刑事にそのまま待機するよう命じるが、少女がエレベーター内に閉じ込められていると知った高木刑事は佐藤刑事の制止を振り切りエレベーターに駆けつける。高木刑事も佐藤刑事を守ろうと必死なのだ。小さな体を利用してコナンが少女を救出するが、コナンと高木刑事はエレベーター内に閉じ込められてしまう。

佐藤刑事の推測どおり、これは犯人の罠だった。エレベーターのケージの上に登ったコナンが爆弾を発見する。起爆装置が作動するのを防ぐには、コナンが一人で爆弾を処理するしかなさそうだ。爆弾処理班から解体のための道具が届き、指示を仰ぎながら解体を始める。作業は順調に進むが、あと少しのところで犯人のメッセージが現れる。もう一つの爆弾の在りかをこの爆弾の爆発3秒前に表示するというのだ。コナンはすでに予告文の暗号を解読し、2つ目の爆弾の設置場所を推理していた。だが、都内に該当する400 カ所の内、どこに仕掛けられているかがわからない。その場所にいる全員を確実に助けるには、松田刑事がやったようにメッセージが現れる爆発3秒前まで待たねばならない。松田刑事と同じように、コナンは高木刑事の携帯電話に自分の推理をメールに打ち込んでもらい、メッセージが表示されるのを待つ。設置場所が判明すると同時に送信してもらうつもりだ。コナンもまた、この世で一番死なせたくない大切な人を守ろうとしていた。

第02話
(305話)
見えない容疑者(前編) テレビのミステリー番組の出演を依頼された小五郎は、コナンと蘭を連れて洋館を使ったロケ現場にやってきた。小五郎は番組の解説役のピンチヒッターとして出演することになったのだが、ミーハーの小五郎は「ドラマのほうにも出演してもいい」などと言い出してはしゃいでいる。

推理ドラマの出演者の中に元癒し系女優ナンバーワンと言われた雨城瑠璃がいると聞いて大喜びする小五郎だったが、小五郎を今回の代役に指名したのは瑠璃だと知らされる。小五郎はいそいそと初対面の挨拶をしに行くが、瑠璃は「初めてじゃないでしょう」と小五郎に話しかける。

瑠璃は小五郎と英理の中学の同級生だったのだ。美人女優に変貌した瑠璃に小五郎はデレデレ、蘭のことも他人のふりをしようとする。娘ですと自己紹介した蘭に、瑠璃はお母さんの英理とは幼稚園からずうっと一緒だったと話し、学校一の才女の英理とやんちゃ坊主の小五郎がラブラブで、結婚までしたというのが未だに謎だという。

ドラマの撮影が始まり、コナンたちは見学をする。主役の探偵役を演じる風見良輝が台本を無視し、小五郎に事件の謎を解いてもらおうと言い出す。コナンはとっさに小五郎に麻酔銃を撃ち込み、眠りの小五郎に謎を解かせて、小五郎の窮地を救う。

小五郎の(実はコナンの)推理に感心する一同だったが、風見はなぜか機嫌が悪く、共演者たちに口論を吹っ掛け、いさかいが始まってしまう。風見は現場から立ち去り、中断された撮影は休憩になる。その間を利用してコナンたちと洋館の探検をしていた瑠璃は雪が降っていることに気づき、スタッフたちを外に誘う。コナンが瑠璃の姿が見えないと気づいたとき、突然、瑠璃の悲鳴が聞こえる。コナンと小五郎は声のした洋館の二階へ駆けつける。二階の一室で、手を血だらけにした瑠璃が一点を凝視して悲鳴を上げ続けていた。瑠璃の視線の先に血まみれの風見の遺体があった。

第03話
(306話)
見えない容疑者(後編) ミステリー番組の出演を依頼された小五郎が訪れた洋館で起こった殺人事件。捜査のために殺害現場を訪れたコナンは、床に貼ってあるガムテープに付着していた綿を見て、凶器と犯人に気づく。早速小五郎に麻酔針を打ち込もうとするコナンだが、なぜか麻酔針が出ない。仕方なくコナンは小五郎に事件のヒントを与えることに。
第04話
(307話)
残された声なき証言(前編) 毛利探偵事務所に3人の依頼人が訪れた。3人とも1週間前から行方がわからない有名なシステムエンジニア・板倉を捜してほしいという。3人は別々のゲーム会社の社員で、板倉にそれぞれ違ったゲームソフトの開発を同時に依頼していた。

須貝は囲碁、内藤はチェス、相馬は将棋のソフトだ。板倉は別々に話を持ちかけた3人に「今はどことも契約をしてないから任せろ」と言って開発を請け負ったが、1週間前に「同時に3つは疲れる。事務所を離れてのんびりやらせてもらう」というメールが送られてきたという。このメールで掛け持ちに気づいた3人は、板倉を見つけて文句を言いたいというのだ。

3人は板倉が自分で行方をくらませた可能性もあり、警察に届けたくはないが、誘拐されたとも考えられるという。 コ ナンが手がかりを追い続けている黒ずくめの組織のメンバー・テキーラとそっくりの風貌の男を見かけたという話が出て、コナンはこの事件に黒ずくめの組織が関係しているのではないかと考える。

メールの画像に映っている部屋の様子から、小五郎はホテルニュー米花の2004号室を突き止める。3人の依頼人と小五郎、コナン、蘭は板倉が潜伏していた部屋を訪れる。コナンの機転でマスターキーで室内に入った6人は、そこに板倉の遺体を発見する。板倉は部屋の奥の机に突っ伏して、机の上にはパソコンと薬瓶からこぼれた錠剤が散らばっている。警察の捜査で、板倉は心臓病が悪化していて、この仕事が終わり次第手術を受けることになっていたことが判明する。持病の心臓発作を起こし、薬を飲むまえに息絶えたと思われた。

遺体は死後2日ほど経過していて、ホテルの従業員が気づかなかったのは、仕事場に他人が入るのを極端に嫌う板倉の性格が災いしたと考えられた。だが、コナンは板倉の死は自然死を装ったもので、3人の依頼人の内の誰かが犯人の可能性が高いと直感する。

第05話
(308話)
残された声なき証言(後編) 毛利探偵事務所に3人の依頼人が訪れた。3人とも1週間前から行方がわからない有名なシステムエンジニア・板倉を捜してほしいという。3人は別々のゲーム会社の社員で、板倉にそれぞれ違ったゲームソフトの開発を同時に依頼していた。須貝は囲碁、内藤はチェス、相馬は将棋のソフトだ。板倉の掛け持ちに気づいた3人は、板倉を見つけて文句を言いたいというのだ。

コナンが手がかりを追い続けている黒ずくめの組織のメンバー・テキーラとそっくりの風貌の男を見かけたという話が出て、コナンはこの事件に黒ずくめの組織が関係しているのではないかと考える。小五郎がホテルニュー米花の2004号室を突き止め、3人の依頼人と小五郎、コナン、蘭は板倉が潜伏していた部屋を訪れる。

が、板倉は部屋の奥の机に突っ伏して死亡していた。持病の心臓発作を起こし、薬を飲むまえに息絶えたと思われた。コナンは板倉の死は自然死を装ったもので、3人の依頼人の内の誰かが犯人の可能性が高いと直感する(前回まで)。

コナンの指摘で板倉が何者かに縛られて放置され、心臓の薬を飲むことができなくて死亡したことが分かり、目暮警部は事件を心臓発作に見せかけた殺人事件と断定する。容疑者は小五郎に調査を依頼した3人のゲーム会社の社員と考えるが、証拠はなかった。

コナンは板倉の持ち物の中に日記とタイトルがついたMOディスクがあることを警部に教える。MOの中身はやはり、板倉が5年前から毎日つけていた日記だった。最後の記録は3日前で、事件に直接関係のありそうな書き込みはなかった。

だがコナンには、黒ずくめの組織の手がかりがつかめるかもしれない貴重な資料だ。警察の証拠品として押収されてしまっては、2度と見るチャンスはめぐってこない。早く3人の容疑者の中から犯人を見つけ、日記が事件と関係のないことを証明しなくてはならない。あせるコナン。検視官が遺体の右足に靴下の跡がないことを発見し、縛られていた板倉が自分で右足の靴下を脱いだことがわかる。コナンは板倉が右足でダイイングメッセージを残すために靴下を脱いだと気づく。小五郎に麻酔銃を撃ち込み、眠りの小五郎の推理ショーを始めたコナンは、碁盤に板倉が書き記したダイイングメッセージの説明に取りかかる。

パソコンの操作には、囲碁などと同じく特別の用語があり、普通の動作であっても作業中にしてはならない"禁じ手"があることを理解させようとする。その間にコナンは目暮警部にパソコンの操作を説明するふりをしてMOのコピーを作成する。禁じ手で碁石が配置されている碁盤には意味があったのだ。視力が低下していた板倉は、最近、点字を覚えだしたという。碁盤に並んだ白黒の碁石は、点字のメッセージが託されていた。「犯人は…。証拠は…」。犯人が戻ってきた時に、気づいて消してしまわぬよう、犯人には理解できない点字と囲碁の禁じ手を使ったのだ。

第06話
(309話)
黒の組織との接触(交渉編) 有名なシステムエンジニア・板倉の死の真相を解明し、殺人事件を解決したコナンだったが、板倉が黒ずくめの組織と関わっていたと思われる以上、そちらの追求をしなければならない。 ポケットには、板倉の日記が記されたMOのコピーが入っている。一刻も早くMOの中身を見たいと意気込むコナンだったが、蘭は新一に会えなくて辛いと涙ぐんでいる。そんな蘭の前に赤井秀一が立ちはだかる。赤井は蘭に「いつも泣いているな」と言い、よく似た女を思い出していたと言う。

コナンは赤井と蘭がニューヨークの事件の時に会ったこと、その時にFBIのジャケットを着た男と一緒だったので怪しい人とは思わないと聞かされるが、却って不審な思いを抱く。だが、今は2年前に黒ずくめの組織のメンバー・テキーラと接触した板倉の日記の方が優先だ。   阿笠博士の家に泊まると書き置きを残し、コナンは阿笠博士の家に行く。パソコンでMOを開くと、2年前の3月7日に「関西弁の男が訪ねてきた。開発中のシステムソフトが目当てだったらしい」という記述があった。「上から下まで真っ黒な男…、二度と会いたくない…」ということ以外、日記に黒ずくめの組織に関する記入はない。がっかりするコナンだったが、その7日後から、あぶり出しのように細工された白黒反転の画面にもう一つの日記が現れる。

そこには黒ずくめの組織との接触の経過が詳しく記されていた。板倉は視力が低下してシステムソフトの開発を断念し、ゲームソフトの開発を手がけるようになった。その開発中のシステムソフトを1年で完成させたら高額で買い取ると組織が言ってきた。脅迫に屈した板倉は組織の要求を受け入れるが、板倉は悩んでいた。「あのソフトは目を悪くしたためだけでなく、我々人間のために断念したのだから…」。板倉はソフトを完成させるのを中止し、未完成のソフトと報酬にもらった金額と同額の小切手を用意した。別荘のパソコンのそばにそれをかくし、受け渡しの時間を稼いで海外に逃亡するつもりだったようだ。受け渡しの期限は、今夜の0時。コナンは板倉の別荘に行き、別荘のパソコンで組織からのメールを受け取ることを考える。時間はない。阿笠博士の車でコナンは群馬県にある別荘に急ぐ。

第07話
(310話)
黒の組織との接触(追跡編) 殺された有名なシステムエンジニア・板倉日記を手に入れたコナンは、黒ずくめの組織と板倉の接触の経過を知る。脅迫に屈し、板倉が組織に開発中のシステムソフトを売り渡す約束をし、その受け渡しの期限が迫っていると知ったコナンは阿笠博士の車で群馬県にある板倉の別荘に行く。

予定通り、組織から板倉のパソコンにメールが送られてきたが、パスワードがわからずに開くことができなかった。不審に思った組織のメンバー・ウォッカから電話が入り、留守番電話のスピーカーからウォッカの声が別荘に響いた(前回まで)。

コナンは意を決して受話器を取り上げ、変声器で板倉の声を再現し、ウォッカとの交渉を始める。ウォッカはソフトの受け渡しを翌日の午前0時、工事中の東京の地下鉄新設駅・賢橋のコインロッカー前と指定する。コナンは明日は都合が悪いと会話を誘導し、今から4時間後の午前4時に変更させる。夜が明けたら、板倉が死亡したことがニュースで流され、ウォッカたちに何もかもバレてしまう可能性がある。今のところ、ニュースは宝石強盗犯逃亡の情報だけしか扱っていない。

雪の山道を群馬県から東京まで戻るのは容易ではない。阿笠博士のオンボロ車でコナンたちは急ぐ。コナンは車中でノートパソコンを使い、板倉のソフトの中身を確認しようとするが、こちらもパスワードが設定されていて開けなかった。組織と板倉の間でパスワードが決められているらしい。しかも、コピーガードがかかっていて、コピーも不可能だ。これでは警察が動いてくれる見込みはない。コナンは自ら組織と対決する決意を固める。その時、車のタイヤがパンクし、コナンと阿笠博士は通りかかった車に乗せてもらうことになる。

車には男女のカップルが乗っていて、運転している男はセンターラインを越えて対向車とぶつかりそうになったりと、乗りあきた車だと言っていたのに運転がおぼつかない。車検の期日も知らないようだ。コナンが不審に思っていると、群馬県警が検問をやっていた。逃亡中の宝石強盗犯を捜しているらしい。

第08話
(311話)
黒の組織との接触(決死編) 殺された板倉の日記から黒ずくめの組織と接触する手がかりをつかんだコナンは阿笠博士の車で群馬県にある板倉の別荘に行く。変声器で板倉の声を再現し、黒ずくめの組織のメンバー・ウォッカと交渉した結果、4時間後の午前4時に工事中の東京の地下鉄新設駅・賢橋のコインロッカー前で板倉のソフトの受け渡しをすることになった。

雪の山道を群馬県から東京まで戻るのは容易ではない。阿笠博士のオンボロ車のタイヤがパンクし、やむなくコナンと阿笠博士は通りかかった車をヒッチハイクした。車には男女のカップルが乗っていて、どうやら逃亡中の宝石強盗犯らしい。先を急ぐコナンは検問をわざとやり過ごし、目的地に向かう(前回まで)。

賢橋駅が近づいた。コナンは車を降りる前にやっておかなければならないことができたと言い出す。車に乗せてくれたカップルが宝石強盗犯だと暴き、運転がおぼつかなかったのは、逃走用に盗んだ車だったからだろうと指摘する。  検問の警察官の話から、もう一人の仲間が負傷してトランクの中に潜んでいることも見抜いていた。宝石強盗犯たちは検問を抜けるためにコナンと阿笠博士を利用し、コナンたちも先を急ぐためにわざと協力したのだと明かす。  麻酔銃で運転手の男を眠らせ、女の方は阿笠博士の新兵器・ボール射出ベルトを使って車の中に閉じ込める。宝石強盗犯たちの処理は阿笠博士に任せ、コナンは一人で取引現場へと向かう。

黒ずくめの組織のメンバーたちも配置について板倉を待ち構えている。コナンは暗闇の中、地下通路を走る。取引相手のウォッカは懐中電灯を手に歩いてくる。ウォッカが取引場所に指定したコインロッカーに先回りするコナン。板倉が用意した小切手をロッカーの扉に貼りつけ、セロハンテープで固定したケースの中に発信機をつけたソフトを入れた。物陰でコナンが見守る。ウォッカは小切手を見つけ、中のソフトを出そうと素手でセロハンテープを剥がし始める。すべてはコナンの読みどおりに進んでいく。そこへ拳銃を手にしたジンが現れた。

第09話
(312話)
夕日に染まった雛人形(前編) 雛祭りが近くなったある日のこと、街を歩いていたコナンたちの前で歩美は突然、雛人形が飾られている人形店のウインドウの前で立ち止まった。それを見た元太が歩美の家にも雛人形があるじゃないかと言うと歩美は泣きだしてしまう。

元太は昨年、歩美の女雛(めびな)を壊したことをすっかり忘れてしまっていたのだ。うろたえる元太だが、歩美は泣くのをピタリとやめると、実は知り合いの人からさらに大きい七段飾りの人形がもらえるんだとケロリとした様子。ただし、何も見ずに人形を並べられることが条件だという。歩美はコナン、哀、元太、光彦を誘って皆で知り合いのマンションに向かった。

早速、コナンたちが目的のマンションに付くと出迎えたのはその家の主婦・観野節子。部屋一杯に並べられた木箱に元太と光彦がびっくりしていると、節子の夫の母・弥生が部屋へ入ってくる。弥生は人形を大事にしてくれる子がどうか見定めるために出した条件だと明かした。

コナンの助けも借りて、七段飾りの雛人形を見事に並べた歩美を節子はほめ、人形を譲ることを約束。そこへ玄関のチャイムが鳴り、同じマンションの住人である津曲水貴が骨董品鑑定士の三重芳春を連れて現れる。

津曲は数千万円の価値があるという「雷神」の掛け軸を譲ってほしいという。「雷神」は江戸時代の絵師・鉄山が描いたもので自分は、この掛け軸と対(つい)となっている「風神」を持っているのでどうしても2つそろえたいというのだ。しかし、弥生はいくら金を出しても掛け軸を売る気はないと断ると2人を追い返した。気を取り直した弥生は歩美たちに甘酒を御馳走しようとするが、酒かすがないことに気づく。そこでコナンたちはスーパーに酒かすを買物に外に出た。

間もなく、買物から帰ってきたコナンたちはマンションで鑑定士の三重とばったり出会う。三重は携帯電話を忘れてしまい取りにきたが、家にはだれもいないと打ち明けた。おかしいと思った歩美がドアのノブに手をかけると鍵が開いている。中からはファックスの音が。しかも、リビングにはいろいろな物が散乱し、部屋の中は空き巣に荒らされ、「雷神」の掛け軸も消えていた。そこへ帰ってきた節子は部屋の様子を見て驚き悲鳴を上げる。すると、その声を聞いた津曲が訪ねてきた。

所轄署の刑事・百瀬は全員の事情聴取の結果、犯人はベランダから侵入したと断定。しかし、コナンはファックスの送信時刻からあることに気づき…。

第10話
(313話)
夕日に染まった雛人形(後編) コナンたち少年探偵団は歩美の誘いで、七段飾りの雛人形を並べられれば、その人形がもらえるという観野宅を訪れた。しかし、無事、雛人形を並べ終えたコナンたちが買い物へ出かけている間に、和室の床の間に飾ってあった高額な掛け軸「雷神」が空き巣に盗まれてしまう。

所轄署の刑事、百瀬は観野家の主婦、節子と彼女の夫の母、弥生、さらに事件直前に訪ねてきた同じマンションの住人である津曲水貴と骨董鑑定士の三重芳春の事情聴取を行った。その結果、4人とも動機がありアリバイがない上、全員が犯行可能なことが発覚。コナンは盗まれた掛け軸があった和室に犯人を突き止めるカギがあると推理する。早速、和室へ向かったコナンは雛人形の男雛と女雛の位置が左右逆になっていることを事件前に映したデジカメの写真から証明した。

そこで、元太が雛人形の並べ方を知らない津曲が犯人だと推理。百瀬刑事も津曲の部屋を調べるため、観野家を後にした。しかし、別に犯人がいると推理するコナンだが、今一つ確信が持てない。そんな中、歩美の「階段…」という言葉でついに事件の謎を解きあかす。その言葉を聞いた歩美は津曲の部屋へ百瀬刑事を呼びにいった。だが、階段の踊り場で夕陽を見る歩美はなぜか落ち着きがない。

そして観野家に戻ってきた百瀬刑事にコナンは掛け軸を持っていった犯人も、その在り処も判明したと断言する。コナンは、犯人が掛け軸を盗んで逃げるときに人形を落してしまい、置き直すときに男雛と女雛の位置を間違えたという推理は逆で、実は男雛と女雛の置き場所は間違えていなかったと語り始める。

第11話
(314話)
壊れた柵の展望台 コナンと蘭に若い女の子がいると聞いて小五郎は小天狗山にハイキングにやってきた。しかし、がらんとした駐車場を見て小五郎は初めて蘭たちにだまされたことに気づき文句を言う。すると、管理事務所の中から作業着姿の平井高也と近藤英一郎が言い争いをしながら出てきた。そして、平井は肩に標識ロープをかけてあきらめたように頂上に向かうと、近藤はばつが悪そうな顔で事務所に戻っていった。

間もなく、疲れ切った小五郎を置いて頂上に近付いたコナンたちは展望台の崖の突端で作業着姿の男性が標識ロープを持ってウロウロしているのを見つける。作業着の男はコナンたちがきたのに気づくと、急にロープを持って崖の端に行きしゃがんだ。その瞬間、突然の風にあおられてバランスを崩し崖から落ちてしまう。途中の山道で休憩していた小五郎も蘭の悲鳴を聞き、崖の方を見ると上から作業着の男が落ちていくのを目撃する。

慌てて登山道を下りてきたコナンたちは同僚の男が崖から落ちたことを事務所にいる近藤に知らせた。近藤は平井に柵の修理を命じたが、自分が行けばよかったと泣き崩れる。

いっぽう、駆けつけた警官は「また事故…」と顔をしかめた。実は1か月前にも女性職員が墜落死したばかりだというのだ。警察は事故として処理しようとするが、崖下の茂みの中で標識ロープと登山用具のカラビナを見つけたコナンだけは、なぜか納得できない。さらに頂上の崖の突端にハーケンが打ちつけられているのを発見したコナンは、けもの道の木に樹皮のはがれた部分を見つけ事故に疑問を持つ。その隣にはメジロが巣を作っていた。

崖下では救急隊員がやってきて平井の遺体を搬送しようとしている。それを見守っていたコナンは遺体の脇に蜘蛛の糸が付着していたことを知ると、ついに事件のトリックに気づき…。

第12話
(315話)
陽のあたる場所 小五郎はコナンと蘭を連れ、飲み仲間の日本画家・早河静山の別荘を訪れた。スランプから指が震えるようになり、昨夜アトリエで自殺未遂を図るまでに至った静山を励ましてほしいと弟子の黒木次郎に頼まれたのだ。

早速、静山がいる竹林にコナンたちが行くと、静山は竹林のスケッチを描いていた。その時、ウグイスがケキョ、ケキョと鳴く。これはウグイスが警戒して鳴く「谷渡り」だと説明を受けた小五郎たちは竹林を早々に引き上げた。

静山が小五郎たちと別荘に戻ってくると、反対側から手伝いの山本典子が息子の健一郎を連れて現れる。母が急に熱を出して息子の面倒をみれないため連れてきたというのだ。しかし、健一郎の姿を見た静山は突然、態度を変え激昂。健一郎を突き飛ばし家の中に入っていった。

夜になり小五郎とコナン、蘭は別荘のアトリエで静山と談笑していた。そこで小五郎が静山に蘭の似顔絵を書いてほしいと頼むが、静山はきっぱりと辞退。気分を害した静山を取りなすように黒木は翌日、釣りに行くことを提案する。

翌朝、静山は参加を見合わせるが、小五郎たちは黒木に誘われ船に乗って釣りに出た。午後1時ごろ、黒木の携帯電話に典子から静山が書き置きを残して姿を消したとの連絡が入る。慌てて警察に知らせ、小五郎たちも港へと急いだ。間もなく、うっそうと生い茂る竹林の中で静山の遺体が発見される。静山は2メートルほどの竹の先端にロープを結び首を吊っていたが、その周囲の竹は切り倒されていた。これに気づいたコナンは踏み台の位置もずれていることから、自殺に疑問を抱く。間もなく、釣りに出かける前に竹林でウグイスの「谷渡り」を聞いたことを思い出したコナンは事件の真相を突き止める。

第13話
(316話)
汚れた覆面ヒーロー(前編) 東都国技館では無敵を誇る帝都プロレスの覆面レスラー・ウルフェイスのジュニアヘビー級タイトルマッチが行われようとしていた。宣伝のため、日売テレビに呼ばれた小五郎だが、アナウンサーの質問に辟易。そして満席の会場にはコナンと蘭の姿もあった。

負けたらマスクをぬぐと公約し、デビューしてからシングル65戦無敗のウルフェイス。その試合直前、コナンたちは観客席で大神敬晴というプロレスラーと出会う。大神は実は自分がウルフェイスだと告白した。彼女が眠りの小五郎の大ファンで、色紙にサインをもらいたいのだが、ただの若手レスラーではサインがもらえないと思い、自ら正体を明かしたのだという。

ウルフェイスの対戦相手は最近、人気と力をつけてきた永瀬豹太。しかし、永瀬はマスクを剥いでウルフェイスを引退させ、帝都プロレスの人気を半減させることと引き換えにライバル団体に移籍するという裏取引きをしていた。そんな永瀬のドアの前で、聞き耳を立てているシルエットが…。

ウルフェイスの試合直前、コナンがトイレに行くと、永瀬の控え室前でちょっとした騒動が起こっていた。永瀬が控え室から出てこないのだ。そこで、無理やり中へ入ると部屋の奥で永瀬が血を流して壁にもたれている姿を発見。どうやら何者かに刺殺されたらしい。控え室の中で変な音に気づいたコナンは日売テレビが仕掛けた隠しカメラを見つける。間もなく現場に到着した目暮警部は隠しカメラの存在を知り、早速再生を開始。だが、そこに映っていた犯人はウルフェイスのマスクを被っていた。

第14話
(317話)
汚れた覆面ヒーロー(後編) 小五郎に連れられて、コナンと蘭はプロレス観戦するため東都国技館を訪れた。その日のメインイベントは覆面レスラーのウルフェイスと若手エース、永瀬豹太のタイトルマッチ。しかし、その試合直前に控え室で永瀬の刺殺死体が発見された。そして、犯行現場でコナンはテレビ局が仕掛けた隠しカメラを発見する。その映像には犯行の瞬間と犯人が映っていたが、犯人はウルフェイスの覆面を被っていた。

ウルフェイスに見せかけた犯行の可能性が強いとにらんだ目暮警部はウルフェイス(大神敬晴)以外に、ウルフェイスと同じような体格をした牛込巌、佐熊浩之、ネガウルフの4人のレスラーを容疑者として事情聴取。だが、犯行時刻と思われる7時20分ころには4人全員にアリバイがない。間もなく、目暮警部に控え室から追い出されたコナンは、ウルフェイスのマスクの紐を見ているうちに、あることに気づく。

そんな中、トイレで発見され、犯行に使われたと思われるマスクに付いていた血痕が被害者の血液と一致したことが鑑識の結果、判明。しかもマスクの内側に残っていた毛髪や眉毛はすべて大神のものと断定され、小五郎と目暮警部は大神が最もあやしいとにらむ。だが、犯行直後、ナイフを持っている犯人の後ろ頭をビデオで確認したコナンは小五郎たちに犯人が被っているマスクの後ろが何か違うとアピール。それに対し、トンチンカンなことをいう小五郎にあきれたコナンは、いつものように小五郎を眠らせ、小五郎の声で推理ショーを開始した。その前にコナンは、4人の容疑者を再び部屋を呼び戻すと、全員にマスクを被らせ、自分の元へ歩み寄るように指示を出し…。

第15話
(318話)
幸運のシガーケース(前編) 伊豆からの帰り道、濃霧の峠道で車が止まってしまい、コナン、蘭、小五郎は途中で見つけた山荘に助けを求める。その山荘の玄関には「KURON(クーロン)」という健康器具会社のロゴマーク。蘭がインターホンを押すと、クーロン第三開発部部長の平松正樹が応対に出てきた。平松はそっけない態度でコナンたちを追い返そうとするが、第一開発部部長の中野浩夫が取りなし、コナンたちを山荘に招き入れる。

山荘の中には平松と中野のほかに、第二開発部部長の笠原英伍と社長の梅谷四郎がおり、ちょうど3人の開発した新製品マッサージシートの社内コンペ中であった。小五郎が有名な私立探偵だと知った社長の梅谷は、小五郎に新製品のモニター役を頼む。中野、笠原、平松の作ったそれぞれの新製品を試した小五郎は、最後に座った平松の卵形シート「AIMS」を絶賛。そこで梅谷社長は平松の「AIMS」を採用することに決め、笠原にリストラを言い渡した。

間もなく、梅谷社長と平松をテストルームに残し、応接間にコナンたちが戻ってくると、車が急発進する音が聞こえてくる。コナンたちがテストルームに駆け込むと、血まみれの梅谷社長がぐったりとしていた。梅谷は「AIMS」に座ったまま、ナイフを突きたてられていたのだ。シートカバーを開けた小五郎は梅谷に脈があることを確認し、救急車を呼ぶように蘭に叫ぶ。さらに車で逃げた平松を追おうとするが、ほかの車のタイヤはすべてパンクさせらていた。ナイフを胸に刺されたと思われていた梅谷だが、ポケットのシガーケースがナイフを食い止め、命に別状はない。意識を取り戻した梅谷は、平松が突然、ナイフで襲ってきたと明かした。

いっぽう、逃走した平松の車はガードレールを突き破りがけ下へ転落。平松は死んでしまった。静岡県警の横溝刑事は事故と判断するが、コナンは事故現場で意外なことに気づき…。

第16話
(319話)
幸運のシガーケース(後編) 伊豆からの帰り道、峠道で小五郎の車が止まってしまい、コナンたちはKURON(クーロン)という健康器具会社の山荘に助けを求める。山荘では中野浩夫、笠原英伍、平松正樹が開発した新製品マッサージシートの社内コンペ真っ最中であった。そこで、社長の梅谷四郎は平松の新製品「AIMS」を採用する。ところが、平松は梅谷社長をナイフで刺し、車で逃走中にがけから落下して死亡した。警察はハンドルミスによる事故と断定するが、コナンはブレーキ跡がないことと、コーナーミラーの角度が変えられていることから、だれかが仕掛けた殺人事件だと気づく。

間もなく、平松の部屋からスタンガン、ロープ、そして梅谷社長の遺書が発見される。平松が梅谷を自殺に見せかけて殺そうと計画していたと推理する小五郎と横溝刑事は、さらに梅谷から平松に刺されたときの詳しい状況を聞こうとした。そこで梅谷はテストルームに設置していたビデオがあることを明かし、刺されたときのビデオを再生する。白黒のモニター画面は音声がないので会話は聞くことができない。

梅谷によると、平松は新製品「AIMS」を渡す代わりに退社させろと条件を出してきた。そこで梅谷は「AIMS」よりも平松を選んだのだが、突然、平松がナイフで斬り付けてきたというのだ。だが、コナンは笑顔だった平松が、突然形相を変え、梅谷を刺すシーンから真実を見出す。早速、小五郎を腕時計型麻酔銃で眠らせたコナンは関係者をテストルームに集め、眠りの小五郎で推理を始める。

第17話
(320話)
忍法アリバイ工作の術 米花町にある住宅街の公園で男の絞殺死体が発見された。被害者は時代劇小説家・月形龍太郎の弟子、久坂雄一。彼は半年ほど前、小五郎の探偵事務所に、もう1人の弟子・猿橋勝と共に月形に連れられて取材にきたことがあった。

間もなく、久坂は前日の午後9時ごろ、米花町の月形宅へ新作原稿を持参する予定だったことが判明。さらに久坂は8時10分ごろ帝都駅で、これから電車に乗るという伝言を月形の留守番電話に入れていた。帝都駅から米花駅までは約30分。死亡推定時刻が7時から9時ということから目暮警部らは犯行時刻を8時40分から9時と断定する。しかし、コナンだけが、なぜか留守番電話に違和感を持っていた。

小五郎は月形らが事務所に訪れたとき、久坂と猿橋が弟子の座を争ってもめていたことを思い出し、猿橋を怪しいとにらむ。そして遺体の側に落ちていたライターも猿橋のものであることが判明。早速、猿橋を取り調べるが、猿橋は8時まで米花駅周辺の喫茶店におり、8時30分からは飲み屋にいたことが確認された。空白の時間は8時からの30分間。しかし、帝都駅から米花駅までは30分かかるため、犯行は不可能。初めは青くなって震えていた猿橋だったが、突然「嘘はついていない」と笑いだす。

懸命に考え込むコナンは、本屋の店頭で平積みになっている本を目にする。それは月形の著書で、本の帯には「逆転に次ぐ逆転」という文字が…。そこで、やっと事件の真相に気づいたコナンは2日後、小五郎の声を使って関係者全員を探偵事務所へ呼び集め、推理ショーを始める。

第18話
(321話)
消えた誘拐逃走車(前編) コナンは元太、光彦、歩美と共に骨折して入院したクラスメートの片岡純の見舞いに米花総合病院を訪れた。そこで会社社長である純の父親・片岡茂と彼の運転手・北山吾郎、そして新進デザイナーの江崎幸子と出会う。しかも、幸子はもうすぐ純の新しい母親になるというのだが、純は少し反発気味。

片岡たちが病院を後にすると、純がゲームセンターに行きたいと言い出したため、仕方なくコナンが12時の回診まで身代わりになることとなった。だが、コナンは白衣を着てマスクをした男・吉沢正に突然、クロロホルムをかがされ誘拐されてしまう。間もなく、目を覚ましたコナンは純と間違われて誘拐されたことを悟り、純になりすまして状況をうかがう。

いっぽう、病院では純が病室から消えたことで大騒ぎになっていた。すると片岡の携帯に誘拐犯から電話がかかってくる。誘拐犯の吉沢は身代金として古い紙幣で3千万円を要求。さらに金の受け渡し役に幸子を指名してきた。大事なファッションショーを今夜に控えていた幸子だが、純のために幸子はショーを差し置いて金の渡し役を引き受ける。

私服警官の見守る中、犯人の指定してきた公園で待つ幸子に1台の不審な軽四輪が接近してきた。車には蜜蜂便の派手なマークが描かれている。そして、車は幸子から身代金のバッグを受け取って逃走。警察は車とヘリコプターで追跡を開始する。しかし、高速道路のトンネル内に入った蜜蜂便の軽四輪が忽然と消えてしまった。  その頃、廃ビルの地下室に閉じ込められたコナンは…。

第19話
(322話)
消えた誘拐逃走車(後編) 病院でクラスメートの片岡純と間違われ、誘拐されてしまったコナンは廃ビルの地下室から必死に脱出を試みていた。いっぽう、誘拐犯の吉沢正は蜜蜂便の軽四輪で身代金3千万円を受け取って逃走。しかも、警察が追跡する中、高速道路のトンネルの中で軽四輪は忽然と消えてしまう。

間もなく、病院を抜け出してゲームセンターで遊んでいた純が病院に戻ってきた。さらに廃ビルからの脱出に成功したコナンも帰ってくる。そこで初めて警察も純と間違われてコナンが誘拐されていたことに気づく。

勝手に病院を抜け出していた純に対して江崎幸子は純に反省を促す。だが、父親・茂の再婚相手に反発する純はどうしても素直になれない。無視して部屋を出ようとする純に幸子の平手が飛ぶ。ようやく幸子が本気なことに気づいた純は、素直に警察に謝った。

そんな中、駐車場に止めてあった軽四輪の中で男の絞殺死体が発見される。被害者の鼻の横には小豆大の黒子があり、コナンが証言した誘拐犯と人相が一致。死亡推定時刻から、金を奪ってすぐに殺されていたことが判明した。さらに現場に幸子のイヤリングが落ちていたことから、警察は3千万円の借金を抱える幸子が誘拐事件の黒幕ではないかと疑うようになる。

誘拐犯の吉沢正が殺されていた軽四輪を直接見たコナンは、蜜蜂便のマークはないが、自分を運んだ誘拐逃走車だと確信。しかし、そのトリックが分からない。だが、ペットボトルからヒントをつかみ、事件の真相を見破ったコナンは、吉沢の声で犯人を呼び出し…。

第20話
(323話)
服部平次 絶体絶命(前編) 薄暗い部屋に、手錠を掛けられた服部平次と遠山和葉の姿が浮かび上がる。2人は何者かに監禁され、数字とアルファベットで構成された暗号を解くことを強要されていた。絶望的な状況だが、平次にあきらめの様子は見えない。

いっぽう、コナンと蘭は小五郎の事務所で平次と和葉がくるのを待っていたが、時間になっても平次たちが現れないので心配していた。そこで、蘭は平次たちが探偵の楠川に会うと言っていたことを思い出す。早速、楠川の探偵事務所に問い合わせると、今朝、平次たちが訪れ、楠川の住所を聞いていったのだという。探偵事務所から、その住所を聞いたコナン、蘭、小五郎は平次たちを捜して楠川のアパートを訪れた。

楠川の部屋の前で、平次たちの痕跡を見つけたコナンは不審に思い、誰もいない部屋の中へ入っていく。すると、メモ用紙の下の紙に筆圧で残った字を鉛筆でこすって浮かび上がらせた跡を見つける。そこから、「賢橋町 伊藤」という手掛かりをつかんだコナンたちは、賢橋町で数件の伊藤という名前の家を訪ねて回った。間もなく、コナンたちは弁護士・伊藤美沙里の家にたどり着く。しかし、彼女から平次たちのことは全く知らないと聞かされたコナンたちはあきらめて帰っていく。

だが、平次と和葉は美沙里の屋根裏部屋に監禁されていたのだ。コナンに助けを求めるため大声を出そうとした平次は、顔を殴られ顔中をあざだらけにしていた。さらに反抗的な態度を取る平次に業を煮やした美沙里は…。

第21話
(324話)
服部平次 絶体絶命(後編) 待ち合わせていた服部平次と遠山和葉が現れないことを心配したコナンと蘭、小五郎は2人の行方を捜して、平次が会うと言っていた楠川という探偵のアパートを訪れた。そこで、平次が賢橋町の伊藤という人の家に行ったことを突き止めたコナンたちは、弁護士の伊藤美沙里の家にたどり着く。しかし、美沙里から、そんな2人は知らないと言われたコナンたちは、あきらめて彼女の家を後にする。

だが、平次と和葉は楠川の残した暗号文の解読を強要され、彼女の家の屋根裏部屋に監禁されていた。美沙里の脱税指南の証拠が収められているテープを銀行の貸し金庫に預けていた楠川が、その暗証番号を1枚のメモに暗号文として残していたのだ。

そのころ、レストランで昼食を取っていたコナンたちの携帯に平次から電話が入る。平次は楠川が出した暗号を解かないと帰してもらえないから、これからメールで送る暗号文を解いてくれと言うのだ。監禁された平次が美沙里に脅されながら取った苦肉の策だった。

ところが、美沙里がメールで暗号を送ろうとすると、暗号を書いた紙が平次の血で汚れ、下半分が読めなくなってしまっている。そこで平次が覚えているという49個の数字とアルファベットの暗号を、美沙里はメールで送った。

そのメールを見たコナンは、平次の送ってきたメールを解読。あることに気づき、ニヤリとする。いっぽう、楠川が生きていたことを美沙里たちに気づかれてしまった平次は、ついに拳銃を突きつけられ…。

第22話
(325話)
炎の中に赤い馬(事件編) 悪徳女弁護士により監禁されていた平次と和葉も無事に救出され、毛利家の食卓は賑わいをみせていた。そんな中、最近都内で起こっている連続放火事件の話題が会話にのぼる。警察には放火犯を意味する"アカウマ"という隠語があるのだが、この放火事件では必ず現場に赤い馬の人形が残されていた。だが、これまでに起きた3件の放火事件に接点は全くない。初めは梨善町一丁目、2件目は鳥矢町二丁目、続いて奥穂町三丁目。

実は探偵の楠川から、最近夜中に家の周りで怪しい人影を見たため調査してほしいという依頼を平次は受けていた。そして、この家があるのが杯戸町四丁目だった。

翌日、早速コナンと平次、小五郎は依頼のあった諸角邸を訪れる。すると、玄関の中から主婦の諸角亮子の声が聞こえてきた。骨董品店店長の玄田隆徳が品物を売りにきていたのだ。だが、亮子に軽くあしらわれ、玄田は肩を落として帰っていった。

屋敷を訪れた小五郎たちは楠川に頼まれて調査にきたと亮子に用件を告げるが、気のせいだったと亮子に追い返されてしまう。何か不自然さを感じたコナンたちは諸角邸の前で張り込むことに。次に現れたのは風水アドバイザーの曾我操夫。彼は亮子との不倫を証明するビデオテープを探しにきていた。さらに占い師である亮子の姉・権藤系子が金の無心に現れる。そして精神科医である主人の諸角明も帰宅するのだが、明は曾我を誘って飲みに出かけてしまう。何事もないと判断したコナンたちは諸角邸を後にするが、その直後、諸角邸から出火し、焼けた家の中から逃げ遅れた亮子の焼死死体が発見される。さらに赤い馬の人形も見つかり…。

第23話
(326話)
炎の中に赤い馬(捜査編) 最近、都内では現場に赤い馬が残されている連続放火事件が発生していた。偶然、探偵・楠川の依頼でコナン、平次、小五郎が調査に訪れた諸角邸が放火され、主婦の諸角亮子が焼死する。犯行時刻は隣の子供が出火直後にカーテンに映った馬の姿を見たという証言から7時30分ごろだと判明。

間もなく、コナンたちは警視庁で放火現場に残されていた赤い馬の写真を検証した。そこで1件目に残されていた赤い馬の裏に"兎"の文字を発見したコナンたちは、馬の正体が三国志に出てくる赤兎馬だと推理。さらに、コナンたちが張り込んでいるときに、諸角邸を訪れた風水アドバイザーの曾我操夫、亮子の妹・権藤系子、そして亮子の夫・諸角明らそれぞれに殺害動機があることが明らかになる。だが、3人には7時30分ごろアリバイがあった。

そんな中、赤兎馬に乗っていたのが関羽だと気づいたコナンたちは、始めに諸角邸を訪れた骨董品店店長の玄田隆徳が、商売繁盛のキーホルダーを渡そうとしていたことを思い出す。そのキーホルダーこそ、赤い馬に騎乗した関羽だったのだ。しかも一件目の事件のときにも、玄田の名前が上がったことから、大きく捜査線上に浮かび上がってきた。

いっぽう、蘭と和葉は昼間、玄田から関羽のキーホルダーをもらっていた。そのことを電話で蘭から聞いた小五郎たちは慌てて探偵事務所へ戻る。すると、探偵事務所の前にパトカーが止まっており、玄田が警察官に連行されていた。連続放火事件の犯人は自分だと玄田は自供。一件落着かと思われたが、コナンと平次は、さまざまな事件の要素がアガサ・クリスティの「ABC殺人事件」に酷似していることに気づき、さらに調査を進めると…。

第24話
(327話)
炎の中に赤い馬(解決編) 都内で発生している連続放火事件で、主婦の諸角亮子が焼死した火災をコナンと平次は調査していた。そんな中、骨董品店店長の玄田隆徳が犯人は自分だと自供。しかし、納得できないコナンたちはもう一度、隣の子供の証言現場を検証し、ついに諸角邸の火災トリックを解明する。

間もなく、コナンたちは担当刑事の弓長警部に事件の経緯を明かして玄田宅を捜査することになった。玄田以外にあやしい人物は、亮子の夫で精神科医の諸角明、風水アドバイザーの曽我操夫、亮子の姉で占い師の権藤系子の3人。全員が諸角邸に出入りすることができるので、犯行は可能だ。

玄田の家に入ると、廊下には玄田の靴跡が付いていた。ごみ箱には泥付きの靴下と焼け焦げたシャツ。やはり玄田は夢遊病なのかと思われたが、偶然、下駄箱の上に置いてある陶器から盗聴器を見つけ出す。さらに水晶の座蒲団の中からも盗聴器が出てきた。そのとき、亮子が握っていた座蒲団も同じ物だと気づき、中を調べると、ついに事件の確信に迫る物証をコナンたちは発見する。

コナンと平次に頼まれた弓長警部は諸角明、曽我操夫、権藤系子にこれまでの捜査結果を知らせ、明日、玄田の家を徹底的に調べると報告した。

その夜、玄田宅に忍び寄る3人の影。1人は玄関の陶器の置物を狙い、もう1人は水晶玉を手にした。そして最後の1人が電気スタンドに何かを仕掛けようとする。その瞬間、部屋の証明がつき、コナン、平次、弓長警部が現れる。

第25話
(328話)
バースデーワインの謎 コナン、蘭、小五郎は蘭の先輩である大学生の小島由貴の家を訪れた。3人でレストランへ行く前に、蘭が由貴に借りていた本を返しにきたのだ。そこで由貴にこれから行われるパーティーに誘われる。この日は由貴の友人である沢口圭子の誕生日と留学祝いを兼ねたパーティーが開かれるという。

会場となる居間では大きな細長いテーブルが中央に置かれ、富樫順司がパーティーの準備をしていた。蘭も彼女たちを手伝っていると、今日のパーティーの主役・圭子が野中一樹と現れる。早速、パーティーが始まり、全員が席につくと、富樫がワイングラスを持ってきた。野中が先日、ドイツ旅行をしたときに買ってきた高級ワインを開けようというのだ。由貴の音頭で乾杯をし、皆がワインを半分ほど飲んだとき、富樫の座っていた椅子が妙な具合に傾き、思わず圭子のワインをこぼしてしまう。すでにボトルが空になっているため、富樫は半分飲んだ自分のワイングラスを圭子に差し出した。グラスは由貴、野中に手渡され、圭子の元へ運ばれる。

間もなく、照明が消されケーキのロウソクを圭子が吹き消した。一瞬、部屋が真っ暗になり、すぐに部屋の照明が点く。そして圭子が一口ワインを飲むと、突然苦しみだし、その場に倒れ死んでしまった。明らかに毒がワインに混入されていたのだ。  目暮警部が現場に到着し、捜査が始まる。鑑識の結果、毒は圭子の飲んだワインから検出された。しかし、圭子に渡す前、ワインを飲んだ富樫には何の異常もみられない。警察は圭子の隣に座っていた野中に疑いを持つ。しかも野中のバッグの中から毒物の入ったビンが発見された。だが、それを見たコナンは、真犯人の正体を看破し、犯人の仕掛けたトリックを見破るのだった。

第26話
(329話)
お金で買えない友情(前編) 夏の陽射しが強い中、コナンは歩美、元太、光彦、哀と土日の休日を利用して阿笠博士の車でキャンプに出かけることになった。そんな中、歩美は哀のことを"灰原さん"ではなく友達だから"哀ちゃん"と呼ぼうと決意する。

当日、林道を走っていた阿笠博士はコナンとの話に気をそらし、止まっていたキャンピングカーにぶつかりそうになってしまう。そこで知り合ったのが大学のアウトドア同好会に所属する福浦玲治、白藤泰美、天堂晴華、飯合拓人の4人だ。キャンピングカーはお嬢様である晴華の車である。そして彼らからバーベキューに誘われ思いっきり楽しんだコナンたちは、晩ご飯でお礼をすることになった。

日が沈み、キャンプ場でカレーを作ったコナンたちは早速、4人を呼びにいく。だが、泰美の姿だけが見当たらない。携帯自転車で花火の見える高台に1人でいったと予想した拓人たちはコナンたちを連れてキャンピングカーで山道を登り高台へと向かった。途中、何かが路上に転がり、危うくぶつかりそうになったところを玲治はたくみな運転技術で切り抜ける。玲治は泰美かと一瞬、冷や汗をかくが、壊れた木の柵だった。

高台に到着すると、夜空に打ち上げられていた見事な花火が見える。そこで壊れた木の柵を見つけたコナンは、さらにタイヤの跡も発見。しかし、結局、高台でも泰美を見つけることはできなかった。帰り道、キャンピングカーの突然の急ブレーキに驚くコナンたち。道の真ん中に泰美が倒れていたのだ。しかも、もう息はない。しばらくして目暮警部たちが到着し、現場検証をした捜査陣は事故と判断するのだが…。

第27話
(330話)
お金で買えない友情(後編) 阿笠博士の車でキャンプに出かけたコナンたちは、現地でアウトドア同好会の4人の大学生と知り合う。その夜、姿が見当たらなくなった白藤泰美を探してコナンたちは彼らのキャンピングカーで花火が見える高台へと向かった。だが、その帰り道、路上に倒れている泰美の遺体を発見。間もなく警察が現場に到着し、現場検証が行われた。初めは事故死だと判断した目暮警部だったが、路上に泰美の血痕がなかったことから、転落死を装った偽装殺人の疑いを持つようになる。

アウトドア同好会の福浦玲治、飯合拓人、天堂晴華を事情聴取した目暮警部は、キャンピングカーを運転していた玲治をあやしいとにらむ。ドライバーなら、あらかじめ泰美の遺体を道に放置し、行きに気づかないふりをして通りすぎれば、帰り道で初めて遺体に気づいたふりもできるからだ。しかも玲治が運転していたとき、助手席にはだれもいなかった。

いっぽう、キャンピングカーのサンルーフに付着した血痕を見つけ、さらに血のついたビニールシートも発見したコナンは、殺人のトリックを解明するが、いまだ犯人を特定することはできない。そこで、3人が血のついたシートを見たときの、反応をみようとする。しかし、だれの反応も変わらなかった。そのとき、3人を見つめていたコナンは犯人が返り血を浴びていたことに気づき、ついに犯人の正体を突き止る。

第28話
(331話)
疑惑の辛口カレー(前編) 園子に誘われ、コナン、蘭、小五郎の4人はレンタカーを借りて軽井沢の別荘へ向かった。だが、軽井沢に到着してみれば、天気は雨。元々、園子はテニスをする男性をつかまえて、蘭とのツーショット写真を撮り、新一にメールで送りつけ、焼きもちをやかせようという計画を立てていたのだ。

そんな雨の中、テニスコートにたたずむインストラクターの明石寛人と出会う。テニスを教えてくれるという寛人の誘いを丁寧に断った蘭たちは、小五郎の提案で魚釣りをすることになった。だが、増水した川に荷物ごと車を流されてしまい、コナンは川に落ちて手をくじいてしまう。さらに森の中で道に迷い、コナンたちは山奥にある明石巌夫の家にたどり着く。そこで、先ほど合った寛人と偶然にも再会。巌夫は寛人の義理の父親だったのだ。蘭たちは寛人の勧めでカレーをご馳走になり、寛人は巌夫の部屋にカレーを持っていった。

園子が別荘に電話をかけると、土砂崩れのため道がふさがっていて迎えにくることができないという。この日、コナンたちは明石家に余儀なく泊まることになる。ところが、巌夫の部屋に食器を取りにいったコナンと蘭は首を吊って死んでいる巌夫を発見。間もなく、群馬県警の山村刑事が到着し、捜査を開始した。現場の状況と全員にアリバイがあることから、山村刑事は自殺と推定する。だが、コナンだけは寛人に疑いの目を向ける。

第29話
(332話)
疑惑の辛口カレー(後編) コナン、蘭、小五郎の3人は園子に誘われ軽井沢の別荘に遊びに来た。だが、軽井沢は雨で計画していたテニスは中止。しかも、魚釣りをしている最中に増水した川に荷物ごと車を流されしまい、やっとたどり着いた山奥の一軒家に泊めてもらうことになった。そこで、コナンたちは昼間に会ったテニスインストラクターの明石寛人と再会。ところが、その夜、寛人の父親である明石巌夫が首を吊って死んでいるところをコナンと蘭が発見する。

群馬県警の山村刑事の捜査と小五郎の推理の結果、巌夫は自殺と推定された。だが、首吊りをした巌夫が口から血を流していたこと、彼の寝室にある電灯のひもが不自然に短いこと、巌夫が虫歯の治療をしたにもかかわらず、寛人は食事にカレーを出したこと、さらに蘭に巌夫の食器を下げにいかせたことやカレーの量が多すぎることなどからコナンは寛人に疑いを抱くようになる。

間もなく、巌夫のカレーライスの中から、歯を見つけたコナンは、ついに巧妙に仕組まれた首吊りトリックの謎を見破った。

そして、いつものように小五郎を眠らせ、推理ショーを繰り広げようとしたコナンに思わぬ事態が起こる。風邪をこじらせたコナンは声が全く出せなくなってしまっていたのだ。昼間、川に落ちて手首を捻挫してしまったため字を書くこともできない。コナンは仕方なく蘭たちにトリックの謎をジェスチャーで伝えようと悪戦苦闘するのだが…。

第30話
(333話)
似た者プリンセス(前編) 大金持ちの夫人から、夫の命を狙っている人物を突き止めたら1千万円の報酬を出すという依頼を受けた小五郎は楽勝な仕事だと思い、事件を片づける前に800万円も使い込んでしまった。ところが、実際に依頼主の家へ行ってみると全く事件を解決することはできない。小五郎に不安を抱いた蘭は別居中の母親・妃英理に相談した。

事情を聞いた英理は蘭とコナンを連れて早速、依頼主の家を訪れる。命を狙われているのは資産家の令嬢と結婚し、あまり良いうわさを聞かない藤枝幹雄。しかし、令嬢は半年前、病気で亡くなっていた。依頼主は再婚したばかりの藤枝素華、26歳で幹雄とは32歳も年が離れている。藤枝家の門前でコナンたちを出迎えたのは執事の植木草八。また、庭園で庭の手入れをしている庭師の土肥耕造と、亡くなった令嬢の弟、つまり幹雄の義理の弟に当たる藤枝繁ともコナンたちは挨拶を交わす。

間もなく、幹雄が身内に狙われている証拠の品をコナンたちは見せてもらった。それは「楽にしてやる」「後ろに気をつけろ」とワープロで書かれた文字に弾丸が一発。これらが3日連続で寝室の枕の下に置いてあったという。そこへコナンの母親・工藤有希子が現れた。推理作家の繁がコナンの父親・工藤優作に事件の謎を解いてくれと頼んだところ、優作に代わり有希子がきたのだ。

早速、英理たちは幹雄に命を狙われる心当たりがあるかを聞こうとするが、今はオーディションルームに入っているので、邪魔はできないと止められてしまう。そこで部屋に取り付けた監視カメラで部屋の様子をうかがうと、突然、幹雄が拳銃に脅されたように手を挙げ倒れてしまった映像が映る。撃たれたと思ったコナンたちが急いで部屋へ向かうと、さらに2発の銃声が響きわたり…。

第31話
(334話)
似た者プリンセス(後編) 妃英理は娘の蘭に頼まれ、小五郎の代わりに藤枝幹雄の命を狙っているという人物を突き止めるため、依頼主の家を訪れた。そこに、偶然コナンの母親・工藤有希子も現れる。元、帝丹高校の同級生だった2人は久々の再会を喜び合う。ところが、英理たちが監視カメラで見ている中、藤枝幹雄が密室のオーディオルームで殺されてしまった。間もなく、警察が現場に到着。目暮警部は一同をリビングに集め事情聴取を開始した。

集められたのは、幹雄より32歳年下の妻・藤枝素華、執事の植木草八、幹雄の義理の弟・藤枝繁、そして庭師の土肥耕造だ。  幹雄が1発目を撃たれたのは皆が監視カメラで見ていたときで、部屋に駆けつけたときに2、3発目の銃声が鳴り響いた。だが、素華と執事は1発目のときはコナンたちと一緒にいたが、2、3発目のアリバイがない。土肥も1発目のときは監視カメラに移っていたが、2、3発目のときは姿が写っていない。いっぽう、繁は一発目のときにアリバイがなく、2、3発目のときはコナンたちと合流して幹雄の部屋に駆けつけている。コナンは、一発目と二発目の間が3分近くあいていたこと、幹雄が撃たれる直前まで、読んでいた本にしおりがはさんであったことを不審に思う。

そのころ、有希子は卓越した演技力で、気難しい土肥から事件の謎を解くカギを聞き出すことに成功していた。どうやら、銃声が聞こえたのはガラスが割れる音がした数秒後だったらしい。さらに、有希子から電話で事件の経緯を聞いた工藤優作は"間違った道しるべ"というヒントをコナンに言づけた。これを聞いたコナンは犯人が巧妙に仕組んだアリバイトリックの真相に気づく。

第32話
(335話)
東都現像所の秘密(前編) 猛烈なスピードで疾走する赤い外車。コナンの母親・工藤有希子が運転する車にはコナンと元太、歩美、光彦、哀が乗っている。コナンたちは有希子に連れられて、映画「仮面ヤイバー・ザ・ムービーII」の試写を見に行く途中だった。

間もなく、東都現像所に到着した有希子たちを出迎えたのはタイミングマンの唐田敬善。まだ、試写を見るまでに時間がかかるというので、コナンたちは現像マンの根上慶彦と、焼き付けの穂島朗に現像所の中を案内してもらった。

ところが、現像所の中で会った営業の古村徳宏は、試写が出来上がるのは早くても夜11時ごろになるという。有希子は飛行機の時間に間に合わなくなるので、穂島にコナンたちをたくして帰ってしまった。

試写まで時間があるので、仮眠をとろうとコナンたちは古村、根上と一緒に穂島のマンションを訪れる。だが、壁際にはフィルム缶が高く積まれ、机の周りはCDの山でパソコンが埋もれていた。あまりの部屋の汚さにコナンたちは呆然となり声もでない。そんな中、古村がビデオカメラに向かって挨拶をする自分の姿を録画している。最近、古村はビデオで日記を付けるのが習慣になっているのだ。

コナンたちにベッドを提供した穂島はソファで仮眠をとり、根上は仕事が残っているので現像所へ戻っていった。コナンたちもベッドに並んで横になっていると「ぐあっ!!」という叫び声がリビングから聞こえてくる。慌ててリビングに駆けつけると、そこには古村の刺殺死体が…。

第33話
(336話)
東都現像所の秘密(後編) 新作映画「仮面ヤイバー・ザ・ムービーII」の試写を見るために東都現像所を訪れたコナンたちは、予定していた試写の時間が遅くなったため、焼き付けの穂島のマンションで仮眠をとることになる。ところが、一緒に仮眠をとっていた営業の古村がソファの上で刺殺されてしまった。

捜査陣が現場に到着。目暮警部は古村のすぐ側で寝ていた穂島と、部屋の合鍵を持っているタイミングマンの唐田、現像マンの根上の事情聴取を始めた。そんな中、古村が殺されたとき、その後に犯人の音が全くしなかったのは変だとコナンが言い始める。穂島の部屋は足の踏み場もないほど散らかっており、しかも電気を消すと真っ暗になってしまうので、この状況で犯人が音をたてずに逃げるのは不可能だというのだ。さらに古村が日記がわりにつけていたビデオカメラにも犯人の逃げる音は残っていなかった。

間もなく、3人には古村を殺す動機があったことが判明。以前、「親バカ日記」の完結編を古村に台無しにされたことがあったのだ。当時、フィルムチェックをしていた古村はフィルムの傷を見逃してしまい、撮ったシーンをだめにしてしまったことがあった。

リビングを見回すコナンは、遺体のシャツの第3ボタンが取れていたことなどから、ついに犯人を見破る。だが、証拠がない。そこへコナンの連絡を受けた阿笠博士が現れた。コナンから事情を聞いた阿笠博士は犯行が可能なのは穂島しかいないと告げる。目暮警部も納得し、穂島は連行されていった。  その夜、穂島のマンションに忍び込む1つの影が…。

第34話
(337話)
転落事件の裏事情 コナンと蘭は小五郎に連れられ、フランスレストランで食事をした。その帰り道、西須三田駅でコナンたちはケンカを目撃する。先頭車両のほうから男の怒声が聞こえると、スーツ姿の若い男がホーム端にいるリュックを担いだ中年の男性に向かって、つかみかかっていったのだ。もみ合う2人は工事中の柵を押し倒し、さらにバランスを崩した中年男性がホームの外へ落下してしまった。見下ろすと、十数メートル下の地上で中年男性は血を流して倒れている。

間もなく警察の現場検証が始まった。警察の調べによると被害者の中年男性は古田という会社員で、ケンカの相手、杉本も都内に務める会社員。杉本と目撃者の証言によると、杉本がリュックを網棚に置いたままトイレに行っている間に、古田がそれを忘れ物だと思い、持って電車を降りたらしい。トイレにいた杉本はそれに気づかず、置き引きされたと勘違いし、古田を追いかけてケンカになったようなのだ。

初めは誤解が生んだ悲劇と思われていたが、杉本のリュックから現金が盗み取られていた。どうやら古田は落とし物を届ける振りをして金を抜き取る窃盗の常習犯だったのだ。起こるべくして起こった事故だと警察も小五郎も納得。事件は解決したと思われたが、コナンだけはリュックの中身から「着信あり」の携帯電話を確認する杉本を見て不審に思う。さらに杉本の下車位置や自動販売機、揉み合い現場を再確認したコナンは事故に裏に隠された事件の真実に気づく。

第35話
(338話)
4台のポルシェ(前編) 灰原哀が風邪を引いて寝込んでしまった。しかも高熱を出し咳もひどい。彼女の身体を心配したコナンと阿笠博士は、哀を連れて東都デパートの中にある診療所へ向かった。だが、病院に電話を入れると患者が立て込んでおり2時間待ちになるという。仕方なく病院に予約を入れ、コナンたちは東都デパートで食事をしようと地下駐車場に車を入れた。

目の前には3台ものポルシェが並んでいる。その時、1台のポルシェに目がとまった哀が動揺した。ポルシェ356A、黒の組織のジンと同じ車だったからだ。だが、ジンの車とは色が違うことをコナンが指摘する。そこへ、3台並ぶポルシェの間の空いているスペースに、さらにもう1台、4人の男性が乗るポルシェが駐車してきた。

興味を抱いたコナンが、このポルシェを運転していた暮木に聞いたところ、どうやらポルシェのオーナーたち4人は暮木の車に同乗してゴルフに行ってきたというのだ。先ほどのポルシェ356Aのオーナーが布袋、そして泰山の車はポルシェボクスター、暮木の車はポルシェ911で、この911の中で泥酔している伴場の車はポルシェ928だという。泥酔して眠っている伴場を残し、暮木たちは東都デパートの中に入っていった。

コナンたちも具合の悪い哀を車に残してレストラン街へ向かっていく。そこで偶然、蘭と園子、そしてジョディ先生と出会う。驚くコナンたちに行列のできる店を取材にきた女性のテレビレポーターが声をかけてきた。テレビカメラに自分の姿を映されたコナンは身の危険を感じ、慌てて地下駐車場へ戻っていく。すると暮木の悲鳴が駐車場内に響き渡った。ポルシェの中で伴場が絞殺されていたのだ…。

第36話
(339話)
4台のポルシェ(後編) 熱を出して寝込んだ哀を医者に見せるため、東都デパート内の病院に向かったコナンと阿笠博士は地下駐車場で4人のポルシェオーナーと知り合う。ところが、その中の1人である伴場の絞殺死体が発見された。

間もなく、警察が到着し目暮警部たちの現場検証が始まる。被害者の伴場は細い糸状の物で首を絞められており、第一発見者は暮木であった。暮木はポルシェ仲間である布袋、泰山、そして被害者の伴場とゴルフの帰りに東都デパートに寄り、伴場の酔いがさめるまでデパートで時間を潰していたのだ。途中、車の中に携帯電話を忘れたことに気がつき、取りに戻ったところで伴場の死体を発見したという。

検死の結果、死亡推定時刻は午後1時。ちょうど4人が駐車場にきた時間だ。3人は暮木、布袋、泰山の順番で車を降りているが、あやしいところはない。布袋の車から電動リール、泰山の車からはラジコンカーが発見されるが、2つとも人の首を絞めるほどの力はなかった。

3人を取り調べている間にコナンが監視カメラを発見。警備室で監視カメラの映像を見たところ、布袋と泰山は車を降りたあと1度、自分の車に戻っていたことが判明した。だが、不審な動きはない。さらに誰も車には戻ってないことから3人のアリバイが成立した。  そこで鑑識課員が撮った3人のポルシェの車内写真を見たコナンは、ついに犯人が使ったトリックに気がつく。

第37話
(340話)
トイレに隠した秘密(前編) 阿笠博士が哀の父親・宮野博士の友人という人物を捜し当てた。知り合いの博士友だちに声をかけて、宮野博士に幼なじみのデザイナーがいることを突き止めたのだ。彼に会えば黒ずくめの男たちのことや、哀の両親のことが分かるかもしれない。早速、コナン、哀、阿笠博士は車で宮野博士の友人という出島のデザイン事務所へ向かった。

デザイン事務所に到着したコナンたちは社長の出島と、デザイナーの財津、今井、夏堀の3人と会う。だが、出島も宮野博士とは30年も会っていないと打ち明けた。しかし、この事務所は元々、宮野博士から借り受けているということを知り、両親と姉が住んでいた家だと知った哀は胸に熱いものを感じる。

そんな中、財津が20年ぐらい前に宮野博士と奥さんが娘を連れて現れたことを思い出す。そのとき、出島は留守中で出島さえ知らないことであった。しかも、外にはスモークガラスの黒い車がいたという。

さらに先日、宮野博士の娘・明美が訪ねてきてトイレを借りていったというのだ。コナンと哀はトイレに駆け込んでいく。何かを組織の目を盗んで隠しにきたと思ったからだ。だが、目ぼしいものは何もない。そして、その後に空き巣に2回も入られたと出島は明かす。

間もなく、昼食にハンバーガーをたべていた出島が突然、苦しみだし死んでしまった。警察が到着し、現場検証の結果、毒殺ということが判明するが…。

第38話
(341話)
トイレに隠した秘密(後編) コナンと哀、阿笠博士は哀の両親のことを聞くために、哀の父・宮野博士の幼なじみである出島のデザイン事務所を訪れた。そこでコナンたちは哀の姉である明美が最近、トイレを借りに現れ、どうやら何かを隠したらしいことを知る。だが、昼食のとき、ハンバーガーを食べていた出島が突然、苦しみだし絶命してしまう。

警察が調べたところ死亡の原因は毒殺であることが判明。しかし、食べ物から毒物は検出されず、出島の左手とズボンのベルト近く、ハンカチから毒物反応が見つかった。初め哀は黒ずくめの組織の犯行ではないかと疑うが、コナンはこれを否定。そして殺害を決行したのは出島のデザイン事務所で働くデザイナーの今井、財津、夏掘の中の1人であると明かした。さらに、明美が現れたあと、空き巣が2回入ったことから、黒ずくめの組織により明美が隠した物はすでに持ち去られたと思われていたが、その隠した物もまだトイレの中にあるという。

すでに出島殺害のトリックを見破ったコナンは阿笠博士の声に扮し、謎解きを始めた。コナンは阿笠博士の声で出島がベルトをゆるめて、最後にハンカチを使う場所といえばトイレだと推理する。だが、トイレからは毒物反応は検出されていない。そこでコナンは、検出されなくて当然、毒が塗られた物は出島自らの手によって持ち出さしたのだからというのだが…

第39話
(342話)
「ハウステンボスの花嫁」1時間スペシャル コナンと蘭は園子の誘いを受けてハウステンボスへ向かった。大賀財閥の跡継ぎとなる大賀真哉の結婚式に出席するためだ。その途中、コナンたちは新幹線の中で高橋純一という青年と知り合う。純一もハウステンボスに向かうと知った3人は一緒に見物をすることを約束する。現地に到着すると真哉と婚約者の香取あかねが待っていた。2人の案内でコナンたちは大賀一族に挨拶をする。真哉の父であり大賀財閥当主の大賀辰也と母の雅代、姉の美華、叔父の持田英男、そして祖母のタエだ。

そこで純一が小樽でガラス職人をしていると知ったタエは純一も夕食に誘い、さらに翌日の結婚式にも招待した。だが、園子の話によると一族のだれもが、真哉とあかねの結婚を快く思っていないという。夕食の席でも、あかねに対しての嫌がらせがあからさまに見て取れた。その夜、コナンはあかねと純一が2人で会っているのを目撃し、不審に思う。

翌日、式直前の花嫁の控室から、大賀家家宝であるルビーの指輪が消えてしまう事件が発生する。そして指輪が入っていたケースの下にはアジサイの花の前に立つあかねを写した写真が置いてあった。さらにあかねが何者かによって誘拐されてしまったことが発覚。コナンは指輪の代わりに置かれてあったアジサイの写真をヒントに噴水の滝から指輪を見つけ出す。

いっぽう、蘭たちは風車小屋であかねのハイヒールが1つだけ転がっているのを発見する。そして1時ごろ、あかねを見たという証言からコナンが全員のアリバイを確認すると…。

第40話
(343話)
コンビニの落とし穴(前編) 蘭たちが通う帝丹高校の英語教師、ジョディが実家の都合により先生を辞めてアメリカに帰ることになった。放課後、蘭と園子がジョディに学校を辞める理由を聞くと、ジョディは前から探していた大切な宝物の地図を見つけたからだという。園子はジョディの家でお別れパーティーを開くことを提案。早速、3人は蘭たちの中学時代の同級生、絢がアルバイトをしているコンビニへと向かった。

ところが、コンビニに行くと絢が店長に泥棒呼ばわれされている。どうやら絢が店を閉める当番の日に限って店の売り上げ金額と、在庫の商品の数が合わないというのだ。しかも店が開いている時間は4台の防犯カメラが作動しており、昨夜一晩、店長は店の向かいに車を停めて見張っていたと明かした。だが、出てきたのは店の掃除を終わらせてシャッターを閉めた絢1人。それから店を開ける時間まで誰もこなかったという。盗まれた商品はゲームソフトにDVD、弁当におにぎり、ミネラルウォーター、ウーロン茶にコーラ、さらにお菓子類。

何とか絢の濡れ衣を晴らそうと蘭たちは絢に怪しい客はいないかと訪ねた。すると、倉庫の奥にあるトイレをよく利用する常連客の中に、怪しい客が3人いることが発覚する。1人は大学生に見える男性でいつもゲーム雑誌を読んでいるゲームマニア。2人目は気弱なサラリーマン風の男。そしてもう1人は頑固で倹約家のおばあさんだ。蘭たち3人は何とか絢の無実を晴らそうとするのだが…。

第41話
(344話)
コンビニの落とし穴(後編) 英語教師のジョディが学校を辞めることになり、お別れパーティーを開こうとした蘭と園子は、ジョディの家へ行く前にコンビニに寄った。すると、そこでバイトをしていた蘭と園子の中学時代の友だちである絢が店長に泥棒扱いされていたのだ。何とか絢の濡れ衣を晴らそうとする蘭たち。

そんな中、コンビニに配達員が注文の商品を持ってやってきた。そこで蘭は、絢が当番の日はトイレの前に商品の箱が整理整頓されて置かれていると言っていたことを思い出す。さらに新一がよく言っていた"不可能な物を除外していって残ったものが、たとえどんな信じられなくても、それが真相なんだ"という言葉を思い返し、ある1つの推理を導き出す。しかし、自分の推理に自信が持てない。店内では絢が泥棒をしたと白状しないので、店長が警察を呼ぼうとしていた。

そこへ偶然にも新一(コナン)から蘭の携帯電話に連絡が入る。蘭はこれまでの状況と怪しい3人について新一に説明すると、新一はすぐに犯人を推理してしまう。だが、新一が犯人を明かす前に、蘭は自分の推理が正しいかどうかを新一に聞いてみた。すると、自分の推理が正しいと思うなら犯人をみんなの目の前に引きずり出す簡単な方法があるはずだと新一は蘭に答える。

それを聞いて思い立った蘭は、コンビニの中に入りトイレを借りると、突然大きな声を放ち…。


シーズン9

第01話
(345話)
黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー ある日、小五郎のもとに殺人予告をほのめかした"季節外れのハロウィンパーティー"への招待状が届く。自分への挑戦状と受け取った小五郎は早速、園子と2人だけで会場に向かった。いっぽう、新一の家にも同じ招待状が届いていた。しかも新一とコナンが同一人物であることに差出人には気づいているようなのだ。

そこで差出人の名前がベルモットだと聞いた哀は必死になってコナンを引きとめるが、コナンは哀を麻酔銃で眠らせてしまう。小五郎が会場の幽霊船・シーファントム号に到着すると、見渡す限りモンスターに仮装した参加者ばかり。まもなく、主催者と名乗る亡霊船長から、船に乗ったときに手渡されたカードと同じカードを持つ7人の仲間を探せという芝居がかった指示がくだる。ほかの参加者の話によると、どうやらこのパーティーは映画のオーディションも兼ねているという。

同じころ、医師の新出から哀あてに電話がかかってきた。咳が止まらない哀に新出は一度設備の整った病院で診てもらったほうがいいというのだ。だが、遠く離れたマンションで、その会話を盗聴しているジョディの姿があった。

パーティー会場では亡霊船長から仲間と手を組んで、モンスターの中に紛れ込んだ人間を見つけ出せという声が響きわたる。さらにヒントを教えてほしければ、甲板に上がれと…。船長が言った瞬間、モンスターに扮した出席者たちは甲板に殺到。だが、甲板に上がると心臓にボーガンの矢と悪魔のカードが突き刺さり死んでいる船長の姿が。そして小五郎が船長のマスクのはずすと有名な映画プロデューサー・福浦千造の顔が現れる。

阿笠邸にチャイムが響きわたる。哀が出ると、そこにいたのは新出ではなくジョディであった。ジョディは新出の車が故障したので代わりに迎えにきたというと哀を車に乗せてしまう。これを見かけた新出は、不審に思いジョディの車を尾行する。

殺人のあったシーファントム号では、現場を調べた小五郎がカードとアリバイのないミイラ男が犯人と決めつけていた。そこに現れたのは包帯を外した工藤新一。驚くモンスターたちを前に、新一は殺人事件の推理を始める。その頃、ジョディは新出を人気のない埠頭におびき寄せ…。

第02話
(346話)
お尻のマークを探せ(前編) 下校途中の少年探偵団は哀の風邪が治り、再び学校にこられるようになったことを喜んでいた。しかも学校を休んでいる間にコナンと哀が誘拐されそうになったと聞いて驚く。いっぽう、蘭と園子は米花総合病院へジョディを見舞いにきた。園子はジョディが実はFBIの捜査官だったと聞き、思わず大声を出してしまう。だが、ジョディは日本で潜入捜査をしていたことは明かさず、コナンたちと口裏を合わせて偶然に誘拐されそうになった哀を助けて犯人に撃たれてしまったと園子たちには説明した。

そのころ、コナンたちと別れた歩美が1人で雨の中を家に向かって歩いていると、勢いよく走ってきた雨ガッパの男とぶつかり、2人は道に転がってしまう。その男は通り魔で女を切り裂き逃げる途中だったのだ。男は包丁と何かを拾い上げると、慌てて逃げ去ってしまった。

まもなく警察が到着し、現場検証が始まる。歩美は通り魔とぶつかったときのことを佐藤刑事たちに説明した。そのとき、どうやら通り魔が何かを落としたようだが、それは数字の"5"に関係があるものだという。歩美の手に"5"の跡が残っていたのだ。コナンたちが何のマークか分からず考え込んでいると、歩美は先ほどの雨ガッパの男が野次馬の中にいることを発見する。慌ててコナンたちは追いかけるが、見失ってしまう。

ところが元太の尻に、歩美の手に残っていた跡と同じマークがくっきりと浮かんでいた…。

第03話
(347話)
お尻のマークを探せ(後編) 雨の中、学校から帰る途中の歩美は雨ガッパの男と激突してしまう。その男は慌てて何かを拾うと逃げ去ってしまった。何とその男は女性を刺し、逃げる途中の通り魔だったのだ。歩美は顔を見ることはできなかったが、通り魔の持ち物と思われる数字の"5"に似たマークが手に残っていた。そして元太の尻にも同じマークが…。

まもなく"5"に似たマークは車のエンブレムだと判明。歩美の前で通り魔が落としたのは血のついた車のキーだったのだ。警察の緊急手配により、アリバイがなくマスターキーをなくした3台の車の持ち主が米花警察署に集まった。容疑者は寿司屋でアルバイトをしている大学生の榎本洋。自動車修理工場で働く福地直和。そして錠前店を経営する出川俊昭の3人だ。犯行時刻、榎本はドライブするため車で峠に向かい、福地は車が直ったかどうかを調べるため商店街を車で回り、出川は家の鍵をなくした人の家を探して車で町中を回っていたという。

歩美は車の中からスモークガラス越しに容疑者たちを見るが、通り魔かどうか確認することはできない。そんな中、コナンは高木刑事に頼んで運転席側のドアの鍵穴にルミノール反応が出るかどうかを調べさせた。もし、犯人が乗っていた車なら、キーをさした車の鍵穴に血の跡が残っているはずだと考えたからだ。

しかし、鑑識課員がドアの鍵穴を調べるが、ルミノール反応はどの車からも出なかった。ところが、ニヤリと笑ったコナンはマイナスドライバーを借りると、1台の車に近づき…。

第04話
(348話)
愛と幽霊と地球遺産(前編) 周囲を山に囲まれ、合掌造りの家が三十軒ほど点在する集落・鬼沢郷。コナンと少年探偵団は小五郎と蘭に連れられ、この小さな村に観光にきていた。地球遺産に登録が間近いとあり、観光客があちこちにいる。だが、半年ほど前から子供の幽霊を見たという噂が広まっていた。

日も傾き、藁葺き屋根の民宿に泊まることになったコナンたちが物珍しそうに屋内を見回っていると、ほかの泊まり客と一緒に暴力団風の男・川治が現れる。だが、自分の泊まる宿が間違っていたと分かると、そそくさと出て行った。

その夜、囲炉裏を囲んでコナンたちが、宿泊客たちと鍋をつついていると突然、怒声が響きわたる。民宿の主人・永倉が女子大生の2人組から幽霊話を聞かされ、そんなものはいない!と怒鳴ったのだ。客たちが興ざめし席を立つ中、小五郎と永倉、そして老人の坂木と中年男性の桑島だけは和気あいあいと酒を飲み始める。だが、コナンは元太たちに誘われ、幽霊を確かめるために散歩に出かけた。そのとき、最後尾にいた歩美は近くの路地に同じ年くらいの少女が立っているのを見つけ、彼女にいざなわれるようについていってしまう。

いっぽう、歩美がいないことに気づいたコナンたちは宿に戻り、手分けして捜索を開始した。まもなく、池のほとりで気を失っているところを発見された歩美から、10歳くらいのおかっぱの女の子に会ったと聞いた永倉は急に血相を変える。幽霊は息子の栄治と幼なじみで、10年前に死んだまみという少女だと言うのだ。コナンは、こっそり阿笠博士と連絡を取り調べてもらうと、永倉の息子・栄治は先月起きた強盗事件で犯人と疑われ自殺したということを知る。

第05話
(349話)
愛と幽霊と地球遺産(後編) 地球遺産に登録が間近い合掌造りの集落・鬼沢郷へきていたコナンたちは、その日の夜、殺傷事件に遭遇。コナンたちが泊まっていた民宿の主人・永倉が何者かに襲われたのだ。しかも、歩美が幽霊の"まみちゃん"を目撃した直後だった。

翌日、コナンたちが現場を調べていると、うるしの付いた草がなぎ倒されていることを発見。救急車に運ばれた永倉の手の甲も赤く腫れていたことからコナンは永倉も昨日、この場所を通ったことを確信する。

そんな中、先日、見かけた暴力団風の男・川治が村人から「人殺し!」と責められている声が聞こえてきた。元々、この村には地球遺産への登録を巡って推進派と反対派の対立があり、永倉は推進派の代表だった。

実は川治は地球遺産登録を行う委員会から派遣されてきた調査員だったのだが、裏ではいつも多額の賄賂をせしめている悪徳調査員。そして永倉にも鬼沢郷を地球遺産にするのと引き換えに、多額の賄賂を請求していたのだ。永倉が持っていた見回り台帳からも川治の泊まっていた宿でルートが途切れていることが判明し、川治は重要参考人として警察に連行されていった。

だが、コナンは川治が犯人だとはどうしても思えない。そこで永倉の家が10日前に家ごと場所を移動させたと聞いたコナンは、以前に永倉の家が建っていた廃屋から、ある物を見つけ…。

第06話
(350話)
忘れられた携帯電話(前編) 小五郎とコナンは、なじみの喫茶店、ポアロのドアを開ける。蘭が空手部の合宿に行ってしまったので、遅い朝食を取りにきたのだ。外では選挙が近いため立候補者、倍賞周平の選挙カーが騒がしく走り回っている。

そんな中、ウエイトレスの梓が小五郎に客が忘れていった携帯電話の持ち主を捜してほしいと言ってきた。その客はメガネをかけた七三分けの小太りの男で、昼過ぎに店に訪れたという。これまで3回、電話がかかってきて、初めに梓が出たときは「あれ?すみません間違えました」と言い、2回目は「あれ?おかしいな…今、音鳴ったか?」と。そして3回目に「てめえ奴の女だな?奴と代われ!ブッ殺すぞ」と怒鳴ったというのだ。

小太りの男は店で、ぴったり3000円分の飯を食べ、領収書を受け取り帰っていった。男が携帯を忘れていった場所はソファーの下。まるで誰かに拾ってほしいように、アンテナを出したままであった。現在、電話はとめられており、メモリーには名字が漢字で名前がカタカナ、下に黒い点、電話番号は10桁もあり、番号は全てデタラメ。まるで暗号のようだが、さすがのコナンもお手上げだ。しかも、発信履歴も着信履歴も全く残っておらず、製造番号のシールまではがされていた。

そこへ警視庁交通課の婦警、由美が現れる。交通事故で亡くなった身元不明の男の遺留品を手掛かりに、男の身元を捜しているというのだ。その遺留品というのが、小太りの持って帰った領収書だった…。

第07話
(351話)
忘れられた携帯電話(後編) 喫茶店ポアロのウエイトレス・梓から、客が店に忘れていった携帯電話の持ち主捜しを頼まれた小五郎だが、携帯の持ち主はすでに交通事故で死んでいた。しかも、男の身元は不明で手掛かりは暗号を残した携帯電話だけである。そこで、初めに携帯に電話をかけてきたコワモテの男が、電話会社に携帯の電話番号から住所を聞いている可能性があるとみた交通課の婦警、由美は電話会社に問い合わせをしてみた。すると、そんな電話が3件あったという。

1人は米花駅のホームから、もう1人はスポーツショップ・アポロで、そして最後の1人はレストラン・コロンボから電話をかけてきていた。この中の1人が携帯電話の番号を聞いていたというのだが、どこからかけてきたのかは電話会社の人も覚えていない。そして携帯の番号を聞いた男は、電話口で大きな音がすると、いきなり自分から電話を切ってしまったというのだ。

そこで3件の場所に電話をかけてみると、米花駅からは電車の音、スポーツショップ・アポロの近くでは道路工事をしており、レストラン・コロンボでは近くに選挙カーが走っている。3件とも大きな音がする条件はそろっていた。

そんな中、ついにコナンは携帯に入っていたメモリーの数字の暗号を解いた。さらに、携帯を忘れた男は、わざと携帯を忘れ、物騒な男に携帯を渡そうとしていたのかもしれないと推理。だが、携帯を忘れた男は場所を間違えてしまったのだ。そうすると喫茶店ポアロと間違えた店というのは…。

第08話
(352話)
フィッシング大会の非劇(前編) 園子の誘いでコナン、元太、光彦、歩美は鈴木財閥が主催するバス釣り大会に参加することになった。蘭に連れられコナンたちはトロッコ列車に乗り、会場となっている湖へと向かう。現地に到着し、大会参加の手続きをすましたコナンたちがルアーを選んでいると、そこに昨年の大会の優勝者、鮎川沙織が通り掛かる。彼女はコナンたちに優しい言葉をかけると、一昨年の優勝者、鰐渕拓也と笑いながらいってしまった。

大会開始のアナウンスが流れ、早速ポイントへ向かうコナンたちだが、全く釣れない。そこで元太たちは沙織からアドバイスをもらい、再度チャレンジ。しかし、結局コナンたちは一匹も釣れなかった。

その晩、大会2日目に向けコナンたちは近くの旅館に宿泊。コナンが露天風呂へ行くと、大会の取材にきていたフリーライターの船木敏彦と鰐渕が大きな声で何か言い争いをしていた。気まずく思ったコナンは慌ててその場を離れ、ロビーへと向かう。コナンがロビーに飾ってある大きな魚拓を見ていると、鰐渕が現れ、この魚拓は半年前に事故で亡くなった名人、蟹江健介が釣った魚だと説明する。

翌日、元太と光彦はコナンたちと分かれてボートで釣ることになった。いっぽう、コナンたちの様子を見に行くため湖畔の道を歩いていた蘭と園子は、頭部から血を流した船木の死体を発見する。その場所は半年前、蟹江が事故死した場所と同じであった…。

第09話
(353話)
フィッシング大会の悲劇(後編) 蘭の親友、園子に誘われてバス釣り大会に参加することになったコナンと少年探偵団は、優勝候補の鮎川沙織と鱒渕拓也と知り合いになる。しかし、大会2日目にその湖で殺人事件に遭遇。大会を取材にきていたフリーライターの船木敏彦が殺されたのだ。

警察は昨夜、船木と言い争っていたという鱒渕を事情聴取するが、鱒渕は軽口を叩く船木に思わず大声を上げてしまったと打ち明ける。そこで、沙織が船木のいいなりだったことが判明。

いっぽう、船木の死体があった場所を調べにきたコナンは、現場の上にトロッコ列車が走っていたことに気づく。さらに線路が大きくカーブしていたことから、船木が殺された場所はほかにあると推理。そして線路をたどっていくと船木のカメラを発見する。本当の犯行現場は、ここだったのだ。しかし、どうやって死体を運んだのかが分からない。すると、光彦が湖上で拾ったラインとハンカチが結びつけられた長方形の板を捨てようとしていた。それを見たコナンは、ついに犯人と殺害方法にたどりつく。

まもなく、バス釣り大会の表彰式が始まった。優勝したのは鱒渕で、準優勝は沙織。拍手に迎えられ2人が壇上に上がると、コナンは園子を眠らせ推理ショーを始める。

第10話
(354話)
小さな依頼者(前編) 毛利探偵事務所に、ドラマや映画の子役で有名な絹川和輝が訪ねてきた。和輝は自分あてにファンレターを送ってくる温子という女性を捜してほしいという。気味の悪いはがきだという和輝だが、彼女こそ6年前、1歳の和輝を教会の前に捨てた母親だというのだ。和輝を捨てたときに添えてあったメモの字と名前が、はがきと一緒だったのである。数枚の絵はがきを見たコナンは熱海の旅館関係者ではないかと推理。早速、コナンたちは熱海へと向かった。

熱海の旅館を訪ね歩いているうちに和輝は母の胸にホクロがあったことを思い出す。そんな中、ついに目的の絵はがきを売っている旅館を発見。しかし、温子という女性は、この旅館にはいなかった。彼女が偽名を使って働いている可能性もあるとみたコナンたちは旅館で一泊することに。

初めにコナンたちの相手をした仲居の草野美津は、和輝の大ファンだという同じく仲居の別所登志子を紹介する。しかし、戸惑うように登志子はその場を去ってしまう。そしてコナンたちを部屋まで案内した仲居の三枝朝香はあまりにも無愛想だった。

まもなく、フリーライターの鴨下保比呂の絞殺死体が客室の浴槽で発見される。鴨下はなぜか和輝が母親を捜していることを知っており、それを記事にしようとしていたのだ。しかも部屋に落ちていた鴨下の携帯電話には、犯人とみられる顔のない女性の写真が撮られており、彼女の胸には、はっきりとホクロが映っていた…。

第11話
(355話)
小さな依頼者(後編) 自分を捨てた母親を捜してほしいという人気子役、絹川和輝の依頼で、熱海の旅館を訪れたコナン、蘭、小五郎は殺人事件に遭遇。和輝が母親を捜していることを知っていたフリーライターの鴨下保比呂が首をしめられて殺されていたのだ。しかも、鴨下の携帯には犯人と思われる女性の写真が映っており、右の胸にホクロが映っていた。アリバイのない従業員は仲居の三枝朝香、別所登志子、草野美津の3人。だが、3人とも胸にホクロはなかった。

そこでコナンは部屋に和輝が出演している映画のビデオが置いてあることに気づく。コナンからビデオを受け取った小五郎は何かの手掛かりが隠されているかもしれないとビデオをセットする。映画のタイトルからビデオが始まると、小五郎と横溝警部は、手掛かりよりも映画に夢中になってしまう。そんな2人を冷やかに見ながら、コナンはビデオのタイムカウンターから殺人のトリックを解明。だが、まだ犯人が風呂に入った理由とホクロの謎がつかめない。

やがて鑑識課員が被害者の後頭部に何かで数回、殴られた跡を発見する。それを聞いたコナンは全ての謎を解きあかした。コナンは小五郎を眠らせ推理ショーを始めようとするが、確かに首筋に麻酔針が刺さったのに、いつものように麻酔が効かない。思わず焦るコナンだが、しばらくすると踊るように体をくねらせて小五郎は眠ってしまう。ひと安心したコナンは小五郎の声で横溝警部に、"ある物"と3人の仲居を連れてくるように指示した。そうして"眠りの小五郎"の推理ショーが始まる…。

第12話
(356話)
怪盗キッドの驚異空中歩行」1時間スペシャル】 園子の父のいとこであり鈴木財閥の相談役、鈴木次郎吉が怪盗キッドに挑戦状を叩きつけた。「怪盗キッドに告ぐ。貴殿が所望するビッグジュエル『大海の奇跡』を潮留に在する我が大博物館の屋上に設置した。手中に収めたくば、取りにこられたし」という見出しを新聞の一面を使って載せたのだ。大海の奇跡とは、ブルーワンダーと呼ばれる黄金の女神像が持つ伝説のアクアマリーンのこと。どうやら次郎吉は何か怪盗キッドに恨みがあるらしい。小五郎もあきれぎみだが、何とメールで怪盗キッドから返事が届く。しかも、決行日の前夜に歩いて下見にくるという。

当日、博物館の屋上に黄金の女神像が持つ宝石が光り輝く。上空には次郎吉のヘリコプターが何機も舞い、中森警部の指示する警官たちで物々しい雰囲気だ。だが、同時に多くの野次馬もきていた。

次郎吉はヘリからの映像と博物館内に備え付けた100台ものカメラで、キッドを待ち受ける。そこにハングライダーに乗ったキッドが現れた。やがて消えたかと思うと、ビルとビルの間に宙に浮かんでいるキッドを発見。キッドは歩いて博物館に近付いていったが、直前で煙と共に忽然と消えてしまう。唖然とするコナン。

翌日、博物館前にはキッドの出現を待ち望む観衆であふれかえった。次郎吉は前日以上に博物館上空にヘリコプターを飛ばし、キッドを待ち構える。コナン、蘭、小五郎は次郎吉が借り切ったビルの屋上の特等席でキッドを待っていた。すると予告時間ぴったりに再び煙と共にキッドが現れ…。

第13話
(357話)
恋人は春のまぼろし 蘭とコナンが商店街でいつものように買い物をしていると、そこで偶然、会社帰りの西村佐知子と出会う。彼女は以前、蘭が生徒手帳を落としたとき拾って届けてくれた女性で、バリバリのキャリアウーマンだ。蘭は佐知子がステーキ用の最高級肉や、高そうなワインを買っているのを見て驚く。すると佐知子は、今日は恋人が来る日だからと照れ臭そうに笑った。

ところがその翌日、蘭が佐知子のマンションの前を通りかかると人垣ができている。どうやら殺人事件があったらしいのだが、被害者の遺体が警察車両に乗せられる寸前、一瞬めくれあがったシートの下には佐知子の顔があった。

まもなく、小五郎と蘭、コナンは佐知子の部屋で警察から詳しい殺害状況を聞く。遺体を発見したのは無断欠勤を不審に思って訪ねてきた会社の人間で、死因は後頭部を殴打されたための頭蓋骨陥没。凶器は室内にあったブロンズ製の置物だという。どうやら食事中のようでテーブルの上には二人分の食事が置いてあった。死亡推定時刻の夜7時半ごろ、隣の女性が恋人に話しかけている佐知子の声を聞いている。しかし、凶器からも乾杯したはずのワイングラスからも佐知子以外の指紋は1つも検出されなかった。

仕事の同僚によると佐知子と恋人との交際が始まったのは半年ほど前。毎月25日だけ、佐知子の部屋に恋人が訪ねてきていたという。警察も小五郎も犯人は恋人だと決めつけるが、蘭にはどうしても納得できない。テーブルの上に残された食事から殺人事件の真相に気づいたコナンは、蘭にヒントを与えながら事件の核心に迫る。

第14話
(358話)
本庁の刑事恋物語5(前編) 取調室で白鳥警部と同僚の刑事たちに厳しい尋問を受けている男がいた。何と高木刑事である…。

数日後、トロピカルマリンランドでデートをする佐藤刑事と高木刑事の姿があった。あの取調べは佐藤ファンの刑事たちが、彼女とデートしようとしていた高木刑事を阻止するため尋問していたのだ。高木刑事は黙秘を貫き、同僚たちには隠し通したつもりでいたが、園内には白鳥警部ら数十名の刑事が2人の行動を監視していた。すっかりばれていたのである。しかも、高木刑事はバッグに指輪を忍ばせ、佐藤刑事に告白するつもりでいたのだ。

そんな中、2人は偶然にもコナンたち少年探偵団と会う。しかし、コナンたちを連れてきた阿笠博士は用事ができたため、2人に子供たちの面倒を任せ、帰ってしまった。もちろん、全て白鳥警部が仕組んだことだ。

園内のアトラクションゲームを楽しむコナンたち。いっぽう、2人だけのデートが台無しになり、うなだれていた高木刑事を佐藤刑事が優しく元気づける。そこで、高木刑事は思い切って彼女に指輪の入っているバッグを渡した。しかし、バッグの中に入っていたのは1キロもある麻薬。アトラクションに乗ったとき、誰かがバッグを間違えて持っていってしまったのだ。

佐藤刑事は園内で指名手配中の矢倉麻吉と運び屋が取り引きしようとしていたのだと推理。バッグを間違えて持っていった運び屋を見つけるため、鞄を調べるが、麻薬のほかに入っていたのは新しいスポーツタオルとハンカチだけ。佐藤刑事は手掛かりになる物が入っていないと気落ちするが、コナンはそのバッグからヒントを見つけ…。

第15話
(359話)
本庁の刑事恋物語5(後編) マリンランドで佐藤刑事とデート中の高木刑事は、この日、ついに彼女に告白しようとバッグに指輪を忍ばせていた。だが、2人を監視する白鳥警部たちの目論見で高木刑事たちはコナンたちの面倒を見ることになってしまう。しかも指輪の入ったバッグがいつのまにかすり変わっていたのだ。さらに間違ったバッグに入っていたのは何と麻薬。楽しいはずのデートが麻薬取引捜査に一変してしまった。

残ったバッグと中に入ったスポーツタオルからコナンは運び屋が左利きのスポーツマンと推理。しかし、コナンはスポーツ選手のタブーを思い出す。ピッチャーは大事な肩に負担をかけないため、必ず投げる手とは逆の肩で荷物を持つのだ。つまりバッグの持ち主である運び屋は帽子を被り、右投げの投球モーションをしていた男だと判明。

いっぽう、園内で高木刑事たちが結婚式を挙げると勘違いした白鳥警部たちは、2人の挙式を何とか阻止しようと、人数を動員してバッグを探していた。

すでに時計も5時半を回っている中、ついにコナンたちは「レトロゲームパーク」で運び屋を発見。だが、慌ててバッグを取り戻そうとする高木刑事を佐藤刑事は制止した。運び屋が麻薬ディーラーと接触したところで捕まえようというのだ。

まもなく、運び屋がついに麻薬ディーラーと接触。しかも相手は指名手配中の麻薬密売人、矢倉麻吉だった。佐藤刑事は色めきたつ高木刑事にコナンたちを任せ、矢倉を捕まえようと近付く。すると、矢倉は素早く拳銃を抜き、佐藤刑事に銃口を向けた。そして花火の炸裂音の中、一発の銃声が響きわたり…。

第16話
(360話)
不思議な春のかぶと虫 日曜日の午前10時ごろ、見せたいものがあるという元太に誘われコナン、歩美、光彦はペットショップを訪れた。しかし、店のシャッターは閉まっている。そこへ二宮という若い男性が現れ、シャッターの下がわずかに開いていることに気づくとシャッターを上げて中へ入っていった。二宮の後に続いてペットショップに入っていくコナンたち。すると、奥の部屋からカブトムシが一匹はい出してくる。その部屋に入っていったコナンは、そこで男の遺体を発見する。

間もなく警察が到着。被害者はペットショップの店長、白井という男で死因は絞殺によるものだ。警察から事情聴取を受けた二宮は昨日の夕方6時にカブトムシを入荷したかどうか店に確認の電話を入れ、今日の10時に店を訪れる約束をしたという。遺体のポケットからは、フタのない小さなビンが見つかった。

しかし、コナンたちは佐藤刑事に現場から追い出されてしまう。だが、元太がちゃっかり店内に置いてあった1年中カブトムシが見られる"ぐんま昆虫館"のチラシを持ち出していた。しかも偶然、非番中の高木刑事に会ったコナンたちは高木の車で昆虫館へと向かう。

現地へ到着すると、昆虫館ではカブトムシの盗難騒ぎが起こっており、盗まれたトラックが乗り捨てられている山の中へ移動するところだった。そこに居合わせたのは昆虫館職員の荒木とカブトムシ研究家の榛名、それに雑誌編集者の石田だ。トラックにはカブトムシは乗っておらず、荷台の床にはコルクのフタが落ちている。昆虫館へ戻ってくると佐藤刑事が待っていた。そこで白井の死亡推定時刻が9時から10時で、さらに明け方の5時ごろ、近所の人がペットショップのシャッターを開ける音を聞いたということを知ったコナンは事件の真相に気づき…。

第17話
(361話)
帝丹高校学校怪談(前編) 蘭の通う帝丹高校で幽霊騒動が巻き起こった。2年前、不慮の事故で死んだ生徒の幽霊が出るというのだ。そこで蘭に頼まれたコナンは園子と一緒に幽霊調査をするため、帝丹高校へと向かった。

学校に到着すると、校医の新出先生が現れる。コナンはまたもやベルモットの変装した姿だと疑うが、どうやら本物のようだ。新出先生にも協力してもらい、4人は幽霊調査を開始する。まずはすすり泣く声が聞こえてくるという"嘆きの体育倉庫"。この倉庫には2年前、謎の死を遂げた保坂英彰の机が置いてあった。そこへ蘭の空手部の先輩である塚本数美が現れる。彼女は保坂の元クラスメートで、呪いや幽霊のことなどは全く信じていない。そして彼女に誘われ、次の目的地"恨みの図書館"へと向かう。その途中、雨が降り始めた。

校舎に入ると、トイレから出てきた世古国繁と出会う。彼は保坂の幼なじみで、午後から保健室で横になっていたという。世古と別れたコナンたちは図書館に到着。ここでは朝きたら、保坂が借りたことのある本が4日連続で出しっぱなしになっていたというのだ。そして最後は"呪いの階段"。保坂が落ちた美術室前の階段で、床一面に水が溜まっていたという。そんな幽霊話で蘭と園子が騒いでいると、美術部員の物部雅生から、うるさいと注意されてしまった。

そんな中、中庭に突如として保坂の机が出現。机の上には「我が恨み 未だ消えず…」と書いた紙片が置いてあった。紙は濡れていないので、雨が止んだ後、中庭に運んだことが予想される。しかし、中庭には机を運んだ人間の足跡はない。すると、美術室で聞き耳を立てていた物部が突然、悲鳴を上げる。コナンたちが部室に入ると物部が、保坂の呪いだ!と叫び、恐怖に打ち震えていた…。

第18話
(362話)
帝丹高校学校怪談(後編) 蘭に頼まれ帝丹高校の幽霊騒動をコナンたちが調査していると、中庭に突如として2年前に死んだ保坂英彰の机が現れる。しかも、机の上には恨みのメモが置いてあり、ぬかるんだ地面には机を運んだ人間の足跡がない。

そこで保健室で寝ていた世古国繁なら中庭に机を運んだ人を見ているかもしれないと思い、コナンたちは保健室へと向かう。しかし、窓の側の木が邪魔で保健室から中庭の様子は見えなかった。世古は保坂と小中学校で一緒だったが、自分が入学早々バイク事故で半年近く入院していたため、保坂が死んだことを退院するまで知らなかったと打ち明ける。

出口から校門までの校庭には誰の足跡もないことから、幽霊騒ぎの犯人は、まだ学校にいることが予想された。すると2年前に事故死した保坂のことや、その事故現場をよく知っている人物が犯人である可能性が極めて高い。雨が降ってから校舎で見かけた3年生は3人だけ。保健室で寝ていた保坂の幼なじみの世古と、美術室で絵を描いていた美術部の物部雅生、それに図書館にいた保坂の元クラスメートの塚本数美だ。

そのとき、渡り廊下のスノコに水を撒いたような跡を発見。そして地面に傷跡を見つけたコナンは犯人の使ったトリックに気がつく。美術室に帰り支度を整えさせて世古、物部、塚本を集めたコナンは、ついに犯人を特定。コナンはドア越しに時計型麻酔銃を構え、園子に発射し眠らせると、犯人の使ったトリックを暴き出す。

第19話
(363話)
都会のカラス 市営団地の構内で老女の死体が発見された。「市役所に連絡済み」の紙が貼られた大型冷蔵庫の下に片手を突っ込んだ姿勢のまま死んでいたのだ。遺体の傍らには砕けた鉢植えがひとつ。上空ではカラスたちが不気味に飛び交っていた。

登校途中のコナンたちが、その団地の前を通りかかると、パトカーや鑑識のワゴン車が止まっている。そこで警察に事情を聞くと、死んでいたのは団地に一人暮らししている江上タツエ。朝早く外出から帰ってきたとき、たまたま鉢植えが落ちてきて、頭に命中したという。しかも、403号室に住むタツエの家の窓に置いてあった鉢植えが、カラスのいたずらにより落ちてきたというのだ。タツエは"カラス婆さん"と呼ばれており、朝早く出かけてはゴミ置き場を回り、人が出したゴミを覗くことを日課にしていた。冷蔵庫の下に五百円硬貨が落ちていたことから、どうやら五百円硬貨を落としてしまい、拾おうとして粗大ゴミの下に手を伸ばした瞬間、上から鉢植えが落ちてきたのではないかと警察は判断する。だが、あまりの偶然にコナンは不審に思う。そこで砕けている鉢植えを改めて見たコナンは、カラスのいたずらではないことに気づく。

人による犯行だと気づいたコナンは屋上へ走るが、ドアには鍵がかかっており、屋上に出ることはできない。つまり、コナンの推理によると鉢植えを落とすことができたのは、タツエの上の部屋、503号室しかなかった。上の部屋に住んでいるのは駅前のパン屋で働く今井典子。しかし、歩美は典子のことを知っており、優しい彼女が人殺しなんてするはずはないと主張するのだが…。

第20話
(364話)
シンクロにシティ事件(前編) スポーツジムのプールで小五郎がある人物の隠し撮りをしていた。久々に仕事をしている小五郎のターゲットは人見松一郎。どうやら何か頼み込んでいるらしい。松一郎を尾行する小五郎は、米花のホテルに到着。そこで偶然、食べ放題激安バイキングにきたコナンと蘭に出会うが、2人を後にして小五郎は松一郎を追跡する。

まもなく、ホテルでバイキングを食べていたコナンたちは松一郎が上から落ちてくるのを目撃。パトカーや救急車が到着し、コナンたちは目暮警部と一緒に小五郎から事情を聞いた。

コナンたちと別れた後、小五郎が松一郎を監視していると、松一郎は突然、南里薫の部屋へ押し入ったという。さらに部屋から彼女の悲鳴が聞こえたため、小五郎がドアを破って中へ入ると、薫が倒れていたというのだ。そしてベランダから逃げ出そうとしている松一郎を見つけ、ベランダに飛び出すと、松一郎が隣の部屋に移ろうとして失敗し、墜落したのだという。

ところが、薫は松一郎のことを全く知らないと言い張る。いっぽうコナンは小五郎が写したデジカメ写真の中から公衆電話を使っている松一郎の姿を発見。携帯電話を持っているのに、なぜ公衆電話を使ったのか不思議に思うコナン。

そんな中、松一郎の双子の弟、人見竹彦が自宅のマンションで遺体となって発見された。松一郎が死んだ時間と同じ時刻である。実は小五郎は竹彦から松一郎の素行調査の依頼を受けていたのだ。竹彦は物取り目的の犯人によって殺されたと警察は判断するが、コナンはあまりの偶然に、必ず2つの事件はつながりがあると確信する…。

第21話
(365話)
シンクロにシティ事件(後編) 小五郎が依頼を受け、尾行していた人見松一郎が南里薫という女性を襲おうとして、逃げる途中、米花のホテルから墜落死した。その同時刻、松一郎の双子の弟、竹彦も自宅のマンションで何者かに殺害された。運命的な偶然と思われたが、作為的なものを感じるコナン。そこで小五郎たちは再び薫に事情を聞くため、彼女のホテルの部屋を訪れると、薫が何者かに襲われようとしていた。しかし、今一歩のところで犯人を取り逃がしてしまう。

薫の話によると、彼女はアンザイ・マナブという男と結婚の約束をしていたが、彼女から大金を受け取ると、彼は姿を消してしまったという。以来、東京でアンザイを見かけたという噂を聞き、上京したというのだ。彼女からアンザイの写真を見せてもらったところ、小五郎がスポーツジムで松一郎を隠し撮りした写真の中にアンザイが写っていた。スポーツジムで確認すると、男の名前はタニザキだと教えられる。

まもなく、タニザキの居場所を突き止めた小五郎は、クラブから出たところを呼び止めた。しかし、タニザキは薫のことなど全く知らないとすっとぼける。このことを薫に報告すると、彼女は消沈した顔でうなずく。

いっぽう、事件にもう一人、タニザキという男がからんでいると知ったコナンは、今までの経過を振り返るうち、ついに真相に気づく。早速、小五郎を眠らせたコナンは関係者を米花のホテルロビーに集め、事件の謎解きを始める。

第22話
(366話)
丸見え埠頭の惨劇(前編) 哀に気晴らしをさせるため、阿笠博士はコナンと少年探偵団を連れて防波堤釣りに向かった。目的の防波堤までは釣り船で行くのだが、そこで3人の釣り客に出合う。白根桐子に金谷峯人、江尻太志だ。釣り船が防波堤に到着すると、船を操縦する井田巌は3時間後に迎えにくると言って戻っていった。

桐子と昼過ぎまでに何匹釣れるか賭けをすることになった元太たちは大張り切り。そんな中、江尻だけはテトラポットに降りると、いつものポイントだという場所で一人、竿を構える。この場所でないと満足しないというのだ。いっぽう、歩美たちはコナンからテトラポットは人工的に造られた魚の住処だと聞き、期待を募らせ釣り糸をたれる。だが、しばらくしても一同の釣り糸はピクリともしない。

そこで突然、哀のウキがグ~ンと引き込む。しかし釣れたのは、まだ稚魚であったため、稚魚は海に返すのがマナーだと言い、哀は魚をリリースした。まもなく、何も釣れず我慢できなくなった元太が釣れるはずのないタイを求めて、1人釣り場を変える。が、釣れたのは同じ場所でねばっていた光彦だった。

お昼のお弁当を食べ終わったころ、船のエンジン音が近付いてくる。井田の釣り船が戻ってきたのだ。結局、ほとんど釣れなかった桐子と金谷は江尻を残して、別のポイントへ向かおうということになった。そのとき、江尻の竿に当たりがあり、糸がグイグイと引かれ、海の中に引き込まれていく。慌てて井田が江尻の側に駆け寄ると…。

第23話
(367話)
丸見え埠頭の惨劇(後編) 阿笠博士に連れられて防波堤釣りにきたコナン、哀、少年探偵団は防波堤にくる釣り船の中で3人の釣り客と知り合う。だが、昼過ぎになって釣り船が迎えにきたとき、1人でテトラポットのポイントに向かった江尻太志が倒れていた。釣り竿が海中に引きずり込まれたにもかかわらず、微動だにしなかったのだ。釣り船を操縦する井田巌が慌てて駆け寄るが、すでにチアノーゼが出始めている。その症状を見たコナンは神経毒の可能性があると推測。コナンは井田と阿笠博士に頼んで江尻を病院に運んでもらった。

防波堤に残ったのはコナンたちと江尻の釣り仲間である白根桐子と金谷峯人だけだ。コナンは2人に警察がくるまでじっとしているように指示を出し、その間に江尻との関係を聞き出した。どうやら井田も含めて4人は大学時代の釣り同好会のメンバーだったらしい。特に桐子と井田は親が漁師仲間ということもあり、子供のころからの付き合いだという。さらに江尻と桐子は元夫婦で3年前に離婚しているというのだ。

初め、桐子が作ってきた弁当に毒が盛られていたのではないかと疑う少年探偵団たちだが、人工呼吸をしたコナンが何でもないことから、弁当の可能性はない。まもなく、江尻を病院に運んだ阿笠博士から連絡が入る。江尻の左手首に引っかかれた傷跡のようなものがあり、さらに服の袖口にノリのようなものがついていたという。これを聞いたコナンは犯人の手口に気づき…。

第24話
(368話)
魔女の棲むお菓子の家 コナンと蘭は園子に連れられ"お菓子の家フェアー"へやってきた。入場料500円で有名洋菓子店のケーキが全て半額で食べられるのだ。中でも園子のお目当ては"お菓子の鉄人3人組"がいる洋菓子店『エクリール』。早速、会場に入り目的の店へ行くと、そこはお菓子の家で出来たブースになっていた。部屋の中には3つの厨房とカウンターがあり、すでに客で混み合っている。

クッキー、タルト、パイなど3つの菓子を同時に作っているのは"戦うパティシエ"と呼ばれる前田剛。そして優雅な物腰で女性に人気のある"お菓子の貴公子"藤野泰男は、まるでアイドルのようだ。藤野はウッドチョコのスポンジにチョコクリームを載せ、コナンに木の模様を付けさせてやるなどファンサービスも忘れない。また、ガラス細工のようにキャンディを作るのは"キャンディ・マジシャン"と呼ばれる森本友美。彼女はコナンに動物キャンディを1つ渡すと、このキャンディで一等賞を取るのが夢だと語った。

飲み物を買いにいこうとしたコナンは偶然、森本と店長の橋垣幸子が言い争っているのを聞いてしまう。午後の部に入り、藤野がコナンの作ったウッドチョコのケーキを持ってやってきた。まるでプロが作ったように修正されている。そのとき、お菓子の家の中から前田の悲鳴が聞こえてきた。厨房へいくと何者かに頭部を強打された橋垣の遺体が倒れている。まもなく、警察が到着し、現場検証を行うが、凶器と思われる物は発見できなかった。犯行は藤野がコナンにチョコを渡しにいったわずかの時間に行われたらしい。前田も事務所から電話がかかってきて、ちょうど席を外していた。1人残っていた森本も誰かが入ってきたことには気づいていない。そんな中、コナンは厨房で木屑を発見し…。

第25話
(369話)
ツイてる男のサスペンス 商店街の福引会場で元気よく福引器を回している元太だが、出たのは白い玉。元太は参加賞のポケットティッシュをもらいがっくりする。コナンたちが元太を励ましていると、三等のデジカメを当てている男性がいた。米花中央病院の医師、大和田誠だ。とても評判のいい先生で、腕も確かだという。すると歩美が、宝くじでも大和田が当てていたことを思い出す。さらに光彦は母親から懸賞でビール1年分に当選していたと聞かされていた。

しかし、コナンが家に帰ると小五郎が不思議なことをいう。大和田が当てたはずのビールの懸賞は抽選が来月に延期したというのだ。つまり大和田の当選はインチキだったということになる。翌日、コナンたちは大和田の当選が真実かを確かめるため、福引会場へと向かった。そこでバイトをしている男性に聞くと、実は大和田が当たるように細工をしたのだと明かす。大和田本人は知らないが、彼の奥さんが仕事で自信をなくしている大和田のためにデジカメを持参し、当ててくれと頼まれたというのだ。早速、コナンたちが大和田の奥さんに会いにいくと、彼女はそんなことは知らないという。しかも、バイトの男性が言っていた大和田の奥さんとは風貌が異なっていた。

まもなく、大和田の家の庭から小判が出てきたり、1億円を拾ったという噂話が街中に広まり始める。コナンたちはついに噂を広めている女性を発見するのだが…。

第26話
(370話)
逃げ回るゲームソフト 人気ゲームソフト『ギャドリン2』の発売がいよいよ来週に迫っていた。発売元であるシャイニング社の前でショーウインドを見つめていた元太は玄関の中に入っていくと、無謀にも受付嬢に『2』で明かされる七つの謎を教えてくれないかと聞く。コナンがあきれながら見ていると、元太はトイレを貸してほしいと廊下の中へ走り込んでいってしまった。すぐさまガードマンが駆けつけるが、元太と光彦、歩美は思わず階段をのぼって逃げていってしまう。

そのころ、五階の社長室では社長の道場が社員の大橋から『ギャドリン2』の予約が200万本を超えたとの報告をうけていた。このギャドリンシリーズをプロデュースしたのが、シナリオまで書いた社長の道場だ。大橋が部屋を出ていくと道場は最終チェックのため、『ギャドリン2』のディスクを取り出しゲーム機の中に入れる。すると、そこにはおとといの社長室の様子が映し出されていた。何とギャドリンのシナリオは小林という男が学生時代に書いたもので盗作だったというのだ。しかも、ビデオには誰かの手により小林が殺されたシーンが映っている。すると、いつのまにか部屋の暗がりの中に男が座っていた。斉藤と名乗る男は小林に雇われた探偵で、偶然にも小林が殺された瞬間をビデオにおさめていたのだという。道場は椅子を蹴り倒し、斉藤の頭を灰皿で殴りつけるとウォークインクローゼットの中に斉藤を運び込んだ。

いっぽう、ガードマンに追われ、社長室に逃げ込んできた元太たち。そこで机の上にあった『ギャドリン2』のソフトを見つけた元太は目を輝かせた。光彦にとがめられた元太は、思わずカバンの中身を部屋にばらまいてしまう。慌てて拾う3人は『ギャドリン2』もカバンの中に入れ、ビルの外へ逃げていった。それを見た道場は拳銃を持って元太たちを追うのだが…。

第27話
(371話)
物言わぬ航路(前編) 食卓を囲むコナンと蘭は小五郎から明日、突然沖縄に行くと聞かされて驚く。何とプロ野球チーム・ジャガーズのセーブ王、能勢利三選手とテレビの企画で対談をすることになったと明かす。しかも、能勢選手と仲のいいスポーツタレントの本山正治も対談に加わるという。蘭とコナンも小五郎からテレビ局の人に頼んでもらい、同行させてもらうことになった。

午前9時23分、沖縄に到着した蘭とコナンは、能勢選手からサインをもらうため、色紙を売っている店を探して走り出した。いっぽう、小五郎はテレビ局のスタッフである寺西と名詞交換をすます。同じころ、雨の降る那覇市ではロードワーク中の能勢選手が何者かにナイフで刺されていた…。

しばらくして本山の乗る飛行機が到着し、車で移動するコナンたち。すると、行く手の路上に倒れている人影を見つける。車を飛び出したコナンが人影に駆け寄り抱き抱えると、何と能勢選手だった。車の助手席で見ていた本山は、思わず救急車と警察に連絡を!と叫ぶ。その言葉を聞いて驚くコナン。

まもなく警察が到着し、死亡推定時刻が午前9時30分ごろであることが判明した。そこでコナンは雨で能勢が腹を刺されているかどうか、わからない状況にもかかわらず、本山が初めに警察を呼ぼうとしたことから本山があやしいとにらむ。しかし、本山には鉄壁のアリバイがあった。本山が沖縄に飛行機で到着した時間は午前9時50分だったのだ…。

第28話
(372話)
物言わぬ航路(後編) プロ野球チーム・ジャガーズの守護神、能勢利三とスポーツタレントの本山正治とテレビの企画で対談することになった小五郎はコナンと蘭を連れて沖縄を訪れた。しかし、空港から車でホテルへ向かう途中、刺殺された能勢選手を発見。コナンは一緒に車に乗っていた本山の不審な態度から、本山があやしいとにらむ。だが、能勢が殺された9時30分ごろ、本山は宮崎発の飛行機に乗っており、沖縄に到着したのが9時52分。本山のアリバイは完璧だ。

ところが、警察の事情聴取が終わった本山は蘭のバッグからテニスボール缶を盗み出そうとする。実は本山は変装してコナンたちと同じ9時23分着の飛行機で沖縄にきており、機内で蘭の転がしたテニスボールを拾っていたのだ。指紋の付いたテニスボールからアリバイトリックが露見するとおそれた本山は証拠隠滅を図るため、何とかテニスボールを始末しようとする。

いっぽう、コナンは蘭の持っていた時刻表からついに本山のアリバイトリックを解く。本山は警察の実況検分の前に、食事をしてきてもいいかと警部に提案。そこで一同そろって琉球料理の店へ行くが、携帯に電話が入った本山は1人車に残って電話に出る。そして蘭のバッグからテニスボール缶を引き抜くと、用事ができたから後で現場に合流すると蘭に告げ、タクシーでその場を去ってしまった。そのころ、コナンは小五郎にそれとなく事件のヒントを提示する。

第29話
(373話)
猛毒蜘蛛の罠 コナン、哀、それに少年探偵団は図書館へ行く途中、近くの廃屋の庭に怪しい3人の人影を発見する。コナンが物陰から覗いていると、大きい図体をした1人の男がアタッシュケースから小さなタッパーを取り出し、中からセアカゴケグモを一匹つまみ出した。その時、元太と光彦が木の上から落ち、3人に見つかってしまう。すると、3人の中の1人は光彦の知り合いで米花農業大学の助教授、糸川透だった。生物雑誌に載せる"毒蜘蛛"特集のための撮影をしていたのだ。先ほど、アタッシュケースからクモを取り出した男はクモマニアの浦崎良樹。そしてもう1人の女性は生物雑誌記者の安田美和だ。

しばらくして次に取材する教授の新野豊に会うため、浦崎が電話をかけると、電話口から新野の悲鳴が聞こえてきた。クロゴケグモに刺されてしまったというのだ。驚いて立ち尽くす一同は、慌てて大学へ向かった。研究室には鍵がかかっていたので、糸川が合鍵でドアを開けると、心臓に手を当て倒れている新野の姿が。美和はデスクに放置された受話器の横にいたクロゴケグモをバッグで叩き潰す。クロゴケグモはセアカゴケグモより数倍強い神経毒があるのだ。新野の耳の右タブには刺されたような跡がある。しかも、クロゴケグモの血清がなくなっていることが判明する。

まもなく警察が到着し、取り調べが始まった。部屋の鍵を持っていたのは新野と助手の糸川だけ。そして糸川は自分の研究成果を新野に取られてしまった恨みがあった。新野からクモを買っていた浦崎も、マニアの弱みにつけこんで金をつり上げる新野に多少なりとも恨みがある。そんな中、受話器を調べたコナンは事件の真相に気づき…。

第30話
(374話)
星と煙草の暗号(前編) コナンと哀、そして少年探偵団は阿笠博士に連れられて、群馬へと向かった。目的地は望遠鏡の貸し出しサービスをしており、天体観測ができるという天土ペンション。現地に到着したコナンたちは野之宮悦子、御上平八、二川肇の3人の宿泊客と出合う。彼らは1年前に失踪した河埜麻雄から招待状が届き、ペンションにやってきたというのだ。悦子は河埜の婚約者で、彼女たちはペンションのオーナー、天土陵司の後輩でもある。しかも彼女はもう3日待っても河埜が現れないと酒を飲んで酔っぱらっていた。そして御上は天文雑誌の編集長で二川はその雑誌の編集部員。御上と二川は1年前、このペンションで1度、河埜に会っただけなのに招待状が届いたという。

そんな中、御上が新しい彗星を見つけ、彗星に自分の名前をつけた実績があるという話を聞いた元太たちは早速、望遠鏡を借りて星がよく見える丘へと向かった。だが、裏の森の中を歩いて丘の近くにきたコナンたちは白骨化した遺体を発見。コナンは遺体の周りに死体の腐敗速度を早める石灰がまいてあったことから殺人事件だと断定する。近くに落ちていた指輪から河埜だと判断したコナンは、さらに側にあった6本のタバコがダイイングメッセージだと推理。

コナンたちはペンションに戻り警察へ連絡を取ろうとするが、電話線が抜かれ車のタイヤも空気を抜かれていた。どこへも連絡が取れないと知り、今夜は部屋から一歩も出ず、夜が明けるのを待つことになるのだが…。

第31話
(375話)
星と煙草の暗号(後編) 天体観測をするため山奥のペンションにやってきたコナンたちは、そこで1年前に失踪した河埜麻雄から招待状をもらったという野之宮悦子、御上平八、二川肇と出合う。間もなく、近くの丘へ星を見にいったコナンたちは白骨化した河埜を発見。近くにはダイイングメッセージとなる6本のタバコが残されていた。さらに夜になって、ペンションのオーナー、天土陵司をはじめ全員が部屋からいなくなっていたことに気づく。

コナンたちが白骨のあった場所へ行くと、突然、不気味な物音が響く。首の骨が折れた二川の遺体が転がっていたのだ。どうやら崖の上から墜落したらしい。しかし、手にはダイイングメッセージと思われる7本のタバコを握っていた。

コナンは1年前に殺害された河埜が残したタバコの示す人物と、二川が示す人物が別人かもしれないと思い始める。そのとき、二川の残したタバコの1本に血が付着していることを発見。さらに阿笠博士が崖の上で未送信メールが残っている二川の携帯電話を見つける。そのメールには遺書と書いており、このペンションに皆を招いたのは自分で、河埜を殺したのも自分だと書かれていた。

だが、二川には鉄パイプのようなもので殴られた跡があったのだ。そしてタバコの中の1本だけに血が付着していたことから、コナンは殺人事件だと推理する。そして二川を殴った鉄パイプのようなものが誰かの部屋にあるのではないかと、皆の部屋を調べることになった。しかし、それらしい凶器は見つからない。そこで天土が宿帳をジロジロと見ていたことから、あらためて宿帳を見たコナンは、ついに真犯人を突き止める。

第32話
(376話)
タイムリミットは15時! 雲ひとつない空の下、貯水用ダムの水門の上を阿笠博士が運転するバンが走っている。バンに乗っているのはコナン、蘭、哀と少年探偵団。コナンたちは阿笠博士に連れられてキャンプ場に遊びにきたのだ。現地に到着した元太と光彦は日陰の場所をとるため、大きな木の下へ走る。だが、すでにシートを敷いているカップルの姿があった。男の名は堀越将司。そして彼に無理なことを言って困らせているのは常山美佐だ。仕方なくコナンたちは近くにキャンプ場で借りたテントを張った。すると、木の下にテントを張っていた美佐がワガママをいって帰ると言い出し、駐車場の方へ行ってしまった。そこでコナンたちが木の下にテントを張っていると、堀越らが戻ってきて、コナンたちにテントをどかせと文句を言う。が、それを美佐が取りなしたため、堀越は木から少し離れた場所に渋々テントを張った。いっぽう、木の下のテントの中では昨日、徹夜をして一冊の本を読破した蘭がすでに寝息をたてている。

先程のことで美佐と打ち解けた哀と歩美がカレーを作っていると、突然、サングラスで顔を隠した男が蘭の眠るテントの中に侵入し、蘭を抱え上げ連れ去ってしまった。慌てたコナンたちが蘭を連れた男を追いかけるが、男は4WDの車に乗って逃走。まもなく警察の調べで蘭は眠らされて連れ去られたことが発覚する。しかも逃走用に使った4WD車は盗難届の出されていた車だった。

その頃、近くの山道で崖から転落した事故車が発見される。コナンの証言で事故を起こした車に乗っていた男が、蘭を誘拐した犯人であることが判明。だが、男は重傷で意識はなく、車の中に蘭の姿は見当たらない。しかも男の持っていた携帯電話には「殺せと言ったのはお前の方だろう。3時には女が死ぬんだから約束は守ってもらう」という打ちかけのメール文字が…。

第33話
(377話)
桃太郎謎解きツアー(前編) 阿笠博士に連れられてコナン、元太、光彦、歩美ら少年探偵団は新幹線で岡山にきていた。倉敷・吉備路をめぐる歴史の勉強を兼ねた週末旅行だ。倉敷駅に到着し、倉敷チボリ公園を訪れたコナンたちは、そこで小学校以来、15年ぶりに再会したという男女と知り合う。議員秘書の桃井直人とOLの木島弥生、美容師の猿渡健吾、フリーライターの乾聖子、金融業の鬼貫守の5人だ。彼らは桃井の選挙初出馬の応援と弥生との結婚を祝うために集まったという。

そんな中、元太たちは彼らの名前が皆、桃太郎に関係していることに気づく。そんな元太たちに弥生は小学校時代、学校で"桃太郎"をやったこともあると明かしてくれた。

彼らと別れたコナンたちが倉敷川沿いに観光していると、川に流れている桃の形をしたケースを見つける。ケースを開けると桃・鬼・犬・猿・雉の絵が描かれた封筒が入っており、その中には暗号が書かれた紙が入っていた。

鬼ケ島のお宝が見つかるかもしれない…と盛り上がる元太、光彦、歩美たち。あきれるコナンを尻目に元太たちは宝探しを開始した。1つ目の暗号を解き、倉敷考古館の裏手に立つ火の見やぐらの下でカプセルを見つけるが、中に入っていたのはガラクタばかり。しかもすでに掘り返した跡がある。そうして3つ目の暗号に隠された場所へ行ったコナンたちは、そこで頭から血を流した聖子の死体を発見してしまう。しかも地面には「O」「N」「I」と彼女が書いたダイイング・メッセージが残されていた…。

第34話
(378話)
桃太郎謎解きツアー(後編) 阿笠博士に連れられ、倉敷・吉備津をめぐる古代史の勉強にきていたコナンたち少年探偵団。そこでコナンたちは河に流れていた桃のケースを見つける。ケースの中には桃、鬼、犬、猿、雉が書かれた封筒が入っており、その中にはひとつひとつ暗号が書かれた紙が入っていた。

コナンたちは、この暗号に書かれた場所を探すうち、1人の他殺死体を発見する。先ほど、倉敷チボリ公園で知り合ったフリーライターの乾聖子だ。彼女が一緒にいたのは議員秘書の桃井直人とOLの木島弥生、美容師の猿渡健吾、金融業の鬼貫守の4人。地面に残されていた「O」「N」「I」というダイイング・メッセージから、コナンは4人の中の一人が犯人だと推理する。だが、それを特定するためには残りの2つの暗号を解き、埋められたタイムカプセルを掘り返さなくてはならない。

4つ目の暗号を解き、掘り返された形跡のあるタイムカプセルを見つけると、そこには15年前に交通事故で死んだ俊也のことが書いてあった。まもなく最後のカプセルを見つけるが、そこにはほかのカプセルのように何か書きつけた紙が入っていない。しかし、底にあった封筒を見てコナンは犯人を確信する。

聖子が殺されていた現場に桃井たち4人を集めてもらったコナンは阿笠博士になりかわり、推理を開始した。

第35話
(379話)
秘湯雪闇振袖事件(前編) 雪が降り積もる琴屋旅館へ静養にきたコナン、蘭、小五郎たち。すると恋愛小説家の明智恵理が、ロビーで打ち合わせをしていた。新ドラマの原作を書くため、ニチウリテレビのプロデューサー・阪東京一と大学館出版の編集員・保田頼子と共に各方面で活躍する女性に取材を行っていたのだ。取材対象となっている女性はシンガーソングライターの深津はるみ、ファッションモデルの柴崎明日香、新進油絵画家の安西絵麻の3人だ。

まもなく、コナンたちは恵理に村の中を案内してもらうことになった。そこで恵理はこの地方に伝わる振袖般若の民話を語り始める。その昔、働き者の娘・お花が侍を助けて褒美にもらった振袖を庄屋の2人の娘に奪われてしまった。庄屋の娘に濡れ衣を着せられたお花は処刑されるが、怨霊と化して2人の娘を殺して復讐を果たしたのだという。以来、お花の霊を手厚く葬り、守り神の振袖様として祀ることになったのだ。いっぽうで振袖様は復讐の神様でもあると語る恵理。さらに深夜、振袖を被ってお参りすると、振袖様が代わりに恨みを晴らしてくれるという言い伝えがあるとコナンたちに説明した。そんな中、コナンたちは神社ではるみと遭遇。祠の中をのぞくと、振袖参りをした人が奉納した千代紙人形が山のように積まれている。その中に真新しい人形が2つ。コナンたちはその人形を見て不安になった。最近、振袖参りをした人がいたというあかしだ。

その夜、コナンたちは胸を一突きされ、殺された明日香と絵麻の他殺死体を発見し…。

第36話
(380話)
秘湯雪闇振袖事件(後編) コナンたちが静養にきた琴屋旅館でファッションモデルの柴崎明日香と新進油絵画家の安西絵麻が相次いで殺された。彼女たちは新ドラマの原作を書くため、恋愛小説家の明智恵理が取材をした女性たちである。しかも現場は村に伝わる振袖般若の伝説とそっくりであった。

明日香の死体は露天風呂で見つかり、絵麻の死体は祠で発見されたのだが、明日香が露天風呂へ入ったのが10時ごろ、絵麻が祠へ行ったのが10時半ごろ。2人とも御神刀で殺害され、それが露天風呂で見つかった。ということは絵麻、明日香の順で殺されたということが推測できる。しかし、祠のある庭には絵麻の足跡しかなく、露天風呂へ行くのに通らねばならない遊技場には10時半以降、必ず誰かがいた。つまり2つの殺人とも密室の犯行ということだ。

そんな中、警察が犯行時刻前後の行動を確認するが、密室の謎を解くことはできない。ただ、コナンと小五郎が風呂に入っているとき、女湯からバシャンバシャンという音が10時50分ごろに聞こえたという。動機がありそうなのは、シンガーソングライターの深津はるみだけ。彼女も2人と同様、恵理に呼ばれて取材を受けた女性だが、自殺した先輩の件で明日香と絵麻を恨んでいた。

まもなく検死報告が届き、2人を殺害した凶器は御神刀に間違いがないことが判明。現場に残された遺留品から指紋は発見されなかった。そのとき、ソリ大会の模様が映っているテレビを何気なく見たコナンは、ある推理に思い至る。さらに殺害現場に残された足跡を移したデジカメの画像を見直したコナンはついに密室トリックを暴く。

第37話
(381話)
どっちの推理ショー(前編) 買い物をすませたコナンが小五郎の探偵事務所へ行くと、そこに平次と和葉が待っていた。そしてコナンを強引に誘って蘭、小五郎とともにイタリアンレストランへ。2人はコナンたちを再び大阪へ招待しようとスケジュールの相談にきたのだ。しかし、ここで平次と和葉が"甲子園"と"宝塚"、どちらへ誘うかともめてしまう。甲子園の決勝と宝塚のチケットのある日が同じ日だったのだ。

そこで小五郎の提案で、目暮警部に頼まれていた殺人事件を見事、解決した方のおすすめ場所へ行くことに。とはいうものの推理勝負では和葉は絶対的に不利なため、蘭と小五郎が協力することになった。現場は辻谷玩具製作所。殺害されたのはこの玩具製作会社の社長で辻谷賢仁。死亡推定時刻は先月の日曜日、午後5時ごろで翌日、会社の社員4人に10時ごろ発見された。4人の社員はいつも出勤時刻の少し前にきて近くの喫茶店でモーニングを食べてから一緒に出社するという。

平次はこぼれていたインクなどから辻谷が縄で縛られたまま、ゴルフクラブで撲殺されたと推理。見事な推理に目暮警部もあ然としてしまう。さらに遺体の周りに転がっていた積み木の中に、辻谷の指紋とインクがついた積み木が4つだけあったと目暮警部は説明する。それぞれに「お」「も」「ち」「や」と書かれた積み木。おそらく辻谷は犯人の目を盗んで4つの積み木をダイイングメッセージとして残したのだろうと平次はいう。平次のペースに乗せられ気味の和葉はダイイングメッセージの意味を解こうと必死になるのだが…。

第38話
(382話)
どっちの推理ショー(後編) コナンたちを甲子園か宝塚に連れて行くかで大ケンカになってしまった平次と和葉。そこで小五郎が依頼されていた殺人事件の推理勝負で決着をつけることになった。被害者は辻谷玩具製作所の社長・辻谷賢仁。現場にはダイイングメッセージと思われる「お」「も」「ち」「や」と書かれた積み木が残されていた。辻谷の遺体を発見したのは4人の社員。辻谷の元妻で経理の愛甲奈央、営業の波佐見淳、企画の中紙功男、副社長の岩冨創だ。4人とも辻谷社長とはもめていたようで動機がある。しかも犯行時のアリバイもなかった。

平次とコナンはダイイングメッセージの意味をすぐに解いてしまうが、必死になる和葉を見た平次は和葉にヒントを与え、自分で犯人を当てるつもりをなくしてしまう。さらに4人に妙な収集癖があることがわかった。冷え性の愛甲は手袋を50組も持っており、釣りに出かけるときには必ず持っていくという。映画が趣味の波佐見はサングラス、競馬好きな中紙は帽子、そして岩冨は白いゴルフシューズだ。ちなみに殺された辻谷社長は無類のアイドルマニア。そんな中、コナンと平次はお互いに殺された辻谷社長の部屋で違和感を感じると明かすが、なぜそう思うのか、まだはっきりとしない。

まもなく、平次の提案で社員の4人が殺人現場まで呼び出された。いっぽう、和葉が平次のヒントを基にして、ついにダイイングメッセージの謎を解く。辻谷社長が残したのは「い・わ・と・み」という名前だったのだ。しかし、ゴルフを見に行っていたという岩冨は犯行時刻にゴルフ大会を中継していたテレビに映っていたことが判明し…。

第39話
(383話)
クリスマス2時間スペシャル 甲子園の奇跡! 見えない悪魔に負けず嫌い コナンと蘭、小五郎は平次に誘われ、大阪にやってきていた。甲子園で夏の高校野球決勝戦を見るためだ。球場は5万人の大観衆で埋めつくされている。決勝は去年の覇者・港南高校と春夏連覇を狙う大金高校の闘い。

大歓声が沸き上がりプレーボールの声がかかる。すると、ライトスタンドに座っていたコナンと平次の足下で携帯電話が鳴った。平次が電話に出ると、男の声が楽しいゲームをしないかとささやきかける。男は「3回、6回、9回が終了した時点で、この球場のどこかに置いた電話を鳴らす」という。そのとき電話を取らなければ、誰かを道連れにして自分が死ぬというのだ。男は自分のことを"甲子園の魔物"と名乗ると携帯電話を切ってしまった。携帯電話の画面にはヒントとなる「96[7]13」の文字。

まもなく2回が終了した。男は2回の裏が終わったとき、その証拠を見せると言ったが、何も起こらない。だが、球場の外で数台の消防自動車が走っている。どうやら爆弾により、高野運輸ビルという建物が爆破されたらしいことがわかった。コナンと平次は悪戯電話でないことを悟る。甲子園スタンドで爆弾自殺など図られたら、とんでもない惨事になることは間違いない。

コナンは試合経過を知るラジオを借りるため、小五郎の元へと走った。そこでラジオ中継から甲子園球場の両翼の長さを知ったコナンは1つ目の携帯の在り処を推測。慌てて走るが、すでに3回の裏が終了しようとしていた。

いっぽう、足下で携帯電話が鳴っていることに気づいた女子高生が電話を拾いあげようとした瞬間、平次が飛び込んできて女子高生から携帯電話を取り上げる。何とか間に合ったコナンと平次だが、携帯電話には次のヒントである「47[3]4」という暗号が映し出された。

スタンドを走り回るコナンたちだが、なかなか暗号を解くことができない。しかし、甲子園の大きな屋根が"銀傘"と呼ばれていることを知ったコナンはついに2つめの暗号を解く。6回裏ツーアウト、もう時間がない。だが、何とか電話に平次が出ると、最後の暗号が送られてきた。そこには「…[…]13」としか書かれていない。ヒントとなる文字が席の段数を表す"13"としか書かれていなかったのだ…。

しばらくして高野運輸が1ヶ月前に事故を起こしており、トラックにひかれたのは春の甲子園で大金高校のエースと延長18回を投げ合って、惜敗した帝都実業のエースだということが判明。しかも、その子の父親である鳥光行雄が事故から行方不明だということがわかり…。


シーズン10

第01話
(384話)
標的は毛利小五郎 ある夜、酒を飲んで酔っぱらった小五郎が事務所へ帰る途中、建築現場から小五郎の頭上へ数本の鉄パイプが落ちてきた。偶然にも直撃をまぬがれた小五郎だったが、事務所へ戻ると携帯電話に「次は失敗しない、今度こそお前を殺す…」というメールが送られてくる。小五郎には全く心当たりがない。その時、蘭が小五郎の携帯と上着が違うことに気づく。どうやら飲みにいって間違えた上着を着てきてしまったようだ。上着の内側には"木村"という刺しゅうが入っている。要するに上着を間違えたために、木村という人と間違えて狙われたらしい。

翌日、コナンたちは小五郎が飲んだバー"レモン"に行き、マスターの井上に木村という男がどこに住んでいるか聞いてみるが、ボトルを入れただけで店には初めてきた客だという。メールを発信した携帯も盗まれたもので手がかりは全くない。だが、昨夜、鉄パイプが落ちてきた建築現場では右ひじに傷跡のある男が走り去っていくのが目撃されていた。いっぽう小五郎はまるで他人事のように関心を示さない。まもなく、コナンと蘭がクリーニング屋で聞き込みをしていると、1台の車が小五郎に向かって突っ込んでくる。間一髪でかわすが、車の中にはひじに傷のある男が乗っていた。その時、再び携帯にメール音が響く。文面は"木村、今度こそ必ず殺す"というものだった。怒った小五郎は自分を囮に犯人をおびき出すと息巻く。そこでコナンは犯人が小五郎の性格を知っている人物ではないかと疑うようになる。さらに"レモン"の井上から小五郎に木村の奥さんという人から電話があったと連絡が入り…

第02話
(385話)
ストラディバリウスの不協和音(前奏曲) 小五郎はコナンと蘭を連れて音楽一家である設楽家の屋敷を訪れた。依頼者は設楽蓮希。設楽家の当主・調一朗の孫娘である。コナンたちが執事の津田紅生に蓮希のいる部屋へ案内されると、そこに現れたのが有名な指揮者でもあり、調一朗の弟でもある弦三朗。さらに調一朗の甥、羽賀響輔もいる。彼はドラマやサントラを何本も抱えている天才作曲家だ。

まもなく、依頼内容を聞くため、小五郎たちは本館で蓮希の話を聞くことになった。テーブルの上には古いバイオリンが置いてある。このバイオリンこそ、数億円はするという伝説の名器だ。元々、響輔の父親である設楽弾二朗が、30年前に兄の調一朗に誕生日のプレゼントとして贈られたもの。しかし、誕生日の日に弾二朗は強盗に襲われ殺されてしまったという。そして2年前、弦三朗の妻・詠美が階段から足を踏み外して亡くなり、去年は蓮希の父親、降人が転落死していた。2人とも調一朗の誕生日に死んでおり、当日、ストラディバリウスを弾いていたのだ。まるで30年前の事件に呪われたように…。

そして今年は蓮希が弾くことになり、彼女は小五郎に依頼したと明かす。もちろん、弾かなければいいのだが、蓮希は、この名器で弾きたいと言い張る。そのとき、コナンが窓の外が明るいことに気づく。何と別館で火事が起こっていたのだ。コナンたちは炎が上がる弦三朗の部屋へ急ぐが、ドアに鍵がかかっていて開かない。小五郎と響輔がドアをぶち破って入ろうとするが、室内はすでに激しく炎が燃え盛っていた。さらに別館のオーディオルームには調一朗の妻・絢音が!コナンと響輔が炎の階段を駆け上がるが…。

第03話
(386話)
ストラディバリウスの不協和音(間奏曲) コナンと蘭は小五郎に連れられて音楽一家で有名な設楽家の屋敷を訪れた。この日は設楽家の当主・調一朗の誕生日。だが、この誕生日に2年連続で人が死んでいるので、調一朗の孫娘・蓮希の依頼で呼ばれたのだ。

そんな中、屋敷の別館で火災が起こり、調一郎の弟(三男)で指揮者の弦三朗が焼死した。火災原因は弦三朗の寝タバコだと判明。しかし、コナンは弦三朗がタバコをかむ癖があったことを発見し、火事の原因を寝タバコに見せかけた巧妙な放火だと推理する。ところが弦三朗の部屋には鍵がかかっており、完全な密室だった。さらに30年前に強盗に殺された弾二朗(次男)、2年前に階段から落ちて亡くなった弦三朗の妻・詠美、そして昨年、ベランダから墜落死した降人(調一朗の息子)のイニシャルを続けて読むと「D」「E」「F」「G」とアルファベットの順になっていることに気づく。

設楽家では代々、親族が亡くなるとレクイエムを演奏することになっているので、弾二朗の息子である響輔がバイオリンを弾くことになった。その演奏中、調一朗の妻・絢音が墜落死した。部屋にはまたも鍵がかかっており、中には壊れたバイオリンが転がっている。一見、数億円はするというストラディバリウスに見えるが、よく見ると偽物だ。絢音は偽物に悲観して窓から飛び降りたと警察は判断するが、コナンは…。

第04話
(387話)
ストラディバリウスの不協和音(後奏曲) 設楽家の当主・調一朗の孫娘・蓮希の依頼で小五郎はコナンと蘭を連れ設楽家の屋敷を訪れた。この日は調一朗の誕生日だったが、別館の火事で調一朗の弟・弦三朗が焼死。さらに調一朗の妻・絢音までもがベランダから落ちて墜落死した。2人とも事故に見えるが、コナンは巧みに仕組まれた殺人事件だと推理。しかも2年前、階段を踏み外して亡くなった弦三朗の妻・詠美と昨年、ベランダから転落死した蓮希の父親・降人から続く連続殺人事件だと…。

それは弦三朗の焼け焦げた部屋に残っていた指揮棒のケースと、上の穴だけが歪んでいる部屋の扉の受け金具。これはロックさせた扉を無理に壊したとしか考えられない。さらに絢音の側に落ちていたバイオリンのブリッジ。本物のストラディバリウスにもレプリカにもブリッジがあったことから、もう一台、バイオリンがあったことが推測できる。

コナンはいつものようにカーテンの影に隠れ、小五郎に麻酔針を発射すると、小五郎の声で関係者を集めさせた。まもなく、絢音の部屋に30年前に強盗に殺された弾二朗の息子・羽賀響輔と蓮希、執事の津曲紅生、そしてストラディバリウスを持った調一朗が顔をそろえる。そこでコナンはストラディバリウスを小五郎に弾かせようとする。だが、ストラディバリウスを小五郎に渡そうとした人間こそ、一連の犯人だと明かし…。

第05話
(388話)
薩摩に酔う小五郎(前編) 小五郎は鹿児島日売テレビの開局記念特番に出演するため鹿児島へやってきた。もちろんコナンと蘭も一緒である。収録後、番組プロデューサーの案内で幻の焼酎といわれる"高隈"の蔵元を訪れることとなった。完全限定生産の"高隈"が飲めるとあって小五郎も大喜びだ。

高隈酒造に到着すると、主人の白石覚志と妻の扶美子が笑顔で小五郎たちを迎える。そこへ週刊エンタの前園仁美という若い女性が取材にやってきた。しかし、白石も扶美子もそんな話は聞いていない。仁美によると専務の辰村慎介と仕込み作業を撮影すると約束したというのだ。すると、蔵子の中でも一番若い小杉大助と最年長蔵子の折田精一が毒づく。そして白石は雑菌の侵入が許されない仕込みは作り手以外の人間を蔵に入れることはできないと丁寧に断った。そこへ巨漢の辰村が現れる。どうやら辰村は蔵を機械化して、大量生産しようとしているため、白石をはじめとした従業員、全員に嫌われているようだ。さらに辰村は小五郎に高隈のイメージキャラクターになってくれるように頼み、観光案内を申し出る。そこへ扶美子が高隈の酒を喜んでくれたお礼に自ら案内すると約束。翌朝、観光案内をした扶美子にコナンがどうして辰村をクビにできないのか聞いてみた。すると、扶美子はまだ高隈の酒が売れていないころ、辰村の懸命の売り込みにより、つぶれなかったという恩があるのだと明かす。扶美子は小五郎に辰村の話を断るために案内役を買って出たのだ。その話を聞き、了解した小五郎は扶美子の車で辰村の家を訪れる。だが、家の中は血で染まり、同じく真っ赤な血がついたブロンズ象が転がっていた…。

第06話
(389話)
薩摩に酔う小五郎(後編) 小五郎に連れられて鹿児島にきたコナンと蘭は、幻の焼酎"高隈"を造っている蔵元・高隈酒造を訪れた。笑顔で迎えてくれたのは当主の白石覚志と妻の扶美子だ。翌日、扶美子の案内で鹿児島観光をしたコナンたちが専務の辰村慎介の家を訪れると、居間で血痕のついた置物を発見。その2日後、辰村の遺体が他殺死体で見つかった。

警察が容疑者として目をつけたのは白石と蔵で働く蔵子たち、そして雑誌記者の前園仁美だ。辰村は焼酎造りに機械化を導入しようとしており、全員が辰村を憎んでいた。しかも1人もアリバイがない。。

コナンはなぜ犯人が辰村を殺した後、わざわざ家の中から運び出したのか。また、どうして2日たってから、遺体を発見させたのか。この2つの謎さえわかれば、犯人が特定できると推理をめぐらす。

そんな中、コナンは蔵子の折田精一から扶美子が蔵子の娘だったと知る。しかし、父親は扶美子が中学に上がってまもなく病気で亡くなってしまったため、先代が生活を援助し、看護学校まで進学させてあげたという話を聞く。ついにコナンは2つの謎を解明した。だが、まだ確証はない。そこでコナンは小五郎の声で警察にあることを調べてもらうよう依頼すると…。

第07話
(390話)
本庁の刑事恋物語6(前編) 目暮警部は松本管理官から、鳥取県警からの要請で全国を中心に荒し回っている窃盗団の合同捜査に捜査一課から、誰かを派遣してくれと頼まれる。そこで松本管理官が高木を推薦。これを盗み聞きしていた交通課の由美は捜査一課の警部たちに報告した。高木刑事もこれを聞き、ぼう然となる。佐藤刑事と別れたくないからだ。

まもなく高層マンションの23階で男性の刺殺死体が発見されたとの通報を受け、佐藤と高木、そしてベテランの長さんが現場へ急行した。刺殺されたのは会社員の仲本広俊。死亡推定時刻は午前7時から7時半の間で凶器は刃渡り18センチの文化包丁。第一発見者は婚約者の志村由衣である。彼女は死んだ仲本は敵を作るタイプだから、恨みを持っている人もいると証言した。

学校帰りのコナンたちは偶然、この現場の前を通り、高木刑事らと合う。そこで殺人事件があったことを知り、コナンたちは学校へ行く途中、この辺りであやしい人影を見たことを思い出す。グレーのパーカーを着たその男の顔を歩美が覚えていた。被害者の持っていたアルバムから、その男が被害者の同僚で加藤彰だと判明。早速、加藤が居候しているという友人の家へ向かうと、そこは何と千葉刑事のマンションだった。しかも朝7時から千葉は加藤に起こされて、8時まで一緒にテレビを見ていたという。そこで由衣が加藤に向かって激怒。どうやら加藤は由衣の元カレらしい。だが加藤の完璧なアリバイを崩すことはできず…。

第08話
(391話)
本庁の刑事恋物語6(後編) 高層マンションの23階で会社員の仲本広俊が刺殺された。この死亡推定時刻にコナンたちは近くで偶然、不審な男を目撃。黒いリュックを背負ったグレーのパーカーの男だ。

まもなく、その男は被害者の同僚・加藤彰だと判明した。しかし、加藤は千葉刑事のマンションに居候しており、犯行時刻に千葉と一緒にテレビを観ていたという。これに千葉も同意した。殺害現場までは車で1時間以上かかる。しかし、寝室、台所、そして玄関の掛け時計を見たコナンは、やはり犯人は加藤だと確信。だが、トリックも証拠も見つからない。さらに寝室やごみ袋を探すが、不審な男が着ていたパーカーも黒いリュックも見当たらない。

加藤が千葉と一緒に見ていた番組は『朝生セブン』。死亡推定時刻と同じ7時から放送しているが、コナンはケーブルテレビでも朝9時から放送していることを発見した。つまり、朝7時過ぎに現場で仲本を殺害し、千葉の家へ戻って、千葉を起こせば偽のアリバイを作ることができるのだ。昨夜、2人で酒を飲んでいたのも、千葉を寝坊させる作戦かもしれない。

しかし、『朝生セブン』を8時まで観た後、加藤は千葉と6時間ビデオを観て、午後2時から放送していた野球中継を観ている。そこに高木たちが訪ねてきたというのだ。千葉の側にいなかったのは千葉が風呂に入っていた30分だけ。どうしても時間があわない。だが、コナンは2台のビデオがあることに着目し…。

第09話
(392話)
謎めく身長差20cm 蘭に無理やり歯医者へ連れていかれるコナンは途中、町工場で捜査中の高木刑事と遭遇。どうやら殺人事件のようだ。事件の経緯を聞くと、被害者はこの工場の社長で北村勝五郎。死亡推定時刻は午後4時から10時の間だ。しかし、被疑者と目される人物はすでに逮捕されていた。北村の高校時代の同級生で小さな洋食屋のオーナーシェフ、南田優一。北村に300万円の借金があり、返済の延期を断られ、切羽詰まってナイフで殺害したと思われる。しかも南田の土地を狙う北村は、衛生管理に関するあらぬ噂を流し、南田の店を傾かせ、300万円を南田に貸し付けていた。犯行動機は十分である。

犯行日、午後1時に北村の工場を訪れた南田が北村に土下座しているところを従業員に目撃されている。しかし、ひとつ問題があった。背の高い人間が低い人間を刺すとき、ナイフの角度は斜め上になるのだが、北村の胸に刺さっていたナイフの角度は斜め下。身長166cmの北村より20cmも背が高い南田の犯行ではあり得ないのだ。被害者は正面から刺されており、隙を突かれたとは考えにくい。しかも南田は右足首を捻挫し、ギプスで固定していた。そこで高木刑事は再捜査をしているという。

現場の社長室を見回したコナンは被害者が老眼鏡をしていたことに気づく。そして遺体の側に整然と並んで残されているスリッパ。ここからコナンはトリックを解明するのだが…。

第10話
(393話)
誘拐…らしい事件 午後2時30分の毛利探偵事務所。小五郎はいつものように昼寝の真っ最中だ。そのとき、急ブレーキ音に続いて激突音が響き、小五郎は飛び起きた。窓から外を見ると、電柱に激突して横転したバイクと投げ出された人の姿があった。バイクに乗っていた男は即死。だが、バイクに積まれていたトランクにはギッシリと札束が入っている。同封されていた手紙を読むと、この大金は誘拐された人質を奪い返すために家族が用意した身代金であるらしい。しかも手紙には人質の男性は腎臓に疾患があり、6時間ごとに薬を投与しなければ、命にかかわると書いてある。

まもなく、誘拐されたのは堂本正三郎という金属加工会社の経営者であることが判明。早速、目暮警部とともに小五郎、コナンが自宅に行くと、娘婿の秋成と妻の光子、そしてお手伝いの昌代が悲痛な面持ちで犯人からの連絡を待っていた。秋成らは警察がきたことに驚くが、犯人が事故死したことを知りぼう然とする。正三郎が最後に薬を投与したのは朝の9時。現在、時計はすでに3時30分を回っている。光子によるとすぐに容態が急変する訳ではないが、8時間以上間をあけると絶望的だという。タイムリミットまで後1時間30分。

目暮警部が事件の経緯を聞くと、午前9時に父の注射を打った光子が外へ出かけると、正三郎は9時30分ごろ散歩へ。10時に秋成が自分の書斎へ入ってから1時間後、犯人から電話がかかってきたという。

そこへ目暮警部に事故死した男、平野猛は一週間ほど前、誰かに何かを頼まれ、その報酬を前金でもらっていたという連絡が入る。そこでコナンは犯人の本当の目的に気づき…。

第11話
(394話)
奇抜な屋敷の大冒険(封印編) コナンは少年探偵団と哀、そして阿笠と一緒にキャンプにやってきた。テント脇でコナンと阿笠が黒ずくめの組織のボスのメールアドレスを分析していると、薪を拾っていた歩美たちが現れ、森の辺りで文字が刻んである四角い石の箱を見つけたという。早速、皆で石の箱を見つけた場所へ行ってみると、そこには朽ち果てた屋敷が建っていた。

歩美たちはこの屋敷の目の前にある沼で石の箱を見つけたという。石の箱を見た阿笠は石灯籠の火袋の部分だと指摘。そして、沼の中を良く見ると、灯籠と思しき無数の石が沈んでいた。この光景を見たコナンは、灯籠に記された暗号を解読されてお宝を横取りされないように誰かがまとめて沈めたと推理。元太たちはお宝と聞いて驚きの声をあげる。

さらにコナンは沼底の男性の手に気付く。灯籠を沈めたのは殺人を隠すためでもあったのだ。沼から引き上げた遺体は玉井照尚というトレジャーハンター。コナンは状況から見て玉井は絞殺され、沼に沈められたと推理する。玉井のズボンの折り返しには炎と刻まれた勾玉が入っていた。阿笠は携帯が圏外で警察に連絡が取れないため、テントに戻る。

歩美、光彦、元太は暗号を解読してお宝を探そうと言い出す。この後、哀は玉井の手帳を発見。手帳には、日本各地に散らばった財宝の資料や地図のほか、使える相棒と組めたし、これならあのキザなコソドロを出し抜けるというメモが書かれていた。一瞬、コナンの脳裏に怪盗キッドの姿が過る…。そして、コナンは石に刻まれた文字が江戸時代のカラクリ人形師、吉右衛門の暗号と気付き、カラクリ屋敷に隠されたお宝を探すことに…。

第12話
(395話)
奇抜な屋敷の大冒険(絡繰編) 阿笠が警察を呼んで戻るまで、からくり屋敷で宝探しをすることになったコナンたち。一同は宝を狙う怪盗キッドが中に潜んでいると考え、気を引き締める。まず、コナンは灯籠の暗号を解読しようとするが、元太は我慢できずに屋敷内へ。そして、元太はいきなり仕掛け階段の罠に引っ掛かってしまう。

そんな元太を救う人物がいた。トレジャーハンターの須藤雲造だ。須藤は目に見えた物を鵜呑みにすると危険だと助言。コナンたちは警戒しつつも仕掛けに詳しい須藤と行動を共にする。一行が歩を進めていくと前方に橋のかかった川が流れていた。須藤は橋の仕掛けを簡単に見破り、2階へと上がっていく。

その直後、暗闇からナイフが飛んできて元太の肩口の板壁に刺さる。ナイフを投げたのはトレジャーハンターの推沙利奈。よく見るとナイフの先には毒蜘蛛が…。沙利奈は元太を助けてくれたのだ。宝を求めてコナンたちは梯子を登って最上階へ。だが3階には何もなく、歩美は宝が屋根の上にあると推測。上へ続く梯子に元太が手をかけた瞬間、コナンは罠だと気付き、声を上げる。

しかし、間に合わずに元太、光彦、歩美、哀は開いた床下へ落下。コナンは道具を使って元太たちを救い、なんとか屋敷の最下層へ降り立つ。この後、沙利奈と須藤も後を追って地下へ。一行が地下をライトで照らすと一面にガイコツが浮かび上がり、その中に老婆を発見。近づくと老婆の千住えりは突然…。

第13話
(396話)
奇抜な屋敷の大冒険(解決編) 文字の刻まれた勾玉、石鏡を手に入れたコナン達と須藤雲造、推沙利奈、千住りえ。三種の神器の残り1つ、草薙の剣を見つければ宝の場所がわかると推理し、地下から脱出を図る。そんな折、哀は玉井照尚の手帳が乾いて読めるようになった事に気付く。手帳を読むと玉井は相棒に殺された事が判明する。

須藤の案内で一行が地下の出口に向かうと八つの滝を発見する。滝は赤味を帯びた温泉水で湯気がたっている。コナンは8つの頭と尾を持つ伝説の大蛇と滝をダブらせ、支流の何処かに剣があると推理。そして、元太が支流の先を調べようと壁に手をつけると、壁の一部が凹み、水位が下がり始める…。

水路の水は無くなり、奥へ通れるようになる。すると、千住が元太を突き飛ばして奥へと走っていき、須藤、沙利奈もその後を追う。水路の出口には空間が広がり、中央に剣が突き刺さった石の台座がある。千住が剣に近づこうと一歩踏み出した瞬間、刃が襲い掛かる。千住は間一髪で刃をかわして水路に戻る。一行は、床に重さを加えると刃が襲ってくる仕掛けに戸惑う。

しかし、コナンは逆に仕掛けを利用して台座へ降り立つ。剣には「竜」と刻まれている。勾玉の「炎」、石鏡の「永」、そして剣の「竜」、文字は全て揃うが誰も暗号を解読する事ができない。もう一度、宝を探すという須藤、沙利奈と別れ、コナンと千住は屋敷の外へ。そして、千住が森に去っていくと、哀はコナンに宝の在り処を教えてと言う。実はコナンは暗号を解いていたのだ…。

第14話
(397話)
辛く苦く甘い汁 コナンと小五郎は、散歩中に警官の木下と和菓子屋「夕月」の相川悦子、検死官の辻村が揉み合う場面に遭遇し、3人から事情を聞く事に。話によると、2時間前の午前9時、悦子はマンションの105号室から出てくる怪しい男を目撃。通報を受けた木下らが部屋に入ると女性の遺体を発見したという。

遺体は借主で消費者金融のOL、小沢文枝。悦子は怪しい男と文枝が写った写真を室内で見つけ、その男が犯人と主張する。が、首を吊って遺書もある状況から木下は自殺と判断。死亡推定時刻は昨夜の6時から8時の間で、悦子が見た男が犯人なら殺害後、13時間以上も遺体と一緒にいた事になる。

この後、小五郎はパソコンのメールで送られた遺書を確認する。送信先は文江と同じ課の主任、清水良太で、送信時間は昨日の夕方5時45分。会社の3千万円を横領し、死んで償うという内容だった。そんな中、コナンは机上のアルバムに気付く。アルバムは一箇所だけ写真が剥がされ、白い粉末が付着していた。コナンが調べると、白い粉の正体は片栗粉と判明する。

小五郎は自殺と結論を出すが、警察の調べで清水と写真の男は同一人物と判明。休暇中の清水を呼び出して話を聞く事に。悦子が姿を目撃した時刻は空港ロビーにいて、殺害時刻は広島で小学校のクラス会に参加していたと清水。この後、アリバイは確認されるが、それでも悦子は清水が犯人と主張して…。

第15話
(398話)
奇妙な一家の依頼(前編) 「家族連れで」という条件付きの仕事依頼を受けた小五郎は、コナンと蘭をレンタカーに乗せて依頼人の家へ向かう。依頼人の狩谷伴子は小五郎たちを客室に招き、携帯電話を探してほしいと依頼。今夜、不倫相手からメールが届くらしく、そのメールを夫や義父、弟たちに見られたら困ると伴子は怯える。

伴子は不倫相手から非通知で電話がくるため、連絡先を知らないと説明。週末には必ずメールが届くという。伴子が携帯を無くした事に気付いたのは一昨日の夜で、携帯に電話すると誰かが出て無言で切れたらしい。その時、義父の尺八が電話から聞こえたため、伴子は家の誰かが持っていると判断したという。

小五郎は伴子の同級生と偽ってコナン、蘭と調査を開始。義父、大策の部屋へ行き、蘭が伴子の携帯を鳴らすと大策はブルッと震える。が、それは厠が近かったためで、携帯はコールを受けてすぐに切れたという。大策が席を立った後、伴子は大策の話をしながら12年前の事件…と口走るが、すぐに誤魔化す。

小五郎たちは小説家の弟、滋英やイラストレーターの夫、嗣貴の部屋にも行くが2人とも疑わしい点はない。この後、玄関のチャイムが突然鳴り続ける。コナンが玄関に走ると、そこには外を見回すハウスキーパーの加藤、中村の姿。玄関を開けると誰もいなかったという。そこへ携帯が見つかったという伴子が現れ、調査は終了するが…。帰り道、阿笠の家に立ち寄ったコナンは、堤無津川沿いに停車中の車内で伴子の遺体が発見されたというニュースを目にする。

第16話
(399話)
奇妙な一家の依頼(後編) 狩谷伴子が殺害され、コナン、目暮警部らは狩谷家の人に話を聞く。犯人は伴子の携帯のロックを解除した人物と推理するコナンら。1万通りの暗証番号を試せるのは部屋にこもる大策、滋英、嗣貴と考える。そんな中、蘭が目の前のコナンにメールを送信。その直後、玄関チャイムが鳴るが玄関には誰もいない。この日は昼間、午後8時にもチャイムが鳴り、今のが3回目と悪戯だった。

目暮は伴子の不倫相手のメールを見た時、動機に繋がるのは夫の嗣貴と推理するが、中村は浮気には大策も敏感と発言。12年前、三男の叡祐が恋人の素花を泊めたいと自宅に電話した時、素花が浮気している事に気付いていた大策は激怒。その後、素花は何者かに殺害され、叡祐は行方不明になったという。

目暮たちは滋英にも動機があると判断、3人に犯行時刻となる午後7時半のアリバイを再度確認する。その時間、中村と加藤が夕食を3人の部屋の前に運ぶと、大策は障子越しに「今日は珍しくカレーライスか」と言い、滋英は障子越しに手を上げ、嗣貴は返事をしなかったがパイプの煙の匂いがしたという。

中村たちは直接3人の姿を見ていないが、3人は部屋にいたと言い張っている。この後、嗣貴が玄関のチャイムを鳴らす悪戯に腹を立てていた事が判明。加藤によれば、以前から電話の悪戯もあり、この日も午後8時過ぎに1度鳴って切れる電話があったという。それを聞いたコナンは蘭に先ほどメールを送ったかを確認し、蘭が認めると犯人の目星をつける…。

第17話
(400話)
疑惑を持った蘭 最近、蘭はコナンの正体は新一だと疑っている。夕食後、蘭が声をかけただけでコナンは動揺。コナンは自分への疑惑に気付いている…と蘭は確信する。この後、蘭は事務所に行ってコナンの携帯電話を取り出す。コナンが落とした携帯を拾っていたのだ。蘭は新一に送ったメールがコナンの携帯に届いていれば、動かぬ証拠になると考え、携帯の電源を入れようとする。

その時、蘭は勝手に携帯を見る事に罪の意識を感じる。が、真実を知りたいという願望に負け、蘭が電源を入れると画面にダイヤルロックの表示。蘭はロックを解除しようと4桁の暗証番号を思案する。蘭は新一や自分の誕生日を入力するが失敗。1万通りある暗証番号を順番に入力する方法も途中で諦める。

この後、外で車のクラクションが鳴り、蘭は車を確認。「46-49」(ヨロシク)という車のナンバーを見て蘭は半年前の事を思い出す…。半年前、蘭は新一と映画を観に行く。帰りのバスで新一は車を見てブツブツと独り言を言う。新一は車のナンバーからゴロ合わせを考え、暗号を解く練習をしていたのだ。

2人が話をしていると黒い車がバスを追い抜く。黒い車のナンバー「し15-64」を見た新一は次のバス停で外へ飛び出し、蘭も訳がわからないまま後を追う。新一は黒い車を追おうとするが既に見失った後。その時、路地から警官が偶然現れる。新一は偽造プレートをつけた黒い車の事を警官に報告。新一は偽造プレートから犯罪を計画していると推理するが…。

第18話
(401話)
宝石強盗現行犯(前編) 下校中、コナンらは宝石店へ入る高木刑事を見かける。高木は佐藤刑事が気に入っているというブローチを買いに来たのだ。後を追ってきたコナンらに冷やかされながら高木はブローチを取り出してもらう。その時、ヘルメットに手袋、レインコート姿の強盗犯が現れ、金属バットをショーケースに振り下ろす。

男は右手に拳銃を構え、左手で「バッグに宝石を詰めろ」と書かれたスケッチブックを見せる。高木は警察と名乗るが、強盗犯は笑った後、ブローチをポケットに入れ、宝石を入れたバッグを持って逃亡。高木、コナンらにビル屋上へ追い詰められた男はフェンスを越え、道路のトラックの屋根に落下する。

男は運送屋のトラックの上で頭から血を流して死亡。高木は現場保存を引っ越し中の運送屋に要請。この後、高木は引っ越し主の猫田栄信にも同じ事を頼む。男が飛び降りた事にコナンが疑問を抱く中、佐藤刑事と白鳥警部が現場検証を行う。コナンは男のポケットからブローチが無くなった事、ヘルメットを被っていたのに頭から大量の血が流れた事など、他の不可解な点にも気付く。

この後、強盗犯は猫田の会社に勤める後村と判明する。猫田は会社縮小のため、会社創立の時から働く後村を先週解雇したと説明。引っ越しも会社縮小のためという。一行は男が飛び降りたビルの真向かいに位置するビル9階の元オフィスとそのビルの5階の猫田宅へ向かう。そして、6階に住む伊坂や運送屋に話を聞いたコナンは猫田が事件に関係していると推理するが…。

第19話
(402話)
宝石強盗現行犯(後編) コナンは6階に住む伊坂や運送屋に話を聞いた後、猫田宅の自転車競技用ヘルメットやベッドの濡れたマットを見て、ビルから身投げしたと見せかけ、後村の命を絶ったのは猫田と疑う。一方、佐藤刑事らは後村が飛び降り自殺したと考え、署に戻ろうとする。この後、コナンは猫田宅の4階上にある9階の元の会社へ行き、歩美らのいる猫田宅のベランダにロープを垂らす。

光彦らは後村の身投げを知る前に、なぜ私服姿の高木を刑事と知っていたかと猫田に訊ねる。さらに光彦らは子供である自分たちが自宅に入って来た時になぜ怒らなかったかと猫田に質問。大人なら刑事と思うが、子供が入ってきて疑問を持たないのは事件に関わった証人と知っていたからだと指摘する。

高木は自分が刑事という事や子供も事件に関わっている事を事前に知っていた猫田を宝石強盗犯と疑い始める。猫田は動揺するが、自分が犯人なら飛び降りた後、どこに消えたのかと反論。続けて、猫田は51歳という年齢では刑事を振り切って屋上に駆け上がれないと自分の無実を訴える。

すると歩美の探偵団バッジからコナンの声。犯人の飛び降りたビルから連絡を入れるコナンは、猫田がトライアスロンをやっていた事から刑事を振り切る事は容易だと指摘した後、屋上へ移動する。コナンは伊坂が数日前の深夜2時頃に聞いた「ドスン」という変な音とカーテン越しに細長い棒のような影を見たという証言の謎が解けたと説明。この後、コナンは元の会社のベランダの手すりに通したロープを使い、犯人が投身後に消えたトリックを暴く…。

第20話
(403話)
不思議な天使の館(前編) 少年探偵団に隣のクラスの松中ユリコが協力を依頼する。ユリコによると、曾祖父で荒ぶる牛と畏れられた相場師、伊勢川剛三が亡くなる前に秘書の時計に遺言を残したという。それは謎を解いた者に宝を与えるというもの。謎解きの猶予は24時間で、時間が過ぎれば相続権は消滅。相続権の高い者から挑戦でき、父母を亡くしたユリコに17番目の挑戦者として順番が回ってきたらしい。

謎解きが行われる場所は曾祖父の家「天使の館」。ユリコが母も暮らしていた家を見たいと話していると、そこへ時計が現れ、一同を森の奥にある館へ案内する。敷地内には東西南北の位置に4つの尖塔があり、その上に天使の像。伊勢川が息を引き取ったのは北の館で、東の館は仕事場、南の館は移住した当時は子供と使用人が使用し、薄汚れた西の館には近づいてはいけないという。

各館の屋根裏にミノタウロスの彫刻があるほか、ドアノック、窓の飾りなど、館の至る処に牛を使用。敷地の中心には荒ぶる牛の館が建てられている。時計が館の案内を一通り終えたところで、コナンは謎に関する話をして欲しいと要求する。が、時計はまだその時ではないと話し、一同は夕食を済ませる。

そして、午後9時になると、時計は「ウシのツノが消え、尾が頭となる時、天使が舞い降りて笛を吹く。その調べこそ、我が宝なり」と謎について一同に説明する。タイムリミットは翌日の午後9時。時計の言葉を頼りに元太と光彦が謎を解こうと単独行動を始めた頃、灰原と歩美も謎解きに動き出すが…。

第21話
(404話)
不思議な天使の館(後編) 少年探偵団と灰原は、ユリコの曾祖父、伊勢川剛三が残した財宝を見つけるため、「天使の館」へ。秘書兼遺言執行人の時計から聞いた剛三の言葉をヒントに一行は謎解きを進める。そしてコナンは北の天使の塔で黒水晶を発見。次の手掛かりは南の天使の塔にあると推理するが、塔の仕掛けによってコナンらは地下へ転げ落ちる。時計はそのドサクサに紛れ、ユリコを連れ去ってしまう。

地下に広がるのは鍾乳洞のような迷路。少年探偵団は仲間割れを起こすが、すぐにユリコを助けるために団結。この後、コナンは迷宮が西の館まで続くと推理する。そして、コナンらはミノタウロスの神話から糸を垂らしながら進めば、迷わずに出口まで辿り着けると考え、洋服から毛玉を作って実行に移す。

黒水晶を見つめていたコナンが次の謎を解いたと言った直後、ようやく出口を発見する。迷宮の出口、西の館の暖炉から出てきたコナンらを待っていたのはユリコと時計だった。コナンらは時計がユリコを誘拐したと思っていたが、時計は塔の仕掛けからユリコを助けただけと弁解し、一同の誤解を解く。

時刻は午後6時。タイムリミットの午後9時まで3時間しかない。次の謎を解いたコナンだったが、財宝を拝むのは不可能だと発言。南の天使の塔を開けるには今夜の午前0時を待たなければならないと説明する。そして、時間が経過して午後8時に。一行は南の天使の塔の扉を開ける方法を思案するが…

第22話
(405話)
救急車を呼びに行った男 午前5時、住宅街をジョギング中の広松広は頭から血を流して倒れている男性を発見し、119番通報する。が、救急車が遅いため、広松は消防署へ迎えに行く。しばらく後、現場で米花東署の桜田泰造警部補が姿を消した第一発見者を捜していると、救急車に乗って広松が現れる。だが、男性は後頭部を鈍器で一撃されて即死の状態。にも関わらず、救急車を呼んだ広松に桜田は疑いの眼差しを向ける。偶然通りかかったコナンは野次馬に紛れ、状況を見つめる。

被害者は大久保岩男。ニッコリ笑いながらVサインをして亡くなっていた。桜田は広松に第一発見者として用紙に必要事項を記入させ、彼の職業がお笑いタレントとわかる。書き終えた用紙に目を通した桜田は広松を睨みつける。広松が動揺していると、本庁の高木刑事が現場に到着する。

コナンは高木に声をかけ、桜田が広松を疑っている事を教える。そこへタクシーに乗って安永事務所の安永雪子と俳優の水原良二が駆けつける。大久保は水原のマネージャーで、偶然にも水原と広松は同じアパートの隣り同士。昨夜、大久保は水原の部屋を訪ね、水原と今後の仕事について話し合い、朝4時半に部屋を後にしたという。その10分後に大久保は殺害されたのだ。

この後、凶器の鉄パイプが現場と消防署の間にある上高田橋の下で発見される。桜田は広松が消防署へ向かったのは凶器を処分するためと疑う。さらに桜田は被害者の亡くなった時の姿はダイイングメッセージと説明。広松の芸名、にっこりピースを伝えるものだと桜田は推理するが…。

第23話
(406話)
コナン平次の推理マジック(仕掛編) コナンは蘭、平次、和葉と一緒に「星河童吾超奇術ショー」を観に行く。ショーが開演すると、星河は空中浮遊などの華麗なマジックを次々に披露する。蘭と和葉は大喜びするが、コナンと平次はマジックのタネを暴いてばかり。そして、ショーの最後は水中からの脱出。両手両足に手錠をかけられた星河は鎖で封印された水槽の中へ。しかし、10分経っても星河は脱出できずにいる。

様子がおかしいと気付いた蘭と和葉が心配して舞台へ駆け上がった直後、星河が水槽から脱出に成功する。閉演後、蘭と和葉は楽屋へ行き、舞台に上がった事を謝罪。星河が快く2人を許すと、そこにマジシャンの範田力、姫宮展子が現れる。星河、範田、姫宮は10年前に姿を消した謎のマジシャン、Mr.正影の弟子で、姫宮は誰が正統な後継者かをはっきりさせようと言い出す。

範田は正影の家で相談しようと提案。この日は正影が10年前に消えた日だった。そして、範田に誘われてコナンらも正影の家へ行く事に。一行は正影の妻、満里に迎えられて邸内へ。昔、3人はこの家に住み込んで正影の特訓を受けていたという。この後、満里は夕食の仕度に取り掛かる。夕食ができるまで家の中を回るという姫宮。範田は疲れているので部屋で休むという。

この後、夕食ができあがり、星河は蘭、和葉と一緒に姫宮がいそうな2階の正影の部屋に向かう。星河は部屋のスイッチを押すが灯りは点かない。すると突然、邸内の全ての明かりが消えてしまう。1階のコナンがブレーカーを上げると邸内は明るさを取り戻す。その直後、星河らは廊下の先で頭から血を流して倒れる姫宮を発見する…。

第24話
(407話)
コナン平次の推理マジック(館編) 星河、蘭、和葉は2階の廊下で姫宮の遺体を発見。死後30分以上は経過していた。星河は正影の部屋から警察に電話を入れ、コナンはその部屋の窓が開いている事に気付く。そして、遺体の横の資料倉庫が何者かに荒らされていた。資料庫には正影のオリジナルマジックのネタ帳、正影ノートがあるという。

しばらくして目暮警部と高木刑事が現場に到着。犯人は資料庫のネタ帳を盗んだ後、停電を利用して正影の部屋の窓から逃げる計画だったが、姿を見られたため、姫宮を殺害したと平次は推理する。そして、平次は停電中に姫宮の遺体を廊下に引っ張り出せた星河にも疑いの眼差しを向ける。だが、和葉は停電中、星河に抱きついていたと説明し、星河の身の潔白を証明する。

停電中、範田は資料庫の真下の部屋で仮眠。満里は範田を起こすため、部屋の扉を開けた時に停電になったという。目暮は範田と満里にも犯行は無理と考える。そして、目暮が正影に恨みや妬みを持つ人物はいないか訊ねると、満里は正影にマジックをパクられたと怒る人物が5年前に家に来た事を明かす。さらに事情聴取が続くと、満里は正影のクリスマスツリーのマジックは評判が良かったと言ってからハッとした表情に。範田と星河もドキッとした表情になる。

この後、平次は5年前の人物が写る写真を探すため、アルバムを確認しようと提案する。平次は正影がクリスマスツリーのマジックを披露する写真を発見。ツリーの場所は姫宮の遺体があった場所と同じだった。そして、コナンは若い頃の範田、星河、姫宮が一緒に写る写真を見て、ある事に気付く…。

第25話
(408話)
コナン平次の推理マジック(解決編) コナンと平次は、若い頃の範田、星河、姫宮が一緒に写る写真を見て、何かに気付く。この後、蘭と和葉は停電の前と後で花瓶の影が違っていた事を思い出す。停電前、月明かりは真後ろからあたっていたが、停電後は横からあたっていたという。それを聞いた平次は短時間での影の変化に疑問を持つ。

この後、目暮、コナンらは、範田が仮眠していた部屋へ行き、停電した時の状況を満里と範田に訊ねる。満里は1分ぐらいじっとしていたと説明。範田から目が暗闇に慣れるまで動かない方が良いと言われたという。コナンと平次は部屋にある小窓から外へ出る事は無理と考え、2人の犯行は不可能と判断する。

その時、庭の窓のところに千葉がやってくる。千葉は庭の植え込みの枝が何本か折れている事に気付き、周りに足跡も発見したという。犯人は姫宮の遺体を廊下に置いた後、正影の部屋の窓から飛び降り、植え込みに着地して逃亡したという平次の最初の推理が正しいと目暮は考える

そして、目暮は付近で不審な人物の目撃情報はないか、千葉に聞き込み捜査の指示を出す。その直後、コナンと平次は窓ガラスに映った自分たちの顔を見てハッとした表情になり、しばらく窓ガラスを見つめる。この後、平次は姫宮を撲殺した犯人がわかったと目暮に告げる…。

第26話
(409話)
同時進行 舞台と誘拐(前編) 舞台で芝居の稽古をするコナン、少年探偵団の面々。伊東玉之助が座長を務める旅芝居の一座が公演を打つ事になり、コナンらも特別編に出演する事になったのだ。玉之助は休んでいた一座の役者たちに稽古するように指示。玉之助は片岡れんげには特に厳しく指導を行う。舞台の演目は「竹取物語」で、玉之助は帝役、れんげはかぐや姫役を演じるという。

蘭は園子に連れられ、一座が稽古中の米花シアターへ。そこに片岡コンツェルン会長の片岡半四郎、秘書の大貫宗一が現れる。片岡はれんげを外へ連れ出そうとする。片岡はれんげの父親で、れんげは半年も家出していたという。3日後に公演初日を控え、役者たちは困惑。すると玉之助はれんげが戻るまで、蘭をかぐや姫の代役に。結局、片岡はれんげを強引に連れ帰ってしまう。

だが、れんげが戻らないまま公演初日を迎え、上演時刻の午後2時まで3時間に迫る。玉之助はれんげを迎えに行くと言い出し、コナンと蘭も一緒に片岡邸へ。コナンらがインターホンを押すと高木刑事の声。応接間に通されると目暮警部や小五郎らが待機していた。昨夜かられんげの消息がつかめないという。

この後、一同が囲んでいたノートパソコンに映像が配信される。映像には倉庫のような場所に猿ぐつわをされ、縛られた状態のれんげの姿。そして、身代金1億5千万円を要求する文字。午後2時までに用意して、秘書に指定する駐車場に運ばせるようにと指示が出る。れんげは何者かに誘拐されていたのだ…。

第27話
(410話)
同時進行 舞台と誘拐(後編) コナンは、れんげの誘拐が狂言と気付くが監禁場所に姿はない。れんげは本当に誘拐されてしまったのだ。米花シアターでは、玉之助一座の舞台「かぐや姫」が公演初日を迎え、蘭はれんげの代役として舞台に立つ事に。1時間半後のクライマックスまでに主役のれんげを見つけ出そうと、コナンは少年探偵団と共に始動。1時間後に帝として舞台に立つ玉之助もコナンに協力する。

一方、警察の捜査も同時に進行。大貫は身代金を持って指定された駐車場へ向かう。大貫は犯人の指示に従って指定された車に乗り換える。すると犯人から携帯電話に連絡が入り、大貫は通りを北進するように指示を受ける。目暮と高木は覆面パトカーに乗って大貫の車を追走する。

コナンらは再び監禁場所の倉庫を調査。玉之助は、狂言を手伝った人物が本物の誘拐犯になったと推理し、コナンも同意する。そしてコナンは窓から外を眺め、ある事に気付く…。大貫は犯人に追走する覆面パトを巻くように指示を受ける。一旦、巻かれた覆面パトが大貫の車に追いつくと、犯人に身代金を奪われた後だった。人質は安全を確認してから返すという。

コナンらは大貫が襲われた現場へ行き、目暮らと合流する。場所が袋小路だったため、目撃者はいないという。コナンは現場脇にある商店街に数台の防犯カメラが設置されている事に気付く。コナンらは商店街事務所で防犯カメラの映像を確認。犯行現場は映っていなかったが、コナンは犯人の目星をつける…。

第28話
(411話)
神社鳥居ビックリ暗号(前編)

コナン、少年探偵団、哀は阿笠と森へ昆虫採集に出掛ける。昨夜は天灯祭りがあったため、山中にはゴミが散乱。近くの神社の鳥居から八百万の神々を模した山車が出発したのだ。この後、昆虫が採れないでいると、阿笠はお宝を用意していると言って「マルムシニテント」という暗号が書かれた紙を取り出す。 元太たちはコナンに阿笠の暗号を解いてもらおうとするが、哀は頼るのは良くないと発言。元太らは自分たちで暗号を解こうと試みる。だが、コナンも暗号を解読する事ができずにいた。哀と阿笠がコナンをバカにしていると、園子からコナンの携帯に女性の水着姿の写メールが送られてくる。 その直後、園子と海に行っている蘭から携帯に連絡が入り、コナンは変声機を使って新一として電話に出る。蘭は写メールの画像を消してとお願いしてくる。水着の女性は蘭だったのだ。この後、元太が丸虫温泉旅館という建物を見つけるが、既に旅館は潰れていた。暗号が解けない元太らは降参してしまう。 だが、コナンだけは暗号を解こうと考え込んでいる。すると、コナンの携帯に再び蘭から連絡。蘭は同じホテルに宿泊する見山という男性が殺害され、自分たちも襲われたと助けを求めてくる。見山の宿泊する部屋の窓ガラスには「teiu」という文字が書いてあったという。コナンはその暗号を解読して…。

第29話
(412話)
神社鳥居ビックリ暗号(後編)

コナンらは阿笠の出した暗号「マルムシニテント」をなかなか解く事ができない。そんな折、園子の携帯からコナンの携帯にメールが届く。送り主は園子のバッグを拾った人物。ひったくり犯は財布だけ盗んでバックを捨てたらしい。だが、コナンは電話ではなく、メールを送ってきた相手の行動が腑に落ちない。 コナンは変声機を使って新一として蘭に連絡。コナンは携帯の電池がきれそうと慌てる蘭にバッグを拾った人物から連絡があると思うと伝える。その時、警察署にいた蘭は、これからホテルに帰るとコナンに説明。蘭と園子は殺害された見山の友人、嘉納にホテルまで車で送ってもらうという。 この後、コナンは歩美が何気なく口にした言葉からヒントを得て、阿笠の暗号を解読する。だが、敢えて解読した事を告げず、元太や光彦、歩美が答えるように導いていく。そして、ついに元太らは自分たちの力で「ムラマツリノトリイ」という暗号の答えに辿り着き、早速、お宝のある神社の鳥居へ向かう。 鳥居の柱には樹液が塗られていて、たくさんの昆虫が群がっていた。元太らがお宝を見つけて大喜びする中、阿笠は暗号を考えた時の状況を回想。阿笠の話を聞いていたコナンは、突然、表情を一変させる。コナンは、見山の宿泊した部屋の窓ガラスに残された「teiu」という暗号の本当の意味に気付き、蘭の携帯に連絡を入れるが…。

第30話
(413話)
完全半分犯罪の謎

小五郎は自らの体験を「名探偵マグレ」の脚本家3人に話す事になり、コナンと共に日売テレビへ。同局の会議室には、番組の井上涼子プロデューサーと脚本家の佐久間晃、香田杜夫、八神譲二の姿。打ち合わせ前、八神は飲み物がないと言い出し、新人の香田は3人の飲み物の注文を受けると給湯室へ向かう。 八神が香田の批判をしていると、当の香田がコーヒー3つと自分が飲む日本茶1つをトレイに載せて戻ってくる。この後、局内の喫茶店で時間を潰す小五郎の携帯に涼子から連絡が入る。小五郎とコナンが会議室へ向かうと、そこには苦悶の形相で絶命する八神の姿。遺体の傍らにはカップが転がっており、小五郎は青酸系の薬物による毒殺と判断する。 駆けつけた目暮警部は、八神のコーヒー以外から毒物は検出されなかったと明かした後、飲み物を用意した香田に状況を訊ねる。香田は、コーヒーの1つを涼子の前に置くと、涼子がミルクを入れる事を思い出して給湯室へ戻ったと説明。その後、佐久間と八神が同時にテーブルのトレイからコーヒーを取り、八神は一口飲むと苦悶して倒れたという。 そして、捜査を進めていくと、香田が番組を降ろさせようとする八神を憎んでいた事が判明。一同は香田に疑いの眼差しを向けるが、物証が見つからない。そんな中、コナンは香田が八神に毒入りコーヒーを選ばせたトリックの謎を解こうとするが…。

第31話
(414話)
青い鳥を追う探偵団

コナン、少年探偵団、灰原はC組の紺野由香の家へ青いインコを見に行く事に。由香の父親は2年前に亡くなり、母親も仕事で家にいないという。だが、誰もいないはずの自宅から坂口慎也が出てくる。坂口は由香にあいさつするが、由香は知らない人と言って素っ気ない態度を取る。 坂口は米花大学工学部の研究所に勤務し、由香の母親の友人と説明。仕事で遅くなる母親に頼まれて由香と夕食を食べる事になっていたという。だが、由香は坂口を無視して皆を部屋に案内。由香はインコを皆に見せながら、ある異変に気付く。インコが小さくなっている上、いつもは「お帰り」と言うはずなのに何も言葉を発さないという。そんな由香を見て、坂口はひどく動揺する。 灰原は坂口がインコを逃がしてしまい、ペットショップで似たインコを買ってきたと推理。由香がキッチンへ行った後、灰原がその事を訊ねると坂口は慌てて否定する。そこに急遽仕事が早く終わった母親の雅子が帰宅。だが、坂口は逃げるように家を出て行く。その姿を歩美、元太、光彦は不審そうに見送る。 歩美、元太、光彦はコナンらと別れた後、ペットショップへ行き、坂口の似顔絵を店員に見せる。店員は坂口が2時間前に青いインコを購入したと明かす。坂口は死んだインコを見せ、似たインコが欲しいと言ったという。翌朝、歩美らは由香から坂口が薬品の研究をしていると聞き、毒薬を思い浮かべる。歩美らは3人で真相を解明しようと決意し、坂口の勤める研究所を訪れるが…。

第32話
(415話)
仏滅に出る悪霊(事件編)

小五郎は国友家の執事、赤塚賢造から悪霊の呪いを解いて欲しいと依頼され、コナン、蘭と屋敷へ。事の発端は2年前に国友淳大が見た悪夢。半年後には淳大を乗せた車が事故になりかけ、淳大は心臓を患う。そして、昨年の正月明けに「我が目覚める前に、罪を悔い改めよ…我は5人目の魂…」という謎のカードが届いた後、何度か奇妙な事があり、その全ては4日に起きているという。 蘭が明日は10月4日と気付いて間もなく、車は国友邸に到着。丁度、シェフの先崎波花が買い足しに出掛けるところだった。赤塚は国友が病院に行く時間を運転手の綿引に伝える。この時、コナンは綿引が潔癖症と気付く。小五郎たちを玄関で迎えたのはハウスキーパー頭の先崎茂子。そして、淳大の待つ3階へ向かう途中、波花の母親、茂子は先端恐怖症で、赤塚は完璧主義とわかる。 3階の鉄の扉には指紋認証式インターホン。指紋を登録した家の者でないと、呼び鈴は鳴らないらしく、外から扉を開けられるのは淳大だけという。赤塚は呼び鈴を鳴らし、淳大と妻の安栄、セキュリティ会社社長、関口俊道が姿を現す。小五郎は淳大から改めて調査を頼まれ、屋敷内を見て回る事に。 夜、コナンらはダイニングで夕飯。この時、波花は高所恐怖症で、2階以上の窓に近づけない事がわかる。2階に用意された部屋で小五郎、コナン、蘭は、これまで起きた5つの事件について話し合い、4日は全て仏滅だった事に気付く。しかも明日の10月4日は仏滅だった。その時、ベランダから物音。3人はベランダで靴を発見した後、3階のベランダで首を吊る関口の死体を見つける。

第33話
(416話)
仏滅に出る悪霊(疑惑編)

13年前、国友淳大の船が沈む海難事故があり、屋敷で働く全員が家族を亡くしていた事が明らかになる。茂子はシェフの夫を亡くし、娘の波花が後を継いだという。綿引は運転手の父と弟、赤塚はハウスキーパーの妻を亡くしていた。事情を聞いた小五郎、横溝警部は遺族の誰かが関口を殺害した犯人と推理する。 コナンは、高所恐怖症の波花は関口が殺害された3階のベランダに近づけないため、犯行は難しいと考える。同様に先端恐怖症の茂子はベランダ下に鉄柵の鋭い先端が見えるため、潔癖症の綿引は犯行時刻に国友と安栄を乗せた車を運転中だったため、完璧主義の赤塚も事件に関係するカードの字が斜めに傾いていたため、それぞれ犯人の可能性は低い。 だが、コナンは癖や症状があるフリをしているだけかもしれないと発言。横溝は関口らの事情聴取、指紋採取を個別に行っていくが、犯人に怯える淳大は10月4日が終わるまで誰にも会わないと3階の部屋に籠ってしまう。締め出された安栄がインターホン越しに淳大と話していると、中からノックする音が聞こえ、その直後に淳大の苦しむ声が聞こえる。 コナンは淳大がいる部屋の真下にある2階の部屋へ向かう。すると、3階のベランダからロープが垂れ下がっていた。コナンはそのロープをよじ登って3階ベランダへ。部屋の中には左手を伸ばしたまま息絶えている淳大の姿。足元には薬の瓶と薬を踏み潰した後が残っていた。コナンはまだ犯人が部屋の中にいると考えるが…。

第34話
(417話)
仏滅に出る悪霊(解決編)

淳大の部屋で見つかった犯人と思しき人物の指紋は屋敷で働く誰とも一致しなかったため、安栄、茂子、波花は一旦自分の部屋に戻る。この後、コナンが関口の住所を知りたがり、綿引は手帳を調べて横浜と教える。偶然、横溝警部の弟、重悟が神奈川県警に勤務していたため、横溝は重悟に連絡を入れる。 すると13年前の9月26日に関口が働くセキュリティ会社の社長が失踪した事が明らかに。それを機に関口は社長の後釜に入ったという。そして、失踪した日の3日後の29日に淳大の船が沈んだ事実に驚く一同。この後、コナンらは癖や症状が本当なのかを確認するため、屋敷で働く人たちの部屋を廻る。 茂子の部屋のカレンダーには4つの印。茂子の夫と綿引の父親、赤塚の妻は小学校の同級生で、家族の誕生日祝いはいつも合同だったらしく、20年前に綿引の母親が亡くなる前は8つの印があったという。そして、波花は小4の時に木から転落して高所恐怖症になり、その時、波花を受け止めた綿引は手を切る大ケガをしたと説明。ずっと亡くなった弟が助けたと勘違いしていたという。 続いて、コナンらは綿引の部屋へ行き、綿引に手の傷跡を見せてもらう。さらに赤塚の部屋を廻るが、4人とも特に気になる点は見つからない。捜査が一段落すると、蘭はペアルックのパジャマを購入した事をコナンに告げる。蘭の言葉に聞いたコナンはハッとした表情になり、犯人の目星をつける…。

第35話
(418話)
米花町グルニエの家

成田空港で黒っぽい服を着た男女がタクシーに乗り込む。2人は米花町と行き先を告げ、運転手はタクシーを発車させる。一方、コナンらは歩美が見つけたかわいい新築の家を見に行き、不動産屋の社員、深瀬に中も見学させてもらう。3階のグルニエ(屋根裏部屋)には斜面の壁に天窓があり、コナンはその窓から毛利探偵事務所の2、3階の窓の一部が見える事に気付く。 2日後、コナンらは歩美からあの家が売れた事を聞かされる。年寄り向けの造りではないにも関わらず、買い主は70歳過ぎの老夫婦だという。その事が引っ掛かったコナンは再び家に足を運び、郵便受けに宇土久(うどひさし)と書かれた紙の表札を見つける。すると、後ろで光彦の声。光彦、元太、歩美もコナンと同じ事が気にかかって様子を見に来ていたのだ。 その時、家のドアが開き、白髪のおばあさんで出てくる。その後ろにはおじいさんの姿。おばあさんは町の事を教えてほしいとコナンらを家にあがるように促す。そして、外出するおじいさんが「どっこいしょ」と言って立ち上がった瞬間、おばあさんは微かに眉をしかめるが、すぐに笑顔に戻る。 おばあさんは若い時からかわいい家に住みたかったらしく、一人息子の家も近いとコナンらに話す。老夫婦がこの家を購入した疑問が解けたと光彦らは納得するが、コナンはまだ何かが引っ掛かって釈然としない。夜、コナンが小五郎、蘭と共に事務所の3階で夕食をとる様子を望遠カメラで撮影する人物がいた。それはグルニエの家に住むおばあさんとおじいさんだった…。

第36話
(419話)
八岐大蛇の剣(前編)

福引で旅行を当て、出雲へやってきた小五郎、コナン、蘭は出雲大社を参拝中に参道前にある旅館の娘、江角栄子と知り合う。栄子は神楽殿にある縁結びのシメ縄の話をした後、自分にも縁談話があると告白。相手は手広く事業を展開する鰐淵耕司という男性で、好きではないが、断れない事情があるという。 この後、栄子はコナンらを古代出雲大社模型展示館に案内。見学者に解説する職員、福間良介は栄子の幼馴染みだという。福間を見つめる栄子の姿から、コナンらは栄子が福間に恋心を抱いていると察する。翌日、小五郎らが再び大社を参拝しているとパトカーが裏手方向へと走っていく。小五郎らが後を追うと八雲滝の脇には、背中に短刀の突き刺さった男性の遺体が転がっていた。 被害者は栄子の結婚相手、鰐淵だった。第一発見者の通報を受けて島根県警出雲北署の山根刑事が現場に駆けつけたのは午後2時。死後1時間前後と推定され、鰐淵の腕時計は午後1時5分で停止していた。山根は犯人が時価1千万円の刀を狙った強盗殺人と推理。午後1時前、鰐淵は骨董品店から借金の担保に預かった刀を持っていたが、遺体が発見された時に刀は無かったのだ。 夕方、小五郎らが稲佐の浜へ行くと、少し離れた砂浜で遊ぶ親子が慌て出す。豪華な布袋に入れられた刀が砂から半分出た状態で埋められていたのだ。この後、埋められた刀は鰐淵が奪われた物と判明。コナンは犯人が刀を盗んだのはカムフラージュで、本当の狙いは鰐淵の命を奪う事だったと推理する。そして、怨恨の線から栄子、福間を含めた4人の人物がリストアップされるが…。

第37話
(420話)
八岐大蛇の剣(後編)

警察は鰐淵耕司を殺害した容疑者として、石飛一也、藤江竹彦、江角栄子、福間良介の4人をリストアップ。栄子と福間のアリバイに偽りがあると推理したコナンは蘭と共に旧大社駅で聞き込みをし、殺害時刻に栄子を駅で見かけたという主婦の証言を得る。そして栄子は日御碕にいたというアリバイは嘘と告白。旧大社駅にいたと嘘をついた福間を犯人と思い、栄子は嘘をついたという。 この後、福間は逆に栄子を犯人と思って嘘をついたと告白。事件の前日、鰐淵から連絡があり、栄子は明日の午後1時半に八雲滝に来るように言われたという。話を聞いた福間は当日、栄子の代わりに八雲滝へ。福間は鰐淵の遺体を見つけ、そこで栄子のペンダントを拾ったと明かす。そのため、福間は栄子を犯人と思ったようだが、栄子はペンダントを数日前に紛失したという。 結局、福間が現場から刀を持ち去ったのは、強盗の犯行に見せかけて、栄子を庇うためだった事が明らかに。これで、鰐淵殺害の犯人は石飛と藤江の2人に絞られる。コナンは犯人がワザと栄子のペンダントを遺体の傍に残したと推理し、ペンダントを失くした前後に石飛か藤江に会ったか、栄子に訊ねる。 栄子は数日前に藤江が旅館に来た事を思い出す。栄子がペンダントの紛失に気付いたのは、その後だったという。だが、殺害時刻、藤江は松江城に居たアリバイがあり、城内の芳名簿には藤江の直筆の署名と1時5分という来場時刻が残っている事が確認されている。この後、小五郎らは芳名簿を確かめに松江城へ。そして、コナンは芳名簿を見てある事に気付き…。

第38話
(421話)
イチョウ色の初恋(前編)

コナンら少年探偵団は、阿笠の自宅で子供が書いた葉書を見つける。それは阿笠が40年前の小6の時に女の子からもらった手紙だった。光彦にラブレターと冷やかされ、阿笠は照れながら当時の事を回想する。小6の阿笠は夏休み明け、遅刻しそうになり、いつもの通学路と違う近道を通る。その時、阿笠は大型犬を飼う野井さんの家の前で、吠える犬に怯える下級生の女の子と出会う。 帽子を被ったその女の子は小さい頃に飼い犬に噛まれて動物嫌いになったという。かわいそうと思った阿笠はハムスターを飼う蝶野さんの家に彼女を連れて行き、動物嫌いを克服させる。以来、阿笠とその子は仲良くなるが、11月末に彼女は突然引っ越してしまう。阿笠の家の郵便受けに残された女の子からの葉書には、10年後の11月24日、日没前に思い出の場所で会おうという内容が書かれていた。会えなかった時は10年毎に、その場所で待っているという。 そして、偶然にも今日は40年後の約束の日、11月24日だった。今もその子は思い出の場所で待っているかもしれないが、阿笠はその場所が思い出せない。阿笠は彼女が引っ越した10年後に犬を飼う野井さんの家、20年後にハムスターを飼う蝶野さんの家で待っていたが、その子は現れなかったという。 場所を思い出せない阿笠に皆が文句を言っていると、コナンが葉書の宛名の下に暗号のようなものを発見。そこには「4163 33 6 0ヒントは動物だよ」と書かれていた。日没までは4時間。コナンらは暗号を解いて、阿笠と初恋の女の子を再会させようとするが…。

第39話
(422話)
イチョウ色の初恋(後編)

コナンら少年探偵団は、阿笠の初恋の女性を探すため、40年前に阿笠がもらった葉書に書かれた数字の暗号に挑む。皆は暗号に隠された女性の待つ思い出の場所を東都動物園と推理し、園内を探して廻る。そして、元太らは動物の名前のプレートに記された数字から、ムササビの檻の前が思い出の場所と判断。ムササビの檻の前に佇む人に声をかけるが、結局、人違いに終わってしまう。 そして、彼女が待っている日没まで、残りは約1時間に。元太は小五郎か園子に連絡して助けを求めようと提案。小五郎はライブ中のため、コナンは園子と一緒に買い物中の蘭に連絡する。その頃、蘭はあるブランドの限定品を買う列に並んでいたが、園子がその場にいなかったため、推理を聞く事を諦める。 皆が2人の再会を諦めかけたその時、阿笠は40年前のある事を思い出す。それはイチョウの葉が舞う中、少女の帽子が風に飛ばされた出来事。阿笠はいつも帽子を被っていた少女の髪が金髪だった事も思い出す。彼女の瞳は黒かったので、両親のどちらかが外国人だったのかも知れないと阿笠は当時を振り返る。 この後、コナンは再び葉書の暗号を見て、彼女は動物を飼っていたかと阿笠に訊ねる。阿笠は小さい頃に犬を飼っていたが、噛まれてからは何も飼っていないと説明。それを聞いたコナンは暗号を解読し、思い出の場所がどこなのかをはっきりと確信する…。

第40話
(423話)
探偵団と青虫4兄弟

通学中、歩美は松浦ハイツのオリーブの木にいる3匹の青虫を友達と言って、コナンや光彦、元太、灰原に紹介。歩美はそれぞれに名前を付け、先一昨日に太郎、一昨日に次郎、昨日に三郎を見つけたという。今日も1匹見つかるのではと話していると、コナンが4匹目を発見し、元太は青虫4兄弟と大はしゃぎ。 だが、歩美は昨日も探したのに、もう1匹見つかるのはおかしいと腑に落ちない。そこへ現れた家主の松浦仙吉は青虫を除去すると言い出す。歩美らが頼み込み、青虫は生かしておく事になるが、松浦は4日前に水をやった時、青虫はいなかったと首を捻る。その時、ハイツに住むコンビニ店員、吉川稔が帰宅。吉川から向こうにパトカーが集まっていると聞き、コナンらは現場へ向かう。 現場にいた高木刑事は1人暮らしのおじいさんが殺害され、タンスの中の数百万円が無くなっていたと明かす。そして、昼休みにコナンらが事件の話をしていると、高木と佐藤が学校にやってくる。犯行時刻の昨夜10時頃、タクシー運転手が現場を通りかかり、犯人らしき男を目撃したという。だが、運転手はその男の前で尻餅をついた少年に気を取られ、男の顔を覚えていなかった。 高木らはその少年が犯人の顔を見たと考え、コナンらに話を聞きにきたのだ。少年は寝間着のような格好で、白い野球帽を被っていたという。歩美らは、隣のクラスの三井圭一はいつも白い帽子を被り、家も現場付近と教える。早速、高木らは圭一に話を聞く。だが、圭一は犯人を見ていないと全面否定する…。

第41話
(424話)
ピエロからの写真メール

小五郎は借りた衣装を返却するため、コナンを連れて貸衣装の店へ行く。小五郎が店員と3時前に起きた地震の話をしていると、メイキャップアーチストの木島実、カメラマンの石川次郎、モデルの中村洋子が仮装して試着室から出てくる。3人はこれから知り合いのパーティに参加するという。  この時、洋子の携帯にパーティを主催する編集者、梅田香からメールが届く。時間厳守という内容のメールで、ピエロに仮装した梅田の写真が添付されていた。木島らは30分後の5時に始まるパーティに間に合うように店を出発する。この後、パチンコに寄った小五郎とコナンが自宅に向かっていると、前方のマンション前に警察車両と目暮警部の姿。事件が起きたのは梅田の部屋だった。  床には絞殺された梅田が倒れ、洋子らが事情聴取を受けていた。検死官は死体の状態から殺害時刻は4時半から5時の間と判断。梅田の宝石箱から指輪などが消えているという。木島らはマンションに到着した時、マンションから走り去る男を見たと証言。その後、3人は部屋で梅田の遺体を発見したのだ。  遺体発見時、電話コードが切られていたため、石川と洋子は外で公衆電話を探して警察に連絡。携帯は梅田が嫌いなので、貸衣装の店に置いてきたという。捜査が進められる中、梅田の宝石を持った白川という男が公園で確保される。木島らが目撃した男は白川だった。だが、白川はネットで見つけた仕事の指示通り、部屋の宝石を公園に運んだだけと梅田の殺害を否認。この後、コナンはキッチンの不可解な点に気付き…。


シーズン11

第01話
(425話)
名探偵コナン放送10周年記念超拡大スペシャル「ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間」

 小五郎は日売テレビで収録された番組にゲスト出演後、沖野ヨーコに誘われ、見学に来たコナン、蘭と共に食堂へ。そこでヨーコはアナウンサーの水無怜奈を小五郎に紹介する。怜奈はピンポンダッシュに困っていると小五郎に相談。小五郎らは不審な点がないかを調べるため、怜奈の自宅マンションへ向かう。 コナンはチャイムが鳴った時の音を拾うため、ガムを使って怜奈の玄関の外に盗聴器を仕掛ける。そして、小五郎らは怜奈の部屋に上がり、詳しい話を聞く。怜奈の話から小五郎はピンポンダッシュはストーカーの仕業と推理。翌朝に犯人を現行犯で捕まえるため、小五郎らは怜奈の家に宿泊する事に。 夜、怜奈は積み重ねて縛った雑誌をドアの外へ置く。ゴミとして翌朝捨てるのを忘れないためだ。コナンは自分の顎の高さまで積み重ねられた雑誌を見て、犯人の目星をつける。翌朝、玄関のチャイムが鳴り、小五郎、コナンは玄関を開けるが、廊下には誰もいない。コナンは犯人が雑誌の後ろに隠れていると推理。その通り、雑誌の後ろに少年が隠れていた。少年は亡くなった母親に似ている怜奈が朝寝坊しないようにチャイムを鳴らしていた事が明らかになる。 小五郎らは事件が解決し、怜奈の家を後にする。この後、怜奈が外出する際、盗聴器をつけたガムが落下。怜奈はガムを踏んだまま出掛けてしまう。コナンは集音器の音から、盗聴器が怜奈の靴に付着した事に気付く。コナンは忘れ物をした事を理由に小五郎、蘭と別れ、盗聴器の回収に向かう。 その途中、集音器から携帯電話の機動音に続いて、黒ずくめの組織のボスが使う「七つの子」のメロディーが聞こえてくる。そして、怜奈の電話の会話を聞いたコナンは怜奈が黒ずくめの組織の仲間と判断。コナンは阿笠博士に車で拾ってもらい、灰原と共に怜奈の車を追跡する。盗聴器と発信機が見つかれば、小五郎が取り付けたと疑われるため、コナンは気付かれる前に盗聴器を回収しようと考える。  この後、怜奈ことキールはウォッカ、ジン、そしてベルモットと合流する。キールらの会話から、黒ずくめの組織は午後1時にエディPという場所で、DJという人物を暗殺する計画を立てている事が明らかに。そして、キールらは腕利きスナイパーのキャンティ、コルンとも合流し、暗殺計画に関する話を始める。コナンは盗聴器の音声が乱れたため、キールらに近付こうと阿笠の車を飛び出す。その瞬間、コナンの顔に拳銃が突きつけられる。  銃を突きつけたのはFBIのジョディだった。FBIはキールをマークしていたらしく、ジョディはキールがこれから3人の人にインタビューする事を調べていた。コナンは黒ずくめの組織が暗殺するのは、その3人の中の1人だと推理。暗殺を阻止するため、DJとエディPを割り出し、現場に先回りしようと考える。  ジョディによれば、キールがインタビューするのは今度の衆議院選に出馬する帝都大学薬学部教授の常磐栄策、資産家の御曹司で人気俳優の千頭順司、元自衛隊幹部の土門康輝の3人。だが、何時にどこで誰をインタビューするかはジョディもわからないという。この後、コナンはDJが何を意味するかを解読し、土門康輝がターゲットとして狙われている事に気付く。  コナンらは土門の後援会事務所のホームページを確認。土門は今日の昼からゴルフをやる予定になっていたが、事務所に直接電話すると、土門は誰かと会う約束ができて、ゴルフをキャンセルしたという。土門の予定が掴めなかったため、コナンらはエディPという場所の割り出しに全力を注ぐ。 だが、キールはTV局のクルーと合流してインタビューに出発。暗殺時刻の午後1時まで30分を切ってしまう。コナンは盗聴したキールらの会話を思い出し、推理を巡らせる。そして、コナンは狩り場、歴史、公園などのキーワードから、エディPを杯戸公園と特定。コナンらは車を運転する阿笠に高速に乗るように指示を出し、急いで杯戸公園へと向かうが…。

第02話
(426話)
蘭へのラブレター

放課後、蘭は自分の下駄箱にラブレターのような手紙を発見。裏にはS・Hと送り主のイニシャルが書かれていた。一緒にいた園子にバレてしまい、2人で内容を確認すると、手紙には明日の放課後、米花公園の噴水前で待っていると書かれていた。蘭を先輩と呼んでいる事から、園子は送り主を1年生と推測する。 そして、蘭たちが歩いていると、体育館の入口に若い男の姿。決意を秘めたような男の表情を気にしつつ、学校の外へ出た2人は下校中のコナンにバッタリ出会う。コナンは蘭がラブレターを貰ったと知って動揺する。この後、コナンたちは遠野ゆり子と3歳位の男の子、巡査が家から出てくる場面に出くわす。帝丹高校のOGというゆり子は困り事があるらしく、3人が相談に乗る事に。 ゆり子の家の中には男性の遺影が飾られていた。1年前に病気で亡くなった夫だという。そして、ゆり子は留守中に誰かが家の中に侵入した形跡があったと蘭たちに明かす。日記帳を読まれた形跡があり、線香が立てられていたというのだ。だが、タンスの中のお金は1度取り出された後、戻してあったので、巡査には捜査する事ができないと言われたらしい。 コナンは犯人がゆり子か夫の知り合いと推理し、ゆり子にいろいろと質問する。ゆり子と夫は高校の同級生で、大学卒業後に街で再会して交際がスタート。ゆり子は高校時代に1度だけラブレターを貰った事も告白。そして、卒業アルバムを見せてもらった蘭と園子は、ラブレターを送った相手、永井修平を見て驚く。なんと、その男は体育館の入口で蘭たちが目撃した若い男だった…。

第03話
(427話)
超秘密の通学路(前編)

コナンらが掃除をしていると、光彦が大慌てでやってくる。光彦が小さい頃に遊んでいた雨宮祥子という4年の女の子が蒸発したという。昨日、祥子から光彦に電話があり、今日一緒に帰る約束をしたが、祥子は学校を欠席。電話で祥子は少年探偵団にお願い事があると話し、思い詰めた様子だったという。 ウェーブのかかった茶髪のボブで灰原と似た感じと光彦が祥子の外見を説明した後、小林先生がコナンたちの話に入ってくる。小林によれば、祥子は九州にいる祖父の葬式で元々休む予定だったという。同時に、祥子の担任が交通事故に遭い、一昨日から平山という新しい担任になったと小林から教えられる。 コナンらは祥子の教室へ行き、クラスメイトに話を聞く事に。灰原は事故に巻き込まれたか、新しい担任が黒の組織の仲間で、自分と間違えて拉致したと推測。コナンは祥子がここ2、3日、友人を避けて1人でコソコソ登下校していたという証言が引っ掛かる。この後、光彦の案内でコナンらは祥子の家へ。 鍵の隠し場所を知っている光彦は悪いと思いつつも、祥子が心配で玄関の戸を開け、コナンらと共に家に入るが中には誰もいない。その時、玄関のチャイムが鳴る。やってきたのは平山先生だった。平山によれば、祥子は隣の家で朝食と夕飯をご馳走になると昨日話していたらしく、早速、コナンらは隣の三池家へ向かう。そんなコナンたちの姿を平山は険しい表情で見送る…。

第04話
(428話)
超秘密の通学路(後編)

光彦の知り合いの4年生、雨宮祥子が登校途中に行方不明になった。コナンら少年探偵団は、祥子の足取りを追ってコンビニへ。祥子はコンビニでペットボトルのジュース、ミルクとカッターナイフを購入していた。コナンは祥子と灰原が似ているという光彦の言葉を思い出すと、ゴミ箱の中を物色する。 この後、コナンは予想通り、ゴミ箱から下半分が切り取られたペットボトルを発見。コナンは祥子の居場所がわかったと明かし、お湯と赤ちゃん用の粉ミルクを用意する。そして、ミルクを作ると、コナンは宮本由美に駐禁を取り締まるために向かおうとしている古い倉庫へ案内してもらう。 由美は倉庫のホコリでクシャミが出ると考えていたが、コナンは由美のクシャミはアレルギー体質が原因と推理。コナンたちは倉庫の中を調べ、光彦が子猫2匹を見つける。由美のクシャミは猫アレルギーが原因だったのだ。光彦が話していた祥子が灰原と似ている点は動物好きというところ。祥子は少年探偵団に子猫の事を相談しようとしていたのだ。 コナンは子猫を見つけて1人で世話をしていた祥子がペットボトルを切ってミルク皿として使ったと推理していた。だが、祥子はどこにもいない。その時、別の子猫の鳴き声が聞こえ、コナンらが倉庫の前の道路に行くと別の子猫の姿。この後、コナンらは道路の電柱付近に散らばる車のウィンカーの破片を発見する。そして、電柱から倉庫に続く地面に点々と血の跡がついていた…。

第05話
(429話)
もう戻れない二人(前編)

蘭のクラスのドジな転校生、本堂瑛祐が小五郎に会いにやってくる。本堂は小五郎の大ファンで、寝ながら事件を解決する小五郎に羨望の眼差しを向ける。この後、三角篤が事務所に来て、いなくなった彼女を捜して欲しいと小五郎に仕事を依頼。昨夜、彼女と口ゲンカになり、朝起きるといなくなったという。 小五郎と共にコナン、蘭、園子、本堂が話を聞く中、三角は仕事が忙しくなり、会う時間がなくなった事がケンカの原因と明かす。恋人の安美は三角が変わった事に怒り、三角は出会った頃には戻れないと言い返したという。安美が乗っていった車に仕事の書類が入っているので、今日中に見つけて欲しいと三角。安美は大事な書類の事を知っていたという。 その話を聞いたコナンは、彼女が自分の事を捜して欲しいと思っていると推理。小五郎、コナン、本堂らは安美を捜すため、三角がレンタカーで借りた車に乗り、2人が出会った場所へ向かう。そこは群馬のスキー場へ続く雪道で、三角は移動中の車内で2人の出会いについて語る。当時、その道で安美と女友達の車がエンストして立ち往生。通りかかった三角が助けたという。 そして、車はその思い出の場所に到着。一行は雪に被われた三角の車を発見する。車の運転席には安美の姿。だが、窓ガラスの隙間はガムテープで目張りされ、助手席の下には七輪が置かれていた。合鍵でドアを開けようとするが失敗。三角はトランクから草野球で使う金属バットを取り出し、フロントガラスを割り、続けてカッターでガムテープを切っていく。そして、三角はドアを開けて安美を助け出す。だが、すでに彼女は息をしていなかった…。

第06話
(430話)
もう戻れない二人(後編)

三角の恋人、安美はガムテープで窓の隙間が密閉された車内で一酸化炭素中毒死していた。コナンは三角が安美を殺した犯人と疑うが、群馬県警の山村刑事は現場の状況から安美の死を自殺と考える。この後、山村は雪道の段差に足を取られ、地面の雪が凹んでいる事に気付く。 コナンはその凹みが三角の借りたレンタカーくらいの大きさだと指摘。すると、三角は用事があり、レンタカーを昨夜借りたと明かす。この後、鑑識は車の後部座席に仕事の書類があった事を三角に伝える。車内には女性のバッグもあったという。バッグの中身は車に付属するシガーライターと本日発売の小説。小説にはシガーライターの焦げ目がつき、指紋が全くついていなかった。 三角はバッグにシガーライターが入っていた理由を説明。安美は三角にタバコを吸わせないようにシガーライターをよく隠したというのだ。タバコと聞いて何かを閃いたコナンは三角の車の灰皿を確認する。コナンが思った通り、灰皿の中には小説のブックカバーが入っていた。 コナンは三角が犯人と確信するが、密室のトリックは解けない。この後、ドジな本堂が雪に滑って転び、ガラスの破片で指を切ってしまう。蘭は本堂のためにバンソウコウを用意。本堂は何気なくバンソウコウについて語るが、コナンはこの言葉にヒントを得て、内側から目張りされたガムテープの謎を解く…。

第07話
(431話)
本庁の刑事恋物語7(前編)

小五郎、コナン、蘭はレストランへ行き、千葉刑事、高木刑事と偶然会う。千葉と高木は合コンに参加するらしく、主催者の江本将史と合流する。江本によれば、女性参加者の2人は警察関係の仕事をしているという。そして、高木らは合コンのテーブルへ。何とその2人は交通課の宮本由美と佐藤刑事だった。 男性陣からチヤホヤされる佐藤を見て不機嫌になる高木。この後、合コンに参加している江本の姉、彩が家で待つ5歳の従弟、浩太が心配なので帰ると言い出す。両親が仕事で海外へ行っている間、彩と将史は浩太を預かっているのだ。彩が心配するには理由があり、変な事があったばかりだという。 2週間前、浩太は公園でヒゲのおじさんが落とした財布を拾う。浩太はお礼に男から超レアなカードを貰う。しかも男は浩太を自宅へ連れて行ってケーキをご馳走。その時、男は占い師と言って、彩と将史の誕生日や郵便物の場所を浩太に聞いてきたという。江本はその男は自分の友人らしいと佐藤らに説明。男の家で留守電から将史の声が聞こえてきたと浩太は話していたという。 将史は合コンのメンバーを集めるため、何人もの友人に連絡し、留守電には再来週の土曜に合コンをやると録音。そのため、将史はその中の1人がヒゲの男と推理したのだ。家に浩太しかいない事を男が知っていると気付いたコナン、佐藤らは急いで彩と将史の自宅へ向かうが浩太の姿はない。そして、パソコンの画面には脅迫状がアップされていた。浩太は何者かに誘拐されていた…。

第08話
(432話)
本庁の刑事恋物語7(後編)

浩太が誘拐され、犯人は100万円を要求。コナンは合コンを欠席したミュージシャンの六田卓児、モデラーの引屋門成、紙幣コレクターの佐塚良兼の誰かが変装して浩太を誘拐したと推理する。そして、警察は誘拐事件として捜査を開始。手掛かりは3月26日、浩太が男の家に行った時に見た野球中継。浩太はつまらない試合だったと彩に話していたという。 それがどの試合か判れば、将史が電話した時間と照らし合わせて犯人を割り出せると佐藤は考える。その日は高校野球3試合が中継されていたが、いずれも面白い試合ばかり。衛星やケーブルTVで放送された好試合のダイジェスト、優勝チームの軌跡なども、つまらない試合には当てはまりそうもなかった。 佐藤、小五郎らは3人に動機がないかを確認するが、将史は全てを否定。この後、浩太が元気な姿で家に帰ってきた。浩太はこの間のおじさんの車に乗って寝ていたという。浩太は男と約束したと言って何も話してくれない。将史は浩太が無事に帰ってきたため、誘拐事件をイタズラで片付けようとする。 高木は帰宅した浩太の靴下が濡れている事に気付く…。浩太によれば、男と一度別れてから先日貰ったカードを返しに行くと、風呂場に知らない男がいたという。一方、コナンは自分たちが家を訪れた時、犯人が将史の言動に反応して浩太を帰す気になったと推理。そして、コナンは3人が将史に何らかの物を送っている事が事件に関係していると睨むが…。

第09話
(433話)
コナン変な子

小五郎とコナンはサインを貰うため、小説家、梅津修のマンションを訪ねる。すると、修の息子、隆が金をせびりに来て揉めていた。隆は悪事がバレて脅されていると金が必要な理由を説明するが、修は金をせびるための出任せと信じない。さらに、隆は修の原稿を弟子の荒木千佳が代作していると疑い、その事をマスコミに発表すると脅して修から金を貰おうとする。 怒った修が隆に掴み掛かり、秘書の三上透は2人を制止。一旦、小五郎とコナンは表の喫茶店で待つ事に。隆がバイクで走り去った後、三上が喫茶店に現れる。窓外には千佳の姿。三上によれば、千佳は修の言いつけで警察へ取材に行くという。三上はサインを小五郎に渡すとテレビ局へ打ち合わせに向かう。 小五郎は小説家になると言い出し、コナンと文房具店に立ち寄る。帰り道、一方から三上が急ぎ足でやってくる。三上は落ち込んだ隆が心配で電話を入れたが、通じなかったため、マンションに戻るという。そして、小五郎らが管理人のスペアキーで部屋に入ると仰向けの隆が笏を上下逆に持って死んでいた。 テーブルには飲み残しのコーヒーがあり、近くに白い粉末が散っていた。小五郎は白い粉を青酸系の毒物と推測。そして、パソコンの画面に遺書のような文章を発見。密室状態だったため、小五郎は隆が自殺したと推理する。だが、コナンは部屋の窓が少し開いている事に疑問を持つ。この後、コナンは4つあったはずの部屋のキーが1つしかない事に気付き、他殺の可能性が出てくる…。

第10話
(434話)
名犬クールのお手柄

コナンと蘭はドッグランができたと聞いて米花公園へ。そこには駆け回るアイリッシュ・セターのムサシとゴールデン・レトリーバーのクールの姿。コナンらはムサシの飼い主、堤英輔、美里夫妻とクールを飼う八木沢浩、まなみ夫妻と仲良くなる。2匹は幼馴染みで、何でも食べてしまうのが飼い主たちの悩みの種。ムサシの歯に粘土がついていた事もあったという。 コナンと蘭が帰宅すると事務所に来客者。中谷頼子は隣の家のムサシという大きな犬が吠えたり唸ったりするので怖いと小五郎に相談する。隣の庭との境は低い垣根だけで、いつか襲われるのではと思うと怖くて仕方がないという。話に出ている犬が堤の飼うムサシと気付いた蘭とコナンは、訳もなく人を襲うような犬じゃないと庇う。すると、頼子は怒って事務所を出て行ってしまう。 数日後、堤と美里が帰宅すると、庭から何かが破裂したような音。それからムサシが狂ったように吠える声と頼子の来ないでという叫び声が聞こえてくる。堤らが庭に行くと、倒れた頼子が必死に杖を振り回していた。ムサシは頼子を猛然と吠え立てている。美里に助け起された頼子は庭の中央を指差す。 そこには頼子の赤いカーディガンを着た女性が仰向けに倒れていた。それは頼子の義母の絹江で、ムサシは絹江の喉の辺りをペロペロと舐めている。堤と美里が急いで駆け寄るが、絹江は喉を血まみれにして死んでいた…。

第11話
(435話)
探偵団に注目取材(前編)

担任の小林先生はフリーライターの杉森政人から少年探偵団を取材したいと申し込まれる。話を聞いた元太、光彦、歩美は大乗り気になり、コナンと哀も仕方なく取材を受ける事に。取材当日は生憎の雨模様。元太、光彦、歩美だけでなく、付き添いの小林先生もめかし込んで待ち合わせ場所に現れる。 この後、コナンらは取材先へ向かう。だが、小林は間違って待ち合わせ場所ではなく、杉森のアパートへコナンらを連れて行ってしまう。コナンは杉森の部屋で取材を受けようと提案し、小林が部屋の呼び鈴を鳴らすが応答がない。元太は鍵がかかっていなかったため、勝手にドアを開けてしまう。すると、部屋の中では、杉森が頭から血を流し、壁にもたれた状態で殺されていた。 コナンは部屋に入ろうとする小林を制止。杉森と面識のある小林の髪の毛が部屋に落ちたら犯人と疑われかねないからだ。光彦は救急車と警察を呼んで欲しいと小林に頼む。だが、コナンは救急車の必要はないと判断。杉森の身体は硬直して死後半日は経っていた。この後、コナンは電話機に血が付着している事に気付き、何やら考え始める。 現場にきた目暮警部、高木刑事らは小林に事情聴取を行う。小林が杉森から取材依頼を受けたのは一昨日の夕方で、取材を受けると電話で伝えたのは昨日の午前11時22分。凶器はカメラの三脚で、目暮は部屋の奥で僕殺されている事から顔見知りの犯行と考える。犯人を推理する目暮らに対し、コナンは怪しいのは4人の人物と伝える。電話機の留守電には4つの用件が残されていた…。

第12話
(436話)
探偵団に注目取材(後編)

コナンと少年探偵団、担任の小林先生は取材を受けるために訪れたフリーライター、杉森政人の自室で杉森の遺体を発見。コナンは留守電のボタンに飛んだ血が途切れていた事から、犯人が杉森を撲殺した後にわざわざ留守電にして、アリバイ作りのためにメッセージを入れたと推理する。そんなコナンの大人顔負けの推理に対し、小林は驚きが隠せない。 目暮警部らは電話機の留守電に録音された4件の用件を確認する。蓮田晴華は午前11時25分、桧垣敏則は11時27分、稲葉淳史は11時28分、小林先生は11時30分にメッセージを残していた。小林は、小学校から11時22分に取材を受ける事を電話で伝えた後、聞きたい事があって30分に掛け直したという。 小林の証言から目暮は犯行時刻を11時22分から30分と推理。だが、高木は電話の時計が正確なら22分から25分の間の犯行と指摘する。そして、高木はメッセージを入れた3人に連絡を入れる。フリーターで杉森の恋人、蓮田は現場から離れた梨善町の自宅から留守電にメッセージを入れたという。ガソリンスタンド店員の桧垣は東都環状線の電車の中から連絡したと証言。そして、興栄館の編集者、稲葉は編集部から連絡したと編集長が証言する。 この後、元太らは桧垣の留守電から聞こえるアナウンスがおかしいと指摘。だが、駅に連絡して車掌が花粉症だった事が判明する。そして、蓮田の留守電から聞こえたテレビ番組を放送した局にも連絡し、番組が放送されていた事を確認。高木らは3人にアリバイがあると考えるが、一応のため、3人を呼んで話を聞く事に。だが、コナンはアリバイがあるのは2人だけと考える…。

第13話
(437話)
上戸彩と新一 4年前の約束

コナン、蘭と工藤邸の書庫を掃除する園子は、優作の著書でドラマ化された「女子高生探偵ユキの事件簿」に挟んである写真に気付く。写真には優作と有希子、中1の新一と蘭、そして16歳の上戸彩の姿。蘭によれば、4年前、初めて主役を演じる彩が優作に挨拶に来た時の写真だという。この時、彩と新一は何かを話していて、後で蘭が会話の内容を訊ねても新一は教えなかったという。 この後、新一を訪ねて若い女性が工藤邸にやってくる。サングラスをかけ、帽子を被ったその女性は、なんと上戸彩だった。蘭は新一が事件の調査に出たきり帰っていないと彩に告げる。彩は新一に探偵の仕事を依頼したいという。蘭は新一の携帯電話に連絡するが、留守電になってしまう。小五郎も二日酔いで寝ているため、蘭たちが彩の依頼について話を聞く事に。 彩は家の近くで1人暮らしをする幸田文江という80歳のおばあちゃんと仲が良く、休みの日はよく家に遊びに行くという。彩はこの日も昼前にフラッと家に遊びに行ったが文江は不在。茶の間にはテレビ欄が開かれた新聞が置かれ、テレビは主電源が点いたままだったという。心配になった彩が近所の八百屋に話を聞くと、少し前に通りかかった文江は米花町に行くと言っていたらしい。 彩は文江の後を追って米花町へ。その時、彩は高校生探偵として活躍する新一の事を思い出して訪ねたのだ。この後、蘭が彩から聞いた情報を新一にメールで伝えようとすると、彩は新たな情報を追加。文江は若い頃に亡くした娘の死に目に会えなかった事を悔やんでいるという。この後、コナンは文江がテレビを見て急に思い立って出掛けたと推理。そして、文江が見ていた番組は、彩が出演するドラマ「女子高生探偵ユキの事件簿」だった事が明らかになり…。

第14話
(438話)
お魚メールの追跡

小五郎、コナン、蘭は事務所の下にある喫茶店「ポアロ」で、店のウェイトレス、榎本梓から相談を受ける。梓の悩みの種は、父親と一緒に店に来る長部満という5歳からのメール。母親が実家に戻っているのが寂しいのか、満は父親の携帯から梓にちょくちょくメールを送ってくるという。 この日も4通のメールが届き、4通目は「ぼくもおさかなさんみたいにあみにかかってしんじゃうのかな」と意味深な内容。心配になった梓がメールを返信しても、満は受け取り方を知らないらしく、返事がないという。この状況から満は父親と一緒ではないと思われ、一同は不安を募らせる。 コナンは帽子を被って長靴を履いて椅子に座るという1、2通目のメールの内容から満は釣りに出掛けたと推理。コナンは上の方の景色ばかりを書き込むメールの内容から満が1人で車の中にいると考え、蘭たちにもその事を気付かせる。父親がその場を離れてしまい、満は長時間、車の中で待っているのだ。満はメールを送信後に携帯の電源を切ってしまうため、電話も通じない。 この後、梓は父親と満が店にあるレジャー雑誌のページに折り目をつけていた事を思い出して雑誌を確認。折り目は中洗、久更津、枯前崎の3箇所に付けられていた。小五郎はその3箇所の宿に連絡するが、手掛かりは掴めなかった。すると、満から「おさかなさん、一匹だと思ったら三匹だったよ、いいなお魚さん」という新しいメールが届く。コナンはそのメールを見て何かに気付き…。

第15話
(439話)
そして誰もいなくなればいい

出勤中の会社員、笹本安太郎の数歩前に大きなコンクリートブロックが落下。笹本が傍らの雑居ビルの屋上を見上げると、長髪にサングラスの男がサッと顔を引っ込める。砕けたブロックに赤ペンキで書かれた「影」という文字を見た笹本はすぐに神尾俊之に電話し、日影が現れたと伝える。30分後、笹本は神尾と合流して小五郎の事務所へ。 2人は殺されかけたと小五郎に相談し、犯人は大学時代のミステリー研究会の仲間、日影呈一だと説明する。2人の話では、半月前に日影から出版社に勤める神尾の元に昔の仲間を次々に殺す殺人予告の小説が届いたという。小説の中で殺害されるのはミス研の笹本、神尾と根津猛。そして、一昨日に根津は米花公園で背中を刺されて殺される。その殺害状況は小説と同じだったという。 すぐに小五郎らは神尾の出版社へ行き、小説の内容を確認。小説に書かれた復讐の動機は、かつて自分が書いた小説を非難された事で、笹本と神尾は心当たりがある事を認める。だが、笹本は卒業して10年経った今になって復讐される事が腑に落ちないという。しかも日影は3年前、山へ出掛けたまま失踪したらしい。この後、神尾の元に身に覚えのない小包が届く。神尾がフタを開けた途端に小包は爆発するが、火薬の量が少なく、掠り傷程度のケガで済む。 神尾は病院に隠れる事になり、高木刑事が警護。そして、笹本の警護は小五郎と千葉刑事が担当する。が、笹本は日影が運転する車に轢き殺されそうになり、間一髪のところで小五郎が助ける。翌朝、笹本と神尾の携帯に日影から撤退宣言の連絡。襲う隙がないので一旦手を引くという。この後、小五郎らは日影が潜伏する場所の手掛かりを探すため、大学時代に書かれたミス研の同人誌を確認。コナンは同人誌に掲載される小説を読み、犯人の目星をつけるが…。

第16話
(440話)
極限のカースタント

コナン、少年探偵団はスタッフに知り合いがいる阿笠の伝で、「仮面ヤイバー」のロケを見学する。少し離れた場所ではスタッフが言い争い。ディレクターの深町真二とADの中里秀彦は、スタントマンの力石健吾が考えた危険なスタントのプランに猛反対。力石は自分なら出来ると言って、カメラマンの木島大作に同意を求めるが、深町は迫力のある映像はデジタル補正で作れると主張する。 言い争いの原因はカースタント。深町は車をリモコン操作すれば、スタントの必要はないという考え。それは悪党役の乗るA車がパーキングビルを一周し、途中からソックリに仕立てたB車にすり替えるというもの。柵を破って落下中に爆破するB車はスタッフがリモコン操作すれば良いという意見だ。そして、力石の意見が通らないまま、昼食の時間に入る。 車両係の西脇政雄はB車を運転してパーキングビルを上がり、リモコン操作の最終点検を行う。この後、力石と深町が再び口論を始める。すると突然、悪役の衣裳に着替えた力石がA車に乗って急発進。力石が乗る車はパーキングビルを上がっていく。深町は力石が自分で考えたカースタントをやるつもりだと心配する。そして、車は最上階に到達すると、屋上の柵を破って落下。潰れた車内には即死状態の力石がそのまま乗っていた…。 力石は車外に飛び出すのに失敗してしまい、事故が起こってしまったのだ。コナンは事故車を確認した後、木島に今の映像を見せて欲しいと頼む。モニターで映像を確認したコナンは何かに気付き、パーキングビルの中へ走っていく。残ったもう1台の車のボンネットに触れたコナンは、これは事故ではなく、巧妙に仕組まれた殺人だと元太らに伝える…。

第17話
(441話)
最期のアーン

小五郎、コナンは鈴木由美と新田秀子に案内され、とあるマンションの一室へ。中では山本信男が改造拳銃を口に銜えて絶命していた。遺体を発見した住人の由美と秀子が銃声らしい音を聞いたのは2時45分。由美が鯉の餌としてパンの耳を秀子に渡しに来た時だという。秀子が鯉に餌をあげた後、3時過ぎに再び合流した2人は山本の部屋から親友の中西三郎が出てくる姿を目撃。その後、山本の遺体を発見したという。 現場に到着した目暮警部は遺体の近くにあった遺書の内容を確認。遺書は中西に宛てたもので、借金が返済できないので死んで詫びるとワープロで打たれていた。目暮は遺体を見つけても警察や病院に連絡せずに立ち去った中西の行動を不審に思い、小五郎は自殺に見せかけた中西の犯行だと疑う。 だが、検死官は他殺の可能性は低いと判断。口の中に抵抗の痕跡が見られず、自分の意思で口を開けたとしか思えないという。そして、井上刑事らの調べによると、山本には改造拳銃を作った逮捕歴があり、蝶だけが生きがいの嫌われ者だったと判明。この後、千葉刑事が中西を現場に連れ戻す。 中西は約束した3時に来たら山本が死んでいたと証言。借金のもつれで殺したと疑われるのが嫌で逃げたという。小五郎は2時45分にどこにいたかを訊ねる。中西はタクシーの中にいたと答え、千葉が裏を取るために動き出す。この後、秀子とお茶を飲むという由美に誘われ、小五郎とコナンは由美の部屋へ。そこでコナンは何かを見て微かな疑問を持つ…。

第18話
(442話)
鉄骨に阻まれた男

建設現場から鉄骨が落下する事故が起きる。真下にいた男は咄嗟に鉄骨をかわすが、地面に頭を打って気絶。近くにいたコナンら少年探偵団は救急車を手配する。駆けつけた高木刑事によれば、男は運ばれた病院でも意識が戻らず、足を骨折しているという。高木は身元を調べるため、男のバッグの中身を確認。中からは一方が輪になったロープや軍手、ワープロで打たれた遺書が見つかる。 男は真中大二郎、27歳で、遺書は「生きていくことに疲れたよ、もう…」という内容。首を吊って自殺しようと考えていたらしい。この後、高木、コナンらは病院へ行き、真中から事情を聞く事に。だが、意識を取り戻した真中は頭を打った際に記憶喪失になっていた。真中は記憶が戻れば自殺しかねない…。 元太らは記憶が戻る前に真中の抱える問題を調べ、それを解決しようと考える。しかし、コナンだけは記憶喪失が真中の演技かもしれないと疑う。事故の時、真中が住宅街の方へ歩いていたのもおかしいと指摘。首を吊るなら住宅街ではなく、人気のない場所に向かうはずと考えたからだ。 この後、コナンは元太らと共に真中の住むアパートを訪ね、大家からいろいろと話を聞く。大家によれば、真中は無名の絵描きで、借金取りに追われる程、お金に困っていたという。真中にお金を貸せるような人物は銀林という大金持ちの叔父さんのみ。だが、銀林は真中が唯一の血縁者にもかかわらず、一円も貸してくれないらしい。大家の話を聞いたコナンは全ての謎を解くが…。

第19話
(443話)
ため息潮干狩り(前編)

コナンは少年探偵団、灰原、阿笠博士と潮干狩りに来ている。海辺の人たちが楽しそうにする中、大学生の牛込嗣夫だけは浮かない顔。牛込は右手の人差し指を口にくわえて考え事をしていた。元太らはアサリが見つからないのかと思い、牛込に声をかけるが、結構な量が取れたという。そんな折、三瀬隆、八島光枝、久津梢子がコンビニの袋を持って牛込の元にやってくる。 4人は同じ大学のサークル「愛好貝」の仲間で、三瀬らはご飯や飲み物などを買ってきたのだ。4人はお揃いのパーカーを着用。着るのは初めてだという。昼食をとり始める4人を見た元太はお腹が空いたと言い出し、光彦、歩美と一緒にコンビニへお菓子を買いに行く事に。阿笠は、この近くで先日ひき逃げがあったと伝え、元太らに注意を促す。そんな阿笠の言葉に4人はギクリと驚く。 すると突然、八島は帰ろうと提案。三瀬らは動揺を隠すように今後の予定を話し始める。そんな中、牛込だけは怯えた表情を浮かべる。この後、牛込はアサリを入れたバケツを両手に持って駐車場の方へと歩き出し、他の3人は帰り支度を始める。コナンと灰原は4人の様子がおかしい事を気にかける。 元太らが戻ってきた後、コナンは牛込らが熊手を忘れた事に気付く。熊手の取っ手には血の跡。コナンは最初に見た時、牛込が指をくわえていたのは指を切ったからと推理し、付着した血を見て牛込の熊手と判断したのだ。元太らは熊手を届けようと4人の後を追いかけて駐車場へ向かう。すると、牛込は車の座席で横になって死んでいた…。

第20話
(444話)
ため息潮干狩り(後編)

牛込の死因はペットボトルの緑茶に混入していた青酸カリによる毒死だった。捜査にあたっているのは参悟の弟で神奈川県警の横溝警部。横溝は遺体の下に青酸カリの入ったビンが転がっていた事、牛込が緑茶のフタを開けてから誰もその容器に触っていない事などから自殺と断定する。 だが、コナンは自殺という捜査結果に疑問を持つ。車まで緑茶のペットボトルを運んできたのは牛込本人で、誰かが毒を仕込む隙はどこにもなかった。しかし、コナンはペットボトルの口に血が付着していたのに、フタには何も付いていなかった点、そして3人の中の1人が言った一言が引っ掛かっているのだ。 この後、コナンは両手が塞がった元太が口にコンビニ袋をくわえる姿を見て何かに気付く。三瀬たちが警察へ行って事情聴取を受ける事になると、コナンは代わりに車のゴミを捨てておくと言って、三瀬らからゴミ袋を受け取る。コナンはゴミを漁り出し、ペットボトルを1本ずつ調べる。そして、コナンは何かを調べ終えると、牛込が自殺したのではないと確信する。 続いて、コナンは潮干狩りをして欲しいと歩美らに頼み、砂浜の4人がいた場所へ向かう。コナンが捜しているのは、アサリではなく、緑茶のフタ。すぐに歩美は熊手を使ってフタを発見する。そのフタに付着している黒ずんだ血の跡。それを見たコナンは誰が牛込を殺したのかに気付き…。

第21話
(445話)
ロシアンブルーの秘密

小五郎が事務所に降りると、コナンと蘭が妃英理の猫を世話していた。猫の名前はゴロで、猫種はロシアンブルー。前の猫が死んだため、英理は知人に貰ったゴロを飼い始めたという。蘭は仕事で留守の間、ゴロを世話して欲しいと英理に頼まれたのだ。蘭は小五郎にゴロの世話を頼むと、迎えにきた園子と登校してしまう。この後、依頼者の桐下という男性が事務所にやってくる。 桐下の依頼は娘が間違えて携帯電話に送ってきたメールの解読。そのメールは暗号のような文章のため、内容がわからないという。小五郎は携帯のメールを確認し、コナンも画面を覗き込む。小五郎がコナンを学校へ送り出すと、桐下は娘の事を話し始める。桐下の娘は高校2年生で、最近隠れてバイトをしているという。桐下は娘が男に騙されていないかと心配する。 この後、コナンが忘れ物をしたと言って戻ってくる。実は、コナンは小五郎に暗号を解読させる作戦を思いついて引き返してきたのだ…。そして、コナンが再び登校し、桐下が事務所を後にすると、小五郎はメールの解読に取り掛かる。だが、小五郎はなかなか暗号を解く事ができない。すると、ゴロがタオルの上で寝たり、ビデオ棚の中に入ったりとイタズラを始める。 さらにゴロは本棚から英和辞典を落とし、小五郎は激怒する。だが、小五郎は英和辞典をヒントにメールのギリシャ文字を無理やり日本語として読む方法に気付く。そして「つきあっτ」という文章を「つきあって」と解読する小五郎。この後、小五郎はゴロのイタズラからヒントを得て、メールの文を次々に解読していくが、そこに書かれていたのは…。

第22話
(446話)
封印された洋窓(前編)

コナンは蘭、園子、本堂瑛祐と山道を登り、園子の別荘に向かう。だが、別荘の手前にある吊り橋は崖下に崩れ落ちていた。蘭たちは携帯電話が圏外のため、近くの別荘で電話を借りて迎えを呼ぶ事に。蘭が別荘のインターホンを鳴らした直後、ワゴン車がやってくる。蘭は乗車していた槙野純、天堂享、倉本耀治に事情を説明。蘭らは純らの好意で迎えが来るまで別荘で休ませてもらう。 3人はミュージシャンで、曲作りのためにこの別荘を格安で購入したという。享らはこの物件は曰くつきだと告白。元は大金持ちの兄弟が建てたもので、それぞれの夫婦で利用していたという。ある夜、兄が窓から魔物が入って来たと言い出し、釘を打ち付けて問題の窓を封印。その後、床や壁紙なども改装したという。だが翌年、開かずの窓が開いていたのを裏庭から目撃した兄の嫁が数日後に自分の部屋でロープを使って自殺し、兄も後を追って3階から身を投げたという。そんな事件があり、弟夫婦は別荘を格安の値で売りに出したのだ。 この後、コナンらは部屋の方から開かずの窓を見せてもらう。すると、確かに窓には無数の釘が打たれていた。皆が話をしていると、純らのバンド「ドルクス」のメンバー、保波倫子が静かにして欲しいと言いに来る。倫子は隣の部屋で作曲をしていたのだ。園子の姉が迎えに来るまで時間があるため、コナン、蘭、園子、瑛祐は裏庭から開かずの窓を見る事に。 瑛祐は裏庭の木に奇妙な鳥の巣箱を発見。コナンが巣箱の中を覗いていると、瑛祐が驚きの声を上げる。開かずの窓から誰かが覗いていたという。コナンは別荘に戻って開かずの窓を確認するが、開いた形跡はない。その時、隣室で異変が起きる。いくら呼んでも倫子が部屋から出てこないという。享、耀治が体当たりしてドアを開けると、中では倫子がロープで首をくくっていた…。

第23話
(447話)
封印された洋窓(後編)

倫子は密室で首をロープで吊って亡くなっていた。捜査を行う群馬県警の山村刑事は、現場の状況から自殺に見せかけた密室殺人として捜査し、純、享、耀治らの事情聴取を始める。倫子が開かずの窓のある部屋に来た後、耀治は上の階の自室でギターの練習、享は上の階の自室でCDを聴いていたという。 そして、純は開かずの窓のある部屋に残って本の整理。元の家主は別荘を安く売る代わり、中にある物を処分して欲しいと頼んだらしく、淳は売れそうな本だけ選っていたのだ。純によれば、本はきちんと整理されていて、選びやすかったという。だが、一同が隣の開かずの窓のある部屋へ移動する際、コナンは本棚にある本の中で百科辞典だけが巻数順に並んでいない事に気付く。 コナン、山村らは開かずの窓のある部屋を見た後、兄が使っていた耀治の部屋、続けて弟が使っていた享の部屋に移動する。この時、享は弟のせいで兄と兄嫁が自殺したと明かす。別荘を買う際、兄嫁が自殺したのは自分と浮気した事が兄にバレて責められたからだと弟は洩らしたという。別荘に来た時、弟と兄嫁はこっそり連絡を取り合って会っていたらしい。 この後、ある事を調べようとコナンは裏庭へ行き、ハシゴを登りきって屋敷を見る。すると、木の枝が邪魔になって2階の窓しか見る事ができない。さらにコナンは巣箱を調べる。コナンが推理した通り、巣箱のフタの裏は皿がはめ込めるようになっていた。コナンは倫子を殺害した犯人が誰かに気付き…。

第24話
(448話)
目黒の秋刀魚事件

小五郎は米花町の素人演芸大会に出場する事になり、コナン、目暮警部と会場へ向かう。途中、防犯グッズ店から町の世話役、上島長郎が出てくる。小五郎らが上島と歩いていると、今度は定食屋「目黒」の前に大会のゲスト、落語家の満楽亭市松の姿。市松は弟子入り志願の中学生、良太を諭していた。上島と市松は幼馴染みで、市松は目黒美弥の定食屋を手伝っているという。 この後、市松に誘われ、小五郎らは定食屋でお茶を飲む事に。落語に詳しい目暮は店にある秋刀魚を見て、市松の演し物は「目黒のさんま」と察する。そして、目暮がコナンに「目黒のさんま」の内容を話していると、市松がコップで指を切ってしまう。美弥はやさしく市松を手当てする。そんな光景を戸口の隙間から目深のキャップ、サングラスで顔を隠した男が見つめていた…。 上島は7時に喫茶「メルヘン」で打ち上げをやると市松に伝え、小五郎らと店を後に。すると、上島は美弥と市松の関係を小五郎らに説明。美弥は市松の弟子だった満楽亭喜三郎の元奥さん。喜三郎は将来有望な噺家だったが、破門されたという。離婚後は市松が何かと美弥の面倒を見ているようだが、上島は市松が美弥に騙されているのではないかと心配する。 この後、地域センターで演芸大会が始まり、小五郎は落語を披露。続いて、市松が舞台へ向かう。この時、コナンは市松の楽屋に入っていく良太の姿を目撃する。そして市松が「目黒のさんま」を披露し、大会は閉幕。市松は人が訪ねてくるので先に「メルヘン」に行っていてほしいという。小五郎らは残務整理を終えた上島とロビーで合流し、「メルヘン」へ。この後、千葉刑事から目暮の携帯電話に市松が刺されたという連絡が入る。楽屋で胸を刺された市松は「メグロノ」というダイイングメッセージを残していた…。

第25話
(449話)
本庁の刑事恋物語 偽りのウエディング

小五郎、コナン、蘭は東都迎賓館で挙げられた結婚式に出席した後、式場の廊下で花婿姿の高木刑事とバッタリ会う。高木の後ろには花嫁姿の婦警、由美もいる。状況が掴めない蘭たちが驚いていると、そこへ佐藤刑事、目暮警部が現れる。実は、ある花嫁、花婿から強盗犯に命を狙われていると警察に通報があり、高木と由美は本物の2人の代わりに立てられた替え玉だという。 目出し帽を被った強盗犯が花嫁の実家に入ったのは半年前。駆けつけた花婿が追い払ったが、去り際に強盗犯は恨みを忘れないと捨て台詞を吐いたらしい。現場に残された凶器の包丁から検出された指紋は4件の強盗を犯し、6人の命を奪った強盗連続殺人犯の指紋と一致したという。そして一昨日、犯行を仄めかす脅迫状が花嫁のポストに放り込まれたのだ。 高木と由美が替え玉に選ばれたのは、花婿の平正輝と花嫁の益戸麗に似ていたから。結婚式は花婿の希望もあり、予定通り挙げるという。招待状がなければ建物に入れないため、犯人が2人を狙う可能性が高いのは式後に建物から出るライスシャワーの時。そこで高木と由美が本物と入れ替わるという。皆が強盗犯の話をしていると、髭に眼鏡の郡司倫造が高木と由美をカメラで撮影。続いて、茶髪にサングラスの島袋貞悟、おかっぱ頭のひょろっとした軽辺福春が由美に声をかける。完全に本物と勘違いしているらしい。 この後、目暮、小五郎、コナンは平と麗の控室へ。小五郎は2人から半年前の事件について詳しい話を聞く事に。当時、平は犯人と揉み合った時に妙な手の付き方をして手首と親指を骨折。先週までずっと腕を吊っていたという。話をしていると、最近、平のマンションが空き巣に入られた事も明らかに。何も盗まれなかったが、消していたパソコンの電源が入っていたと平は説明する。 その直後、高木刑事から堤無津川の空き倉庫で喉を切られた焼死体が見つかったと目暮の携帯に連絡が入る。遺体は30代から40代の男性で、紺のスーツに白いネクタイを着用。燃え残った左手の爪から強盗犯の指紋が検出されたという。遺体の格好が礼装と気付いたコナンはパソコンに結婚式の招待客リストが入っていたかを麗に訊ね、麗は入っていたと答える。遺体はリストの中の誰かで、招待状を奪った犯人が被害者に扮して式場に潜入した可能性は高い。 目暮らは全ての結婚式の中止を検討する。そこへ福井刑事が平と麗宛の言付け物を持って現れる。チャット仲間、清水からの言付け物で、中身はハンディのビデオカメラ。式後に温泉サイトの仲間が開くパーティーで流す映像らしく、本番前に内容を確認して欲しいと頼まれていたのだ。皆で内容を確認すると、映像には、ファスナーの半袖服を着て左腕を吊った平と笑顔で寄り添う麗が映っていた。そして、皆とビデオを見ていたコナンは映像の不審な点に気付く…。 映像を見終わった後、平と麗が空き巣の件を警察に通報していなかった事が判明。盗まれた物がないため、連絡しなかったという。この後、コナンは誰が犯人かを調べるため、結婚式に来た人に会う事を平と麗に提案。結局、関係者控え室の隣の部屋から来客者の顔をチェックする事に。麗が顔に見覚えがない人物は、先ほど高木と由美に声をかけてきた島袋、軽辺、郡司の3人。 郡司は海外を飛び回るカメラマンで、最近会っていないという。島袋はスノーボードのインストラクターで、見覚えがないのは帽子とゴーグルで顔が隠れていたから。そして軽辺は温泉サイトの管理人で、会うのは今日が初めてという。この後、蘭は3人の不可解な手元に注目。軽辺は左手の小指と薬指に包帯、郡司は左手の薬指に絆創膏を巻き、島袋は左手をポケットに。左手薬指は犯人が指紋を残した場所。小五郎は指紋が付かないようにしているのかと疑う。 すぐにコナンは3人のところへ行って話を聞く。軽辺は草野球で突き指し、郡司は家のドアに指を挟み、島袋はポケットに手を入れるのが癖だとわかる。そして島袋は右目の下にものもらいがあるため、部屋の中でサングラスをしているとコナンは説明。すると、麗が強盗に入られた時、犯人の右目にものもらいがあった事を思い出す。それを聞いたコナンは犯人が誰かに気付き…。

第26話
(450話)
トリックVSマジック(前編)

小五郎はマジシャンの冬城幻陽から大至急会いたいと連絡を受け、コナン、蘭とショーが行われる米花ホールへ向かう。そして小五郎らが控え室を訪ねると、冬城は団員の誰かが自分を殺そうとしていると告白。冬城はその人物を突き止めて欲しいと小五郎に依頼する。最近、冬城は稽古中に2度、上から機材が落ちてきて、危うく死に掛けたという。 団員はアシスタントの上原美佐と中川千明、ビデオ係の石田一馬、演出家の庄司真吾、クレーン係の長谷川実の5人。愛弟子の石田を除く4人の団員には個々に冬城を殺す動機があるという。この後、冬城と小五郎はショー中に緊急な事があったら出すサインを決めておく。夕方、小五郎とコナンは舞台を調べた際、偶然にも団員の話を聞き、石田にも冬城を殺す動機があると判明する。 夜、冬城のマジックショーが始まり、コナンらは前方の客席からショーを見学する。ショーは順調に進んでいき、「鋼鉄の針」というマジックがスタート。中央にはベッドのような台が置かれ、天井からは数十本の先の尖った鋼鉄の針が下がっている。この後、台の上に横たわった冬城がもがき始め、緊急時のサインを小五郎に送る。そして、冬城の叫び声と共に台から血が溢れ出る…。 観客は色めき立つが、これは冬城が考えた演出だった。前半のステージ終了後、冬城はサインを見ているか確認したかったと小五郎に説明する。この後、庄司が演出プランを勝手に変更した冬城に激怒。だが、冬城は今後の演出はエキサイティングなものにするつもりだと言い返す。そして後半のステージが始まり、冬城は「水中脱出」に挑戦。しかし、頭から水槽に入れられた冬城は…。

第27話
(451話)
トリックVSマジック(後編)

水中脱出のマジックに挑戦した冬城幻陽は、水槽で逆さまになったままグッタリしてしまう。小五郎、コナンは現場に駆けつけた目暮警部らと一馬が撮影した事件当時のビデオ映像を確認する。目暮がマジックの仕掛けを知りたがると、コナンは水槽のフタに秘密があると説明。美佐と千明は冬城の両足を足かせにした時、フタに掛け金をかけ、南京錠もかける。両方本物だが、美佐と千明が掛け金の継ぎ手のピンを素早く抜けば、簡単にフタが開く仕組みなのだ。 検視官によれば、冬城の死因は溺死でほぼ間違いない。事故か、誰かが仕組んだ事かが問題だが、小五郎は美佐と千明の犯行だと指摘。共謀した2人が掛け金のピンを抜くフリをして抜かなかったため、冬城は脱出できなかったと推理する。しかし2人はピンを抜いたと反論し、フタも開いていたと主張。もう一度、ビデオを見て確認する事に…。 ビデオには肝心な所が映っていなかったが、2人の犯行の可能性は低い。すると今度は一馬に疑いの眼差しを向ける小五郎。小五郎はショーの合間の休憩の時に一馬が何かを冬城に渡していた事を思い出す。一馬はβブロッカー遮断剤という心拍数を低下させる薬を渡したと説明。長く息を止める水中脱出を行うために、いつも15分くらい前に飲む薬だという。小五郎は筋弛緩剤にすり替えたと推理するが、一馬は反論して身の潔白をアピールする。 この後、小五郎、団員らは血液分析の結果を待つ事に。コナンは1人、会場に戻って事件当時の状況を振り返る。そして、水槽の真上にある天井下の梁に目を留め、何かに気付く。その時、突然雷が落ちて場内の電気が消えると、コナンは水槽に2度目のカーテンがおりた後、一瞬暗くなった事を思い出す。犯人の目星をつけたコナンは再びビデオの映像を確認し、証拠も見つけ出す…。

第28話
(452話)
こんぴら座の怪人

小五郎、コナン、蘭、園子は伊東玉之助一座の芝居を見るため、琴電に乗って有名な芝居小屋、金丸座のある琴平駅へ。一行は金刀比羅宮、本宮へと続く長い石段を上った後、金丸座へ行き、伊東玉之助、片岡れんげ、伊東めぐみらと再会を果たす。蘭らは日本最古の小屋を見学しながら芝居の話題に触れる。 今回、一座が上演するのは「オペラ座の怪人」を下敷きにした「こんぴら座の怪人」という時代劇。玉之助が怪人、女優の軽部ロミがヒロインの歌姫、河竹乙弥が侍を演じる。玉之助らが稽古をする傍ら、客席にはスポンサーである羅臼コンツェルンの羅臼辰彦の姿。羅臼は幼馴染みのれんげを激励する。この後、れんげの役が歌姫ではなく、小さい役という事に対し、羅臼が不満を漏らすと、玉之助は配役を決めるのは座長の自分だと主張。玉之助は有名な若手舞台女優にも関わらず、客演をあっさりOKしてくれたロミを庇う。 この後、蘭たちは大道具の鍋島勝男から仕事の邪魔だと文句を言われる。鍋島は蘭たちを小屋に入れた玉之助にも小言を言う。そして、稽古が再開されると、その直後にロミの頭上の大提灯が落下。コナンが大提灯を吊っていたロープを調べると、刃物で入れたような切れ目がついていた。ロミは額に小さな傷を負ってしまうが、大した事はないと気丈に振舞う。蘭は、ヒロイン役の女優の上にシャンデリアが落ちる「オペラ座の怪人」と状況が似ている事に驚く。 すると、玉之助は芝居ではなく、実在の怪人からヒロインを替えろと要求されている事を告白。金刀比羅宮などに出没する怪人の姿が観光客らに目撃され、座長宛に「広い参加、得よ! 刺され、散華に! 讃岐こんぴら座の怪人」という10通の手紙も送られてきたという。コナンは手紙が"さ抜き言葉"の暗号と気付く。暗号を解読すると、手紙は「ヒロイン替えよ、れんげに!」という脅迫状のような内容に。だが、玉之助は要求に応じるつもりはなく、このままの配役でこの日のプレミア、明日の一般公演を行うと宣言する。 夕方、金丸座にプレミアの招待客が入っていく。そして、舞台の幕が開くと、芝居や金丸座独特の演出に招待客は歓声を上げ、喝采を送る。そんな中、客席のコナンはロミがチラチラと上方のぶどう棚を見上げている事が気になる。コナンはロミの視線の先を追い、ぶどう棚の隅にうごめく影を発見。玉之助が演じる怪人とは別にもう1人の怪人がいるのだ。その直後、ロミは激しく苦悶。ロミは「オペラ座の怪人」の設定と同じように声が潰れていた。 ロミは楽屋口へと駆け込んでしまい、一旦、緞帳が降ろされる。ロミはうがい薬を誰かにすり替えられ、声を潰してしまったのだ。玉之助は急遽れんげにロミの代役を頼み、れんげは急いで着替え始める。一方、コナンはぶどう棚へ上がる梯子を見上げ、ぶどう棚の隅の怪人がいた辺りに半透明の幕が敷かれているのに気付く。コナンは梯子を上って幕を確認しようとするが、鍋島に立ち入り禁止だと阻まれてしまう。 客席に戻ろうとしたコナンは迷路のような小屋の中で迷い、れんげの楽屋の前へ。すると、中から会話が聞こえ、音楽の天使と名乗る人物が不安を口にするれんげを励ましていた。だが、れんげが楽屋から出て行った後、コナンが楽屋の中を覗くと、そこには誰の姿もなかった…。結局、れんげは見事にロミの代役を務め、芝居は大成功を収める。 翌朝、空き地に首を刺された鍋島の遺体…。傍らには石段登りに使う杖が転がり、凶器のナイフを握りしめた怪人も倒れている。怪人の仮面は外れかけ、玉之助の顔が覗いている。そこへ自転車に乗った警官が通りかかり、目覚めた玉之助に動くなと命令。玉之助は自分が犯人ではない事を訴えるが…。

第29話
(453話)
因縁と友情の試写会

コナンら少年探偵団、灰原は阿笠博士とSF映画「スターブレイドVI」の試写会へ。開場前、長蛇の列に並ぶコナンらにフリーカメラマンの建井文吾という男性が声をかけてくる。建井はこの映画の大ファン。彼女の亜美と知り合ったのもこの映画の試写会だという。だが、チケットが取れなかったのか、この日は亜美の姿がない。そして、建井は昨夜、スターブレイド仲間の鴨川から試写会のチケットをよこせとしつこく電話された事を明かす。 一同が話していると映画のコスプレ姿の係員が現れ、光彦らは建井に写真を撮ってもらう。建井は写真を送るため、阿笠から住所を聞く。阿笠が建井の手帳に住所を書くと、建井はその部分を破る。そして、その紙切れをフィルムケースに入れ、ケースを胸ポケットにしまう。この後、建井は作品に関して間違った発言をする。光彦らが不思議に思っていると、建井の携帯が鳴る。 電話の相手は鴨川で、奥穂第二ビルに呼び出されたという。建井は列の順番を取っておいてほしいと阿笠に頼み、バッグを置いて待ち合わせ場所へ向かう。この後、元太らは先ほどの建井の間違った発言を話題に。すると、コナンが建井のバックの中身を確認。中の手帳には3年前の試写会の未使用チケット2枚が挟んであり、1枚には血の痕。どうやら建井は前作を観ていないようだ。 さらにコナンは手帳に挟んである建井と亜美の仲睦まじいツーショット写真を見つける。写真の日付と3年前のチケットの日付は同じだった。そして、コナンはバッグの中に何を撮影したかがわかるように番号を振ったフィルムケースを発見。阿笠の住所を書いた紙切れをケースに入れた行動を不審に思う。阿笠はフィルムが15枚も残っていたのにカメラを巻き戻した建井の行動が引っかかったという。この後、コナンは建井が何を企んでいるかに気付き…。

第30話
(454話)
ひっくり返った結末(前編)

ホテルニューベイカの504号室。小説家の萬田年久は電話をきると部屋の扉を開ける。そこには編集者の島木の姿。島木は締め切りまで2時間しかないと萬田に原稿を催促。萬田は原稿執筆のため、猫のノベルと共に部屋にカンヅメにされているのだ。島木がエレベーターホールで待機していると告げて部屋を出て行くと、萬田はボーイに変装し、ノベルを連れてホテルを抜け出す。 堤無津川の河川敷にあるグラウンドでは、コナンが元太、光彦らと野球をして遊び、歩美と哀は隅で応援している。その脇の土手を帽子にメガネ、マスクで変装した萬田が自転車に乗って通過。萬田は自分の家の向かいに住む弟子の原本高平の家に急ぐ。原本は萬田を家に入れると、原稿が入ったディスクを差し出す。実は、萬田の原稿はゴーストライターの原本が書いているのだ。 自分も作家としてデビューしたい原本は編集者を紹介して欲しいと萬田に頼む。デビュー作の推理小説は完成間際だという。原本はフィギュア、花瓶などのコレクターで、部屋には様々なコレクションが所狭しと並んでいる。原本は抜けていたモノが今日揃ったと嬉しそうに語る。その隙に手袋をはめた萬田は花瓶で原本の頭を殴って殺害。萬田は部屋の扉に「執筆中 入室厳禁」と書かれた札をかける。その時、萬田はノベルがいない事に気付くが、時間が経つと504号室に居たというアリバイが崩れるため、ノベルを置いてホテルに戻る。 萬田は504号室にやってきた島木に原稿を渡す。この後、萬田と島木は打ち合わせのため、タクシーで萬田の家に向かう。車内で次回作はミステリーだと明かす萬田。原本のデビュー作を自分の作品として発表するつもりなのだ。萬田らが帰宅すると、既にノベルが戻っていた。萬田が完全犯罪成立と喜んだ直後、ガシャンというガラスが割れる音が響く。コナンたちの野球の球が原本の家の中に入ってしまったのだ。コナンらは原本の家に向かい、萬田は…。

第31話
(455話)
ひっくり返った結末(後編)

コナンら少年探偵団、灰原は小説家の萬田年久の弟子、原本高平が家の中で殺害されているのを発見する。捜査にあたる目暮警部らは物盗りの犯行と考えるが、コナンは知り合いの犯行と推理。空き巣なら「執筆中 入室厳禁」という札がかけられた部屋の扉を開けないと考えたのだ。検死官によれば、原本の死亡推定時刻は約2時間前の午後3時頃。目暮がアリバイを確認すると、萬田は昨晩からホテルの部屋にカンヅメで、その時刻も部屋にいたと証言する。 高木刑事はホテルと原本の家が近い事を指摘。すると、島木はホテルのエレベーターホールにいたと説明し、萬田がホテルを抜け出すのは無理だと証言する。コナンは机の引き出しの中に鏡しかない事に着目。何かを取り除いたように見える事から、犯人の目的は引き出しの中の物だったと推理する。哀はもう1つの部屋に不可解な点があると目暮らに伝え、その部屋へと移動する。 その部屋では、棚のミニカーや人形などのコレクションが逆さまにひっくり返っていた。その時、ノベルがやってきて、ミニカーをひっくり返す。目暮は現場に猫を放した萬田に注意。そこにハウスキーパーの市村が現れる。市村は、物をひっくり返したのは原本だと考える。市村を困らせるため、他のいたずらもよくやるという。だが、コナンは、コレクションの一部が壊れているのに気付き、犯人の仕業と推理。原本ならもっと大切に扱うと考えたのだ。 この後、萬田の次回作がミステリーという話題に。すると、市村がデビュー作は推理物にすると原本が話していた事を明かす。その話に萬田は動揺し、話題を変える。抜けていたモノが今日揃ったと原本が話していた事を思い出した萬田は、頼まれて購入したものはあるかと市村に訊ねる。市村は歯医者の予約を取ってあげたくらいだという。話を聞いたコナンは誰が犯人かに気付き、物がひっくり返った謎も解く…。

第32話
(456話)
俺が愛したミステリー

小五郎とコナンが書店で立ち読みしていると、目暮警部が乗るパトカーが走り抜ける。小五郎らはパトカーに同乗し、殺人現場へ向かう。マンションの一室には小説家、斉川村子の遺体。傍らにはブロンズ製の置物が転がっている。殺害時刻は昨夜7時から9時の間。後頭部を置物で殴打されて即死だという。 遺体の第一発見者は迷宮出版の担当編集、遠野舜一とマンション管理人の村田啓三。遠野は昨日の打ち合わせの時に頼まれた資料を今朝届けに行ったという。だが、部屋から応答がないため、遠野は管理人に鍵を開けてもらい、居間で村子の遺体を発見。遠野は昨夜の8時頃まで村子の部屋にいたという。 遠野は数日前に大蛇谷良を名乗る人物から、命を頂くという内容の葉書が村子宛に届いていた事を告白。大蛇谷は村子の代表作に出てくる天才的犯罪者だ。高木刑事は部屋に鍵がかかっていた事に着目。担当編集の遠野と管理人の村田なら村子の部屋の合鍵を持っている可能性は高い。この後、数日前に村子と村田が激しく言い争っていたという情報が寄せられるが、村田はそれを否定する。 小五郎らが犯人の手がかりを捜す中、コナンは流しの三角コーナーでガリを発見。すると遠野は昨夜、寿司を出前した事を明かす。村子はガリが苦手だったため、そのガリを捨てたと遠野は推測する。しかし、コナンはガリがしっとりしている事に違和感を持ち、第一発見者のどちらかが今朝捨てたと推理する。 遠野が村子を訪ねたのは昨夜6時半で、7時半に村子に頼まれて寿司屋に出前を注文。8時に出前が届いた後、遠野は部屋を後にして8時15分に居酒屋で友人と合流したという。そして、殺害は寿司を食べた1時間後という司法解剖の結果が出た後、昨夜9時頃に宅配屋が村子の部屋の前にいる村田を目撃していた事が明らかに。目暮らが村田に疑いの眼差しを向ける中、コナンはメモ用紙を発見し、その内容から犯人のトリックを暴く…。

第33話
(457話)
園子の赤いハンカチ(前編)

コナンと蘭は園子に誘われ、森へ紅葉狩りに出掛ける。実は、この森はドラマ「冬の紅葉」のロケ地。資産家の令嬢と青年将校が小枝に赤いハンカチを結んだ枯れ木の下で再会するシーンが有名になり、園子も京極真との再会を願い、赤いハンカチを小枝に結び付けようと考えていた。だが、同じような考えのファンが大勢いるようで、木立の枝には多数の赤いハンカチが結ばれていた。 園子は自分が結んだハンカチの下で京極と再会したいと考え、全てのハンカチを取り除く事に。その時、ドラマのADを名乗るホヅミが現れる。ホヅミは脚本家にこの場所を教えたのは自分だと明かす。ロケハン中に枝に結んだ赤いハンカチを発見し、それを元に脚本家が物語を書き換えたという。だが、ドラマがブームになり、ハンカチを枝に結ぶ人が増えたため、山の持ち主には怒られたらしい。話を聞いた園子は気まずくなり、ハンカチを結ぶのを自粛する。 話が一段落すると、ホヅミは園子らに言伝を頼む。赤いハンカチが結んであった元の木の場所を知りたいとファンに頼まれたらしく、駅前の赤樹旅館のロビーにある伝言ノートに木が見つかった事と場所を書き込んでほしいという。そのファンには何かあったらノートに書き込むと話してあるらしい。コナンらは言われた通り、旅館の伝言ノートに言伝を書き込み、ファミレスで食事をとる。食事中、園子はやはりハンカチを結びたいと言い出す。 結局、コナンらは再び森へ入る。そこでコナンはホヅミの手帳が落ちているのを発見。ページの一ヶ所に血痕が残り、そのページには「4月1日 AM6時 局前集合 バス弁当手配」と書かれていた。この後、コナンは手にベットリと血が付いている事に気付く。手帳に付着した血が乾いていなかったのだ。そして、コナンらは近くで胸にナイフが突き刺さったまま絶命したホヅミを発見する…。

第34話
(458話)
園子の赤いハンカチ(後編)

森の中でホヅミの遺体が発見され、群馬県警の山村刑事が捜査を行う。蘭と園子はホヅミがドラマ「冬の紅葉」のADで、言伝を頼まれた事などを山村に伝える。山村もそのドラマの再放送を見ているという。山村は「ホヅミ」と名前をカタカナでノートに書かせた事に疑問を持つ。コナンはホヅミが普段からカタカナを使っていると推理。拾った手帳にもホヅミと書かれていたからだ。 山村は血の跡が残るホヅミの手帳に目をつける。蘭は4月1日のページにだけ血痕が残り、ホヅミの指に血が付いている事から、それをダイイングメッセージと考える。そして鑑識の結果、ホヅミの死亡推定時刻は午後5時頃と判明。ホヅミは一度腹部を刺された後、胸部を刺されていた。身元がわかる物は犯人に全て抜き取られていたため、山村はドラマの制作スタッフに電話して身元を確認する事に。その頃、別の刑事は森の中で無人のテントを発見する。 この後、コナン、山村らはホヅミに頼み事をしたファンが宿泊する可能性が高い赤樹旅館に向かう。そのファンは今朝チェックインしたとホヅミは話していたが、それに該当する宿泊客は3人。容疑者は口の悪い若者の大隈勇、メガネをかけた老人の綿貫辰三、片言の日本語を喋る外国人のハンス・バックリリーという3人に絞られる。だが、3人はドラマの事を全く知らないという。 そんな折、ドラマの制作会社に問い合わせた刑事から報告が入る。ホヅミという名前のADは存在しないという。その刑事は報告の後、制作会社の名簿のコピーを山村に手渡す。コナンは名簿を見て何かに気付き、ライトを片手に森へと戻る。そしてコナンはある木を見つけると、根本の土を掘り起こす。すると、そこから白骨化した頭蓋骨が現れ、コナンは…。

第35話
(459話)
怪人ガチガチ規則男

登校前、コナンら少年探偵団は同級生の千春のアパートに立ち寄る。千春からアパートにゴミの出し方に物凄く厳しい岩田巌という人がいると教えられ、彼を見学する事になったのだ。千春によれば、岩田は3ヶ月位前に引っ越してきたという。そして、コナンらがアパートに着くと、ちょうど脇のゴミ収集所で岩田がヤクザ風の男、鶴間にゴミの出し方を注意していた。 岩田がゴミの出し方に厳しくなった理由は、引っ越して間もなく起きた放火。夜中に誰かが出したゴミに火が放たれ、偶然気づいた岩田が消火したが、それ以来、岩田はゴミの出し方に厳しくなったという。元太は規則にうるさい岩田が周りに恨まれないかと心配する。そして、3日後に殺人事件が起きてしまう。だが、岩田は被害者ではなく、加害者だった。 事件を担当する高木刑事は、ゴミの出し方が原因だとコナンらに明かす。前の晩、夜中3時頃に片山美砂がゴミを出し、岩田はそれを注意。すると、美砂は落ちていた鉄パイプで岩田に殴りかかったという。身の危険を感じた岩田が美砂を突き飛ばし、彼女は後頭部を電柱に打って絶命してしまったのだ。岩田はすぐに自首し、正当防衛を主張。美砂はスナックのホステスで、よく夜中にゴミを出していたという。町内会長も注意したようだが、美砂は開き直っていたらしい。そして、美砂は何度も注意する岩田を疎ましく思っていたのだ。 事件の目撃者はなく、高木は岩田の供述を信じていいかと悩む。そして、高木、コナンらは岩田が以前住んでいたマンションの管理人、岡野から話を聞き、人物像を探る事に。岡野によれば、岩田は温厚な性格で、揉め事は1度もなかったという。元太はゴミの出し方を注意する岩田とのギャップに違和感を持つ。さらに岩田が賃貸契約を更新した直後に突然、引っ越した事が判明。話を聞いたコナンは岩田が美砂を殺したのは偶発的な事件ではないと推理し…。


シーズン12

第01話
(460話)
1年B組大作戦!

午前中、コナンや元太、歩美、光彦、灰原は5時間目の学活の話題を話す。予定していたドッジボールは雨で中止になりそうなため、代わりに何をやるのか、気になっているのだ。4時間目の授業中、東尾マリアは消しゴムを忘れた歩美に声をかけようとするが、何もできずに終わる。そして、坂本たくまは鉛筆の芯が全部折れて困ってもクラスメイトに相談できずにいた。転校生のマリアと大怪我で学校を休んでいたたくまは1年B組に馴染めずにいるのだ。 4時間目が終わると、担任の小林澄子は給食の後の昼休みに人と会うので教室を空けて欲しいと生徒たちにお願いする。昼休みを図書館で過したコナンらは、小林が何かを企んでいると推測する。そして昼休みが終わり、コナンらが教室に戻ると、黒板に一枚の貼り紙。そこには「小林先生はあずかった 君たちにいばしょがわかるかな? 怪人二百面相」と書かれていた…。 生徒たちが驚く中、コナンは自分の机の中から3と記された紙を見つけ、これは小林が生徒に仕掛けた推理ゲームだと判断する。小林はヒントを出し、自分が隠れている場所を生徒に捜させようとしているのだ。この後、歩美の机から2、光彦の机から1、元太の机から朱書きで5、そしてマリアの机から4と記された紙が見つかる。さらにコナンは黒板に貼られた紙の裏にサイコロの絵が描かれている事に気付き、誰かの机に6と記された紙もあると推理する。 すると、たくまが6と記された紙が机に入っている事を渋々明かす。元太や歩美はたくまの名前を思い出せずにいたが、コナンは正しく言い当てる。実はコナンもたくまの名前を忘れていたが、小林のヒントを元に名前を推理していた。既にコナンは小林の暗号を解いてしまったのだ。そして、コナンが皆に暗号の謎を語ろうとしたその時、校内放送が流れ、職員室に呼ばれてしまう。残された元太らは、マリア、たくまらと協力して暗号を解こうとするが…。

第02話
(461話)
消えた1ページ

放課後、コナンら少年探偵団は読書感想文を書くため、読む本を図書室で選ぶ。歩美が選んだ本は最後のページが破られていた。だが、歩美はその本が読みたいと主張。コナンは本の背表紙の図書カードを確認し、最後に借りた1年A組の内藤司に話を聞く事に。一方、図書館を出た廊下で光彦と話していた元太は男に突き飛ばされる。男が来た理科室の方には人だかりができている。 コナンと歩美はA組の教室へ行くが司は休みだった。クラスの女子によれば司は無断欠席したという。この後、その女子は歩美が借りた「アレックの冒険」を見て、司が読んでいた本だと気付く。大切な物を無くした主人公のアレックが、無くした物を取り戻せる力を持つ「ふたたびの石」を見つけ出す内容だという。コナンと歩美は本の事を聞くため、司の家へ向かう事に。 その頃、光彦と元太は理科室へ。野次馬の1人に話を聞くと、大事な石が何者かに盗まれたという。元太は突き飛ばした男が犯人と推理し、光彦と共に男の後を追う。この後、コナンと歩美は理科室の前を通り、米花博物館から借りた再来石が無くなった事を知る。コナンは再来石とふたたび石が似ている点から、犯人が「アレックの冒険」を読んだ可能性があると推理する。 元太と光彦は男の後を追うが、男に追跡がバレてしまう。そして、コナンと歩美が司の自宅、焼き鳥の内藤へ入ると、そこには元太らの姿。男は司の父親だった。コナンらは父親に許可をもらい、司の部屋を調べさせてもらう。そこでコナンらは司の母親の遺影を発見する。遺影の横の写真立てには海をバックに微笑む司と母親の写真。コナンはこの写真を見て全ての謎を解く…。

第03話
(462話)
黒の組織の影 幼い目撃者

杯戸中央病院の廊下にジェイムズ・ブラック、ジョディ・スターリング、赤井秀一の姿。ジェイムズらは病室で意識不明のまま眠る水無怜奈を心配する。このままの状態が続けば組織にこの場所を知られる危険性があるからだ。毛利探偵事務所では、小五郎と蘭が些細な事から口論になり、本堂瑛祐がとばっちりを受ける。本堂は蘭と偶然会い、事務所に遊びに来ているのだ。 この後、事務所の電話が鳴る。しかし、本堂が誤って電話を切ってしまい、小五郎らは夕方まで暇を持て余す。そして、コナンが読んでいた漫画誌の話から、去年メジャーデビューした人気ミュージシャン、板垣ロクの話題に。蘭はインディーズの頃からロクのファンだった園子の言葉を思い出す。ロクがデビュー1年足らずで充電期間に入ってしまい、園子はロクに何かあったに違いないと話していた。すると、事務所に柱谷と息子の巧が現れる。 巧はロクが橋から落とされるところを目撃したと証言する。柱谷によれば、TVでロクが出演するCMを見た巧は、ノコギリの兄ちゃんが殺されたと騒ぎ始めたという。ロクの髪は銀色でギザギザに立っているため、巧にはノコギリのように映るのだ。柱谷はロクが急に休みに入ったと知り、心配になって小五郎に相談しに来たという。先ほど電話をかけてきたのは柱谷だった。 巧がロクを目撃したのは柱谷の車で初詣に行く途中。ちょうど花火が上がった時だったようだが、どこの橋かは覚えていないという。ある男が橋から落としたカバンから血だらけのロクの顔が出ていたらしい。巧はその男の腕には釘の絵が描かれ、車の傍には大きな光るトンカチが見えたと証言する。 小五郎は巧の言っている事がウソだと疑ってかかる。だが、本堂は巧の頚動脈に手を当て、巧がウソをついていないと判断。コナンは頚動脈に手を当てる本堂に動揺する。怜奈がコナンにやった動作と同じだったからだ。その時、テレビの臨時ニュースで、堤無津川からロクの遺体が発見されたと報じられ…。

第04話
(463話)
黒の組織の影 奇妙な照明

堤無津川から人気ミュージシャン、板垣ロクの遺体が発見される。コナンは小五郎、蘭、本堂、目撃者の巧、父親の柱谷と現場へ向かう。一行が最初に足を運んだのは杯戸新橋。だが、杯戸新橋、杯戸中央橋、杯戸大橋のどの橋が現場だったのか、巧の記憶が曖昧なため、特定は難航する。さらに巧が目撃した大きな光るトンカチの謎も解明できない。 この後、ニュースでロクの死を知った園子から蘭の携帯電話に連絡が入る。蘭はロクと釘の関係性を園子に質問。園子によれば、蛇の頭に釘が刺さった絵はロクがインディーズ時代のバンドのマーク、ネイル・スネイクだという。ロクを川に落とした男の腕に描かれた釘の絵は、そのマークのタトゥーだったのだ。蘭はロクのファンがタトゥーを彫るショップを園子に教えてもらう。 そして、コナンらは杯戸中央橋付近にあるタトゥーショップへ。しかし、ショップの旗のマークを見た巧は、自分が見た絵ではないと証言。すると、コナンはバンドのマークが別のものに替わったと推理する。旗を留める画びょうが取れていたからだ。店員は旗を張り替えようとしていた事を認め、新しいマークの旗を見せる。そのマークを見た巧は自分が見たものだと証言する。 店員によれば、マークが替わると知ったコアな3人のファンが既に新しいマークのタトゥーを彫っているという。店員はタトゥーを入れた桐谷、安居、関内の写真を取り出す。だが、3人とも腕にタトゥーを入れているため、捜している男が誰かは判断できない。しかも、巧は男の顔を覚えていないという。 店を後にしたコナンらは最後に杯戸大橋を確認するが、結局、どの橋が現場なのかは特定できなかった。この後、コナンは重なる自分と柱の影を見て、ビルの方へと駆け出す。そして、コナンはロクを川に突き落とした人物、どの橋で犯行が行われたのか、証拠がどの辺に沈んでいるかに気付き…。

第05話
(464話)
黒の組織の影 謎の高額報酬

黒ずくめの組織のジンとウォッカはキャンティ、コルンと連絡を取りながら水無怜奈の行方を捜していた。その頃、怜奈はFBI監視の下、意識不明の状態のまま病院のベッドにいた。キャンティは怜奈がFBIに洗脳されて寝返っていないかと心配するが、ジンはそれを否定。怜奈は組織に紛れ込んだネズミから激しい尋問を受けても何も吐かなかったという過去があるからだ。 翌朝、小五郎はコナンと蘭、そして遊びに来た本堂瑛祐と喫茶店ポアロへ行く。本堂はインターネットで面白い事件を見つけたと報告する。だが、小五郎は事件を解決しても報酬が得られないため、取り合おうとしない。本堂によれば、その事件はホームズの小説「赤毛連盟」に似ているという。コナンは「赤毛連盟」という言葉に興味を示し、小五郎は話を聞いても良いと意見を変える。 本堂が事件を見つけたのは、とあるHPの日記コーナー。日記には高い報酬のバイトについて書かれているという。「赤毛連盟」と似ているのは報酬が高い点。バイトの依頼主はゴミの無害化を研究する団体で、仕事内容は燃えるゴミの日に、あるゴミ置き場のゴミをゴミ収集車が来る前に回収し、次の燃えるゴミの日に、前に回収したゴミとその時に出されたゴミを交換するのみ。それだけで1回5万円もの報酬が口座に振り込まれるという。 日記を書いている人物は、依頼主が「もういい」と言うまで続ける条件で2週間前からバイトを開始。しかし、そのバイトには不審な点も…。回収したゴミを依頼主が調べた形跡はなく、ゴミを回収する目的がわからないという。小五郎はゴミを回収している隙に依頼主が近くでよからぬ事をやっていると推理する。そのゴミ置き場は鳥矢町3丁目の公園近くにあるらしい。コナンらはゴミの回収に間に合う時間だったため、そのゴミ置き場へ行ってみるが…。

第06話
(465話)
黒の組織の影 真珠の流れ星

ゴミ置き場付近では銃殺事件が起こり、目暮警部と高木刑事が捜査をしていた。被害者は近くに住む船本兼世。貴金属が盗まれ、物盗り目的の犯行と判断される。だが、息子の透司は交通事故の事を母親に話したため、口封じに殺されたと訴える。透司は水無怜奈の交通事故の目撃者だった…。だが、コナンは事故の事を目暮らに知られないように話をすり替える。 目暮によれば、兼世は週4回ゴミ出しを兼ねて早朝ジョギングをしていたという。だが、ジョギング中ではなく、自宅で殺害されたため、目暮は物盗りの犯行として捜査。交通事故の事も調べたが、痕跡もなかったという。この後、コナンらが事件現場となる兼世の自宅へ向かうと、そこには1ヶ月前に左足を骨折して車椅子に乗る夫、船本達仁の姿。犯行現場の兼世の部屋は2階にあり、達仁の部屋はその隣りに位置していた。達仁が2階に上がる時は家政婦の茂野孝美が肩を貸しているという。 そして、コナンらは兼世が頭を撃たれた部屋のベランダへ。目暮によれば、犯人はフック付きロープを使ってベランダに登り、扉を割って鍵を開けて侵入したという。だが、扉の鍵の部分のガラスが割られていたのは下だけ。コナンは上の鍵の部分が割られていない事を不審に思う。だが、兼世はよくベランダから星を眺めていたため、上の鍵は掛け忘れたと判断される。 犯行時刻は兼世が帰宅した直後の一昨日夜9時から10時の間。それ以前に部屋に身を潜めていた犯人に背後から狙われたと推理される。犯行時刻、孝美は友人2人と下のリビングに。達仁は疲れて部屋で休んでいたという。小五郎はアリバイのない達仁を疑うが、弾の入射角度からすると犯人は身長180cm以上。達仁は車椅子に乗っている上、身長160cmで犯行は不可能だった。この後、孝子が夕食を作る事に。その時、コナンは車椅子に付着するネギの切れ端を発見。さらにコナンは卵の賞味期限が昨日の2月4日だった事から何かに気付き…。

第07話
(466話)
割れない雪だるま(前編)

阿笠博士に連れられ、群馬のスキー場にやってきたコナン、歩美、光彦、元太、哀。コナンはゲレンデでスノーボードを楽しみ、歩美や光彦、元太はロッジ前で雪ダルマ作りに夢中になる。そして、滑り終えたコナンに哀、阿笠は黒ずくめの組織、水無怜奈が関わる一連の事件について質問。コナンは怜奈の交通事故を目撃した透司との再会は偶然ではなく、本堂瑛祐の仕業だと哀らに告げる。 本堂は怜奈の居場所を知るために探りを入れてきた人物の仲間と推理するコナン。だが、コナンはドジな本堂が本当にその人物の仲間と確信できずにいた。コナンはロクの事件で本堂が流した涙の理由も理解できていないという。その頃、雪ダルマを作っていた歩美は、後ずさりした拍子に隣にいた板橋一八が作っていた雪ダルマにぶつかってしまう。 すると仲間の1人、小倉朔子が歩美を叱り付ける。その雪ダルマは卒業制作の試作品で、作っているのは板橋、朔子、木山鍛治、尾上麻華の4人。彼らは美大の彫刻科に通う大学生で、板橋が雪像の基礎となる形を作っているという。卒業制作のテーマは「雪男の嘆き」らしい。この後、朔子が板橋を急かし、4人はギクシャク。特に女性2人は仲が悪く、朔子は足を引きずる麻華に皮肉を言う。その様子を見ていた光彦らは雪ダルマで朔子を驚かせようと計画する。 この後、板橋は吹雪の中、雪像作りに励み、ほかの3人はおのおの自分の部屋で過す。そんな中、読書をしていた朔子は携帯電話で何者かに呼び出される。昼頃、コナンらが食堂で食事をしていると、板橋、木山、尾上が慌てた様子でやってくる。朔子の行方がわからなくなったらしく、コナンらも手分けして朔子を捜す事に。だが、外は猛吹雪で捜索は困難を極める。そして、元太らがロッジ裏で自分たちが作った雪ダルマの首が落ちているのを発見した後、コナンが崖の下にある池に何か浮いているのに気付く。コナンが眼鏡の望遠機能で確認すると、それは朔子の遺体だった…。

第08話
(467話)
割れない雪だるま(後編)

コナンらは崖下にある温泉が流れ込む池で溺死した小倉朔子を発見。遺体の足にはスノーボードのブーツ、そして池にはスノーボードが浮いていた。群馬県警の山村刑事は事件と事故、両方の可能性を探りながら捜査を進める。この後、山村はロッジ前にある卒業制作の雪ダルマに気付く。板橋一八は崖の近くで雪ダルマを作っていたが、朔子の悲鳴は聞いていないという。 さらに山村は近くに落ちているリンゴやバナナに気付く。山村が卒業制作のパーツと勘違いすると、光彦は自分たちの頭が取れた雪ダルマのパーツだと説明する。そして、山村が光彦らの雪ダルマに近づこうとすると、元太が声をかけて注意。雪ダルマには探偵バッジが埋まっているという。この後、雪ダルマにつけていた手袋が風で吹き飛ばされ、元太は追いかけた拍子に転倒する。 元太は雪に顔面を突っ込み、鼻血を流してしまう。転倒しただけで鼻血が出たため、歩美は雪の中に何かが埋まっていると思う。すると、元太は何も埋まっていなかったが、変な味がしたと明かす。元太によれば、雪はしょっぱい味がしたという。この発言にコナン、哀は驚いて反応する。この後、司法解剖の結果が出て、朔子の胃から池と同じ水質の水が出てきた事が判明。光彦らは事故の可能性が高いと考えるが、コナンは殺人の線で推理を進めていく。 山村は朔子の溺死に事件性はないと判断し、事故として県警本部に報告の電話を入れる。だが、近くにいた阿笠は事故とは限らないと山村に疑問を提起する。この後、板橋、木山鍛治、尾上麻華はロッジ前に呼び出される。コナンは変声機を使って阿笠に成り済まし、朔子が亡くなったのは事故ではなく、殺人事件だと3人に告げる。続けて、コナンは犯人が3人の中にいると断言して…。

第09話
(468話)
池のほとりの怪事件

コナン、少年探偵団は米花中央公園に向かう途中、高木刑事と千葉刑事に偶然会う。昨夜、近くに住む袋小路の家に泥棒が侵入し、300万円近くが盗まれたという。袋小路は長身の痩せた犯人を目撃するが、目出し帽に軍手をつけていたため、人相もわからず、指紋も残っていないという。この後、コナンらが公園に行くと、米花署員たちが池に潜む攻撃的なパックリガメを捕獲しようと悪戦苦闘していた。コナンらはパックリガメの捕獲を見物に来たのだ。 元太はカメを無責任に捨てた飼い主を捜し出そうと提案。その矢先、コナンは見物人の中に不審な人物、木俣泉を見つける。コナンが声をかけると、泉は恋人ができてカメが邪魔になり、昨日の朝捨てたと告白。だが、この直後に自分が飼い主だと主張する二本松二郎が現れる。コナンは泉が飼い主と言っている事を二本松に告げる。すると、二本松は嘘だと白状し、小さい頃にミドリガメを捨てた罪滅ぼしのためにパックリガメを引き取りたいと明かす。 結局、泉が二本松にカメを引き渡す事になり、一件落着と思いきや、パックリガメは次々に発見され、合計4匹見つかってしまう。すると、二本松は全部引き取りたいと職員に訴える。そのやさしさに感動した光彦は二本松の両手を握りしめ、二本松が片方の人差し指に包帯を巻いている事に気付く。この後、二本松はミドリガメに関して間違った発言をする。コナンは二本松がミドリガメを飼った事はないと気付き、何か別の企みがあると推理する。 コナンらは企みを調べるため、二本松のアパートへ行き、大家さんから話を聞く。すると、二本松に借金がある事が判明。その頃、公園では2匹目のパックリガメが捕獲される。二本松は4匹捕まったら引き取ると職員に伝え、公園を後に。コナンらはそんな二本松を尾行し、カメ4匹の内の1匹にだけ関心を持っている事がわかる。さらにコナンらは二本松と借金取りの話を盗み聞き。お目当てのカメが手に入れば100万円の借金が返せるというが…。

第10話
(469話)
怪盗キッドと四名画(前編)

画家、及川武頼(おいかわたけより)の別荘に怪盗キッドから犯行の予告状が届く。狙われているのは及川の新作「青嵐」で、予告された犯行時刻は明日20時。及川の義父、神原晴仁(かんばらはるひと)は「青嵐」の事を心配するが、及川は警察に通報し、小五郎にも仕事を依頼して万全の備えをしていた。  翌日、及川の別荘にたくさんの報道陣が集まる。警備を指揮する中森警部は、現場に入るなと報道陣に注意を促す。だが、「青嵐」はTVの生中継でお披露目される予定。及川がサインを入れて絵が完成するところをオンエアするのだ。この後、小五郎、コナン、蘭は別荘の中へ。及川が小五郎らをアトリエに案内しようとすると、神原が声をかけてくる。神原は風景画で有名な画家だが、10年前に手を傷めて以来、筆を握らなくなったという。 小五郎らがアトリエに入ると「青嵐」は白い布で覆われていた。及川は完成前の絵を人に見せない主義だという。天井には予告状が届いた後に及川が取り付けた監視カメラ。部屋のドア前では機動隊員が警備にあたるが、絵を見られるのを防ぐためにアトリエの中には機動隊員を入れていない。 犯行予告の時間まで30分に迫った時、及川は絵を最終チェックしたいので監視カメラを10分位切ってほしいと言い出す。この後、及川は中森からトランシーバーを借りてアトリエの中に入る。そして、及川のチェックが終わり、監視カメラの電源が入れられると、神原が及川のいるアトリエの中へ入っていく。 その頃、居間では中森らが絵の話題を話す。新作は4点セットの最後の1枚。1作目「紅蓮」が花、2作目「金色」が月、3作目「純白」が鳥、そして4作目「青嵐」が風。4作品で花鳥風月を表しているのだ。3作品を競り落とした大金持ちが4作目の完成を心待ちにしているという。その時、別荘が突然停電に…。及川によれば、アトリエには神原が残っているという。中森らがドアを破って室内を確認すると、「青嵐」は盗まれ、血だらけの神原が倒れていた…。

第11話
(470話)
怪盗キッドと四名画(後編)

画家、及川武頼(おいかわたけより)の別荘から新作「青嵐」が盗まれ、同時に及川の義父、神原晴仁(かんばらはるひと)がナイフで刺殺される。捜査にあたる目暮警部は怪盗キッドの犯行の可能性が高いと判断。そして、報道陣に取材を受けた及川は「青嵐」を描く事は永遠にないと発言する。後からオリジナルが出てくれば、そちらを本物と認めざるを得ないからだ。 コナンは怪盗キッドが目暮、佐藤刑事、高木刑事、千葉刑事の中の1人に変装していると気付き、報道陣に聞き込みを行う。TVスタッフによれば、目暮らが別荘に来た時、ぐったりした日売テレビのスタッフが人混みから連れ出されたという。話を聞いたコナンはその際にTVスタッフに変装したキッドが4人の中の1人に入れ替わったと推理。コナンは不審な荷物があったら携帯に連絡して欲しいとTVスタッフに頼み、今度はアトリエ前の機動隊員たちに話を聞く。 機動隊員らによれば、監視カメラの電源が入った後、神原がアトリエに入り、及川と神原は1、2分間、一緒にアトリエにいたという。コナンは及川が加害者の可能性を探るが、機動隊員は及川に不審な点はなかったと証言。及川と神原が一緒にアトリエにいた時の様子は、監視カメラの死角にいたため、映っていなかったという。及川の上着の表面に付いた血は、及川が中森らと一緒にアトリエに入った時に付着したもの。暗闇の中、及川が偶然見つけた神原を抱きかかえた時に付いたものだという。 さらに機動隊員たちは鑑識の話をコナンに伝える。鑑識は神原のセーターの胸の部分に付いた“く”の字型の血の跡、そして左手の親指の付け根に残っていた楕円型の跡を気にしていたという。この後、コナンは裏庭を警備していた機動隊員から釣り糸が落ちていた事を聞き出す。釣り糸を手渡されたコナンは、犯人のトリックに気付き、何かを探すために地面をライトで照らす。そして、コナンは小さな穴の開いた石を見つけ出し…。

第12話
(471話)
レンタカー制御不能!

コナンと蘭は小五郎が運転するレンタカーで温泉へ向かう。そこに目暮警部から携帯に連絡が入る。目暮は携帯を取った蘭に車に爆弾が仕掛けられている事を明かす。目暮によれば、車は10キロ走行すると爆破装置が起動する仕掛けだという。だが、すでに車は10キロを走行していた。目暮は走り続けろと指示。車は時速20キロ以下になると同時に爆破する装置がセットされているという。 そして、目暮は近くに給水塔があるかを確認。その直後、前方の高い給水塔が爆発して倒壊する。犯人は脅しではない事を証明するため、車が通りかかる時間に給水塔を爆破したのだ。この後、目暮は杉山と名乗る男性から連絡があったと小五郎らに状況を説明。杉山は小五郎が米花レンタカーから借りた車に爆破装置を仕掛けたと明かしてきたという。 小五郎はレンタカー会社のアルバイト店員が杉山という名前だったと説明。小五郎は杉山にこの日の半額キャンペーンの温泉を紹介され、その温泉に向かっていたのだ。杉山は有名な探偵である小五郎を殺せば話題になると話していたという。目暮は高速道路に入れという杉山の指示を伝え、小五郎は車を高速道路の入口へと走らせる。コナンは犯人がこの日を選んだ理由を考える…。  この後、付近の道路に緊急配備が敷かれ、上空からは白鳥が乗った警視庁のヘリが車の行方を見守る。小五郎が運転する車は白バイに誘導されて高速道路に入り、目暮と千葉刑事が乗った黒パトが後に続く。車内では、小五郎がガソリンメーターを見て驚きの声をあげる。ガソリンの残量が半分を切っていたのだ。ギリギリの時速20キロで走っても1時間もつかどうか…。 ガソリンが尽きれば車が停まって爆発するため、小五郎はその前に2人を脱出させると言ってコナンと蘭を励ます。そして、千葉は黒パトを並走させ、窓を開けるように指示を出す。だが、窓もドアも仕掛けが施され、開ける事ができない。コナンは車を時速20キロ以上で走らせながら停める方法を考えるが…。

第13話
(472話)
工藤新一少年の冒険(前編)

 コナンは光彦、歩美らと帝丹小学校の図書室で読書をする。元太は椅子の上に重ねた本の上に乗り、書架の上の方にある本を取ろうとするがバランスを崩して落下。担任の小林先生は散乱した本を元の場所に戻そうとして書架の隙間に何かを発見する。それは古い革の財布で、中には1枚の紙が入っていた。  コナンはこの財布に見覚えがあり、紙に記された「ありがとう、一年A組、毛利蘭」という文章を見る前に言い当てる。元太らが驚いたため、コナンは蘭から昔の話を聞いたと慌てて誤魔化す。この後、コナンは10年前に起きた財布にまつわる不思議な思い出を光彦、歩美らに話し始める…。  10年前、満月の夜に帝丹小学校の図書館にお化けが出るという噂が流れる。小1の新一は噂の真偽を確かめるため、満月の夜に図書館へ向かい、蘭も心配して新一についていく。噂によると、そのお化けは帽子を被り、気味悪い声で鳴くという。そして、新一らは警備員の目を盗んで図書館へ侵入。新一は館内を調べ、お化けがいない事を確信する。月明かりに照らされたカーテンが人影に見え、笑い声のような音は窓の隙間から入る風の音だったのだ。  噂の真相を暴いた新一は蘭と一緒に帰ろうとする。その時、2人は書架の上に座る帽子を被った謎の男に声をかけられる。新一の弟を名乗る謎の男は革の財布を取り出し、中に入っている宝を見つけ出せるかと新一に挑戦。蘭は断ろうとするが、新一は男の挑戦を受けて立つ事に。男に渡された財布の中の紙には「ハイドの怒りを鎮めよ」という暗号が記されていたが…。

第14話
(473話)
工藤新一少年の冒険(後編)

 コナンは図書館にあった財布にまつわる思い出話を続ける。10年前、謎の男の挑戦を受けた新一は蘭、阿笠博士に協力してもらいながら第1、第2の暗号を解読し、「オクホの証を消し去り 濁った声で孤独を噛みしめろ」という第3の暗号を手に入れる。新一は暗号の前半部分を解読し、奥穂郵便局に向かってほしいと車を運転する阿笠に頼む。2回とも謎の男が好きだと話していた赤い物に次の暗号が隠されていたため、新一は赤いポストに何かあると推理する。  工藤邸では妃英理が新一と出掛けた蘭を心配していた。だが、優作と有希子は阿笠と一緒なので心配いらないと英理を安心させる。この後、英理は警視庁から優作宛に電話があった事を報告。それは優作が警察に協力して怪盗から宝石を守った事へのお礼の連絡だった。英理が帰った後、有希子は優作に言われ、役作りのために弟子入りした事がある奇術師との打ち合わせを思い出す。  その頃、新一らは奥穂郵便局に到着。しかし、ポストを調べても手がかりはない。新一は前にあるヘアサロンの店主と新聞配達の会話を偶然聞き、閑古鳥という言葉をヒントに誰もいない周辺の通りを歩いて調べる事に。ペットショップにある赤いフード、とある民家の庭にある赤い屋根の犬小屋、喫茶店の前に停まる赤いバイクなどを見て回った後、新一らは一時停止の赤い標識に目を留める。そして、蘭は標識のポールに貼ってある次の暗号を見つける。  新たな暗号は「米花中国士東」で、最後の東は四角で囲ってある。新一らが児童公園で暗号を解読しようとしていると、一台の車が目の前に停車する。車から現れたのは小五郎と目暮警部。まだ刑事だった小五郎は目暮と郵便局で聞き込みをしていたのだ。小五郎と目暮は暗号を見て、麻雀を打ちたくなったと言い出す。麻雀という言葉を聞いた新一は暗号を解くきっかけを掴み…。

第15話
(474話)
妃 英理弁護士の恋

 妃 英理が法律事務所で仕事をしていると、玄関の呼び鈴が鳴る。英理がドアを開けると、そこには花束を持った蘭とコナンの姿。蘭は記念日を祝福しようとするが、英理は何の記念日か忘れている。実は、この日は英理と小五郎が初デートした日。昨夜、蘭は本棚を整理中に古いアルバムを見つけ、記念日を知ったのだ。だが、記念日の事を教えられても、英理は素っ気ない態度をとる。  この後、蘭は花を生ける花瓶を探し、本棚の横にある花瓶を取ってとコナンに頼む。だが、コナンがその花瓶を抱きかかえると、英理は棚の花瓶を使ってと言って、本棚横にあった花瓶を元の場所に戻す。その時、事務所の電話が鳴り、英理は電話の相手に呼び出される。英理は猫のゴロの世話を蘭に頼むと、急いで出掛けてしまう。蘭が誰に呼び出されたか、気にしていると、ゴロが本棚横の花瓶をひっくり返し、中から英理と男性が写った1枚の写真が出てくる。  コナンは英理が写真の男性に呼び出されたと推理。写真の裏に書かれた電話番号が事務所の電話の着信履歴に残っていたからだ。蘭はこの写真を見せたくないので別の花瓶を使わせたと推理。さらに、花瓶の中から紙くずに混じり、結婚指輪が出てきたため、蘭は英理が男性と浮気していると勘繰る。この後、蘭はコナンと一緒に英理の後を追い、ドッグカフェで2人の姿を発見。蘭は英理に真相を確かめようとするが、コナンはしばらく様子を見ようと提案する。  浮気相手の疑いがある男、戸部はテーブルにやってきた子犬を抱いた女の子に赤ちゃん言葉で話しかける。この後、蘭は戸部の腕にある無数の生傷に気付き、悪い男と決め付ける。さらに、蘭は目に涙を浮かべて「震えが止まらない」と漏らす英理を見て動揺。蘭は戸部が英理を誘惑した挙句、捨てる気だと思い、戸部を厳しく睨み付ける。その時、コナンは戸部を観察して正体に気付くが…。

第16話
(475話)
悪運グランプリ

 夕方、米花公園裏で立松新三郎(たてまつしんざぶろう)と小此木清隆(おこのぎきよたか)が車に跳ねられ、近くにいた小五郎とコナンが救急車を手配する。コナンは立松の顔に見覚えがあった。半月前、立松が日本一運の悪い人として紹介される番組が放送されたのだ。小五郎は立松らが運悪く交通事故に遭ったと考えるが、目撃した若者は車が2人を狙って突っ込んだと証言する。  2人が搬送された米花中央病院では、高木刑事が目撃者の証言を小五郎らに伝える。犯人は帽子を目深に被り、サングラスをかけた人物。立松と小此木が会釈してすれ違おうとした時、車が突っ込んでいき、立松は辛うじてかわしたが、小此木は跳ね飛ばされてしまったという。小五郎らは2人のどちらか1人が犯人に狙われたと推理する。この後、千葉刑事に連れられ、小此木の甥、榊一馬(さかきかずま)と婚約者の一倉知美(いちくらともみ)が病院に現れる。  千葉によれば、小此木は資産家で、血縁は榊のみ。小此木が亡くなれば、全財産は榊のものになるという。高木は事件が遭った夕方6時半のアリバイを確認。榊は自宅マンション、知美は銀座の東都デパートにいたという。その時間、デパートでは爆弾騒ぎがあり、知美は5階の女子トイレで時限爆弾が発見されたというメールを榊に送信。爆弾騒ぎがあったのは事実だが、それは悪質なイタズラ。偽物の爆弾は知美の話と違い、6階の男子トイレで発見されたという。  この後、皆の前に姿を現した立松は、犯人が口封じのために自分を轢き殺そうとしたと告白。一昨日、立松はスーパーから出た直後に引ったくりに遭い、昨夜には犯人から口を封じるという殺人予告の電話があったという。立松は引ったくり犯と車の運転者は同一人物だったと証言し、無関係の小此木を巻き込んだ事を謝罪。だが、コナンらは引ったくりの口封じで殺人を犯すのかと不審に思う。翌朝、事件現場で推理を巡らせていたコナンは、小五郎の言葉をヒントに逆転の発想で事件の真相に気付き、裏付けの捜査を進める…。

第17話
(476話)
元太の必殺シュート(前編)

 コナンは、少年探偵団、哀、阿笠博士と共にサッカー競技場でサンデーカップ準決勝を観戦する。元太、歩美、光彦は応援していた東京スピリッツがPK戦で敗れ、落ち込んでしまう。帰り道、阿笠は車でビルの地下駐車場に立ち寄る。阿笠は評判のチーズケーキをご馳走して元気付けるつもりなのだ。コナンの励ましもあり、歩美と光彦は元気を取り戻すが、元太だけはふて腐れたまま。  元太が八つ当たりして蹴ったサッカーボールは駐車中の車の屋根に落下。車の持ち主、児島乾史(こじまかんじ)に怒られてしまう。この後、転がってきたボールで車にキズと泥がついたというルトガー・ハイネンが現れる。コナンらは日本語が上手なドイツ人、ルトガーと仲良くなる。3ヶ国語が話せるルトガーは日本人の妻を持つバツイチ。やはりチーズケーキを買いに来たという。  この後、ルトガーの携帯にイギリスにいる元妻から連絡。ルトガーは息子の進学の事で元妻と話し合うため、阿笠が代わりにケーキを買ってきてあげる事に。阿笠らはケーキを食べに向かうが、元太はふて腐れて駐車場に残る。コナンらが店内でケーキを食べている頃、元太は壁に向かってボールを蹴って練習。その時、ガゴッという物音が響き、驚いた元太は空振りして尻餅をつく。  ケーキを食べ終えたコナンらは駐車場に向かう。駐車場の入口に差し掛かった時、稲垣大将(いながきひろまさ)がいきなり飛び込んできて歩美と激突してしまう。稲垣は謝罪した後、散乱した紙袋の中身を拾い集め、慌ててその場を去っていく。コナンは稲垣が拾い忘れた免許証に気付いてを拾い上げる。  気を失っていた元太が目覚めると、ゲート出入口で玄田辰造(げんだたつぞう)が作業員と言い争っていた。ゲートの機械の調子が悪く、車を外に出せないらしい。元太はボールを探そうと辺りを見渡し、頭から血を流して倒れるルトガーを発見する。駆けつけたコナンは誰がやったのかと虫の息のルトガーに質問。すると、ルトガーは「はんにん」と言って元太の方を指さし…。

第18話
(477話)
元太の必殺シュート(後編)

 地下駐車場でルトガーが殴打され、病院に搬送される。目暮警部と高木刑事が現場に駆け付け、凶器の鉄パイプが発見されるが、元太は自分が蹴ったボールでケガしたと思い込んで呆然とする。犯行時刻に駐車場にいたのは元太を除くと児島乾史、玄田辰造、稲垣大将の3人。ルトガーは元太を指さして「犯人」と呟き、気絶する前に「エル」と言い残したため、コナンは犯人が元太と何らかの共通点を持ち、エルという言葉に関係する人物と推理する。  この後、高木は容疑者3人に事情聴取を行う。犯行時刻、児島は車の中で競馬中継を聞いていたと説明する。光彦は、漢字は異なるが元太と同じ名字の児島を犯人と推理。歩美は、ルトガーが東京スピリッツのポロシャツを着た元太を指さしたのは、東京スピリッツのヒデの背番号と同じ11のシャツを着る児島が犯人だからだと考える。だが、コナンと哀は2人の推理の誤りを指摘する。  玄田は女性に頼まれたバッグを買いに来たが、売っていなかったため、別のお店に行こうとしたら地下駐車場の出口ゲートが故障していたという。光彦と歩美は玄田が元太のように太って、元太と発音が似た名字だったため、犯人だと推理する。しかし、コナンと哀が2人の推理の間違いを指摘する。  稲垣はビル6階で行われる新人アイドルの撮影会に来たという。光彦は稲垣が落とした免許証に注目。稲垣大将の「稲」の字を除くとガキ大将と読めるため、ルトガーはガキ大将の元太を指さして稲垣が犯人だと伝えたと推理する。歩美は稲垣のLoveと書かれた帽子に着目。ルトガーが言い残した「エル」はLoveの事だと訴える。だが、コナンと哀は2人の推理のおかしな点を指摘する。  この時、コナンは哀の言葉をヒントに同じ綴りで英語とドイツ語では別の意味を持つ言葉がある事に気付く。コナンはそれを足掛かりに元太と同じイタズラ坊主が犯人だというルトガーの残したメッセージの意味を解明。コナンは阿笠の背後に回り、変声機を使って阿笠の声で推理した事を語り始める…。

第19話
(478話)
リアル30ミニッツ

月曜の午後7時半から時間内に逃げる5人を捕まえると賞金が貰える30分番組の生放送がスタート。コナンと蘭はこの番組が流れる家電店のTVの前を過ぎて商店街にある30分計れる砂時計の前に。そこに現れた小五郎はレストランが混んでいたため、8時に予約を入れたとコナンらに説明。小五郎は8時に砂時計の前に集合しようと告げ、パチンコ店へ入っていく。8時まで30分あるため、コナンはミステリー専門書店へ、蘭は洋服屋へ行って時間を潰す事に。 コナンは2階にある書店に行くため、商店街とマンションが一体化した建物、ブロードウェイの正面入口へ。そして、コナンが階段を登り始めたその時、2階から女性の悲鳴が聞こえてくる。コナンが現場に駆け付けると、そこには、しゃがみ込む女性店員、山口史織(やまぐちしおり)と倒れた男、西山幸男(にしやまゆきお)、携帯で警察に通報する店員、小出秀樹(こいでひでき)の姿。 西山の背中には刺された傷。コナンは刺されて間もないため、犯人が建物内にいる可能性が高いと考える。その時、コナンは哀に肩を叩かれる。偶然、哀も2階にある別の書店に来ていたのだ。コナンらは西山のポケットに財布があるため、物取りの犯行ではないと推理する。この後、警官2人が到着し、騒ぎに気付いた蘭は小五郎を呼びに行く。続いて、目暮警部と白鳥警部も現場に到着。だが、コナンと哀は警察の到着が早過ぎる事に違和感を抱く。 目暮は第一発見者の史織と小出に話を聞く。小出によれば、西山はこの建物では嫌がらせをする人物として有名だったという。そんな中、コナンは野次馬の中にいる不審な若い女性、水野薫子(みずのかおるこ)に気付く。犯行後、時間が経っていないため、コナンは外に出られる唯一の場所、正面玄関に向かい、そこで甘栗を売る亮二(りょうじ)に話を聞く。亮二によると、悲鳴が聞こえる前も後も階段を降りてきた人物は1人もいないという。話を聞いたコナンは犯人が建物内にいると確信して…。

第20話
(479話)
名探偵コナン海の日2時間スペシャル「服部平次との3日間」

瀬戸内海に面した島の小高い丘に立つ洋館。広い庭一面にはラベンダーの花が咲き誇っている。そこにメイド、水口香奈(みずぐちかな)の悲鳴が響く。令嬢が施錠された部屋で首を吊って死んでいたのだ。半年後、洋館を訪れた高校生探偵は新事実を付き止め、香奈が令嬢を殺害した犯人として疑われる。警察の厳しい尋問を受けた香奈は断崖から飛び降りてしまう…。 コナンは小五郎が運転するレンタカーで、蘭、大阪から来た服部平次、遠山和葉と共に桜の名所に来ていた。コナンは平次と2人きりになると、水無怜奈が大阪にいたか、真偽を確かめて欲しいと頼む。コナンは大阪の通天閣をバックにコンビニ袋を持った水無の写真をファンのHPで発見したのだ。コナンが水無の事を探る本堂瑛祐について、平次に説明していると、傅久(でんきゅう)という若い修行僧が小五郎に気付いて声をかけてくる。 傅久は謎を解いて欲しいと小五郎に依頼。傅久によれば、先日、和尚を訪ねてきた女性が部屋から消えてしまったという。その女性は寺の離れに宿泊した翌朝、腹に刃物が刺さった状態で絶命。だが、警察に連絡した後、傅久らが離れに行くと女性と共に畳に流れていた血までもが消えてしまったというのだ。小五郎らは近くにある寺に行って和尚からも話を聞く事に。 傅久が奉公している昇岳寺に到着後、小五郎は女性の事を住職の釈蓮(しゃくれん)に訊ねる。すると、釈蓮は離れに小五郎らを案内する。その離れには4つの部屋があり、一部屋の広さは8畳。そして、小五郎らは死体があったという北に面した部屋へ向かう。傅久は死体があった場所を指差し、平次とコナンはその場所の畳を持ち上げて不審な点がないか調べる。 蘭と和葉は部屋の隅、床の間の方に目を向ける。床の間の前にはガラスケースに入った小さな仏像。釈蓮によれば、その仏像は四天王の1人、多聞天。西の部屋には広目天、南の部屋には増長天、東の部屋には持国天の仏像が置かれているという。この後、小五郎らはレンタカーを停めた場所に戻り、このまま帰るか、泊って翌日に調べ直すかを相談。そこに血相を変えた傅久が現れる。 傅久は離れの真ん中で腹に刃物が刺さった女性が死んでいると小五郎らに説明。部屋はこの間と同じ北の部屋だという。すぐに平次らは部屋に駆けつけるが、女性の死体はなかった。すると、釈蓮は、女性の姿は母親が恋しい傅久が心に生み出した幻だと説明。18年前、母親は傅久を寺に預け、海に身を投げたという。女性が消えたという3日前は来客すらなかったと釈蓮は説明する。 だが、平次は3日前には女性がいたと反論。続いて、コナンが畳の隙間で見つけたピアスの留め金を取り出し、女性がいた事を証明する。すると、釈蓮は2ヶ月前まで奉公していた修行僧2人のピアスだと説明。釈蓮はその2人が変装して街に遊びに出ていたと明かす。傅久によれば、2人は離れでお酒を飲んでいた事を釈蓮に怒られ、寺を出て行ってしまったという。 コナンと平次はそれでも納得できずに離れを調べるが、畳に血の跡は見つからない。結局、女性がいた証拠を見つけられず、車がある場所へ戻る事に。だが、コナンと平次は腑に落ちない。畳表に見つけた煙草の焦げ跡とビールの染みを、最初に離れに行った時に気付かなかった事が引っかかっているのだ。車から離れまでは走って往復7、8分。時間は十分あるため、平次は畳を入れ替えたと推理する。 この後、小五郎らは車の所で待っていた蘭、和葉と合流。その時、コナンはメガネに貼り付いた落葉から何かに気付き、平次も和葉の風車を見て何かに気付く。2人はトリックを見破ったのだ。コナンらは寺に戻り、傅久にトリックの仕掛けを明らかにする。四天王を納めたガラスケースの底に裏から畳表を貼り、血の染み込んだ畳の上に載せていたのだ。平次は、この仕掛けを作ったのは出ていった修行僧2人で、それを利用したのが釈蓮だと推理する。 さらに今夜の死体は女装した釈蓮だと推理する平次。釈蓮が死体のフリをしいのは、同じ事が2度あれば、傅久の錯覚だと思い込ませる事ができるから。釈蓮は風車のように並べられた畳の配置を換えた上で、このトリックを使って畳に染み込んだ血を隠したのだ。この後、コナンらが離れに向かうと、そこには釈蓮の姿。観念した釈蓮はコナンらに真相を告白する。

第21話
(480話)
黄色い不在証明

マンションの一室で強盗殺人が起き、血相を変えた小五郎とコナンがやってくる。被害者は小五郎の知り合い、井上弘子(いのうえひろこ)。遺体の前では同 居中だった恋人の高岡 明(たかおかあきら)がうな垂れている。死亡推定時刻は昼11時から1時の間。室内は荒らされ、床にはつぼみのミニヒマワリの鉢が転 がり、電気コードのコンセントは倒れた椅子に引っ掛かって抜けている。 小五郎は弘子が営むバー「ヒマワリ」の常連。弘子は好きなヒマワリを店名にしたという。高岡は自主映画の監督で、最近メジャー映画を撮影する事が決まった ばかり。故郷の福島、白砂海岸の鳴き砂を題材にした作品で、高岡は昨日から福島へ下見に行っていたという。高岡の才能を信じて生活を支えていた弘子の苦労 が報われた時に起きた事件。小五郎は犯人への怒りを露わにする。 向かいの煙草屋は、死亡推定時間の前後にマンションに入った人はいなかったと証言。夕方4時頃、電気屋が大きな段ボール箱を抱えてマンションに入ったとい う。第一発見者の木塚 修(きづかおさむ)は脚本家志望で、高岡のバイト仲間。高岡が木塚に映画の事を相談するため、2人は5時に部屋で待ち合わせ。木塚は 鍵のかかってないドアを開けて死体を発見、110番通報したのだ。 通報を受けて目暮警部、高木刑事らが現場に到着したのが5時20分。その少し前に高岡は帰宅したという。死亡推定時刻、木塚はバイト先の電気会社の倉庫 で作業していた事が立証されている。この後、高岡は部屋にあるTV雑誌のお笑い番組に弘子がつけた赤線に気付く。弘子はこの日もお笑い番組を見ようとして いたのか、3時から5時に放送する番組に赤線がつけてあった。 この後、高岡のアリバイも立証されている。12時2分に福島にある銀行のCDの防犯カメラに姿が映っていたのだ。高岡は昨日からの行動を高木に詳しく説明。その間にコナンは部屋のヒマワリを見て何かに気付く。そして、コナンはビデオデッキや弘子の靴、バッグの中身を調べて犯人を推理する。

第22話
(481話)
山姥の刃物(前編)

コナンは歩美、元太、光彦、哀と共に阿笠の車でキャンプ場に向かうが、途中の森の中でタイヤがパンクしてしまう。一行は途方に暮れるが、運良く近くに茅葺き屋根の農家を発見。コナンらは農家に住む田中伊和江(たなかいわえ)に頼んで一晩泊めてもらう事に。玄関に入った阿笠は田中のスリッパの隣りに別のスリッパを発見。そのスリッパは10年前に料理人になると言って家を出ていった孫、祥太のモノだった。 そして、光彦らは囲炉裏のある部屋に飾られた写真立てに気付く。田中は祥太の写真だと説明した後、祥太は薄情者だとぼやく。祥太は毎月かなりの額を送金してくるが、一度も顔を見せないという。この後、歩美が水槽の金魚を見て喜ぶと、田中は祥太が飼っていた金魚だと説明する。その時、光彦は木戸の隙から覗く人影を発見して悲鳴をあげる。 覗いていたのは、安達頼人(あだちらいと)、香原風雅(かはらふうが)、大庭 茜(おおばあかね)。3人は車で森林浴に来たが、道に迷ってガス欠になったという。田中は泊めて欲しいという3人の頼みを了承するが急に不機嫌に。入室後、風雅は自分たちがホストだと阿笠に告白。風雅が店のNo.2、頼人がNo.1で、茜は2人の上客だという。この後、風雅は金魚について、頼人は水槽の底にある石についての知識を披露。茜は2人が意外にも物知りだった事に驚く。 夕食後、田中は皆を2階に案内し、部屋割りを決める。子供たち、阿笠と頼人と風雅、茜がそれぞれの部屋に分かれて寝る事に。そして深夜、激しい雨が降り出す。光彦は1階のトイレに行った後、物音に気付いて台所へ向かう。そこで驚きの光景を目撃した光彦は、2階の部屋に戻ってコナンに台所で見た事を伝えようとする。その時、外から茜の悲鳴が聞こえてくる。コナンらが外に向かうと、そこには茜を抱きかかえる頼人の姿。喉元を切られた茜はこの直後、絶命してしまう…。

第23話
(482話)
山姥の刃物(後編)

金融会社の社長令嬢、茜が何者かに殺害され、群馬県警の山村刑事らが捜査を開始する。第一発見者、頼人はトイレに行こうとした時に悲鳴を聞き、現場に駆け付けたという。山村は事情聴取をしようとするが、風雅が拒否したため、家にある刃物を調べる事に。すると、光彦が夜中に赤い柄の包丁を研ぐ田中の姿を見たと証言。だが、田中は包丁を持っている事すら否定する。 この後、山村の指示を受けたコナンらは奥の部屋で待機。その時、阿笠はテントを張る時に使用する金槌がバッグの中から無くなっている事に気付く。コナンが金槌の事を警官に確認すると、金槌は近くの森の中で発見されたという。コナンは犯人が使 用した可能性もあると訴えるが、警官は刃物ではないという理由で取り合おうとしない。 そして、警官と話していたコナンは、タンスの上にある桐の箱に気付いて中を調べる。箱の中には柄が赤い包丁が入っていた。手入れされた包丁には祥太の文字が刻まれており、コナンは田中が包丁の事を隠した理由を推理する。この後、山村は田中宅にあった刃物類、キャンプ道具、赤い柄の包丁からルミノール反応が出なかった事をコナンらに伝える。 続いて、山村は部屋の中に泥の足跡が残っている理由をコナンらに訊ねる。コナンは茜を部屋に運んだ時についたと答える。しかし、コナンは何かが引っかかり、茜を発見した時の状況を回想。そして、コナンは茜を発見した時、1人だけ靴を履いていた人物がいた事を思い出す。 この後、歩美は水槽の水が昨夜より減っている事に気付いて水を加える。歩美は金魚が水槽の水を飲んだと思って水を加えたのだ。その時、コナンは水槽の水が減っている本当の理由、そして金槌が森の中で発見された理由に気付く。コナンは茜を殺した犯人がわかったのだ・・・。

第24話
(483話)
消えたお巡りさん

元太はたくさんの警官が登場するドラマが米花公園で撮影されたと気付き、コナン、光彦、歩美、灰原を現場へ案内する。帰り道、歩美は顔見知りの秋本靖代(あきもとやすよ)と偶然会う。靖代はお巡りさんにお菓子を届けに行くところだという。靖代はその巡査の名前を知らず、2人は深夜に路上であいさつを交わすだけの間柄。ヒゲを生やし、メガネをかけた制服の巡査だという。 この後、コナンらは靖代と米花駅前交番を訪ねるが、応対した新井(あらい)巡査は、そんな巡査はいないと主張する。制服警官はヒゲ自体が禁止。つまり、その巡査はニセ者なのだ。コナンらは高木刑事を呼び出して事情を説明する。靖代がニセ巡査に会ったのは残業で帰りが遅くなったここ1週間。靖代はニセ巡査が老夫婦に付き添ったり、酔っぱらいを支えたりする姿を目撃したという。 コナンはその人物がニセ警官を装った理由を考える。新井は警官を装って悪事を企んでいると推理。ここ1週間、連続して空き巣事件が起きているという。この後、靖代は「鉄龍」というラーメン屋で何度か老夫婦を見かけたと高木に伝え、一行は「鉄龍」に向かう。高木は店主の小田原鉄二(おだわらてつじ)に事情を説明。そこにニセ警官に付き添われた老夫婦が偶然通りかかる。 その老夫婦は高柳(たかやなぎ)夫妻。高木は夫妻に話を聞くが、2人は親切な警官だったと口を揃え、新しい情報を得る事はできなかった。その時、昨夜遅くに空き巣事件が起きたという情報が入ってくる。新井はニセ警官が犯人と推理するが、靖代は悪い事をするような人ではないとニセ警官を庇う。 そして靖代と別れた後、コナンは警官の制服の入手方法を考え、ドラマの衣装なら手に入れる事ができたと推理。公園でドラマを撮影していた日売テレビに問い合わせる。この後、コナン、高木らは通行人に聞き込みを行い、ニセ警官が現れ始めたのは1週間前と判明。それは空き巣事件が始まった日であると同時に靖代が残業を始めた日でもあった…。

第25話
(484話)
黒い写真の行方(前編)

コナンは蘭と園子の会話から本堂瑛祐が水無怜奈を捜し回っている事に気付く。そんな折、コナンは水無と本堂の調査を頼んでいた平次から連絡を受ける。平次は小さい頃の本堂を知る人物を見つけたとコナンに報告。その人物とは通天閣近くのお好み焼き屋の店長。幼い本堂は父親に連れられ、よくお店に来ていたという。本堂の父親は仕事仲間もお店に連れてきたようだが、数年前からパッタリ来なくなったらしい。今の店長が知っている情報はここまでだった。 本堂の父親と仲が良かった前の店長はすでに他界。だが、前店長がかわいがっていた孫なら他の情報も知っているかもしれないという。本堂の父親に会っている可能性がある孫は現在、東京で模型店を経営しているらしい。この後、平次は本堂の父親が黒ずくめの外国人とよく来ていたという気になる情報を加える。電話を切った後、コナンは阿笠に会ってこの情報を付け加える。 早速、阿笠はお好み焼き屋の客だったと偽って孫に連絡。孫は本堂の父親と思われる常連客が写る写真を1枚持っているという。阿笠は孫に頼んで写真を見せて貰う事に。孫は予定していたジムをキャンセルしてくれるという。阿笠とコナン、哀は約束した午後8時に孫のマンションを訪ねる。すると孫は玄関の呼び鈴を鳴らすコナンたちに背後から接近し、阿笠の頬に拳銃を突きつける!? だが、拳銃はただのオモチャだった。無類のガンマニアだった前店長の知り合いなら、この冗談が通じると思ったらしい。孫の名前は西郡宗兵(にしぐんそうへい)。西郡は阿笠らを散らかった部屋の中に案内する。早速、西郡は問題の写真を見せようとするが、アルバムが見つからない。アルバムを諦めた西郡はパソコンに入れた同じ写真のデータを開こうとするが、何とデータは消去されていた。消した覚えがない西郡が不思議がると、コナンは何者かが部屋に忍び込んだと推理。コナンは人が忍び込んだいくつもの証拠を発見していたのだ…。

第26話
(485話)
黒い写真の行方(後編)

西郡の部屋に何者かが侵入し、本堂の父親と思われる男性の写真が消えてしまう。犯人の可能性が高いのは、元彼女の早織(さおり)、モデラー仲間の多湖(たご)と古庄(ふるしょう)。3人は部屋の合鍵を持っているのだ。西郡はコナンに促され、3人に電話して探りを入れる事に。最初に西郡が電話した早織は買い物に出ていたという。早織は西郡を心配し、たまに良い物を食べる事、ちゃんと風呂に入る事を忠告して電話を切る。 続いて、西郡は多湖に連絡。多湖は部屋で戦車の模型を作っていたという。多湖は明日までに兵隊の模型を仕上げてほしいと西郡に頼む。徹夜になりそうな西郡は洗い物や洗濯物が溜まっていると愚痴る。すると、多湖は近所迷惑になる夜は控え、明日やった方が良いと西郡に提言。多湖は西郡を気遣い、朝行って寝ている間に洗い物などをやっておくとやさしい言葉をかける。 この後、部屋の呼び鈴が鳴り、西郡は多湖との電話を切る。呼び鈴を鳴らしたのは荷物を届けに来た配達員だった。コナンは配達員に応対する西郡の動きをジッと凝視する。最後に西郡は古庄に電話。古庄は風邪を引いて家で寝ていたという。古庄は部屋が散らかっていた事が風邪の一因と考え、部屋の掃除を西郡に勧める。西郡の部屋は色々な物が散乱しているのだ。 さらに古庄は最近ウイルスが蔓延しているため、ジオラマ写真が入っている西郡のパソコンの事を心配。古庄はウイルス感染を懸念してウイルスソフトのアップグレードを西郡に勧める。この後、コナンは部屋にある椅子を手で触り、湿っている事に気付く。コナンはスリッパも調べるが、湿った物はなかった。 西郡は3人の中に怪しい人物はいなかったと証言。皆、いつも通りだったという。すると、コナンは3人の体型を西郡に確認。西郡によれば、早織は身長150センチで太り気味、多湖は早織より小柄、古庄は身長180センチで痩せているという。話を聞いたコナンは3人の中に犯人がいると断言する…。

第27話
(486話)
右から左へ招き猫」

コナンと哀は木の上から助けた子猫の飼い主を捜す。そこに喫茶「チャチャ」の石上保(いしがみたもつ)が現れ、飼い主だと名乗り出る。子猫のチビを捜していたという石上は、お礼をすると言って2人を店内に案内。店内では、小五郎が競馬中継を聞きていた。その時、向かいのビルから血相を変えた今岡文枝(いまおかふみえ)が石上を呼びに来る。石上、コナンらがオフィス・カネマルの事務室に行くと、金庫前で男性が頭から血を流して倒れていた。 遺体の周囲には陶器の破片が散乱し、壁際の棚には大小の招き猫が並んでいる。この後、目暮警部らが現場に到着し、騒ぎに気付いた小五郎も現場へ向かう。被害者は金丸研三(かねまるけんぞう)、65歳。死因は招き猫による撲殺で、棚には招き猫一体分の空白ができている。死亡推定時刻は午前11時から午後1時の間。週1回掃除に来る文枝が1時30分に来て遺体を発見したという。 小五郎は帳簿を見て、30万円の借金がある文枝を疑う。その時、刑事が隣の社長室でメモ帳を発見。そこには12時30分に村井千佳(むらいちか)という女性と会う予定が記されていた。すると、石上はその時間に若い女性がビルに入る姿を目撃したと証言。10分後、その女性は逃げるように出ていったという。 この後、繁華街で千佳の身柄が確保される。文枝によると、部屋の招き猫は全て右手を挙げたもの。右手はお金、左手は人を招くらしく、金の亡者だった金丸は前者だけ集めていたという。部屋を調べていたコナンは社長室に掃除機がかけられ、掃除機の中にゴミパックがない事に気付く。そこに刑事に連れられ、千佳がやってくる。バッグから借用書が見つかると、千佳は犯行を認める。 その頃、コナンは社長室のソファの下で招き猫の破片を発見。その破片は招き猫の指先だった。千佳はブランド品を揃えるために金丸から借金。お金が返せない千佳は、金丸が金庫を開けた時、背後から招き猫で頭を殴ったという。しかし、コナンは部屋の状況を見て犯人は別にいると推理する…。

第28話
(487話)
秋のミステリースペシャル 名探偵コナン 「本庁の刑事恋物語8 左手の薬指」

 警視庁内を歩く佐藤刑事は同僚たちにチラチラと見られる。佐藤は視線に気付き、何を見ているのかと詰め寄るが、同僚たちは話をはぐらかす。この後、高木刑事は同僚たちが声をかけられ、白鳥警部に佐藤刑事がはめた指輪の事を質問される。その時、佐藤の携帯電話が鳴る。高木は何の事だかわからずに電話中の佐藤に視線を向け、左手薬指にはめられた指輪に初めて気付く。  高木は婚約した人がはめる左手薬指の指輪に動揺。白鳥や同僚たちは高木が渡した婚約指輪と勘違いするが、高木は自分が渡した指輪ではないと否定する。同僚たちはざわめき出し、電話中の佐藤は静かにしてと怒鳴る。佐藤の電話の相手は蘭。蘭は人が死んでいると連絡してきたのだ。佐藤は高木に声をかけて現場へ向かう。だが、高木は佐藤の指輪の事が気になって仕方がない。  半日前…。蘭は小五郎、コナンとミステリー作家、諸口益貴(もろぐちまさたか)の別荘に来ていた。小五郎は諸口が指にはめたダイヤの指輪に驚く。その指輪はデビュー100作を記念して作った物で、裏側には100thと刻まれていた。諸口が指輪を自慢していると、カセットテープが止まる音がする。フリーライターの出島覚治(でじまかくじ)は今時珍しくカセットテープレコーダーを使用しているのだ。出島がデジタル録音は心配だと明かすと、横にいたカメラマンの垂水 亘(たるみわたる)も同調し、アナログの話題で盛り上がる。  すると、雑誌編集者の穴吹晴栄(あなぶきはるえ)が無駄話せず、仕事をして欲しいと2人を注意する。小五郎らは明朝に控える対談のリハーサル中。諸口と小五郎のミステリー対談が雑誌に掲載されるのだ。この後、諸口は今月号の対談の予告ページを見て、穴吹に定規を要求する。穴吹から金製メジャーを手渡された諸口は文字の大きさを確認。諸口は自分の名前が他の作家の名前より1ミリ小さいとわかると、穴吹を怒鳴り散らす。コナンは細かい事に気を配るミステリー作家は神経質だと予想していた。諸口は神経質な性格なのだ。  さらに諸口は、前の担当編集だった秋場(あきば)は優秀だったとぼやく。秋場はトリックに関する専門知識の調査など、骨身を惜しまず尽くしてくれたという。その秋場の遺体が密室の自宅で発見されたのが今年の春。秋場の死は自殺と判断されたという。そして翌朝5時、穴吹は諸口が起きてこないため、部屋へ呼びに行くが返事はない。ドアは閉められ、合鍵もなく、コナンは子供がやっと通れる換気窓から部屋へ潜入し、絶命した諸口を発見した。その時、コナンは諸口の指輪に刻まれた文字が逆になっている事に気付く…。  高木と佐藤は諸口邸に到着すると捜査を開始する。諸口の死因は青酸性毒物による窒息死。口にコーヒーがついている事から、コーヒーに毒物が混ぜてあったと判断される。部屋は密室で、諸口が鍵を手に持っていた事から、小五郎は自殺と推理。秋場の死に責任を感じて自殺したと考える。この後、コナンは、諸口の指輪の事を高木に報告。コナンは、神経質な諸口は逆にはめないと訴える。すると、高木は指輪目的の殺人だと推理し、犯人が本物と偽物をすり替えた時に逆にはめたと考える。穴吹も諸口が指輪を外した事はないと証言する。  コナンは殺人の疑いも強いため、密室の謎を考える。犯人が指輪をすり替えられるのは諸口が亡くなった後。コナンはどうやって犯人が部屋を出たかを推理する。犯人が鍵をかけた後、外部から何らかの方法で諸口の手に鍵を戻した可能性もあると考えるコナン。だが、換気窓と遺体の距離は4メートル近くあり、普通に考えれば、そんな事は出来るはずがなかった。  鑑識を待つ間、佐藤は事情聴取を行う。遺体が発見される前、出島は部屋でテープレコーダーを直していたと証言。垂水は部屋で別の仕事のネガを整理、穴吹は部屋で別の作家のゲラをチェックしていたという。コナンは金製メジャーの事を穴吹に質問。穴吹は扉、窓など、トリックに使えそうな物を諸口に頼まれて測っていたと説明する。すると、垂水が秋場に同じ事を良く聞かされたと明かす。3人は秋場と同期入社で、途中から出島はフリーになったという。  この後、鑑識が別荘に到着する。鑑識課員によれば、諸口がはめていた指輪は本物。犯人の目的は指輪ではなかった。そして、指輪を外すと指に丸く輪になって血の跡が残っていたという。遺体のアゴの下に切った跡があるため、ひげを剃った時にアゴを切り、その血が付着したと判断される。最後に鑑識課員はコーヒーカップ、ドアノブなどから諸口以外の指紋は検出されなかったと報告。話が途切れると、少し前に佐藤の指輪に気付いた蘭が、不謹慎だと気にしつつ高木に婚約を祝う言葉をかける。だが、高木は自分が贈った指輪ではないと蘭に説明。2人のやりとりを聞いていたコナンはある言葉に閃き、犯人が指輪を外した本当の理由を見抜く。コナンは誰が犯人なのかに気付いたのだ…。

第29話
(488話)
テレビ局の悪魔

携帯電話で話す男性。電話の相手は男性に解散ライブの中止を伝える。解散ライブでファンに別れのあいさつをしたい男性は食い下がるが、電話の相手は赤字覚悟の開催はできないと聞く耳を持たない。さらに電話の相手は嫌がる男性にバラエティやトーク番組への出演を強要する。一方的に電話を切られた男性は、机の引き出しから大きなナイフを取り出して刃を見つめる…。  コナン、少年探偵団、灰原は阿笠博士と共に日売テレビにやってくる。沖野ヨーコに招待され、仮面ヤイバーの撮影を見学するのだ。だが、撮影の遅れで見学は中止になり、コナンらは代わりにテレビ局の中を見て回る事に。すると、そこに井上和香と山本梓が現れ、ヨーコに声をかけてくる。3人はこれからクイズ番組の収録で対戦するという。皆で話していると、今度は奇抜な扮装とメイクをしたサタン鬼塚が通り掛かり、元太は仮面ヤイバーの怪人だと騒ぎ出す。 鬼塚が去った後、ヨーコはロックグループ、三途のIIIのボーカルだと鬼塚の事を説明。すると光彦は姉の頼みを思い出す。光彦は姉からテレビ局で鬼塚に会ったらサインをもらってきてと頼まれていたのだ。ヨーコは収録に行ってしまったため、コナンらは自分たちで鬼塚の控え室を探してサインをもらう事に。 鬼塚のマネージャー、横森は控え室に入り、すでに鬼塚がいる事に驚く。バラエティ番組へ出演する鬼塚は暇だったので早めに来たという。鬼塚は昼飯の出前を横森に頼む。鬼塚は味の好みがあり、ラーメン、炒飯、餃子を3店舗に分けて注文する。続いて、鬼塚は探している鏡の話を横森に切り出す。横森は鬼塚が欲しがっている鏡を見つけたので、これから取りに行くと伝える。 さらに鬼塚は昼飯の後、仮眠を取るので出番まで起こさないで欲しいと付け加える。鬼塚は昨晩、芸能事務所社長の漆原典児(うるしはらてんじ)とやりあって寝ていないと明かす。最後に鬼塚は社長が日売テレビに来ている事を確かめ、横森は漆原が2階上の応接室にいる事を教える。コナンたちは鬼塚の控え室を探して局内を歩き回る。その時、出前持ちの格好をした男性が後ろを横切っていく。この後、漆原のいる応接室にメイクしていない鬼塚がニット帽、レインコート姿で現れる。鬼塚は漆原と少し話した後、ナイフを取り出し…。  この後、コナンたちは鬼塚の控え室前に辿り着く。光彦がドアをノックしようとすると、横森が足早にやってきて阻止。その時、控え室から鬼塚が出てくる。光彦がサインを頼むと、鬼塚は快く引き受ける。歩美は控え室を覗き込み、テーブルの上に折り紙を発見。テーブルには5羽の折り鶴、三角定規、煙草、吸い殻の入った灰皿などが置いてある。横森が買ってきた手鏡を鬼塚に渡した直後、パトカーのサイレンが聞こえてくる。そこへ血相を変えたADの三島がやってきて鬼塚らを応接室に案内。応接室では、漆原が殺害されていた。  目暮警部、高木刑事らは応接室で捜査を開始。漆原の死亡推定時刻は午後1時で、死因は刃物による出血死。漆原はナイフで腹部を数カ所刺された後、背中を刺されていた。第一発見者の三島は午後2時に予定していた打ち合わせが遅れる事を伝えるために応接室に来て遺体を発見したという。目暮は漆原の事務所に所属する鬼塚に話を聞き、午後1時前後のアリバイを確認。鬼塚は控え室で出前を食べて仮眠を取った後、折り紙を折っていたと証言する。 午前11時から午後2時まで1人だったという鬼塚の話を聞いた目暮は犯行時刻のアリバイはないと判断。疑われた鬼塚はメイクしたまま局内をうろつけば目立つと身の潔白を訴える。だが、高木はメイクを落とせば犯行は可能だと反論。鬼塚によればメイクにかかる時間は30分。犯行前にメイクを落とし、犯行後にメイクすれば、殺害は可能だと目暮は考える。だが、横森は控え室に鏡がないため、メイクはできないと証言。目暮らは確認のため、控え室に移動する。 すぐに高木は手鏡を発見するが、横森は買ってきたばかりの鏡と説明する。目暮は鬼塚のバッグから出前持ちの服と帽子を発見。鬼塚はバラエティ番組で着る衣裳だと説明する。コナンは灰皿の吸い殻には紫色の口紅が付着しているのに、出前の箸やレンゲには口紅が付着していないという不審な点を指摘する。鬼塚は食事の時はテッシュで口紅を落とすと説明。口紅なら鏡がなくても塗れるという。この後、メイクの話をしていた鬼塚が突然目を押さえる。鬼塚はドライアイらしく、横森は目薬をさすように勧めるが鬼塚は頑なに拒否する。 煙草の事が気になるコナンは、折り紙を折っていた時、煙草を吸っていたかを鬼塚に質問。鬼塚は煙草を吸っていたと答えるが、コナンは鬼塚がウソをついている事を見破り、犯人だと目星をつける。あとは鬼塚が鏡を調達し、消したトリックを見破るのみ。コナンは鏡の謎について推理を巡らせる。そして、コナンは歩美や鬼塚の会話をヒントに鏡のトリックを解く…。

第30話
(489話)
法廷の対決III 目撃者は検察官

 東京拘置所の接見室で、妃 英理は竹内浩明(たけうちひろあき)と面会する。竹内は居酒屋で酒を飲んだ後、車で被害者を跳ね、そのまま逃走したのだ。担当検事の九条は竹内を10日も拘留。妃は釈放されない訳を訊ねるが、竹内は何も答えない。面会後、妃は拘置所を出た所で九条と遭遇。妃は竹内が自首し、犯行を認めている事を理由に釈放を請求するが、九条はそれを断る。  小五郎、コナン、蘭は妃を手助けするため、警察署にある事故車両を調べる。車内を見たコナンは運転席の狭さに疑問を持つ。男性の竹内が座るにしては狭すぎるのだ。係員によれば、九条も座席の狭さを気にしていたという。続いて、小五郎らは事故現場へ移動し、目撃者のタクシー運転手から事故の状況を聞く。犯人の顔を見ていない運転手に対し、コナンは犯人が小さい人だったかを確認。すると、運転手は犯人が女性だった可能性を九条に聞かれた事を明かす。最後に運転手は犯人が逃げ去る時、頭の横辺りが光っていたと証言する。  この後、コナンと蘭が妃の事務所を訪ねると、妃は竹内の妻、麻里子(まりこ)と話していた。帰り際、麻里子の頭の横がキラリと光り、それを見たコナンはハッとなる。麻里子のメガネの縁には宝石の装飾があるのだ。麻里子が帰った後、蘭はタクシー運転手の証言を妃に報告。犯人が女性かを九条が気にしていた事を告げると、妃は竹内が麻里子の身代わりになっているかもしれないと推測。九条が保釈に応じないのは、このためだったのだ。現在、麻里子は建設会社の社長代理。昨年、社長だった父親が脳溢血で倒れ、1人娘の麻里子が代理を務めているという。竹内はその会社の部長なのだ。  妃は通っているスポーツジムで窃盗現場を発見。偶然、同じジムに通っている九条が犯人を取り押さえる。この時、妃は九条の狙いが麻里子と気付いた事を告げ、竹内の釈放を請求。すると、九条はようやく竹内の保釈を認める。保釈後、コナンと蘭が見守る中、妃は麻里子の身代わりになっているのかと竹内に質問。竹内が動揺しながら否定すると、妃は九条に嘘は通じないと言い放つ。すると、竹内は九条の事なら自分の方がよく知っていると意味深長な事を言う。  竹内の言葉が引っ掛かったコナンは探偵事務所に戻ると、新聞の縮刷版を調べ、竹内の会社がマンションの手抜き工事で騒がれた5年前の記事を見つける。政界を巻き込む疑獄事件に発展するはずが、子会社の設計事務所の所長が自殺した事によって立ち消えに。コナンらは九条がこの事件を捜査していたと推理する。この後、探偵事務所に竹内が死んだという信じられない連絡が入る。  すぐに小五郎らは竹内のマンションへ向かう。妃は竹内が6階の自宅ベランダから飛び降りて自殺したと小五郎らに説明。竹内は九条の目の前で飛び降りたという。コナンは竹内に自殺する理由がないため、この自殺を疑問に思う。後日、九条は竹内の葬儀に参列。この時、麻里子は竹内の死を九条のせいにする。表に出た九条は記者たちに囲まれ、小五郎とコナンは九条が逃げる手助けをする。そして、待っていた妃に車に乗り込んでその場を離れる。 車内で、妃は自殺前に竹内のマンションを訪ねた理由を九条に質問。竹内は本当の事を話したいので自宅に来て欲しいと連絡してきたという。九条は5年前の事件についても言及。自殺した所長の部下だった竹内の証言を突破口に自演の全容を解明できるはずだったという。ところが、竹内は突然証言を翻して起訴を断念する事に。その後、竹内は社長の娘、麻里子と結婚したという。 続いて、九条は竹内が亡くなった日の事を話し始める。九条は約束した8時にマンションへ行き、エレベーター前で麻里子と会ったという。麻里子は竹内から変なメールが届いたため、慌てて外出先から帰ってきたところだった。そして麻里子と九条の目の前で竹内は頭から飛び込むようにベランダから外へ落ちていったという。その夜、小五郎は竹内の行きつけのお店を訪ね、ママから竹内が死ぬ前の晩に離婚してやり直すと話していたという情報を入手する。 後日、コナンは遺体検案書に目を通し、ジャージのズボンを穿いた竹内が上着を着ていた点を不審に思う。小五郎も竹内の自殺に疑問を持っており、2人は竹内のマンションを調べる事に。検案書には頭部にレンガによる打撲痕と記載されていたが、竹内が落ちた駐車場にレンガはない。花壇のレンガはベランダから離れすぎているのだ。この後、コナンは上を見上げ、ベランダの不審な点に気付く。小五郎、コナンは管理人に頼んで竹内の部屋も捜査。コナンが気になったのはベランダにある衛星放送のアンテナ。竹内の家だけがとんでもない方向に向いていたのだ。さらにコナンはベランダと部屋の中を調べ、竹内は自殺ではなく、他殺されたと確信する…。

第31話
(490話)
服部平次VS工藤新一 ゲレンデの推理対決!

 工藤新一としてコナンは大阪の服部平次と携帯電話で会話する。互いに今月解決した事件の数を報告しあい、解決数の多いコナンは1番だと勝ち誇る。すると、平次は2番だと発言し、新一よりも頭が切れる探偵がいた事を明かす。そして、平次は3年前の山形県のスキー場での事件を回想する…。  3年前、平次と和葉が通う改方学園中等部は山形県のスキー場に来ていた。和葉はこの山に伝わる雪女の民話を同級生から教えられる。それは、雪女が男に銀色の衣と大事な物を交換しようと持ち掛け、男が心臓を奪われてしまう銀衣伝説。心臓を奪われた男の風呂敷には銀の衣ではなく、雪の塊が入っていたという。さらに同級生は4年前に民話と似た事件が起きたと和葉に明かす。  昼食時、平次と和葉は食堂で俳優の箕輪奨兵(みのわしょうへい)を見かける。箕輪は実際に起きた事件が題材の映画を撮影するため、雪山に来ていた。それは銀衣伝説を準えた事件で、亡くなったのは箕輪の友人でもあるスタントマンの水上二朗(みずかみじろう)。その時、箕輪も現場にいたという。ファンに事件について語る箕輪に対し、同じく水上の友人で映画監督の大山守蔵(おおやまもりぞう)は茶化すなと注意する。  だが、箕輪は友人をネタに映画を撮影する大山に人の事を言える立場ではないと言い返す。すると今度はスタントマンの三俣耕介(みまたこうすけ)が口を挟んでくる。三俣は水上が亡くなった事によって後釜に収まった後輩。さらに水上の婚約者だったメイクの立石雫(たていししずく)も話に入ってくる。水上は立石という婚約者を残して自殺してしまったらしい。  この後、大山らの前に探偵の片品陸人(かたしなりくと)が現れる。片品は管轄外の水上の事件を追ってクビになった元刑事。片品はこの中の誰かが水上を殺害したと睨んでいた。水上はスキー場のペアリフトに1人で乗り、拳銃で頭を撃って絶命。片品は、遺体の横に置かれたバッグに大量の雪が詰められていた事が引っ掛かっているのだ。しかし、箕輪は雪女が犯人だと発言する。 話を聞いていた平次は人間がやったから犯罪だと啖呵を切る。すると、立石らはさっきも同じ事を言って絡んできた中学生がいたと笑い出す。その頃、スキー場のリフトには新一と蘭の姿。平次の前に箕輪らに絡んだのは中学時代の新一だった。この後も平次はその中学生が新一だったと気付かずに話を続ける。こうして中学時代の平次と新一の推理合戦は始まったのだ…。  3年前、平次は吹雪の中、リフトを調べに行こうとして和葉に止められる。そこにリフトを調べ終えた新一と蘭が戻ってくる。そんな平次の様子を母親の靜華がビデオで撮影。同様に有希子も新一を撮影していた。ホテルでは、大山らが吹雪を眺め、同じように吹雪いていた4年前の事件の日を思い出す…。当時、水上はスタントマンを辞め、俳優になろうと考えていたのだ。  この後、吹雪が落ち着き、撮影が再開される事に。新一と蘭はリフトとゲレンデの距離が3メートルと近い場所が2カ所ある事を確認。その時、新一らはファンにせがまれ、プロ級のスキーの腕前を披露する箕輪を見かける。ゲレンデの撮影に向かうため、立石と三俣は一足先にリフトに乗り、大山、箕輪、片品、そして平次と和葉も後に続く。  ゲレンデに降りた三俣はリフトから降りられず下へ戻る立石に声をかける。その時、パンという音が響く。上のリフト降り場にいた新一は大山の後ろのリフトに乗った箕輪が絶命している事に気付く。箕輪の身に4年前の水上と同じ事が起きてしまったのだ。山形県警は箕輪がこめかみを拳銃で撃って自殺したと判断。遺体の横のバッグには4年前と同じように雪がぎっしり詰まっていた。 この後、止められていたリフトが動き出し、平次が現場に到着。現場を調べた平次は3つの疑問点を挙げる。1つ目は箕輪がリフトに乗せていたストック。先に付いている輪のはめ方が2本共上下逆さになっていた。2つ目は箕輪が乗っていたリフトの座面右側の割れたような跡。平次は何かの細工に使われたと推理する。3つ目は箕輪の脇にあった布バッグが凍っている事。平次はこの3つの事を刑事に指摘する。すると、刑事は少し前に同じ3つの事を指摘した中学生がいた事を明かす。その中学生は一足先に現場を後にしたという。  その頃、新一は下のリフト乗り場へ戻り、箕輪がリフトに乗った時の様子をビデオで撮影した人を捜す。静華が名乗り出ると、新一はビデオを見せてもらい、箕輪らがリフトに乗った順番を確認。そんな新一の姿を優作と有希子は双眼鏡で眺める。水上の事件をヒントに小説を書こうとしていた優作は、すでに犯人が誰かわかっていた。事件解決のカギは、もう1つの銀衣伝説にあった…。


シーズン13

第01話
(491話)
赤と黒のクラッシュ 発端

 コナンは子供の頃の本堂瑛祐と父親が写っている写真を入手したと平次に電話で報告する。さらにコナンは西郡宗兵の友人から聞いた本堂の父親らの会話の内容も平次に伝え、2人は本堂の父親が黒ずくめの組織と何らかの関わりがあると睨む。平次は深入りしようとするコナンを心配する。電話後、コナンは中学時代の同級生のお見舞いに行くという蘭と園子と共に西米花病院へ向かう。  見舞い後、園子は病院の廊下にいる本堂に気付く。本堂は水無怜奈の写真を手に看護師から話を聞いていた。本堂は怜奈が何処かの病院に入院中と感づいているのだ。園子は写真の女性を見て、アナウンサーの怜奈だと気付く。すると、本堂は怜奈とは別人だと否定し、10年前に家出した実姉だと説明する。 姉が看護師になると話していた事、ケガした本堂を姉がよく病院に運んだ事などから、本堂は姉が病院にいると考えていた。本堂によると、姉と本堂の血は皆に分け与える事ができるタイプ。家出前、姉は大ケガした本堂に大量の血を輸血してくれたという。コナンは本堂が本当に実姉を捜していると感じ取る。  園子はその姉と怜奈が同一人物だと推理。すると、蘭は小五郎の友人に庵野という怜奈の大ファンがいる事と明かし、庵野が所有する怜奈のビデオを見て確かめようと提案する。昼食中、蘭は庵野の家に連絡を入れるが、電話に出た男性に間違い電話だと切られる。蘭は小五郎に番号を確かめ、間違いはないと判明。この後、蘭らは小五郎から教わった庵野の実家を訪ねる事に。  応対した母親の光子は、さっきも庵野の家に電話をかけたばかりで、番号に変更はないと説明。光子は庵野が風邪を引き、予定していた旅行を取り止めた事も明かす。さらに昨日、庵野は携帯の番号が変わったと話していたという。この後、コナンは庵野が悩みを抱えている事を光子から聞き出す。庵野は新事業の資金を友人に持ち逃げされ、光子はこれからその資金を銀行に振り込みに行くという。話を聞いたコナンは庵野が何に巻き込まれているかに気付き…。

第02話
(492話)
赤と黒のクラッシュ 血縁

 コナンと蘭、園子、本堂は庵野に本堂の姉の写真を見せる。すると、庵野は怜奈の若い頃にしか見えないと断言。庵野が所有する古いビデオも確認する事に。そのビデオは怜奈が工場の爆発事故を報じる報道番組。そこには輸血のため、AB型の人を探す看護師にAB型だと申し出る怜奈の姿が映っていた。  ビデオを確認した本堂は怜奈が自分の姉ではないときっぱり否定。その時、コナンは本堂と姉が皆に分け与える事ができるタイプの血液だった事を思い出し、本堂の血液は誰にでも輸血できるO型の可能性が高いと判断する。つまり、本堂の姉の血液もO型の可能性が高く、怜奈と姉は別人という事になる。  この後、コナンは阿笠邸から杯戸中央病院にいるジョディに連絡し、本堂が病院に現れるかもしれないと報告する。続けて、コナンは怜奈と本堂の姉が別人だと説明。コナンは黒ずくめの組織が本堂の父親絡みの何らかの理由で怜奈を姉そっくりに整形したと睨んでいるのだ。電話の最後にコナンは怜奈の血液型をジョディに確認。ジョディはRH+のAB型だと教える。  電話を切った後、コナンは阿笠と灰原に状況を説明。コナンは本堂が怜奈を捜している理由を把握し、それを止めさせようと考える。怜奈に似た本堂は組織の目に留まりかねないからだ。後日、蘭と園子、小五郎が本堂と姉の事を毛利探偵事務所で話し合っていると、そこにコナンが帰宅してくる。その直後、蘭は前に本堂の血液型を聞いた事があると園子に報告する。  その発言に驚いたコナンは本堂の血液型を蘭に確認。すると、トイレに入っていた本堂が現れ、自らO型だと明かす。皆が本当にO型かと確認すると、本堂は明日知り合いの家に母親の遺留品を取りに行くと説明。そこには母子手帳もあるらしく、一緒にくれば本堂の血液型を確かめられるという。偶然にも小五郎はその家から仕事の依頼を受けていた。1年前、一人息子が妙な殺され方をしたという。翌日、コナンは小五郎、本堂らと共にその家を訪ねるが…。

第03話
(493話)
赤と黒のクラッシュ 絶叫

 小五郎、本堂、蘭と共に奥平邸を訪ねたコナン。小五郎への依頼は丁度1年前に息子の鍛吾が亡くなった事件を調べ直す事。父親の奥平角蔵(おくだいらかくぞう)は家の誰かが犯人と考えていた。事件当日、角蔵と妻の詠子(えいこ)、家政婦の田端菊代(たばたきくよ)、執事の瀬川旗郎(せがわはたろう)は夜7時から12時まで居間でビデオを観賞。鍛吾はその最中に家のプールで溺死。死亡推定時刻は夜9時から10時の間だという。 話を聞いた小五郎は家の者の犯行は不可能と考える。すると、角蔵は鍛吾が右手に白い手袋をはめた遺体写真を公開。その手袋は2年前の同じ日に車ごと崖から転落して死亡した前の執事である瀬川の兄が運転中にはめていたもの。鍛吾が溺死した3日後に自分の書斎から左手の手袋が見つかり、次は自分が狙われると疑心暗鬼になる角蔵。この後、小五郎らは居間を調べる事に。角蔵は小五郎らの案内を瀬川に命じ、菊代にはコーヒーのお代わりを注文する。さらに角蔵は書斎の整理を手伝わせるので詠子を呼んできて欲しいと瀬川に頼む。  だが、詠子は口うるさい角蔵の手伝いを嫌がり、瀬川が鍛吾の車を手入れしてから角蔵の整理を手伝う事に。代わりに詠子が小五郎らを居間に案内。その際、詠子は鍛吾が前妻の息子だった事を明かす。この後、本堂が昔事故に遭った時の話題になり、お見舞いに行った詠子は姉がかなりの血を本堂に輸血していたと語る。話を聞いたコナンは本堂の姉と水無怜奈が別人だと判断する。  居間を調べ終えたコナンはプールを見たいと頼む。そこにコーヒーのミルクを買い出しに行っていた菊代が現れる。雨が降っていたため、詠子は小五郎らをプールに案内して欲しいと菊代に頼み、代わりに自分がコーヒーを入れると発言。この後、高価な壺が割れる音が書斎から聞こえてくる。菊代と瀬川が書斎に向かうと、今度は「開けるな」という角蔵の叫び声が響き、コナンらも書斎へ駆けつけるが…。そこでは、角蔵がロープで首を吊って絶命していた…。

第04話
(494話)
赤と黒のクラッシュ 冥土

 角蔵の首吊り死体が発見され、目暮警部、高木刑事らが捜査にあたる。角蔵の足元には「黄泉からの殺人者」という本が置かれていた。表紙の「黄泉」という文字には、かなりの血が付着し、その下には平仮名の「こ」のような文字が血を垂らして書かれていた。目暮らはこれをダイニングメッセージと判断し、角蔵を殺害した犯人は家にいる誰かと推理する。  この後、目暮は角蔵が首を吊る前のアリバイを確認。菊代はコーヒーに入れるミルクを近所のスーパーに買いに行ったと説明し、レシートを取り出す。詠子は角蔵にコーヒーを持って行こうとしたが、キッチンにコーヒーが見当たらなかったと証言。菊代はコーヒーをキッチンに置いたまま買い物に出たため、その間に誰かがコーヒーに睡眠薬を入れ、角蔵に持っていったのだ。  小五郎は瀬川の事を疑うが、瀬川はガレージで鍛吾の車を手入れしていたと反論。その後、詠子らがいる応接室に入った時に壺が割れる音がしたという。皆が話をする中、コナンは机の上にメモ帳を発見。そこには今日のPM4時頃から眠りの小五郎推理ショーと書かれていた。角蔵は小五郎の推理を楽しみにしていたのだ。高木はこのメモ書きから自殺の可能性は極めて低いと判断する。  さらにコナンはテーブル下のじゅうたんの濡れた跡に気付く。コーヒーのようだが、テーブルの上はきれいになっていた。書斎には本の山があり、届いたばかりの大判の本はドア付近に。これを見た本堂は犯人が大判の本をトリックに使ったと推理する。この後、本堂は大事な母親の写真をプールで転んだ時に落とした事に気付く。本堂らが見に行くと、写真はプールの底に落ちていた。  ドジな本堂は写真に気付いた直後、雨に足を滑らせ、プールの中へ倒れてしまう。鍛吾と身長がほぼ同じだという本堂の眉毛の辺りにプールの水アカの線が残り、それを見たコナンは何かに気付く。さらに蘭と本堂のやりとりを見たコナンは残忍な殺人方法を使った犯人の正体を見破り…。

第05話
(495話)
赤と黒のクラッシュ 昏睡

 コナンは本堂瑛祐の姉と水無怜奈が別人だった事を灰原に報告するが、本堂と怜奈が兄姉ではないという確信を持てずにいた。帰宅後、コナンは、冬休みに入ってから本堂と連絡が取れなくなった事を蘭に教えてもらう。冬休み前、本堂は杯戸中央病院で手掛かりを見つけたと話していたらしく、コナンは怜奈の入院先が本堂にバレたと考える。  だが、本堂の言う手掛かりとは音信不通だった父親の事。本堂は父親の会社の仲間を見つけたらしく、父親も会社の人と姉の行方を捜しているかもしれないという。この後、コナンは阿笠邸にジョディを呼び、本堂が杯戸中央病院で父親の仲間を見つけた事を報告。ジョディは本堂の父親の仲間、つまりCIAが動いている事実に困惑した後、本堂の父親について調べた事を明かす。  本堂の父親の本名はイーサン・本堂。日系2世のアメリカ人で、30年前にCIAに入った諜報員。その3年後にイーサンは日本で結婚し、黒ずくめの組織の情報を探っていたらしい。さらにジョディはイーサンが4年前に横浜の廃倉庫で殺害された事を告白。目撃したホームレスの証言によれば、イーサンが若い女性に拳銃で撃たれた後、女性の仲間と思われる黒ずくめの男性2人が現れたという。  その男性2人の特徴を聞いたコナンはジンとウォッカの事を思い浮かべる。この後、ジョディはイーサンの事を調べたのはCIAの赤井だと告白。彼の情報がガセだった事は一度もないという。さらジョディは女性が怜奈と瓜二つだったというホームレスの証言を明かす。怜奈はCIAの事を調べるため、娘に成り済ましてイーサンに近づくが、正体がバレたために銃殺されたようだ。  この後、コナンらは杯戸中央病院に行き、本堂と接触した看護師から話を聞く事に。移動の車内でコナンは蘭に連絡を入れ、本堂が父親の会社の仲間を見つけた時の詳しい状況を確認。蘭から本堂、父親に関する話を聞いたコナンは、病院に潜伏しているのはCIAではなく黒ずくめの組織と考えて…。

第06話
(496話)
赤と黒のクラッシュ 侵入

 杯戸中央病院の看護師、塩田まさ江(しおたまさえ)の話から黒ずくめの組織の仲間が患者として病院に潜伏している事が判明。その人物の入院時期は12月18日から21日の4日間に絞られる。さらに、まさ江は本堂瑛祐を別の病院で手術した事を思い出してコナンに教える。本堂は白血病だったらしく、大阪に引っ越す前に手術したという。話を聞いたコナンは本堂の胸の丸い傷跡を思い出す。  この後、FBIのジェイムズは潜伏する組織の仲間を3人に絞り込んだと写真を見せながらコナン、ジョディ、赤井に報告。その3人とは、18日に右足骨折で入院した新木張太郎(しんきちょうたろう)、19日に頸椎捻挫で入院した楠田陸道(くすだりくみち)、21日に急性腰痛で入院した西矢忠吾(にしやちゅうご)。3人は個室を希望し、見舞い客は1人もいないという。  赤井は怜奈が入院している事もFBIが匿っている事もバレていないと考える。バレていれば仲間が見舞い客を装って病院に現れるからだ。話を聞いたジョディは怜奈の病室へ行き、警護中のビルに3人の事を伝える。この後、コナンらが見守る中、院長は怜奈に意識があるかを確認。院長が昏睡状態と診断した後、ジェイムズらは3人の中から組織の仲間を割り出す方法を考える。  だが、FBIが動けば組織にバレる危険が高い。するとコナンはある方法を思いついたと皆に伝える。コナンは別の部屋で説明すると言ってジョディ、ジェイムズ、赤井、さらに警護中のビルを病室の外へ誘う。この後、コナンは忘れ物を取りに部屋へ戻り、ベッドで眠る怜奈の様子を確認するが、直ぐに病室を出てドアを閉める。その時、怜奈はふっと薄目を開ける…。  コナンはすぐにビルに病室へ戻ってもらった後、自分が直接3人に話を聞くとジョディらに伝える。子供なら相手も油断するからだ。コナンに小型ビデオカメラを取り付け、後でジョディらにも映像を確認してもらう事に。そして、コナンは3人との接触を無事に終え、ジョディらと映像を確認するが…。

第07話
(497話)
赤と黒のクラッシュ 覚醒

 コナンは3人の容疑者と接触し、楠田が黒ずくめの組織の仲間と割り出す。だが、ジェイムズらはすぐに楠田を捕まえず、尻尾を出すまで様子を見る事に。そして夜、楠田はナースステーションに侵入し、怜奈の事を探るために写真撮影を行う。それを看護師の1人に目撃されるが、写真撮影した事へのお咎めはなし。楠田はこの行動を不審に思い、看護師に何者かと声をかける。  その時、看護師の横から拳銃を持ったジョディと捜査官が姿を現す。ジョディらはFBIと名乗り、楠田を捕まえようとする。だが、楠田は小型プラスチック爆弾を取り出し、爆破すると脅しながら逃走。楠田は駐車場の車に乗って逃げ去るが、それに気付いた赤井が車で追跡する。ジェイムズは組織に連絡される前に楠田を確保しろと携帯電話で赤井に指示を出す。  すると、赤井の車の座席下に隠れていたコナンが姿を現し、楠田の携帯を水に沈めておいたと伝える。それを知らない楠田は携帯が故障している事に慌てふためく。そして、楠田は運転しながら追跡してくる車に発砲。その際、楠田は追跡しているのが赤井だと気付き、その直後に拳銃で自殺してしまう。  駆け付けたジョディは怜奈の居場所が組織にバレなかった事に一安心するが、赤井は組織に確実にバレると断言。楠田が定期的に潜入先の病院の調査報告を組織にしていれば、組織は連絡が途切れた杯戸中央病院が怪しいと考えるからだ。その頃、首都高速を運転中のウォッカは、杯戸中央病院にたくさんのFBIがいたと助手席のジン、後部席のベルモットに報告する。  この後、ジンはキール(怜奈)を連れ出す方法を考えるウォッカに対し、次の手を打っていると報告。ジンは自分の頬骨を撃ったシルバーブレット(赤井)をこの件に乗じて処理しようと考え、ベルモットはもう1発のシルバーブレットであるコナン、新一の姿を思い浮かべる。その頃、赤井らは相談の末、怜奈を別の病院に移動せず、病院に乗り込んでくる組織を迎え撃つ事にするが…。

第08話
(498話)
赤と黒のクラッシュ 攪乱

 赤井は捜査のために黒ずくめの組織に潜り込んだ過去があり、灰原の姉の宮野明美と恋人同士だった事が判明。その頃、姿を消した本堂は怜奈の病室を突き止める。この後、FBIを名乗るアンドレ・キャメルが病院に現れ、ジョディらと共にFBIの作戦会議に参加。ジェイムズは車3台を使って組織を攪乱しつつ怜奈を病院から連れ出す計画を伝える。これは何かあった時の最終手段だという。  翌日、病院の近辺では、ほぼ同時刻にファミレスの集団食中毒、駅の異臭騒ぎ、映画館の火事という3つの事件が起きる。その頃、病院にジェイムズ宛の荷物が届く。荷物の依頼主は自殺した組織の仲間、楠田。中身はコロンバインという花の植木鉢で、コナンはこの花に「必ず手に入れる」「断固として勝つ」という花言葉がある事を皆に伝える。黒ずくめの組織はFBIに宣戦布告してきたのだ。  この後、病院に3つの事件に巻き込まれたケガ人や病人が殺到。玄関口はFBIのチェックができない程、混乱してしまう。ジェイムズらは3つの事件を組織の仕業と推理。ジョディは、組織が事故の被害者を装った仲間を病院に紛れ込ませようとしていると考える。だが、組織が捕まるようなリスクを負う真似はしないと反論する赤井。赤井は組織に別の狙いがあると推理する。  そんな中、コナンは植木鉢から音が聞こえる事に気付き、植木鉢を調べた赤井が時計と時限装置を発見する。ジョディらは植木鉢に爆弾が仕掛けられていると判断。だが、トラップだらけの爆弾の解体には時間がかかるため、赤井は人気のない場所に運ぶ事を勧める。爆発時刻の12時30分まで残りは31分強。ジョディは7キロ先のゴミ処理場に自分が爆弾を運ぶと申し出る。  すると道に詳しいというキャメルがナビ役を買って出る。結局、ジョディはキャメルとゴミ処理場へ向かう事に。2人が病院を出た後、コナンと赤井は爆弾が気付かれやすいように設置されていた事、爆発時刻まで30分以上もあった事に疑問を抱く。ジェイムズは組織の真の狙いがわからず、頭を悩ませるが…。

第09話
(499話)
赤と黒のクラッシュ 偽装

 杯戸中央病院の患者たちに見舞い品を装った爆弾が送られてくる。爆発時刻の午後5時まではあと4時間。爆薬本体に刺さった信管を取り外せば爆発は解除できるという。病院に送られた爆弾は約60個。黒ずくめの組織が病院をケガ人、病人で溢れさせたのは、パニックに紛れて複数の宅配業者に大量の荷物を届けさせるためだったのだ。ジェイムズらは捜査官を総動員して爆弾の回収を行う。  この後、ジョディが爆弾を回収していると、テレビに入院着姿の水無怜奈が映る。怜奈は明日から仕事復帰するとカメラに向かって報告。ジェイムズはティムから怜奈がTV出演している事を聞き、近くにいたコナン、赤井も驚く。怜奈の病室は捜査官3人が張り込んでいたが、ジェイムズはすぐに捜査官を怜奈の病室へ向かわせるように手配。だが、コナンは怜奈の病室に行くなと止める。  ジョディは怜奈の病室に向かうと、そこには大勢の捜査官たちとベッドで眠る怜奈の姿。続いて、コナンと赤井も怜奈の病室に駆け付ける。赤井はFBIが組織に騙された事を皆に伝える。TVの映像は怜奈が昔、爆発事故に巻き込まれ、番組復帰した時の映像を合成処理したモノだった。組織の狙いは怜奈の病室にFBIを集める事。回収した爆弾に発信器が取り付けられていたのだ。  通りを走る車の中では、ジンとウォッカがパソコンに映る病室の配置図を見て、怜奈の病室を第4病棟の307号室と特定する。組織に怜奈の病室がバレたと察したジェイムズは、車3台を使って組織を攪乱しつつ怜奈を病院から連れ出す作戦を実行すると捜査官に指示を出す。 すると、コナンは阿笠の小さな車に乗せて運ぼうと提案。大きな車で運ぶと思っている組織の裏をかこうという作戦だ。しかし、赤井は一般市民をこれ以上巻き込めないと断る。代わりに赤井はコナンの言葉から、ある妙策を思いつく。この後、怜奈を乗せた車を誰が運転するかが議題になり、名乗り出たキャメルが運転する事に。だが、ジョディはキャメルのある言葉が引っ掛かって…。

第10話
(500話)
赤と黒のクラッシュ 遺言

赤と黒のクラッシュ 遺言 FBIはバン3台を使い、赤井が思いついた作戦を実行。キャメルが運転する3号車のバンに水無怜奈を乗せ、作戦は成功するかに思えた。だが、ジンは3号車にキール(怜奈)が乗っていると判断。3号車にはFBIの2人しか乗っていないが、ジンは助手席に座っているのが怜奈だと見抜く。赤井は怜奈にサングラスをかけたり発信器を持たせたりしてFBIの捜査官に見せかけていたのだ。  この後、組織の車1台とバイク4台は3号車の追跡を開始。気付かれたと察したキャメルは追跡を振り切ろうとする。その時、爆弾のケースがキャメルに振り下ろされ、3号車はガードレールにぶつかって止まる。そして白煙が上がった3号車の助手席から怜奈が降り立つ。FBIの無線でジンらが助けに来た事を知った怜奈は爆弾のケースでキャメルを殴り、サイドブレーキを引いたのだ。  怜奈は2、3日前に意識を取り戻した事をベルモットに報告。そして、キャンティはジンに命令され、キャメルを始末しようとする。その時、ドーンという大音響と共に3号車が爆発。この後、野次馬が集まってきたため、ジンらはその場を後にする。すると、土手に身を潜めていたキャメルが携帯電話で作戦が成功した事を赤井に報告。赤井とコナンはわざと怜奈を組織に渡したのだ。  この事実に驚きが隠せないジョディ。キャメルに運転テクニックをアピールさせたのも、組織に怜奈を奪還させたのも作戦の内。赤井はコナンと相談して組織がFBIを出し抜いたと錯覚させる作戦を考えたのだ。ジョディが気絶させられたのも予定通り。3号車の爆発は運転手が死んだと思わせる偽装で、キャメルはガードレールの切れ目に運転席のドアが来るように車を操作していた。  ジェイムズは組織に繋がる唯一の人物である怜奈を相手に渡した事を不思議がる。すると、赤井は昨夜コナンの策略に乗り、怜奈とある契約を結んだ事を告白。昨夜、コナンと赤井は病院に隠れていた本堂を怜奈の病室に誘い出していた。そして、本堂が呼びかけると、怜奈は目を覚まして…。

第11話
(501話)
赤と黒のクラッシュ 嫌疑

 怜奈の正体はCIAの諜報員で、本堂の姉の瑛海(ひでみ)だった。本堂は幼い頃の骨髄移植によって血液型が変わっていたのだ。さらに怜奈が父親のイーサン本堂を殺害した時の真相も明らかに。イーサンは娘の怜奈を組織から守るため、自ら殺害される道を選んだのだ。そして、コナンと赤井が怜奈を再び組織に戻したのは色々探ってもらうためだった。  この後、コナンと赤井は怜奈との契約内容をジェイムズらに報告する。怜奈は組織の情報をCIA本部に報告した後、FBIにも流すと約束。代わりに怜奈は本堂への証人保護プログラムの適用を赤井に提示したという。その頃、キール(怜奈)はジンらと車で移動。キールは病院がFBIに荷担していなかった事をジンらに伝え、病院に危害を加えないと約束させる。だが、ジンは今回の一件に疑問を抱き、簡単にキールを奪い返せたのには何か裏があると考えていた。  後日、コナンは元太、歩美、光彦、阿笠博士、灰原とニュー米花ホテルのバイキングに向かう。途中、コナンは今回の一件を灰原に報告。灰原は子供の考えに耳を貸す切れ者の赤井に興味を持ち、会いたいと言い出すが、コナンはお茶を濁す。結果的に灰原の姉が殺害される原因を赤井が作ったからだ。  コナンらがホテルに到着後、高木刑事がパトカーでやってくる。高木は殺人事件が起きた事をコナンに教える。殺害されたのはホテルの39階に事務所を構える外国人タレントプロダクションの社長、須内廉治(すのうち れんじ)。事務所に戻った秘書が上半身の数カ所を拳銃で撃たれた須内を発見したという。  この日、社長はタレントの卵と会う約束をしていたようだが、秘書は相手の顔も名前もわからないという。秘書から通報があったのは2、3分前で、犯行時刻はその1、2分前。犯行時刻から5分以上経過しているが、コナンは犯人がまだホテルの中にいると推理する。この後、目暮警部が秘書のイリーナ・パーマーから話を聞いていると、高木が怪しい外国人2人を連れてくる…。

第12話
(502話)
赤と黒のクラッシュ 潔白

 ニュー米花ホテルで外国人タレントプロダクションの社長、須内が殺害される。容疑者は屋上のレストラン街をうろついていたモデルのトビー・ケインズ、そのフロアのトイレに潜んでいた英語教師のハル・バックナー、そして階段を降りていたFBIのキャメルの3人に絞られる。この後、コナンから連絡を受けたジョディが到着。ジョディは任務の事が明かせないため、キャメルの恋人とウソをつき、日本から戻らない自分を心配してキャメルが来日したと誤魔化す。  この後、千葉刑事は屋上にあるトイレの用具入れから、犯人のものと思われるレインコートと手袋、拳銃を発見。コートのサイズがピッタリ合うトビーが疑われる。だが、トビーは他の2人も無理すれば着られると反論し、秘書のイリーナも犯人の可能性があると主張。話を聞いた目暮警部はイリーナの証言の真偽を疑い始め、彼女も容疑者の1人に加える。  須内の遺体を調べていたコナンは、何かを摘んでいたような形の右手に着目。すると、ジョディは机の上の千切った跡があるメモ用紙とペン軸に気付く。メモ用紙の端には僅かな血痕があり、うっすらと何かが書かれた跡も発見される。そして鑑定の結果、血液も筆跡も須内のものと判明。メモ用紙には「Bring my tux(私のタキシードを取って来てくれ)」と書かれていた。  その頃、埠頭ではキール(水無怜奈)が携帯電話で誰かと仕事の話をしていた。そしてキールが電話を切ると、ジンがキールの背中に銃口をあてながら誰と話していたかを確認。キールはテレビ局の人事部長だと釈明。キールはアナウンサーを続ける事ができないと判断し、部長に仕事を辞めると伝えたのだ。この後、組織に疑われているキールはジンに用件を訊ねる。すると、ジンは疑いを晴らすために赤井秀一を消せという上からの命令をキールに伝える…。

第13話
(503話)
赤と黒のクラッシュ 決死

 キールはジンに脅され、赤井に2人きりで会おうという連絡を入れる。赤井から事情を聞いたジェイムズは罠かもしれないと勘繰る。だが、赤井は罠の場合、行かなければキールが殺されると考え、キールと会う覚悟を決める。その頃、須内の殺害事件は捜査が停滞。待ち時間ができると、容疑者のハルは塾の授業に出たいと要求。イリーナもホテルのレセプションへ行きたいと言い出す。  結局、目暮刑事は2人の要求を受け入れ、高木刑事がイリーナ、千葉刑事がハルに同行する事に。容疑者のトビーは殺人事件があっても仕事を優先する2人に呆れる。このやりとりを見たコナンは犯人がメモを持ち去った理由に気付き、「Bring my tux(私のタキシードを取って来てくれ)」と筆記体で書かれたメモの事を思い浮かべる。  この後、コナンは携帯電話の調子が悪いというジョディに自分の携帯を貸す事に。その際、コナンは見た目で決めちゃダメだと意味深な発言。この一言によってジョディもメモの謎に気付かされる。すると、目暮が判りやすく説明してくれとコナンに頼む。コナンは新一に聞いた呪文と言い訳しながら、犯人を見抜く方法を目暮に説明。容疑者の人数分イスを用意し、ある呪文を言えば犯人がわかるという。  その頃、赤井の携帯にキールから落ち合う時間と場所を伝えるメールが届く。2人が会うのは今夜19時、来葉峠の7つ目のカーブを抜けた先。メールを確認した赤井は車に乗り込み、杯戸中央病院を後にする。そして、ニュー米花ホテルの一室には容疑者のイリーナ、ハル、トビー、キャメルが集められる。目暮は容疑者4人にイスの前に立つように指示。そして、目暮がコナンに教わった呪文を言うと、1人を残して3人の容疑者がイスに腰を下ろし…。

第14話
(504話)
赤と黒のクラッシュ 殉職

 キールが来葉峠で待っていると、赤井が車に乗って逆方向からやってくる。赤井はキールが1人で来た確証を得るため、先回りして色々と探っていたという。キールは確証を得られたかと赤井に確認。そんなキールの首には小さな丸い穴が開いたバンドが巻かれていた。バンドにカメラが内蔵されているのだ。ジンとウォッカは駐車した車内でモニターに映る赤井の様子を見ていた。  そんな中、赤井は高飛びを手助けする代わりに提供してくれる情報が何かをキールに訊ねる。その直後にドンという音と共にキールの銃口が火をふく。肺を撃ち抜かれた赤井は後ろを振り返って状況を察知。赤井は谷を越えた遠くの道路に停まっているジンの車に気付いたのだ。この後、ジンはとどめを刺せとキールに命令。キールが躊躇していると、ジンは頭を撃てと再び命令する。  腹を括ったキールは銃口を赤井の額に向けて拳銃を撃つ。ジンは倒れ込んだ赤井を見て会心の笑みを浮かべる。その時、パトカーがサイレンを鳴らして走ってくる。近くで事故が起きたらしく、ジンは後始末して立ち去れとキールに指示を出す。キールは赤井の遺体の横にスイッチを入れた爆弾ケースを置き、車に乗ってその場を後にする。  そして、パトカーが赤井の車に近づいた瞬間に爆弾が爆発。その頃、ジョディは赤井の携帯に連絡を入れ、繋がらない事を不審に思う。この後、ジョディは杯戸中央病院に行きたいと言っていたコナンに一緒に行こうと誘う。だが、コナンは不吉な13日の金曜日なので帰宅して寝ると誘いを断る。  コナン、少年探偵団、阿笠博士と別れた後、ジョディは13日の金曜日という言葉を思い出し、不吉な予感を抱く。そして、病院に戻ったジョディは赤井がキールに会いに行った事をジェイムズから教えられる。この後、来葉峠で車が炎上し、遺体が発見されたニュースがテレビで流れる。事実を受け入れられないジョディは、遺体が赤井なのかを確認するため、警視庁へ向かうが…。

第15話
(505話)
弁護士妃英理の証言(前編)

 事務所でくつろぐ小五郎はテレビを一瞥。テレビは格闘家の永作司朗(ながさくしろう)と女性タレントの結婚が間近に迫っている事を報じていた。この後、蘭はお母さんを迎えに行こうと小五郎に声をかける。蘭と小五郎は午後10時に妃英理と食事する約束をしているのだ。今、英理は事務所ではなく美容室にいるという。さらに蘭はコナンにも出掛ける支度をするように伝える。  葉坂美容室の浴室では、美容師の葉坂皆代(はさかみなよ)が永作の髪をカットしようとしていた。皆代は永作の髪を切るのもこれが最後と決めていた。皆代は永作の元彼女で、この日も皆代は結婚を控える永作のために人目を避けて浴室でカットしているのだ。そして午後8時、予約していた英理の声が店から聞こえてくる。この後、皆代はお店へ行って英理のカットの準備を始める。  一方、小五郎はコナン、蘭と車で美容室に向かう。美容室では英理のカラーリングが終了。カラーが定着するまで10分間かかり、その間に皆代はゴミ出しがてらコンビニに行く。そして小五郎らが美容室付近の坂道を登った時、ガツン、ドサッという音が鳴り響く。小五郎は車を急停車。外に出たコナンはガードレール越しに崖下を覗き込み、ゴミ置き場に倒れている男性を発見する。  小五郎が警察に連絡しようとすると、今度はカラカラという音が鳴り響く。髪のセットを終えた英理が外の騒ぎに気付き、皆代と一緒に様子を見に行く事に。この後、現場に駆け付けた目暮警部、高木刑事は捜査を開始する。倒れていた男性は永作で、すでに絶命。死因は首の頸動脈切断による失血死だった。  目暮は小五郎の話を踏まえ、何者かが永作の首を切った後、ガードレール越しにゴミ置き場に放り投げたと推理。永作の体重が90キロもあるため、目暮らは男性が犯人だと睨む。コナンは野次馬の中の皆代に声をかけ、近くに理髪店か美容室はないかと訊ねる。コナンは永作の首に血に混じった髪の毛の切れ端を発見したのだ。しかもコナンは皆代が美容師という事にもすでに気付き…。

第16話
(506話)
弁護士妃英理の証言(後編)

 格闘家、永作司朗の遺体がゴミ置き場で発見され、近くで美容室を営む元恋人の美容師、葉坂皆代に疑惑の目が向けられる。だが、妃英理が皆代のアリバイを証言。犯行時刻、皆代は英理の髪を手入れしていて、そばを離れたのはほんのわずかな時間だけだったという。それでもコナンは皆代が犯人だと疑い、90キロもある永作の遺体を店からゴミ置き場へ移動させた方法を考える。  この後、コナンは美容室の裏口に置かれた粗大ゴミと思しき机や椅子に気付く。分別された新聞、雑誌を見た蘭は、皆代の性格は几帳面だと察する。皆代はスクーターで細い裏道を通ってゴミ出しがてらコンビニに行った時の状況を目暮らに説明。続いて、皆代は目暮らをコンビニへ案内する。その時、コナンは近くの道路標識を一瞥し、ホコリが取れた柱に細い筋の跡を発見。柱の根元にはタバコの吸い殻やゴミが一箇所に丸く集まっていた。  目暮はコンビニの店長に皆代の来店時間を確認。そしてレシートによって皆代の来店は午後8時28分と判明する。店長によれば、皆代が店に居たのは4、5分だという。さらに店長は皆代のスクーターの調子が悪いと証言。皆代はスクーターを手で押しながら来たという。店長の証言により、皆代が犯人の可能性は低くなる。そして、店長の話を聞いた英理は疑われている皆代を擁護する。  だが、皆代を犯人と睨むコナンは、皆代の服に金髪の毛が付いているとウソをついて揺さぶり、動揺する姿を見て皆代が犯人だと確信。続いて、コナンは短時間に90キロもある永作の遺体を移動させたトリックを考える。その時、蘭はコナンが額にケガしている事に気付く。そのケガはガツン、ドサッという音に驚いた小五郎が車を急停車させた時にぶつけてできたものだった。コナンは急ブレーキした時の事を思い出して何かに気付く。すると、コナンは崖の上の道にあるガードレールを調べ、永作の遺体を移動させたトリックを見破る…。

第17話
(507話)
カラオケボックスの死角(前編)

 書店へ寄り道したコナン、少年探偵団、灰原は、病み上がりの本堂瑛祐、参考書を見に来た蘭、園子と偶然会う。そして店を出たコナンらを謎の男が尾行。コナンは本堂を監視するFBI捜査官が男の正体と推理する。この後、蘭、園子、コナンは本堂の復帰祝いをカラオケBOXで行う事に。コナンらがカラオケBOXの3号室に入ると、謎の男も後を追うように同じ店へ入店する。  男は3号室に忘れ物をしたので、コナンらが退室したら声をかけてほしいと店員に頼み、5号室へ入る。コナンは曲を歌った後、本堂がいない事に気付く。蘭によれば本堂はトイレに行ったという。その時、2号室の本間恭太(ほんまきょうた)が間違えて3号室へ。間違いに気付いた本間は慌てて部屋を出ると、廊下で4号室の有元懇治(ありもとこんじ)にぶつかって転倒する。  その様子を見ていたコナンらは、釣り竿ケースとクーラーBOXを持った玉井邦夫(たまいくにお)が受付している姿を見かける。そして本堂がトイレに行って30分が経過。本堂は具合を悪そうにして3号室に戻ってくる。この後、コナンらが退店しようとすると、5号室の方から店員の悲鳴が聞こえてくる。  5号室では茂庭 巽(もにわたつみ)が頭から血を流して絶命していた。すぐにコナンは店内の間取りを確認する。5号室は廊下を曲がった先にあり、受付からは死角になっていた。そして廊下を曲がった先にはタバコの自動販売機、男女のトイレがあった。5号室に戻ったコナンは、茂庭が尾行していた男と気付き、トイレに長時間行っていた本堂が犯人なのかと勘ぐり始める。  この後、目暮警部らが現場に到着。茂庭は頭部を鈍器のような物で何度も殴られ、顔には返り血を浴びないように上着が掛けられていた。鑑識課員は遺体の上着からカメラを発見し、目暮はフィルムの現像を手配。そして店員の証言により、被害者が入店後、誰も退店していない事が判明する。2号室の本間、4号室の有元、1号室の玉井が疑われるが、コナンは本堂が怪しいと睨み…。

第18話
(508話)
カラオケボックスの死角(後編)

 カラオケBOXの5号室で絶命した茂庭が発見される。被害者が入店後、誰も退店していないため、目暮警部、高木刑事は客の部屋を回り、事情聴取しながら凶器を探す。1号室の玉井は釣りの帰りにカラオケに立ち寄ったと説明する。玉井は釣り竿を流してしまい、クーラーBOXの魚はスーパーで購入。早く帰ると家族に怪しまれるため、カラオケで時間を潰していたという。  2号室の本間は会社のカラオケ大会が近いため、1人で練習していたと説明。目暮がテーブルに置かれたタバコのカートンの事を聞くと、本間はヘビースモーカーだと明かす。蘭、園子、本堂のいる3号室も確認するが凶器らしい物は見つからない。続いて、4号室の有元は彼女とジム帰りに店に立ち寄ったと説明。テーブル上のペットボトルの飲料は不味くて1口しか飲んでいないという。  結局、目暮らは全員の部屋、トイレを見て回るが凶器は発見できず仕舞い。その時、茂庭のカメラのフィルムを現像してきた千葉刑事が店にやってくる。その写真は本堂、園子らを写したものだった。写真を見た玉井、本間、有元は自分たちには関係ないと訴える。3人は茂庭の顔すら知らないという。この後、玉井はストーカーにつきまとわれた本堂が犯人と疑い出す。  すると、園子が茂庭の目当ては自分だったと主張。どの写真も中心に写っていたのは園子だった。園子が写真を持ちながら抗議していると、1枚の写真が本間のパンパンになった靴の上に落ちてしまう。コナンはその写真を拾った後、茂庭がFBI捜査官ではないと察する。さらにコナンは思い出すように何かに気付く。そして、容疑者たちの会話をヒントに凶器のトリックを見破る。  この後、目暮は死亡推定時刻を踏まえ、防犯カメラの映像を確認し、本間、本堂、有元、玉井の4人の中に必ず犯人がいると断言する。だが、本間、有元、玉井は凶器がないと身の潔白を訴える。すると、コナンは園子の声を借りて凶器があると反論。そしてコナンは園子に麻酔銃を発射し、解決劇を始める…。

第19話
(509話)
赤白黄色と探偵団

コナンが少年探偵団、灰原と学校の下駄箱の所にいると、ジョディから携帯に連絡が入る。ジョディは水無怜奈から連絡があったとコナンに報告。組織のバーボンという切れ者がシェリー(灰原)の事を探っているという。この後、光彦は元太の下駄箱に仕事依頼の手紙を入れる少年に気付く。 少年は1年A組の杉浦開人(すぎうらかいと)。開人の父親は木馬荘というアパートの大家で、そのアパートの住人3人の中の1人が夜な夜な怪しげな行動をしているため、開人は何をやっているかを少年探偵団に突き止めて欲しいという。そしてコナンらは明日、土曜の昼に開人の家にお邪魔する事に。この時、開人はコナンの事を「クロシ…」と呼ぼうとして「江戸川君」と訂正する。  翌日、コナンらは木馬荘を訪ねて呆然となる。木馬荘は火事で全焼していた。捜査を担当する弓長警部によれば、開人は少し火傷を負い、今は病院にいるという。開人の父親は大火傷を負って重傷。母親は友人と旅行中で、住人3人は外出中で無事だという。するとコナンは火事が起きた時間を確認し、弓長は深夜2時頃と時間を教える。この後、焼け跡から開人のノートが発見される。  最後に日記が書かれたのは昨日。開人は住人3人を赤い人、白い人、黄色い人と記していた。日記によれば、昨日深夜に黄色い人が父親と口喧嘩していたという。その内容から元太は黄色い人が火を付けたと推理。この後、弓長は住人3人をコナンたちの前に連れてくる。その時、灰原は3人の鋭い視線に怯え出し、近くに黒ずくめの組織の連中がいるとコナンに告げる。  そして3人が警察と話をするため、パトカーに戻ると、コナンは3人の事を弓長に質問。顔に絆創膏を貼った細井竜平(ほそいりゅうへい)は大工、メガネをかけた沖矢昴(おきやすばる)は大学院生、小太りの真壁吟也(まかべぎんや)はフリーターだという。日記の内容から黄色い人が犯人とわかるが、名前、服装、職業からは色を連想する事はできず、コナンは…。

第20話
(510話)
コナンvsW暗号ミステリー

 杉浦開人の父親が大家をしている木馬荘が全焼し、放火の容疑者は住人の細井竜平、沖矢昴、真壁吟也に絞られる。そんな中、コナンは開人の日記を解読。車好きの開人は住人の特徴から車を連想していたのだ。アパートの植物にホースで水をまいていた人物は消防車を連想して赤い人、よくケガをしてバンソウコウを携帯している人物は救急車を連想して白い人とあだ名をつけていた。  そしてコナンは犯人である黄色い人と呼ばれる人物を推理する・・・。 この後、元太らが阿笠博士の話をしていると、沖矢が博士に会いたいと頼んでくる。そして一行は阿笠の家へ。沖矢は新しい住居が決まるまで住ませてほしいと阿笠に頼む。哀が嫌がると、コナンは新一の家が空いている提案。コナンはホームズファンに悪い人はいないと沖矢を信用し、沖矢は工藤邸を借りる事に。  後日、コナン、光彦らは昼休みに紙飛行機のニュースについて話す。一昨日、昨日の2日間で100機近くの紙飛行機が都内で回収されたという。その頃、蘭は掃除をするため、園子と共に工藤邸を訪ねていた。するとそこで家を借りていた沖矢と遭遇してしまう。何も聞いていない蘭らは沖矢を泥棒と勘違いするが、すぐに誤解は解ける。そして、会話をしていると東都大学に通う沖矢には、探偵のような推理力があると判明する。  園子は新一よりも探偵として上だと主張し、沖矢と新一を勝負させようと蘭に提案する。園子が2人を対決させるために選んだのは紙飛行機の事件。早速、蘭は園子の家の庭に落ちていた紙飛行機の現物の写真を新一(コナン)の携帯にメールし、園子も現物の紙飛行機を沖矢に見せる。コナン(新一)も沖矢もすぐに紙飛行機が意味するものはSOSと推理し、2人の推理対決が始まる…。

第21話
(511話)
推理対決!新一VS沖矢昴

 新一(コナン)と沖矢の推理対決が始まり、2人とも紙飛行機はSOSを意味すると解読する。紙飛行機にはモールス信号の符号でSOSと書かれていたのだ。コナンは新一として、他の紙飛行機の画像が欲しいというメールを蘭に返信。蘭は新一に自分の事は話すなと頼まれ、沖矢にメールの相手は金一というクラスメイトだとウソをつく。この後、園子は工藤邸に来る前に立ち寄った飲食店の看板に紙飛行機がひっかかっていた事を思い出し、蘭と取りに行く事に。  そして授業中のコナンに蘭から次のメールが届く。メールに貼付された昨日の紙飛行機は一昨日のモノとは模様が異なり、コナンは新しい模様を携帯のアンテナマークと解読。同じ頃、沖矢も紙飛行機を飛ばした人は電波の届かない場所に囚われていると推理する。この後、テレビで逃走中の誘拐犯がビルから投身自殺した事が報じられる。誘拐された造船会社社長、代田の行方はわかっていないという。沖矢は監禁されたその社長が犯人の目を盗んで紙飛行機を飛ばしていると推理する。  さらにテレビは紙飛行機の続報を伝え、沖矢は今朝発見された紙飛行機の解読に取りかかる。その頃、コナンも携帯の電波が届かない場所に監禁された社長が飛行機を飛ばしていると推理。社長は監禁されたまま放置されている可能性が高く、コナンは飲まず食わずの状態なら社長の身が危険だと考える。そして、コナンにも今朝の紙飛行機の画像が蘭から送られる。この後、コナンと沖矢は画像を頼りに社長が飛ばしたイカ型紙飛行機を作る。  紙飛行機には和文のモールス符号で「べ」と記されていた。二人はその暗号が記されたイカ型飛行機から監禁されている社長の居場所を絞り込むことに成功する。コナンは新一として社長が監禁されている場所を蘭に伝え、蘭は単身そこに向かうのだが・・・

第22話
(512話)
砕けたホロスコープ

 小五郎は雑誌の企画で人気占い師、紫條麗華(しじょうれいか)と対談。場所は麗華の屋敷で行われ、編集者の田村雅生(たむらまさお)、星空出版社長の葛城健輔(かつらぎけんすけ)も対談に立ち会う。コナンと蘭もその様子を見学する。途中、家政婦兼内弟子の白石優華(しらいしゆうか)はテレビ局から電話がかかってきた事を伝えるが、麗華は仕事中だと電話に出ない。  対談後、優華は紅茶とケーキを皆に持ってくるが、麗華は紅茶が渋いと小言を言う。その時、玄関のチャイムが鳴り、女優の緑川(みどりかわ)くららがやってくる。この日はくららが麗華に占ってもらう日だった。だが、麗華は小五郎の事を占うので、少し待って欲しいとくららに頼む。すると、くららはその前に話があると麗華の2人きりに。くららは支払いを待って欲しいと麗華に懇願。麗華は秘密をバラせば人気はガタ落ちになるとくららを脅す。さらに麗華は弱みを持つ金持ちを紹介すれば許してあげるとくららに告げる。  この後、麗華は小五郎の宿命を見るため、1時間ほど2階の自室に1人でこもる事に。蘭はそんな麗華を呼び止め占って欲しい事があると頼む。麗華は時間ができたら連絡すると約束した後、星座表の模様が描かれたキーホルダーを鍵から外し、お守り代わりだと蘭に手渡す。この後、コナンは葛城と優華の会話を偶然耳にする。優華が書く予定だった雑誌の連載が麗華の意見によって中止になったという。優華は麗華が自分を嫌っていると思って落ち込む。  夕方、コナンは裏庭から空を眺め、ベランダの手すりや屋根の上を歩き回るルリビタキという青い鳥を見つける。そして夜、蘭は夕飯の準備ができたと麗華の自室に声をかけるが麗華から返事は帰ってこない。心配したコナン、小五郎、葛城、田村はベランダから部屋の中を確認し、胸にナイフが突き刺さり、血を流して倒れている麗華を発見。葛城は屋根にはい上がり、天窓のステンドグラスを足で踏み破って部屋に入るが、すでに麗華は絶命していた…。

第23話
(513話)
殺意はコーヒーの香り(前編)

 番組制作会社社長、染井彰吾(そめいしょうご)と社員の久住舞子(くずみまいこ)は毛利探偵事務所を訪ね、小五郎に番組出演を依頼。探偵に24時間密着する番組を制作したいという。小五郎はいい返事をしないが、沖野ヨーコがナレーションを務めると聞いて出演を快諾。後日、東都TVのプロデューサー、中目頼策(なかめらいさく)の自宅でヨーコも交えて打ち合わせをする事に。 事務所を後にした染井は中目に電話をかけ、小五郎が出演をOKした事を報告。すると、中目はキックバックの話を切り出す。中目は染井に制作費を水増し請求させ、浮いた金を自分に回そうと企んでいた。だが、染井はすでに断った話だと中目の悪巧みを拒否。すると、中目は仕事を頼まないような口ぶりになり、別の話を切り出す。中目は舞子を気に入っており、自分の秘書にしたいと要求。中目は小五郎が自宅に来た時に詳しく話そうと言って電話を切る。  打ち合わせ当日。雨が降る中、小五郎はコナン、蘭と共に中目の自宅マンション前で染井、ヨーコが来るのを待つ。そして集合時間から30分以上過ぎた午後7時30分頃、染井が車に乗ってやってくる。コナンは染井の上着がかなり濡れている事を不思議に思う。ヨーコは都合が悪くなって来られないという。 自宅前に到着後、染井は呼び鈴を鳴らすが返事はなし。すると、染井は何かあったかもしれないと小五郎に打ち明ける。最近、中目は立ち上げた番組のヤラセ問題に責任を感じ、死にたいと漏らしていたという。染井は管理人を呼び、鍵を借りて家の中へ。染井はリビング、小五郎は書斎を調べる事に。 この後、染井が中目を呼ぶ声が聞こえてくる。コナンがリビングへ向かうと、染井が倒れた中目を揺すっていた。テーブルには倒れたコーヒーカップと手付かずのケーキ、床にはこぼれたコーヒーの染みができていた。小五郎はコーヒーに青酸系の毒物が混入されていたと睨む。中目は絶命しているのだ。コナンはコーヒーカップを調べ、中目は自殺ではなく、殺されたと推理して…。

第24話
(514話)
殺意はコーヒーの香り(後編)

 東都TVのプロデューサー、中目が密室の自宅で毒殺される。殺害時、室内に誰かがいた事も判明し、事件は謎を深める。目暮警部は染井を犯人と疑い、高木刑事は話を聞くため、染井の制作会社に連絡する。社員によれば、ここ2、3日体調が悪かった染井は仕事を休んでいたらしく、小五郎に密着する番組が中止になっていた事も判明する。さらにその社員はこの日の夕方6時半に会社近くの薬局で染井を目撃。その時刻は中目が殺害された時刻だった。  高木はすぐに薬局に連絡を入れ、店員は染井が来店した時、小五郎から染井の携帯に連絡があったと証言。その前に舞子という女性からも連絡があったという。話を聞いたコナンは染井の部下、舞子を思い浮かべる。その時、コナンはテーブルのケーキに入った切れ目を発見。続いてコナンは植木鉢から漂うコーヒーの香りに気づき、染井が真っ先にこの部屋に入った目的を確信する。  そこへベランダを調べていた小五郎と目暮が戻ってくる。小五郎によれば、ベランダに出る窓の鍵は閉まっていたという。コナンは窓が閉まっていたのにカーテンの下が湿っている事に疑問を抱き、染井の上着が濡れていた事も思い出す。中目の部屋に20階にあり、隣のベランダに行ったり下に降りたりする事は不可能。コナンはこの状況から1つの結論を導き出す。  この後、高木が制作会社社員の話を目暮に報告していると、コナンはケーキを食べたいと言い出し、ケーキに切れ目がある事、植木鉢にコーヒーがかけられている事を何気なく皆に伝える。話を聞いた高木はテーブル上の本当の配置を推理。本当はテーブルにケーキとコーヒーが2セット用意されていたのだ。  さらにコナンはフォークが1つ足りない事も指摘する。すると、染井は観念したのか、フォークをポケットから取り出し、自分が中目を殺害したと自白する。だが、染井は犯行時刻に薬局で目撃されており、染井が犯人ではつじつまが合わない。すると、コナンは小五郎の声を借りて事件の真相を暴く!

第25話
(515話)
怪盗キッドの瞬間移動魔術

園子の叔父で鈴木財閥相談役の次郎吉は部下たちを怒鳴りつける。次郎吉は怪盗キッドから宝を守る計画を部下たちに考えさせたが、納得いくものがなかったのだ。次郎吉は伝説のミュール、紫紅の爪(パープルネイル)を餌にキッドを捕まえようと考えていた。この後、次郎吉は部下との会話からキッドが高い所ばかりに出没する事を思い出し、ある名案を思いつく…。  そして、舞台は東京・銀座へ。上空にはヘリコプター2機が上昇し、交差点の真ん中にはミュールを置いた展示台とそれを囲む警備員4人の姿。その周囲をコナン、蘭、小五郎、園子を含む大観衆が取り巻いている。中森警部は隙だらけの展示場所ではキッドの餌食になると次郎吉に詰め寄る。だが次郎吉はキッドの翼をもぐため、あえてハングライダーで飛び立てない地上を選んだのだ。この日、次郎吉は朝刊にキッドへの挑戦状を掲載していた…。  この後、次郎吉がスタッフのいる車へ移動すると、上空にハングライダーに乗ったキッドが出現。交差点角のデパート屋上では日売TVがその様子を実況していた。キッドは煙を吹いてボンと破裂。煙が薄れると、キッドは展示台の上に降り立っていた。皆はキッドが飛び降りたと驚くが、コナンはラジコンで飛ばしたダミーを爆発させた事を見破る。キッドは皆の目が奪われている隙に群衆の中から展示台に飛び乗ったのだ。  ファンの歓声が響き渡る中、キッドは時間なくて予告状を出せなかった事を謝罪する。その時、次郎吉は指示を出し、スタッフが4つのスイッチをオン。すると、地面に長く伸びた袋状のモノから網が飛び出し、交差点を四角く囲い込む。網の高さは約20メートルあり、脱出は困難。次郎吉は勝利を確信して高笑いする。だが、キッドはミュールを奪い、こうなる事は想定済みだと微笑む。そしてリポーターが脱出法を聞くと、キッドはテレポーテーションと宣言する。  この後、中森はキッドに飛びかかり、警備員もキッドのマントに手を伸ばす。が、キッドは一瞬早く煙を出して姿を消してしまう。コナンは群衆に紛れ込んだと推理。次郎吉はダミーのミュールに付けた発信器の位置をスタッフに確認し、網付近の警備を固める。すると、キッドのカードが上空からコナンの足元に落ちてくる。カードには発信器が貼り付けられ、裏には「Three」の文字。さらに「Two」「One」というカードが連続して空から落ちてくる。  すると、デパートの電光掲示板の前で煙が上がり、煙の中からキッドが現れる。キッドは宣言通り、デパートの屋上に瞬間移動していた。ミュールの片方がダミーだと気付いたキッドは明晩この場所にもう片方の本物を用意して欲しいとTVカメラを通して次郎吉に訴える。この後、キッドは屋上からハングライダーを使って空へ。コナンはサッカーボールを蹴り、キッドのモノクルを弾き飛ばす。キッドは地上のコナンに気付くが、そのまま飛び去っていく。  次郎吉邸の執務室に集まったコナン、次郎吉、中森、小五郎、蘭、園子。次郎吉はキッドが瞬時移動したトリックを考える。次郎吉は交差点の四隅のビルを1日借り切り、出入り口を全て封鎖しており、エレベーターでの移動は不可能だった。コナンはキッドが仲間と連携してミュールだけ屋上に持っていったと推理。だが、次郎吉はこの推理を否定し、警備員の1人を部屋に呼ぶ。 その警備員はキッドが消える直前に群衆が殺到した時、群衆の1人が持っていたハンバーガーのケチャップが手に付着したという。警備員はその手でキッドのマントを掴んだらしく、次郎吉は屋上にキッドが現れた時の映像を流す。マントには赤い手形がついていた。つまり、地上と屋上のキッドは同一人物。キッドは20秒足らずで地上から30メートル上の屋上へ瞬間移動したのだ。  翌朝、少年探偵団はキッドの話題で持ちきり。コナンは瞬間移動のトリックを暴くと目を輝かせる。そして夕方…。銀座の交差点のミュールが置かれた展示台は、すでに四角い網で仕切られ、その中には機動隊員の姿。次郎吉はTV局も閉め出し、中森とも協力し、なりふり構わずキッドを捕らえようとしていた。 この後、黒い革ジャンの男が奇妙な銃を発砲し、カードが付いたパラシュートが出てくる。そこからキッドの音声が流れ、今夜のマジックショーの中止を伝える。間近で観る観客もTVカメラもないのでテンションが上がらないという。  中森は群衆に紛れ込んだキッドを捜せと機動隊員に指示。コナンは昨晩の事を振り返るが、カード3枚を放ちながらビルの中に入ったり隠れたりする事は不可能。コナンは姿を隠さず、誰にも気付かれずに短時間で屋上へ移動したトリックを考える。この後、群衆に紛れたキッドは皆を扇動し、群衆は網の中へなだれ込む。さらにTV局スタッフの要求が通り、屋上からのTV中継も再開される。コナンはこの状況にしないと出来ないトリックだと睨む。その時、コナンの後頭部に銃が突きつけられる。それは帽子を被ったキッドだった…。  だが、コナンはオモチャの銃と気付いて全く怯まない。すると、キッドはサーストンの法則の事をコナンに質問。それはマジックでやってはいけない3つのタブーの話。同じマジックを繰り返すと、見破られる危険性は高まるが、キッドはそのタブーを犯しても見破られなければ最高の奇術になると自信をみせる。この後、キッドは再び銃を発砲し、ショーを開演する事を宣言。群衆から大歓声が巻き起こる。TV局はキッドが現れるまで昨夜のVTRを放送。コナンは瞬間移動の時の映像を見て何か重要な事に気付く。VTRに映るデパートの電光掲示板には下から上へと「大好きな女性大募集」という文字が流れていた…。

第26話
(516話)
名探偵コナンスペシャル 『風林火山 迷宮の鎧武者』

 小五郎はコナン、蘭と長野県にある虎田家の屋敷を訪ね、当主の虎田直信(とらだなおのぶ)から転落死した跡取り息子の義郎(よしろう)の話を聞く。義郎は竜巻に遭って岩場に落下し、遺体は丸1日経ってから発見されたという。遺体写真には死んだムカデの姿。ムカデは血が乾く前に置かれたらしく、誰かが瀕死の義郎を見殺しにしたというのだ。遺体を発見したのは次男の繁次(しげつぐ)。コナンが犯人の心当たりを聞くと、直信の妻、達栄(たつえ)は虎田家と長年いがみ合う龍尾家の中に犯人はいると訴える。  一方、龍尾家の屋敷では、平次と和葉が当主の龍尾為史(たつおためふみ)から亡くなった息子の康司(こうじ)の話を聞いていた。康司は身体を縛られた上に頭を鈍器で何度も殴られて撲殺され、血が乾く前にムカデの死骸を置かれたという。為史の母、盛代(しげよ)は義郎の死を龍尾家のせいだと逆恨みした虎田家の誰かの仕業だと訴える。遺体はもう1人の息子、景(あきら)が流鏑馬の練習の帰りに発見したという。  この後、小五郎らは、裏の林で妻の綾華(あやか)が見守る中、次の祭りに向けて流鏑馬の練習に励む景から話を聞く。この際、景は大阪弁の少年探偵にも話を聞かれた事を明かし、コナンと蘭は平次の事を思い浮かべる。その頃、平次と和葉は虎田家を訪ね、繁次に話を聞いていた。平次も繁次から武将と同じ名前の探偵の話を教えられ、小五郎やコナンを思い浮かべる。この後、6年前に事故死した甲斐玄人(かいくろと)の話に。前年まで祭りで流鏑馬の射手を任されていた甲斐は練習中に崖から転落したという。  平次と和葉は、甲斐の遺体を発見した義郎の妻、由衣(ゆい)に話を聞くため、馬小屋へ向かう。馬小屋では、長野県警刑事の大和敢助(やまとかんすけ)がすでに由衣を尋問していて、後から小五郎らもやってくる。蘭と和葉は再会を喜び、平次もコナンとの再会に笑顔を見せる。敢助は6年前、甲斐の遺体のそばにムカデの死骸があったかを確認し、由衣はなかったと証言する。  この後、小五郎らは義郎、康司の事件を整理する。共通するのは発見者が身内という点。由衣は6年前の事件と義郎の事件も見殺しにされた点では共通していると主張する。甲斐の死因は餓死で、発見されたのは転落して1週間後。村の交番の巡査だった甲斐は皆に慕われ、村中で必死に捜索したが、落ち葉に埋もれて発見が遅れたという。繁次は、義郎の時は夜明けから捜し始めたと振り返る。だが由衣は穴へ行く途中で偶然見つけたはずと指摘し、繁次は慌てて訂正。小五郎が穴の事を訊くと、宝探しをしている繁次はその穴だと明かす。  由衣は生前、義郎と康司がよく密談していたと告白。2人は敢助に会いに行くと話していたという。虎田家の人が密談の内容を知らなかったため、コナン、平次、小五郎は龍尾家の人に話を聞きに行く。だが、為史は密談している事すら知らなかった。ただ、康司は義郎が亡くなった後、何かに怯えていたという。コナンは両家がいがみ合う理由を質問するが、盛代は理由を忘れていた。両家のしがらみは薄れ、景は自分や綾華、義郎、繁次が仲良くしていた事を明かす。  綾華によれば、甲斐はその年の祭りで的を外し、そのショックで自ら崖から落ちたという噂もあるという。この後、雨が降り出し、コナン、平次らは龍尾家の屋敷に泊まる事になり、虎田家に残っていた蘭と和葉は就寝。だが、和葉は床がきしむ音に気付いて蘭を起こす。すると2、3度、稲妻が閃き、その度に鎧武者の影が障子に映る。蘭と和葉は鎧武者の影に絶叫する。  翌朝、コナン、平次、小五郎は綾華と共に虎田家へ。綾華は虎田家に景が使っている馬を借りているという。一行が虎田家に到着すると、蘭らが達栄に鎧武者を見たと話していた。蘭は兜にフサフサした毛が付いていたと言い、平次はその兜が武田信玄の諏訪法性の兜だと気付く。信玄の兜の話になると、綾華は急に怯え始め、トイレの中へ駆け込む。綾華はトイレにこもってしまい、直信から連絡を受けた景と盛代が迎えに来る。だが、綾華はしばらく1人になりたいと言ったまま姿を消し、皆で手分けして綾華を捜し始める。  そして、駆けつけた敢助が林の中の木の枝に吊され、絶命した綾華を発見。この際、敢助は由衣を「上原」と呼び、死亡時間を取ってくれと指示を出す。コナンと平次が2人のやりとりに驚いていると、敢助は昔のクセだとお茶を濁す。敢助は連続殺人と判断。義郎、康司の事件同様、綾華が吊された足元にムカデの死骸が置かれていたのだ。さらに、ぬかるんだ土の上には今入った敢助の足跡と杖の跡しか残されておらず、木によじ登った形跡もなし。つまり、これは不可能犯罪だった。盛代は信玄の祟りだと怯える。  為史によれば、信玄は戦場で伝令役を務める者たちを「百足衆」と呼び、ムカデの旗指しを背負わせていたという。繁次が探していた宝は信玄の隠し金山だったのだ。繁次は倉でその書物や地図が出てきて以来、亡くなった2人と綾華、景を巻き込み、宝探しに夢中になっていたという。敢助は綾華のウエストポーチに携帯電話がない事を確かめ、綾華が犯人に呼び出されたと推理する。  この後、コナンと平次は虎田家の屋敷へ行き、蘭らから鎧武者を見た時の状況を聞く。この時、コナンは廊下や地面に落ちていた繊維状のビニールのヒモ数本を発見。束にして兜に付けて諏訪法性の兜に模した推理する。小五郎は祭りで使う鎧を部屋に置いていた繁次を犯人と疑うが、コナンはすぐに否定。庭には裏門まで続く草履の足跡が残っていたのだ。誰かが外部から侵入したのか、家の誰かがそう見せかけたのか…、謎は深まる。すると和葉が龍尾家にも鎧がある事を繁次から聞いたとコナンらに報告する。  コナンと平次は鎧を確かめるため、龍尾家に向かう。途中、2人は綾華の口を塞いでいた猿ぐつわの話をする。コナンは猿ぐつわに違和感を覚え、何か取れない理由があったと推理する。そして龍尾家に到着したコナンと平次は為史に信玄の鎧を見せてもらう。為史と盛代は信玄の大ファンで、この鎧を買ったという。この時、為史は康司が景の後に生まれた娘の婿だった事を明かす。娘はずいぶん前に交通事故で他界。康司は景と同級生で、結婚前からよく遊びに来ていたという。虎田家の義郎と繁次も兄弟だが同級生。義郎は直信の姉の息子で、姉夫婦が早死にしたため、養子として引き取られたという。話を聞いた平次は死んだ3人が両家と血が繋がっていない事に気付く。この後、コナンは鎧の後ろに飾られた「風林火山」の旗を見て、連続殺人事件の真相に迫る。竜巻で大ケガして見殺しにされた義郎は「風」、山のように盛られた土に埋められた康司は「山」、林の中で口を塞がれた綾華は「林」。連続殺人は武田信玄の軍略になぞらえていたのだ…。

第27話
(517話)
風林火山 陰と雷光の決着

新たな犠牲者は繁次だった。「火」をイメージさせる繁次の感電死により、「風林火山」になぞらえた連続殺人事件は完成。この後、線路脇で埋蔵金探しの経過を記した手帳が見つかる。手帳は交換日記の兼ねていて、6年前に甲斐を誤って殺害したという記述があった。敢助は、6年前の事件を闇に葬るため、関与した仲間3人を殺害し、最後に自ら命を絶った繁次が犯人だと推理するが…。 和葉は踏切付近で燃えながら倒れている人を発見。新たな犠牲者は繁次だった。繁次は持っていた釣り竿が電車の架線に触れて感電した後、電車に跳ねられてしまったのだ。竿のケース付近にはムカデの死骸があり、コナン、平次らは事故死ではなく、連続殺人事件と判断する。「火」をイメージさせる繁次の感電死により、「風林火山」になぞらえた連続殺人事件は完成してしまう。 この後、線路脇で埋蔵金探しの経過を記した手帳が見つかる。手帳は交換日記の兼ねていて、6年前に甲斐を誤って殺害してしまい、警察に出頭するか否かで意見を交換する記述があった。6年前、射手を選ぶ予選で景を勝たせるため、練習中に花火で馬を脅かし、甲斐をケガさせようと計画。だが、馬は予想以上に驚き、馬ごと崖下に落ちてしまったのだ。敢助は筆跡から4人の人物、虎田家の義郎、繁次、龍尾家の康司、綾華が交換日記を書いていたと睨む。 敢助は、6年前の事件を闇に葬るため、関与した仲間3人を殺害し、最後に自ら命を絶った繁次が犯人だと推理する。この後、蘭は帰り際に繁次が携帯のメールを見ていた事を平次に伝える。そして、線路脇を調べていたコナンは紐をくくりつけた石を発見。平次は手帳にも紐がついていたため、関連を勘ぐり、コナンも手帳に破られたページがあった事が引っ掛かっていた。 小五郎は繁次の「火」で事件は終わったとコナンらを注意。その直後、由衣が「雷よ」と言うと同時に空に稲妻が走る。コナンと平次は「雷」と聞いて何かに気付き、綾華が殺害された林へ。コナンらが吊された綾華の足下に誰の足跡もなかった謎を考えていると、現場を保存していた刑事が現れる。 刑事は木の枝に引っ掛かった黒いコートを見つけたという。この後、コナンらは敢助が半年間も行方不明だった事、敢助と由衣の関係、綾華が亡くなる直前に拭った涙の跡がない事を刑事から聞き出し、この事件がまだ解決していない事に気付く…。

第28話
(518話)
明治維新ミステリーツアー(探索編)

祖父が遺した日記帳が狙われているという小早川公子は理由を調べて欲しいと小五郎に依頼する。コナンは日記帳に隠された「11月30日、夕暮れにのみ宝の真実は照らし出される。狐の謎を解け」という暗号を見つける。偶然にも11月30日は翌日。生前、繁俊は国を買える程の宝を持っていると話していたという。コナンらは暗号解読のため、公子の実家がある島根の津和野へ向かうが…。 コナン、蘭、少年探偵団が吉田松陰ゆかりの松蔭神社を見学中に揉め事が発生。覆面男が小早川公子(こばやかわきみこ)から日記帳を奪おうとしていた。元太らが声をかけると男は逃走。表紙カバーは破れるが本体は奪われずに済む。毛利探偵事務所へ移動後、公子は脅迫されていると告白。5年前のこの日他界した祖父、小早川繁俊(しげとし)が遺した日記帳が狙われているという。 公子は日記帳が狙われる理由を調べて欲しいと小五郎に依頼。この日記帳には多くのナゾナゾが書かれているという。この後、コナンは表紙カバーの破けた所の内側のある紙に気付く。紙には「11月30日、夕暮れにのみ宝の真実は照らし出される。狐の謎を解け」と記されていた。偶然にも11月30日は翌日。生前、繁俊は国を買える程の宝の持っていると話していたという。 コナンは日記から「狐に鯉を食べさせよ」という暗号と狐と鯉のイラストを発見。イラストを見た公子は実家近くの風景に似ていると語り、翌朝、小五郎ら一行は公子の地元、島根の津和野へ向かう。一行が新山口駅に到着すると、男が公子に声をかけてくる。男は川口茂と名乗り、友人だと説明。だが、コナンと哀は茂の携帯ストラップのイニシャルがA・Tだったため、偽名だと睨む。 電車内で公子と口論した茂は津和野駅に到着すると姿を消してしまう。そして、一行は小早川家で働く吉川経夫(きっかわつねお)に迎えられて公子の実家へ。母親の小早川秀子(ひでこ)によれば、生前、繁俊は終戦後に小早川家がいち早く家を再興できたのは宝のおかげだと話していたという。 コナンは公子が山口名物の外郎を振る舞った際に元太が包み紙を折りたたむ姿を見て暗号を解読。鯉が全部消えるように紙を折りたたむと「隠れ稲荷の上の下」という暗号が出てくる。すぐにコナンらは近くにある太鼓谷稲成へ向かう。途中、この辺で力を持つ高橋久道(たかはしひさみち)が街頭演説する姿を見かける。この後、コナンは次々に暗号を解読し、宝へと近づいていくが…。

第29話
(519話)
明治維新ミステリーツアー(解読編)

公子の祖父が遺した日記帳の暗号を解読し、宝探しをするコナン一行。途中、公子と光彦、哀が覆面男たちに誘拐され、一刻も早く宝を探し出せと圧力をかけられる。そんな中、コナンは次々に暗号を解読していき、宝が入っていると思われる木箱に辿り着く。その時、光彦らを人質にした覆面男たちが現れ、木箱を渡せと要求。コナンは小五郎に麻酔銃を放ち、推理ショーが始まる…。 公子の祖父が遺した日記帳の暗号を解読し、宝探しをするコナン一行だったが、荻城跡で覆面男たちに公子、光彦、哀をさらわれてしまう。そして犯人から連絡が入り、一刻も早く宝を探し出せと圧力をかけられる。言う事を聞かなければ3人の命が危ない状況。吉川は小五郎に促され、警察へ通報する。 歩美から光彦が捕まる前に投げた日記と古地図を渡されたコナンは、重なった日記と地図を見て「猫の目に城を映せ」という暗号を解読。「鼠の下をみよ」という新たな暗号と次の目的地が明らかになる。宝の真実が照らし出されるのは11月30日の夕暮れのみ。コナンらは次の目的地となる円政寺へと急ぐ。 円政寺到着後、元太は欄干に描かれた十二支の鼠の下、小五郎は鼠をマウスと訳して天狗の口(マウス)を調べるが暗号を発見する事ができない。コナンは境内を見渡した後、石灯籠を調べて暗号が入った瓶を発見。灯籠の上部の穴は火口と呼ばれているのだ。そして、新たな暗号には「8のマス目の半分」、その脇には「河童の棲む洞窟で地図を作るべし」と記されていた。 コナンは日記のマス目のページに暗号の紙を合わせる。すると、吉川が近くに河童の棲む洞窟と言われる秋芳洞があると明かす。その頃、監禁された部屋では光彦が公子、哀を励ましていた。その時、川口茂と名乗った公子の友人の声が聞こえてくる。すると、公子の表情から怯えが消える。コナンらが秋芳洞へ向かおうとした時、謎の男から連絡が入る。男は光彦らの事をチラつかせながら次の目的地を訊ね、小五郎は秋芳洞だと教える。 秋芳洞に到着後、コナンは暗号の解読に取りかかり、地図を作り上げる。そして「黒から出て狐岩の口先、光の岩に宝あり」という暗号を解読し、洞窟の入口を発見。コナンらは洞窟に入り、岩の下から宝が入っていると思われる木箱を見つける。すると、光彦らを人質にした覆面男たちが現れ、木箱を渡せと要求。その時、コナンは小五郎に麻酔銃を放ち、推理ショーが始まる…。

第30話
(520話)
ワインレッドの告発

コナンは小五郎らと日本ワイン協会会長、広瀬の古稀をお祝いするため、会社社長、本城の山荘へ。パーティー前、コナンは蘭とロープウェイで山頂に行く事に。その時、コナンは外で本城と翻訳家の赤丸が言い争う姿を見かける。そしてコナンは山頂へ向かうゴンドラから本城が赤丸の頭にブロックを振り下ろす瞬間を目撃。この後、コナンは山荘と周辺を調べるが遺体を発見できず…。 小五郎、コナン、蘭、白鳥警部は日本ワイン協会会長、広瀬晋也(ひろせしんや)の古稀をお祝いするため、アパレル会社社長、本城牟呂蔵(ほんじょうむろぞう)の山荘へやってくる。皆、パーティーの準備に忙しいため、蘭はコナンと一緒にロープウェイで山頂に行く事に。山荘を出た時、コナンは外で本城と灰色の服を着た赤丸吾郎(あかまるごろう)が言い争う姿を見かける。 この後、コナンは山頂へ向かうゴンドラから本城が赤丸の頭にブロックを振り下ろす瞬間を目撃。時刻は午後3時33分だった。そして午後4時過ぎ、急いで戻ったコナンが山荘周辺を調べていると、山荘から本城とシェフが現れる。本城に何をしているかと聞かれたコナンは落とし物をしたと言い訳。コナンはかまをかけ、赤丸の話題を出す。本城は動揺しつつも、帰ったとウソをつく。 厨房を調べた後、コナンは地下室を調べようとするが、扉には指紋照合装置がついていた。その時、中から管理人の小池と本城が現れる。その部屋はワインの貯蔵室で、死体を隠すような場所はどこにもなかった。コナンは2階の部屋へ追いやられてしまうが隙を見て捜査を再開。テニスコート隅に置かれたワイン樽の内部に引っ掛かった灰色の繊維片を発見する。 コナンは自分が調べ回っているため、本城は遺体をワイン樽から安全なワイン貯蔵室へ移したと推理する。そして広瀬や他の来客者が山荘に続々とやってきてパーティーがスタート。広瀬は仏文学の評論家でワイン通の赤丸がいない事を気に懸ける。本城は、赤丸は参加できなくなったと広瀬に言い訳する。 この後、本城は貯蔵室から1959年産ペトリュスという最高級のワインを持ってきて広瀬にプレゼントする。広瀬はそのワインを飲むが、オリ(沈殿物)が回っていると不満を口にする。本城はワインを振り回した心当たりがなく納得がいかない。すると、コナンはワインのボトルを調べ、ラベルに血痕らしきものを発見。コナンはオリが回った理由に気付き、犯人の本城を追い詰める…。


シーズン14

第01話
(521話)
名探偵コナンスペシャル「殺人犯、工藤新一」

 平次に屋田誠人(おくだまこと)という人物から手紙が届く。1年前に工藤新一が解いた殺人事件の推理ミスについて会って話したいという。事件の真相を暴くと意気込む平次は小五郎の車に乗り、コナン、蘭、和葉と共に事件が起きた東奥穂村へ向かう。その車内、風邪を引いて咳き込むコナンを皆は心配するが、コナンは阿笠博士にもらった風邪薬を飲んだので心配ないと伝える。  平次らは村の役場を訪ね、誠人が半年前から行方不明だと知る。平次は事情を説明するため、新一の名前を出すと、職員たちは嫌悪感を露わにし、子供(日原大樹)は新一を嘘つき呼ばわりする。役場を出た蘭はコナンがいない事に気付く。小五郎はコナンが先に旅館に戻った事を蘭たちに伝える。  その頃、コナンは1人で森の中へ。誠人からの手紙に同封された新一宛の手紙に山小屋で2人きりで会おうと書かれていたのだ。新一が山小屋に入ると、何者かが扉と窓を外から塞いでしまう。その時、コナンは突然の発作に見舞われる。実は、阿笠が風邪薬と勘違いして渡したのは哀が作ったAPTX4869の解毒剤の試作品だった。この後、コナンは唯一塞がれていない高窓から脱出するが、手を滑らせて近くの湖へ落下してしまう。  蘭らは行方がわからないコナンを捜して森へ入り、湖から救出された工藤新一と再会を果たす。だが、新一は記憶喪失で蘭の事さえ誰かわからなかった。平次は事情を察し、コナンは阿笠の家に行ったと誤魔化し、阿笠に連絡を入れる。哀は試作品の効力が24時間しか持続しない事を平次に報告する。それまでに記憶が戻らなければコナンと新一が同一人物とバレる可能性は高い。2人同時に記憶喪失になる事はまずあり得ないからだ。  この後、一行は城山数馬(しろやまかずま)巡査に案内され、事件現場の村長宅を訪ねる。 村長宅は息子の日原大樹(ひのはらたいき)の意が酌まれ、事件当時のまま。大樹は役場で新一を嘘つき呼ばわりした子供だった。1年前、村長の日原滝徳(ひのはらたきのり)の妻、鐘子(しょうこ)が自宅で刺殺される。滝徳もベランダから転落死させられたという。    平次は新一の推理した内容を城山に確認。すると誠人の同級生、氷川萌生(ひかわもえぎ)が現れ、無理心中と推理した事を明かす。新一に怒りを露わにする萌生は、誠人の安否を心配していた。養子の誠人は村長の遺産を相続。萌生は何者かが誠人を殺害し、相続したお金を横取りしたと考えていた。そして今度は事件の事を調べる東都新聞記者の河内深里(かわうちみさと)が姿を現す。  深里によれば、新一はガン告知された滝徳が自暴自棄になって犯行に及んだと推理したという。だが後日、病院の看護師が「ガンは良性の腫瘍。滝徳は手術すれば完治すると聞いて喜んでいた」と告白。滝徳は人望が厚かったため、村人たちは滝徳の顔に泥を塗った新一を毛嫌いしているのだ。この後、萌生は森に棲む死羅神(しらがみ)が犯人だと村の人が噂している事を明かす。  死羅神はこの土地に伝わる民話に出てくる守り神。9年前、闇夜の森に入った娘が命を落としてしまう。村人たちは死羅神に戒めを受けたと噂し、娘を捜しに森へ入った父親は行方不明になったままだという。その娘とは誠人の妹、多麻子(たまこ)。萌生は実際に森で白髪の化け物を目撃した事があるという。  話を聞いた平次は滝徳と鐘子が死羅神に殺害される理由がないと訴える。すると深里は滝徳が森に観光施設を建てようと計画していたと告白。さらに深里は滝徳が若い頃、五輪陸上の日本代表候補に挙がった程の選手だったと明かし、2階にある部屋を見る事に。そこには数々のメダルが置いてあったが、平次はどのメダルにもヒモがついていない事を不思議に思う。  蘭は棚の上の仁王像に気付く。阿像と吽像で一対だが阿像は見当たらない。城山によれば、事件の時に宝石類と共に阿像が消えたという。有名な彫り師の作品で1体500万円らしく、平次は1体だけ消えた事に疑問を抱く。この後、和葉は誠人の部屋に飾られた新一の写真パネルを発見。誠人は高校生探偵の新一を崇拝していたが見当違いの推理に落胆していたという。話を聞いた新一は何か思い出せそうなので1人になりたいと頼み、平次らは部屋の外へ。結局、何も思い出せなかった新一に対し、深里は隠し通そうとしている真実を告白したくなったら会いに来てと発言。深里は何か事件の情報を掴んでいるのだ。  翌朝、新一は部屋から姿を消していた。小五郎は新一が滝徳の家に入っていったと村人から聞いたという。話を聞いた平次は新一の記憶が戻ったと喜び、滝徳の家へ向かう。平次はそこで新一を見つけるが、駆け寄って愕然となる。新一の手のひらにはベッタリと血が付き、胸の辺りが血まみれになっていたのだ。そして、新一の視線の先には血溜まりに倒れた深里の姿があった…。

第02話
(522話)
名探偵コナンスペシャル「新一の正体に蘭の涙」

記憶喪失の新一のために森に入った蘭は、死羅神を見つけた直後崖下に滑り落ちて意識を失う。この後、平次らは行方がわからなくなった蘭を山小屋で発見。平次はカツラ用の白髪を見つけ、この小屋の主が死羅神だと睨む。さらに小屋からズタズタに切り裂かれた新一の写真と散乱した鏡の破片を見つけた平次は事件の真相に辿り着き、皆を滝徳の家に集めるように城山に伝える。そして平次は皆が集まった滝徳邸で謎解きを開始。新一が人を刺す訳がないと言い張っていた平次だが、新一が深里を刺した犯人だとはっきり断定して…。 蘭は記憶喪失となった新一のために入った森の中で死羅神を見つけた直後、崖下に滑り落ちて意識を失う。そして山小屋で目を覚ました蘭は何者かが自分を手当した事に気付く。その時、小五郎、和葉らが蘭を捜して山小屋にやってくる。和葉らが蘭から話を聞いている間に平次は隣の部屋でズタズタに切り裂かれた新一の写真と散乱した鏡の破片を発見。机には「失敗は死あるのみ」と刻まれていた。 さらに平次はカツラ用の白髪も見付け、死羅神がこの小屋の主だと推理する。小屋には弾丸の空箱もあり、平次は死羅神が拳銃を持っている可能性が高いと危惧。平次は新一の仕業に見せかけ、深里を刺した犯人も死羅神だと睨む。だが、犯行現場の滝徳宅の周りに犯人の足跡はなく、新一以外の犯行は不可能。平次はこのトリックの謎について考える。 すると、和葉は救急車と警察を呼んだ人物について城山巡査に質問。城山によれば、連絡したのは風邪気味の若い男性。深里を呼び出したのも風邪気味の若い男性で、その男性は工藤新一と名乗っていたという。話を聞いた小五郎は新一が記憶喪失のフリをしていたと推理。城山は深里も新一の記憶喪失がウソだと睨んでいた事を明かす。 話を聞いた平次はこれまでの出来事を回想し、何か重大な事に気付く。そして平次は警察を呼ぶために外へ出た城山にある事を調べて欲しいと頼む。この後、滝徳がやっていた競技の事が話題にあがる。蘭は旅館の人に話を聞いたらしく、グルグル回る競技と話していたという。話を聞いた平次はハンマー投げと円盤投げを思い浮かべる。滝徳は輪投げも得意だったという。 平次らが滝徳の話を続けていると、森から城山の悲鳴が聞こえてくる。城山は森の中で気を失っていた。平次に身体を揺すられ、目を覚ました城山は死羅神と遭遇して急に気を失ってしまったと説明。小五郎は城山の拳銃のホルスターの口が開いていたため、死羅神が拳銃を奪おうとしたと推理する。平次は事件の真相に辿り着き、皆を滝徳の家に集めるように城山に伝える。 そして、平次は皆が集まった滝徳邸で謎解きを開始する。平次は新一が深里を刺した犯人だとはっきり断定する。新一が人を刺す訳がないと言い張っていた平次の発言に蘭、和葉、小五郎は動揺が隠せない。さらに平次は今朝の事件にトリックはなかった説明する。すると、新一は泣きながら自らの犯行を自供し始める。新一は1年前に犯した過ちを暴露すると言われ、深里を刺したという。蘭は待ち焦がれていた新一とのあまりのギャップに落胆してしまう。そして目の前にいる新一が本人だと信じることができなくなる。  この後、城山が平次に頼まれた鑑定結果を持って滝徳宅に現れる。鑑定に出していたのは、深里を刺した凶器の包丁と以前に新一が持っていたお守りだった。お守り袋の中の鎖の欠片と、凶器の包丁の指紋は鑑定の結果一致しなかったという。この結果を予想していた平次が喜びの声を上げると、ベランダからなんと死羅神が姿を現す。皆が驚きたじろぐ中、新一は腰のベルトに挟んで隠し持って拳銃を抜いて構える。しかし、ある死羅神の行動で一瞬躊躇した新一。死羅神と平次は一瞬の隙を突いて新一から拳銃を奪い取った。 平次は今回の事件のトリックは新一の顔だと説明。平次は山小屋のズタズタに切り裂かれた新一の写真と散乱した鏡の破片を見て、事件の真相に気付いたという。すると死羅神はカツラとマスクを外し、自分の正体を明らかにする・・・。死羅神の正体とは、そして記憶喪失になってしまった新一は一体どうなってしまうのか、ここから今回の事件の真相が明らかになる・・・。

第03話
(523話)
本当に聞きたいコト

高速道路で運転中の古城郡平が絞殺される。車には運転する古城しか乗っていなかった。容疑者は溝端理子、忠田篤男、下鳥太志の3人。理子は古城の彼女で、忠田は古城率いる走り屋チームに対抗する別チームのリーダー。下鳥は少し前に交通事故死した古城のチームのメンバー、彰の父親だった。新一は平次と共に犯人とトリックを見破るが、コナンに戻る前兆である発作に襲われ…。 高速道路で運転中の古城郡平(ふるきぐんぺい)が絞殺される。車には運転する古城しか乗っていなかった。新一は佐藤、高木刑事に料金所の封鎖を頼み、すぐに100台近くある車から古城と同じ時間に同じインターチェンジから高速に乗った3台を絞り込む。しかも古城はパーキングで1時間も休憩していたにもかかわらず、その3台も事件の時、古城の車の周辺を走行していた。  新一、平次らは3人の容疑者から話を聞く事に。1人目は古城の彼女、溝端理子(みぞはしりこ)。運転が好きな2人は別々の車でドライブしていたが、古城は急に睡魔に襲われ、1時間ほどパーキングで仮眠。その間、理子はレストランで時間を潰していたという。2人目の忠田篤男(ちゅうだあつお)は小腹が空いてパーキングに寄ったと説明。3人目の下鳥太志(しもどりふとし)は急にお腹の具合が悪くなってパーキングに入ったという。 この後、忠田と下鳥も古城を良く知る人物と判明。忠田は古城が率いる走り屋チームとライバルだった別チームのリーダーで、下鳥は少し前に交通事故死した古城のチームのメンバー、彰の父親だった。古城は彰の事故の責任を取ってチームのリーダーを辞めたばかり。理子は忠田が古城の車の後ろにつけ、しつこくパッシングした事、下鳥が古城の車に何度もクラクションを鳴らした事を明かし、2人は必死に言い訳する。そして下鳥はクラクションを鳴らした直後に古城の車が追い越し車線に出てダラダラ走り、ガードレールに車体をこすり始めたと証言する。古城の車が停止後、最初に駆け寄ったのは理子だという。 3人の話を聞いた後、新一らは古城の車を調べる。新一は運転席の窓の縁についた細い筋に注目。さらに新一らは全開だった運転席の窓をせり上げ、窓ガラスの下の方に2つの小さな穴を発見する。その穴は窓の縁の上に位置していた。新一は平次と共に犯人とトリックを見破るが…。その時、新一は発作に襲われる。哀の計算では、新一がコナンに戻るまで10分程度しかなかった…。

第04話
(524話)
憎しみの青い火花(前編)

コナンは歩美、光彦、元太、灰原と共に阿笠博士が運転する車でキャンプ場へ向かうが、途中で車がガス欠になってしまう。その時、クラシックカーが通りかかり、阿笠はその車を停車させる。阿笠は事情を説明してガソリンスタンドまで乗せて欲しいと頼むが、運転する男性は「一生、ここで待ってなよ。クソジジイ」と毒づいて走り去ってしまう。 結局、コナンらは山の上に見える別荘に助けを求める事にするが、その直後に別荘が大爆発する。コナンらが別荘に駆けつけるとガレージで先ほどの車が炎上していた。亡くなったのは別荘の持ち主でIT関連の社長、周藤豪貴(すどうごうき)。弓長警部によれば、出火原因はくわえタバコ。ガレージ内でガソリンの入ったポリタンクが倒れていたため、気化したガソリンに引火したという。 豪貴の婚約者、銀林恵奈(ぎんばやしえな)は豪貴が禁煙すると約束していた事を伝えるが、弓長は車の灰皿に大量の吸い殻、遺体のそばに黒こげの吸い殻があった事を明かす。周藤のバッグには未開封のタバコとライターが入っていたという。弓長の話を聞いた恵奈は落胆。恵奈は1時間前に電話で禁煙していなかったら婚約を破棄すると豪貴に釘を刺したばかりだったという。 弓長はこの状況から事故と判断するが、コナンは開封したタバコの箱がないのはおかしいと事件の可能性を示唆。コナンは犯人が事故死に見せかけるため、事前にガレージに吸い殻を置いていたと推理する。すると、恵奈は豪貴が空き箱を車から外に捨てたと推理。豪貴はよく空き箱を丸めて捨てていたという。 この発言を聞いたコナンは事故を仕組んだのは恵奈と推理する。最初、恵奈は豪貴が禁煙している事を強調。だがコナンが開封したタバコの箱がない話をすると、恵奈は空き箱を外へ捨てたと推理。禁煙を信じていればコナンの言葉に賛同するはずなのだ。コナンは辻褄の合わない発言をする恵奈を犯人と睨み、トリックはわからないが、タバコが出火原因ではないと考えていた…。

第05話
(525話)
憎しみの青い火花(後編)

弓長警部は別荘にいた恵奈らに事情聴取を行い、豪貴が別荘に来た時、何をしていたかを確認。皆は王様ゲームをしていたと口を揃え、部屋に全員集まっていたと証言する。話を聞いた弓長は仮に発火装置があったとしても誰も操作できなかったと考える。続いて弓長はガソリン入りのポリタンクが運悪く倒れた理由を質問。恵奈は何かを倒すクセがついた愛犬の仕業である事を明かす。 すると、友人の1人は同じ事が3度も続いたと証言。先週、先々週のパーティーでも恵奈の愛犬がポリタンクを倒し、それが原因で豪貴と恵奈は大げんかしていたという。別の友人は、けんかのタネが車や服装の事に飛び火したと証言。2週間前のパーティーはそれが原因で中止に。先週は豪貴が別荘に来る前に寄り道したため、恵奈と揉めていたという。 証言を聞いたコナンは豪貴と恵奈のけんかの内容を友人たちに詳しく訊ねる。先々週、恵奈は豪貴がクラシックカーではなく、新型の車で別荘に来た事、パーティー用に買った服を来てこなかった事に文句を言っていたという。この日、豪貴が着ていたのはウールのセーターとフリースのジャケット。パーティーの服はセーターの方で、フリースは豪貴自身が好きで良く着ていたものだという。 そして先週、豪貴は恵奈の言う事を守り、セーターを着て、クラシックカーで別荘に来たという。しかし、豪貴は皆が待っているのにガソリンスタンドに寄り道。それが原因で恵良とけんかをしていたという。この後、友人の1人は気になっている事があると告白。恵奈はクラシックカーに乗ってきて欲しいとお願いしていたが、以前はクラシックカーが大嫌いだったという。 けんかの詳細を聞きたコナンは何かに気付きそうになるが、弓長に捜査を打ち切られてしまう。この後、コナンらはガソリンを補給した阿笠の車でキャンプに向かう事に。その時、哀は車のドアを開けて欲しいとコナンに頼む。この哀の言葉をヒントにコナンは、恵奈が仕掛けたトリックを見破る…。

第06話
(526話)
真犯人からの届け物

蘭は喫茶店のポアロに変装した高木がいる事に気付く。証券マンの鳥平貴文(とりひらたかふみ)がこの付近の自宅で殺害され、高木はウェイトレスの榎本梓(えのもとあずさ)の兄、杉人(すぎひと)に容疑がかかっている事を明かす。杉人が行方をくらませたため、梓は監視されていたのだ。鳥平は杉人の上司で、凶器の狩猟用ライフルから杉人の指紋が検出されたという。 この後、杉人の同僚、河瀬透治(かわせとうじ)が現れる。河瀬は事件前に同僚らと鳥平の自宅に遊びに行った時、杉人が鳥平のライフルを触っていたと語り、指紋はその時についたと杉人を擁護。だが、高木は杉人のアパート付近のゴミ置き場で返り血が付着した彼のワイシャツを発見したと報告。DNA鑑定で返り血は鳥平の血と断定され、ボタンには杉人の指紋が残っていたという。コナンは高木が持ってきた血染めのシャツの写真を見て不可解な点に気付く。 河瀬が車で1時間もかかる会社に戻ると、コナンは杉人と河瀬の関係を梓に確認。先月から部署が一緒になった2人は急に仲良くなり、最近は会社近くの杉人のアパートに河瀬がよく泊まりにきていたという。仕事を終えた梓は帰宅する事になり、コナンらも監視役の高木、千葉刑事らと共に梓の部屋へ。梓は昨夜、杉人からメールが送られてきた事を告白し、その写メをコナンらに見せる。それは雪景色の中に写った杉人の写メ。昨夜、杉人が住む地域に雪が降ったらしく、杉人は同じ写メを河瀬にも送ったと話していたという。 この後、杉人から梓にリボン付きの小包が届く。高木らは警戒するが中身はただの缶入りクッキー。すると梓は買い物に行きたいと言い出し、高木が同行する事に。しばらくして留守番する千葉の携帯に着信が入る。高木は梓に逃げられたと千葉に報告。千葉は梓が杉人に会いに行くつもりだと考え、高木は小包にメッセージが書かれていたと睨む。だがコナンは梓を呼び出したのは証拠を隠滅したい真犯人と推理。コナンはある人物が真犯人だと見破っていた…。

第07話
(527話)
仮面劇に秘めた悪意

コナンは小五郎、蘭と仮面劇のゲネプロ(最後のリハーサル)を観る。小五郎がクライマックスの王子と大臣の迫真の決闘シーンに驚くと、劇団マネージャーの志水絹子(しみずきぬこ)は本物のレイピア(片手剣)を借りて練習した事を明かす。舞台では王子が大臣に刺され、大臣も落雷によってベランダから奈落へ転落。王は邪魔者2人が死んで祝杯をあげるが、大臣が酒に毒を盛っていたために毒殺されてしまう。 血生臭い内容のこの舞台は関わった人間が必ず死ぬと言われるいわく付きの劇。練習中に不審な事故が相次ぎ、絹子が小五郎に捜査を依頼したのだ。この後、役者3人が仮面を取って素顔を披露。王子役は伴野ロベール(ばんの)、王役は駒塚宏(こまづかひろし)、大臣役は矢吹敦(やぶきあつし)が演じていた。 話を聞いたコナンは倉庫へ行き、レイピアを調べる。なんとレイピアは本物にすり替えられていた。その時、駒塚がやってきてレイピアが本物かを確認。駒塚は事故に見せかけ、女性を弄んで捨てたロベールの殺害を計画していた。コナンは物陰に隠れていたが駒塚に見つかり、石棺に閉じ込められてしまう。 ロベールはレイピアが本物だったという美術監督の田淵学(たぶちまなぶ)の声を聞いて倉庫へ。ロベールは奈落に仕掛けた罠で矢吹を感電死させようとしていたが、レイピアが本物と知って計画を変更。ロベールはお金を借りている矢吹の楽屋を訪ね、役を代わって欲しいと持ちかける。何も知らない矢吹はこの話に乗り、矢吹が王子、ロベールが大臣を演じる事に。 その頃、矢吹は毒を混入したワインのファンからの贈り物と言って駒塚に持って行くが、酒を断っている駒塚は拒否。駒塚はいつものように矢吹の演技に難癖をつけ、怒った矢吹は劇で使うボトルに毒を混入する。そして蘭がコナンを探している内に本番がスタート。3人の役者がそれぞれ劇中に殺人を計画する中、運命のクライマックスを迎える。石棺に閉じ込められたコナンは…。

第08話
(528話)
柔よく謎を制す(前編)

英理は柔道の元全日本王者、有沢悠子から相談を受けている事を蘭とコナンに明かす。悠子の夫、嗣郎はストーカーに狙われているとビクついているという。だが、嗣郎の勘違いの可能性が高く、英理が家へ行って盗聴器や隠しカメラの有無を調べる事に。英理は悠子、コナン、蘭とホテルで食事した後、悠子の自宅へ。到着して間もなく、コナンは納戸で絶命した嗣郎を発見する…。

第09話
(529話)
柔よく謎を制す(後編)

柔道の元全日本王者、有沢悠子の夫、嗣郎が絞殺される。英理は悠子が嗣郎にかけた電話の事が引っ掛かり、悠子が犯人と推理する。だが、死亡推定時刻の午後9時前後は悠子が英理、コナン、蘭と一緒にホテルで食事をしていた時間。悠子が席を立ったのはトイレに行った10分のみ。英理、そしてコナンはどのような方法で悠子が嗣郎を殺害したか、推理を巡らせる。 英理はもう1つ引っ掛かっている事があると蘭に伝える。それは自宅のゴミ袋から夕食を食べたレストランのマッチが大量に見つかった事。悠子はタバコを吸わないため、持ち帰ったのは嗣郎。だが悠子がいつも1人でレストランに来ていると辻褄が合わない事を話していたため、英理は悠子がウソをついた理由を考える。その頃、高木刑事は嗣郎の衣類から婚約指輪、ビニールに入った未使用の黒いネクタイが見つかった事を目暮警部に報告する。 推理に行き詰まると蘭は小五郎に相談しようと提案。蘭から携帯を渡された英理は事件の事を小五郎に相談する。だが、小五郎は悠子がシロだと伝えると、麻雀で忙しいと電話を切ってしまう。だが、英理は麻雀をしていないと断言。早く電話を切るため、麻雀を打つテープを流しただけと推理する。これはアリバイのために小五郎が刑事時代によく使っていた手口なのだ。この小五郎の手口から英理、そしてコナンは何か重要な事に気付く。 目暮と高木は、現場の状況から犯人はストーカーと推理したまま捜査を進める。そんな中、英理は悠子を応接室へ連れて行き、刑を軽減するために自首する事を勧める。だが、悠子は犯行時刻に一緒にいた事を理由に身の潔白をアピール。すると、英理はトイレに立った10分で犯行に及んだと指摘する。悠子は誰の通夜に行っているかもわからない嗣郎をホテルに呼び出す事はできないと反論。だが英理は、嗣郎は元々ホテルにいたと断言し、悠子が使った巧妙なトリックを暴いていく…。

第10話
(530話)
都市伝説の正体(前編)

昨夜、米花公園で女性がハンマーで殴られる事件が発生。身長180センチ以上もあるという犯人はハンマー男と呼ばれ、これまでに髪の長い女性ばかり4人が被害者に。下校中、蘭と園子がハンマー男の話題を話していると、一緒に下校していたコナンが路地にいる高木刑事と佐藤刑事を発見。2人はマンション3階の一室にいると思われるハンマー男を張り込み中だった。 昨夜、目撃者がハンマー男を尾行し、そのマンションに入る姿を見たという。聞き込みによってその部屋に絞り込まれたのだ。ハンマー男が現場に残したハンマーには他の被害者3人の血が付着していたという。現在、部屋の住人は海外放浪中。その間、男友達が部屋を借りていて、隣の住人によれば、以前はその男友達が彼女を連れ込んでいたという。 この後、マンションの玄関側で張り込んでいた千葉刑事がハンマー男の部屋に出入りした3人を連れてくる。その3人とは荷物を受け取りに来た大柄の宅配便の男性、荷物を引き取りに来た小柄なバイク便の女性、ピザの配達に来た痩せたピザ屋の男性。3人は玄関に貼り付けられたメモの指示に従い、ハンマー男と直接会っていないと口を揃える。 この時、コナンはマンションの玄関の警備が手薄になっている事を心配する。すると、佐藤はこの隙に逃げるのがハンマー男の狙いだったと推理。佐藤らはハンマー男の部屋の中へ突入する。コナンは奥の部屋を覗き込み、首にロープを巻いて倒れた男性を発見。男性は意識不明の重体だった。 佐藤は逃げ切れないと踏んだハンマー男が自殺を決意したと睨む。だが、コナンは首を吊る時に邪魔になる帽子を被っていた事に疑問を抱く。そして男性の帽子を取り、側頭部に傷跡を発見する。ハンマー男は部屋を訪れた3人の中の誰かに殴られたのだ。佐藤はすぐにマンション下にいる千葉に連絡し、3人を連れてくるように頼むが、すでに3人をその場を後にしていた…。

第11話
(531話)
都市伝説の正体(後編)

目暮警部らは証拠を掴むため、ハンマー男の部屋を調べる事に。コナンはトイレと風呂場だけがきれいな事に違和感を持つ。この後、洗濯機の中から血が付着した手袋が見つかり、目暮は部屋で倒れていた男がハンマー男と判断。ハンマー男に恨みを持つ3人の誰かに殴られたと推理する。洗濯機や乾燥機を調べていたコナンは、洗濯物の中に下着と靴下が見当たらない事に疑問を抱く。 この後、蘭と園子は部屋の玄関までコナンを呼びに来る。ハンマー男が180センチ以上あるという噂を聞いていた蘭は実際の身長が低かった事に驚くと、高木は噂が一人歩きした都市伝説だと説明。倒れた被害者は逃げるハンマー男の後ろ姿しか見ていないため、正確な身長はわかっていなかったという。コナンは都市伝説という言葉が引っ掛かり、部屋の状況を思い出す。 そしてコナンは何かに気付いて靴箱を調べる。コナンは左足の爪先に当て革が付いた靴が1足だけ紛れている事に気付き、その靴がハンマー男のモノではないと推理。さらにコナンはハンマー男が最初からいなかった事を皆に伝え、口裂け女や人面犬と同様にハンマー男の噂にも尾ひれが付いたと訴える。実際に被害者がいるため、目暮や蘭がコナンの発言に戸惑っていると、コナンは園子に麻酔銃を発射。園子の声を借りたコナンの推理劇が始まる…。 まず、コナンは大柄の宅配便の男性、小柄なバイク便の女性、痩せたピザ屋の男性という3人がハンマー男の部屋に出入りした順番を確認する。3人の中でメモを置けるのは最初に来た宅配便の男性のみ。そして宅配便とバイク便の伝票を隠滅できるのはバイク便の女性かピザ屋の男性しかいない。コナンはこの状況を踏まえ、メモを置いたのも伝票を隠滅したのも部屋にいたハンマー男と仮定しれば辻褄が合うと説明する。ハンマー男が伝票を隠滅したのは、自分とすり替わる人物が本人かをすぐに確認されないためだった。ハンマー男は3人の1人とすり替わり、まんまと逃走していたのだ。

第12話
(532話)
初恋の傷跡

蘭は名家のお嬢様が宝くじで1億円当選したTVニュースの事を小五郎とコナンに話す。そのお嬢様は子供の頃に旅先で交通事故に遭い、視力を失ったという。事故の時、庇って大ケガした少年にお礼として当選した宝くじをあげたいとお嬢様は話していて、少年には事故で負った真一文字の傷跡があるらしい。 その時、噂のお嬢様、庄堂胡桃(しょうどうくるみ)が執事の保谷泰輔(ほうやたいすけ)を伴って現れる。その少年だという男性2人が名乗り出てきたため、小五郎にどちらが本物か見極めて欲しいという。その2人とは楠本隆平(くすもとりゅうへい)と伴場創吾(ばんばそうご)。楠本は背中、伴場は胸元に傷跡があり、庄堂は背中と胸元のどちらだったか覚えていないという。 庄堂は約30年前、小2の時に伊豆で出会った少年の事を小五郎らに説明。少年は海や魚の事に詳しく、いつもジンジャーエールを飲んでいたという。数日間一緒に遊んだ後、交通事故に巻き込まれたのだ。少年のあだ名は「ガリ」で、名前は不明。小五郎らは庄堂の屋敷にいる楠本と伴場から直接話を聞く事に。 庄堂は保谷、メイド2人と4人暮らし。母親は早くに病死し、父親も3年前に他界。保谷は父親が亡くなる直前に執事になったという。夕食後、小五郎は伴場と楠本から1人ずつ話を聞くが2人は同じ答えを繰り返すばかり。それは庄堂がTVで話していた内容だった。その時、コナンは屋敷の外に気配を感じて確認に行く。そこには15年前の事件の容疑者を張り込む高木刑事と千葉刑事、そして松本警視の姿。警察は20年前に松本の顔を刀で斬った犯人を追っていた。 当時、松本は刀を奪って犯人の体に真一文字の傷跡をつけたらしく、庄堂のニュースを見た犯人が少年のフリをして姿を現すと踏んで張り込んでいるのだ。その犯人はいつも口笛を吹いていたという。この後、小五郎は伴場、楠本と一緒に入浴し、保谷に背中を流してもらう。その時、小五郎は汗でシャツが透けてしまった保谷の背中に真一文字の傷跡を発見する…。

第13話
(533話)
過去を呼ぶ傷跡

小五郎は保谷の背中にも真一文字の傷跡があった事をコナンと蘭に報告。楠本や伴場と異なり、保谷の傷跡は15センチ程度の小さいモノだという。これによって保谷が20年前に松本警視の顔を斬り付けた犯人の可能性も浮上する。この後、小五郎は犯人が用心深かった事をコナンらに教える。犯行当時、犯人は車を使って逃走。後で発見された車からは犯人の指紋や血痕が見つからず、運転席を覆うシートカバーだけ剥がされていたという。血を拭き取った痕跡もわかるルミノール反応すら出なかったというのだ。 話を聞いたコナンは少年に関する情報を整理する。少年は海や魚に詳しく、真っ正直な性格。好きな物はジンジャーエールと寿司、焼きそば。あだ名はガリと呼ばれていた。そして、子供の頃の楠本は痩せていて、伴場は勉強の虫だったという。情報を整理したコナンは誰が思い出の少年だったかに気付く。そして、庄堂が夜食として寿司を用意した事を言い当てたコナンは庄堂にある相談を持ちかける。 この後、庄堂を除いた皆が食堂に集まり、夜食の寿司を食べ始める。コナンは皆の食事を見届ける保谷に庄堂の言付けを伝える。それは保谷も一緒に寿司を食べてという伝言で、保谷は真っ先にガリの固まりを口に入れる。そして楠本と伴場が寿司について語っている時、コナンは小五郎に麻酔銃を発射。小五郎の声を借りたコナンは庄堂を庇った少年が誰だったかを明らかにする…。  少年と判明した1人が庄堂のいる部屋に向かうと、今度は目暮警部らが松本の顔を斬り付けた犯人捜しを行う。目暮は犯人の目星をつけるが、その人物は以前会った男の傷が格好良くて真似したと身の潔白を主張。その男は20年前に流行った曲の口笛を吹いていたという。この後、取り調べが行われ、疑われた人物のアリバイが証明される。疑われた人物が会った男が本当の犯人らしく、その犯人は20年前に2人、15年前に1人を殺害。もう1人の犠牲者となって殉職した森村警視は犯人が吹く口笛には絶対何かあると話していたようだが…。

第14話
(534話)
新たなる傷跡と口笛の男

 松本警視らが追う連続殺人犯の時効まで後3日。TVに生出演した犯罪心理学者の平棟堂次(ひらむねどうじ)は時効まで身を潜める犯人に対し、自分の所に来いと挑発する。平棟は歩美と同じマンションの住人で、歩美と哀がマンション入口で口笛を吹く男を目撃。コナンはその事を高木刑事に電話で伝えた後、平棟の部屋を訪ね、パソコンのマウスを握ったまま絶命した平棟を発見する。 平棟の背中には「Z」という文字の傷が残され、目暮警部らは松本が追う連続殺人犯と同一人物の犯行と判断する。白鳥警部らは被害者3人に残されたアルファベットが「E」「S」「W」だったため、次の文字は「N」と推理していた。「N」なら“東西南北”が完成するからだ。平棟はTV出演後、自宅で知人に会う予定だったらしく、コナンは平棟の左手がコピーを実行するキーに触れていた事から知人はコピー機関係の人と推理する。平棟は左手でダイニングメッセージを残した可能性が高く、高木は犯人が吹く口笛がコピーバンドの曲だったという伝言と考える。この後、松本がやってきて佐藤刑事らに捜査の指示を出す。高木は過去の被害者3人の遺族に会って平棟との接点を調べる事に。コナンと少年探偵団、哀は無理を言って高木の捜査についていく。 最初に高木は20年前に殺害された医者、坊川継治(ぼうかわつぐはる)の妻、坊川舞子(まいこ)を訪ねる。舞子は坊川が酔って「泣き虫」とバカにされたとくだを巻いていた事を明かす。2人目は20年前、坊川の2日後に殺害された理工学部の准教授、麦田篤則(むぎたあつのり)の弟、麦田秀邦(ひでくに)。秀邦は麦田が「今、医者に行っているんだ。邪魔するな」と亡くなった奥さんに怒って電話してきたという情報を告白。3人目は15年前に殺害された弁護士、鍋井進(なべいすすむ)の息子、鍋井永貴(えいき)。永貴は何も話さなかったが、高木の情報によれば、当時、鍋井は「昨夜も親がはねられて大変だったよ」と永貴に話していたという。コナンは3人の話に共通するある用語を見破り…。

第15話
(535話)
古き傷跡と刑事の魂

 コナンは被害者3人の遺族の話を聞き、共通するのは麻雀用語と土曜の夜に外出していた事と気付く。平棟がTV出演した時のコメントにも麻雀用語が使われていたため、コナンは土曜の夜に4人がどこかの麻雀荘で一緒に麻雀をしていたと推理。コナンは高木刑事、少年探偵団、哀と共に4人が立ち寄りそうな麻雀荘を探しに行き、4人が土曜の夜に卓を囲んでいた麻雀荘を見つけ出す。  店員によれば、4人はそれぞれの専門知識を駆使し、実際の事件を推理しながら麻雀を打っていたという。そして完全犯罪の話題を話した後、学生だった平棟以外は姿を見せなくなったらしい。店員は4人を殺害した犯人に心当たりがあるらしく、4人の推理に文句をつける客の事を報告。その客は平棟と大ゲンカして警察沙汰に。警官の拳銃が盗まれた事件の犯人との噂もあったという。  高木は目暮警部に犯人らしい人物を特定できたと連絡。その客は強盗殺人犯で刑務所に15年服役し、先日出所したばかりの鬼保独郎(ぎぼどくろう)と判明する。松本警視らは犯行が15年ぶりに起きたのは鬼保が服役していたからだと考える。そして鬼保の身柄はあっさりと確保されるが、鬼保はアリバイがあると容疑を否認。犯人の声を聞いた事がある永貴に鬼保の声を確認してもらうため、高木は永貴の自宅に再度向かう。  事件は解決したかに思えたが、4人の遺体に残された文字の事が引っ掛かるコナン。殺害された鍋井には「W」、麦田には「S」、坊川には「E」という文字が残され、麻雀では"東南西北"の順番のため、ここまでの順番は正しい。だが、次に殺害された平棟の遺体には「N」ではなく、「Z」と刻まれていたからだ。  さらにコナンは平棟が右手でパソコンのマウスのコードを掴み、左手でコピーのキーに触れていた理由も考える。光彦がマウスの事を知らない歩美にネズミが由来だと説明すると、歩美はネズミの尻尾を掴む鍋井は猫だと発言。コナンはこの発言をヒントに事件の真相に気付いて…。

第16話
(536話)
消えた名画の秘密

元太は荒れ放題の洋館に変なおじさんが住み始めたとコナン、光彦、歩美に報告。少年探偵団として洋館へ偵察に行く事に。コナンらが洋館に行くと、建物は補修され、前庭にはつぼみだが一面に植物が植えられていた。この後、コナンらは住人の和田六郎(わだろくろう)と不動産屋の獅子倉安夫(ししくらやすお)が言い争いながら屋敷から出てくる場面に遭遇する。 翌日、元太は和田が亡くなった事をコナンらに伝える。和田は元々心臓が悪かったという。コナンらは和田が屋敷に越してきた理由が気になり、再び屋敷を訪ねる。近所の人によれば、和田が越してきたのは3ヶ月前。外出もせずに屋敷の修理や庭の手入れをしていたという。コナンらが情報を整理していると、屋敷に八神圭一(やがみけいいち)と林薫(はやしかおる)が現れる。 和田は日本を代表する有名な画家で、新作を描くためにアトリエとして屋敷を借りたという。画廊主の八神と秘書の薫は新作を探し始める。だが新作は見つからず、絵を描く道具すら見当たらない。この後、獅子倉が作業員と共に現れる。獅子倉は和田に頼まれ、取り壊す予定の屋敷を3ヶ月貸したと説明。昨日、約束の期限を迎えたが、和田は2、3日待って欲しいと言い出したという。 八神が取り壊し作業を待ってもらい、再び新作を探し始めると、そこに和田の祖母、高遠小恵子(たかとおさえこ)と介護士の江口美奈(えぐちみな)がやってくる。江口は和田から手紙をもらい、その手紙には小恵子を連れて新作を見に来て欲しいと書かれていた事を明かす。 小恵子は1年前に頭を打って記憶喪失に。和田は小さい頃に可愛がってくれた小恵子のために作品を制作中と話していたという。八神らはもう一度新作を探すが、結局見つからず、和田がなぜ屋敷を借りたのか、謎は深まるばかり。そして小恵子らが諦めて帰ろうとした時、コナンは居間に飾られた小さい頃の和田が写る写真の裏に書かれたメモを見つけ、和田の新作が何かに気付く…。

第17話
(537話)
怪盗キッドVS最強金庫(前編)

怪盗キッドが鈴木次郎吉に予告状を送りつける。キッドの狙いは幕末に名を馳せたカラクリ師、三水吉右衛門(さみずきちえもん)の鉄狸と呼ばれる大金庫。だが、予告状の絵がいつもと違うため、次郎吉はキッドの偽者と考え、中森警部にも協力を強く求めない。コナンも予告状がいつもの横書きではなく、縦書きである事、文章自体が古めかしい事に違和感を抱く。 そして予告された新月の夜を迎え、中森は金庫がある部屋の周りに機動隊員たちを配置。次郎吉は小五郎、コナンらを鉄狸が壁に埋め込まれた部屋の前へ案内する。その部屋は正面に金庫、右の壁に窓、左の壁に扉があるのみ。厚さ50センチの鉄板でできた金庫は約6畳の大きさで、換気用の小窓、扉の下には3センチの隙間がある。次郎吉しか外から金庫を開ける事はできないという。 今度は防犯設備を小五郎らに披露する次郎吉。ボディーガードの後藤善悟(ごとうぜんご)が小五郎のタバコを確認後、次郎吉がそのタバコを鉄狸の前に落とすと瞬時に部屋いっぱいに鉄格子の牢ができる。次郎吉は重量センサーを付けており、キッドでも金庫に近づけないと豪語。この後、次郎吉はセンサーを切り、使用人の秋津益彦(あきつますひこ)にタバコの始末を命じる。 そしてコナンがメイドの瀬戸瑞紀(せとみずき)と廊下でぶつかった直後、中森警部が鉄狸の前でカードを発見。それは本物のキッドからの予告状だった。それでも次郎吉は余裕綽々。鉄狸には敵を退治する仕掛けが無数に用意されているからだ。コナンは自分たちが部屋の前にいた時にカードが置かれたと推理。重量センサーはスイッチを切った時に置かれた物にはスイッチを入れた後も反応しないという。カードを置けたのは後藤、秋津、瀬戸という最近雇われた3人。園子はいつもキッドを捕まえる事に躍起になる次郎吉が落ち着いている事に違和感を覚える。コナンも次郎吉が3人も新しい人を雇った事、キッドが新たに予告状を出した事に疑問を感じ、この事件の裏には何かあると確信する…。

第18話
(538話)
怪盗キッドVS最強金庫(後編)

コナンと蘭は次郎吉の部屋に夕食を運ぼうとする瑞紀と廊下で会う。最近、次郎吉には不可解な行動が多く、夕食だけ自分の部屋で食べ、いつも皿2枚が無くなるという。すると秋津も元気なはずの次郎吉が夕食後に鉄狸を確認する際、必ず杖を持っていく事を明かす。この後、瑞紀にぶつかった小五郎が小銭をバラまき、慌てた瑞紀は配膳台の水差しを倒して小五郎は水浸しに。 瑞紀は拾った小銭をハンカチで拭いて小五郎に渡す。その時、次郎吉が通りかかり、「手を貸してくれ」と頼まれていた瑞紀が用件をたずねる。次郎吉はその事を思い出し、瑞紀を部屋へ連れて行く。夕食後、次郎吉は防犯装置を一旦解除して、鉄狸を確認する。後藤によれば、次郎吉はいつも鉄狸を確認しながら中で誰かと話しているという。 コナンは次郎吉の一連の不可解な行動を振り返り、縦書きの予告状の行の最後に書かれた7つの文字から何かに気付く。鉄狸の確認を終えた次郎吉は茶木警視と食事の予定があると、後藤と一緒に車で外出。その頃、すでにキッドの出現予想時刻に突入していた。 小五郎らはキッドが瑞紀か秋津に化けていると推理。瑞紀のドジぶりは怪しく、秋津は小五郎のタバコを買いに行ったまま姿を消していた。話を聞いていたコナンは次郎吉が小銭を右手で放り、車のキーは左手で放ったと説明する。その時、次郎吉と食事の約束をしていたはずの茶木が現れる。 そこへやってきた瑞紀は部屋のクローゼットに眠った次郎吉が縛られていると報告。中森が念のために金庫室を確認すると、鉄狸には「狸の腹の中 確かに探らせて頂きました 怪盗キッド」という紙が貼られていた。中森は部下と共に次郎吉に変装したと思われるキッドを追って外へ。そして皆がいなくなった金庫室前。小五郎、蘭、園子もその場を去るとそこにキッドが姿を現して…。

第19話
(539話)
愚か者への遺産

鎌倉へと旅行に来ていたコナンと蘭、小五郎はお寺を探して坂を上ると、そこには一見のお屋敷が。地図を見ていると、屋敷内から銃声が轟き、屋敷の裏手から男が逃走。コナンは屋敷の書斎で絶命した老人を発見する。遺体の襟や胸元には白い細かな結晶が付着していた。神奈川県警の横溝警部らは捜査を開始。被害者の資産家、矢口久衛門(やぐちひさえもん)は猟銃で至近距離から胸を撃たれ、部屋にある金庫のダイヤルには無数の傷跡が残されていた。 そこに長男の映画監督、禄郎(ろくろう)が現れ、横溝は午前6時のアリバイを確認。小五郎らが銃声を聞いたのは午前10時だが死亡推定時刻は午前6時なのだ。禄郎は映画の取材で徳島にいたと証言。禄郎は東京に10時半に着いた証拠として航空券を横溝に渡す。さらに禄郎は弟2人の事件関与を匂わせ、横溝、コナンらは次男、明彦(あきひこ)が営むサーフショップへ。横溝がアリバイを訊ねると明彦は午前5時45分のスタンプが押されたファミレスの領収書を取り出す。ファミレスから屋敷までは車で1時間かかるという。 続いて横溝らは経営する会社が倒産した三男、公夫(きみお)の家を訪ねる。横溝が午前5時に現場近くで公夫を見たという証言があると伝えると、観念した公夫は金を盗もうとして屋敷に忍び込んだと自供。だが金庫にてこずる間に猟銃を持った久衛門に見つかり、公夫は明彦にそそのかされたと久衛門に明かして逃走したという。その時、久衛門は半人前の息子たちに落胆していた。 そして公夫が明彦に失敗した事を伝えると、明彦は自分がやると言って久衛門の屋敷へ。明彦が屋敷に着いた時、すでに久衛門は絶命していたという。その時、明彦は金庫を開けるために猟銃を撃ち、コナンらはその音を聞いたのだ。久衛門から資金援助を受けて仕事をしていた3人。だが半年前から久衛門が援助を渋り始め、3人とも金銭的に追い込まれた状態だった。コナンは遺体に残った白い結晶の事、久衛門が資金援助を渋り始めた事などから事件の真相へと近づいていく…。

第20話
(540話)
毛利小五郎探偵廃業の日(前編)

古美術商の衣笠栄(きぬがささかえ)が殺害された事件の犯人として警察に疑われる消費者金融オーナーの蒲生良造(がもうりょうぞう)。事件の日、蒲生は曙町を歩いていたが自宅にいたと警察にウソをついたという。蒲生は曙町でのアリバイ証人探しを小五郎に依頼する。だが捜査は難航し、小五郎は蒲生から催促の電話を毎晩もらう。そして捜査開始から6日目の午後8時、小五郎は蒲生からの電話に進展がないと報告。蒲生は「絶望だ」と落胆して電話を切る。 翌朝、郊外で蒲生の首吊り死体が発見される。死亡推定時刻は昨夜午後7~9時の間。小五郎は目暮警部に呼び出され、コナン、蘭と一緒に現場へ。遺体の足元に小五郎の連絡先を書いたメモ用紙があったのだ。この後、蒲生の弟の新井京介(あらいきょうすけ)が遺体を確認。蒲生が自殺したのは小五郎に連絡後、自宅から車で約1時間の現場に来た午後9時と考えられる。 5年前、蒲生は衣笠が闇討ちされた事件で目撃証言から逮捕されるが数日後にアリバイが確認される。その時、誤認逮捕の責任を取って辞職したのは小五郎と警察学校で同期の竹岡勲(たけおかいさお)だった。この後、衣笠を殺害した犯人が逮捕されたという一報が入る。新井は証人が見つからない事に絶望して自殺した蒲生の死を悔やむが、小五郎は何者かに殺害されたと推理する。 後日、小五郎は競馬場で竹岡と偶然再会。竹岡は蒲生を誤認逮捕した事もあり、小五郎に蒲生を殺害した犯人捜しの協力を買って出る。小五郎と竹岡は新井の自宅を訪ね、蒲生の死亡推定時刻のアリバイを確認。新井は自宅で週刊誌の連載小説の挿絵を描いていたと答えるが証人はいないという。小五郎は蒲生の遺産が転がり込む新井に借金がある事を掴んでいた。翌日、小五郎らは新井がマスコミを操り、蒲生の自殺を小五郎の責任にした記事を書かせた事を突き止める。小五郎と竹岡はこの事実を問い詰めるため、新井の自宅を訪ねるが…。

第21話
(541話)
毛利小五郎探偵廃業の日(後編)

小五郎は古美術商の衣笠殺害事件で無実の新井を犯人と疑い、自殺に追い込んだ責任を取り、探偵の看板を下ろす事に。翌日、高木と千葉刑事が事務所に様子を見に来ると、小五郎は腑抜け状態になっていた。蒲生が自殺した日、隣の住人が新井の声を聞いたのは午後8時頃。コナンはその時間が8時半以降なら新井の犯行が可能だと訴える。その場合、新井が蒲生の声色を使って小五郎に電話していた事になる。だが小五郎は依頼人の声を聞き間違える訳がないと断言。するとコナンは新井が自殺したと思い込む高木らに対し、蒲生と新井を殺害した真犯人Xがいる事をそれとなく伝える。自分自身で事件を解決すれば小五郎が立ち直ると考えるコナンは事件を振り返り何かに気付く。 小五郎はひょんな事から蒲生が依頼日の翌日にバリウム検査を受けた病院のナースから、検査の前日の夜は蒲生に食事を控えてもらったという証言を聞く。しかし、小五郎は依頼を受けた夜に蒲生と飲食していたのだ。この相違に納得いかない小五郎は、蒲生が依頼の時に指定したふぐ料理店へ。そして小五郎は同じく気になる点を確かめようとするコナンと店前でバッタリ遭遇する。 小五郎らは店主から話を聞き、真犯人Xの手口に気付く。依頼の時、一緒に食事した蒲生は偽者だったのだ。この後、小五郎、コナンは蒲生邸の裏口を調べ、真犯人Xが毎晩ここに来ていたと推理。本物の蒲生の声を確かめたい小五郎は蒲生がオーナーだった消費者金融を訪ね、蒲生の声が入ったテープを手に入れる。だが小五郎はテープを聞きに向かう途中、何者かに殴られてテープを奪われてしまう。その時、コナンは以前、蒲生がパン会社にクレームをつけた事を小五郎に思い出させ、パン会社でクレームの録音テープを聞かせてもらう。小五郎は自分をハメて蒲生、新井を殺害した真犯人Xが誰なのかに気付き…。

第22話
(542話)
魚が消える一角岩(前編)

神奈川の島の防波堤で江尻太志と海釣りを楽しんだコナンと少年探偵団。この後、阿笠博士の代わりに沖矢昴が漁師、井田の漁船に乗ってコナンらを迎えに来る。そして船上から沈む夕日を眺めている時、歩美が一角岩に気付く。すると井田は子供を人間に釣られて怒った一角龍が自分の住処を見張っているという一角岩の伝説について語る。子供には海の力を授けて泳ぎが上手くなるという言い伝えもあり、コナンらは漁船から降りて一角岩に立ち寄る事に。 そして漁船が岩場に近づいた時、クルーザーが現れる。乗っているダイバーは大戸六輔(おおとろくすけ)、青里周平(あおさとしゅうへい)、開田康次(かいたやすじ)の3人で、青里は顎の右下に絆創膏を貼っていた。何かを探している様子の3人はすぐにその場から去っていく。井田によれば大戸らは社長令嬢の取り巻きだという。この後、沖矢は岩場でコナンらを記念撮影する際、岩壁に刻まれた「サバ」「コイ」「タイ」「ヒラメ」というカタカナの言葉に気付く。 その直後、元太が岩の間に挟まったダイビング用のフィンを発見。コナンはこの状況から岩場に誰かいると察し、脱水死したウエットスーツ姿の女性を見つけ出す。女性の口元の口紅は一部はげていたが傍にあったレギュレーターの口に口紅は付いていなかった。このため、コナンは何者かが女性をわざと置き去りにして脱水死させた事件と判断。コナンはこの数時間の間に戻ってきた犯人が何らかの目的でレギュレーターをすり替えたと推理する。 この後、神奈川県警の横溝警部が捜査に開始。殺害されたのは金融会社社長令嬢の赤峰光里(あかみねひかり)で、横溝が捜査をしていると大戸らが乗ったクルーザーが岩場に戻ってくる。大戸らは3日前のダイビング中に行方不明になった光里を探していたのだ。そして岩壁に残された文字は彼女のダイイングメッセージだった。コナンは光里が残したメッセージの意味を考えるが…。

第23話
(543話)
魚が消える一角岩(後編)

3日前のダイビング中に行方不明になった赤峰光里が一角岩で脱水死した状態で発見される。光里は岩壁に「サバ」「コイ」「タイ」「ヒラメ」というダイイングメッセージを残していた。一緒にダイビングしたのは大戸六輔、青里周平、開田康次の3人。行方不明時に、大戸の携帯に「後はヨロシク」という光里からのメールが届いたため、すぐに捜索を行わなかったというのだ。 その中、コナンは通常2人以上が組んで潜るダイビング中に光里を見失ったことに疑問を抱く。大戸によれば、光里は海の中は1人になりたいとワガママを言い、半年前にもそれが原因で光里が潮に流されるトラブルがあったという。 この後、横溝警部は開田が左目に眼帯、大戸が顎にマスク、青里が右の口元に絆創膏をしている事が気になって理由を確認。開田は光里が行方不明になった事を重く受け止めず、怒った青里に殴れたという。大戸は体調が悪い時、光里に無理矢理潜らされて風邪を引いたと明かし、青里は頬杖をつきながらネットサーフィンをしてニキビをつぶしてしまったと説明する。 歩美、光彦、元太は3人に魚に関する質問をして光里のダイイングメッセージの意味を探る。その時、コナンは開田らのダイバーズウォッチが光里の腕時計と同じ事に気付く。光里がダイビングチーム用に作ったモノで、腕時計には赤峰エンジェルフィッシュクラブと名前が入っていた。 3人の中に犯人がいると推理するコナンは光里の腕時計のフィッシュの文字が削られていた事を思い出す。この後も光彦らはダイイングメッセージの意味を推理すると、コナンは哀の言葉をヒントに犯人が分かり、沖矢も事件の真相に辿り着く。そしてコナンと沖矢は帰ろうとする大戸らを呼び止め、誰が犯人かを明らかにする…!

第24話
(544話)
不協和音を奏でる手

特設ステージでバンドが演奏するデパート屋上のビアガーデンにやってきた小五郎、コナン、蘭。ライブ後、ドラムの中村悠介(なかむらゆうすけ)はファンだと小五郎に声をかけて話し込む。この後、蘭は悠介からCDを借りる事に。悠介は地下1階の警備室で鍵を借り、先に楽屋に入って毛布にくるまれた何かを発見。悠介は毛布から出た手の指にはめられた指輪からヴォーカルの渡辺友紀子(わたなべゆきこ)と気付き、小五郎を呼んで欲しいと蘭に頼む。 毛布の中から扼殺された友紀子の遺体が発見され、コナンは友紀子の服に緑色の何かが付着している事に気付く。この後、目暮警部らが捜査を開始。この日、楽屋の鍵を借りたのはバンドのメンバーだけらしく、ベースの青木翔太(あおきしょうた)、キーボードの田中理沙子(たなかりさこ)、ギターの西本誠(にしもとまこと)も呼び戻す事に。コナンはこの状況からメンバーの誰かが犯人と推理。目暮はステージ後の行動などをメンバーに確認する。 悠介はドラムを片付けた後、小五郎に声をかけたと証言。小五郎は悠介がテーブルに来た時間はライブの7、8分後と考え、楽屋に行って友紀子を殺害するのは不可能と推理する。理沙子、翔太、誠は一緒に楽屋へ戻るが、楽屋を出た後のアリバイはないに等しい。この後、翔太は友紀子を捜しに楽屋に戻ったと明かし、自分と友紀子がメジャーデビューを控える新バンドに誘われている事も告白。コナンは運び出される遺体を見て足に残る直線的な圧迫痕に気付く。 この後、友紀子がエレベーターの防犯カメラに映っていない事が判明。ライブに来ていたレコード会社の坂本勇樹(さかもとゆうき)の話を聞く事に。呼び戻された坂本はライブ後、8階に降りる階段の所で友紀子と話したがすぐに別れたと証言。2人が話した屋上から8階へ降りる階段へ向かったコナンは、壁に飾られた子供たちの絵の中から一枚に目を留め、何かに気付き…。

第25話
(545話)
霧にむせぶ魔女(前編)

 小五郎、コナン、蘭が濃霧で有名な冬名山を車で通りかかると、群馬県警の山村警部らが検問を行っていた。山村は魔女狩りをしていると小五郎らに明かす。山村は4年ほど前、走り屋の聖地である冬名峠に白いFDに乗った銀白の魔女と呼ばれる伝説の女性ドライバーがいた事を明かす。最近、銀白の魔女が再び峠に現れ、勝負を挑んで事故を起こす走り屋たちが続出しているという。  山村は祖母と一緒に銀白の魔女に遭遇した事を告白。その時、車は祖母が運転し、山村は助手席で寝ていたという。祖母は銀白の魔女が道のない霧の上を駆け抜けていったと証言しており、捜査一課の山村は非番の時に祖母の証言が本当かどうか確かめるため、交通課の検問を手伝っているのだ。  翌週の土曜日、ランエボを借りた小五郎は蘭、コナンを連れて冬名峠へ。小五郎はしばらく峠を走行するが銀白の魔女に遭遇できない。小五郎が諦めかけた時、背後から白いFDが出現。白いFDはランエボの前に出ると窓から左手を差し出してバトルのサイン。挑発にのった小五郎は白いFDの後を必死に追う。  この後、コナンは慌ててサイドブレーキをかけてランエボを急停車させる。小五郎は白いFDを追って左に曲がろうとしたが、左に道はなくガードレールに激突しそうだったのだ。小五郎は白いFDが左に曲がって霧の上を走っていったと証言。コナンは白いFDには2人が乗車していたと推理する。運転手のほかに助手席からバトルのサインを出した人物がいたからだ。  小五郎は峠で検問中の山村に連絡し、2人以上乗っている白いFDを止めて欲しいと要請。そして検問に引っ掛かったのは江頭頼人(えがしららいと)と間船昭(まふねあきら)、半藤留実(はんどうるみ)と川合晴華(かわいはるか)、遠田陣也(えんだじんや)と平良靖枝(たいらやすえ)が運転する3台の白いFD。コナンはこの3組の容疑者の中に銀白の魔女がいると推理するが…

第26話
(546話)
546

 銀白の魔女の事を相談した宮本由美から連絡をもらった蘭は検問にひっかかった白いFD3台の事を報告。助手席にいた間船昭、半藤留実、遠田陣也の腕はいずれもバトルのサインを出した魔女の腕とはほど遠く、警察が3組とも帰してしまった事を由美に伝える。由美は電話を切ると車に同乗している佐藤刑事に魔女の話題をふる。数年前、佐藤は冬名峠に通っていた時期があったのだ。だが当時、佐藤は魔女に遭遇した事はなかったという。  その時、コンビニ強盗が発生。佐藤は車をドリフトさせながら逃げる犯人の車を追跡する。佐藤の車が轟かすスキール音は毛利探偵事務所にも届き、小五郎はこの音で魔女を思い出す。小五郎は魔女の正体をわからずにいたが、コナンはすでに魔女の目星をつけていた。検問の時、3組の中の誰かが妙な事を言っていたからだ。だが、コナンは霧の上を車で走ったり、霧の上に立って手を振ったりしたトリックを暴けずにいた。  この後、小五郎はTVを見て「蜃気楼」という言葉を口にする。この言葉にハッとなったコナンは魔女を目撃した山村警部の祖母の「(魔女に)後光が差していた」という言葉を思い出し、魔女のトリックを見破る。翌朝、小五郎、コナン、蘭は冬名峠を車で走行する。コナンが助手席から出た腕を見て犯人に気付いたと伝えると、蘭が細くて白い魔女のような腕の人はいなかったと反論。コナンは疑われないように運転席と助手席の人物が入れ替わったと説明する。  そしてコナンは魔女と推理した1組を小五郎らに明かし、検問の時の辻褄が合わない証言も説明。さらにコナンはヒントを出し、どんなトリックを使って霧の上を車で走ったかを小五郎らに気付かせる。その時、小五郎の車の後ろに魔女が乗る白いFDが出現。白いFDは小五郎の車の前方に入り込み、バトルのサインを出してくる。小五郎はトリックを意識しながら白いFDを追って…。

第27話
(547話)
犯人との二日間(一日目)

 夜の公園でソフト開発会社の社長、恩田和美(おんだかずみ)にお金を要求する大嶺良介(おおみねりょうすけ)。大嶺は恩田が人気ゲームで大儲けしたにも拘わらず、友人である開発者、金山誠一(かなやませいいち)への報奨金が僅かだった事に激怒していた。大嶺は断られると拳銃を撃って恩田を殺害する。  蘭、園子とショッピングモールにやってきたコナンは事件に遭遇。拳銃を持った犯人が5歳の結城佳代子(ゆうきかよこ)を誘拐したのだ。コナンは駐車場で佳代子を救出するが、犯人の大嶺は代わりにコナンを車に乗せて逃走。コナンはラジオのニュースで大嶺が殺人犯である事を知る。目暮警部らは大嶺が殺人犯だと小五郎らに報告。大嶺の犯行は公園の監視カメラが捉えていたのだ。  大嶺にビルの機械室へと連れてこられたコナン。コナンはさりげなく大嶺に抱きついて拳銃を持っていない事を確認すると隙を突いて逃げ出す。そしてコナンが廊下に飛び出すと突然電気が消えて暗闇に。その直後、サイレンサーの鈍い銃声が響き、コナンを床に押しつけて庇った大嶺が銃で撃たれる。 この後、大嶺はコナンを連れて一室に逃げ込んだ後、窓から外に脱出する。コナンは大嶺に携帯を借りて着信履歴を確認。一番新しい履歴が上宮桃子(うえみやももこ)、その前が金山だった。この後、コナンは阿笠に連絡を入れる。 その頃、小五郎は大嶺と中学の同級生だった金山を訪ねる。金山が恩田の悪口を言いまくったため、大嶺は犯行に及んだという。  小五郎が話を聞いているとPCのチャットが開き、画面に桃子が映し出される。金山は秘書の桃子も大嶺の共犯かも知れないと証言。桃子は恩田から金を引っ張っていたという。さらに金山は副社長の神田智(かんださとし)の共犯の可能性も示唆。神田は恩田からパワハラを受けていたというのだ。小五郎は金山も怪しいと金山自身に言い放ってその場を後に。その頃、コナンと大嶺は…。

第28話
(548話)
犯人との二日間(二日目)

コナンと大嶺は身を隠すため、阿笠博士の自宅へ。コナンは大嶺が犯人ではないと考えていた。大嶺は金山に連絡して逃走用の車の手配を頼む。コナンが拳銃の入手方法を訊ねると、大嶺はインターネットで改造モデルガンと空砲3発を購入したと告白。だが、撃ったら弾丸は本物で、拳銃はビルの敷地内に投げ捨てたという。その時、金山の家にいた小五郎が阿笠宅に到着する。 コナンは大嶺が捨てた拳銃を捜そうと提案。そしてコナンはビル敷地内を調べ、誰かが動き回った足跡に気付く。植え込みの土は部分的に湿っていた。小五郎は大嶺をハメた真犯人が拳銃を回収したと推理する。ビルの警備員によれば、昨夜、全自動窓拭き機でビルの窓をクリーニングしたという。コナンはビル屋上の全自動窓拭き機を調べ、大嶺の拳銃を発見する。 窓拭き機は機械を安定させる強力な磁石を使用しており、大嶺が投げ捨てた拳銃はビルの壁にぶつかった後、窓拭き機に張り付いたのだ。阿笠は拳銃を調べ、全ての弾丸が空砲と判明。コナンは大嶺が空砲を撃った瞬間、真犯人が本物の拳銃を撃ち、恩田を殺害したと推理する。小五郎は金山と桃子に真犯人の疑いがあると発言するが、コナンは他にも恩田を恨んでいる人がいると睨む。 この後、大嶺は桃子にガンマニアのHPを教えてもらった事を明かす。コナンは大嶺が撃たれたビルを調べる事に。そのビルの合鍵を所有する大嶺。上京後、大嶺はそのビルで警備員をしていたのだ。コナンは大嶺が撃たれた場所を調べ、血が付いた小さな金属片を見つける。何かに気付いたコナンはこのビルで警備員をしていた事を知る人物を訊ね、大嶺は金山と桃子、副社長の神田と答える。それを聞いたコナンは事件の真相に辿り着く…。小五郎は恩田の会社を訪れ、目暮警部に真犯人がいる事を報告し、桃子が真犯人という推理を披露する。その時、拳銃を持った大嶺がコナンを人質に会社にやってきて…。

第29話
(549話)
回転寿司ミステリー(前編)

 阿笠博士と回転寿司にやってきたコナン、少年探偵団、哀。皆で楽しく寿司を食べていると元太が重ねた皿を落としてしまう。その時、歩美は皿の裏の奇妙な模様に気付く。それは、自動廃棄用のマークで、センサーがマークを読み取り、鮮度が落ちた寿司を自動的に廃棄するのだ。そして元太らが皿を拾っていると、客の我妻留造(あがつまりゅうぞう)が元太に言い掛かりをつける。  さらに我妻は左隣の客、相園修(あいぞのおさむ)を貧乏舌とバカにする。騒ぎに気付いた店長の並木段児(なみきだんじ)がやんわり注意すると、我妻はいつまでも寿司にしがみつくなと言い放ち、店を潰すと脅す。名の知れたフードライターの我妻は記事次第では1週間で店を閉店に追い込めると豪語し、数席挟んだ右隣の客、武村咲子(たけむらさきこ)の店が潰れた事もバラす。  並木がお代はいらないので引き取って欲しいと伝えると、我妻は只ならたんまり食べて帰ると座り直す。気分を害したコナンらは店を出ようとしたその時、我妻が突然苦しみだして絶命。コナンは我妻の口の臭いから青酸系の毒で殺害されたと推理する。我妻の左手にシャリが付いていた事から寿司に毒が混入されていた可能性が高い。この後、目暮警部、高木刑事らが捜査を開始する。  鑑識によると毒は我妻が最後に取った皿の縁に付着。目暮らは客と店員の身体検査を行うが誰も毒を所持していない事が判明する。コナンは犯人が毒を塗った皿を我妻に取らせた方法を考える。騒ぎの後、皿に毒を塗る事ができたのは我妻と曰くがある並木、相園、武村の3人だけだった。  相園は奥さんと寿司を食べに行った時、我妻に恥をかかされた事を告白。武村は我妻の記事が原因で女将をしていた寿司割烹が潰れた事を明かす。腕利きの職人だった並木は客同士のケンカを仲裁した時、腕の筋を切って職人を引退。その客の1人が我妻だったという。コナンは3人の中に犯人がいると考えて…。

第30話
(550話)
回転寿司ミステリー(後編)

 目暮警部らは犯人が我妻に毒の皿を取らせた方法を考える。阿笠は我妻自身が注文した寿司に毒が塗られたと推理。この店はタッチパネルで寿司を注文した時、寿司が自分の前にくると音で知らせるのだ。寿司は時計回りで流れており、我妻の右側にいた武村が毒を塗ったと疑われる。だが武村は我妻の左側に相園がいたため、どっちの注文かわからないと容疑を否認。しかも武村の席から我妻のタッチパネルは見えないため、何を注文したか見当もつかないという。  相園は隣りの我妻が何を注文したか見えるが、寿司は先に我妻の前を通過するため、毒を塗る事はできない。難癖をつけられないように後ろで我妻を見張っていた並木が疑われるが、並木は我妻が何も注文していかなったと証言。店のパソコンを確認し、我妻が何も注文していなかった事が判明する。その時、コナンは我妻が左利きだった事を思い出す。ほとんどの皿の左側にだけ毒を塗っておけば、左利きの我妻に毒を触らせる事ができるのだ。  しかし、コナンの自分の推理をもう一度考え直す。左利きの客が入店してきたら計画は失敗に終わるし、子供なら両手で皿を掴む事があるからだ。その時、コナンは我妻が座っていたカウンターでビニールの袋の切れ端を発見する。この後、ベルトコンベアーの上に毒が付いている皿が載っていない事が明らかになり、犯人がたくさんの皿の左側に毒を塗っていた可能性はなくなる。  皆が毒の皿を我妻に取らせた方法を推理していると、元太はお腹が空いたと言い出す。元太は鮮度が落ちた寿司を捨てるのは勿体ないと言って寿司を眺める。この言葉をヒントに何かに気付いたコナン。この後、コナンは入口に置かれた使い捨てのお手拭きが自由に取れる事から犯人が使った巧妙なトリックを見破る。そしてコナンは変声機を使い、阿笠の声を借りて解決劇を始める。犯人はコナンらが睨んだ通り、我妻と遺恨がある3人の中にいた…。

第31話
(551話)
犯人は元太の父ちゃん(前編)

 元太は父親が全国コジマさん選手権に出場する事をコナンらに報告。日売TVの番組で、優勝者は賞金1千万と猪の掛け軸が貰えるという。話を聞いたコナンは山休上人が描いた「萩に猪」という高価な掛け軸と気付く…。そして大会当日、コナンは猪の掛け軸が5千万円の価値があると元太らに教える。山休の掛け軸は猪の他に鹿と蝶があり、3つ揃えた実業家は大成功を収めたという。  その実業家は選手権のスポンサーである小嶋グループ会長、小嶋権作(ごんさく)。小嶋は掛け軸2つをなくし、残り1つを誰かに譲るために今回の企画を考えたという。選手権は腕立て、のど自慢、漢字の書き取りを行い、勝ち上がった5人がスタジオで優勝を争う段取り。この後、コナンらは落選者たちに遭遇。落選者の多くは手応えを感じつつ落選し、審査基準への不満を口にする。  その時、元太の携帯に父親から連絡が入る。なんと元太の父親は最後の3人に残ったという。コナンは席が5席あるのに3人しか勝ち上がらなかった事に違和感を抱く。その頃、審査室には権作と秘書の姿。権作はある紙を勝ち残った3人に見せたか答えを秘書に確認する。小嶋文太(ぶんた)は「八百一」、小嶋元次(げんじ)は「尺八」、小嶋岩吉(がんきち)は「一品」と答えたという。3人の答えを聞いた権作は「尻尾を出しおったか」と意味深な事を口にする。  権作はその紙が入った封筒を秘書から受け取った後、優勝者の控え室に出迎えに行く、と審査室を出ていく。この後、選手権の中止が発表される。権作が階段から落ちて絶命してしまったのだ。コナンは目撃者がいない事から他殺の可能性もあると推理。権作は右手に紙の切れ端を握っており、コナンは切れた紙がない事から誰かが落ちる原因を作り、紙を持って逃げたと睨む。秘書は権作が勝ち残った文太、元次、岩吉に会いに行ったと報告。容疑者は階段上の控え室にいたこの3人に絞られるが、その中には元太の父親も含まれていた…。

第32話
(552話)
犯人は元太の父ちゃん(後編)

 全国コジマさん選手権を企画した小嶋グループ会長、小嶋権作が殺害される事件が発生。目暮警部らはそれぞれ控え室にいた3人の容疑者、小嶋文太、小嶋元次、小嶋岩吉に事情聴取を行うが、3人の証言に怪しい点は見つからない。この時、高木刑事は選手権の成績を文太らに確認。3人が平凡な成績だった事から選手権は成績優秀者を選んでいなかった事が判明する。  スタッフによれば出場者の選別は権作が行い、出場者に配るゼッケンやシューズも権作が独自に用意したという。この後、権作のバッグから拳銃と「尺五立の天下一の品確かに頂戴仕り候 盗賊団百鬼夜行」と書かれた紙が発見される。百鬼夜行は有名な強盗殺人集団で、秘書は半年前に鹿と蝶の掛け軸を百鬼夜行に盗まれた事を告白。猪の掛け軸だけ修繕に出していて難を逃れたという。  その時、百鬼夜行の頭は権作の愛犬を刃物で殺害。権作は睡眠薬を飲まされたが、頭が呟いた「同じ名前のよしみで命は助けてやる。遠い親戚かもしれないし…」という言葉を覚えていたという。権作は自分で愛犬の敵を討つため、警察に通報しなかったのだ。コナンは権作が愛犬の命を奪った犯人を見つけて、敵を取るために選手権を企画したと考える。勝ち残った3人全員が小島、児島と書くコジマではなく、小嶋だったのはそのためだった。  コナンは権作の庭に犯人の足跡が残っていたと推理。腕立ては靴のサイズを調べるため、のど自慢は犯人の声に似た声質の人物を捜すために行われたのだ。愛犬の傷口からは犯人の利き手がわかるため、漢字の書き取りでは利き手を調べたのだ。事件の鍵を握るのは権作と犯人が奪い合った紙。3人に紙を読ませた権作がその答えによって犯人に気付いた事から目暮らは3人に再度話を聞く事に。元太が父親を心配する中、文太、元次、岩吉が審査室に集められる。この時、コナンはすでに紙に書かれていた内容、誰が犯人かに気付いていた…。

第33話
(553話)
ザ・取調室

 昨日の午後、富樫文孝(とがしふみたか)と袴田恒夫(はかまだつねお)は刑務所を出所。小五郎は刑事時代に逮捕した殺人犯、富樫を出迎えるが、富樫はすぐに姿を消してしまう。その日の夜、保護司の桜庭武彦(さくらばたけひこ)が殺害され、富樫が容疑者として逮捕される。そして今日…。午前10時過ぎ、小五郎は富樫の事が気になり、コナン、蘭と共に米花警察署を訪ねる。  小五郎は改心して模範囚だった富樫が仮出所の日に殺人を犯した事が信じられずにいた。笠松(かさまつ)刑事は小五郎を部外者扱いするが目暮警部は小五郎の口出しを黙認。小五郎は送検する午後4時まで富樫を取り調べする事に。コナンは調書を見て、被害者の傷が身体の右側に集中していた事に注目。目撃者によれば犯人は左手で凶器を持っていた。だが富樫は左利きではなかった。  コナンは変声機で小五郎の声を使い、現場を調べて欲しいと高木刑事に連絡。そしてコナンは理由をつけて高木と共に現場へ向かう。午後1時5分、現場を見たコナンは血の痕が離れた2ヵ所にある事に疑問を抱く。壊れた姿見の破片の中で発見された凶器の指紋は拭き取られており、被害者の生活指紋までなくなっていたという。富樫が米花公園で逮捕されたのは昨日の午後10時30分で、隣りの住人に犯行を目撃されたのは10時20分。現場から公園まで7、8分かかるため、コナンは富樫が犯行後に指紋を拭き取る事は不可能と考える。  コナン、高木は現場にもう1人いたと推理し、新たな目撃者を捜す事に。そしてコナンらは近くのコンビニの防犯カメラの映像を確認し、袴田が走り去る昨夜の映像を見つける。この後、コナンらは目撃者の隣りの住人、吉沢かね(よしざわ)を訪ねる。かねは雷で停電になり、何気なく外を見て事件を目撃。かねは犯人が凶器を投げつけてきたと証言する。その直後、犯人の姿は急に見えなくなったという。話を聞いたコナンは事件のとんでもない真相に気付いて…。

第34話
(554話)
こうのとりミステリーツアー(蘭捜索編)

 足を捻挫したコナンは療養のため、小五郎、蘭、少年探偵団、哀と共に兵庫県の城崎温泉にやってくる。温泉を取材していたフリーライターの湯元幸一(ゆもとこういち)は小五郎に気付いて密着取材を申し込む。蘭は温泉に向かう途中で歩美、哀とはぐれ、その直後に歩美のBDバッジを拾う。この後、蘭は歩美、哀の後を追い、路地から飛び出してきた少女とぶつかってしまう。  蘭は少女を家まで送っていくとコナンに連絡するが、そのまま行方不明になってしまう。すると元太が蘭を見たと明かし、カメラのデータをコナンらに見せる。写真には少女と一緒に歩く蘭の姿、さらに蘭らを尾行するマスクとサングラスをした謎の人物が写っていた。小五郎は蘭が行方不明になったため、取材を中止すると湯元に伝える。そこに偶然、服部平次と和葉が現れる。  平次によれば、少女の名前は田布施陽菜(たぶせはるな)。平次は陽菜の父親である大手外食チェーンの社長、田布施周平(しゅうへい)から依頼を受けていた。この後、コナンらは周平と会う事に。周平は田布施美術館館長の蒲池猛(かまちたけし)と一緒に現れ、コナンは蒲池のスーツの裾の小さい黒い染みに気付く。昨日、田布施美術館から彫刻家、半田夏穂(はんだかほ)の「虹の子」という作品が陽菜と共に消えてしまい、平次はその事件を捜査していた。  その頃、歩美、和葉らも独自に蘭の捜索を開始。歩美らは写真に写る陽菜のリュックを扱うカバン店を訪ね、陽菜を知るイルカ訓練士の入鹿結衣(いるがゆい)と出会う。歩美らは結衣の同僚の情報を頼りに蘭と陽菜らしい2人がいた城崎マリンワールドに向かう。平次は足を痛めているコナンの代わりに捜索を続け、蘭らが城崎温泉元湯や鬼子母善神などの定番の観光コースを巡っていた事が判明。目撃者によれば、陽菜は名所の周辺で何かを探していたという。この後、「虹の子」の作者、夏穂が周平の元妻と発覚。それを聞いたコナンは…。

第35話
(555話)
こうのとりミステリーツアー(陽菜追跡編)

 足を捻挫したコナンがホテルで推理する中、平次と小五郎は夏穂から陽菜宛に届いた手紙を頼りに3年前に家族旅行で訪れた城崎温泉駅を捜索する。その頃、ロープウエイ山頂駅にやってきた蘭と陽菜はマスク、サングラス姿の何者かに襲われる。陽菜は何とか逃げ出すが、その人物は蘭を連れ去っていく。この後、平次らはロープウエイ山頂駅で気を失った陽菜を発見。コナンは陽菜が手紙の漢字を読めずに間違った名所に行ったと気付いて平次に連絡したのだ。  翌朝、夏穂は陽菜が入院した病院に現れる。周平は夏穂が陽菜に「虹の子」の像を持ち出させたと疑うが夏穂はきっぱりと否定する。小五郎が口論する2人をなだめようとすると、病室から窓を開ける音。陽菜が病室を抜け出したのだ。陽菜はタクシーに乗って何処かへ向かい、平次は携帯でコナンと連絡を取りながら陽菜が乗るタクシーを追跡。コナンは陽菜が何処かに「虹の子」を隠したと推理し、そこに向かうと予想していた。  陽菜が尾行に気付くと、平次は運転手に指示して脇道へ。安心した陽菜が前を向くと、今度は和葉、少年探偵団、哀が乗ったタクシーが尾行を引き継ぎ、すぐに平次が乗ったタクシーも合流する。この時、歩美はBDバッジがない事に気付く。その頃、蘭は走る車のトランクに閉じ込められていた。蘭は拾ったBDバッジの事を思い出して少年探偵団に連絡を入れる。  そして元太と光彦のBDバッジからコール音が鳴り、太鼓の音が聞こえてくる。それを聞いた哀は蘭が歩美のBDバッジを持っていると察してホテルのコナンに連絡する。コナンはガイドブックを見て、午後1時に太鼓を叩く出石・辰鼓楼に蘭がいると推理。平次は陽菜が母子地蔵の所に来たと携帯でコナンに報告する。陽菜が訪れているのは鬼子母善神や慈母観音など、母と子に由来する名所ばかり。その事に気付いたコナンは事件の真相に辿り着く…。

第36話
(556話)
556

 小五郎が運転するレンタカーで温泉に行ったコナンと蘭。午後2時過ぎ、田園地帯を通って帰宅中に蘭は前方の虹に気付く。その直後、前方の交差点で事故が発生。緑の車と激突して用水路に落ちた赤い外車は炎上。緑の車は脇の看板に突っ込んでいた。コナンは少し前にコンビニで見かけた2台の車と気付き、赤い外車のワイパーが動いている事を不審に思う。蘭は緑の車から自動車整備士の車谷整司(くるまたにせいじ)を救出する。  この後、警察が駆け付け、赤い外車からフリーター、速水隼(はやみしゅん)の遺体が運び出される。小五郎は動揺する車谷にタバコを勧めるが、車谷はタバコを吸わないと断る。交通課巡査長の道田巡子(みちだじゅんこ)は車谷から話を聞く事に。見通しの良い交差点だが、車谷は何故か交差点に入る時、速水の車に気付かなかったという。コナンは車谷の車のフロントがグリルガードで補強してある事が引っ掛かる。  事故が多発するこの交差点は恐怖の交差点と呼ばれており、道田はコリジョン・コース現象が事故の原因と考える。2台の車が直角に同じスピードで交差点に近づいた時、前方を見る運転手には相手の車が止まって見える目の錯覚が起き、衝突事故が起きるという。コナンは2台の車をコンビニで見かけた事をそれとなく道田に報告し、道田、小五郎とコンビニに戻る。そしてコンビニ店長の証言により、車谷と速水が言い争っていた事が判明。しかも昨日、緑の車に乗っていたのは車谷ではなかったという。この時、コナンはコンビニ前でPのロゴが入った吸い殻を発見。コナンは速水がタバコを捨てる姿を覚えていた。  交差点に戻った小五郎は車谷に速水と知り合いなのか確認。すると車谷は自分の工場で速水の車を修理した事を告白する。赤い外車は車谷の友人の中古車屋が3ヶ月前に売った車らしく、車谷はローンが滞っている事を速水に指摘。すると、速水は逆ギレして口論になったという。この後、蘭が虹の話をすると、車谷は虹に気付かなかった事を明かし、コナンはその発言に反応する。小五郎が間違った推理を進める中、コナンは車谷の車の灰皿を確認。Pのロゴが入った吸い殻を見つけたコナンは事故の真相に気付いて…。

第37話
(557話)
危険な二人連れ

 コナンが1人で留守番していると阿笠博士から連絡が入る。山梨で行われた発明品の新作発表会の帰り道に車がエンスト。業者はレッカー移動した後、阿笠と哀をバス停まで乗せてくれたが、阿笠は財布をどこかに落としてしまったという。小五郎に迎えに来てもらうつもりだった阿笠に対し、コナンは小五郎が浮気調査に出ていると伝える。その時、女が運転する車が阿笠と哀の前に現れる。  女は阿笠らが困っていると察し、車に同乗させてくれるという。しかも目的地は同じ東京。阿笠は礼を言った後、助手席で眠っている男に気付く。この後、阿笠と共に後部座席に乗り込んだ哀はなぜ困っているとわかったのか、不思議に思って女に訊ねる。女はバス停でバスに乗車しなかった事、車を引っ張るレッカー車が通過した事などを踏まえ、阿笠らは交通手段がないと察したという。哀は納得できなかったが車は東京に向けて出発する。  走行中、阿笠は米花町に住んでいる事を女に伝える。偶然にも女たちは毛利探偵事務所に行くのだという。哀は小五郎と知り合いだと言おうとする阿笠を制止し、寝たフリをして阿笠と密談する。哀は女の勘の鋭さ、助手席で眠る男の左目に大きな傷がある事を理由に2人が怪しいと勘繰り始める。さらに哀は運転席のシートに銃弾の痕を発見。銃弾の痕は後部座席の左側のドアにも2ヵ所あり、シートのつなぎ目には血の跡も残っていた。  哀と阿笠は寝たフリをして2人の様子を窺う事に。この後、助手席の男が目を覚まし、コナンの話題を女と話し始める。男の口から出てくる「半殺し」「皆殺し」などの物騒なフレーズに哀と阿笠の顔は引きつり、起きている事が女にバレてしまう。すでに車は東京を走っていた。しかし、渋滞が酷いため、ドライブインに入って休憩する事に。  男はグローブボックスから地図を取り出し、ドライブインの位置を確認。その時、哀は地図の下にある拳銃に気付いてしまう。ドライブインに到着後、哀は悪い奴らの車に乗ってしまったとコナンに連絡。コナンは2人を捕まえるため、スケートボードに乗ってドライブインに向かう。ドライブインまでの時間は30分。哀は2人を足止めしようとするが…。

第38話
(558話)
死亡の館、赤い壁(三顧の礼)

 長野県警の大和敢助(やまとかんすけ)警部と上原由衣(うえはらゆい)刑事に捜査協力を求められた小五郎はコナン、蘭と共に長野の森の中にある希望の館へ。大金持ちが館を才能はあるがお金がない若者たちにタダ同然の家賃で提供した事が館の名前の由来で、3年前からは死亡の館と呼ばれるように。最初、館には若者6人が住んでいたが2、3年後には独立。5、6年前からは館で知り合って結婚した夫婦しか住んでいなかったという。  館に住んでいたのはイラストレーターの明石周作(あかししゅうさく)、俳優の翠川尚樹(みどりかわなおき)、小説家の小橋葵(こばしあおい)、ファッションデザイナーの山吹紹二(やまぶきしょうじ)、CGクリエーターの百瀬卓人(ももせたくと)、ミュージシャンの直木司郎(なおきしろう)の6人。名前を聞いたコナンは全員の名前に色が入っている事に気付く。敢助によれば、6人は自分たちを色で区別していたという。  敢助は遺体が発見された部屋に小五郎らを案内。当時、部屋の外開きの扉は本を詰めたダンボールで塞がれ、中の人間は餓死していたという。そして小五郎らは左側の壁一面が真っ赤に染まった部屋の中へ。部屋の中央には白く塗られた椅子と黒く塗られた椅子が背もたれを合わせて置かれ、椅子の脚は釘で床に固定。由衣は白い椅子に遺体が座っていたと説明する。犯人は部屋に盗聴器を仕掛けて被害者の生死を確認していたが盗聴器は未回収。つまり、赤い壁も白と黒の椅子も被害者が残したダイイングメッセージなのだ。  餓死したのは明石周作で、彼と結婚した葵は3年前に倉庫で心臓の発作を起こして他界。部屋で作品を仕上げていた周平が気付いたのは半日後だった。そこに長野県警新野署の諸伏高明(もろふしたかあき)刑事が現れる。敢助のライバル、高明は遺体の第1発見者。絵の具やラッカー、色が付いた画材は全て窓から放り出されていて、通りかかった高明が不審に思って調べたのだ。部屋には赤いスプレー缶のみ残され、赤い壁の端には周平が自分の血でサインを書いていたという。葵が死んだ事を恨んでいる人物が犯人と考えたコナンは現場の状況も踏まえ、館の事をよく知る住人だった4人の中に犯人がいると推理する。

第39話
(559話)
死亡の館、赤い壁(掌中の物)

 部屋の内側のドアノブと赤いスプレー缶に付いていた指紋が高明の部下のモノと判明する。高明は倉庫に花を添えるために新米刑事と館を訪れ、明石周作の遺体を発見したと告白。高明と敢助は小橋葵の同級生だった。部屋に閉じ込められれば外に出ようとしてノブに手をかけるのが普通だが明石の指紋は付いておらず、壁を塗った赤いスプレー缶からも明石の指紋は出てこなかったという。この事実に敢助らは驚きが隠せない。  高明は館の住人だった4人にもう一度話を聞く事に。敢助は小五郎と相談する事を理由にコナンと蘭を預かって欲しいと頼み、高明はコナンと蘭を連れて4人に会いに行く。高明は明石の部屋のドアノブから指紋が出たと4人にカマをかけて反応を窺う事に。最初に訪ねたのは俳優の翠川尚樹。コナンは住人たちが色で呼び合っていたかを確認。翠川は色で呼び合っていた事を認めた後、幼馴染みの明石とは名前で呼び合っていた事を明かす。  2人目はファッションデザイナーの山吹紹二。山吹は葵にだけ山ちゃんと呼ばれていた事を告白する。山吹によれば葵は皆のマドンナで、明石と付き合っていると知って皆は館を出て行ったという。3人目はCGクリエーターの百瀬卓人。百瀬は自分が4年前に手伝ったチェスのゲームを届けるために館を訪れた事を告白。明石と葵はチェスが大好きだったという。4人目のミュージシャン、直木司郎は自分の指紋がノブから出たと聞いて激しく動揺。司郎は半年前に館に行ったと明かした後、用事があると言って高明らを追い返す。  高明はコナンと蘭を送り届けた際に司郎が怪しかった事を敢助に報告。明日にでも司郎に任意同行で警察に来てもらう事に。翌日、コナンが敢助、由衣、小五郎、蘭と共に司郎の自宅アパートを訪ねると、アパート前には警察官、そして高明の姿。コナンが室内を覗き込むと、そこには事件の鍵を握る司郎の死体。犯人は警察の動きを見て素早く先手を打ってきたのだ。死亡推定時刻は昨夜の10時から11時の間で、死因は頸部圧迫による窒息死。遺体は椅子に座らされ、押し入れの戸は赤く塗られていた。コナンは明石が餓死した現場の事を詳しく知らない犯人がダイイングメッセージをマネした事を不審に思って…。

第40話
(560話)
死亡の館、赤い壁(死せる孔明)

 コナンは敢助らが高明を監視している事に気付く。すると敢助は高明も容疑者の1人だと明かす。この後、敢助は翠川尚樹、山吹紹二、百瀬卓人に直木司郎の死亡推定時刻である昨夜10時から11時のアリバイを確認。だが3人のアリバイはないに等しいものだった。そして3人の証言により、司郎が明石周作に金をせびっていた事、司郎がイタリアのレッチェに行くと話していた事が明らかに。その頃、高明は死亡の館の赤い部屋を訪ねる。  高明は明石がダイイングメッセージとして犯人の名前を残さなかったのは犯人に発見されて消される事を恐れたためと推理。そして高明は赤い壁と白い壁を見て何かに気付き、携帯で敢助にメールを打ち始める。その時、何者かが高明の後頭部をパイプで強打し、高明は気を失ってしまう。由衣は監視中の高明を五丈の森で見失ったと敢助に連絡。敢助は死亡の館に向かうはずだと由衣に伝える。電話を切った後、敢助は高明からメールが届いている事に気付く。メールには「死せる孔明」と書かれていた。  この後、敢助は由衣から館が燃えているという連絡を受け、急いで館へ向かう。敢助は高明を救出するため、燃え盛る館に飛び込もうとするが、すでに高明は由衣に救出されていた。その時、コナンは背後にいる翠川、山吹、百瀬に気付く。3人は各々メールで館に呼び出されたと説明。メールは敢助名義で送られてきたという。この後、敢助、コナンらは高明を病院に連れて行く。結局、メールは司郎の携帯から送られたモノと判明する。犯人は盗んだ司郎の携帯のメルアドを変更し、自分の含めた容疑者3人に同じメールを送信。他の2人を呼び出せば、館に火をつけた時のアリバイがないのは皆同じになるからだ。  コナンはダイイングメッセージの意味に気付いた犯人が燃やそうと思って館に行き、高明と会ってしまったと推理。敢助とコナンは「死せる孔明」という高明のメールの意味を考える。敢助は犯人が司郎の部屋に赤い壁のメッセージのみを残した事も引っ掛かっていた。この後、蘭は外科医の手術着が薄い緑色の理由を訊ね、コナンと敢助がその理由を説明。その時、コナンと敢助は同時にダイイングメッセージの意味に気付いて…。

第41話
(561話)
死亡の館、赤い壁(空城の計)

死亡の館の赤い部屋のダイイングメッセージの謎を同時に解いたコナンと敢助。2人はダイイングメッセージが元々赤い壁ではなかった事にも気付く。その時、意識を取り戻した高明が由衣に抱きかかえられて現れる。高明もダイイングメッセージの謎を解いていた。だが3人が辿り着いた推理には証拠がなく、犯人を逮捕する事はできない。するとコナンは直木司郎がイタリアのレッチェに行くと話していたという証言を話題に。  司郎は自分がいなくなったらレッチェに捜しに来てくれと話していたのだ。コナンの発言を聞いた敢助らは司郎が証拠を隠した場所に気付く。敢助と高明、そしてコナンは犯人を逮捕する作戦としては空城の計という同じキーワードを思い浮かべる。この後、敢助らは翠川尚樹、山吹紹二、百瀬卓人を長野県警に呼び出す。敢助らは司郎が何かを掴んでいたという話題を切り出し、それとなく犯人に司郎が証拠を隠した場所のヒントを与える。  そして夜、犯人は司郎が住んでいたアパート付近にやってくる。だが、警察がアパートを張り込んでいて犯人は近づく事ができない。犯人は敢助らの会話はアパートに誘き寄せる罠だったと疑う。その時、張り込んでいた警官に無線連絡。近くでタクシー強盗が発生したらしく、警官はパトカーに乗り込んでその場を後に。この後、酩酊したサラリーマン、マスクをした男がアパート前に現れる。犯人は酔っぱらい、マスクの男を変装した刑事だと勘繰る。すると今度は子供が通りかかり、酔っぱらいに心配して声をかける。だが、酔っぱらいは子供に激怒。子供は怖がって走り去っていく。  続いてホステスとサングラスをかけた男が現れる。男は酔っぱらいに躓くと治療費を要求。男は酔っぱらいから財布を巻き上げる。この後、マスクの男はアパートのベランダから女性の下着を盗む。さらにマスクの男は司郎の部屋に侵入し、お金を盗んで逃げていく。これまでの光景を見た犯人は近くに警察はいないと判断し、司郎の部屋に入って下駄箱の靴を物色。イタリアは靴の形で、レッチェは踵の部分。つまり司郎は証拠を靴の踵の部分に隠していたのだ。そんな犯人に声をかける子供。それは変装したコナンだった…。


シーズン15

第01話
(562話)
虹色(レインボウカラー)の誘拐

 信用調査を依頼された小五郎はコナン、蘭と共にバッグや装飾品の店、ニジムラを訪れる。その時、依頼者の社長、仁地村正平(にじむらしょうへい)が誘拐される事件が発生。人質事件を専門に扱うSIT(警視庁捜査一課特殊犯捜査係)の葛城健三(かつらぎけんぞう)警部が現場に駆け付ける。妻で副社長の仁地村沙希(さき)は郵便受けに入れられた犯人の手紙を葛城に差し出す。犯人は身代金として1億円を要求。1億円を入れたニジムラのバッグを沙希に持たせ、指定した電車に乗り、指定した駅で下車しろと書かれていた。  沙希はニジムラの悪質なコピー商品が出回り、訴訟の準備を始めた事を告白。沙希は逆恨みしたコピー業者の犯行と考えていた。早速、沙希はレインボーカラーのバッグに入れた1億円を用意。小五郎がバッグを持とうとすると、沙希はバッグを引き寄せ、自分が持つと断る。この時、コナンはバッグが壁にぶつかり、鈍い音を立てた事に違和感を抱く。この後、沙希は指定された電車に乗り、葛城、小五郎、コナン、蘭も同じ電車に乗り込む。  電車は指定された駅に到着。沙希は下車した際、乗降客に紛れた犯人から紙片を受け取る。沙希は乗り換えろという犯人の指示に従って別の電車に乗り込み、小五郎らも後に続く。コナンは隙を見て紙片を確認。紙片には鉄橋の中央で身代金のバッグを落とせと書かれていた。そして電車が鉄橋を渡り始めた直後、沙希はバッグを外に落とす。バッグが川の上流に沈んでいくと同時にダムの放流が始まり、コナンらは下車して下流に向かう。  下流で発見される空のバッグとシュノーケル、ゴーグル。すでに身代金は犯人に回収されていた。翌日、殺害された正平が発見される。解剖の結果、正平は誘拐直後に殺害されていた事が判明。コナンは現場写真を見て、車中の遺体と助手席背もたれ上部の擦れた跡に注目する。TVでは沙希の社長就任会見が放送される。沙希はコピー商品の取り締まり強化を宣言。気丈に振る舞う沙希を見た小五郎は犯人逮捕の決意を新たにする。小五郎はコナン、蘭と共に身代金受け渡しの一連の流れを再検証する事に。鉄橋の前の河川敷にやってきたコナンはこれまでの事を回想、鉄橋の上にかかった虹を見て事件の真相に気付く…。

第02話
(563話)
探偵団VS強盗団(騒然)

 FBI捜査官のジェイムズ、ジョディはキャメルの誕生日を祝うためにお店でお酒を選ぶ。キャメルは死んだ赤井秀一の話題を出し、ジョディは感情を露わにしてお店の外へ。そこに赤井に酷似した男が現れ、ジョディはその男の後を追う。その時、ジェイムズに声をかけられるジョディ。ジェイムズらは日本円の持ち合わせがなく、酒が買えなかったという。ジョディは男の事を気にしつつも、近くにある、ていと銀行でお金を下ろす事に。  その頃、コナン、少年探偵団、哀、阿笠博士は、ていと銀行にいた。光彦がお年玉を貯金するのでやってきたのだ。この後、元太が突然腹痛に見舞われ、阿笠と哀は薬局へ胃薬を買いに行く。そしてジョディがATMに列んでいると行内に銃声が響き渡る。目出し帽にジャンパーを着た5人組の銀行強盗が威嚇して発砲したのだ。元太に付き合ってトイレに来ていたコナンらの耳にも銃声が届く。強盗はシャッターを閉めろと行員に言い放ち、知り合いや連れと一緒に固まり、携帯電話を用意した袋に入れろと客にも命令する。  ジョディは横の客を見ると、なんと先ほど見た赤井に似た男!ジョディは声をかけるが男は無反応。男の頬には火傷の跡があり、ジョディは、炎上した車から脱出した赤井がショックで言葉と記憶を失ったと推理する。ジョディは強盗を一掃し、男をFBIの仲間のもとに連れて行く事に決める。強盗はケースに現金を詰めろと支店長に命令し、1人で来た客に他の客たちの目と口をガムテープで塞ぎ、両手を後ろで縛るように指示する。  その時、ジョディはトイレに行きたいと強盗に頼み、強盗の1人と一緒にトイレへ。ジョディは隙を突いて膝蹴りを入れ、強盗を気絶させる。そんなジョディに声をかけるコナン。その後ろから歩美、光彦、元太も顔を出す。ジョディは強盗たちの不可解な行動をコナンに伝える。その時、様子を見に来た強盗2人がスタンガンをジョディの首筋に放ち、ジョディは気を失ってしまう。強盗は気絶した仲間を見つけるが、時間がないと見放す。強盗がジョディを連れて立ち去ると、個室に隠れていたコナンが姿を現す。コナン、歩美、光彦、元太は残り4人の強盗をやっつけようと1つになるが…。

第03話
(564話)
探偵団VS強盗団(沈黙)

 支店長はお金を用意できたと強盗に伝える。強盗の1人は少ないと怒りつつも指示が書かれたメモを支店長に手渡す。他の強盗は知り合いがいない客に自分で目と口をガムテープでふさげと命令した後、客の両腕をガムテープで縛っていく。その時、強盗の携帯にトイレで気絶した強盗から連絡が入る。だが、これは変声機を使って強盗になりすましたコナンだった。コナンは迎えに来て欲しいと強盗の1人をトイレに誘き出す。  コナンはトイレにやってきた強盗に声をかけると走って逃げていく。強盗はコナンを追い掛けて廊下の角を曲がった直後、床に並べられたトイレットペーパーに足を取られ、床に頭を打ち付ける。コナンは気絶した強盗にすかさず麻酔銃を撃ち、少年探偵団と協力して強盗1人を退治。光彦らはトイレットペーパー作戦の成功を喜ぶ。コナンは退治した強盗の携帯で別の強盗を再び誘き出そうと考えるが、強盗の携帯にそれらしい履歴はない。  コナンは強盗が時間を気にしていた理由を推理するため、ジョディから聞いた強盗グループの行動を整理。強盗が客を連れや知り合いで分け、現金をトランクに入れる作業を支店長1人にやらせた理由を考えた後、コナンは倒した強盗が目出し帽を被っていなかった事から強盗の狙いに気付く。その頃、銀行の外では機動隊員たちが突入の準備を完了。警察は銀行内の電話に連絡して強盗と話そうと試みるが、電話はずっと話し中になっていた。  強盗グループが人質になった客に成り済まして銀行を脱出するつもりだと光彦らに教えるコナン。強盗たちは自分たちが着ていたジャンパー、目出し帽を5人の客に着せ、強盗グループに見せかける算段だった。さらにコナンはトランクの中身を爆弾と睨む。現金もろともトランクを爆破し、強盗グループに見せかける5人と支店長、ジョディを爆死させるのが強盗の狙い。警察に犯行は失敗に終わったと思わせたいのだ。コナンは強盗が支店長にネット上で多額の現金を外国の口座に振り込ませていると推理する。コナンが光彦らに強盗の狙いを話した時、強盗がその推理通りの行動に出る。コナンは光彦、元太、歩美に指示を出して強盗グループの計画を阻止しようとするが…。

第04話
(565話)
見てない目撃者

 理髪店に入店した小五郎は椅子に座って散髪を頼む。隣の先客は胸までエプロンをかけ、顔にはタオルを載せていた。マスクをかけた店主は小五郎の顔にシャボンを塗り、タオルを載せる。そして音楽が聞こえたと思うと大音量になる。その時、物音が響き、小五郎は驚いて跳ね起きる。先客は床に倒れた店主の海老原(えびはら)に声をかけているがすでに絶命。胸にはダーツの矢が刺さっていた。先客と店主はダーツクラブの仲間だという。  小五郎は窓の外から矢が飛んできたと推理。矢の先には毒が塗られていた可能性が高い。窓の外には基礎工事中の小さなビルがあり、その先の空き地では元太と歩美が遊んでいて、丁度コナンが小五郎を捜してやってくる。この後、目暮警部らが捜査を開始。先客の時計商、野田正男(のだまさお)の他にダーツ仲間のリネンサービス、島崎望(しまざきのぞみ)と薬剤師、小池達太郎(こいけたつたろう)も現場に駆け付ける。  4人はダーツの賭けにハマっていて、昨夜は海老原の一人勝ち。皆はイカサマっぽい勝ち方に頭にきていたという。島崎は海老原が野田に店の資金を貸していたと証言し、野田は島崎が会社のお金を着服していたと暴露する。小池は麻薬を扱っていると海老原に言われていたという。入店時、窓は閉まっていたと証言した小五郎は窓を開けた海老原に犯人が矢を投げたと推理するが、元太らは外に怪しい人がいなかったと証言する。  コナンは2本の矢が放たれ、1本が大きく逸れて棚の上にある事に違和感を抱き、シャンプー台の鏡に正対する時計が変な事にも気付く。それは鏡を見て時間が分かるように左右が逆転した理髪店専用のあべこべ時計だった。野田はその時計を昨夜納品したと告白する。この後、目暮は犯行時刻の午後6時から6時半までのアリバイを確認。島崎はガソリンスタンドで喋っていたと証言。小池は調剤室の2階の部屋にいたという。  そこに光彦が現れ、夕方店の前を通り、店に入る島崎を見たと証言。その時、店の時計は5時50分だったという。島崎は文句を言いに来たが、すぐに帰ったと身の潔白を主張する。コナンは外に出て店内を見た後、店内に戻って壁に何かがかかっていた跡を発見。続いてコナンはあべこべ時計と小五郎が座っていた椅子を見て誰が犯人かに気付いて…。

第05話
(566話)
相棒はサンタさん

 石川茂子(いしかわしげこ)はクリーニングの配達中、ヘルメットを被った何者かに背後から突き飛ばされ、偶然通りかかったコナンと小五郎はその光景を目撃する。茂子はこの4、5日、身の回りで不審な事が続いていると告白。小五郎は茂子が美人だったため、茂子の護衛を買って出る。コナンは事務所でサンタという茂子の子供のお守りをする事に。コナンはサンタをトイレに連れて行き、サンタはお礼として溶けた飴をコナンにプレゼントする。その時、小五郎が慌てて事務所に戻ってくる。何者かがお得意さんの家に先回りして茂子を拉致したという。  この後、犯行に使われた盗難車が発見される。車内には茂子のバッグの中身である顧客の台帳や現金が散乱していた。高木刑事は現金に手を付けていない事から、金目当ての犯行ではないと判断。小五郎は茂子が抵抗した拍子にバッグの中身が散乱したと考え、犯人は茂子に想いを寄せていたと推理する。だが、コナンは犯人が好きな人を突き飛ばした事に違和感を抱く。コナンは犯人がバッグの中身を物色したと仮定し、茂子の自宅も調べる事に。コナンの思った通り、茂子の家は何者かに侵入された形跡があり、タンスなどが物色されていた。  コナンは部屋の壊れた時計から、犯人は茂子を拉致する前に家を物色したと推理する。そして、コナンが部屋に落ちている鳥の羽を発見した時、上の階に住む大学生の森脇実(もりわきみのる)が現れる。森脇はガチャガチャと呼ばれるプラケースに入った人形をサンタにプレゼントする。コナンが鳥の羽を見せると、森脇は図鑑を調べてその羽がメジロの羽と判明。図鑑にはメジロに似たメグロという鳥も載っていた。森脇は以前サンタにプレゼントしたメジロの人形がなくなっている事に気付く。するとサンタは何人かの友達にプレゼントしたと告白。コナンはサンタの案内でその友達らの家を訪ねる事に。  そして、飴をくれたという山中敏彦(やまなかとしひこ)の家にやってきたコナンら。コナンは窓から室内を覗き、今日の5時にお店というメモを発見する。この後、サンタがゴミ箱の上から転落してゴミ箱の中身が散乱。コナンはゴミの中からパパイアの破片と古くなったメジロの人形を見つける。隣人の加藤トミ(かとうとみ)によれば、山中は以前ペットショップを経営していたという。コナンらが山中のペットショップを訪ねると…。

第06話
(567話)
露天風呂に降る殺意

 海沿いの道をレンタカーで走行中に見つけた温泉パークに立ち寄る小五郎、コナン、蘭。ロビーでは不動産会社社長の梅津英章(うめづひであき)と温泉パーク支配人の前川浩一(まえかわこういち)が言い争っていた。そこに梅津の長女、江原麻麗(えはらまり)と二女の梅津泰子(やすこ)、そして秘書の八木橋生輔(やぎはししょうすけ)がやってくる。温泉パークの買収を考える梅津は嫌がらせのため、ここ一週間、貸切の露天風呂を毎晩予約しているという。  午後7時、前川は8時2分の干潮より前にタコを突きに岩場へ向かう。小五郎はコナン、蘭と温泉パークへ入るが、ビールを飲むため、2人より先に風呂から上がり、コナンも蘭より先に風呂を出る。7時30分、前川はロビーのレストランに来た小五郎、コナンに漁師だった事を告白。1年前に父親が急死し、前川は温泉パークの経営者に。その時、遠くで何かが水に落ちる派手な音。前川は音がした崖下にある貸切露天風呂を見てくるように従業員に指示を出す。  従業員は悲鳴を上げ、コナンらも現場に駆け付ける。そこでは頭から血を流した梅津が湯船に浮かんで絶命していた。コナンは梅津の両手の爪がギザギザで茶色い事に気付く。この後、静岡県警の横溝参悟警部らが捜査を開始。派手な音がしたのは8時。湯船には大きな石の塊があり、小五郎は崖の上の石が落ちて梅津に当たった事故だと推理する。コナンは風呂場が使われていない事に違和感を抱く。横溝らは崖の上を調べ、誰かが石を引き抜いた跡を発見する。小五郎は事故に見せかけた殺人事件だと推理を訂正。犯人は崖から石を落として梅津を殺害したと推理する。  八木橋は前川を疑うが、小五郎は8時に前川がレストランにいた事を証言する。麻麗は泰子と八木橋には殺害動機があると告白。2人は梅津に結婚を猛反対されていたという。すると泰子は麻麗の旦那が事業に失敗して借金まみれだと暴露。泰子は梅津の財産を狙った麻麗の犯行と疑う。麻麗は犯人と疑う八木橋を温泉バッグで殴りつける。その時、バッグからタオルが落ち、小五郎はタオルの表面に残る緑色の痕に気付く。小五郎は指紋がつかないようにタオルを使って石を投げたと麻麗を疑うが、麻麗はタオルに見覚えがないと主張する。この後、蘭と会話して何かに気付いたコナンは貸切露天風呂の外にある小さな船着場へ行き、犯人のトリックを見破って…。

第07話
(568話)
白鳥警部、桜の思い出(前編)

 非番の白鳥警部は映画館でコナン、少年探偵団、哀とバッタリ会う。白鳥警部は間違ってチケットをネット購入し、コナンらと同じ特撮映画を観る事に。コナンは佐藤刑事を諦めた方が良いとアドバイスするが、諦められないと白鳥。佐藤は白鳥の人生を変えた運命の人らしく、白鳥は小学生の頃を回想する。当時、白鳥は書店で漫画を万引きしようとしていた高校生に注意する少女と出会う。白鳥が協力して万引きを阻止すると、少女はお礼として紙コップにストローの包み紙で作った桜を巻き付けたジュースを白鳥に渡す。少女は警察の人がつけている勇士の印と桜について説明。白鳥はこれをきっかけに刑事を目指す事に。佐藤刑事はその少女にそっくりなのだ。  コナンらの席は中央通路際の後方の一列目、白鳥の席は通路を挟んでコナンらの目の前だった。白鳥はサングラスに帽子姿の笠倉那海(かさくらなみ)とぶつかってジュースをこぼしてしまう。謝罪して代わりのジュースを買ってくる那海。白鳥は紙の桜が巻かれた紙コップを那海から渡されて驚く。そして那海が白鳥の左側の席に座ると歩美が声を上げる。歩美は発券機の上に財布を忘れた那海に声をかけ、仲良くなっていた。白鳥は那海との出会いに運命的なものを感じる。  上映中、コナンは那海の帽子が光っている事に気付き、携帯電話の着信の光と察する。上映後、那海は白鳥が刑事だとわかるとストーカーに狙われている事を告白。白鳥はコナンたちと那海のマンションへ向かう。那海は部屋に心配した彼氏がいると明かし、白鳥はショックを受ける。そして玄関を開けた那海は驚愕。部屋では携帯電話を手にした彼氏の染井芳郎(そめいよしろう)が絶命していた。検視官によれば死亡時刻はこの日の午後2時。殺害方法は撲殺だという。  目暮警部はストーカーの犯行と睨みつつ那海の事も疑う。死亡時刻は隣りで映画を観ていたと那海を擁護する白鳥。だが映画館から自宅までは車で5分足らず。目暮は劇場から抜け出せば犯行は可能だと考える。白鳥は途中で寝てしまい、那海が席を立ったかわからないと明かす。この後、染井が2時頃に那海に電話をかけていた事が判明。那海は上映中に着信があって切ったと明かす。白鳥は電話も寝ていて気付かなかったという。この後、光彦らは映画のビックリしたシーンの話題で盛り上がり、那海も話に加わる。だがコナンは那海の的外れな発言が引っ掛かって…。

第08話
(569話)
白鳥警部、桜の思い出(後編)

 目暮警部らは那海の部屋を調べるが、ストーカーの痕跡を見つける事ができない。この後、目暮は映画館を調べている高木刑事から連絡を受ける。上映中、多くの人がトイレに立ったらしく、その中に那海がいたかはわからないという。白鳥警部は映画館のゴミ箱を調べ、紙の桜が巻かれた紙コップを見つけて欲しいと高木に頼む。高木がその紙コップを見つけると、白鳥はゴミ箱の他の紙コップと一緒に鑑識に回して指紋と飲み物の成分を調べて欲しいと指示を出す。  白鳥は別の指示も出そうとして言葉を飲み込み、不思議に思うコナンと哀。哀はきれいな那海が犯人である証拠を見つけたくないからと予想し、コナンは捜査に私情は禁物だと白鳥に伝える。白鳥は自分の過ちを認め、すぐに高木に連絡を入れる。白鳥は真っさらなストローの包み紙と白鳥の紙コップに巻かれた包み紙の桜の長さを高木に調べてもらう。白鳥は桜を作った包み紙の方が少し短い事を願うが、どちらも同じ長さと判明。この結果に白鳥はショックを受ける。  目暮は何者かにストーカーされていたという那海の証言を踏まえ、那海が映画館で映画を観ている最中にストーカーが部屋に侵入して彼氏の芳郎を殺害したと考える。目暮は署に行って事情聴取をしたいと那海に伝える。すると白鳥は殺人事件の被疑者として出頭してもらいたいと訂正。続けて白鳥は芳郎を撲殺した犯人は那海だと言い放つ。元太らは那海の携帯に着信があり、その時、携帯が光って帽子を照らしたと那海が映画館にいた事を証言する。だが、コナンは那海本人を見た訳ではないと反論、携帯の光に照らされたのは帽子を被らされた白鳥だと主張する。  白鳥は那海が肘掛けのカップホルダーの上に携帯を置いていたと推理。着信した時、手の位置で携帯が光るからだ。続いて白鳥は自分と那海の両脇が空席だったと説明、周りに行動がバレないように那海が両脇の席を購入したと睨む。さらに白鳥は後ろの席のコナンたちにアリバイの証人になってもらうために那海がわざと財布を置き忘れたと続ける。目暮は白鳥が偶然眠らないとこの犯行はできないと指摘。だが、白鳥は那海がジュースを渡す前に睡眠薬を入れたと推理を伝える。すると那海は白鳥の紙コップの中身を調べて欲しいと身の潔白を主張。この後、白鳥が紙コップに巻かれた紙の桜の花びらを記念に1枚千切った事を明かすと、那海は動揺して…。

第09話
(570話)
立証確率ゼロの犯罪

 買い物に来たコナン、小五郎、蘭はカフェテラスにいる美女、高畑響子(たかはたきょうこ)を見かける。2時間後、コナンらがカフェテラス前を再び通りかかると、響子は携帯片手に崩折れていた。心配した小五郎が声をかけると、響子は警察から自宅で人が死んでいるという連絡があった事を告白。亡くなっていたのは響子の妹、副島栞(しおり)の夫である副島逸郎(そえじまいつろう)。逸郎は千葉刑事の大学時代の友人だった。  死亡推定時刻は30分前。留守中に響子の自宅に上がって酒を飲んだ逸郎は保管庫から猟銃と弾丸を持ち出し、それが暴発した事故と考えられる。響子によれば、逸郎はいつもお酒で仕事がダメになり、栞に苦労をかけていたという。半年前に栞が病死すると逸郎の酒癖は特に酷くなり、響子が紹介したフィットネスクラブや射撃場に酔って出入りして迷惑をかけたという。すると千葉は必死に酒をやめようとしていたと逸郎を擁護する。  コナンは逸郎が財布も携帯も持っていない事を不審に思う。響子は合鍵を使って逸郎が自宅に入ったと推理。保管庫の鍵は古く、誰でも開けられる状態だったという。そして目暮警部が事故と判断した時、コナンは小さなアクセサリーを発見。千葉は逸郎が栞とお揃いで携帯に付けていたアクセサリーと説明する。コナンはトラブルが射撃場やフィットネスクラブだけではないと推理。千葉が調べると、逸郎は半年間で飲酒が原因による事故、事件を9回も起こしていた事が判明する。後処理は響子が全て引き受けていたという。  コナンの脳裏に未必の故意という言葉が過ぎる。未必の故意とは、ある行為が犯罪の被害を生むかも知れないと予測しながら、あえてその行為を行う心情の事。コナンは酒癖の悪い逸郎に生命を落とすかも知れない状況を提供した響子に悪意と殺意があったと睨む。この後、コナンと千葉は逸郎のアパートを調べ、充電中の携帯を発見する。少し前まで誰かがここにいたのだ。仏壇の前では亡くなった栞の携帯が充電中だった。部屋には物色した形跡があり、千葉は近くで逮捕された空き巣の犯行と睨む。コナンは栞の携帯の開閉部にキラキラした小さい粒を発見した後、携帯のメール履歴を見て事件の真相に気付く…。

第10話
(571話)
もののけ倉でお宝バトル(前編)

 白鳥警部は帝丹小を訪ね、戸締まりに気をつけて欲しいと小林先生に注意を促す。今月に入って宝石店やアンティークショップを狙った盗難事件が5件も発生しているのだ。下校中、コナンと少年探偵団、哀はクラスメイトの琢馬(たくま)の話題を話す。親戚の家で友達とかくれんぼをしていた琢馬は木に登って倉の窓から中を覗き、大量に置かれた骨董品や美術品、そして人影を見たという。倉には鍵がかかっており、親戚に扉を開けてもらった琢馬。だが、倉は何十年も開けていなかったらしく、室内は空っぽだったという。  その倉はもののけ倉と呼ばれ、大切な物を置くと、たちまち消えてしまうというのだ。倉が妖怪に変化して大きな口を開く姿を想像して怖がる歩美ら。ショックを受けた琢馬は毎晩悪夢にうなされ、この日も学校を欠席していた。そこに小林先生がやってきて、少年探偵団で倉の謎を解いて琢馬を安心させてあげようと提案。コナンらは謎を解くため、倉を調べてみる事に。コナンが準備している間、事務所で待つ少年探偵団と哀。哀は元太らがコナンに頼り切っている事を注意し、たまには活躍してコナンを驚かせたくないのかとたきつける。哀の言葉に刺激を受けた元太らはコナンに一泡吹かせようとやる気満々に。  コナンらは琢馬の親戚である家主に事情を説明し、倉の中を調べさせてもらう。家主によれば倉は幕末頃に建てられたものだという。張り切る元太らは携帯で倉の写真を撮りまくる。そして薄暗い倉の中に入ったコナンは床の真ん中にだけ大人の足跡がある事に気付く。足跡の先にある壁には大きなソロバンのようなモノが埋め込まれていた。  倉の扉を一端閉めた後、コナンらは琢馬が覗いたという問題の窓を確認する事に。代表して木に登ったコナンは窓から倉の中を覗いてギョッとなる。倉の床一面が骨董品や美術品などのお宝で埋め尽くされていたのだ。大至急、コナンらは家主にもう一度倉の扉を開けてもらう。だが、倉の中を見て呆然となるコナン。さっきまであった骨董品や美術品が消えていたのだ。コナンは床か天井にお宝を消し去る仕掛けがあると推理。コナンの推理を裏付けるように光彦が倉を出る時に床と壁に立て掛けた探偵団バッジは消えていた…。

第11話
(572話)
もののけ倉でお宝バトル(後編)

 お宝を消し去る倉の仕掛けを探すコナン、少年探偵団、哀。コナンは出入り口の扉の真上にある神棚、奥の壁に埋め込まれたソロバンに注目する。コナンがソロバンの珠を1つ動かすとゴーッという音が倉に響き渡り、続けて、その下の珠を動かすと珠は元の場所に戻ってしまう。哀はソロバンが何かのスイッチで、間違った珠を動かすとリセットされると推理する。そして外に出ようとしたコナンは扉の切れ目と入口の階段に違和感を抱く。  この後、小林先生からコナンの携帯に連絡が入る。コナンは小林が的確な推理をする光彦らに入れ知恵していると考える。だが小林は違うとそれを否定。コナンは阿笠博士に連絡して同じ事を訊くが、阿笠も違うと否定する。コナンは再び木に登って窓から倉の中を見て、床が少し遠くなったと感じる。その時、光彦の探偵団バッジが床に落下。元太たちが天井にいる化け物が投げたと騒ぐ中、コナンは天井と窓の下の壁を見て何かに気付く。  コナンはカラクリ師の三水吉右衛門が倉を建てたのかと家主に確認。家主が認めるとコナンは警察の手配を家主に頼む。そして連絡を受けた捜査3課の百瀬(ももせ)警部が現場に到着。コナンはこの界隈を荒らし回っている窃盗犯が倉の中にいると百瀬に伝える。すると、光彦は倉には仕掛けがあると百瀬に説明。入口の階段は4段だが、倉の中に降りる階段は5段。しかも中の階段は段差があり、倉の中は地面より大分深くなっているのだ。  続けて光彦と歩美は倉の外にいる元太に合図を出す。元太が窓を開けて顔を出すと百瀬は驚きの声を上げる。何と、窓の下に同じような窓があるのだ。光彦は窓の下の板の部分に切り込みを入れ、倉の中の光が漏れないようにしていると説明。その切り込みに合わせて内側に窓をつけ、本物の窓のように見せかけていたのだ。  入口の神棚は天井が低いと気付かれないための目隠しと推理を続ける光彦。天井裏には謎の空間が存在しているのだ。コナンは光彦らの推理の正確さに驚きつつ天井の動かし方を訊ねる。光彦は動揺しながら携帯のメールを読み始め、内容を聞いたコナンは誰が光彦らに助言しているかに気付く。そしてコナンは自ら天井を動かすトリックを暴く…。

第12話
(573話)
恥ずかしいお守りの行方(前編)

 帝丹大学2年の国末照明(くにすえ・てるあき)を捜して東京にやってきた平次と和葉。国末は大阪の実家に帰った時、隣に住む和葉にテニスの大会で勝つため、お守り作りを頼んでいた。後日、和葉が合気道の練習中にお守りを取りに来た国末。ところが平次は和葉が大切にしているお守りの方を間違って国末に渡してしまったという。国末を探すものの、数日前から行方不明らしく、平次と和葉はコナン、蘭と共に帝丹大学を訪ねる事に。  テニス部の学生によれば、国末は練習中に左手首を骨折し、友人の部屋に泊まっているという。コナンらは友人の部屋を訪ねるが国末は不在。国末はスポーツ観戦に出掛け、ツキが戻ったから証拠を見せると興奮気味に連絡してきたという。国末は友人をスポーツカフェに呼び出したらしく、コナンらも一緒に行ってみる事に。途中、和葉はお守りの中に平次の写真を入れている事を蘭に打ち明け、平次にバレる前に取り戻したいという。  向かったカフェでは傷害事件が発生。高木刑事によれば、国末はトイレで何者かに襲われ、意識不明の重体だという。国末が殴られたのは午後7時55分から8時5分の間。8時には開店1周年を祝って皆でクラッカーを鳴らした。客全員にクラッカーを渡し始めた8時5分前、国末はトイレに立ったという。店員はクラッカーを鳴らしても戻らない事を心配してトイレへ行くと頭から血を流した国末を8時5分に発見したというのだ。  そして8時前から店のレジの調子が悪く、店から出た客はいないと判明。犯人が店内にいるとわかったコナンと平次はすぐに犯人を見つける事ができると高木に伝える。この後、高木は3つ数えるので、お祝いの証拠を持ってきて欲しいと客たちに伝える。高木が3つ数えると、客たちは一斉にしゃがみ、床に落ちたクラッカーの中身を拾い始める。  だが、薩摩和雄(さつま・かずお)、春藤健吾(はるふじ・けんご)、久間卓哉(きゅうま・たくや)の3人だけは立ったまま。クラッカーを鳴らした後、店員はすぐにクラッカーを回収。クラッカーを鳴らした客なら中身のテープや紙切れを拾い始めるはず。3人は皆とクラッカーを鳴らしていないのだ。国末を襲った犯人はこの3人に絞り込まれる…。

第13話
(574話)
恥ずかしいお守りの行方(後編)

 財布、携帯、タバコが入ってパンパンだった国末のジーパンの後ろ右ポケット。左手首を骨折していたとは言え、高木刑事は上着の右ポケットが空だった事を不審に思う。凶器はトイレにあったモップだったため、高木は衝動的な犯行と推理。スポーツ観戦中に国末と犯人がトラブルになったと考え、容疑者3人に話を聞く。薩摩は相撲、春藤はビーチバレー、久間はサッカーを観戦したと証言。どの試合も興奮する内容という共通点があった。 平次らは国末がどの試合を観戦したかを考える。店内のテレビではプロ野球のデーゲームを報じるニュースが流れていた。そのテレビを見た和葉は犯人がウソをついたと推理し、本当はプロ野球の試合でトラブルになったと睨む。その時、久間がテーブルを片付けようとする店員に激怒。久間は、まだ残っているのにポップコーンの容器を下げようとする店員を注意し、春藤も薩摩も自分たちの食べ物と飲み物を下げないように頼む。  平次によれば、そのプロ野球の試合はただの凡戦。エラーばかりで、9回裏に負けているチームの選手がホームランを打ったが、国末が興奮して友人に連絡する程の試合とは考えにくいという。そして何の進展もなく、途方に暮れる蘭。すると、コナンと平次は、犯人はもうわかっていると明かす。コナンらは犯人と裏付ける証拠を探っているのだ。その時、店内のテレビに昼間行われたゴルフの優勝が決まった時の映像が流れる。コナンと平次は、観客に向かってウイニングボールを投げる選手の映像を見て事件の真相に気付く。  コナンは犯人の証言がおかしかったと指摘し、皆で容疑者3人の発言を思い出してみる事に。相撲を観戦した薩摩は「いい勝負だったけど、私は負けた赤青龍のファンだったから、悔しかったがね」、ビーチバレーを観戦した春藤は「接戦続きで楽しかったよ。まあ、ポロリを期待しちまったけどなぁ」、サッカーを観戦した久間は「僕はビジターのビッグ大阪のファンだったから、勝ってグラウンドで抱き合うビッグの選手たちに肩身のせまい思いで拍手してたけどね」と証言していた。コナンは犯人の発言の不可解な部分を指摘し、平次と共にウソをついた犯人を追い詰めていく…。

第14話
(575話)
黒きドレスのアリバイ(前編)

 コナンと小五郎は蘭、園子の買い物に付き合う事になり、4人は買い物前に新宿の喫茶店に立ち寄る。その時、ゴスロリの服を着た女性が入店してくる。間もなく、その女性は店の外へ。店員によれば、彼女は待ち合わせの友人が来ないため、店の外にあるトイレに行ったという。時刻は午後1時12分だった。この後、彼女の友人である庄堂唯佳(しょうどう・ゆいか)がやってくる。店員は唯佳に友人がトイレに行っている事を教えて席に案内。唯佳はメニューをぶつけてコップを割ってしまい、慌てて濡れたテーブルと席を拭く。  喫茶店を出たコナンらは原宿へ移動。蘭と園子はコナンと小五郎を外で待たせ、服選びに夢中になる。そして次の店に向かう途中、外国人が持つソフトクリームが蘭と園子の背中にベットリと付着。コナンは瞬時に強盗グループの手口と見破り、外国人は仲間と共に大慌てで逃げていく。服が汚れてしまった蘭と園子は公園のトイレで買った服に着替える事に。だが、女子トイレは長蛇の列。個室から30分以上出てこない人がいると聞いた園子は壁をよじ登って中を確認。中では喫茶店にいたゴスロリ嬢が絶命していた。  絞殺された被害者は久瀬未紘(くぜ・みひろ)で、死亡推定時刻は昼の12時半から1時半の間。小五郎はこれまでの経緯を目暮警部に説明し、未紘と待ち合わせしていた唯佳に疑いは向けられる。未紘の携帯電話を調べた高木刑事はこの2時間の間、10分おきに誰かから着信があった事を明かす。その時、未紘の携帯に同じ番号から連絡が入る。目暮が携帯に出ると、相手は唯佳だった。目暮は唯佳を現場に呼び出し、話を聞く事に。  未紘が殺害されたと聞いて驚く唯佳。唯佳は未紘が喫茶店に戻らなかったため、10分おきに連絡したと証言する。そんな中、園子は未紘が爪に何もつけていない事に違和感を抱く。ゴスロリの場合、爪は黒か白にするのが決まりなのだ。コナンらは店員に話を聞くため、喫茶店に向かう。店員は唯佳がずっと喫茶店にいたと証言。喫茶店から公園のトイレは往復30分以上かかるため、小五郎は唯佳の犯行は不可能と考える。だが、コナンはゴスロリの濃いメイクに注目し、喫茶店に来たゴスロリ嬢が本当に未紘だったかを疑う…。

第15話
(576話)
黒きドレスのアリバイ(後編)

 目暮警部は喫茶店に来たゴスロリ嬢が本当に未紘だったかを確かめるため、未紘が手に取ったメニューの指紋を調べようとする。その時、唯佳は未紘の指紋はついてないと発言。続けて唯佳はコップの水をひっくり返し、メニューを拭いた事を伝える。唯佳はその時に未紘のコップが割れてしまったと明かし、それを聞いた小五郎はまだゴミ箱に割れたコップがあると考える。目暮はそのコップを鑑識に回して指紋を調べるように指示を出す。  この後、唯佳は未紘が着ていた服を扱うショップに案内すると申し出て捜査に協力。店員は未紘の運転免許証を見て、昨日の夕方に未紘が1人で服を買いに来たと証言する。店員によれば、未紘が着ていた服は昨日売り出した店のオリジナル商品で、昨日の内に完売したという。唯佳を疑う小五郎はその服を買った客の中に唯佳はいなかったかと店員に確認。すると、唯佳は買えるわけがないと主張し、昨日は出張先の福岡にいたと証言。今日の昼に羽田空港に着いて、そのまま新宿の喫茶店に行ったという。  目暮たちが店員に話を聞いてる間に蘭と園子は更衣室を借りて買った服に着替える。コナンが2人とも同じ服を着ている事に驚くと、園子はこのファッションについて説明。コナンは園子の言葉を聞いて何かを閃く。その時、目暮の携帯電話に割れたコップから未紘の指紋が出たという連絡が入る。アリバイが証明された唯佳は解放してほしいと言って腕時計を確認。唯佳は一瞬動揺して携帯の時刻を見る。コナンはこの姿を見て何かに気付く。  コナンは公園のトイレを現場検証中の高木刑事に連絡し、妙にキレイな部分はないかと訊ねる。高木はコナンの指示に従って隣の個室も調べ、トイレットペーパーのカバーだけキレイな事に気付く。目暮が帰ろうとする唯佳を必死に引き留めると、小五郎は唯佳が無実である事を訴え、これまでの事件の流れを振り返る。そして小五郎がコップから未紘の指紋が出た事実に触れると、コナンは未紘がコップに触ったのに何で飲まなかったのかと疑問を提起。何故か、コップに未紘の口紅がついていないのだ。この後も疑問を次々に口にするコナン。唯佳が動揺すると、コナンは小五郎に麻酔銃を発射して解決劇が始まる…。

第16話
(577話)
ホタルが灯した真実

 夜、村を流れる川のほとりでホタル狩りの開始を待つコナン、少年探偵団、哀、阿笠博士。阿笠の友人、宮司の小和田道武(おわだ・みちたけ)はホタルを運んでくる村長の息子、中嶺徳郎(なかみね・とくろう)と携帯で話している。中嶺はあと5分で着くという。洞窟の中にある神社本殿が観光客を集めたのは昔の話。ホタル狩りは道武が思いついた村おこしの切り札だった。ホタル狩りの資金集めは難航し、道武の娘、小和田葵(あおい)に好意を抱く中嶺が資金集めに協力。だが、葵は中嶺との結婚を拒否したという。  この後、中嶺と助手の垂水修一郎(たるみ・しゅういちろう)が乗ったトラックが橋の下に到着。中嶺はトラックの中から指示を出し、運転席から降りた垂水が荷台の幌を開く。すると、ホタルの群れが川や林に向かって飛び立っていく。皆がホタル鑑賞に夢中になる中、道武は垂水に中嶺の居場所を訊ねる。垂水は自分も探していると言って中嶺の携帯に連絡するが…。中嶺と電話で話した垂水は動揺。中嶺は苦しそうに「エボシ岩だ、助けて」と言ったという。コナン、道武、垂水は阿笠の車に乗って川上にあるエボシ岩へ向かう。  一行はエボシ岩の前に停まっている車を発見し、猛然と車に向かって走る垂水。車内では中嶺が絶命していた。コナンは中嶺の口から漂うアーモンド臭に気付く。中嶺は青酸系の毒を飲まされたと思われ、足元には栄養剤のビンが転がっていた。その時、垂水は車内と飛んでいるホタルに気付く。道武によれば、中嶺は村一番の名家の息子、柏達馬(かしわ・たつま)に恨まれていたという。資金集めの際、強引に寄付を迫ったのだ。だが、柏家は破産寸前。道武は幼馴染みの達馬との仲を察して結婚には反対だと葵に念を押す。  翌日、栄養剤のビンは中まで洗ってあった事が判明し、毒入りのビンは犯人が持ち去ったと推理される。被害者はいつも同じ栄養剤を数本常備していたという。村の刑事、鳴滝壮一(なるたき・そういち)は葵と達馬の事を犯人と疑っていた。コナンらがエボシ岩に駆け付けたのはホタルを放した30分後。その間、葵と達馬を見た人がいないという。垂水は自分が疑われていないとわかって一安心。だが、コナンは事件の真相に気付いて…。

第17話
(578話)
危機呼ぶ赤い前兆(オーメン)

 明日への希望に満ち溢れた中年男、代田恭三(だいた・きょうぞう)と偶然出会ったコナン、少年探偵団、哀。明日、代田は大阪でサッカー観戦した後、東京で旧友と10年ぶりに飲む約束をしていて、ハマっている連続ドラマの最終回や宝くじの当選発表もあるという。この後、コナンはひったくり犯に奪われた代田のバッグを取り返し、お礼にデザートをご馳走になる。この時、コナンは代田の言動から明日に関心がないと感じて不審に思う。  コナンらと別れた代田は駅のホームから電車に飛び込もうとする。その時、コナンは代田に声をかけ、自殺を思い止まらせる。保険金を孫娘の手術費に充てようとしていた代田。自殺と悟られないよう明日の予定を埋めていたのだ。宝くじで1億円を当てたが、当たりクジを無くしてしまったという。コナンは無くした時の状況を聞いて眼鏡ケースの中にそのクジがあると推理。当たりクジは眼鏡ケースの中にあり、代田はコナンたちに感謝する。  毎週送られてくる赤い長袖シャツの謎を解いて欲しいという依頼の連絡を受けた蘭。機械を通したような声で依頼主の性別もわからないという。しかも明日の昼過ぎに相談する場所として依頼主が指定してきたのは米花百貨店のスポーツ用品売場。小五郎は得体の知れない相手の依頼を断ろうとするが、蘭はポストに入っていた依頼の代金でポアロのツケを払ってしまったと告白。小五郎は仕方なく、その依頼を受ける事に。  翌日、小五郎、コナン、蘭はスポーツ用品売場を訪れるが、依頼主らしき人物は現れない。その時、コナンはFBIのジョディとキャメルを発見。ジョディは死んだはずの赤井秀一に似た人物が被っていた限定のキャップの事を店員に聞きに来たのだ。そしてコナンたちが帽子コーナーを立ち去ると、すぐに沖矢昴がやってくる。依頼主が見つからずに苛立つ小五郎はエレベーター前に置かれた紙袋に気付く。コナンが紙袋に近づくと、コート姿の男、福西に触らない方がいいと声をかけられる。福西は紙袋の中身はおそらく爆弾だと告げ、自分のコートを広げて中を見せる。コートの中身を見て驚くコナン、小五郎、蘭。福西の体にはプラスチック爆弾のようなものが巻き付けられていた…。

第18話
(579話)
黒き13の暗示(サジェスト)

 死んだ赤井秀一に似た男が帝都銀行の強盗事件の映像に映っていたという話題を話すジンとウオッカ。ジンは赤井がまだ生きていると睨む。米花百貨店地下のカフェで食事するジョディとキャメル。キャメルはトイレに行き、赤井に似た男を見かける。電話で席を外した間にコースターの端が折れている事に気付いたジョディ。コースター裏には「逃げろ!このエリアは危険だ」の文字。このメッセージを見たジョディの脳裏に赤井の姿が過ぎる。  体にプラスチック爆弾を巻き付けた福西はトイレで気絶させられ、気付いたら覆面の男に爆弾を付けられていたと事情を説明。福西は爆弾犯の指示に従い、エスカレーターや階段の前に爆弾が入った紙袋を置いたと明かす。言う通りにしないと爆発させると脅されたという。爆弾犯の要求はカバンに入っている13着の赤い長袖シャツの送り主を突き止める事。送り主はこのフロアに必ずいるらしく、客が1人でも逃げたら爆弾を爆発させるという。フロアの客たちはざわつき始め、その中には沖矢昴、赤井に似た男の姿もあった。  依頼主と同じ事を要求してきた爆弾犯。コナン、小五郎は赤い長袖シャツを調べ、送り主の手掛かりを見つける事に。宅配伝票によると、7、6、5週前に送られてきたシャツは2着ずつ。4週前は1着になり、3、2、1週前は再び2着ずつ送られていた。この後、コナンは福西のコートの肩のあたりに赤い何かが付着している事に気付く。福西は電車が混んでいたため、誰かの口紅が付着したと推理する。  蘭はシャツが入っていたそれぞれの袋の中にあるレシートを発見。全てのレシートは左右の上の部分が千切られていたが、先週のレシートだけ千切りが甘く、米花百貨店のマークが残っていた。しかも購入した時刻は全て12時29分。爆弾犯はこの購入時刻から昼過ぎの今の時間、送り主がこのフロアにいると確信したのだ。コナンは先週のレシートだけ、なぜ店を特定できる千切り方だったのかと不思議に思う。百貨店のマークが入った左上だけでなく、右上も千切っている事にも疑問を抱くコナン。この後、蘭はシャツに変な筋が入っている事に気付く。コナンは筋に合わせて畳んだシャツの形を見て何かに気付き…。

第19話
(580話)
迫る黒の刻限(タイムリミット)

 米花百貨店の前に路地に停まったジンの車。ジンは赤井に似た男が百貨店にいるという情報を入手し、出てくる所を待ち伏せしようと考えていた。ジンはキール(水無怜奈)が小細工して赤井を殺害しなかったと疑う。ジンに拳銃を突きつけられたキールは小細工なんてできないと身の潔白を主張する。その頃、地下の出口に張り付いているコルンから百貨店の中で何か起きているという連絡が入る。  小五郎は毎週日曜の12時29分に同じシャツを購入する客の事を売場の女性店員に訊ねる。だが、女性店員は印象に残るはずのその客の事を覚えていないという。その頃、コナンは全てのシャツについた折り目に注目。コナンはその折り目に合わせてシャツの袖を折り、何かの暗号になっていると気付く。この後、コナンは売場の女性店員から販売の流れを聞く。店員は客から商品と代金を預かり、奥の部屋にいるレジ係の瀬田(せた)の所へ。そして瀬田からお釣りとレシート、袋に詰めた商品を受け取り、客に渡すという。  話を聞いた後、コナンは瀬田がいる奥の部屋へ入っていく。コナンは小五郎に頼まれたとウソをつき、12月29日の雪山の遭難事故をパソコンで調べると瀬田に伝える。その事件が起きたのは10年以上前。ベテラン登山家が雪崩に遭って亡くなったのだ。「遺体未だ見つからず」という見出しの記事には亡くなった丸岡、丸岡の娘、救出された福西の写真が載っていた。コナンは瀬田に「丸岡さん」と声をかけ、お礼を言って部屋を出ていく。   送り主の狙いに気付いたコナン。だが、まだ爆弾犯の狙いがわからず、爆弾犯の出方を待ってみる事に。爆弾犯は過去に犯した犯行が絶対バレない自信を持っていた。その頃、同じフロアにいる沖矢昴も独自に推理を進め、雪山が事件に関係している事に気付く。沖矢は携帯でメールを打っている時、頬に火傷の痕がある赤井に似た男の姿に気付いて顔色を変える。客たちは痺れを切らし、早く事件を解決してくれと小五郎に詰め寄る。その時、小五郎の携帯にメールの着信。コナンはメールの内容を見て驚く小五郎に麻酔銃を放ち、眠りの小五郎の解決劇が始まる…。

第20話
(581話)
赤く揺れる照準(ターゲット)

 変声機を使い、眠りの小五郎として解決劇を始めたコナン。コナン(小五郎の声)は福西自身が爆弾犯と推理する。福西は12時29分になっても誰もシャツを買いに来ないため、自分を誘き出すための送り主の罠と察知。予め体に巻いていた爆弾とフロアに置いた爆弾で送り主を炙り出そうとしたのだ。続けてコナンは正確に12時29分のレシートを毎週もらう事は不可能と指摘し、シャツを扱っていた売場のレジ係、瀬田が送り主と推理する。  すると瀬田は13年前に雪山で福西に殺害された丸岡大作の娘、麻衣だと告白。偶然起きた雪崩により、警察は遭難事故と処理したが、瀬田は大作が当日の朝に書いた日記を読み、福西が大作を殺害したと気付いたという。日記には雄大な山頂の景色を目にすれば福西は改心すると書かれていたのだ。大作の死後には大作の汚職疑惑が発覚。瀬田は福西が会社の金を使い込み、上司の大作を殺害した揚げ句、罪をなすりつけたと推理する。  この後、福西は息子を自由にしてくれと瀬田に頼む。福西はシャツだけでなく、息子を誘拐したという脅迫の手紙も送りつけられたと明かし、息子を返してもらうために指示に従って爆弾犯になったと訴える。だが、瀬田は手紙を送っていないと反論。コナンは福西が脅迫文を自作し、送り主の罪を深める算段だったと見破る。瀬田は福西が犯人という決定的証拠を握っていると推理するコナン。送られてきたシャツ13枚を折ると手旗信号のポーズになると説明。その手旗信号は「ウメタノミタヨ」というメッセージなっていた。  だが、当日の雪山は吹雪いていて目を開けられる状態ではなかったと笑い飛ばす福西。コナンは吹雪の中、登山の初心者、福西が山小屋から離れて遺体を埋める事はできないと考え、山小屋のそばを掘り起こせば遺体が見つかると推理する。観念した福西は会社の金を使い、それを咎めた上司の大作を殺害したと自白する。そして小五郎に赤い長袖シャツの謎を解いて欲しいと依頼したのは瀬田自身と判明。瀬田は福西を自白まで追い込んだ事を感謝する。この後、目を覚ました小五郎は完璧な推理を披露。それは小五郎の携帯に送信されたメールに書かれた推理だった。コナンは誰からのメールか気になるが…。

第21話
(582話)
ゾンビが死んだ夜

 小五郎は仕事の依頼主から誕生日の食事に招待され、コナンと蘭を連れて依頼主のマンションへ向かう。依頼主は売り出し中のお笑いコンビ、ストローベリーの藤森朝子(ふじもり・あさこ)。午後7時、小五郎が7階にある朝子の部屋のインターホンを押すと、異様な表情の朝子が現れる。朝子は工事の足場を登ってベランダから侵入してきた男を刺したと告白。居間で絶命したゾンビのマスクを被った男の手には拳銃が握られていた。  マスク男の正体は沼田と睨む小五郎。1ヶ月前、朝子は10年程前に交際していた沼田に借金を申し込まれ、断ると沼田は嫌がらせをしてきたという。小五郎は朝子に依頼され、沼田を捜していたのだ。この後、目暮警部、マネージャーの久松実(ひさまつ・みのる)らが現場に駆け付け、男のマスクが外される。マスク男の正体にがく然となる朝子。マスクの下から現れたのは相方の今岡次郎(いまおか・じろう)で、拳銃はモデルガンだった。  この日の食事には次郎も誘ったが先約があると断られたという。朝子は食後に食べるフルーツポンチを作っている時、ガラスが割れる音を聞いて居間へ。ベランダから侵入したマスク男が朝子に襲いかかって2人は揉み合いになり、朝子が手にしていたナイフがマスク男に刺さってしまったという。小五郎たちが部屋にやってきたのは、この直後だった。  久松は朝子と次郎の関係を小五郎らに説明する。朝子は売れない芸人だった次郎に漫才を教えてコンビを組み、いつしか2人は恋人同士に。コンビ結成5年で人気が出始めた矢先、朝子は心臓の具合が悪くなり、仕事も休みがちになってしまう。次郎はコンビを解散したいと話し、当分はマスクとモデルガンを使ってピンで活動すると話していたという。  この後、次郎が6時45分に携帯から錠前屋に電話していた事が判明。2階の主婦は6時51分に工事の足場を登る次郎を見たという。小五郎は心臓が悪い朝子のショック死を狙って次郎が沼田になりすましたと推理。一方、マスクに付いたガラスの欠片に違和感を抱いたコナンは次郎のズボンの裾や上着の袖口に付着する植物、イノコズチの種に気付いて近くの公園へ。道端で踏まれたイノコズチを発見したコナンは事件の真相を見破って…。

第22話
(583話)
小林先生の恋

 白鳥警部は小林先生に連絡し、夜1人で出歩かないようにと注意を促す。最近、この界隈で女性が犯人のひったくり事件が多発しているのだ。近くにいたコナンは小林の嬉しそうな反応を見て、電話の相手が白鳥だと察する。この後、今夜行われる花火大会の話題になり、コナンは光彦、元太、歩美、哀と花火に行く事を小林に報告。小林は子供たちだけで夜出歩くのは危険だと思い、付き添いとして一緒に花火に行く事に。  小林は待ち合わせ場所の毛利探偵事務所に遅れてやってくる。その直後に花火大会はスタート。コナンたちは小林を置いて先に花火大会に向かってしまう。取り残された小林は慌ててコナンたちの後を追って裏通りへ。その時、路地の暗がりから男女の言い争う声が聞こえてくる。ひったくり犯かもしれないと考えた小林は薄暗い路地に入っていき、奥へ走り去る何者かを目撃。その直後、小林は血を流して倒れた男性を発見して悲鳴を上げる。この後、小林は人の気配を感じて振り返り、花火の光に照らし出された犯人を目撃する。  小林は重要参考人としてコナンたちと共に警視庁へ。由美と千葉刑事は小林を見て佐藤刑事と勘違いする。そこに現れた白鳥は人違いだと伝え、由美と千葉は小林と佐藤がソックリな事に驚く。この後、白鳥が事情聴取を行う。刃物で刺殺されたのは墨田昌(●すみだあきら●)。小林は犯人が「それをよこしなさいよ。殺すわよ」と怒鳴っていた事を伝え、犯人は女性だと証言。犯人は胸があり、長い髪を束ねて帽子を被っていたという。  小林は犯人の顔を見ていないが、犯人は小林の顔を見た可能性が高い。犯人が口封じに小林を襲う危険もあり、白鳥は自分が守ると小林に約束する。事情聴取中、小林は2人が言い争う前に路地付近から走り去る引っ越し業者っぽいトラックを見た事を思い出す。車体には09という数字が大きく入っていたという。白鳥は犯人を見た可能性があるトラックの運転手を捜す事に。この後、白鳥は墨田を恨む容疑者3人を呼んでいると説明。犯人の声を聞いた小林が3人の声を確認する事に。その前にトイレに向かった小林は、刑事たちの話を偶然耳にし、白鳥が自分にソックリな佐藤の事を好きだったと知ってしまう…。

第23話
(584話)
白鳥警部の失恋

 小林先生が男性と証言した被害者の隅田晶は女性と判明。質店の主人だった隅田はあくどい経営を行っていたという。この後、目暮警部は容疑者の鍵谷菊奈(かぎたに・きくな)、滝本両子(たきもと・りょうこ)、児玉柳介(こだま・りゅうすけ)の取り調べを行う。犯行時刻、容疑者3人はそれぞれ自宅にいたと証言する。泣く泣く質に入れた母の形見の指輪を隅田に騙し取られた鍵谷。滝本は隅田に骨董品と騙され、300円の皿を50万円で売られたという。児玉は隅田から500万円借りていたと告白。高校球児として甲子園で活躍したが肩を壊してプロを断念した児玉は隅田が自分に惚れていたと訴える。  この後、小林は録音した容疑者の声を確認。小林は鍵谷、滝本の声に聞き覚えがないと白鳥警部に伝える。白鳥が自分にソックリな佐藤に夢中だったと知った小林は白鳥に冷たい態度を取り、男性という事もあって児玉の声は確認せずに帰ってしまう。小林に嫌われて落ち込む白鳥。白鳥は運命の人だと小林に言うタイミングを見計らっていた。子供の頃、白鳥は書店で出会った少女と協力して高校生の万引きを阻止。その少女が小林なのだ。  下校時、コナンは少年探偵団と事件を整理。コナンは小林が事件の時に聞いたのは犯人ではなく、被害者の声だった可能性があると推理する。現場から走り去った引っ越し業者っぽいトラックが見つからない話になると、光彦は阿笠博士が事件当日に引っ越しを手伝った時のトラックには連絡先の電話番号ではなく、大阪ニコニコ運輸という会社名が入っていたと発言。引っ越しが始まったのは夜8時過ぎだったらしく、話を聞いたコナンは何かに気付く。  この時、歩美は虫歯を押さえる元太を見て、考え込んでいると勘違い。このやりとりを見たコナンは事件の真相に近づく。この後、白鳥が小林に会いに来て、子供の時に書店で出会った事を明かし、勇敢な小林を見て刑事になったと告白。だが、小林は当時の事を覚えていなかった。夜、小林が1人で残業していると、警察を名乗る男性から電話がかかってくる。男性はトラックを見つけたので写真で確認して欲しいと説明し、学校の音楽室で待ち合わせする事に。電話の声に聞き覚えがあると感じながら音楽室へ向かった小林は…。

第24話
(585話)
時を超える桜の恋

 小学校の音楽室へ向かう小林先生。その時、背後から近づいてきた犯人がバットを振りかぶって小林に襲いかかる。小林は肘を犯人の顔面に打ち付けると、レスリング技で犯人を投げ飛ばす。実は、小林は直前に白鳥警部に保護され、佐藤刑事にすり替わっていたのだ。佐藤が投げ飛ばした犯人は児玉柳介だった。現場に駆け付けたコナンは小林が痛めた肩を抑える児玉を見て女性と見間違えたと指摘。長髪だった児玉は髪を短くしていた。  この後、白鳥は小林が現場で見たのは大阪ニコニコ運輸のトラックと説明。ローマ字で書かれた社名「OSAKA UNYU」のOSの文字を09と見間違えたのだ。白鳥は運転手を見つけ、児玉を見たという証言をもらったという。児玉は肩を治療してもう一度野球をやろうとしていた事を告白。だが、児玉を応援していた墨田も肩が完全に壊れたとわかると手の平を返し、毎日のように借金返済を迫ってきたという。白鳥は刑法を口にして児玉に罪を認めさせる。小林はその姿を見て、子供の頃に書店で白鳥と出会った事を思い出す。  後日、怪盗キッドが予告状を出したニュースについて語るコナンと少年探偵団、哀。今回の狙いは鈴木次郎吉が所有する麒麟の角と呼ばれるビックジュエル。何万年も前の植物の種などが混入した貴重な琥珀だという。そんなコナンたちの前に記者たちがやってくる。記者によれば、次郎吉はコナンと共に少年探偵団の力も借りたいと話しているという。次郎吉は化ける事ができない子供が現場に大勢いれば、キッドは混乱すると睨んでいた。  予告日の満月の夜、コナンと少年探偵団、哀は日売テレビのレポーターの新海樹梨(しんかい・じゅり)、カメラの増井祥吾(ますい・しょうご)、音声の日住勲(ひすみ・いさお)と共に麒麟の角がある山寺へ。若い音声と連絡が取れず、急遽、日住が来る事になったという。降り出した雨の中、堂内へ向かうコナンたち。堂内の中央には太い柱が立ち、その四隅に白、黒、緑、赤の台座。それを機動隊員2人が警備していた。次郎吉は台座と同じ色の鍵4つを中森警部の部下の機動隊員4人に渡す。そして台座に流れる電流を一旦切った後、4人が同じ色の台座に鍵を挿すと、真ん中の柱の中から麒麟の角が現れて…。

第25話
(586話)
闇に消えた麒麟の角

 4つの台座の鍵を同時に回さなければ出現しない麒麟の角。仮にキッドが鍵を奪ったとしても4人に分身でもしない限り、麒麟の角を奪う事はできないのだ。この仕掛けを作ったのは幕末のカラクリ師、三水吉右衛門。柱には「正しき理りに拠らず 麒麟を求めんと欲する者移ろひに身を委ねるべし」と刻まれていた。中森警部は4人の機動隊員がキッドと仲間にすり替わる事を心配。すると、少年探偵団と哀は自分たちが守ると名乗り出る。  犯行予告時間となる夜7時の直前、次郎吉はキッドが手を出せないように4つの鍵を壁の柱に釘で打ち付ける。その直後に堂内が停電。さらに何者かが窓を開け、吹き込む突風に皆は動揺する。その時、4つの台座に流れる電流が切れる音が堂内に響き、コナンが何者かにスタンガンで襲われる。照明が点くと次郎吉は鍵を確認。4つの鍵は壁に打ち付けられたままだったが、麒麟の角は盗まれ、4つの台座にはキッドのカードが残されていた。  ブレーカーには停電させる細工が施され、雨戸にはタイマー式の爆弾がセットされていたのだ。皆は気を失ったままのコナンを心配する。そんな中、次郎吉はすべてキッドを誘い込む策略だと説明。窓の格子や壁は鋼鉄、2つの出入り口の扉はロック後に開けようとすると音が鳴る仕組みだという。その音がないため、中森はキッドと仲間がまだ中にいると考える。光彦らは台座の鍵穴を塞いでいたと主張。その時、中森は4つの鍵穴に蛍光塗料が塗られている事に気付く。4つの鍵にも蛍光塗料が付着していた。  中森は次郎吉をキッドだと疑って体を調べようとするが、哀は2人がキッドの仲間の可能性もあると指摘。哀と少年探偵団が次郎吉、中森、TVクルーら堂内にいる人すべての持ち物を調べるが、麒麟の角を見つけ出せない。コナンを気絶させたキッドの行動が腑に落ちない哀。哀は柱に刻まれた文字の意味、キッドが窓を開けた理由にも注目するが、コナンのように推理する事ができない。その時、光彦が赤い台座に「雀」と刻まれていた事を思い出し、4つの台座にあった朱雀、白虎、玄武、青龍の銅像が随分前に切り取られていた事が判明。哀と少年探偵団はコナンが目覚めるまでに事件を解決しようと試みるが…。

第26話
(587話)
キッドVS四神探偵団

 コナンが気絶した状態の中、哀は停電した時の映像と音を確認したいとTVクルーに頼み、皆でVTRに不審な点がないかを調べる事に。停電後、雨戸が破られ、雨と風が堂内に吹き込む音を聞いた歩美は驚いてフードを被ったと発言し、元太と光彦も同じ事をしたと明かす。次郎吉は探偵団のためにお揃いのパーカーを用意していたのだ。続いて緑、赤、白、黒の順に台座に流れる電流が切れる音、中央の柱がスライドして麒麟の角が現れる事が聞こえてくる。哀たちはVTRを一通り確認するが、妙な音も光も見つける事はできなかった。  次郎吉が本当に台座の鍵穴を守っていたのかと疑うと、元太たちは台座に寄りかかって穴を塞いでいたと主張。元太が黒、光彦が緑、歩美が白、哀が赤の台座を守っていたという。中森警部は所々腐った床を調べ、床にも鉄板を入れているのかを確認。壁は鉄板を入れて補強されているが、次郎吉は床下と天井、四隅の柱には元々入り組んだ仕掛けが施されていたため、手をつけなかったと説明。だが、床下には金網を張り巡らせているという。  この後、レポーターの新海とカメラの増井は音声の日住がキッドの仲間かもしれないと証言。急遽、担当が別の人から日住に替わったからだ。すると日住も増井が怪しいと発言。カメラも急に新人からベテランの増井に変更したという。増井は生中継を撮影する自信がないから替わってくれと新人から頼まれたと反論。新海も次郎吉が少年探偵団のためにパーカーを用意する程、気合いを入れているからベテランに変更したと発言する。すると、次郎吉はTV局から指示されてパーカーを用意したと反論し、双方の話が食い違う。  次郎吉は予告状の追伸に「今回は幼稚な真似は止め、大人同士で雌雄を決めましょう」と書かれていたため、キッドが苦手とする少年探偵団を呼んだと告白。この後、気を失っていたコナンが哀に声をかける。コナンは皆に目を覚ました事がバレないように少年探偵団に取り囲んでもらう。キッドがコナンを気絶させた理由がわからないからだ。コナンは光彦らにキッドが台座に貼ったカードの位置を確認。そして哀との会話から何かに気付いたコナンはキッドがコナンを気絶させた理由、キッドが誰に変装したかも見破って…。

第27話
(588話)
屋上農園の罠

 目白美砂(めじろ・みさ)に招かれ、10階建て雑居ビルにある屋上農園を見学するコナン、小五郎、蘭。その時、奥の畑で中村剛彦(なかむら・たけひこ)と田口真一郎(たぐち・しんいちろう)が言い争いに。中村は迷惑じいさんと呼ばれる厄介者。田口は防虫ネットを壊されたという。すると今度はオーガニック野菜に農薬をかけられた井上万里江(いのうえ・まりえ)が中村に激怒。目白は中村に大根を一畝丸ごと引っこ抜かれたという。  週末、目白から収穫の手伝いを頼まれたコナンたちは再び屋上農園を訪れ、水道付近の畑で絶命した中村を発見。コナンは遺体の額にある傷に注目する。この後、目暮警部らが捜査を開始する。中村の死亡推定時刻は午前10時頃で、コナンたちが遺体を発見したのは午前11時頃。医者によれば、致命傷は後頭部を強打した事だという。額の傷に気付いた目暮は、中村が蛇口に額をぶつけた後、足を滑らせて仰向けに倒れた事故と推理する。  水道と柵の間には赤茶色の汚れがついたタオルが落ちていて、汚れは柵の手すりの塗料と同じ成分だという。コナンは遺体の首にもタオルが巻かれている事に違和感を抱く。遺体の近くには携帯電話も落ちていた。屋上に出入りする方法はエレベーターのみ。3階から上の部屋はベランダがなく、壁伝いに屋上へ登る事も不可能だった。この後、小五郎は遺体が人差し指で顔を指している事に気付き、ダイイングメッセージと推理。目白、田口は名前に顔の一部が入っている事もあり、中村を恨む目白、田口、井上を事情聴取する。  目暮は参考人3人のアリバイを確認する。午前10時頃、目白はこのビル1階の事務所にいて、1人で仕事をしていたと証言。田口はホームセンターで買い物していたと明かし、屋上のすぐ下の階に住む井上は自宅でTVを見ていたという。コナンは」中村の文句を言う3人の発言を聞いて何かが引っ掛かる。この後、中村の携帯に午前10時頃に番号非通知で着信があった事が判明。さらに防犯カメラを確認し、午前9時から11時まで、誰も屋上に上がっていない事もわかる。目暮は中村が単独で起こした事故と判断するが、水道付近の折れた支柱の傍にあるレンガの破片に気付いたコナンは事件の真相に辿り着いて…。

第28話
(589話)
最悪な誕生日(バースデー)(前編)

 小五郎の財布から米花宝石店で5万円の買い物をしたレシートを発見した蘭。10月10日の妃英理の誕生日が近い事から蘭は小五郎が英理に誕生日プレゼントとしてネックレスを購入したと推理する。2人を引き合わせたい蘭は福引きで豪華ディナー付きホテル宿泊券を狙い、見事に引き当てる。すぐに蘭は英理に会い、静岡にあるホテルで小五郎と会って欲しいと頼む。偶然にも英理はそのホテルで翌日に依頼人と会う約束をしていた。  10月10日、英理が宿泊するホテルの306号室でディナーの時間を待っていると、同じホテルに泊まる依頼人、国分秋穂(こくぶ・あきほ)が現れる。酔っ払った秋穂は夫の国分健彦(たけひこ)とケンカしたので泊めて欲しいと英理に頼む。秋穂はストーカー被害に遭っていて、明日は相手の男性の親と示談交渉の予定だった。秋穂はすぐに寝てしまい、英理は健彦に連絡を入れ、午後11時まで部屋を空けるので秋穂を迎えに来て欲しいと頼む。   この後、ディナーに向かうために部屋を出る英理。そこにストーカーの日野成治(ひの・せいじ)の母親、日野緑(みどり)があいさつにやってくる。緑はいくらでも慰謝料を支払うと英理に伝える。だが、緑は元はと言えばレースクイーンだった秋穂が息子をたぶらかした事が原因と不満を口にする。示談交渉の条件は成治を連れてこない事だったが、成治は廊下の物陰から会話する2人の様子をジッと見守っていた…。  ホテルのレストランでディナーを楽しむ小五郎、英理、コナン、蘭。小五郎は英理に悪態をつき、慌てた蘭は何とか2人の間を取り持とうとする。だが小五郎は英理にネックレスを渡さず、酔っ払って寝てしまう。誕生日が終わるまで残り1時間。英理は怒って部屋に帰ってしまう。英理が部屋に戻ると、すでに秋穂の姿はなかった。この後、英理は冷蔵庫の炭酸飲料の缶を開ける。すると思い切り炭酸飲料が吹き出し、英理はシャワーを浴びるハメに。その頃、小五郎は英理に謝罪してと蘭に説得される。誕生日が終わるまで残り3分を切っていた。そして英理の部屋を訪れた小五郎、コナン、蘭。3人を部屋に迎え入れた英理はベッドの下の何かに気付いて青ざめる。そこには絶命した秋穂が倒れていた…。

第29話
(590話)
最悪な誕生日(バースデー)(後編)

 英理が宿泊する306号室で遺体となって発見された国分秋穂。コナンは夫の国分健彦、秋穂にストーカーをしていた日野成治、その母親の日野緑の3人の誰かが犯人だと推理する。静岡県警の横溝警部らは3人から話を聞く事に。最初に向かったのは健彦が宿泊する309号室。小五郎は英理の部屋に秋穂を迎えに行かなかった理由を訊ねる。健彦は迎えに行くと連絡したが、秋穂に来ても部屋に入れないと怒鳴られて諦めたという。  健彦はミニカーがケンカの原因だと告白。部屋にはたくさんのミニカーが並べられており、秋穂にガキっぽくてキモいと言われてケンカになったという。健彦は伝説の俳優、ジェームス・ディーンの愛車が一番のお気に入りと説明し、そのミニカーをコナンに見せる。続いて横溝らは緑の部屋を訪ねる。部屋の電話から306号室に連絡を入れていた緑は明日の予定を変更したいと頼むためと理由を説明。秋穂が電話に出て驚いたという。  コナンは緑の部屋の灰皿にある口紅が付いてない吸い殻に気付き、部屋にもう1人いると指摘。すると、観念した成治が姿を現す。成治は示談交渉に来ない約束だったが、明朝に近くでツーリングをするために来たと言い訳する。小五郎は死亡推定時刻の午後10時から11時のアリバイを確認。成治はホテルのラウンジで緑とお酒を飲んでいたと証言する。就寝時、コナンは小五郎の寝言を聞き、犯人がベッドを1人で移動させた方法に気付く。  翌朝、コナン、小五郎たちはホテルの食堂で朝食を食べる。犯人と密室殺人のトリックを見破ったコナンは事件を解決するため、腕時計型麻酔銃の照準を小五郎に合わせる。だが、コナンは真剣に推理を巡らせる小五郎の姿を見て麻酔銃を撃つ事をためらう。コナンは小五郎にとって特別な日という事もあり、小五郎に華を持たせる事に決める。  この後、コックが料理をワゴンに乗せて運んでくると、コナンはさり気なく事件を解くヒントを小五郎に与える。コナンがヒントを与え続けると、小五郎はようやくトリックと犯人に気付く。そしてチェックアウトした容疑者3人が306号室に呼び戻され、眠りの小五郎ではなく、小五郎本人の解決ショーが始まるのだが…。

第30話
(591話)
水族館のある家

 日曜日、コナンと少年探偵団は阿笠博士に連れられ、アクアリウムデザイナー、西田聡史(にしだ・さとし)の自宅を訪ねる。だが、阿笠が約束した正午に呼び鈴を押しても反応がない。その時、西田のアシスタント、井村幸輔(いむら・こうすけ)がやってくる。井村は旅行先のグアムから今朝帰国したという。井村は合鍵を使って玄関の鍵を開ける。家に入って歓声を上げる元太たち。リビングには水槽が埋め込まれた円柱が5本立っていた。  沈没した海賊船が入った水槽、タージマハルが入った水槽、ピラミッドが入った水槽、シドニーのオペラハウスが入った水槽、水草と砂だけの水槽の5つで、歩美たちは熱帯魚を見て大喜びする。その時、元太は製作途中のミニチュア時計台の屋根を剥がしてしまい、井村が注射器型接着剤で修理。ミニチュア製作に使用する接着剤は固まりにくいという。  井村はグアム土産のチョコを取り出し、バスルームに手を洗いに行った光彦と元太は浴槽を見て悲鳴を上げる。浴槽には西田の遺体が沈んでいた。駆け付けたコナンは遺体の首筋にある赤い斑点に気付く。この後、目暮警部らが捜査を開始する。死亡原因は溺死で、死亡推定時刻は金曜の夜。机の上には空の酒瓶が散乱しており、高木刑事は泥酔して入浴し、眠ってしまった事故死と推理する。  するとコナンは死亡推定時刻が夜なのに浴室の電気が点いていないのはおかしいと指摘。遺体の指先には固まっていない接着剤が付着しており、コナンは酔った状態で細かい作業をする事が不可解な事も伝える。話を聞いた高木は事件の可能性もあると考え、井村のアリバイを確認。井村は木曜の昼にグアムに出発し、日曜の朝に帰ってきたと証言する。  この後、接着剤が固まるまで12時間かかると知って驚くコナン。西田が金曜の夜に死亡した場合、指先の接着剤は固まっていないとおかしいのだ。その時、歩美は水草と砂が入っているだけの水槽で小さいエビが死んでいる事に気付く。それは他の水槽とは種類が違うエビだった。そして、同じ水槽の水中のコンタクトレンズに気付いたコナンは西田の死が事故ではなく、巧妙に仕組まれた殺人だと見破って…。

第31話
(592話)
猿と熊手のトリ物帖(前編)

 乱舞璃神社で行われる二の酉にやってきたコナン、小五郎、蘭、園子。酉の市で売られている熊手は商売繁盛だけでなく、武運や開運にもご利益があるという。だが、蘭と園子のお目当ては別にあった。それはこの神社の名物になっているラブリーみくじ。毎年、酉の市の時しか出ないおみくじで、好きな男の子の理想の女性のタイプがわかるという。蘭と園子はそれぞれ新一、京極を想っておみくじを引く。  この後、トイレに行こうとした園子はひょっとこ面の男に襲われる。男は園子のショルダーバックの肩ヒモをナイフで切り付けると、そのバックを奪って逃走し、そのまま蘭に向かって走ってくる。いつもなら空手でやっつける蘭だったが、「男勝りな行動は厳禁」というおみくじの内容が引っ掛かって躊躇してしまう。男と蘭は激しくぶつかり、その拍子に蘭の財布から小銭が散らばる。  このひったくり犯はトリ男と呼ばれ、一の酉にも出現。警察は今月末に控えた三の酉でも犯行に及ぶと睨み、警備を増員して強化を強める方針だという。そして、リベンジしたいという園子は蘭、コナンを連れて乱舞璃神社の三の酉へ。だが、園子がリベンジしたいのはラブリーみくじだと知って呆れるコナン。この時、境内に悲鳴が響き渡る。再びトリ男が出現したのだ。トリ男はディパックを追っ手に投げつけ、公園の方に逃走したという。  トリ男のディパックからは園子のバックが発見される。コナンはディパックの肩ヒモに血痕が付着している事に気付く。近くの大きな木の下では腹部を刺された浪人生の益子士郎(ますこ・しろう)が倒れていた。益子は苦しげに喘ぎながら「トリじゃない。サルだ」と発言。さらに益子は「九」という謎の言葉をコナンに言い残して意識を失う。  コナンは益子が残した言葉を目暮警部たちに報告する。この後、千葉刑事からトリ男を捕まえたという連絡が入る。公園のトイレに逃げ込んだトリ男を包囲したという。だが、トイレから出てきた容疑者は参拝者の火野辰男(ひの・たつお)、フリーターの猿川久巳(さるかわ・ひさみ)、会社員の水江申次(みずのえ・しんじ)と3人もいた…。

第32話
(593話)
猿と熊手のトリ物帖(後編)

 浪人生の益子士郎がトリ男に刺される事件が発生。容疑者は参拝者の火野辰男、フリーターの猿川久巳、会社員の水江申次の3人。蘭はトリ男の服から取れたボタンを偶然拾い、高木刑事が容疑者3人の自宅を捜査する。だが、3人の自宅からボタンが取れた服は見つからなかったという。しかも3人にはそれぞれアリバイがあり、一の酉、二の酉、三の酉とも犯行が可能な人物はいないと判明する。  高木は病院の益子が意識を取り戻した事を目暮警部に報告。益子はトリ男に刺された事も猿や9のメッセージを残した事も覚えていないらしく、コナンはその理由を考える。この後、トリ男のデイパックから水江の通帳が発見される。水江は被害者の1人。一の酉の時、トリ男にバッグをひったくられていた。千葉刑事によれば被害者たちのバッグの中身はバラバラに。園子のバッグにも身に覚えのないハンカチが入っていたという。  トリ男のデイパックから一の酉、二の酉の被害者のバッグが出てきたため、千葉は3件の事件とも同一犯と判断。アリバイがある容疑者3人は身の潔白を訴え、目暮は帰る事を許可する。コナンはトリ男が一の酉、二の酉の時にひったくったバッグを持ち歩いていた事を不審に思う。捕まれば言い逃れができない証拠になるからだ。この後、コナンは容疑者の1人が汗を掻いた事を誤魔化した行動を思い出し、他にもトリ男がいると推理する。  続いて、コナンは益子が残した猿と9のメッセージの意味について考える。その時、トリ男が捕まったというニュースを見た小五郎が心配して神社にやってくる。小五郎は9と聞いて思いつく言葉を言い出し、その中の野球場という言葉を聞いた蘭は甲子園球場にまつわる疑問を口にする。コナンはこの疑問に答え、それをきっかけに事件の謎を解く。この後、コナン、小五郎、蘭は帰宅する事に。途中、蘭はコナンたちを別れ、クリーニング店に出した服を取りに行く。そんな蘭を尾行する謎の男。手にスタンガンを持っていた…。

第33話
(594話)
広島宮島七不思議ツアー(宮島編)

 日売テレビの番組の出演者として広島にやってきた小五郎、コナン、蘭。広島駅に到着後、アシスタント・プロデューサーの喜多村雄一(きたむら・ゆういち)は突然の腹痛に苦しみ、先にホテルで休む事に。撮影の合間、アシスタント・ディレクターの八川弘司(やつかわ・こうじ)が缶コーヒーを飲んで顔をしかめる。何者かに塩を混入されたという。この後、プロデューサーの上諏訪幹彦(かみすわ・みきひこ)は雑踏に紛れていく男を目で追い、意味ありげにディレクターの越路直人(こしじ・なおと)と見つめ合う。  八川は2週間前にスタッフの事を聞き回った人物が雑踏に消えた男に似ていたと告白し、局の関係者が違法カジノを経営しているという噂がある事もコナンに明かす。続いて、一行はもみじ饅頭屋の弥山屋で撮影を行う。撮影時、看板娘の綾瀬弥生(あやせ・やよい)は弥山七不思議と呼ばれる伝説について語る。休憩中、コナンは隣りの店に飾られた写真に注目。写真には越路と喜多村、メイク係の三宅文江(みやけ・ふみえ)が写っていた。  越路らは2年前に別番組で取材に来たらしく、店主は越路らが来ると聞いて2週間前から写真を飾っていたという。その時、八川は別の写真に雑踏に消えた男が写っている事に気付く。それは弥生の兄、綾瀬紳六(あやせ・しんろく)だった。弥生は2週間前から紳六が行方不明だと告白。2年前、弥生と紳六の両親が弥山の立ち入り禁止区域で足を滑らせて転落死。両親の死に疑問を抱いた紳六は現場周辺を調べ、アクセサリーのような物を発見。紳六はその正体が掴めたと言い残して出ていったという。  この後、カメラマンの浜田幸成(はまだ・ゆきなり)は携帯の着メロが拍子木に変えられている事に気付く。続いて三宅が石垣の上からまだら模様の石を落とされてケガをする。コナンは一連のイタズラが弥山七不思議の干満岩、拍子木の音、曼荼羅岩になぞらえている事に気付く。そして撮影終了直後、越路の悲鳴と上諏訪の助けを求める声が聞こえてくる。コナンたちが現場に駆け付けると、そこには頭から血を流して倒れている越路と茫然と立ち尽くす上諏訪の姿。越路は「かじ…いた…」という言葉を残して意識を失う…。

第34話
(595話)
広島宮島七不思議ツアー(広島編)

 越路が何者かに襲われ、上諏訪は弥生の兄、紳六が逃げていく姿を目撃したと証言。さらに弥山屋で火事が発生し、近所の人たちは火が出る直前に紳六を見たと証言する。広島県警の宮元健一(みやもと・けんいち)警部は越路が襲われた現場でコナンが拾った携帯ストラップを弥生に見せる。弥生は兄のストラップだと認める。弥山屋の出火原因は放火の可能性が高く、火の元は隣りの店との境だという。  小五郎らは紳六が越路を襲い、弥山屋に放火したと疑うが、弥生は兄の無実を信じる。コナンは紳六が犯人だとしても何のために自宅を放火したのかが理解できない。そして、放火までの一連のイタズラ、事件は全て弥山七不思議に見立てたものだった。蘭は嗚咽を堪える弥生を見て、弥生の依頼を引き受けて欲しいと小五郎に頼む。小五郎は収録を理由に兄を捜して欲しいという弥生の依頼を断っていたのだ。  コナンはこれまでの事を整理。推理を巡らせるコナンは越路が言い残した「かじ…」という言葉が火事の事ではないと気付く。この後、弥山屋横の店の店主が焼き増した写真をコナンに渡す。コナンは紳六が姿を消した2週間前からウインドウに飾られた写真が事件に関係があると睨み、焼き増しと頼んでいたのだ。そして、コナンは燃えた隣りの店のウインドウを見て、火事の狙いが弥山屋ではなかったと推理する。翌日、コナンらは広島に戻って喜多村と合流。上諏訪たちは小五郎が事件を解決するという企画に変更して撮影を続行。小五郎は事件を解決すると意気込み、紳六と親しい友人を訪ねる。  友人によれば、紳六は両親を死なせた奴がわかったから復讐してやると話していたという。小五郎は犯人が弥山七不思議の最後の1つ、龍燈の杉に見立てて事件を起こすと推理。コナンは水面に映った蘭を見て何かに気付き、三宅からは2年前の話を聞く。この後、上諏訪が何者かにナイフで背中を刺される。ナイフには龍の模様。龍燈の杉になぞらえた犯行だった。コナンは近くに転がった上諏訪の携帯のリダイヤル歴を確認。リダイヤル歴には同じ番号が並んでいた。その番号に電話をしたコナンは犯人が誰かに気付いて…。

第35話
(596話)
転落のアリバイ

 小五郎は名探偵として話を聞かせて欲しいと頼まれ、コナンと蘭を連れてオリオン企画という会社の本館を訪ねる。小五郎はイベント企画部の砂川七恵(すなかわ・ななえ)に声をかけた後、内線を使って別館にいる依頼主の出版企画部、東山俊男(ひがしやま・としお)に連絡する。通話中、小五郎は窓の外を落下していく人影を目撃。落下したイベントプランナーの高幡不二彦(たかはた・ふじひこ)は地面で俯せになって絶命していた。  捜査を開始した目暮警部は会社にいた七恵、東山を連れて6階にある高幡のオフィスへ向かう。この時、コナンは遺体の背中が濡れている事に気付く。東山は汗掻きらしく、水色のワイシャツは襟が染みた汗で濃い青色になっていた。高幡のオフィスには鍵がかかっており、合鍵でオフィスに入るとパソコンに遺書らしき文章が残されていた。  コナンは高幡が落ちた窓の下のカーペットが濡れている事に気付く。雨は午後7時半に降り出し、8時には止んでいたという。小五郎たちが会社に訪れたのは8時20分。高幡は転落する20分以上前から窓を開け、背中を外に向けていた事になる。千葉刑事は高幡の背広に涙滴型のゴム板が引っ掛かっていたと報告。それは怪人の着ぐるみのウロコで、リモコン銃から出る赤外線がセンサーに当たると空気が抜ける仕掛けになっているという。  小五郎はこの仕掛けを利用し、何者かが別の部屋からリモコン銃を撃ち、事前に眠らせた高幡を転落させたと推理。赤外線が届く距離は5、6メートルで、犯人がいた部屋は4、5、6階の会議室に絞られる。この後、東山は本館隣りの別館にある自分のオフィスで小五郎からの内線を受けたと証言。本館と別館は2階の渡り廊下で繋がっているという。コナンが東山のオフィスの壁に飾られた弓に気付くと、東山は弓道をやっている事を明かす。  警備員によれば高幡が帰社したのは7時10分。作業員がエレベーターの点検を始めたのは7時。その後、ビルに出入りしたのは小五郎たちだけ。作業員は七恵も東山も見ていないと証言する。この後、千葉は怪人の風船とリモコン銃を発見。千葉は4階の窓の庇の上に落ちていた万年筆も見つけたという。コナンはこの万年筆から事件の真相に気付いて…。

第36話
(560話)
湯煙密室のシナリオ(前編)

 阿笠博士に連れられ、箱根の湯本温泉にやってきたコナンと少年探偵団。コナンらは宿泊する湖望旅館で女優の名取深汐(なとり・みしお)と遭遇する。旅館には深汐のマネージャーの丹沢純作(たんざわ・じゅんさく)、映画「鮮紅の原泉」の脚本家の鉄山厳治(てつやま・がんじ)、主役を演じる俳優の寺堂雲平(てらどう・じゅんぺい)も宿泊していた。  映画「鮮紅の原泉」は殺し屋が主人公の人気シリーズ。今回は中年編の撮影だが、他にも青年編、老年編があり、パイプを咥える厳治は気分次第でキャストを変える事があるという。阿笠は純作が元俳優で、青年編の主人公だった事を思い出す。この後、阿笠らは湖上露天風呂に入ろうとする。男湯と女湯は昼の掃除を境に入れ替わるシステムだという。だが、男湯も女湯も混んでいたため、阿笠らは翌日の早朝に入る事にする。  翌朝4時半、ラウンジにジュースを買いに来たコナンは自動販売機前で純作と会う。コナンが部屋に戻ると、外を見ていた歩美が露天風呂に向かう厳治に気付く。時刻は午前4時43分。露天風呂が開くのは5時だったが、コナンたちも露天風呂へ向かう事に。お得意様の厳治は特別に時間外に入る事を許可しているらしく、コナンたちは入口で従業員に止められてしまう。だが、4時50分という事もあり、コナンたちも風呂に入れてもらう。  この後、女湯の浴場に入った哀と歩美は大きな悲鳴を上げる。コナンが女湯に駆け付けると、そこでは絶命した厳治が倒れていた。この後、横溝重吾警部が捜査を開始。死因は後頭部強打による急性硬膜下血腫及び脳挫傷。死亡推定時刻は5時前後だという。重吾は現場の状況から厳治が石鹸を踏んで滑り、後頭部を浴場の岩にぶつけた事故死と判断する。  だが、コナンは男の厳治が女湯に入ったのは不自然だと訴える。さらにコナンは遺体の鎖骨のくぼみに水が溜まっていると指摘。何者かが倒れた厳治に水をかけ、何かを洗い流したのだ。コナンの話を聞いた重吾は何者かが厳治を殴り、その時の血を洗い流したと推理。これは事故死に見せかけた密室殺人だった。コナンは厳治と関係がある深汐、純作、雲平という容疑者3人の中に犯人がいると推理するが…。

第37話
(598話)
湯煙密室のシナリオ(後編)

 女湯で脚本家の鉄山厳治が殺害される密室殺人事件が発生。犯人は前日から露店風呂の死角に潜み、翌朝やってきた厳治を殺害したと考えられる。容疑者は女優の名取深汐、そのマネージャーの丹沢純作、俳優の寺堂雲平の3人。雲平は昨晩、厳治がロビーで電話していた内容を聞いた事を明かす。厳治は君が気に入らないなら主役の男を代えてもいいと話していたらしく、雲平は深汐が色仕掛けで厳治を女湯に誘き出したと推理する。  横溝重吾警部が問い質すと、深汐は厳治と電話していた事を認める。厳治に言い寄られていた深汐は朝一番で女湯に来たら一緒に入ってあげるとウソをついた事を告白。厳治のセクハラには多くの女優が迷惑していたという。雲平は純作にも殺害の動機があると証言。5年前、純作は厳治に映画の主役を突然降ろされ、それ以来、役者をやっていないという。だが、純作は恨んだ事もあったが、今は色んな経験ができて感謝していると反論する。  この後、脱衣場で水が入ったお茶のペットボトルが発見される。現場周辺の湖の水面にはマッチの燃えかすが浮いていたという。続いて、重吾は湖上露天風呂の入口にいる従業員から話を聞く。従業員は最初に厳治が風呂に来て、その次にコナンたちが来たと証言。厳治は1番風呂が好きらしく、宿泊する時は早めに通していたという。そして、新たに厳治の指輪が1つなくなっている事も判明。犯人が凶器と共に湖に捨てたと考えられる。  部下から容疑者3人の部屋に引っ掛かる点があったと報告を受ける重吾。部屋の灰皿から大量のマッチの燃えかすが見つかった雲平はタバコの火をつけただけと説明する。部屋のバッグに手袋の左手だけを入れていた純作はゴルフグローブだから左手だけ持っていたと言い訳する。深汐の部屋のゴミ箱からは割れたワイングラスが見つかり、机の上には数ページだけクシャクシャにした台本があったらしく、深汐は役作りのためと説明。台本に書類を破り、グラスを相手に投げつけるシーンがあったという。コナンは役に集中してなりきるという深汐の言葉をヒントに事件の真相に辿り着く。そして、コナンは変声機を使い、現場にやってきた阿笠の声を借りて解決劇を始める…。

第38話
(599話)
セイギノミカタの殺人

 買い物帰りのコナンと蘭は東都環状線の夏葉原駅の改札で揉め事を目撃する。改札でIC乗車券をかざしてから後ずさりした老人の法月徳馬(のりづき・とくま)に若者の前田浩介(まえだ・こうすけ)がキレたのだ。この後、コナンたちが乗車した電車の中でスリが発生。犯人は先刻の前田だった。ナイフを振りかざして逃げる前田。その時、徳馬が杖で前田の手首を叩き、前田は畑端駅で鉄道警察官に連行される。  事件を目撃したコナンと蘭は事情聴取を受けるために畑端駅で下車。警察官は徳馬も呼び止めるが、徳馬は電車に乗って行ってしまう。その時、蘭は徳馬とミツという老婆が写った写真を拾う。事情聴取後、コナンと蘭が同じ路線の電車に乗ると、3つ先の巣亀駅で別の事件が起きていた。詐欺グループの1人、兼村恒夫(かねむら・つねお)が高架下で殺害されたのだ。兼村らは老人に架空の投資話を持ちかけ、大金を騙し取っていた。  兼村は背後から殴られ、傷は1つしかないという。コナンが現場検証する目暮警部に声をかけると、そこに徳馬が現れる。徳馬は電車の中から事件を目撃し、米花駅から警察に通報したという。コナンは徳馬が米花駅から通報した事に違和感を抱き、杖をついていない事にも気付く。その時、近くで詐欺グループの主犯格、桐谷輝彦(きりや・てるひこ)が発見されて容疑者に。桐谷は兼村の知り合いと名乗る人物に呼び出されたと容疑を否認。徳馬を犯人と疑うコナンは変声機を使って高木刑事に連絡し、徳馬の事を調べてもらう。  蘭は公園を訪れ、子供相手に紙芝居をする徳馬に写真を返す。ミツは病気で他界したばかりだという。この後、コナンも公園にやってくる。そして徳馬が帰った後に高木も公園に現れる。高木は詐欺の被害者の中に徳馬の知人がいたとコナンに報告。徳馬は剣道5段の腕前だという。コナンは巣亀駅で途中下車した徳馬が兼村を殺害し、再び電車に乗ったと推理。コナンはこれを立証ため、巣亀駅を調べるが、駅は工事中で防犯カメラにシートが被せられていた。乗降客は老人が多く、IC乗車券の使い方や改札のゲートの開閉に戸惑う姿も。そしてコナンは切符を買う老人を見て事件の謎を解き…。

第39話
(600話)
河童が見た夢(前編)

 小五郎はコナン、蘭を車に乗せ、群馬県朽橋村の光羅旅館へ向かう。立里三可という差出人から小五郎のもとに11年前にかけられた殺人の罪の無実を証明して欲しいという手紙が届いたのだ。途中、車の前に画家の徳備六朗(とくび・ろくろう)が飛び出してくる。小五郎は旅館まで乗せて欲しいと頼む徳備を同乗させる。徳備は昔、近くの小学校で教師をやっていた事を明かし、生徒の墓参りに寄って欲しいと小五郎に頼む。  他界したのは沼山辰彦という生徒で、川に流されて溺死したという。川岸にある墓では徳備の教え子で辰彦の同級生だった荒岩一揮(あらいわ・かずき)が手を合わせていた。この日は辰彦の命日なのだ。数段の小岩を積んだ墓は当時のクラスの仲間が作ったもの。本当の墓ではなく、辰彦の思い出の品などが埋められているという。事故が起きたのは手紙に書かれた殺人事件と同じ11年前。川底の岩の間に辰彦の靴が挟まっていて、警察は辰彦の足が岩に挟まり、鉄砲水に流された事故として処理したという。  荒岩はこの墓にその時の靴を埋めている事を明かす。その直後、徳備が足を滑らせ、助けようとした荒岩と共に川へ落ちてしまう。徳備と荒岩は川岸に上がるとバッグを広げて中身を確認する。そこに辰彦の父で光羅旅館の主人、沼山伴蔵(ぬまやま・ばんぞう)が現れる。沼山は辰彦の事を忘れろと徳備と荒岩を睨み付けて去っていく。荒岩によれば、旅館は高台にあり、沼山は双眼鏡を使って辺りを見張っているという。旅館に到着後、小五郎は立里三可という宿泊客がいるかを番頭に確認。番頭は泊まっていないと答える。  そこにルポライターの野平坊介(のひら・ぼうすけ)が現れ、事件はあったと発言。河童が犯人という話もあるらしく、野平は12、13年前にはこの辺に河童の目撃談があり、テレビや雑誌が取材に来たと説明。この旅館も繁盛したという。話を聞いた蘭は立里三可の文字を組み合わせると河童になる事に気付く。夜、蘭はコナン、小五郎と共に落とした携帯を探すために川岸へ。蘭は携帯を見つけた直後、河童を目撃する。そして翌朝、事件は発生。旅館の屋根裏部屋で沼の底に引きずり込まれたかのような沼山の遺体が発見され…。

第40話
(601話)
河童が見た夢(後編)

 犯人が光羅旅館の主人、沼山を溺死させた臭い水は息子の辰彦の遺体が浮いていた溜め池の水と一致。犯人はその水を密閉できる容器に入れて旅館まで運んだのだ。犯行時刻は午前6時から7時の間。昨晩、旅館を抜け出したのは小五郎たちと野平だけだった。刑事によれば、野平はこの辺りの風景を写真に収めるため、リュックを背負って小五郎たちより先に外出。そして野平は小五郎たちより後にずぶ濡れになって帰ってきたという。  話を聞いた蘭は雨が降ってきたので旅館に戻った事を思い出す。この後、蘭は外出した時、川の中に佇んでいた河童を見たと群馬県警の山村警部に報告する。すると、そこに徳備がやってきて、蘭の目撃談をもとに河童の絵を描くと申し出る。そして徳備は蘭に河童の特徴を聞きながら濡れたスケッチブックに河童の絵を描き始める。犯人が溜め池の水を運んだ容器が見つからない事に頭を悩ませるコナン。徳備、荒岩の荷物からはそれらしき容器が発見できず、野平は犯行時刻に編集者と電話していたというアリバイがあるのだ。  コナンは実際にインクで絵を描く徳備を見て、インクのビンはどれもほぼ満タンという徳備の話が嘘ではなかったと認める。コナンは11年前、川で流された辰彦が海パン1枚だった事も引っ掛かっていた。事故が起きたのは寒い12月。辰彦は所々緑色の汚れが付着した靴を履いていたため、コナンは寒中水泳をしていた可能性も低いと考える。この後、徳備が描いていた河童の絵が完成。絵を見ようとしたコナンは置いていた水差しを足で倒してしまう。この時、コナンは転がった水差しを見て、誰が犯人なのかに気付く。  コナンは小五郎ではなく、異星人(河童)の犯行と騒ぐ山村に向けて麻酔銃を発射。コナンは変声機を使い、山村として解決劇を始める。今回の事件のポイントは沼山を溺死させた溜め池の水。水桶で人を溺死させるには1リットルの水が必要。つまり溜め池の水1リットルを旅館に持ち込んだ人物が犯人なのだ。だが、徳備と荒岩が1リットルの水を持ち込むのは不可能と判明したばかり。野平には犯行時刻に確かなアリバイがあるのだ。小五郎がその事を指摘すると、コナンは山村の声を操り、事件の真相を明らかにしていく…。


シーズン16

第01話
(602話)
テニスコートに潜む悪魔

 コナンは蘭、園子と共に北軽井沢高原リゾートパークにやってくる。明日はテニスコートで大会が行われるという。そこにテニスサークルの副部長の後藤貴雄(ごとう・たかお)、部員の土田有夏(つちだ・ゆか)、大竹千絵(おおたけ・ちえ)が現れる。松葉杖をつく部長、吾妻史裕(あずま・ふみひろ)はケガをしてしまい、大会には代わりに後藤が出場するという。園子はテニスを教わっている後藤に気付いて声をかける。  トイレに行ったコナンはロッカールームで土田が恋人の後藤にビンタする場面を目撃。土田は後藤が園子と連れてきた事に嫉妬したのだ。後藤は逆タマに乗ろうと企てていた。今度は後藤と大竹が話す姿を見かけるコナン。大竹がお金を返して欲しいと頼むと、後藤ははぐらかして大竹を抱き寄せる。コナンは後藤が二股していると勘繰って呆れる。  この後、後藤は練習試合を行う。試合中、球がスタンドに飛び込むと、両手にテニスグローブをはめた吾妻はその球を避けるように右手の甲で弾く。そして後藤は第1ゲームを先取。休憩中、土田は蜂蜜レモン水、大竹はタオル、園子はグリップテープをそれぞれ後藤に差し入れする。吾妻はスタンドから檄を飛ばし、後藤とハイタッチを交わす。後藤は相手選手が弱いため、ダブルスにしようと提案し、ハンデとして下手な園子とペアを組む。  そして第2ゲームが始まって間もなく、後藤は倒れて悶絶し、病院に搬送される。後藤が倒れた原因は毒物の中毒で、群馬県警の山村警部は後藤を狙った殺人事件と判断。コナンは園子たちが後藤に差し入れした事を山村に報告する。鑑識の結果、ドリンクのボトル、タオル、ラケットのグリップから毒物が検出され、山村は園子たちの事情聴取を行う事に。山村は休憩中の後藤の行動を整理。女子3人が差し入れした後、後藤はペアを組んだ園子と握手。その後、後藤はベンチでタオル、ドリンク、グリップテープの順に触ったのだ。土田は園子を犯人と疑う。土田は園子が逆タマ狙いの後藤を逆恨みしたと推理。後藤のラケットのグリップ、園子のテニスグローブから毒が検出されたため、山村も園子が犯人と断定。だが、コナンは1つだけ弾みの悪い球がある事に気付き、誰が犯人かを見破って…。

第02話
(603話)
降霊会W密室事件(第一の密室)

 小五郎、コナン、蘭は山道で迷い、オカルト漫画家の比良坂零輝(ひらさか・れいき)の屋敷に助けを求める。屋敷には小五郎らを知る日売テレビADの八川弘治(やつかわ・こうじ)、グラビアアイドルの歌倉晶子(うたくら・しょうこ)ら20代の男女が集まっていた。比良坂はアイドル女優、雅原煌(みやはら・きら)を呼び戻す降霊会を催す事を告白。煌は比良坂の代表作「魔術師の女」の映画で主人公のキラを演じる予定だったという。  降霊会にはファンクラブ会長、可児豊(かに・ゆたか)やファンの医者、朴之木和雄(ほおのぎ・かずお)、和泉真帆(いずみ・まほ)、カメラマンの三船龍一(みふね・りゅういち)もやってきていた。他のアイドルに乗り換えた煌ファンがケガや病気になり、半月前には比良坂担当編集者の澤南一郎(さわなみ・いちろう)が殺害される事件が発生。死ぬ直前、澤南は自分の血でキラと書き残したという。  ファンの間で変な噂が流れ、比良坂たちは降霊会を開いて煌に話を聞く事にしたという。この後、縦1×横2mサイズなど、煌の大小ポスターが貼られた瞑想の間で降霊会が始められる。すると、次々と怪奇現象が起き、「この中に私を殺した者がいる。今宵、私は蘇る!この手で怨み、晴らすために」という煌の声が聞こえてくる。皆は心霊現象と騒ぐが、すぐにコナンが怪奇現象のトリックを見破る。これは比良坂、朴之木が仕組んだイタズラだった。しかし、声だけは別の物にすり替えられており、可児は煌が蘇ると言って騒ぎ出す。  元々、煌は三船が勤めるコスプレショップの常連。三船は煌が逸材と気付き、あちこちに売り込んだという。そして1年前、この屋敷でパーティーが行われ、先に帰った煌が車ごと湖に転落。パーティーには比良坂、朴之木、澤南も参加していたという。この後、晶子が行方不明になり、晶子の携帯から「我、ここに復活す キラ」というメールが皆の携帯に届く。可児は煌がいると言って瞑想の間を開けようとするが、南京錠の鍵を持っているのは比良坂のみ。比良坂の携帯に連絡しても繋がらないため、小五郎らが南京錠を破壊して瞑想の間に突入すると、そこには絶命した晶子が横たわっていた…。

第03話
(604話)
降霊会W密室事件(第二の密室)

 朴之木は鍵が掛けられた比良坂の部屋を換気窓から覗き、比良坂の遺体を発見。晶子と比良坂はどちらも密室で絶命していた。小五郎たちが部屋の扉を破壊して中へ入ると、床一面に瞑想の間に貼られていた煌のポスターの切れ端がばらまかれていた。この後、目暮警部たちが捜査を開始。鑑識によれば、絞殺された晶子の遺体には防御創がないという。瞑想の間は上の方に換気窓があるが、足掛かりになる物はなく、窓を開閉するスイッチは押し続ける電動式。窓とスイッチは離れているため、窓から出る事はできないという。  比良坂の殺害には青酸系の毒物が使われており、千葉刑事によればワインに毒物が混入されていたという。この後、比良坂の部屋にある小卓の引き出しから2つの鍵が見つかる。引き出しはつまみが捻られ、鍵が掛けられた状態だった。1つは比良坂の部屋の鍵で、もう1つは鑑識が調べる事に。外に鉄製の飾り格子が付いた窓は内側から鍵がかけられていたという。コナンはポスターの事が引っかかり、破り捨てた理由を考える。  目暮は2人の死亡推定時刻の午後11時から午前1時のアリバイを確認するが、特に怪しい人物を見つける事ができない。八川は一ヶ月位前に朴之木が変な電話がかかってくると話していたと証言。すると、可児は澤南のもとに変な手紙が届いていた事を明かす。澤南は何者かに脅迫され、殺害されたという。この後、朴之木は自分も脅迫されている事を告白。煌はこの家で開かれたパーティーのアクシデントで亡くなり、遺体は比良坂が隠していると脅迫者は話していたという。さらに比良坂も何者かに脅迫されていた事が明らかに。  朴之木は脅迫者を見つけるために降霊会を開いたと告白。コナンは煌の声がすり替えられた事から脅迫者がこの中にいると推理し、目暮は澤南の事件と同一犯の可能性が高いと考える。この後、比良坂の部屋にあった鍵が瞑想の間の南京錠の物と判明。しかも部屋には晶子を殺害したロープと晶子の携帯があり、小五郎は比良坂が晶子を殺害し、自分の部屋で自殺したと推理する。コナンは澤南が殺害される前に書き残したキラという文字の写真を確認。キの縦棒がラに少し重なった文字を見たコナンは誰が犯人かに気付いて…。

第04話
(605話)
降霊会W密室事件(密室開放)

 澤南が殺害前に書き残したキラという文字を見て犯人に気付いたコナン。だが、比良坂が晶子を殺害し、自分の部屋で自殺したという小五郎の推理が間違いである事を証明するためには2つの密室トリックを暴かなければならなかった。まず、コナンは比良坂の部屋を調べる事に。鉄製の飾り格子が付いた換気窓を見て、脱出する事は不可能だと考えるコナン。この後、コナンはポスターがビリビリに破かれ、ばらまかれた理由を考える。  その時、警官がコナンを抱き上げて部屋の外へ。抱きかかえられて廊下に出たコナンは扉の横にある花瓶の花の上に乗った小さな紙の切れ端を発見。それは煌のポスターの切れ端だった。この切れ端が密室トリックを打ち破る突破口になると確信するコナン。続いてコナンは瞑想の間も調べる。壁の上方に換気窓があるが、そこまで登る足掛かりはなく、窓の開閉スイッチは電動式。このスイッチを押し続けなければ窓の閉じる事はできない。  この後、コナンは扉近くの床に倒れているイーゼルに注目。イーゼルの先端は窓の開閉スイッチの方を向いていた。部屋には降霊会の仕掛けを動かすリモコンが置き忘れられ、ポスターを抜かれたパネルもあちこちに散らばっていた。この状況を見たコナンは密室トリックの謎を解くが、コナンは犯人が手間をかけてまで密室を作った事を不思議に思う。そしてコナンは部屋を出る直前、犯人が密室を作った哀しい理由に気付く。  2つの密室トリックを見破ったコナンだったが、それを証明する証拠はなかった。この後、コナンは朴之木、可児、三船、八川、真帆たちのやりとりを聞き、犯人が確かな証拠を残していると確信する。コナンは小五郎を瞑想の間に連れて行って麻酔銃を発射。関係者全員を部屋に呼び集めた後、コナンは蝶ネクタイ型変声器を使い、眠りの小五郎として解決劇を始める。比良坂の遺体の近くに落ちていた晶子を絞殺したロープと彼女の携帯。この状況だけを見れば比良坂が晶子を殺害した後、自殺したと考えてしまう。だが、眠りの小五郎(コナン)は自殺ではないと断言した後、2つの密室トリックを暴いて…。

第05話
(606話)
「法廷の対決IV 裁判員小林澄子」(前編)

 コナンのクラスを受け持つ担任の小林澄子が殺人事件の裁判員に選ばれる。被害者は不動産会社社長の石垣忠(いしがき・ただし)で、被告の岩松俊夫(いわまつ・としお)を弁護するのは妃英理だった。妃が面会に行くと、岩松は石垣の家に盗みに入っただけと殺人に関しては無罪を主張。家に忍び込んだ時、すでに石垣は殺害されていたが、警察から証拠は揃っていると言われ、岩松は供述書にサインしてしまったという。  そして、この事件の第一回公判が行われる。無敗の妃と法廷で争うのは検察のマドンナ、九条玲子。コナンは蘭、小五郎と傍聴席から裁判を見守る。九条は石垣宅に侵入した岩松が石垣に発見され、ナイフで殺害したと起訴状を読み上げる。妃は凶器を特定できたのかと訊ね、九条は凶器が見つかっていない事を認める。この後、第一発見者の家政婦、原幸恵(はら・さちえ)が証人席に立つ。事件当時、2階にいた原は1階から物音がしたと証言。その後、原は1階に下りて石垣の遺体を発見したが、犯人の姿は見ていないという。  続いて石垣の義弟、塚野享(つかの・とおる)が証言台に。塚野は石垣の亡くなった妻の弟で、石垣の会社で専務として働いていたという。事件当時、塚野は仕事の件で石垣宅を訪ね、原の悲鳴を聞いて現場に駆けつけたという。この後、遺体が発見された書斎の写真を見た小林は壁の絵が逆さまかもしれないと裁判長に指摘。コナンは小林の言う通り、本当に絵が逆さまなら、そこには何か理由があると考える。 閉廷後、コナンが小五郎、蘭と共に石垣邸を訪れると、すでに九条が次回公判に向けて検証を行っていた。  蘭は画集と絵を見比べ、小林の指摘通り、絵が逆さまにかけられている事を確認する。九条と部下が額縁を外すと、裏蓋に血痕が付着していた。さらに裏蓋を外すと、借用書や手形が隠されていて、岩松が300百万借りた借用書も発見される。コナンは絵を逆さにしたのが岩松なら、借用書を持ち帰らないのは不自然と感じる。この後、コナンは飾り棚の花瓶敷を見て、花瓶がない事に違和感を抱く。花瓶の事を聞かれた原が動揺すると、コナンは事件の真相を解く鍵が逆さになった絵と無くなった花瓶の行方にあると睨んで…。

第06話
(607話)
「法廷の対決IV 裁判員小林澄子」(後編)

 妃英理は被告の岩松と面会し、絵の裏に借用書があった事を伝える。岩松は借金の事がバレれば、ますます疑われると思って黙っていた事を告白。当然、検察側はこの借金の件が被害者を殺害する動機を証明するものと考えていた。だが、岩松は借用書を取り返しに行っただけと殺害の容疑を改めて否認。借用書が絵の裏にあった事も初めて知ったという。この後、妃が部屋に花瓶はあったかを訊ねると、岩松は石垣の遺体を見て後ずさりした時、背後の飾り棚にぶつかり、その拍子に上にあった花瓶が落ちて床に転がった事を明かす。  コナンは弁護士事務所に戻った妃に花瓶の事を確認。妃は岩松が部屋に花瓶があったと話した事をコナンに伝える。だが、警察の現場検証ファイルには花瓶の記録はなく、妃は誰かが花瓶を持ち去ったと考える。コナンは花瓶が部屋のドア付近に転がったと聞いて何かに気付く。その時、検察の九条玲子から凶器が発見されたという連絡が入る。凶器が見つかったのは公園のプールの底。この公園は岩松が捕まった場所の近くだった。  コナンに頼まれ、石垣邸を訪れる元太、光彦、歩美。元太たちが花瓶の話題を出すと、原幸恵は花瓶の事を思わず話しそうになる。元太たちから原の反応を聞いたコナンは原が消えた花瓶の行方を知っていると確信する。夜、石垣邸に何者かが侵入。そして侵入者が抱えてきた包みを開こうとした時、待ち伏せしていた小五郎とコナンが侵入者を捕まえる。侵入者の正体は原だった。原は花瓶を元の場所に戻そうとしていた。  裁判2日目。九条は借用書、凶器のナイフを新証拠として提出。だが、妃は狼狽える事なく、原の再喚問を裁判長に要求する。妃は花瓶を取り出し、見覚えがあるかを原に確認。原は書斎にあった花瓶と認め、事件の翌日、ゴミ置き場で見つけたと証言する。不燃ゴミの日ではなかったため、収集されずに残されていたという。原は花瓶をネコババしようと持ち去ったのだ。さらに妃は花瓶の発見に立ち会った小五郎を新たな証人として申請する。小五郎は犯人が花瓶に凶器を入れて持ち出したと証言。花瓶には血痕が付着していた。だが、小五郎は九条の追及にしどろもどろになり、コナンは小五郎に麻酔銃を発射して…。

第07話
(608話)
「裏切りのホワイトデー」(前編)

 ウライ製菓のCMに出演した小五郎はコナン、蘭と共に同社のホワイトデーパーティーが開催される杯戸シティホテルへ。社長の浦井垂人(うらい・たると)は小五郎に声をかけ、妻で副社長の浦井星江(ほしえ)を紹介する。垂人は毎回パーティーで手品や寸劇などの出し物を披露する事で有名。蘭は垂人の出し物を楽しみにしていた。パーティーが始まると、星江は飲み物のテーブルからレモン入りレモンティーを手に取る。  この後、小五郎は指名を受け、壇上でスピーチを行う。スピーチ中、星江は蘭に声をかけて手相を占う。垂人は星江が手相に詳しいと知って驚く。星江は手相を見ながら「ちゃんと聞いてる?」と確認。垂人が「ああ、多分」と返事をしたため、コナンは違和感を覚える。その直後、垂人は苦しみ出し、喉元を掻いて倒れる。星江はミステリーの寸劇だと思い、笑いながら垂人の顔をのぞき込み、スピーチ中の小五郎に出番だと声をかける。  小五郎は何もわからないまま寸劇に参加するが、いくら呼んでも垂人に反応はない。コナンは垂人が息をしていない事を伝え、星江はようやく垂人が死んでいる事を知って取り乱す。そして現場に駆け付けた目暮警部らが捜査を開始する。垂人の死因は毒殺。青酸化合物による急性薬物中毒だった。目暮は垂人が倒れた時の状況を確認する。  倒れた垂人のすぐ横にいたのは星江のみ。星江は蘭の手相を見ていたと証言する。蘭は星江が両手を使って自分の左手を持っていた事を伝え、佐藤刑事は星江に毒を飲ます事はできないと考える。この後、コナンは星江が「ちゃんと聞いてる?」と言った事を目暮に報告し、垂人の返事が変だった事も伝える。すると星江は垂人が上の空だったと告白する。  酸味のプロの星江と甘みのプロの垂人はそれぞれ得意な分野で道を究める事になり、スピーチ後、垂人は星江と離婚して会社を2つに分ける事を発表する予定だったという。星江は身体検査に向かう時、足元がふらついて飲み物のテーブルに倒れてしまう。この後、垂人の車から毒薬とオブラートが発見され、皆は垂人が離婚を悲観して自殺したと推理する。だが、コナンは星江が犯人だと確信し、どんなトリックを使ったのかを推理して…。

第08話
(609話)
「裏切りのホワイトデー」(後編)

 パーティー中にウライ製菓の社長、浦井垂人が突然苦しみ出して絶命。皆は離婚を悲観して自殺したと推理するが、コナンは妻で副社長の星江が垂人を毒殺した犯人だと確信する。手相を見ていた時に星江が発した「ちゃんと聞いている?」という言葉が引っかかるコナン。コナンがこの言葉について考えていると、花粉症の千葉刑事がくしゃみをする。そして、コナンは千葉刑事と佐藤刑事の会話を聞いて何かに気付く。  この後、蘭はテーブルから煙があがっていると騒ぎ出す。煙の原因は小五郎が自分の小指に灰を落とし、思わず放り投げてしまったタバコだった。小五郎のタバコが載って焦げてしまった紙ナプキン。コナンはこれが星江のレモンティーについていた紙ナプキンだったと気付き、星江が飲み物のテーブルに倒れた理由を見破る。この後、コナンは小五郎に指示されたと言って、高木に犯人が隠そうとしたトリックの証拠品を捜して欲しいと頼む。  垂人の車から毒薬とオブラートが見つかり、垂人の奥歯の間に同じオブラートが挟まっていた事から自殺したとしか考えられないと訴える星江。星江はパーティーに来ている客を解放して欲しいと目暮警部に頼む。星江は自分が犯人なら名探偵の小五郎をパーティーに呼ぶ訳がないと主張。すると、それがトリックの策略だと指摘する小五郎の声。変声機を使ったコナンだった。  この後、コナンは小五郎に麻酔銃を発射し、眠りの小五郎として解決劇を始める。眠りの小五郎(コナン)は蘭が利用されたと指摘。眠りの小五郎は蘭が星江の両手がふさがっていた事、倒れた後に垂人が動かなかった事を証言すれば、容疑者から大きく外れるという星江の目論見を暴く。しかも星江はトリックがバレる事を恐れ、小五郎のスピーチ中に犯行に及んだのだ。続けて、眠りの小五郎は「ちゃんときいている?」という言葉が事件を解く鍵である事を明かし、垂人が酸っぱいモノを苦手としていた事を利用したトリックの全貌を明らかにする…。

第09話
(610話)
被害者はクドウシンイチ

 小五郎、コナン、蘭がシャーロック・ホームズの「パスカビルの魔犬」の放映を見ていると、服部平次と遠山和葉がやってくる。平次は本当の魔犬退治に行こうと誘い、5年前に病死した犬伏(いぬぶし)グループ会長、犬伏恒弟について話し始める。若い頃、女グセが悪かった恒弟。恒弟が他界した後、会長と血の繋がった子供だと名乗る人が8人も現れ、妻の裟臣はその8人を自分の養子として引き取ったという。  今度は裟臣が病気で倒れ、遺産相続を巡る事件が発生したと説明する平次。裟臣が亡くなったら養子8人に分配される莫大な遺産。最近、養子の2人が奇妙な死に方をしたらしく、崖から落ちた1人は今際の際に犬によく似た魔物に襲われたと言い残したという。和葉の母親と知り合いの養子の1人は、呪いのせいだと怖がり、遺産の相続権を放棄して犬伏家を出たという。コナンは平次と一緒にその養子だった人の話を聞きに行く事に。  その人の名前が変わっていると伝える平次。その養子だった人は工藤伸壱(くどう・しんいち)という名前だった。コナンと平次が家の呼び鈴を鳴らすと、ホームヘルパーの虻川舟江(あぶかわ・ふなえ)が対応。伸壱は腰が悪く、今は風邪気味で眠っているという。コナンと平次は起きるまで待たせてもらう事になり、その間に虻川は買い物へ出掛ける事に。コナンたちが留守番をしていると、突然、伸壱の部屋から音楽が聞こえてくる。  平次は伸壱の部屋の扉がガムテープで目張りされている事に気付き、体当たりして部屋の中へ。伸壱は床に倒れていて、横には七輪が置かれていた。コナンたちは現場の状況から練炭自殺ではなく、虻川が伸壱を殺害したと推理し、戻ってきた虻川を追及。すると、観念した虻川は部屋に来た時、伸壱は既に亡くなっていたと明かす。虻川は部屋の電話に犯人から洋服ダンスに伸壱を閉じこめたという連絡があったと告白。伸壱は練炭と共にタンスに閉じこめられ、殺害されていたという。虻川は息子を同じ目に遭わせると脅され、犯人の指示に従って練炭自殺を偽装した事を明かす。この後、捜査が行われ、伸壱の口から真珠が発見される。コナンたちはダイイングメッセージの可能性があると睨むが…。

第10話
(611話)
犬伏城 炎の魔犬(鬼火の章)

 小五郎の運転する車で群馬にある犬伏家に向かうコナン、蘭、平次、和葉。遺産相続権を放棄した伸壱が殺害されたため、小五郎は遺産争いではなく、犬伏家に恨みを持った犯人の犯行と睨む。平次は伸壱の前に亡くなった養子の事を小五郎に教える。美我子は沼で溺れて亡くなり、火の気のない沼の周りの草が燃えていたという。蛍慈は炎に囲まれた魔犬に襲われ、崖から転落死したという話だった。  この後、バイクに乗った犬伏家の養子の1人、幸姫(みゆき)が声をかけてくる。小五郎の車は崖から落ちる寸前だった。コナンたちは幸姫に案内され、犬伏家にやってくる。そして、コナンたちは別の養子、考子(たかこ)と共に裟臣(さとみ)の部屋を訪れる。部屋では養子でもある犬伏病院の勤務医、知晃(ともあき)が脳梗塞で寝たきりの裟臣を診察していた。コナンたちが話していると、別の養子の禅也(よしや)も姿を現す。もう1人の養子、佐記(さき)は外出中だという。  幸姫は犬伏家に伝わる魔犬の謂われを語り始める。明治の頃、犬伏家の主人は娘を襲ったと勘違いして飼い犬を燃やしてしまったという。数日後に起きた火事で主人だけが逃げ遅れて亡くなり、それ以来、犬伏家は炎の魔犬に祟られていると言われていた。コナンたちは幸姫と共に先ほどの崖の下にある犬の墓を見に行く。ここは蛍慈が落ちた崖らしく、コナンが崖を見上げると、崖の上から物凄い音と共に自転車に乗った佐記が落下してくる。  佐記は今際の際に「い…犬…燃えた」と言い残す。コナンたちが崖の上に行くと、まるで犬が歩いた足跡のように炎が点々と残っていた。この後、群馬県警の山村警部が捜査を開始。伸壱が殺害された日、幸姫、考子、知晃、禅也は揃って伸壱に会いに行っていたと証言。帰りは4人別々に帰ったという。さらに伸壱の口から発見された真珠は犯人の何らかのメッセージと判明。蛍慈の遺体近くからパチンコ玉、美我子が溺れた沼からピンポン玉が見つかったらしく、蘭も佐記が転落した後、ビー玉を見つけたと証言する。この後、蘭と和葉が飼い犬に餌をやるため、庭に出ると、炎に包まれた魔犬が現れて…。

第11話
(612話)
犬伏城 炎の魔犬(足跡の章)

 コナン、平次らは蘭が見たというビー玉を探すため、佐記が転落死した崖下に向かう。その頃、蘭と和葉は犬伏家の庭で炎に包まれた魔犬に迫られ、屋敷へと避難するが、飼い犬のハチが心配になって再び庭へ飛び出す。コナンたちは崖下でビー玉を発見した後、崖上を調べる事に。崖のふちの落下防止用のロープは何者かに切られ、立て札も抜かれていた。犯人の思惑通り、佐記は暗闇で犬に追いかけられ、崖から転落してしまったのだ。  この後、平次らは魔犬が出たという連絡を受け、急いで屋敷に戻る。庭には崖上と同じ足跡のような燃えた跡が残っていた。コナンはこの足跡が途切れている所に気付く。そこは和葉が転倒した場所だった。和葉は倒れた時に玉ネギが腐ったような匂いがした事を明かし、蘭は足跡がカラカラと音を立て、飛び跳ねて生きているみたいだったと証言する。  魔犬が屋敷内に引き入れられたのは裏口で、小五郎は屋敷にいた考子、幸姫、知晃、禅也の誰かが犯人と睨む。平次は屋敷近くで誰かが魔犬を飼っていると推理。すると知晃は犬の鳴き声がする小屋が森にある沼の傍に建っていると証言する。知晃は正確な場所がわからないらしく、森に詳しい幸姫がコナンたちをその沼まで案内してくれる事に。この後、コナンらは沼の近くにある小屋を発見し、怖がる知晃を車内に残して中へと乗り込む。  小屋の中は黒魔術の本だらけで、床には魔法陣が描かれていた。コナンたちが小屋を調べていると、外から知晃の悲鳴が聞こえてくる。外では知晃が炎の魔犬に追いかけられていた。そして、土手の反対側に転がり落ちる知晃。知晃の右腕は炎に包まれ、平次がその炎を上着で叩いて消す。知晃が襲われた傍には玉ネギが落ちていた。  すでに庭で魔犬を見た蘭と和葉の証言から火の足跡のトリックを見破ったコナンと平次。だが、2人は魔犬がどうやって知晃に火傷を負わせたのか、そのトリックがわからずにいた。そして、コナンと平次は事件を解く鍵が現場に残された玉にあると推理し、犬伏家と玉の接点を幸姫に訊ねる。幸姫は自分の元の名字が玉木だと明かし、それを聞いたコナンは何かに気付く。さらに幸姫は自分の名前にまつわる秘密を語り始めて…。

第12話
(613話)
犬伏城 炎の魔犬(姫の章)

 恒弟会長から一文字取って、弟恵(ちかえ)になるはずだった幸姫。だが、恒弟を恨む母が嫌がって幸(みゆき)という名にしたという。恒弟は城のような屋敷に住んでいる事もあり、妻の裟臣を姫様と呼んでいたらしく、幸姫は犬伏家に来た時、裟臣の勧めで姫の字をつけて今の名前に。続けて、幸姫は養子たちの名前にまつわる秘密を語り始める。  伸壱は出生届を出す直前に名前を変更。最初は仁(ひとし)という名前にするはずだったが、簡単過ぎるという理由から恒弟が変えたという。考子は男だったら考季、禅也は女だったら祐花、知晃は女だったら知春になるはずだったという。これは全て恒弟がつけた名前で、幸姫は亡くなった蛍慈、美我子、佐記にも別の名前があった事を明かし、コナンと平次は名前が事件と関係していると睨む。  平次は知晃が魔犬に襲われた時に拾った布切れが魔犬のトリックに使われたと推理する。この後、コナンたちは遅い夕飯を摂り、蘭は携帯電話のTVクイズ番組を見始める。コナンと平次は番組のセットを見て、魔犬のトリックを見破り、同時に誰が犯人なのかにも気付く。その直後、布団から抜け出して倒れている裟臣が見つかる。瞳から涙を流して倒れている裟臣は、手に数珠を握りしめていた。それは8つの玉で、上から4つ目だけ小さい矢玉だった。それを見たコナンと平次は裟臣がすでに犯人を知っていたと察する。  就寝後、トイレに行こうとする蘭と和葉。この時、蘭は養子たちの名前にまつわる話を小五郎に教える。さらに裟臣が数珠を握っていた事を知った小五郎は「南総里見八犬伝」を思い浮かべる。これは江戸時代の文豪、滝沢馬琴の長編小説で、小五郎は幸姫の玉木幸という元の名前に注目。それは小説で城主の里見家を呪った怨霊、玉梓の名と同じだった。  小五郎は幸姫が今回の事件の犯人だと推理する。この後、和葉は寝ているはずのコナンと平次がいない事に気付く。小五郎は裟臣の看病をしている幸姫に真相を確かめようとする。だが、幸姫は「私の犯した全ての罪を、魔犬を育てたあの小屋で償います」と書かれた置き手紙を残して姿を消していた…。小五郎たちは急いで小屋に向かうが…。

第13話
(614話)
日記が奏でる秘密(前編)

 タケノコ堀りの帰りに山の中で阿笠博士の車が故障する。車はレッカー移動する事になり、阿笠はオートサービスの車に乗って街に戻り、レンタカーでコナンと少年探偵団を迎えに来る事に。だが、阿笠はトラブルがあって迎えに行くのが遅くなると連絡してくる。その直後に雨が降り出し、コナンたちは近くにある別荘地の別荘の軒下で雨宿りする。すると、1軒の別荘からピアノの音が聞こえてくる。曲は「G線上のアリア」だった。  光彦がその別荘の呼び鈴を鳴らすと同時にピアノの音は止まる。応答がないため、元太が試しに玄関のドアノブを回すとドアが開く。コナンたちが真っ暗な室内に入ると、床にはポテトチップスが散乱。そしてコナンたちはピアノのある部屋へと入る。オーディオ機器もあったが、聞こえてきたのはピアノの事と考えるコナン。調律がズレている音があったからだ。その時、光彦は廊下から室内を覗く背の高い何者かに気付いて悲鳴を上げる。  コナンがドアの外を確認すると、廊下に台車が置かれていた。この後、コナンたちはキッチンを調べる。テーブルの上は食いかけの食べ物が散乱。コナンはテーブルの上で倒れたワイングラスの横にある手帳に気付き、書かれた日記を読み始める。「殺すしかない」という内容に驚く光彦たち。哀は誰かが小さい男の子を誘拐して、この家に監禁していたと推理する。最後の日記には「ボウヤ、すまなかった、許してくれ」と書かれていた。  この後、電気が消え、再びピアノの音が聞こえてくる。コナンが怖がる歩美たちと移動していると、目の前に棺が置かれていた。日記の内容から男の子が殺害されたと考えるコナンたち。だが、棺を開けると中は空だった。ピアノの音を聞いたコナンは犯人がピアノの部屋にいると推理。コナンたちは犯人がピアノを弾いている間に男の子を捜す事に。コナンたちは子供部屋のような一室に入り、携帯ゲームと新聞チラシを発見。チラシの裏にはゲームの宝の地図が書かれていた。この後、コナンたちはキッチンに移動し、歩美がいない事に気付く。元太は犯人に捕まったと心配するが、光彦はピアノの音が聞こえるため、犯人はピアノの部屋にいると考える。だが演奏はピアノの音ではなく、CDの音だった…。

第14話
(615話)
日記が奏でる秘密(後編)

 歩美がいない事に気付いて心配するコナンたち。その頃、歩美は廊下のT字路へ行き、お湯で濡れた床に落ちている写真を発見する。この後、歩美はコナンたちがいるキッチンに戻り、写真を拾った事を報告。それは音楽一家の写真だった。父がバイオリン、母がフルートを持ち、少女がピアノの前に座る写真で、哀は写っているのは別荘の家主か、犯人だと推理する。コナンは事件を解く鍵が日記にあると考え、手帳をもう一度調べる事に。  日記の日付は4月20日、22日、23日、24日で、コナンは21日の日記が省かれている事に着目。日記の内容はまるで21日がなかったかのように繋がっていた。最後の24日の日記には赤いシミがあり、コナンはワインをこぼした跡と推理する。ワインが乾ききり、ページが張り付いていたため、コナンは手帳を発見する1時間以上前に書かれた日記だと判断。コナンはそれを踏まえ、この日の24日の日記に雨と書かれている事を不思議に思う。雨が降り出してから手帳を発見するまで1時間も経っていなかったからだ。  さらにコナンは手帳の真ん中のホッチキスの針が互い違いにズレて、穴もわずかに大きくなっている事に気付く。そして、コナンは縁からはみ出したページが2つある事に注目。コナンははみ出したページの次に何かが書かれた跡がある事に気付き、シャーペンの芯でその部分をこすり出す。するとゲームの宝の地図が浮かび上がってくる。事件の真相に近づいたコナンはピアノの部屋に行き、ある事を確かめれば答えが出ると皆に伝える。  ピアノの部屋に入ると、コナンの言う通り、演奏はピアノの音ではなく、CDの音だった。コナンはピアノの椅子に座って高さを確認するが、予想していた高さではなかった。この後、光彦は椅子の高さを調節できる事に気付き、それを聞いたコナンは相手がとびきりヤバイ天才である事を皆に伝える。そして、コナンは椅子の高さを子供の高さに合わせた後、歩美にピアノの伴奏を頼み、皆で楽しい曲を歌って欲しいとリクエストする。歩美、元太、光彦は言われるがまま景気の良い曲を歌い始める。すると、ドアの陰に潜んでいた何者かが部屋の中を覗き込む。なんとコナンたちの前に現れたのは…。

第15話
(616話)
ホームズの黙示録(名探偵の弟子)

 コナンと小五郎、蘭が喫茶店ポアロにいると、そこに猫が入ってくる。続けて飼い主のダイアナが現れ、猫を見つけてくれた事を小五郎に感謝する。ミステリーの大ファンというダイアナは小五郎が探偵と知り、英・ロンドンの自宅に招待。コナンたちは4連休を利用してロンドンに行く事に。パスポートがないコナンは哀に渡された薬を飲んで一時的に工藤新一に戻り、阿笠博士と飛行機に乗って小五郎と蘭とは現地の空港で合流する。  ダイアナと会う夜まで時間があるため、コナンたちはシャーロック・ホームズ博物館を見学する。そしてコナンはアポロという少年がホームズに会わせろと係員に詰め寄る場面に遭遇。アポロは早くしないと事件が起きて人が殺害されると訴えるが、係員は取り合ってくれない。アポロは姉の試合の時間が迫っていると気付き、その場を去ろうとする。そんなアポロにホームズの弟子だと声をかけるコナン。コナンは鋭い洞察力からアポロの名前、姉がテニスの世界ランク1位のミネルバ・グラスだと言い当てる。  アポロはコナンがホームズの弟子だと信じ込み、事件について話し始める。アポロがウィンブルドンの観客席から練習する選手たちを観戦していると、キャップを被った男が声をかけてきたという。男はロンドンのどこかで人が死ぬとアポロに伝え、「君の目の前でな」と付け加えたらしい。さらに男は「ロンドン警視庁に伝えろ、それは私の黙示録。どうしても解けなかったら、ホームズにでも泣きつけ」と言って紙切れをアポロに渡したという。  コナンはその紙切れの内容を確認。それは「轟く鐘の音で、私は目を覚ます」「私は城に住む鼻の長い魔法使い」「腹ごしらえは死体のように冷たくなったゆで玉子」「仕上げにピクルスを丸かじりすれば十分だ」「そうそう、祝いのケーキを注文しておこう」「再び鳴る鐘の音が私の憎悪を掻き立てる」「全てを終わらせろ 白い背中を2本の剣で貫いて」と書かれた7行の暗号文だった。この後、コナンは姉の試合に行くアポロの代わりに暗号文を持ってロンドン警察へ向かう。警察署は同じ紙切れを渡された子供たちで溢れていた。コナンは「君の目の前でな」という男の発言から大量殺人が計画されていると推理して…。

第16話
(617話)
ホームズの黙示録(LOVE is 0)

 小五郎と蘭は人が集まりそうな場所を巡るが、不審な点を見つける事ができない。蘭は新一に暗号文の解読を頼もうと考えるが電話をかける事をためらう。先ほど電話した時、素っ気ない新一に怒鳴ってしまったからだ。蘭が自分にも非があると反省していると、女性が恋の悩みかと声をかけてくる。それはミネルバ・グラスだった。少し前、同じように恋の事で悩んでいたというグラスは蘭に恋愛のアドバイスをして弟のアポロと去っていく。  午後8時、コナンは阿笠博士と暗号文が示している場所を探してロンドン中を駆け巡っていた。その時、コナンの携帯に蘭から連絡が入る。ダイアナと食事をする約束の時間だった。コナンが食事に行けない事を伝えると、蘭はコナンたちの現在地を確認。捜査を邪魔されたくないコナンはビッグベンにいると言わず、ロンドン・アイにいるとウソをつく。この後、蘭はコナンと阿笠を迎えに行くため、ロンドン・アイに向かう。  途中、蘭は新一の携帯に連絡を入れる。コナンは新一の携帯と気付かずに電話に出て、慌てて変声機を使う。蘭が暗号の事を相談すると、新一(コナン)はコナンから聞いていると説明。その時、ビッグベンの時計の鐘が鳴り、新一(コナン)は1つ目の暗号文「轟く鐘の音で、私は目を覚ます」はビッグベンの事だと気付く。だが、同時にロンドンにいることが蘭にバレてしまい、新一(コナン)は慌てて電話を切る。  蘭は新一を見つけ出すため、急いでビッグベンへ向かう。コナンと阿笠は蘭に見つからない内にその場を離れようとする。その時、ビッグベンの横にあるウェストミンスター橋の排水口の外れたフタにつまずくコナン。排水口の脇には「The valley of Fear(恐怖の谷)」とホームズの話のタイトルが書かれていた。  蘭は近くの人に声をかけ、日本人の少年が電話ボックスに入った事を聞き出す。電話ボックスに追い詰められたコナン。ここで見つかればコナンの正体が新一だとバレる事は確実だった。コナンはやむなく哀に渡された薬を飲んで新一に戻って蘭と対面する。だが、それは帰国用の解毒薬。これでコナンは帰国する事ができなくなってしまう…。

第17話
(618話)
ホームズの黙示録(サタン)

 蘭が新一と再会した翌日。蘭と小五郎がコナンを心配して様子を見に行くと、阿笠は風邪で寝込んでいると説明する。実は、コナンはまだ新一に戻った状態で、姿を見せられないのだ。新一は布団の中から変声機を使い、コナンとして、7つの暗号が建物や場所を示していると蘭たちに伝える。蘭と小五郎はすぐに外出して暗号を解読する事に。新一はいつコナンに戻るかわからないため、外出する事ができない。  この後、新一は阿笠に新聞を見せ、暗号の紙から指紋が検出され、容疑者が割り出された事を伝える。容疑者はハーデス・サバラという逃走中の連続殺人犯だった。ロンドン市街に出た蘭と小五郎。蘭が通行人に玉子型の建物があるかを訊ね、3行目の暗号「腹ごしらえは死体のように冷たくなったゆで玉子」はロンドン市庁舎と解読する。  蘭は市庁舎を訪れ、マザリン・ストーンと書かれた人形を発見。「解けなかったらホームズに聞け」という犯人の言葉から蘭は「マザリンの宝石」というホームズの話のタイトルを思い出す。蘭はこの小説の台詞「僕は頭脳なのだよ、ワトソン君」から、人形の頭を胴体から抜き、人形の首の付け根に記された「T」という文字を発見する。蘭は暗号の場所に隠された文字をつなぎ合わせると何かの言葉になると推理。同じように4行目の暗号文「仕上げにピクルスを丸かじりすれば十分だ」がガーキンと呼ばれる建物と見破る。  その頃、新一はハーデスの事を調べていた。難病の母親の手術費を作るため、借りた金を株やブックメーカーに突っ込むが全て外したハーデス。母親は手術が受けられずに他界し、人が変わったハーデスは借金返済を迫った知人や友人を惨殺、手術を断った病院を次々に爆破したという。さらに元軍人の爆弾のプロ、ヘスティアという女性の仲間がいる事も判明。この後、蘭は新一に連絡して状況を報告。ガーキンの状況を聞いた新一は電話で指示を出し、蘭は「N」という文字を発見する。新一は一緒に推理するため、蘭のものに駆け付けようとするがコナンに戻ってしまう。さらに蘭は新一(コナン)に電話でサポートされながら偶然会ったアポロと共に暗号を解読。そして発見した文字をつなぎ合わせると…。

第18話
(619話)
ホームズの黙示録(Code break)

 コナンは変声機を使い、新一として蘭を電話越しにサポート。これまでに解読した暗号文は5つで、新一(コナン)は発見した5文字を並び替え、SATAN(悪魔)というキーワードを導き出す。残りの暗号文は2つで、新一は「私は城に住む鼻の長い魔法使い」がエレファント&キャッスル地区を示していると解読。蘭、小五郎、アポロはエレファント&キャッスル駅に向かい、アポロは駅前を行き来する不審な男に気付く。  男はIdentityと書かれたアタッシュケースを持っていた。連絡を受けた新一はホームズの小説「A case of Identity(花嫁失踪事件)」を連想し、声をかけろと指示する。男は何者かにお金をもらい、駅前でウロウロするように頼まれたという。新一は小説の台詞からズボンのヒザを見るように指示。蘭はズボンのヒザ裏の部分に書かれた文字「U」を発見する。  最後の暗号文は「全てを終わらせろ白い背中を2本の剣で貫いて」。新一は阿笠博士が持つ紅茶カップの2本の剣のマークに注目し、蘭たちはその食器メーカーのお店へ向かう。何者かが店の看板にいろんな色の糸の先にベルがついた飾りをつけたらしく、新一はホームズの小説「緋色の研究」を連想。新一は糸の束から緋色の糸を見つけろと指示し、蘭は緋色の糸のベルに書かれた文字「R」を見つける。新一は全ての文字を並べ替え、SATURN(土星)というキーワードを導き出す。サタデーの語源はローマ神話の農耕の神サトゥルヌスで、英語読みがサターンだった。新一は犯人が土曜日に事件を起こすと推理する。  そして翌日の土曜日。犯人のハーデスは2つ目の病院を狙った時、警察は暗号文を解読したが、爆発処理班が突入した直後に病院を爆破したという。犯行を止めるには暗号文を解読し、気付かれずに予告の場所に行ってハーデスを捕まえなければならない。阿笠は地図上の暗号文の場所に×印をつける。小五郎は7つの×印を線で繋ぎ、その形から風船を連想する。だが、コナンはその形をテニスのラケットと判断。この日はアポロの姉、ミネルバ・グラスが出場するウィンブルドン女子シングルス決勝の日。コナンはたくさんの観客が集まるウィンブルドン女子シングルス決勝の会場が犯人の狙いだと推理して…。

第19話
(620話)
620

 コナン、小五郎、蘭、阿笠博士はウィンブルドンのセンターコートに入れず、マレーマウンドの大型モニターで女子シングルス決勝を観戦する。芝の女王ミネルバが第一セットを0-6で取られた事を不思議に思うコナン。そして、コナンはセンターコートの観客席にいるアポロを呼び出し、姉のミネルバが犯人のハーデスに狙われている事を教える。自分が狙われていると知ったミネルバはサーブの位置でそれを伝えようとしていたのだ。  ヘタに騒げばハーデスはその瞬間にミネルバを殺害する可能性も高い。コナンはアポロのチケットで会場に入り、気付かれないように変装したハーデスを見つけ出す事に。観客席に移動したコナンはミネルバがサーブを落とした位置で点字を示している事に気付く。母親は目が見えないため、ミネルバは点字を知っているのだ。ミネルバは「HELP」と点字がわかる観客にメッセージを送っていた。  コナンは観客席で両手を広げ、「僕が助けてあげるよ。僕はホームズの弟子だからさ」とミネルバに訴えかける。ミネルバもそれに気付き、サーブで犯人からのメッセージを打とうと試みる。ミネルバは「GAME」「SET」「DEATH」「MOM」と点字で示し、コナンはハーデスの狙いがミネルバ本人ではなく、母親だと気付く。ミネルバが負けた去年の全仏オープンテニスだけ応援に行かなかった母親。ミネルバの優勝に大金を賭けたハーデスは母親が来なかったせいで負けたと考え、母親を逆恨みしているのだ。  この後、コナンは観客席にいる母親がファンからもらったぬいぐるみを抱えている姿を見て、その中に爆弾が仕掛けられていると推理する。ハーデスは試合終了と同時にそれを爆発させ、母親を殺害しようと計画していた。不審な動きをすれば、遠隔操作で爆弾のスイッチを押される可能性が高く、コナンは観客1万5千人の中から変装したハーデスを見つけて捕まえるしか方法はないと考える。コナンはアポロに連絡し、母親がいつも日陰になる一般席から試合を観戦している事を知る。コナンはハーデスが毎回犯行の瞬間を撮影している事に着目し、母親を正面から撮影できる向かい側にいると推理するが…。

第20話
(621話)
ホームズの黙示録(0 is Start)

 アポロは試合中にミネルバがギリギリ外れる高いロブを打って観客席の母親を見つける事をコナンに伝える。コナンは観客席にいる犯人、ハーデスを見つける方法に気付き、「チャンピオンシップ・ポイントを取られても諦めないで!粘って絶対勝って!」とミネルバにメッセージを送る。この後、雨で中断されていた試合が再開され、ミネルバはコナンの指示通り、ラリーで時間を稼ごうと考える。第2セットは6対6のタイブレーク。ミネルバはこのセットを落とすと同時に母親が殺害される後がない状況だった。  相手にチャンピオンシップ・ポイントを取られた状況の中、ミネルバは必死にラリーを続けて時間を稼ぐ。その間に観客席のどこかにいるハーデスを探すコナン。だが、ハーデスを見つけ出す前にミネルバは相手にセットポイントを奪われて万事休す。審判は試合終了を告げ、ハーデスは爆弾のスイッチに手をかける…。その時、ミネルバは「チャレンジ」と審判に叫び、相手の球がアウトだったと主張する。これは審判の判定に不服がある場合にボールが落ちた位置を確認できるシステムで、CG映像によって判定が確認される。  その結果、ミネルバの主張が通って判定が覆る。この後、ミネルバは観客席にいるコナンの表情を見て、ハーデスを見つけ出した事を確信。ミネルバは第2セットを奪取し、勝負はファイナルセットに持ち込まれる。コナンはハーデスがいるスタンドの入口で警備員に制止されてしまう。コナンが持っているチケットではハーデスがいるスタンドに入る事ができないのだ。その時、ずっとコナンを監視していたサングラスの女が現れる。  女はぶつかった時に取り違えたと言って、コナンにハーデスがいるスタンドに入れるチケットを差し出す。その女はコナン(新一)の母親、工藤有希子だった。コナンは驚きつつもチケットを受け取り、スタンドへ続く階段を駆け上がっていく。有希子がコナンを見送ると、そこにコナン(新一)の父親、工藤優作がやってくる。この後、コナンはハーデスの背後に忍び寄り、時計型麻酔銃を構える。だが、コナンは女性客に「ホームズの弟子」と声をかけられ、ハーデスに気付かれてしまい…。

第21話
(622話)
緊急事態252(前編)

 学校帰りに缶蹴りをする事になり、元太は廃ビルにコナンと光彦、歩美、哀を連れて行く。この廃ビルは来週取り壊される予定で、元太が先日入った時は誰もいなかったという。オニになったコナンは歩美、光彦、哀を次々と見つけ、残すは元太のみとなる。コナンは探していない3、4階に元太がいると推理。その時、元太が探偵団バッジを使ってコナンに連絡してくる。元太は不安げにビル内に誰かいる事をコナンに伝える。  元太は壁を叩く音が聞こえてきたと説明。音は2回、5回、2回して止まったらしく、コナンは東京消防庁の通話コードを思い浮かべる。252は要救助者有りという通話コードだった。光彦も同じ事を考え、姉から通話コードを教えてもらったと明かす。光彦はノートを見て252が意味するコードを確認し、誰かが助けを求めていると考える。そして、コナンたちが3階にいる元太と合流した直後、ガンという音が4階から聞こえてくる。  コナンたちが4階に行き、音がする部屋のドアを開けると、中では作業服を着た男2人がトンカチで壁を叩いていた。男たちはビルを取り壊す準備のため、強度を確認しているという。コナンはコンビニ弁当の容器が3つある事を不審に思う。だが、大食いの1人が2人分食べただけだという。男たちは立ち入り禁止だと言って帰るようにコナンたちを促す。帰り際、コナンはビル解体に使う爆薬の量を訊ね、男たちは調査中だからわからないと答える。男たちと別れた後、コナンは2人がウソをついている事を元太たちに教える。  コナンはすぐ隣りに建物があるビルの爆破解体なんてあり得ないと説明し、2人が解体業者を装って誰かを監禁している悪い2人組だと元太たちに伝える。使用済みの割り箸が3つあったため、1人が2人分食べたというウソを見破ったコナン。元太が聞いた252の音は監禁されている誰かがSOS代わりに壁を叩いた音だった。コナンは誘拐事件と判断し、高木刑事に通報しようと携帯を取り出す。だが、携帯の待ち受け画面を見た歩美たちが騒ぎ出し、男たちがやってきてしまう。男たちは通報しようとしていた事に気付いてコナンたちを捕まえようとする。コナンたちは一瞬の隙を突いて逃げ出すが…。

第22話
(623話)
緊急事態252(後編)

 誘拐犯2人に捕まったコナンと哀。犯人は警察に連絡したら2人の命はないとビル内に響き渡る声で脅し、光彦と元太、歩美は110番通報を諦める。犯人は金持ちの老人を誘拐。その家に電話すると中学生位の女の子が出るらしく、犯人はその娘に身代金を持ってこさせ、そのままビルに閉じ込めて火をつけようと企んでいた。コナンと哀はロッカールームの壁際に縛られ、犯人の1人がコナンたちを見張り、もう1人は光彦たちを捜しに行く。  犯人はビル内を隅々まで捜すが、光彦たちを見つける事ができない。コナンはこの状況から光彦たちが同じ部屋のロッカーのどこかに隠れていると推理する。光彦たちはこのコナンたちが連れてこられる前にここへ来て、出るに出られない状況になってしまったのだ。誘拐された老人もロッカーの1つに閉じ込められているという。犯人はもう一度捜して見つからなかったら金を諦め、火をつけて逃げようともう1人に提案。ロッカーの中で犯人たちの会話を聞いた光彦たちは覚悟を決め、犯人をやっつけるタイミングを窺う。  その時、光彦は探偵団バッジから聞こえてくる音に気付く。歩美はロッカーの隙間から部屋を見て、縛られたコナンが探偵団バッジで床を叩く姿を確認。コナンは床を2回、5回、4回叩き、光彦たちは東京消防庁の通話コードと気付く。光彦が手帳を確認すると、それは現場待機という通話コードだった。コナンは指示するまで動くなと伝えたかったのだ。コナンは状況を打開するため、見張り役をこの4階の部屋から遠ざけようと考える。  だが、コナンは口をふさがれ、手足を縛られた状態。探偵バッジを叩いて光彦たちに指示を出すしか手段はなかった。この時、コナンは携帯電話の待ち受け画面の事を思い出す。コナンの携帯は酔った小五郎、歩美は線香花火、光彦は仮面ヤイバー、哀は阿笠博士の寝顔、元太は野良猫が待ち受け画面になっていた。コナン、歩美、元太、哀の携帯は2階、1階、3階、4階に散らばっていて、コナンは通話コードを使って携帯を持っている光彦にそれぞれの携帯に電話するように指示。犯人を着信音で攪乱させ、その隙に逃げだそうと考えるが、犯人たちはコナンたちの計画に気付いてしまい…。

第23話
(624話)
初恋のビデオレター

 白鳥警部と千葉刑事は帝丹小学校を訪れ、子供の誘拐事件が多発していると小林先生に注意を呼びかける。この後、コナンと少年探偵団は小林から防犯ビデオを探して欲しいと頼まれ、視聴覚室の準備室へと向かう。そして、コナンが防犯ビデオを見つけ出した直後、棚の奥から千葉が現れる。この小学校の卒業生の千葉。コナンたちが何をしていたかを訊ねると、千葉は13年前のラブレターの返事を探していた事を打ち明ける。  小学生の時、放送委員だった千葉。ある時、千葉は実写で特撮ドラマを撮って学芸会で流そうと委員たちに提案したという。すると同級生の三池苗子が張り切ってくれ、最初は乗り気じゃなかった他の委員たちも協力。特撮ドラマは何とか完成したという。千葉が特撮好きなのか確認すると、苗子は頬を赤らめながら「私が好きなのは特撮じゃなくて…」と意味深な発言。翌日、千葉は思わず苗子にラブレターを渡してしまったという。  その後、苗子はすぐに転校してしまい、返事の手紙は引っ越し先から送られてきたという。その手紙の内容をコナンたちに教える千葉。手紙には「私の気持ちを手紙に書くのは簡単だけど、千葉君に伝わらないかも知れないから、いったん視聴覚室の倉庫に保管しておきます。この想いが千葉君に刻み込まれるように」と書かれていたという。手紙を読んだ千葉は倉庫を隅々まで探したが、手紙らしき物は見つけられなかったという。  それ以来、13年間も苗子に会ってない千葉。来週、同窓会があるらしく、千葉は苗子から電話をもらったという。苗子は返事のビデオを見たかを確認。千葉が見てない事を伝えると、電話を切れてしまったという。この後、コナンたちも一緒にビデオレターを探す事に。哀は映像の最後にビデオレターがあると推理し、ビデオの最後の部分だけを確認する。  だが、全て確認してもビデオレターは発見できない。コナンはビデオのフタを開ける千葉のクセに注目する。この巻き戻されているかを確認するクセはビデオ店でバイトしていた兄の影響。千葉は当時からフタを開けていたらしく、コナンはこのクセがビデオレター発見の鍵になると推理し、見つけ出した千葉の特撮ドラマのビデオのフタを開けるが…。

第24話
(625話)
絶叫手術室(前編)

 米花大学の学祭で講演する小五郎。コナン、蘭、園子が講演を聞いていると、小五郎に用事がありそうな辻栄尊作(つじえいそんさく)が現れる。辻栄は小五郎の代わりに蘭たちをお化け屋敷へと案内。辻栄は殺人事件の被害者を見た事がある蘭にゾンビの出来栄えを確認して欲しいと頼む。辻栄は文学部の芸術学科4年生。同じ学科の蜂谷貴市(はちやきいち)、唯見安菜(ただみあんな)、村主睦(すぐりむつみ)と卒業制作でホラー映画を撮っているという。お化け屋敷のゾンビ役はリアルな死に際を追求する安菜が扮する事に。  辻栄、蜂谷に付き添われてお化け屋敷内を進むコナンたち。途中、蜂谷は橋口にも見せたかったと呟く。橋口はお化け屋敷と卒業制作のホラー映画を企画した同級生。病気になって余命半年と宣告された橋口は1ヵ月前に遺書を残して服毒自殺。辻栄、蜂谷、安菜、睦が遺体を発見したという。この後、辻栄がはぐれてしまい、コナンたちは辻栄を捜すという蜂谷と別れ、行く手にある手術室へと入っていく。  コナンたちが手術台の脇を通ろうとすると、そこに横たわるゾンビ役の安菜の体が揺れ始める。安菜は足も激しく動き出し、止血鉗子の部分からは鮮血が吹き上がる。遅れてやってきた辻栄と蜂谷は予定通り動かない安菜に声をかける。だが、すでに安菜は息絶えていた。コナンはアーモンド臭に気付き、安菜が毒物を飲んだと判断する。  蘭と園子は捜査する目暮警部に自殺だと証言する。辻栄によれば、噴き出す血は仕掛けで、ベッドの中にスイッチがあるという。蘭と園子は安菜が足をバタつかせた時、赤いペディキュアを塗った足を見たと証言。辻栄がはぐれたのは予定通りで、蜂谷と合流して蘭たちを脅かす計画だったという。安菜が死んだ時、睦は隣のレントゲン室で客が来るのを待っていたと証言。橋口の死後、リアルな死に様を追求するようになった安菜は生と死の間を体験するために睡眠薬を大量に飲み、病院に運ばれた事もあったという。話を聞いた目暮は自殺と判断するが、コナンは自殺に見せかけた殺人事件と推理して…。

第25話
(626話)
絶叫手術室(後編)

 目暮警部は安菜が自殺したと判断するが、コナンは安菜の頬の所に引っ掻いたような跡があると指摘。その跡はメイクではなく、血もにじんでいた。コナンは誰かに口を塞がれた安菜がその手を外そうとした爪の跡と推理する。高木刑事が安菜の左手の爪の間を確認すると、そこには皮膚と血が残っていた。この状況から考えを改める目暮。安菜は誰かに毒のカプセルを口に突っ込まれ、飲み込むまで口を塞がれたと推理する。  その場合、蘭たちが手術室にやってきた時には、安菜はすでに死んでいた事になる。だが、蘭たちが手術室に入った後、安菜は足をバタバタと動かしていた。園子はベッドの中に潜んでいた犯人がベッドを揺らし、自分の足を動かしたと推理。そして、園子は気付かれないようにベッドから抜け出せるという理由から小柄な睦を犯人と疑う。その次に小柄な蜂谷にも疑いの眼差しを向ける園子。だが、蜂谷は足首を捻挫している事を明かし、足をバタつかせる事はできないと主張する。  すると今度は辻栄を疑う園子。園子は辻栄がしきりに靴で片方の靴を擦る姿を見て、やましい事があるから挙動不審になっていると推理する。だが、辻栄は持病の水虫が痒いからと擦る理由を説明。その時、蜂谷は辻栄の靴が真っ赤になっている事に気付く。辻栄はどこかで血のりを踏んでしまったのだ。目暮は安菜が生きているように偽装できた3人を容疑者と考える。だが、容疑者3人はこの推理に異を唱える。  辻栄はベッドの両脇に医者のマネキンがあり、ベッド脇から抜け出す事はできないと主張。蜂谷は手作りのベッドのため、大人2人が乗る事はできないと証言する。睦はゾンビ役の安菜が迫力を出すため、自分で頬に傷をつけたと考える。3人の発言を聞いた目暮は自殺の可能性もあると再び考えを変える。コナンはベッドの上にかける布の足元の部分の裏側に数本の赤いスジがある事に気付き、ベッドの下を調べる。ベッド下にある段ボール箱、シーツの切れ端に付いたガムテープを見たコナンは犯人のトリックを見破って…。

第26話
(627話)
コナンキッドの龍馬お宝攻防戦(前編)

 鈴木次郎吉の博物館で龍馬展が開催され、次郎吉のもとに怪盗キッドから予告状が届く。主催者は樽見猪彦(たるみししひこ)で、展覧会の目玉は坂本龍馬が高杉晋作からピストルと一緒にもらったガンベルト。そのベルトの事を書いた龍馬の手紙もあり、有名な鑑定家からお墨付きをもらった本物だという。だが、キッドの目的は20年前に樽見が開催した龍馬展で盗まれた3品を返しに来る事だった。  それは龍馬が暗殺される前夜に妻のお龍に宛てた書きかけの手紙、暗殺された時に龍馬の血痕が付着した近江屋の盃、その時に龍馬が懐に忍ばせていたピストルの3点だった。中森警部はこの予告に驚きが隠せない。この3品を盗んだのはキッドではなく、昭和の女二十面相と言われた怪盗淑女ファントムレディ。その3点を盗んだ後、レディは犯行をやめ、その2年後にキッドが出現。茶木警視は2人が師弟関係だったと推理する。  次郎吉によれば、樽見が開催する展覧会は警備がずさんで、ことごとく盗賊に何かを盗まれているという。次郎吉はベルトが偽物かもしれないと疑っていた。次郎吉が園子、コナン、蘭に樽見の話をしていると、そこに樽見と鑑定家の華村政之輔(はなむらまさのすけ)が現れる。樽見はベルトが本物である事を強調し、華村も本物だと念を押す。今回、次郎吉は盗んだ品を返しに来るという事もあり、キッド対策をほとんど何もしてないと告白。予告状には犯行日時が書いておらず、手の打ちようがないという。  この後、次郎吉はキッドから新たな予告状が届いたという報告を受ける。予告日時は明日の午後8時で、コナンは最後に書かれた「今一度、洗濯いたし申し候」という龍馬の言葉に注目。コナンはキッドが雨になるのを待って予告日時を決めたと推理する。コナンの推理を聞いた中森は明日の龍馬展中止を勧めるが、樽見と華村はキッド1人のために中止にはできないと反対する。コナンはキッドがピストルを持ってくると予告しているため、飛行場のように金属探知ゲートを置く事を提案。次郎吉はすぐに金属探知ゲートを手配する。そして当日、コナンはキッドが雨をどの利用するのか、推理を巡らせるが…。

第27話
(628話)
コナンキッドの龍馬お宝攻防戦(後編)

 コナンは予告状の「今一度、洗濯いたし申し候」という最後の一行の意味を解読できず、怪盗キッドがどのように雨を利用するのか、考えを巡らせていた。次郎吉は龍馬展の入口に金属探知ゲートを設置。コナンは入口と展示室の間にあるトイレを調べるが、窓には鉄格子がはめられ、外部から侵入する事は不可能だった。この後、コナンは蘭、園子から話を聞き、キッドが返す3品を盗んだのは怪盗淑女ファントムレディだと知る。  コナンはトイレに戻って個室に入り、携帯でファントムレディの事を調べる。その時、コナンは何者かに声をかけられる。それは龍馬のピストルを持ったキッドだった。コナンがゲートを通過できた事を不思議がると、キッドはピストルのグリップの鉛を抜いたと説明。キッドは盗まれた品を返しに来ただけだから邪魔するなとコナンに言い放って姿を消す。コナンがキッドを追って個室から出ると、奥の洗面所で樽見と華村が密談していた。  樽見はキッドが警察に捕まる事を心配する。すると、華村はキッドを信じようと発言。華村はキッドが逃げる事ができれば、また大儲けできると話していた。さらに華村は、策は練ってあると言って包帯を巻いた右親指を得意げに樽見に見せる。この時、コナンは素知らぬ顔で華村に声をかけ、包帯を巻いた指の事を訊ねる。華村は動揺しつつも今朝、日本刀を鑑定中に切ったと説明する。この後、コナンはキッドが潜り込んだ展示室へ。  コナンが人混みを抜けると、前方に蘭と園子が立っていた。蘭は園子の右の袖の部分に文字が書かれている事に気付く。コナンが展示場で何かにぶつかったかを確認すると、園子は誰かに押され、ガンベルトの展示ケースにぶつかった事を思い出す。それを聞いたコナンは何かに気付き、キッドが汚れた展示会を洗濯するため、本当に雨を降らせる気だと見抜く。園子は携帯で時刻を確認。キッドが犯行予告の時間まで4分に迫っていた。中森警部、次郎吉、樽見、華村はゲートの横に来るが、人が多すぎて展示室に入る事ができない。警備にならないと地団駄を踏む中森。その時、人混みの中で誰かがシルクハットを放り投げる。そして、シルクハットが回転した瞬間、キッドが展示室に出現して…。

第28話
(629話)
プロモビデオ撮影事件(前編)

 コナンは休暇を利用し、蘭、園子、元太、光彦、歩美と共に南海の孤島にやってくる。コナンたちはペンションのオーナー、倉橋治(くらはしおさむ)と妻、倉橋恵子(けいこ)に迎えられた後、島を散策する。その時、イケメン俳優、宮坂裕弥(みやさかゆうや)のプロモーションビデオの撮影現場に遭遇する。昨年、宮坂は酒に酔って傷害事件を起こし、主演ドラマが打ち切りに。それ以来、落ち目になった宮坂はテレビから姿を消していた。  共演しているのは女優の秋本冴子(あきもとさえこ)。撮影にはカメラマンの鷹山慎吾(たかやましんご)、カメラ助手の沖田光夫(おきたみつお)、ADの山本英司(やまもとえいじ)、メイクの喜多川美紀(きたがわみき)が帯同していた。宮坂たちも同じペンションに泊まるという。撮影の合間、宮坂は美紀にキスを迫り、そんな2人を嫉妬の目で睨む冴子。園子によれば、宮坂と冴子は恋人の噂になったが、そこに別の女性が出現したという。  撮影が再開すると、宮坂は崖上から転がり落ちる危険なシーンのスタントを沖田に強要。沖田は危機一髪、すれすれの所で大ケガを免れる。この後、山本は誤って缶ジュースを蹴り倒し、小道具のサバイバルナイフの柄にジュースのシミがついてしまう。宮坂は小道具を汚した山本に激怒して殴りつける。その直後、嵐の影響で土砂降りになり、皆はペンションへと避難する。倉橋夫妻はレクリエーションで親睦を深めようと提案。元太たちは大喜びするが、宮坂、鷹山、冴子、沖田、山本はそれぞれ自分の部屋へ戻ってしまう。  冴子は食事の前に一緒に飲もうと宮坂の部屋を訪れる。この後、鷹山は沖田の部屋を訪ね、宮坂からの言付けを伝える。宮坂はメイキングを撮ってほしいと要望。沖田は指示に従い、カメラを回して宮坂の部屋へ向かう。その頃、コナンたちはロビーでトランプをして遊び、部屋の隅では蘭と園子、美紀が話し込んでいた。すると、そこにカメラを持った沖田が血相を変えて飛び込んでくる。沖田は宮坂が死んでいると騒ぎ、倉橋たちは急いで宮坂の部屋へ向かう。そこには胸にサバイバルナイフが刺さった宮坂の姿。鷹山は宮坂の脈を測って死亡を確認する。コナンは遺体を見て、何か違和感を抱くが…。

第29話
(630話)
プロモビデオ撮影事件(後編)

 イケメン俳優の宮坂がペンションの一室で殺害される。容疑者は宮坂に借金をしていたカメラマンの鷹山、危険なスタントをやらされたカメラ助手の沖田、宮坂と美紀の関係に嫉妬していた女優の冴子、殴られた事を恨んでいたADの山本。嵐の影響で警察の到着が遅れ、ペンションオーナーの倉橋は皆をロビーに集める。全員が同じ部屋にいれば、犯人も逃げる事ができないからだ。だが、容疑者4人とメイクの美紀は自室へと戻ってしまう。  コナンは遺体を見た時に抱いた違和感の事が引っ掛かっていた。コナンはもう一度現場を見て確認しようと考える。コナンは宮坂の部屋に財布を落としたと理由をつけて現場に戻ろうとするが、倉橋が代わりに探しに行くと名乗り出てしまう。部屋の前で待たされるコナンだったが、隙を見て宮坂の遺体を確認。だが、コナンが最初に見た時の違和感は何故かなくなっていた。その頃、蘭たちは食堂で夕食を食べていた。  食堂にやってきた美紀は窓外を見てハッとなる。美紀は鷹山が嵐の中を走っていく姿を目撃したという。それを聞いた皆は鷹山が犯人で、警察が来る前に逃げ出したと推理する。この後、事情を聞いた倉橋はワゴン車に皆を乗せ、逃げた鷹山の跡を追う。鷹山が逃げた方角には崖があり、倉橋と美紀が崖下をライトで照らして転落した鷹山の遺体を発見する。  この後、ロビーのソファで疲れて寝てしまう元太、光彦、歩美。コナンだけは寝たふりをして皆の話を聞く。美紀は鷹山が暗闇で気付かずに足を滑らせて岸壁から転落したと推理。だが、倉橋は本当に鷹山が犯人だったのかと疑問を持つ。倉橋は嵐で島から出られないと知っていたにもかかわらず、鷹山が外へ飛び出した事が引っ掛かっていた。  コナンも逃げた鷹山が偶然の事故で命を落とした事を出来すぎた展開と感じていた。倉橋の発言を聞いた冴子は自分と沖田、山本の容疑が晴れていないと解釈。すると、沖田は宮坂の部屋に行った時に撮影したビデオで自分の無実を証明すると訴える。美紀は遺体を見たくないと反対するが、沖田は強引にビデオを再生する。コナンは寝たふりをしながらビデオの映像を確認。コナンは画面に映るあるものに気付き、事件の真相に辿り着く…。

第30話
(631話)
花時計は知っていた

 早朝、公園の花時計の前でバトンを練習する歩美。その時、ストーカーが現れるらしく、コナンは元太、光彦、哀と様子を見に行く事に。遅刻したコナンが歩美たちと合流すると、怪しい男は視線に気付き、花時計に接した展望台に身を隠す。大きめのコートを羽織り、麦わら帽子を被る男。歩美によれば、3日連続で現れているという。元太が注意するために近づくと、男は酒瓶を持ちながら酒臭い息を元太に吹きかけ、背中を向けて大笑いする。  歩美は翌朝も同じ場所で練習し、コナンたちは男を警戒しつつ練習を見守る。この日は男が姿を現さず、元太たちも一安心。その時、花で埋もれた時計の盤面の近くにいた歩美が悲鳴を上げる。コナンが駆け付けると、盤面の最下端の6の白石付近の花が散乱。そこにコートに麦わら帽子の男が酒瓶を持ったまま絶命していた。コートには赤や黄色の塗料が付着し、男の頬からは出血。その傷は花時計の長針がかすめた時にできたものだった。  目暮警部たちは捜査を始め、高木刑事が展望台の上で男の靴の片方を発見する。コナンを迎えに来た小五郎は男が酔っ払って足を踏み外し、展望台から落下したと推理。公園の警備員によれば、午前3時半に巡回した時は異常がなかったという。歩美が練習を始めたのは午前5時半。男は花時計の6の白石付近に倒れていたため、光彦は4時半に長針が男の頬を傷つけたと推理する。この後、コナンは花時計の扉の所にあるベンチが動かされている事に気付く。扉の南京錠も外されていて、コナンは誰かが中に侵入したと考える。  元太は男の顔を見て、実家の酒屋に来た事がある客だと気付く。元太の情報を頼りに看板屋の工場へ向かう高木とコナンたち。工場主は男の写真を見て、工場に勤める与田昌作(よだしょうさく)だと証言する。もともと酒癖が悪かった与田。工場主によれば、与田は屋根から落ちた事があり、それ以来、高い所に上がれなくなったという。話を聞いたコナンは与田が展望台から落ちた事に違和感を抱き、事故ではないと疑い始める。この後、歩美が警備員に練習の許可をもらった時、与田ではない男が話を聞いていた事が判明。コナンは花時計の機械室を調べ、与田は事故ではなく、何者かに殺害されたと確信して…。

第31話
(632話)
時の番人の刃(前編)

 2年前から保科家当主、保科瑠華子(ほしなるかこ)の誕生日が近づくと送られてくる脅迫文。一昨年も昨年も瑠華子は無事だったが、執事の青梅岳道(おうめがくみち)は時の番人と名乗る脅迫文の送り主を突き止めて欲しいと小五郎に依頼する。小五郎は瑠華子の誕生会でボディーガードもする事に。そして、生憎の雨となった瑠華子の誕生日。小五郎、コナン、蘭が約束した午後2時半過ぎに館に到着すると、瑠華子は2分17秒遅れたと指摘する。瑠華子は異常な程、時間に厳しい人物だった。  この後、傘を差した建築家の軽辺定悟(かるべていご)、内装デザイナーの周防知秋(すおうちあき)がやってくる。軽辺はこの館を設計し、知秋は内装を担当したという。続いて、時計職人の古垣倫作(ふるがきりんさく)が現れ、自身が作った館の大時計の調整に取りかかる。以前は古垣の古い友人が調整していた大時計。その友人とは時計技師だった知秋の兄で、4年前に事故で他界したという。  3時ジャスト、館に飾られたたくさんの時計が一斉に鳴り出す。だが、瑠華子は1つの時計が0.5秒遅れていると激怒し、調整を青梅に命じる。瑠華子は知秋の兄の死後、代わりの時計技師を3人も雇っていた。この後、コナンたちは大時計の機械室を見学。この大時計は裏庭側にも文字盤があるらしく、コナンは文字盤の扉を開け、裏庭の井戸の前で合掌している古垣に気付く。知秋の兄は大時計の文字盤の修理中に風にあおられ、井戸に落ちて亡くなったのだ。瑠華子によれば、来週、業者が井戸を埋める予定だという。  知秋の兄と幼馴染みだった軽辺も後で井戸をお参りする事に。知秋の兄が亡くなったのは4年前の瑠華子の誕生日だという。そして6時少し前、招待客たちが大広間に集まると、突然、灯りが消え、青梅がバースディケーキを瑠華子の前に運んでくる。瑠華子は自分の金の懐中時計で時間を確認。時刻は5時59分を差していた。瑠華子はケーキに息を吹きかけ、ロウソクの火を消すが、6時に時計が鳴らない事に腹を立てる。その直後、瑠華子は大きな悲鳴を上げる。急いで電気を点けると、瑠華子は胸を刺されて絶命していた…。

第32話
(633話)
時の番人の刃(後編)

 暗闇の中で刺殺された保科瑠華子。裏庭に面した窓枠やベランダの手すりには血の跡が残っていて、犯人はこの窓から裏庭に逃げだと考えられる。だが、何故か、雨でぬかるんでいる地面に犯人の足跡は残っていなかった。目暮警部は館を設計した軽辺の手や服の袖口に瑠華子の血痕が付着している事に気付いて理由を訊ねる。軽辺は倒れた瑠華子に駆け寄った時に付着したと説明する。この後、軽辺は犯行時に布がこすれるような音がしたと証言し、犯人はドレスを着た女性かもしれないと目暮に伝える。  館の内装を手掛けた知秋は自分が疑われていると知って不機嫌に。知秋は4年前に事故死した時計技師の妹。警察は知秋が瑠華子を恨んでいると考えていた。知秋は瑠華子が刺殺された後、犯人が自分の左脇を素早くすり抜けたと証言。知秋の腕にはその時にこすれた血の跡が残っていた。この後、目暮は大時計を作った古垣の右肩に血が飛び散っている事に気付く。古垣は瑠華子が自分の右側で刺されたと説明した後、犯人はかなり太っていたと証言。瑠華子が悲鳴をあげる直前、古垣は弾力のある柔らかい体に押されたという。  コナンはロウソクの火を消した後、すぐに明かりが点かなかった理由を訊ね、執事の青梅は瑠華子の合図がなかったからと証言する。いつもは火を消した直後に午後6時の鐘が鳴り響き、その後、瑠華子が指を鳴らして明かりを点ける合図を送っていたという。だが、6時に鳴らなかった時計。青梅は3人の時計技師が時計を調整し、全ての時計は時間通りになっていたはずだと首をかしげる。小五郎は瑠華子のそばにいた青梅が返り血を浴びていない事を不審に思う。青梅は犯人が大柄だったからかもしれないと言い訳する。  目暮は皆の証言を参考にドレスを着て、素早く動き、太って大柄の人物を探すが、招待客に該当する人物はいなかった。コナンはベランダの手すりや窓枠に付着した瑠華子の血に注目。小五郎は事前に瑠華子の血を手に入れた犯人が窓から逃げたと見せかけるため、あらかじめ血を塗っておいたと推理する。その時、午前0時になって大時計の鐘がなる。コナンは大時計を見て何かを閃き、時の番人と名乗る犯人のトリックを見破って…。

第33話
(634話)
犯行現場は激セマ店

 小さな店が軒を連ねる杯戸町のガード下にあるゴールデン横丁。小料理屋「さつき」のカウンターは小五郎、常連客の会社員、中村進(なかむらすすむ)と日本舞踊の師匠、扇千尋(おうぎちひろ)、フリーターの篠原真雄(しのはらまさお)の4人が座って満席の状態。週末は競馬好きの常連客が集まるらしく、小五郎は東都ダービーで万馬券を獲ったと自慢し、常連3人に1杯ずつ奢ると女将の三島さつき(みしま)に伝える。  カウンター内のさつきは座ったまま、くるりと体の向きを変え、背後の棚にある焼酎に手を伸ばす。小五郎が不思議がると、さつきは狭いカウンターで簡単に体の向きを変えるため、足元にテレビの回転台を据え付けていると説明。その頃、蘭は帰りが遅い小五郎をコナンと共に迎えに行く事に。この後、扇が日舞の先生という話題になり、さつきは弟子がほとんどいない事を小馬鹿にする。扇とさつきは睨み合い、一触即発の雰囲気になる。  篠原は仲裁に入って2人をなだめる。篠原にとって、さつきは飯を食べさせてくれ、魚市場のバイトも紹介してくれた恩人だという。この後、一番奥に座っていた扇が店外にあるトイレに行くと言い、小五郎と篠原、中村は扇を通すために店の外に出る。中村はついでにタバコ屋へ行き、篠原はお金を下ろしてくると横丁の人混みの中へ。小五郎がタバコを吸うため、横丁を歩き出した時、扇は店のガラス戸を激しく閉め、不機嫌そうに路地を抜けてトイレに向かう。その直後、小五郎は路地から出てくる中村を見かける。  ゴールデン横丁にやってきた蘭とコナンは店に入ろうとする小五郎に気付く。小五郎は戻ってきた扇、篠原と店の前で合流。扇がガラス戸を開けると、さつきがカウンター内で血を流して倒れていた。篠原が駆け寄ると、さつきは胸に包丁が刺さった状態で絶命していた。小五郎は目暮警部、高木刑事らに事情を説明。小五郎は店の包丁が凶器だと推理し、コナンは店の包丁に注目する。小五郎たちが店を出た3分の間に犯行は行われ、その間、さつきが一人きりと知っていたのは中村、扇、篠原と小五郎だけ。容疑者は常連客3人に絞られ、3人にはそれぞれ動機がある事も判明。コナンは店の棚を見て何かに気付き…。

第34話
(635話)
ダイエットにご用心

 コナンは蘭、園子と共に合宿所「チャンダニ」でヨガ・ダイエットに励む。蘭が福引きでヨガ合宿を当てたのだ。休憩中、オーナー兼インストラクターの里山月子(さとやまつきこ)は施設の評判が良い事を蘭たちにアピールし、シェフの飯盛薫(いいもりかおる)は料理の評判も良いと付け加える。すると参加者の出川アツ子(でがわあつこ)が不味い料理だったと発言。薫はアツ子に難癖をつけられ、前のレストランを辞めさせられていた。  さらにアツ子はハーブティーが熱くて舌を火傷したとクレームをつけ、合宿所で酷い扱いを受けたとネットに書き込むと月子を脅す。猪俣保子(いのまたやすこ)は友人のアツ子をなだめようとするが、逆にアツ子は保子に使用人の娘と酷い事を言う。アツ子は土下座すれば許してやると言い、月子は言われるがまま土下座して謝罪。園子はアツ子が出川財閥の娘だと気付く。アツ子は手のつけられないクレーマーとして有名だった。  この後、アツ子の携帯に弁護士から連絡が入る。アツ子は裁判に敗訴したと聞いて激怒。アツ子はクレームを逆に訴えられ、いくつも裁判を抱えていた。アツ子は合宿所のアイドル犬を威嚇して去っていく。夜、ビュッフェ形式の食事が用意され、月子は摂取カロリーを守り、部屋で食べるように皆に伝える。アツ子は部屋のラップが空だと月子に文句を言い、蘭が取った煮物を横取りする。月子はすぐに新品のラップをアツ子に用意する。  その時、月子は空に月が出ている事に気付く。月には浄化のパワーがあり、月子は庭に出てヨガをしようと提案。皆は料理を部屋に置きに行き、準備をして庭に向かう。その時、コナンたちは玄関で薫と会う。薫は明日使う野菜を採りに行くという。この後、皆は庭でヨガを始めるが、うまく出来ないアツ子は怒って部屋に帰ってしまう。保子とコナンたちがアツ子の部屋へ向かうと、電子レンジのチンという音が聞こえてくる。アツ子は食事の邪魔をしないでと皆を追い返す。ヨガの後、アツ子の様子を見に行った保子は鍵が閉まっていて返事がないと皆に報告。月子は暗証番号式の金庫から合鍵を取り出し、アツ子の部屋のドアを開ける。すると、そこではアツ子が遺書を残して絶命していた…。

第35話
(636話)
世界一受けたい授業事件(前編)

 小五郎は人気番組「世界一受けたい授業」に講師として出演する事になり、コナン、蘭と日売TVにやってくる。その時、弟子の沖しのぶ(おき)を怒鳴り散らす演歌の大御所、君島伸郎(きみじまのぶろう)を目撃。君島は自分にも他人にも厳しい事で有名だった。この後、ADの橋本義成(はしもとよしなり)は小五郎たちを控え室に案内し、他の出演者に紹介する。犯罪心理学の授業を行う小五郎は1時間目の講師。2時間目はポン菓子会社社長の山崎哲史(やまざきてつし)、3時間目は古美術品鑑定士の本間健太郎(ほんまけんたろう)が講師を務めるという。  小五郎はコナン、蘭を引き連れ、ゲストパネラーの沖野ヨーコの楽屋へ遊びに行く。だが、ヨーコがまだ来てなかったため、小五郎らは司会を務める堺校長の楽屋へあいさつに行く事に。楽屋ではゲストパネラーの1人、君島が陶磁器の壺を堺に自慢げに見せていた。この壺は清朝6代皇帝、乾隆帝の時代に作られたもの。収録の時に本間が鑑定する予定らしく、君島によれば、相場では1億から1億6千万円の価値があるという。  スタジオではリハーサルの準備が進められ、山崎は回転式の圧力釜に生米などの穀物を入れ、急減圧で爆発させて駄菓子にするポン菓子機をセッティングしていた。そこに現れた君島は打ち合わせ中の本間にあいさつ。本間は骨董品の真贋の見極め方をレクチャーするという。君島は桐箱から清朝の壺を取り出し、その壺を手にした本間は「見事だ」と思わず呟く。この後、司会の堺校長と上田教頭、有田学級委員長がスタジオにやってきてリハーサルがスタート。ヨーコはコナン、蘭と一緒に小五郎のリハーサルを見学する。  その時、山崎が携帯のカメラを使い、ハンカチで汗を拭うヨーコを無断で撮影。小五郎たちは盗撮を注意し、怒った君島は山崎の携帯を真っ二つに折ってしまう。続いて2時間目のリハーサルが始まり、ヨーコが山崎の指示に従ってハンマーでポン菓子機のバルブの“爪”を叩く。すると、物凄い音と共に金網部分に大量のポン菓子が作られる。この後、ディレクターの土屋大輔(つちやだいすけ)が青い顔をしてプロデューサーの上諏訪幹彦(かみすわみきひこ)のもとにやってくる。君島が所有する清朝の壺が何者かに盗まれてしまったのだ…。

第36話
(637話)
世界一受けたい授業事件(後編)

 人気番組「世界一受けたい授業」のリハーサル中、君島が所有する時価数億円と目される清朝の壺が何者かに盗まれてしまう。壺が隠せるような大きな荷物をスタジオから運び出した者がいなかったため、コナンは犯人がまだスタジオ内にいると判断し、消えた清朝の壺もスタジオのどこかにあると推理する。皆は手分けしてスタジオの隅々まで調べるが、清朝の壺を見つける事ができない。  困った上諏訪は壺を見つけ出して欲しいと小五郎に捜査を依頼。小五郎は事件の状況をおさらいする事に。橋本と有田学級委員長は1時間目のリハーサルの時まで壺はあったと証言する。それを聞いた小五郎は1時間目のリハーサル後に何者かが壺を盗み、スタジオのどこかに隠したと推理。小五郎はポン菓子機のケースの中身を見せて欲しいと山崎に頼む。小五郎は山崎が君島に携帯を壊された事を根に持って犯行に及んだと考えていた。  山崎はポン菓子機のテスト中、ずっとセット内にいたと無実を主張するが、小五郎は土屋が何かを隠していると睨んでいた。すると観念した山崎はヨーコが汗を拭いたハンカチを盗んだ事を白状。上諏訪は山崎の行為に呆れつつも壺の事件を最優先する。その直後、本間が大きなバッグを持ってスタジオを出て行こうとする。本間は収録が中止になると考え、帰ろうとしていた。小五郎は本間が清朝の壺をバッグに入れて持ち去ろうとしていると判断。だが、バッグの中身を調べても壺は入っていなかった。  無実が証明された本間はスタジオを出て行こうとする。だが、上諏訪は壺が見つかれば予定通り収録を行うと本間を引き留める。すると、本間は壺が見つかっても収録できるかどうかと意味深な発言をする。それを聞いたコナンは本間が何かを知っていると察する。この後も壺は見つけられず、上諏訪は収録の中止を決断。土屋は美術スタッフにセットをバラして下さいと指示を出す。コナンは土屋の発言をヒントに事件の真相を見破って…。

第37話
(638話)
紅葉御殿で謎を解く(前編)

 コナン、小五郎、蘭は公園を出た直後、人が暴走車に轢かれそうな場面に遭遇。コナンは「あぶない」と大声を上げ、中北楓(なかきたかえで)と須坂衛子(すざかえいこ)は繁みに飛び込んで轢かれずに済む。衛子はコナンらを紅葉御殿と呼ばれる片寄王三郎(かたよせおうざぶろう)の屋敷に案内。衛子はこの屋敷の運転手で、8歳の楓は両親を交通事故で失い、最近、王三郎に引き取られたという。  車椅子に乗る王三郎はミステリーファンで、小五郎たちを歓迎する。楓が車に轢かれそうになった事を報告すると、王三郎は息子の片寄荻人(おぎと)、娘の片寄野笛(のぶえ)に疑いの眼差しを向ける。この後、荻人と野笛が屋敷を案内。壁にすぐぶつかる階段、天井に描かれたドアなど、屋敷は至る所に王三郎の趣味で、目くらましが施されていた。途中、荻人と野笛は言い争いを始める。2人はお互いに事故に見せかけ、楓を消そうと考えていた。2人に血の繋がりはなく、どちらも他界した母親の連れ子だった。  この後、王三郎は小五郎たちを自分の部屋に招いて紅茶を振る舞う。王三郎は変わっていて、ミルクを入れてもスプーンを使わないという。午後3時に先約があるという王三郎はその後に相談があると小五郎に伝える。衛子は王三郎がガンで長くない事を小五郎に教える。コナンは楓と庭に行って遊ぶ。楓は樹上にある小屋に行こうとして縄梯子を登り始める。その時、縄が続けざまに切れ、楓は下に落ちそうになる。コナンは縄が刃物で切られている事に気付き、何者かが本当に楓の命を狙っていると確信する。  今度はサッカーをするコナンと楓。楓がヘディングしたボールは王三郎の部屋の方へ転がっていく。コナンは客がいるのに静か過ぎる事を不思議に思う。その時、部屋から唸り声が聞こえてくる。コナンが部屋の中を確認すると、そこでは王三郎が毒殺されていた。テーブル上には王三郎のカップが転がり、もうひと組のカップは口がつけられていない状態だった。コナンはほのかに湯気が立っている事から犯人がまだ近くにいると推理。荻人と野笛はお互いに相手を犯人と疑う。2人が遺産を必要としていた事が明らかになるが…。

第38話
(639話)
紅葉御殿で謎を解く(後編)

 自分の部屋で変死した王三郎。庭にコナン、廊下に蘭がいた中での密室犯罪だった。王三郎は暗号文を残していて、そこには「さあ 傘をすぼめよう 東に沈む夕日を ながめよう 紅葉を支える 二本の竿を見よう より長き竿を探ろう そこにわが紅葉の夢が 眠っているだろう」と書かれていた。荻人と野笛は隠し財産の場所を記した暗号と考える。  衛子はコナンたちのために紅茶を入れ、王三郎が死ぬに死ねないと生前話していた事を告白。王三郎は自分が死ねば楓の身がいっそう危なくなると心配していたという。この時、コナンは王三郎が紅茶に砂糖を入れなかった事を思い出して何かに気付く。小五郎は暗号の解読に取りかかる。そんな折、荻人と野笛が行方をくらました事が判明する。目暮警部は山に逃げたと心配するが、庭と山の境界線にある柵には野生の獣の侵入を防ぐために弱い電流を流しており、触れると小屋から警報が鳴るシステムになっていた。  コナンは庭の一番高い所から全体を見渡し、キラリと光る場所を発見。それは西側の山が映る鏡で、コナンは暗号文の東に沈む夕日の事と推理する。その時、野笛の悲鳴が聞こえてくる。コナンと楓が声のする方に向かうと、野笛が矢を射かけられたのを見た蘭と小五郎がやってくる。コナンらは目くらましで迷ってしまい、楓が先頭に立って道を案内しようとする。すると、足元の土が崩れて落とし穴が出現。楓は何とかジャンプして落ちずに済むが、穴の底には虎挟みが仕掛けられていた。  この後、背中に矢が刺さって絶命した野笛を発見。コナンは遺体の下敷きになったもう1本の矢に気付く。小五郎は傷口を見て矢に毒が塗ってあったと推理する。この後、小五郎は樹上の小屋で犯行に使ったと思われる洋弓を発見し、洋弓が趣味だった荻人が犯人だと推理する。だが、コナンは傷口が1つなのに2本の矢があった事が引っ掛かっていた。その時、目暮は警備の巡査から荻人が崖から転落する姿を見たという連絡を受ける。コナンは荻人が柵の越えた時、サイレンが鳴らなかった事を不思議に思う。さらにコナンは柵の近くに設置された監視カメラに気付き、事件の真相に近づく…。

第39話
(640話)
8枚のスケッチ記憶の旅(岡山編)

 コナンと蘭はタウン誌記者の梨田輝之(なしだてるゆき)に案内され、岡山を観光する。蘭がタウン誌主催のスイーツグルメツアーの体験執筆者に選ばれたのだ。観光中、コナンらは夢二郷美術館の前で記憶喪失になった女性と知り合う。彼女は後楽園で詩歌「宵待草」を口ずさんでいた女性だった。この後、岡山駅にいた小五郎も彼女が運ばれた病院に駆け付ける。彼女は何らかの衝撃により、突発的な記憶障害になっていた。  小五郎は女性から依頼され、彼女が何者かを調べる事に。医師は彼女の記憶の一部と説明し、彼女が描いた8枚のスケッチを小五郎たちに見せる。2枚は後楽園と夢二郷美術館の事と判明。梨田はタウン誌のウェブ版に彼女の写真とスケッチを掲載して情報を募る。コナンらはスケッチを手掛かりに彼女の記憶を辿る事に。途中、コナンは何者かが彼女を尾行している事に気付く。この後、女性は老夫婦の携帯から流れる水琴窟の音に反応する。  コナンたちは水琴窟がある旧野崎家住宅を訪ねる。そこに彼女を知る友人の野々宮香苗(ののみやかなえ)が現れ、彼女は吉瀬万由子(きちせまゆこ)と判明。香苗は万由子を捜していたらしく、記憶喪失と知って動揺する。昨日、貴金属店から3億円相当の宝石類が盗まれる事件が発生。容疑者として逮捕されたのが香苗の兄、野々宮圭吾(けいご)だった。圭吾は真犯人に襲われ、濡れ衣を着せられたと身の潔白を主張。万由子はその様子を見ていたらしく、圭吾の無実を証明するためには万由子の証言が必要だった。  コナンらが万由子のアパートへ行ってみると、部屋は何者かに荒らされていた。コナンは顔の部分が破られた1枚の写真に注目。その人物の胸にはバッジのようなものが光り、小五郎はこの人物が部屋を荒らしたと推理する。コナンは冷蔵庫に貼られた紙片に注目。それはオーダージーンズの注文票だった。コナンらはその店を訪ねて店員から話を聞く。店を出た後、梨田は有名パティシエの平良賢三(たいらけんぞう)に声をかけられる。2人の会話から梨田が有名なソムリエだった事が判明。コナンは写真の男性のバッジがソムリエバッジだったかもしれないと考えるが…。この後、万由子が突然姿を消して…。

第40話
(641話)
8枚のスケッチ記憶の旅(倉敷編)

 突然、コナンたちの前から走り去ってタクシーに乗り込んだ万由子。万由子がいた場所には「過去を知りたければ、一人になれ!」というメモが落ちていた。コナンは蘭と共にタクシーに乗って万由子の跡を追う。鷲羽山展望台に到着後、万由子は何者かに拉致されそうになるが、コナンがキック力増強シューズを使って撃退する。かすり傷を負った万由子は念のために再入院し、梨田は友人の見舞いに来ていた平良とロビーで再会する。  万由子の話を聞いた平良は何でも協力すると言って梨田と握手を交わす。コナンはそんな2人を見て何かに気付く。万由子は去っていく平良を見て、どこかで見た事があると感じるが、平良はマスカットパフェで有名な人気パティシエ。梨田は雑誌でも取り上げられる有名人だから知っていると推測する。すでに何を描いているかがわかったスケッチは3枚。コナンたちは残る5枚を再度確認し、1枚の絵が吉備津神社の鳴釜神事を描いている事に気付く。そして、コナンたちが神社に行くと、万由子は神事を見て涙を流し始める。  この後、神社の阿曽女は一昨日、万由子が神事に来たと証言。それはジーンズを注文した日、強盗事件の前日だった。その時、万由子は過去を捨ててやり直したいと話していたという。次にコナンたちはタウン誌のウェブ版に書き込まれた倉敷で万由子を見たという目撃談を頼りに倉敷へ移動する。コナンたちは大橋家住宅、美観地区の倉敷格子が1枚のスケッチと一致している事に気付く。この時、コナンは観光客に紛れて男と話し込む香苗を目撃。コナンが何かあったかと訊ねると、香苗は道を聞かれたと答える。  他のスケッチと一致するものも次々と見つかり、万由子の記憶も少しずつ蘇っていく。そして、桃らしきもの、ブドウらしきものが描かれた2枚のスケッチが残る。万由子は桃らしきスケッチを見て、桃太郎からくり博物館へ。その時、コナンは博物館の鏡のトリックを見た小五郎の発言を聞いて何かを閃く。この後、万由子は何者かによって再び連れ去られそうになるが、その人物に噛み付いて何とか逃げ出す。この時、コナンはある人物の不審な行動を目撃。コナンはその人物にある事を自白させる作戦を思いついて…。


シーズン17

第01話
(642話)
カルタ取り危機一髪(前編)

 正月早々、風邪を引いたコナンにテレビ電話をかけてくる光彦、歩美、元太、哀。この日は歩美の自宅マンションでカルタ取りをする約束だったのだ。コナンが事情を説明していると、歩美の部屋の呼び鈴が鳴り、同い年位の浦船正男(うらふねまさお)が訪ねてくる。正男は知らない奴らが家に来たと助けを求めるが、その直後に父親と母親が現れ、正男のウソを謝罪。正男は2人を知らないと訴えるが、両親に連れて行かれてしまう。  歩美は先日、同じフロアの2806号室に引っ越してきた家族と推測。歩美らは正男の悪ふざけと考えるが、テレビ電話でやりとりを見ていたコナンは正男がトラブルに巻き込まれていると推理。コナンは正男と2人が血の繋がった親子ではないと断定し、警察を呼べと伝えて電話を切る。元太たちは意識がもうろうとしていたコナンの推理に半信半疑。高木刑事に電話する前に2806号室の隣りの住人たちに話を聞いて確かめる事に。  2807号室の女性は2806号室の前の住人なら知っていると証言。それは磯部商事の社員だった植村で、磯部商事は脱税疑惑で騒がれている会社だった。女性は正男にひどいイタズラをされた事を明かす。2805号室の男性は2週間位前に2806号室に入っていく日売テレビのプロデューサー、桧田を見たと証言。男性は正男にとんでもないウソをつかれたという。どちらの隣人も正男の両親とは面識がなかったが、元太たちは隣人の話から、正男の先ほどの発言もウソと考える。哀は日売テレビに連絡して桧田から話を聞こうとする。だが、桧田は2週間位前に交通事故に遭い、昨日まで意識不明だったという。  光彦は桧田が2806号室の秘密を知り、事故に見せかけて襲われたと推理。正男も秘密を知ってトラブルに巻き込まれた可能性があり、哀たちは直接2806号室に行って確かめる事に。玄関先に出てきた母親は先ほどのウソを正男に謝罪させ、すぐに皆を帰らせようとする。夕方、出掛ける用事があるという。だが、歩美は出掛けるまで家の中でカルタをやろうと提案。正男もカルタをやりたいと訴え、母親も渋々納得する。この後、カルタが始まり、哀は正男がカルタの文字で何かのメッセージを作ろうとしている事に気付くが…。

第02話
(643話)
カルタ取り危機一髪(後編)

 カルタ中、哀は正男が特定のカルタだけ必死に取ろうとする姿を見て、カルタの文字でメッセージを作ろうとしていると察する。そして、カルタの札が残り4枚になった時、正男はトイレに行きたいと言い出す。読み手の母親が付いていく事になり、カルタは一時中断される。母親によれば、正男は閉所恐怖症。1人ではトイレに行けないという。  この時、正男はあのタオルを出してと母親に頼む。正男は諏訪湖の毛ガニのタオルだと説明し、あれがなきゃできないと訴える。母親は訳がわからずにキョトンとなる。歩美は部屋を出て行く2人の様子を見て本当の親子と推測。だが、光彦は母親が正男に付いていった事が気にかかり、哀も妙な真似をさせないように監視するためと感じていた。そして、哀は正男がトイレに行ったのは暗号を解く時間を与えるためと判断する。  この後、哀たちは「る」「こ」「に」「て」という正男が取ったカルタ4枚の暗号解読に取りかかる。同時に哀たちは風邪で寝込んでいるコナンにもメールで暗号などの情報を送る事に。メールには2807号室、2805号室の住人の証言、タオルの事、4枚の札の事を記入する。哀はメールを送信した直後に暗号を解読し、正男が言っていた事は正しかったと気付く。あれがなきゃできないという正男の発言は暗号を解読するためのメッセージだった。  哀は訳がわからない歩美たちに解読した内容を伝える。「諏訪湖」「毛ガニ」「タオル」という単語の真ん中の文字は「わ」「が」「お」。これを助詞に置き換えて3つの単語を読むと「す」は「こ」、「け」が「に」、「た」を「る」に変換するというメッセージに。これを踏まえると「るこにて」は「助けて」という言葉になるのだ。  哀は母親の名乗る女に気付かれないように正男が暗号を考えたと推理。その頃、蘭は布団で寝ているコナンのために着替えを用意。だが、布団は「すぐ戻るから」というメモを残して、もぬけの殻になっていた。哀は何食わぬ顔をして外に出た後、高木刑事に連絡しようと考える。その時、哀はテーブルに置かれた通話中の携帯電話に気付く。それは母親を名乗る女が置いておいた携帯だった。哀たちの会話は全て筒抜けになっていた…。

第03話
(644話)
死ぬほど美味いラーメン(前編)

 蘭が高校に急遽泊まる事になり、外食する事になった小五郎とコナン。2人は死ぬほど美味いラーメンとうたうチラシを見て、そのラーメン店を訪ねる事に。そこはカウンター6席の年季が入ったお店だった。小五郎たちは花が置かれた一番奥の席に座ろうとする。すると店長の小倉功雅(おぐらかつまさ)は別の席にして欲しいと頼む。先日他界したお得意様の席だったらしく、四十九日が過ぎるまではそっとしておきたいという。  小五郎たちはアルバイトの大橋彩代(おおはしさよ)にラーメンを注文。この後、小倉は来店した客を見て、帰れと怒鳴り声を上げる。それはコート姿にメガネをかけた不動産会社社長の西津徳盛(さいずとくもり)だった。地上げ屋の西津は立ち退きを迫り、小倉が断ると、若い連中を使って店内で騒ぎを起こし、客が激減してしまったという。西津は奥の席に座り、わざと花を飾ったコップを零すが、小倉は自分で拭けと激怒。西津は文句を言いつつ胸ポケットからハンカチを取り出し、右手で溢れた水を拭き取る。  隣りの理髪店で散髪してきた西津は理髪店店長の谷中篤(たになかあつし)が悪口を言っていたと小倉に告げ口。谷中はお洒落な商店街にボロいラーメン店は似合わないと話していたという。すると谷中が来店し、改装すればもっと繁盛すると言っただけと弁解。谷中は小五郎の隣りに座ってラーメンを注文する。間もなく、コナンと小五郎のラーメンが完成。小五郎の目の前の箸立てが空っぽだったため、谷中は別の箸立てを取ってくれる。  コナンと小五郎はラーメンの味を絶賛し、小倉は今後も店は安泰だと胸を張る。すると西津は会社が火の車で死にたい気分だと泣き言を言う。この後、西津のラーメンも完成。コナンは左手を伸ばして箸を取る西津に違和感を抱く。先ほど、右手でテーブルを拭いていたからだ。子供の頃、両親に直され、両利きになったという西津は食べるのは左だと説明する。西津はこのラーメンを食べて誰かが死ねば、すぐに店は潰れると悪態をつく。小五郎は西津の言動に我慢ならず、表へ出ろと西津の襟首を掴む。その時、西津は急に苦しみ出す。小倉はまた騒動を起こすつもりと相手にしないが、西津は本当に絶命していた…。

第04話
(645話)
死ぬほど美味いラーメン(後編)

 地上げ屋の西津はラーメンを食べた直後に苦しみ出して絶命。ショッピングモールの建設を計画していた西津は、商店街を潰すために社員を使って度々営業妨害をし、商店街の人たちに煙たがられていた。西津は青酸系の毒物を摂取。目暮警部らは殺人事件と判断して捜査を開始する。容疑者は店にいた店長の小倉、アルバイトの彩代、隣りの理髪店店長の谷中の3人で、谷中だけは西津にも西津のラーメンにも近づいていなかった。  谷中が西津に一番近づいたのは小五郎たちに箸立てを取ってくれた時。だが、その箸を西津は使っていなかった。箸の補充は彩代の仕事だが、西津が座った常連客の指定席の箸には触れていないという。この後、彩代は先日他界した常連客が父親だった事を打ち明ける。弁護士だった彩代の父親は西津の営業妨害に困り果てた商店街の人たちに頼まれ、訴訟を起こす準備をしていた。だが、高血圧だった父親は店で騒いだ西津の部下たちが起こしたケンカを止める時、持病の発作が起きて亡くなってしまったのだ。  この後、ラーメンから毒物が検出されなかった事が判明する。毒が検出されたのは西津の左手の親指と人差し指、西津が使っていた箸、及び座った席のテーブルの上。さらに西津の上着の内ポケットから同じ毒物の粉末が出てきたという。谷中は会社が火の車で死にたい気分と西津が言っていた事を思い出し、小倉もラーメンに毒を入れて店を潰してやると西津に脅されたと証言。目暮は自殺した可能性もあると考えを改める。目暮は西津が倒れた時の状況をもう一度説明して欲しいと小五郎に頼んで店の中へ入っていく。  コナンは西津の上着のポケット以外の持ち物から毒が検出されなかったかを高木刑事に確認。高木はハンカチや財布、タバコ、ライター、床に転がっていたメガネを調べたが検出されなかったと説明する。すると、今度は容疑者3人の身体検査をしたかを確認するコナン。だが、3人は毒を入れるような容器を持っていなかったという。コナンは高木から3人の所持品を聞いて何かに気付き、西津が以前起こした食中毒騒ぎの事を高木に詳しく聞く。話を聞いたコナンは犯人とトリックを見破り、店内の小五郎に麻酔銃を発射して…。

第05話
(646話)
幽霊ホテルの推理対決(前編)

 ケーキバイキングを食べるため、バスに乗って杯戸ホテルへ向かうコナン、蘭、園子。蘭は空手の関東大会で優勝し、園子は優勝したらケーキバイキングを奢ると約束していたのだ。途中、園子はお尻を触られたと騒ぎ、世良真純(せらますみ)の腕を差し上げる。園子から懲らしめてと頼まれた蘭は世良に足蹴りをしようとする。だが、蘭は逆に世良に回し蹴りをされそうになる。世良はジークンドーの使い手だった。  この後、コナンが痴漢は別の人と園子に伝え、世良への疑いは晴れる。世良も杯戸ホテルに行くところだという。ホテルに到着後、コナンたちはフロントで世良と別れ、改装中という別館のロビーへ向かう。コナンたちはお目当てのカフェがある2階に移動するため、エレベーターに乗ろうとする。その時、エレベーターから昼川利子(ひるかわとしこ)が出てくる。昼川はこのエレベーターではカフェに行けないとコナンたちに教える。  連れの男性と女性と合流した昼川は上住貞伍(うえすみていご)が泥酔して悪態をついた事を報告。上住は酔いが覚めたら、謝罪して罪を認めると約束したらしく、昼川たちは謝罪を録音するため、車に乗ってレコーダーを買いに行く事に。杯戸ホテルのオーナーの息子である上住は振り込め詐欺の首謀者。一度逮捕されるが、証拠不十分で釈放され、昼川たちはその被害者だった。そして、コナンたちがお目当てのカフェを見つけた直後、ドーンという大きな音が聞こえてくる。コナンは音がした駐車場へと駆けていく。  駐車場では昼川たちが立ち尽くし、頭から血を流した上住が倒れていた。昼川は車をバックさせた途端、上住が落ちてきたと証言。この直後、昼川は屋上に不審な人物がいたと発言。コナンは昼川たちと屋上へ行ってみる事に。エレベーターは前後に扉があるタイプで、昼川は怖がって屋上に降りる事を躊躇する。だが、屋上に人影はなく、縁には上着の上に揃えた靴が置かれていた。男性はこの状況を見て自殺したと判断する。その時、世良が現れ、これは殺人だと指摘。世良は自殺の時、靴を揃えるのは映画やドラマの演出と説明し、泥酔して靴を揃える事もあり得ないと言い放つ。世良はコナンと同じ探偵だった…。

第06話
(647話)
幽霊ホテルの推理対決(後編)

 振り込め詐欺の首謀者、上住がホテルから飛び降りて自殺。だが、コナンと探偵の世良は何者かに殺害されたと推理する。世良はコナンたちが屋上に向かった後、エレベーターが6階と2階に止まったと証言し、詐欺の被害者の女性は幽霊がボタンを押したと怖がる。別館には幽霊が出るという噂があり、夜中に徘徊する無人の車イスを見た人がいるという。すると、昼川は幽霊騒ぎの原因を語る。被害に遭った昼川の母親は体を壊し、父親は別館にいる上住に謝罪を要求していたという。入院した母親が亡くなると、父親は跡を追うように自殺。体が不自由な父親はホテルで電動車イスに乗っていたという。  別館2階の壁は上住にスプレーで落書きされ、廊下にはペンキ缶が散乱していた。2階には電動車イスがあり、千葉によれば、発見した時はまだ動いていたという。さらに千葉刑事は車イスの車輪の間に妙な釣り糸が付いていたと目暮警部に報告。この車イスは上住が使っていたものだが、上住は足が悪かったわけではなかったという。高木刑事は上住が幽霊騒ぎを起こしたと推理。無人の車イスを釣り糸で操り、皆を脅かしていたと考える。  車イスに付いた釣り糸はかなり長く、先端には切れた輪ゴムが数個付いていた。コナンは足掛けについた傷に注目し、犯人が上住を殺害した時に車イスを使ったと推理する。だが、そこは上住が転落した駐車場の逆側。目暮は車イスを使っても何もできないと考える。コナンはエレベーターの扉が前後にある理由をホテル従業員に確認。別館の1、2階には大ホールがあり、他の階と反対の扉を使った方がスペースを広く使えるという。  この後、世良は上住が以前割って、今はシートが被せられた窓ガラスを調べる。世良はこの窓が転落現場の真上なのは偶然ではないと考えていた。コナンは窓の下の壁と床の境目に大量のペンキが付着している事に気付く。ペンキは完全に乾ききっていて、上に何か置いてあったような跡が残っていた。さらにコナンは後ろに転がっているペンキ缶の側面の傷、エレベーターの下部の傷を見て、犯人が上住を殺害したトリックを見破る。ほぼ同時に犯人に気付いた世良は皆の前で自身の推理を披露する。それを聞いたコナンは…。

第07話
(648話)
探偵事務所籠城事件(勃発)

 探偵の世良真純(せらますみ)は蘭のクラスに転校してくる。世良はコナンと会いたいと蘭に伝え、学校帰りに毛利探偵事務所を立ち寄る。だが、コナンは阿笠博士の家に泊まりに行っていた。コナンは阿笠、少年探偵団と明日の早朝からキャンプに行くのだ。世良はコナンに会えず、事務所から帰ろうとする。その時、帽子を被った光井珠実(みついたまみ)、小柄な湯地志信(ゆちしのぶ)、絵が高くメガネをかけた二瓶純夏(にへいすみか)がやってくる。SNSで知り合った3人は女流ミステリー作家だった。  3人はSNS仲間のミステリー作家、沢栗未紅(さわぐりみく)の兄に誘われ、小五郎から色々な事件の話を聞くために来たという。蘭は直本賞作家の未紅が先月亡くなった事はニュース見て知っていた。その時、拳銃を持った未紅の兄、沢栗勲(いさお)が現れ、天井に向かって発砲する。沢栗は自分の腹に数本のダイナマイトも巻き付けていた。その頃、コナンは哀に世良の事を話していた。すると、光彦たちは蘭が知らない高校生と歩いている姿を見たと報告。コナンは気になって蘭に連絡してみる事に。  沢栗は拳銃を向け、光井、湯地、二瓶、蘭、世良を壁際に立たせる。その時、蘭の携帯にコナンから連絡が入る。沢栗は電話に出る事を許可するが、妙な事は言うなと蘭に警告。蘭が電話に出ると、コナンは一緒にいた高校生の事を訊ねる。すると世良は蘭から携帯を取り上げ、自分だと答える。この後、世良は携帯を閉じて机の上に置く。沢栗は全く気付かなかったが、この時、世良はストラップを挟み、通話状態のままにしていた。  コナンは電話が切れてない事に気付き、事務所で何か起きていると察する。この後、沢栗は小五郎に用件を語り始める。先月、未紅は群馬の温泉旅館で手首を切って自殺。だが、沢栗は一緒に温泉に行った光井、湯地、二瓶の中の誰かが殺害したと考えていた。沢栗は事件を解決して犯人を教えてほしいと小五郎に頼む。沢栗は犯人を殺害して自分も死のうと考えていた。沢栗は明日の朝には爆弾が爆発すると説明。事務所の状況を理解したコナンは少年探偵団に協力してもらい、未紅の自殺の真相を解決しようと考えるが…。

第08話
(649話)
探偵事務所籠城事件(狙撃)

 沢栗は蘭の携帯が通話中のままだった事に気付いて激怒する。その時、電話から自分が指示したという工藤新一の声が聞こえてくる。機転をきかせたコナンは、変声機を使って新一を演じて蘭を庇ったのだ。コナン(新一)は自分が事件の詳細を聞いた方が要望に応えられると思ったと説明する。沢栗の目的は妹の未紅を殺害した犯人を突き止める事。沢栗は協力して事件を解決するという新一の言葉に素直に耳を傾ける。  コナンは事件の資料を写メで撮影して阿笠博士のパソコンに送るように指示する。亡くなる直前、光井、湯地、二瓶が持ってきた本にサインを書いた未紅。コナンはその3冊も写メして送る事、携帯をスピーカーにする事を付け足す。そして、コナンは送られてきた3冊の映像を確認。二瓶が所有するサイン本だけ一部が歪んでいる事に気付く。それは濡れた後、乾かしたような跡だった。未紅が亡くなっていたのは風呂場。沢栗は二瓶を犯人と疑うが、二瓶は殺害した時に濡れたなら本全体が歪むはずと身の潔白を主張する。  湯地が持つサイン本は初版本で、新品のようにキレイだった。湯地は大切に保管していたと説明する。コナンは光井のサイン本の破れた跡に気付く。沢栗が訳を問い詰めると、光井は未紅に意地悪されたと訴える。未紅はサインを書いた後、本をなかなか返してくれず、部屋のトイレも貸してくれなかったという。この後、光井は未紅のスリッパが湿って温かかったと証言。だが、二瓶は未紅のスリッパが濡れても温かくもなかったと反論する。  人を動物に例える趣味があった紅未は3人をゾウ、キツネ、ネズミに例え、サインを書いた時の事をSNSに実況中継していた。沢栗は自分がウグイスと紅未にあだ名を付けられた事を明かし、コナンは未紅が付けるあだ名の法則に気付いて犯人を見破る。だが、哀は犯人を伝えれば、沢栗が犯人を殺害して自殺するという新たな事件が起きると危惧。その頃、世良は事務所の外に立て籠もり事件のプロである特殊捜査班、SITが待機している事に気付き、事件は解決すると判断。外では特殊急襲部隊、SATも犯人を狙撃する機会を窺っていた。世良は言葉巧みに沢栗を窓際へ誘導し、SATに狙撃のチャンスを与えるが…。

第09話
(650話)
探偵事務所籠城事件(解放)

 ゾウは二瓶、キツネは湯地、ネズミは光井と推理するコナン(新一)。最後に部屋に来たネズミを犯人と考えていた沢栗はコナンの話を聞き、光井の口に拳銃を突っ込む。沢栗は光井を殺害してから自殺しようと考えていた。その時、コナンは電話口から沢栗を止め、ネズミは光井だが、妹の未紅を殺害した犯人ではないと伝える。  この後、コナンは沢栗の推理した内容を確認する。沢栗は犯人が薬で眠らせた未紅の手首を切り、風呂場の湯船につけて自殺に見せかけたと推理。沢栗は犯人が未紅の携帯から「サヨウナラ」というメールを自分の携帯に送信したと考えていた。この後、メールを受け取った沢栗は未紅の部屋のドアをノック。返事がないため、沢栗は隣りの自分の部屋からベランダ伝いに未紅の部屋の窓を割って中へ入り、風呂場で未紅の遺体を発見したのだ。  沢栗は遺体を発見した時、まだ部屋に犯人が潜んでいたと推理。沢栗は自分が遺体に気をとられている隙に犯人は窓から逃げたと考えていた。この後、コナンは沢栗の推理の矛盾点を指摘。コナンは犯人がどこを通って逃げたのかを沢栗に訊ねる。沢栗はベランダ伝いに隣りの部屋に入り、そのままドアから出たと答える。だが、3つ隣りの宿泊客が未紅の部屋から本を手に持った光井が慌てて出ていく姿を目撃。その目撃者は開きっぱなしのドアに書かれた部屋番号を見て未紅の部屋と判断したのだ。  旅館はオートロックではなく、コナンは開いていたドアを閉めたのは未紅だと指摘。つまり、光井が部屋を出た後も未紅は生きていたのだ。続いて、コナンは未紅のデビュー作「死神の葬列」の内容を読んでいないという沢栗に教える。この作品は刑事が連続殺人犯を追うが、捕まえられないというストーリー。犯人は無意識の内に犯行を繰り返していた刑事自身で、罪の意識に苛まれた刑事が死神に導かれて自殺するという結末だった。それを聞いた沢栗は死神の幻覚を見た未紅が自殺したと察して動揺。その隙を突いて特殊捜査班のSITが事務所に突入して沢栗は逮捕される。だが、これは沢栗に犯人を殺害させないためのニセの推理だった。この後、コナンは未紅を自殺に見せかけて殺害した犯人を暴く。

第10話
(651話)
コナンVS平次 東西探偵推理勝負

 コナンは大阪の服部平次と電話で話し、自分の事を嗅ぎ回る世良真純の存在を報告。平次は東京に行く予定がある事を伝え、世良に会う事を楽しみにする。翌日、東京にやってきた平次と遠山和葉はバスに乗り、毛利探偵事務所へ向かう。途中、母親に東京のファミレス限定販売のカレーを買ってきてと頼まれていた和葉はファミレスを見つけて途中下車。和葉はカレーを買ってから事務所に向かうと平次に伝える。  コナンと蘭が事務所で平次の事を話していると、世良がやってくる。世良は東の新一と西の平次、どっちが名探偵かをコナンに訊ねる。コナンが新一と答えようとすると、そこに平次がやってきて自分の方が上だと猛アピールする。平次は和葉がいない事に気付いた蘭に事情を説明。その時、平次の携帯に和葉から電話がかかってくる。ファミレスのトイレで男性が亡くなり、大騒ぎになっているという。第一発見者の外国人は客を店から出すなと店員に指示したらしく、コナンと平次らはファミレスに向かう事に。  世良はこの事件で工藤と平次、どっちが名探偵か勝負して決めようと提案。世良はコナンが電話で事件の事を新一に教えれば勝負は成立すると考える。それを聞いた平次はどっちが上か、ハッキリさせようとやる気満々に。コナンたちが現場に駆け付けると、すでに目暮警部、高木刑事たちが捜査を始めていた。遺体の口には青酸系の毒物が混入された飴玉が入っていて、ポケットからも同様の飴玉が出てきたという。それを聞いた小五郎は自殺の可能性もあると推理。高木によれば、第一発見者の外国人も同じ考えだという。  この後、その外国人が現れる。それはFBI捜査官のキャメルだった。キャメルはカレーを食べに来て事件に遭遇したらしく、遺体を発見した時の状況を小五郎たちに伝える。便器に座ったまま亡くなっていた作業服の男性。身元がわかる物は所持しておらず、携帯もトイレの中に水没していたという。キャメルは2つ隣りのトイレで用を足していた時、男性の声が聞こえてきた事を明かす。男性は「いくら幼馴染みと言っても、そんな頼みは聞けないよ。阿部ちゃんの毒を盛って殺したのは自分だ。だったら自分は責任をとるしかない」という内容を言い終えた後、急に呻き声をあげたという。  心配したキャメルはトイレに行き、亡くなっている男性を発見。この男性は1人で食事していたらしく、キャメルは電話の相手に自殺を止められたが、耳を貸さずに自殺したと考える。キャメルは男性が殺害された阿部をちゃん付けしていた事から親しい関係だったと推理。キャメルは平次の喋り方を聞き、男性も同じ関西弁だったと説明。それを聞いた世良は阿部という人物が殺害された事件は関西方面で起きたと推測する。コナンは事件の事がまだ何も解けずにいたが、平次はすでに男性が他殺された事、犯人がまだファミレス内にいる事を見破っていた。  平次は新一よりも自分が上だと得意げになり、理由を説明し始める。関西弁だと「自分」は「お前」という意味。つまり、責任をとるのは亡くなった男性ではなく、話していた相手なのだ。そして「阿部ちゃん」は「アメちゃん」、「盛って」「塗って」の聞き間違い。関西では飴玉の事をアメちゃんと呼んでいるのだ。平次は犯人と男性がファミレスで待ち合わせしたと推理。携帯を使って男性をトイレに呼び出し、飴玉を咥えさせて毒殺したと考える。犯人の誤算はトイレにFBI捜査官がいた事。キャメルが機転をきかせて客を店に閉じ込めたため、犯人は逃げられずにまだ店内にいるのだ。  被害者と犯人は幼馴染み。目暮は容疑者を30代から40代の男性に絞り込んで事情聴取する事に。平次は幼馴染みの犯人も関西人の可能性が高いと考える。この後、容疑者は1人で来店し、喫煙室で食事をしていた3人に絞られる。だが、3人は東京生まれの東京育ち。ボロが出るかもしれないという理由から事情聴取は関西人の平次がやる事に。1人目の容疑者は須貝絡利(すがいらくとし)。平次は須貝が汗をかいている事に注目するが、須貝はカレーが辛くて汗をかいたと説明する。  2人目の甘粕享(あまかすとおる)も汗をかいていたが、甘粕はラーメンが辛かったと説明。平次が語尾に「さ」をつける話し方に引っ掛かると、甘粕は東京弁だと主張する。3人目も東條参平(とうじょうさんぺい)も汗をかいていたが、テーブルの麻婆豆腐はほとんど残していた。東條は汗かきだと言い訳。人が死んで食事する気分になれないらしく、東條は食後に食べようとした水菓子もキャンセルしたという。  結局、平次が3人から話を聞いてわかったのは、皆が辛い料理を注文した事だけだった。平次とコナンが捜査中、小五郎と蘭、和葉は呑気に食事をしていた。小五郎たちが食べていたのは容疑者3人が注文した料理。それを見たコナンは平次よりも早く、関西人の犯人を見破る。この後、被害者は建設会社のアルバイト、柴宮研吾(しばみやけんご)と判明。柴宮は先月、埼玉で起きた建設会社社長毒殺事件の第一発見者だった。コナンは新一が犯人を見破ったと皆に報告。そして、コナンは新一から聞いた事にして推理を発表する…。

第11話
(652話)
毒と幻のデザイン(EYE)

 平次は死んだ人から手紙が送られてきた事をコナンたちに明かす。送り主は先月、軽井沢の別荘で妻、若松芹香(わかまつせりか)の誕生パーティー中に殺害されたデザイン会社の社長、若松耕平(こうへい)。平次の母親は耕平と知り合いだったのだ。警察は金目当ての犯人と鉢合わせて殺害されたと考えているという。手紙の消印は事件の10日後。平次は文面を読み、耕平を殺害した犯人が書いたと推理していた。  手紙には満月の日の夜、耕平の大阪の自宅で平次に罪を告白したいと書かれ、家の鍵も同封されていたという。当日、風邪を引いた平次の代わりに和葉が自宅を訪ね、風呂場で髪の長い女性を発見。その直後に電気が消え、電気が点いた時、女性は壁のタイルに刻まれていたEYEという文字と共に消えてしまったという。だが、風呂場には「消えたのは己の肉体のみ…文字に非ず」と書かれた紙が残されていたのだ。  耕平が刺殺されたのも風呂場で、平次は耕平が自分の血で壁のタイルにダイイングメッセージを書いていたと説明。だが、警察が来た時、文字は消えていて、ルミノール反応もなかったという。話を聞いて字を消したトリックに興味を持つコナン。平次と和葉は耕平の本宅を訪ねるために東京にやってきたのだ。この後、コナンたちが本宅を訪ねると、腹を空かせた息子の若松育郎(いくろう)が芹香に夕食を催促していた。  そこに専務取締役の椎名正繁(しいなまさしげ)、チーフデザイナーの藤波純生(ふじなみすみお)がバームクーヘンを持って現れる。芹香は秘書の佐竹好実(さたけよしみ)に紅茶を淹れてほしいと頼み、コナンたちに事件の話を始める。この後、遺体の第一発見者、家政婦の米原桜子(よねはらさくらこ)が現れ、事件の日、別荘にいた全員が揃う。平次は米原にダイイングメッセージの事を聞くが、育郎はバームクーヘンを早く切ってくれと急かして話を遮る。佐竹はバームクーヘンを8等分に切り分け、米原が皿に取り分けていく。育郎は次期社長として自分が適任だと発言し、盛りつける前のバームクーヘンを手掴みで口へ運ぶ。そして、指を舐めた次の瞬間、育郎は急に苦しみ出して絶命してしまう…。

第12話
(653話)
毒と幻のデザイン(S)

 米原は耕平のダイイングメッセージがSという字だったと証言。Sの続きは耕平の手で隠れて見えなかったという。殺害された息子の若松育郎以外、専務取締役の椎名正繁、チーフデザイナーの藤波純生、秘書の佐竹好実、妻の若松芹香、家政婦の米原桜子の名前のイニシャルはSだった。芹香は別荘と大阪の家の風呂場のタイルが同じだった事を報告。事件当日、パーティー後に帰ろうとする椎名、藤波、佐竹、米原を引き留めた耕平。耕平は風呂場のタイルを貼り替えた後、4人に大事な話をするつもりだったという。  この後、他のバームクーヘンから毒物反応がでなかった事が判明する。トレイに残った2つの内の1つを掴んで食べた育郎。平次は犯人がどんなトリックを使って育郎に毒の方を取らせたかを考える。和葉は食いしん坊の育郎に大きい方を選ばせたと推理するが、バームクーヘンはきれいに8等分されていた。育郎は2つの内から奥にある方を選んだという。平次たちは長野県警の大和警部たちに別荘の事件について聞く事に。 和葉は由衣刑事に連絡して育郎の身内が東京で殺害された事を報告。平次は風呂場のタイルを見せて欲しいと頼む。目暮警部は育郎がバームクーヘンを食べた時の状況を皆に再現してもらう事に。だが、椎名たちは疲れている芹香を気遣い、芹香だけは書斎で休む事になる。この後、米原はこの家の風呂にも別荘と同じタイルと使っているとコナンたちに打ち明ける。芹香が黙っていたので、言い出せなかったという。  コナンと平次はすぐに風呂場へ行き、上から下へグラデーションになっている菱形のタイルを見て犯人のトリックに気付く。それは俗称クレイジーダイヤモンドで、全体がグラデーションに見えるのは目の錯覚。1つ1つのタイルは全て同じモノで、犯人は色が濃いように見える文字が書かれたタイルを薄いように見える下のタイルとすり替えたのだ。その頃、別荘を検証していた大和たちも同じ事に気付く。大和たちはルミノール試薬を使って耕平のダイイングメッセージが書かれたタイルを見つけ、平次に連絡して教える。耕平が残した言葉、それは殺害された育郎を示す「SON(息子)」というものだった…。

第13話
(654話)
毒と幻のデザイン(Poison)

 耕平のダイイングメッセージが育郎を示す「SON(息子)」だったとわかり、コナンと平次は、大阪にある耕平の実家に平次を呼んだのは育郎を殺害した犯人と推理。クレイジーダイヤモンドの錯覚に気付かせ、育郎が犯人と伝えようとしたと考える。居間では目暮警部たちが実況見分を行っていた。育郎は敵討ちで殺害された可能性が高く、コナンは耕平を特に慕っていた人物がいないか、こっそり探って欲しいと高木刑事に頼む。  コナンと平次は佐竹たちの会話をヒントに犯人が育郎を毒殺したトリックを見破り、鑑識課員に育郎の部屋のドアノブを調べてもらう。コナンたちの予想通り、ドアノブからは犯人がかけたと思われる粉末状の毒物が検出される。育郎は毒が付いたバームクーヘンを取ったのではなく、取る前から毒が手に付着していたのだ。粉末の毒はドアノブ付近の床にも落ちていて、コナンは犯人のスリッパに毒が付いていると推理する。事情聴取中、高木は耕平を特に慕う人物を特定しようとするが、耕平は皆から同じように慕われていた。  鑑識の結果、皆のスリッパから毒物は検出されず、調べていないのは書斎にいる芹香のスリッパだけだった。芹香がタイルの事を黙っていた理由も気になるコナンたちは書斎を訪ねるが…。書斎では芹香が床に倒れて絶命していた。芹香の死因は青酸系の毒と判明。芹香意外に書斎に入った者はおらず、藤波は芹香が自殺したと判断。だが、コナンは入室しなくても毒殺できると考える。米原が用意した紅茶のカップ、椎名が貸した万年筆、佐竹が頼んだ契約書、藤波があげた目薬などに毒を予め付けておけば殺害は可能だった。  佐竹は芹香から自分の身に万が一の事が起きたら警察に金庫の封書を渡すように指示されていた事を明かす。その封書には会社の金を横領した事を育郎に気付かれたため、耕平を殺害した育郎の事を庇ってしまったと書かれていた。この後、芹香のスリッパから毒物反応が出る。遺体の傍にあった国語辞典からも毒物反応があり、辞書のケースの奥には毒が入った袋が貼り付けてあった。目暮は育郎を殺害し、後悔の念に苛まれた芹香が自殺したと推理する。だが、コナンと平次は現場を見て芹香は殺害されたと確信していた…。

第14話
(655話)
毒と幻のデザイン(Illusion)

 コナンと平次は犯人が芹香に罪を着せるため、毒の付いたスリッパと芹香のスリッパをすり替えたと考える。コナンたちは怪しまれずにスリッパをすり替える方法を考え、犯人がトイレでスリッパをすり替えた事に気付く。この後、平次は和葉が家に来た直後にトイレに入った事を思い出し、誰がトイレに入っていたかを確認する。和葉は育郎が入っていたと証言。その時、育郎は手を拭きながらリビングに向かったという。  この和葉の証言から育郎の手に毒が付いていたという推理は間違いだったと気付くコナンと平次。育郎の部屋のドアノブに付着した毒はフェイクだったのだ。改めてコナンと平次はトレイに残った2つのバームクーヘンから毒が付いた方を育郎に選ばせたトリックに推理を巡らせる。この後、コナンと平次は蘭と和葉の会話をヒントに犯人が使った巧妙なトリックを見破る。コナンたちは芹香を殺害した時も似たようなトリックを使ったと考え、芹那が書斎に1人で残るまでの状況を高木刑事に訊ねる。  芹那は椎名、藤波、佐竹と共にパソコンで「若人の」という文字を確認。50種類近い文字のデザインからイイものを選ぶ作業をしていたという。その後、藤波は目を押さえて辛そうだった芹那に目薬を差し出し、米原は芹那のために入れ直した紅茶を用意。佐竹は契約書に署名捺印をして欲しいと芹那に頼み、椎名はブロンズ製の万年筆を芹那に貸したという。椎名が貸した万年筆は勤続30年の祝いに耕平からもらったもので、耕平は他の社員には同じブロンズ製の腕時計を贈っていた。  話を聞いたコナンと平次は犯人と芹那を殺害したトリックも見破るが、証拠だけ見つける事ができずにいた。時刻は深夜1時を回り、目暮警部は事情聴取を後日行うと皆に伝える。藤波、米原、佐竹、椎名は一息つき、一斉にペットボトルのウーロン茶を飲み出す。コナンと平次は4人がウーロン茶を飲む姿を見て犯人が身に付けていた証拠も見つける。この後、コナンと平次は皆を居間に集めて推理を披露し、犯人を追い詰めていく…。

第15話
(656話)
博士の動画サイト(前編)

 コナンは元太、光彦、歩美、哀と阿笠博士の家に集まり、カレーを作っていた。その時、阿笠が所有する壺の話題になる。その壺は数年前にフリーマーケットで古臭い絨毯と一緒に購入したもの。最近、壺と絨毯が倉庫から出てきたという。阿笠は壺の価値が知りたくて動画サイトに鑑定を求める映像をアップし、絨毯はリビングに敷いて使っていた。  この後、元太が蹴ったサッカーボールがカレーの鍋に入り、近くにいた歩美はカレーまみれに。カレーを作り直す事になり、コナンと哀、元太、光彦は足りない食材を買いに行く。その間に歩美はシャワーを浴びてカレーを洗い流し、汚れた服の代わりに哀の服に着替える。買い物中、阿笠の動画に哀が映っていた事が明らかになり、コナンは黒ずくめの組織に哀の所在を気付かれたかもしれないと心配する。  コナンたちは急いで阿笠邸へ戻り、リビングで気を失った阿笠を発見する。目を覚ました阿笠は呼び鈴が鳴り、玄関を開けた直後、何者かにスタンガンで気絶させられたと状況を説明。光彦は壺を狙った犯行かもしれないと考えるが、壺は盗まれていなかった。この後、元太は歩美が誘拐された事に気付く。床にはコーヒーが零れていて、コナンは犯人が歩美を零れたコーヒーの上で押さえつけたと判断。コナンは絨毯がない事にも気付き、犯人は歩美を絨毯に包み、業者を装って連れ出したと推理する。  コナンは手掛かりを掴むために阿笠の動画を確認し、阿笠のメガネに映り込んだ哀に気付く。歩美は哀と間違えられて誘拐された可能性が高かったが、コナンは現場の状況から黒ずくめの組織の犯行ではないと考える。その時、壺から携帯の着メロが聞こえてくる。壺の中には歩美の携帯があり、貼り付けられた紙にはメールを読んで指示に従えと書かれていた。犯人は阿笠の携帯を盗み、その携帯から指示を出してくる。犯人のメールには灰色の猫の画像が添付され、この猫を見つけ出せと書かれていた。阿笠がアップした動画に犯人が探している猫が偶然映っていたのだ。コナンたちは手分けして近所に猫を探しに行くが、なかなか見つける事ができない。そんな中、再び犯人からメールが届いて…。

第16話
(657話)
博士の動画サイト(後編)

 犯人は自分たちで猫を見つけ、歩美を絨毯に包んだまま解放する。絨毯は裏が少し汚れていたもののシミ1つなかった。歩美は犯人が2人組だったと証言。犯人は主人の猫だから見つけなきゃヤバイと話していて、歩美を絨毯から一度出して水を飲ませてくれたという。コナンは犯行の手際が良い事から阿笠の家の事情を知っている人が犯人と推理。最近、3組が壺の動画を見て阿笠の自宅を訪れたらしく、コナンはこの中に犯人がいると考える。  見栄えするため、絨毯の上に壺を置いて3組に鑑定を頼んだ阿笠。1組目の若い姉妹はしばらく壺を眺めた後、500円で売って欲しいと頼んできたという。2組目は、壺には触れずに虫眼鏡で念入りに調べていた中年夫婦。この夫婦は高価な壺かもしれないから、きちんとした鑑定家の所に持って行った方が良いと勧めてきたという。  3組目は失礼な親子。息子は壺を少し触り、中を見ただけでニヤニヤしながら値段を聞いてきたという。小馬鹿にした態度をカチンときて、絨毯をおまけに付けて50万円とふっかけた阿笠。すると、父親の方が見る目がない人は悲しいと言ってきたという。3組とも家に来たのは哀が学校に行っている時間帯。3組の中に哀の帰宅時間や友人の事などを聞いていた人たちがいたが、阿笠は誰だったか覚えていなかった。  哀は3組の中に猫の事を聞いてきた人がいたはずと考えるが、不思議な事に猫の話題に触れた人はいなかったという。コナンは犯人が探していた猫に見覚えがあった。それはロシアンブルーという妃英理の飼い猫と同じ種類だった。猫の話になると、歩美と光彦は“ツボ猫動画”の話題を話し始める。それは壺に猫が入る姿がかわいいと評判の人気動画で、話を聞いたコナンは動画のタイトルを阿笠に確認する。阿笠は動画に「ワシには猫に小判な、この壺の鑑定を…」というタイトルを付けていた。コナンはタイトルを聞いて「猫」と「壺」で動画を検索。すると阿笠の動画の1つ上に英理の飼い猫の映像が出てくる。英理の猫と犯人が探していた猫は驚く程そっくりだった。この後、コナンは歩美が連れ去られた時の状況を聞いて犯人の本当の狙いを見抜き、3組の中の誰が犯人かを特定する…。

第17話
(658話)
ショコラの熱い罠

 コナンと蘭、園子は世界大会で優勝したショコラティエ、辻元由紀彦(つじもとゆきひこ)のショコラが食べられるお店「ボート・ア・ビジョー」のオープニング・セレモニーに招待される。店を手掛けたのは園子の知り合いの店舗プロデューサー、佐倉真悠子(さくらまゆこ)。この店がオープンする明日、辻元と真悠子は婚約を発表するという。  店にやってきたコナンは棚に並べられた様々な種類の果実酒の瓶を見て違和感を抱く。そして、蘭と園子がショコラを試食しているとコックコート姿の辻元が現れる。辻元は園子をテーブル席へエスコートすると、準備に取りかかるために厨房へ入っていく。園子は独身最後の記念写真と言ってイケメンの辻元を携帯で撮影する。  この後、オープニング・セレモニーが始まり、辻元は彫刻のようなショコラと共に登場する。辻元が果物を敷き詰めた台座の縁にポットの水を注ぐと、ドライアイスが蒸気となって果実の隙間から昇ってくる。幻想的な演出は続き、今度は台座の縁から火花が出て果実酒の実に火が点る。次の瞬間、爆発音と共にテーブルの下から炎が上がり、辻元は後方へ吹き飛ぶ。その拍子に棚の果実酒が次々と床に落下してアルコールが飛び散る。  燃え上がったテーブルクロスの火が床のアルコールに引火して床一面は火の海に。辻元は全身を炎に包まれて身悶え、真悠子は自分の服の袖に燃え移った火を叩き消す。火は店内全体に広がり、蘭と園子は辻元を助けようとする真悠子を連れて店の外へ。この後、弓長警部が捜査を開始。辻元の死因は熱傷による外傷性ショック死。辻元の衣装は燃えやすいパイル素材で、真悠子は自分が用意した事に責任を感じる。  弓長はショコラのアルコールが衣類の静電気で引火したと考える。そして辻元は驚いて棚に衝突。果実酒の瓶が落ちて炎が上がり、辻元に燃え移った事故と判断される。だが、コナンは棚にあるピスタチオの殻を見つけ、意図的に瓶が倒れやすくしてあった事に気付く。この後、遺体の近くで繊維の燃えかすが見つかり、コナンはポットに塩の結晶が残っている事に気付く。そしてコナンはショコラの断面を調べ、巧妙な科学トリックを見破る。

第18話
(659話)
初恋の共同捜査(前編)

 コナンは元太、光彦、歩美、哀、阿笠博士と映画を観に行く。その帰り、コナンは駐車場で車上荒らしをされた車を発見。その車は後部座席にプラモやフィギュアの箱を大量に載せていて、車内の天井には赤いスプレーで「死ね」と書かれていた。そこに千葉刑事と友人がやってくる。被害に遭ったのは千葉の車だった。交通課の宮本由美によれば、同じ手口の車上荒らしは3件起きていて、千葉は4人目の被害者だった。  千葉は気付かないが、由美と一緒に現場に来た新人の三池苗子は千葉が小学生の時に撮影した特撮ドラマの出演者。彼女は千葉の初恋の人だった。千葉は勝手にフラれたと勘違いしていたが、コナンたちは2人が両想いだと知っていた。千葉は他の被害者の車の写真を確認。1台目はリアウィンドウにキャラが貼られたオタクの“イタ車”。2台目は後部座席にゴルフバッグを大量に載せた会社員の車、3台目は改造している走り屋の車だった。  事件は米花町内の駐車場で起きていて、コナンたちも由美たちの捜査を手伝う事に。コナンは千葉と苗子に2人きりで捜査するように仕向け、皆と一緒に2人を尾行する。この後、千葉と苗子はデパートの駐車場へ入っていき、コナンたちは名和武朗(めいわたけろう)の改造車の影に隠れて様子を伺う。その時、コナンたちは重井徳子(しげいとくこ)から車の近くにいたら危ないと注意され、近くにいた福地明歳(ふくちあけとし)に庇ってもらう。結局、コナンたちは駐車場の出入り口で千葉たちが出てくるのを待つ事に。  30分後、駐車場から大きな音が聞こえてくる。駐車場では福地の車に後ろから徳子の車が追突していた。徳子の車のフロントガラスには「死ね」と書かれ、運転席には誰も乗っていなかった。福地は娘に頼まれた人形が売り切れで別の店に行こうとした時、追突されたと証言。その時、頭を打って意識を失ってしまったという。苗子は駐車場から出ようとする名和に駐車場を封鎖したと伝える。この後、駐車場に戻ってきた徳子は追突した自分の車を見て驚く。徳子の車の鍵穴はこじ開けられたような傷が付いていた。事故の後、駐車場からは誰も出ておらず、車上荒らしの容疑者は名和、徳子、福地の3人に絞られる…。

第19話
(660話)
初恋の共同捜査(後編)

 車上荒らしの容疑者は駐車場にいた名和、徳子、福地の3人に絞られる。自分も疑われていると知った福地は妻と娘が帰りを待っていると言って泣きそうになり、徳子も夫の夕食の支度をしないといけないと迷惑がる。名和は両親が学校の先生らしく、親がうるさいので早く帰りたいという。名和は車検に通らないような高さのあるウイングを車の後部に付けていて、コナンは3番目の被害者の車にもウイングが付いていた事を思い出す。  コナンは同じようにウイングが付いているのに名和の車は被害に遭わなかった事を不思議に思い、被害者の車の写真をもっと詳しく見たいと考える。苗子は被害者の車を色々な角度から撮った写真をミニパトへ取りに行き、千葉は元太たちに促されて苗子を手伝う事に。その時、風が吹いて苗子が被っていた帽子が舞い、千葉はその光景をポカ~ンと眺める。2人は立ち止まって見つめ合い、イイ雰囲気になる。  この後、被害者たちの写真を見たコナンはある事に気付き、最近この辺で子供が巻き込まれた交通事故がなかったかを由美に訊ねる。由美は先月、高校の先生のワゴン車が事故を起こしたと教える。先生は家族で海水浴に行く途中に事故を起こし、全面的に過失を認めて示談が成立。車の中には浮き輪やビーチボール、ゴムボートなどをたくさん積んでいたという。事故の詳細を聞いたコナンは車上荒らしが狙う車の共通点に気付き、容疑者3人の中の誰が犯人かを見破る。  苗子はデパート側から封鎖している駐車場に客の車を入れたいと催促された事を由美に報告。由美は警察署に移動して容疑者3人から話を聞く事に。コナンは“イタ車”のプリントをしてくれる知り合いがいないかを千葉に確認。千葉は2、3時間でやってくれる知り合いがいると答える。事情聴取の間にコナンたちは佐藤刑事の車のリアウィンドウにキャラクターのシールを貼って犯人を誘き寄せるトラップを仕掛ける。すると、佐藤の車の車に犯人が近づいてきて…。

第20話
(661話)
小五郎さんはいいひと(前編)

 コナンと蘭は小五郎を知っているというアパート大家の桐谷貴江(きりたにたかえ)と偶然会う。蘭が小五郎の娘だと自己紹介すると、桐谷は小五郎が毎週のように無償で事件を解決してくれていると感謝する。事件と言っても解決しているのは、無くし物探しなどのたわいのない事だという。この後、小五郎が来る予定らしく、コナンたちは桐谷の自宅を訪ねて小五郎から話を聞く事に。桐谷の自宅の横には所有するアパートが建っていた。  皆が話していると玄関のチャイムが鳴り、出迎えて脅かそうとした蘭は小五郎を見て困惑する。やってきたのは小五郎を真似た大学生の恩田遼平(おんだりょうへい)だった。恩田は恋人の桐谷の孫娘に小五郎のフリをしてほしいと頼まれたと打ち明ける。最初は空き巣に怯える桐谷に防犯の心得などを教えていた恩田。説得力を出すために小五郎のフリをしたらしく、恩田は空き巣が捕まった後も色々と頼まれて桐谷の家に来ているという。  蘭とコナンは恩田から内緒にしてほしいと頼まれ、仕方なく小五郎として恩田と接する事に。この後、桐谷は事件の解決を恩田に頼む。昨晩、リモコンを触っていないのにテレビが色々な番組に切り替わったという。恩田は原因がわからずに狼狽え、コナンが助け船を出す事に。リモコンは積んである本の下に埋まっていて、コナンは何かの拍子にリモコンが押しっぱなしになってザッピング状態になったと推理する。事件が解決して安堵する桐谷。その時、アパートから悲鳴が聞こえ、コナンたちはすぐにアパートへ向かう。  アパートの一室では住人の傳川源祐(でんかわげんすけ)が包丁を握って絶命していた。発見したのは住人の坂内久美(ばんないくみ)、石亀謙(いしがめけん)、兵頭順治(ひょうどうじゅんじ)。坂内たちは傳川の部屋の目覚まし時計のベルが鳴りやまないため、鍵のかかったドアを壊して部屋に入って遺体を発見したという。昨夜は大音量のテレビをザッピングする音がうるさく、3人が扉の前で文句を言うと止めてくれたという。遺体の近くに鍵があり、自殺の可能性が高かったが、コナンは自殺に見せかけて殺害したのは住人3人の中にいると考え、恩田は小五郎と信じ込む桐谷に促されて事件を解決するハメに…。

第21話
(662話)
小五郎さんはいいひと(後編)

 傳川と揉めていた3人。兵頭は電話が鳴りやまないと部屋の扉を壊され、電話線を抜かれた事があるという。部屋でクサヤを焼いた時、外から扉をガムテープで目張りされ、外へ出られなくなった坂内。石亀は孫が傳川の部屋の窓をボールで割った事を恨まれて窓ガラスを割られたという。遺体を発見した時、遺体の足につまずいて肘を擦りむいた坂内。兵頭は目覚ましを止めようとして扇風機を倒し、石亀は電灯のヒモを引っ張って明かりを点けたという。コナンはこの状況を聞いて犯人は3人の中にいると確信する。温泉から帰ってきたばかりの3人は自分たちに犯行ができない事を主張して部屋に帰ろうとする。  桐谷は態度の悪い3人を叱り、名探偵の小五郎(恩田)に意見を求めない佐藤刑事、高木刑事にも文句を言う。慌てた恩田は話をはぐらかそうとして桐谷の事をお母さんと呼んでしまう。この言い間違いを聞いたコナンは推理を巡らせ、桐谷の声が大きい事に何か関係があると考える。この後、桐谷の携帯に孫娘からメールが届く。  蘭はメールを覗き込んで驚く。メールには孫娘と赤ん坊の写メが添付されていた。しかも孫娘は結婚していて九州に住んでいると判明。蘭は恩田の話がウソだった事に気付く。この後、コナンはテレビのチャンネルがザッピングされた時の状況を桐谷に確認。桐谷は窓のカーテンを閉めたらザッピングが止まったと説明する。傳川の部屋とテレビがある部屋の距離は近く、話を聞いたコナンは傳川を殺害した犯人のトリックを見破る。  3人の中の誰が犯人かも特定したコナン。推理が正しければ犯人は今も証拠を持っているはずで、コナンは3人の様子を注意深く見つめる。スマートフォンを操作する坂内の指には絆創膏が貼られていた。首辺りに手を当てる石亀の首筋には湿布が貼られ、兵頭は手首に巻いた輪ゴムを外して後ろ髪を束ねる。坂内たちは偽者の小五郎と気付き、強気になって推理を披露しろと恩田に迫る。冷や汗をかく恩田にコナンは本物の小五郎から事件の真相を聞いたとサポートを約束。恩田はコナンの指示を聞きながら、たどたどしく推理を始める。そして解決後、恩田が桐谷に会いに来ている本当の理由も明らかになって…。

第22話
(663話)
ミヤマクワガタを追え

 コナン、元太、光彦、歩美、哀はカブトムシを採るため、阿笠博士の旧友、生田目龍太郎(なまためりゅうたろう)がいる山梨にやってくる。龍太郎と合流した後、道の駅に立ち寄るコナン一行。龍太郎は知り合いのミヤマクワガタのTシャツを着た矢部慶(やべけい)を見つけ、もう二度と母親を泣かすなと声をかける。慶は過去に借金を作った事があるという。この後、元太と光彦がケースに入ったミヤマクワガタを見に行くと、池田周平(いけだ しゅうへい)は東京のデパートに送る売り物だから触るなと怒鳴り声を上げる。龍太郎と池田は山の土地の境界線の事で揉めている微妙な関係だった。  コナンたちは若い夫婦が鉢植えを選んでいる背後を通って店の外へ。この時、龍太郎は自宅に古い物がたくさんあるとコナンたちに自慢する。骨董屋は床の間の仏像を見て、鎌倉時代のものだと話していたという。コナンたちは龍太郎の自宅に到着後、林に昆虫を採るための罠を仕掛けに行く。帰り道、コナンたちが道に停めてある軽トラックに近づくと、車の下から慶が出てくる。慶は車に近づくなと言ってコナンたちを追い払う。  夜、コナンたちは阿笠に付き添われ、林に仕掛けの様子を見に行く。罠には、たくさんのカブトムシやクワガタがかかっていて、元太たちは大喜びする。その帰り、コナンたちは夜道を歩く池田に気付く。池田は龍太郎の文句を言いながら歩いていた。この後、コナンたちは龍太郎の自宅に戻って座敷に倒れた龍太郎を発見する。頭から血を流した龍太郎は「ミヤマクワガタ」と犯人のヒントを残して意識を失う。床の間にあった仏像は盗まれていて、コナンは龍太郎の服に茶色い毛が付着している事に気付く。  捜査を開始した本橋刑事(もとはし)は最近、仏像の盗難事件が続いている事をコナンたちに明かす。元太はミヤマクワガタを持っていた池田を犯人と疑うが、池田は身の潔白を主張し、仏像泥棒なら慶が怪しいと証言。その時、元太は慶がミヤマクワガタのTシャツを着ていた事を思い出す。だが、慶も龍太郎を襲っていないと犯行と否定する。池田と慶とは別に犯人がいると推理したコナンは道の駅での出来事を思い出して…。

第23話
(664話)
名犬クールのお手柄2

 図書館へ向かうコナン、歩美、元太、哀。途中、光彦は手書きの地図を拾う。地図には4軒の家が描かれ、各家には藤木、香月、大賀、江口と名字も書かれていた。光彦は空き巣が狙っている家と考え、4軒の住人から話を聞く事に。最初に大賀家を訪ね、建築家の大賀則文(おおがのりふみ)、妻の美佐子(みさこ)から話を聞く。コナンは他の3軒を見て則文が動揺している事に気付く。2軒目のイラストレーター、江口珠恵(えぐちたまえ)は特に不審な事はないとコナンたちに伝える。  続いて3軒目の藤木静子(ふじきしずこ)、息子の会社員、弘一(こういち)から話を聞く。コナンは地図を見た弘一の反応に違和感を抱く。最後に香月家を訪ね、コナンたちは昨晩、香月栄太郎(こうづきえいたろう)が米花街道の地下横断歩道の階段の下で頭から血を流して亡くなっていた事を知る。コナンは事故死と殺人事件の可能性があると考える。栄太郎の妻は2年前に他界。警察の応対は娘の佐和子(さわこ)がしていた。  コナンは光彦たちを図書館へ行かせ、自分は現場を見に行く。現場の刑事と鑑識課員の会話に聞き耳を立てるコナン。タバコを吸わない栄太郎の遺体の右手からタバコの匂いがしたが、現場に吸い殻は落ちていなかったという。コナンは則文、珠恵、弘一が同じ銘柄のタバコを吸っていた事を思い出す。コナンは図書館に隣接した公園で光彦たちと合流。光彦たちは名犬クールと飼い主の八木沢浩(やぎさわひろし)と一緒にいた。  光彦は地図を何者かに盗まれたとコナンに報告する。八木沢はクールが栄太郎の遺体を発見した事をコナンたちに教える。さらに地図は八木沢が書いた物と判明。地図はクールを散歩させる時に注意する家を示したもの。大賀家は芝生に入ると美佐子が怒り、江口家はバラに農薬を撒いていて、藤木家は静子が潔癖症で、犬のおしっこを嫌っているという。コナンは地図を盗んだのは栄太郎を殺害した犯人と推理。犯人はどういう理由で書かれたかはわからないが、自分と栄太郎を結びつける地図を警察に見られたらマズイと思って盗んだとコナンは考える。コナンは訪ねた3軒の中に犯人がいると睨んでいた…。

第24話
(665話)
疑惑のイニシャルK

 コナン、小五郎、蘭は米花町の交番に勤務する立野寿巳男(たてのすみお)巡査に偶然会う。立野は花沢トシ子(はなざわ)からゴミ捨て場を荒らす人がいると相談を受けていた。その時、近くの家から国分貴和子(こくぶきわこ)が出てきて、コナンは貴和子の手に血が付いている事に気付く。貴和子が出てきた家では大岡善吉(おおおかぜんきち)が殺害されていて、遺体の近くには血まみれの包丁。手元には血でKというダイイングメッセージが残されていた。コナンは大岡の差し歯が1本抜けている事に気付く。  被害者の大岡は近所のスーパーの警備員。立野は万引き犯が捕まった時に大岡と顔を合わせる事があったという。目暮警部は事情聴取を行い、近くに住む花沢は7時過ぎに男性が大岡の家を訪ね、15分位で出て行ったと証言。続けて、花沢は立野に相談していた時に貴和子が大岡の家に来て、その10分後に家から出てきたと伝える。この後、花沢は野次馬の中に大岡の家を訪ねた男性、小金井克俊(こがねいかつとし)を発見。目暮は小金井から話を聞く事に。国分貴和子と小金井克俊、どちらのイニシャルもKだった。  小金井は包丁を自分のものと認め、大岡から強請られていた事を告白。7年前に賭け麻雀で捕まった小金井。大岡も賭け麻雀をしていたが運良く逮捕されなかったという。小金井は揉み合って大岡の腕を切ってしまい、怖くなって逃げ出したと証言する。大学の薬学部に通う貴和子は学校から盗み出した毒性の高い薬品を所持。貴和子は就職が決まらずにノイローゼになり、万引きを繰り返すように。万引きを見つけた大岡から強請られていたという。貴和子は大岡を毒殺しようとしたが、訪ねた時には死んでいたと訴える。  目暮たちは部屋のカレンダーの「40ドメ0バ」「44ギAI」という書き込みに注目。この時、小五郎は立野の帽子が汚れている事に気付く。立野は部屋の勝手口や窓は全て内側から施錠されていたと報告し、目暮は貴和子、小金井以外の犯行は不可能と考える。コナンは大岡の手帳に貼られたネームテープに目を留める。テープには「Oオカ」と書かれていた。この後、コナンは床を這い回る数匹のアリに気付いて犯人Kの正体を見破る。

第25話
(666話)
雨の夜の脅迫者

 雨の中、千葉刑事が女性を捜して欲しいと毛利探偵事務所にやってくる。最近、行きつけの喫茶店でよく会う芦田美緒(あしだみお)から命を狙われていると相談された千葉。美緒は間違って千葉の傘を持って行き、千葉が美緒の傘を差して店を出た直後、赤い車が轢こうとしてきたという。千葉は犯人が傘を見て美緒と間違えたと判断。千葉は美緒が本当に命を狙われていると感じ、コナン、小五郎、蘭と一緒に美緒の自宅を捜す事に。  その頃、アパート1階に住む浪人生の村上卓也(むらかみたくや)は2階の部屋から聞こえるテレビの音にイライラしていた。そして村上の我慢が限界に達した時、ふいにテレビの音が消え、ドスンという大きな音。続けて、悲鳴と助けを求める声、争う音が聞こえてくる。この後、コナンたちはサイレンの音を聞いて美緒の部屋に駆け付ける。アパートの近くには赤い車が乗り捨てられていた。千葉が部屋に入ると、そこではナイフを持った大柄の男性が仰向けに倒れて絶命。美緒はこの事件の加害者だった。  事件発生は40分前の午後10時30分で、被害者は3日前に交通刑務所を出所したばかりの辛島義純(からしまよしずみ)。1年前、飲酒運転で暴走した運転手が死亡する事故があり、飲酒を黙認した同乗者の辛島は道交法違反幇助によって1年間服役していた。高木刑事がこの事故に触れると、美緒はウソだと訴える。死亡した運転手は美緒の兄、芦田利明(あしだとしあき)だった。昔、飲酒運転で事故を起こした利明は二度と運転しないと誓ったらしく、美緒は利明が運転していたと辛島がウソの証言をしたと疑っていた。  辛島は裁判で異議を申し立てた美緒を逆恨みし、言葉は濁しているが、刑務所から脅迫めいた手紙を送っていた。この日、美緒はナイフを持って部屋に潜んでいた辛島に襲いかかられて傘で抵抗。倒れた辛島はテーブルの花瓶に頭をぶつけて絶命し、目暮警部たちは正当防衛の可能性が高いと考える。コナンは手紙の消印や引っ越して間もない部屋に違和感を抱き、遺体の鼻先に小さな打撲の痕がある事に気付く。テレビ台には微量の血痕があった。そしてコナンは玄関の状況を確認後、村上から話を聞いて事件の真相へ辿り着く…。

第26話
(667話)
ウェディングイブ(前編)

 伴場頼太(ばんばらいた)と加門初音(かもんはつね)の結婚式の前夜祭が行われ、伴場の高校時代の同級生、小五郎はコナン、蘭と共に2人を祝福する。出会った瞬間に運命を感じた伴場と初音は誕生日も血液型も境遇も同じ。たまに黙っていてもお互いの考えている事がわかるという。この後、ウェイターの安室透(あむろとおる)は伴場の右腿上にケーキを落とすミスを犯して謝罪。この時、伴場は落ちたケーキを踏んでしまう。  雨の中、初音は結婚式用のネイルチップをデコするためにネイルサロンへ向かい、しばらくすると伴場の携帯に初音から30分後に戻ると言う内容のメールが届く。この後、伴場は携帯で誰かと連絡を取り、そのままトイレへ入っていく。その直後、トイレから春岡参治(はるおかさんじ)が出てきて、コナンは春岡が電話の相手と推測する。トイレから戻った伴場は安室に突然殴りかかり、倒れた拍子に割れたグラスで手を切ってしまう。  伴場がケガの手当もせずに初音に電話をかけると、初音は「サヨナラ」と伴場に自殺をほのめかす。その直後、爆発音が響き渡って駐車場の初音の車が炎上。それを見た伴場は頭を抱えて崩れ落ちる。目暮警部たちが捜査を開始し、車の中から初音の遺体、トランクから旅行用スーツケース2つが発見される。挙式後、2人はハネムーンに行く予定だった。  この後、初音の付け爪が見つかり、他殺の可能性が浮上する。付け爪の先には皮膚が付着しており、目暮は犯人と争った時に付着したと判断。そして、付け爪に付着していた皮膚のDNAとスーツケースのヘアブラシから採取した毛髪のDNAがほぼ一致する。そのヘアブラシは伴場のものだった。伴場は身の潔白を主張し、初音と密会していた愛人の安室を犯人と疑う。だが、安室はそれを否定し、初音に雇われた探偵だと打ち明ける。  安室は伴場の浮気調査を依頼され、途中経過を報告した時に初音と1度だけ会ったと弁解する。これを密会と勘違いした春岡も伴場が初音の浮気調査を依頼した探偵だった。伴場が犯人と疑われる中、コナンは伴場の靴底を見て何かを気付く。この後、伴場と初音が同じホテル火災で助け出され、同じ教会で育てられたという過去を知ったコナンは…。

第27話
(668話)
ウェディングイブ(後編)

 伴場頼太との結婚式を翌日に控える加門初音が「サヨナラ」という言葉を残し、爆発した車の中から焼死体となって発見される。当初は自殺と思われたが、現場で発見された初音の付け爪から伴場とほぼ同じDNAの皮膚が採取され、伴場に初音を殺害した容疑がかけられる。伴場は犯行を否定するが、きちんとしたDNA鑑定を改めて受ける事に。目暮警部たちは事件当時の事を捜査。だが、店から外に出た伴場の姿を誰も見ていなかった。  高木刑事は事件当時、雨がひどく、風も強かったと目暮に報告。初音が持っていた傘は駐車場の端まで飛ばされていた。目暮は探偵の春岡と安室に伴場と気になる事はないかを訊ねる。すると、安室は初音が一度だけ表情を曇らせた事があると明かす。それは安室が伴場を調べている時にわかった事実を伝えた時。伴場と初音は同じホテル火災で助け出され、身元不明のまま同じ教会で育てられたという。  伴場と初音の両親はそれぞれ火事によって他界。当時、2人は赤ちゃんで、伴場はすぐに里親に引き取られ、初音はしばらく教会で育てられたという。安室は初音が後は自分で調べると話していた事を目暮に伝える。この話を聞いたコナンは何かに気付き、初音の身長を蘭に確認。初音は日本人女性の平均身長159センチよりも低く、150センチ位しかなかった。この後、初音の付け爪が1つ足りない事が判明。目暮は車内で外れて燃え尽きたと考える。だが、コナンは外れた付け爪が傘の内側に入って一緒に飛ばされたと推理する。  そして、コナンが思った通り、付け爪はタイヤの袂にきれいな状態で落ちていた。コナンはこの付け爪を調べれば今回の事件の真実が明らかになると確信。すでにコナンは悲しい真実に気付いていた。小五郎は犯人と疑われる伴場を心配し、他の人がヘアブラシを使った可能性を探る。ヘアブラシに付いた毛髪が伴場のものではないと信じたい小五郎だったが、目暮は再検査の結果、ヘアブラシの毛髪が伴場の髪と断定されたと説明。高木は任意同行を求め、雨の中、店からパトカーまで移動しようとする伴場。その時、コナンは小五郎に麻酔銃を発射。コナンは小五郎の声を借りて今回の事件の真相を明らかにする。

第28話
(669話)
くらやみ塔の秘宝(前編)

 コナン、元太、光彦、歩美、哀はひょんな事から蘭の空手部の先輩、鏡堂ナナミの屋敷にあると言われる宝を探す事に。光学製品の製作所を営む鏡堂家の庭に立つくらやみの塔。この塔には入口も窓もなく、宝が隠されていると都市伝説になっていた。建てたのは技師だった先代の征太郎で、屋敷に多くの仕掛けを残したという。だが、ナナミの父親の望は塔も含めて土地の売却を考えていた。  土地を売る前に宝を見つけたいのが後妻の美佐子。望と離婚する美佐子は宝を見つけて、たくさんの慰謝料を請求しようと考えていた。征太郎から宝の話を聞いたのはナナミの兄の透と征太郎の助手だった長瀬修一。美佐子は2人から宝の情報を聞き出そうとするが、長瀬は何も知らないと口をつぐむ。屋敷のどこかに塔の入口があると考える美佐子。この後、美佐子は離れの蔵へと続く渡り廊下を歩く長瀬に気付き、何かあると睨む。  コナンたちは透から宝の事を聞く事に。子供の頃、40度の熱を出した透。その時、祖父の征太郎は母親の妙子に宝のありかを教えていたという。透の記憶に残っているのは征太郎が赤、青、緑の中から青のボタンを押した事。透が話していると、遠雷の音が聞こえてくる。すると透は妙子を追っていたら自分が消えた事、自分が巨人や小人になった後に増えた事など、次々と当時の記憶を思い出していく。意味がわからない話にナナミは熱にうかされただけと呆れる。だが、コナンは本当の記憶かもしれないと考える。  コナンたちが渡り廊下の仕掛けを見ていると唐突の雷光と雷鳴。その時、どこかから美佐子の悲鳴が聞こえてくる。コナンたちが庭に出て絶命した美佐子を発見。美佐子は塔から落ちたように倒れていた。この後、現場に駆けつけた小五郎、目暮警部たちが捜査を開始。事件か事故か判断できなかったが、小五郎は犯人が塔から落ちたと見せかけるため、遺体を塔の近くに運んだと推理。そうなれば警察は塔の入口を徹底的に調べ、その結果、宝が見つけられるからだ。小五郎は宝を見つけたい鏡堂家の全員が容疑者だと考えるが…。

第29話
(670話)
くらやみ塔の秘宝(後編)

 コナンたちがくらやみの塔へ続く入口を探している最中に突然姿を消してしまった哀。この後、コナンは酒蔵で入口の可能性が高い場所を見つけるが、そこは侵入を防ぐように鏡の仕掛けで遮られていた。コナンは透の話を思い出しながら仕掛けを解いて入口を発見。その時、入口の奥から哀の悲鳴が聞こえ、コナンと歩美は入口から鏡の世界になったトンネルへ。その頃、目暮警部は美佐子の遺体の第一発見者である透から話を聞いていた。 トンネルを進むコナンたちの前に大きな水音と共に奔流が押し寄せてくる。さらに熱風と共に炎に包まれて燃え上がるトンネル。恐怖に怯える歩美だったが、これらは征太郎が作った仕掛けだった。続いて、目暮は望からも話を聞く。庭にあるバラ園で美佐子の悲鳴を聞いた望。目暮が真っ先に塔に駆けつけた理由を訊ねると、望は高い位置から悲鳴が聞こえてきたからだと証言する。高い建物は塔しかなく、望は塔から落ちたと考えたという。 この後、高木刑事は次に事情聴取しようとしていた長瀬がいなくなっている事に気付く。  コナンたちとは別にトンネルに入った元太と光彦。2人は床の仕掛けがわからずに落下し、コナンと歩美の目の前に落ちてくる。トンネルを進む歩美はライトを手にした黒い影に気付き、犯人が追ってきたと考える。そして、徐々に近づいてくる犯人の足音。コナンたちは走って小さな部屋へと逃げ込む。そこは女の子らしい調度で飾られた子供部屋のような空間だった。すると突然、部屋は回転し始め、元太、光彦、歩美は仕掛けに飲み込まれて部屋の外へ。コナンは3人が消えた事に気付き、近くのドアから外に飛び出る。  この後、次々と3人の悲鳴や助けを求める声が聞こえてくる。動揺したコナンは鏡に映る情けない自分の顔を直視し、ようやく落ち着きを取り戻す。そして、コナンは一緒にいたナナミを除く、望、透、長瀬の中の誰に犯行が可能だったかを推理し、とんでもない勘違いをしていた事に気付く。コナンはいつの間にか塔の内部に入っていて、赤、青、緑のボタンが並んだ操作盤を発見する。青いボタンには美佐子のつけ爪が張り付いていた。コナンはそれを見て事件の真相に辿り着く。事件を解くカギはボタンの色に隠されていた…。

第30話
(671話)
探偵たちの夜想曲(事件)

 3人組の強盗が銀行を襲い、銀行員1人が銃殺される事件が発生。テレビでは、この事件が連日取り上げられていた。小五郎が事務所で依頼人の樫塚圭(かしつかけい)を待っていると、圭から会う場所をレストラン「コロンボ」に変更したいというメールが届く。小五郎はコナン、蘭、弟子の安室透と共に「コロンボ」で圭を待つ。先日他界した圭の兄の遺品からロッカーの鍵が出てきたらしく、依頼内容はそのロッカーを探し出す事だった。  待っている時、小五郎は依頼のメールと先ほどのメールのアドレスが違う事に気付いて事務所に戻る事に。そして小五郎が事務所のトイレに入ろうとした時、圭から「コロンボ」に着いたから来てほしいというメールが届く。事務所を出ると、安室は事務所の状況から圭を小五郎に会わせたくない人物が場所変更のメールを出したと推理。安室はその人物が留守中に事務所の人間として圭と会ったと考えていた。コナンはその人物が圭を連れてトイレに隠れていると推理。小五郎がトイレに入ろうとした時にメールが届いたからだ。  その時、トイレが光り、コナンたちが駆けつけると、そこでは拳銃の銃口を口に入れて絶命した男、ガムテープで体をグルグル巻きにされた女性の圭がいた。この後、捜査が始まり、圭は助手と名乗る男にスタンガンで気絶されられたと目暮警部に証言する。男は小五郎たちに気付かれたと焦って自殺。圭の体から発射残渣がほとんど出ておらず、目暮も男が自殺したと判断する。圭によれば兄が事故で他界したのは4日前。圭は携帯の待ち受けにしている兄の写真を皆に見せ、それを見たコナンはどこかで見た顔だと考え込む。  男の携帯の電話帳には何も入っておらず、送信履歴は圭を装って場所の変更をした小五郎宛てのメールのみ。圭はその後のメールは自分の携帯を使われたと証言する。目暮は男のポケットに携帯と一緒に小銭や財布が入っていた事に違和感を抱く。ポケットの小銭は5千円近くあり、財布にはたくさんの札が入っていた。明日改めて事情聴取する事になり、小五郎たちは皆で圭を自宅まで送り届ける事に。その車内、引っ掛かっていた男の携帯やポケットの中身について考えるコナンは圭がウソをついている事にも気付いていた…。

第31話
(672話)
探偵たちの夜想曲(誘拐)

 コナン、小五郎、蘭、安室透は圭を自宅マンションの部屋の前まで送り届ける。皆が帰ろうとした時、コナンは部屋から異臭がする事に気付いてトイレに行きたいと騒ぎ出す。すると安室と小五郎もトイレを我慢していた事を明かし、圭は皆を部屋に上げてお茶を出す事に。テレビでは、すでに小五郎の事務所の事件が報じられていた。蘭が携帯の電源を切っていた事に気付いて電源を入れると、すぐに電話がかかってくる。  蘭に電話をかけてきたのは心配した世良真純だった。だが、通話は途切れ途切れになり、安室は電話が繋がりにくいのは部屋に盗聴器が仕掛けられているからと考える。安室は全室回って盗聴器の設置場所を突き止めていいかと確認し、圭は片付けるから5分待ってほしいと伝える。だが、圭はこっそり外へ出て行こうとする。コナンが声をかけると、圭はコンビニに行くと説明。コナンは一緒に行くと言って圭の車の後部座席に乗り込む。圭が外出した事に気付いていない安室と小五郎、蘭は合図を待てずに盗聴器探しを始める。  次々と盗聴器が見つかる中、小五郎は変な臭いがする大きなスーツケースを発見。中には小柄な男の遺体が詰め込まれていて、安室は圭が発覚を恐れて逃げたと推理する。その頃、コナンは圭からもらったジュースを飲んで眠りに落ちていた。蘭たちはコナンがいない事にも気付き、小五郎が圭の携帯にメールを送ると、圭からすぐに返信が届く。圭は遺体の事に触れた後、夜が明けたら一緒にいるコナンを解放すると約束。ただし、警察に通報し、逃亡の邪魔をするならコナンの身の安全は保障しかねると書かれていた。  蘭は阿笠博士に連絡し、追跡メガネを使って探偵バッジを持っているコナンを見つけ出してほしいと頼む。阿笠と哀は車を修理に出していたため、沖矢昴に車を出してもらって追跡を開始する。安室は部屋の状況から、この部屋の住人が銀行強盗事件に何らかの形で関係していると推理。安室は、部屋の住人は男性と睨んでいた。テレビには銀行強盗事件を報じる番組ばかり録画されていて、蘭は録画されていた番組を見て、ある事に気付く。強盗事件で殺害された銀行員、庄野賢也は圭が兄と話していた男性だった…。

第32話
(673話)
探偵たちの夜想曲(推理)

圭は車の中から3人の女性に電話をかけるが繋がらずに苛立つ。この後、圭は眠っているはずのコナンに声をかけられて驚く。コナンは睡眠薬入りの飲料を飲んでいなかった。コナンは圭の名前が本当は浦川芹奈(うらかわせりな)という事を見破る。コナンは寝たフリをして芹奈が持っていた携帯を調べ、芹奈が自分の携帯と事務所で亡くなった本物の樫塚圭の携帯をすり替えたと推理する。芹奈は縛られて何もできなかったと主張するが、コナンはトリックを使えば、ガムテープで自分を縛る事はできると考えていた。 さらにコナンは芹奈が自殺にみせかけて圭を殺害したと推理し、発射残渣が出ないように靴ヒモやタオルを使ったトリックも言い当てる。強盗犯を捜し回っていたと芹奈。圭は強盗犯の1人で、圭のマンションで遺体となって発見された小柄な男も強盗犯だった。芹奈は圭の携帯の電話帳から3人目の痩せた強盗犯を捜していて、3人の女性と連絡を取ろうとしていた。強盗犯の中に女性がいた事はマスコミに発表されておらず、コナンはこの事実を知っている芹奈は強盗現場にいたと考える。コナンは銀行員の賢也が犯人に向かって発した言葉は「OK!止めてくれ」ではなく、「おい圭!止めれくれ」だったと推測。賢也は強盗犯の中に友人の圭がいると気付いてしまい、圭に口封じのために殺害されたのだ。芹奈は賢也の妹ではなく、同じ銀行に勤めていた彼女だった。 芹奈は強盗犯3人に復讐しようと計画し、賢也の友人から圭を見つけ出す。芹奈は圭の留守中に自宅を訪ね、襲い掛かってきた小柄な男を撲殺。圭は姿を消した小柄な男が逃げたと思い、ロッカーに隠した現金をもう1人の犯人と山分けしようと企む。だが、隠し場所は小柄な男しか知らず、圭はロッカーを捜し出してほしいと小五郎に依頼したのだ。芹奈は圭と仲間のやりとりを盗聴。小五郎に圭が銀行強盗だと気付かれたら、復讐の機会を失うため、芹奈は事務所で圭を待ち伏せしたのだ。コナンは最後の強盗犯を特定するため、3人の女性に会ってみようと芹奈に提案。豊北倫子(とよきたりんこ)、降屋栄絵(ふりやさかえ)、手川隆代(てがわたかよ)の自宅を訪ねたコナンは誰が強盗犯かを見破るが…。

第33話
(674話)
探偵たちの夜想曲(バーボン)

 痩せた強盗犯を特定するため、豊北倫子、降屋栄絵、手川隆代の自宅を訪ねるコナンと芹奈。コナンたちは引っ越して来たと言って倫子の自宅アパートを訪ねる。コンビニで深夜に働いているという倫子。訪ねた時、倫子は自炊した料理を食べようとしていた。続いて、コナンたちは同じように引っ越しのあいさつを装って栄絵の自宅アパートにやってくる。栄絵はブランド物の袋をたくさん持っていて、明日にはこのアパートを出ていく事を明かす。栄絵は宝くじに当たったらしく、お金を使いまくっているという。栄絵は帰ろうとするコナンたちにゴミ袋を渡し、ゴミ集積所に出して欲しいと頼む。コナンはゴミ袋にコンビニ弁当の食べかすばかり入っている事に注目する。  最後にコナンたちは隆代の自宅マンションを訪ね、引っ越して来たとあいさつする。隆代はライターをやっていて、締め切り間際だという。仕事机には電気スタンド、メモ用紙などが置かれていた。コナンは大きなゴミ袋に目を留め、隆代が牛丼ばかり食べている事に気付く。3人の自宅を訪ねたコナンは誰が痩せた強盗犯かわかったが、教える事はできないと芹奈に伝える。コナンは芹奈が強盗犯を殺害して自殺するつもりだと考えていた。  その頃、昴が運転する車に乗ってコナンの救出に向かう阿笠と哀。小五郎と蘭も安室が運転する車で痩せた強盗犯の自宅に向かい、蘭から話を聞いた世良もバイクに乗って安室の車の後に続く。芹奈は自殺する気だとコナンに見抜かれて動揺する。コナンは言う通りにしてくれるなら強盗犯を教えると芹奈に伝える。コナンは推理に納得したら強盗犯を警察に任せて、自首してほしいと考えていて、芹奈は言う通りにすると約束する。  コナンは強盗犯3人を捉えた防犯カメラの映像から痩せた強盗犯の特徴を見つけ出していた。痩せた強盗犯は右手で拳銃を構えていたが、コナンは痩せた強盗犯の他の行動から本当は左利きだと見抜いていた。この後、コナンは3人の中の誰が左利きかの強盗犯かを芹奈に教える。コナンは部屋を訪ねた時の状況からも強盗犯を特定していた。そんなコナンたちの会話を盗み聞きする人物がいた。それは拳銃を手にした痩せた強盗犯だった…。

第34話
(675話)
1ミリも許さない(前編)

コナン、阿笠博士、元太、光彦、歩美、哀はキャンプ場で知り合った紺野宅司(こんのたくし)、純夏(すみか)夫婦に自宅へ招待される。中庭でバーベキューが行われ、純夏がコナンたちを持て成す。2人は結婚して10年で、純夏は子供がいれば宅司の浮気性も直ったかもしれないとぼやく。その時、リビングにいた宅司が「携帯が見当たらない」と騒ぎ出す。過去に宅司は携帯をキャバクラに置き忘れた事があり、純夏が仕事中の宅司の代わりに携帯を取りに行ったという。その時、純夏は宅司の携帯をチェックし、怪しいメールを送ってきている女性たちに「泥棒猫!」というメールを送った事を宅司に告白する。 浮気性の宅司と嫉妬深い純夏は派手な夫婦喧嘩を始めるが、ポカーンとなるコナンたちに気付いて冷静になる。夫婦喧嘩はよくあるという。純夏の携帯も見当たらないらしく、2人はコナンたちを中庭に残し、リビングへ携帯を捜しに行く。この後、中庭に携帯のバイブ音が響く。ベンチの下に携帯が落ちていたのだ。歩美がその携帯を2人に渡すためにリビングを覗き込むと、純夏が宅司にナイフを振り下ろそうとしていた。歩美は慌ててコナンたちを呼びに行く。コナンたちがリビングに駆けつけると、そこには胸にナイフが刺さった純夏が倒れていた。コナンは薄着の純夏が腹に汗をかいている事を不思議に思う。純夏の血液型は2千人に1人と言われるRH-のAB型で、宅司も同じ血液型だった。 純夏の手術中、宅司はリビングで何があったかを打ち明ける。きっかけはリビングのソファの下から見つかった宅司の携帯だった。純夏は自分の携帯を捜すため、宅司の携帯から自分の携帯に電話をかけたという。その時、純夏は宅司の携帯に新しい女性の番号が登録されている事に激昂。宅司はナイフを手にした純夏と揉み合いになり、気付いたら純夏の胸にナイフが刺さっていたと説明する。出会った頃はよく笑う優しい女性だったという純夏。最近はイライラする事が多かったらしく、宅司は純夏が変わってしまったとぼやく。コナンは事がうまく運び過ぎている点に違和感を抱く。この後、コナンは純夏の携帯に届いたメールを確認し、純夏は体調不良だった事が判明。それを知ったコナンは…。

第35話
(676話)
1ミリも許さない(後編)

純夏が体調不良だったとわかると、元太は純夏が薬を飲もうとしていたと発言。元太は台所に置かれた水入りのコップを見たのだ。だが、薬自体があった訳ではなく、コップの近くには砂糖の容器があっただけだったという。この後、コナンは阿笠たちの会話に出てきたおまじないという言葉を聞いて、今回の不慮の事故の裏に隠された真実へと近づく。 哀は見つけた携帯を宅司と純夏に届けに行った歩美の動画を偶然撮影していて、コナンはその動画を確認する。動画には歩美が持っている純夏の携帯のランプが光っている所が映っていて、コナンは留守電サービスのランプと推理する。コナンはこの留守電に純夏が刺されるように仕向けたトリックの片鱗が残っているかもしれないと考える。 コナンは留守電を再生して内容を確認。留守電には純夏が宅司に襲い掛かろうとしている時の音声が残っていた。コナンは留守電の最後に純夏が「止まった?」とおどけたように言った音声を聞き、宅司の正当防衛と思われていた今回の不慮の事故の真相に辿り着く。コナンは宅司が純夏の性格を利用して殺害しようとしたと推理したのだ。純夏はウケるためなら後先考えずに突っ走ってしまうタイプだった。 皆が手術室の前で待っていると、手術中のランプが消える。医師によれば、純夏は肺動脈が少し損傷していたが、数週間で退院できるという。宅司は目に涙をためて医師に感謝し、歩美たちも純夏が助かった事を喜ぶ。医師は夫婦喧嘩の末の不慮の事故と警察に説明した事を宅司に伝え、警察に事情を聞かれると思うが、夫婦喧嘩はほどほどにして下さいと付け加える。コナンは安堵、罪悪感、恐怖と次々に変わる宅司の表情を見逃さなかった。 この後、病院にやってきた高木刑事は宅司から事情を聞こうとするが、宅司はその場を離れて病院の屋上へと逃げていた。そんな宅司に声をかけるコナンと哀。コナンは宅司が次にする行動を予測していた。宅司は屋上から飛び降りるつもりだったのだ。コナンは宅司が正当防衛に見せかけるために使ったトリックを暴く。そして、純夏が宅司の女友達に送ったメールの内容、純夏の体の変化の理由など、意外な事実が次々と明らかになって…。

第36話
(677話)
足跡がない砂浜

コナンと蘭はサーフィンをやると言い出した小五郎と一緒に大浜海岸のサーフショップを併設したカフェ「カモメ」にやってくる。小五郎がサーフィンに興味を持ったのは最近知り合ったインストラクターの今岡汀(いまおかなぎさ)に誘われたのがきっかけだった。ボードが行方不明にならないように足とボードを繋ぐリーシュコードは約2メートル。このコードは滅多に切れないが、ビッグウェイブが来たら何が起きるかわからないという。 この後、コナンたちは海に出てサーフィンに興じ、汀は自由自在に波に乗る。そして、コナンたちが「カモメ」に戻ると、今岡海四郎(かいしろう)が帰ってくる。海四郎によれば、今夜は大潮の日。大浜海岸は潮の満潮と干潮の差が大きい事で有名だという。小五郎は汀を海四郎の娘だと思っていたが、実は2人は35歳も離れた夫婦だった。汀たちはサーフィンを再開しようとするが、海四郎は低気圧が近づいているからやめた方がいいと発言。高波にさらわれて命を落とす人も多く、海四郎は海を侮ってはいけないと汀に忠告する。汀は波乗り娘の血が騒ぐとやりたそうだったが、結局サーフィンを中止にする。 しばらくして、小五郎たちが泊まるペンションに海四郎がやってくる。海四郎は汀がいなくなった事を告白。荒れた海にサーフィンをやりにいったかもしれないという。その時、コナンは海四郎の携帯が光っている事に気付く。汀からメールが届いていたのだ。メールはカラオケに来ていて、朝まで帰らないかもしれないという内容だった。 翌朝、コナンたちは大潮によって皺1つない砂浜へ散歩に行き、海岸線近くに黒い塊を発見する。それはウエットスーツを着た汀の遺体だった。この後、地元の警官、杉山(すぎやま)と坂田(さかた)が捜査を開始し、小五郎は荒れた海で起きた不幸な事故と判断。汀の首には索条痕があり、小五郎は高波に翻弄され、コードが汀の首に巻き付いたと考える。コナンは首のコード痕がスーツの中に入っている事を疑問に思う。スーツは水が入らないように身体に密着しているからだ。この後、コナンは「カモメ」の階段下の砂地に2m程の掘り返した跡に気付き、汀が亡くなったのは事故ではないと推理して…。

第37話
(678話)
長崎ミステリー劇場(幕末篇)

長崎旅行に来た小五郎、コナン、蘭は「グラバー園」を観光する。そこでは坂本龍馬が探偵として殺人事件の解決に挑むという幕末の長崎が舞台のTVドラマの撮影が行われていた。撮影には坂本龍馬役の佐々原京之介(ささはらきょうのすけ)、グラバー役の八田アンドリュー(はった)、妻ツル役の山下紅千代(やましたべにちよ)、鳥丸いね役の七尾双葉(ななおふたば)、曽根屋忠兵衛役の漣兆次郎(さざなみちょうじろう)、そして監督の榊原圭介(さかきばらけいすけ)、助監督の岸村隆平(きしむらりゅうへい)、カメラマンの中根昭和(なかねあきかず)、小道具係の迫田一臣(さこたかずおみ)らが参加していた。 このドラマはスランプ中のベテラン脚本家、巽耕作(たつみこうさく)のオリジナル作品。脚本は半分もできておらず、犯人がわからないまま撮影を始めたという。この後、撮影現場にプロデューサーの大木泰三(おおきたいぞう)が慌てた様子で現れる。ホテルで執筆していた巽が逃げ出したのだ。困った大木はドラマの中で起きる殺人事件の犯人を推理して下さいと小五郎に依頼。小五郎たちは巽が宿泊していたホテルに行ってドラマ資料に目を通す。この時、コナンはクローゼットの奥の壁に新聞や雑誌記事の切り抜きが貼られている事に気付く。それは美術品の窃盗団に関係した記事ばかりだった。 翌朝、コナンたちはガイドを買って出た双葉と共に巽がドラマの取材で訪れた観光地を巡る。この時、双葉は巽を見つけるが、すぐに姿を見失ってしまう。この後、巽は脚本の続きを大木に送ってくるが、犯人はまだ明かされていなかった。そして、この脚本に沿って「九」というダイイング・メッセージを残すシーンが撮影される。脚本の続きには新しい登場人物が出てくるが、他に役者がいないため、榊原たちに頼まれた蘭がお貞という重要な役を演じる事に。そのお貞のセリフには「数字が全てを解決する」という変なものがあり、コナンは名前に数字が入っている役者やスタッフが多い事に気付く。コナンは脚本のセリフは巽のメッセージと考え、失踪した理由が関係していると推理する。この後、迫田が何者かに殴られる事件が発生。犯人を聞かれた迫田は蘭を指差して意識を失う…。

第38話
(679話)
長崎ミステリー劇場(現代篇)

何者かに殴られた迫田一臣は意識不明の重体。犯人と疑われた蘭は犯行時刻、展望台にいたと容疑を否認する。コナンは犯行時刻に蘭を見たという目撃者を探し出すために「グラバー園」の園内を駆け回る。そして、コナンはオペラ「蝶々夫人」の作曲者のプッチーニとヒロインの蝶々夫人を演じたオペラ歌手、三浦環さんの銅像の前で何気なく足を止め、迫田がオペラ好きだった事を思い出す。 その時、団体客に銅像の説明をするガイド、志水庄吉(しみずしょうきち)の声が聞こえてくる。喜波貞子さんも蝶々夫人を演じた事で有名らしく、コナンは蘭の役、みうら屋のお貞と何か関係していると確信する。志水は犯行時刻に展望台にいた蘭を目撃していて、蘭の容疑は無事に晴れる。この後、大木泰三は警察が巽耕作を犯人と疑っている事を皆に報告。この付近で巽によく似た男性が目撃されたという。  迫田が襲われたのは脚本の続きが送られてきた後。コナンはドラマの「九」というダイイング・メッセージは現実の犯人に繋がるヒントだと考える。巽は迫田が襲われる事を予期して警告していたのだ。小五郎は七尾双葉=七+二=九と推理し、双葉を犯人と疑う。その日の夜、新たな事件が発生する。稲佐山の展望台で漣兆次郎が巽に襲われたのだ。漣は犯人と揉み合いになり、相手からハート型の携帯ストラップをむしり取ったという。そのストラップから巽の指紋が検出されたらしく、双葉はそれを聞いてビクンと反応する。コナンは双葉の様子を見て、巽との意外な関係に気付く。この後、巽が大学時代に空手部だった事が判明し、警察は明日にでも巽を指名手配しようと考える。  翌日、子供たちが「九」という字を書く習字のシーンの撮影が行われ、榊原圭介は書き順を間違えた子供を注意する。その様子を見たコナンは巽から送られてきた脚本の事を岸村隆平に確認する。そして眼鏡橋から1つ下流にある袋橋でロケ隊が休憩中、コナンは「中島川には、魔物が棲んでいる」「その弱点は、下顎の左から二番目の歯」という箇所に注目。その時、コナンは声をかけてきた蘭の言葉を聞いて事件の真相に辿り着く…。

第39話
(680話)
サボテン狂騒曲

コナン、蘭は園子の知人の砂田善三(すなだぜんぞう)の洋館を訪ね、横の温室にある金鯱サボテンを見せてもらう。金鯱には50年に1度咲くという黄色い花が付いていた。高価なサボテンもある温室には警報装置が付いていて、善三が懐に入れたカードだけが警報を解除できるという。そこに長男の砂田康之(やすゆき)と次男の砂田尚樹(なおき)が現れる。康之と尚樹は善三が遺言状を書き換えたと弁護士から聞いてやってきたのだ。 善三は客人の前だと言って2人を追い払った後、素焼きの植木鉢に気付いて、家政婦の八代美沙(やしろみさ)を呼びつける。原色の鉢以外使わない善三は素焼きの植木鉢をすぐに処分しろと美沙に命じる。隠居した善三だが、昔は鬼の善三と呼ばれるヤリ手だった。この後、善三は部屋に来た康之に懐から取り出した遺言状を見せる。善三は息子たちに遺産を渡さず、サボテンと一緒に植物園に寄付するつもりだった。予選敗退ばかりのプロゴルファーの康之と始めたばかりの外車屋が資金難の尚樹は遺産を当てにしていたのだ。 午後8時23分、康之と尚樹は洋館を出て行く。康之はゴルフの練習、尚樹はガレージの車を整備するという。善三は8時から9時までサボテンの手入れを日課にしていた。コナンたちは美沙とリビングで話していると、防犯ベルが鳴り響く。コナンたちが温室の前に向かうと、そこには遺言状を手にした康之の姿。温室の中では善三が絶命していて、コナンは室温が高い事が気になる。この後、神奈川県警の横溝重悟警部が捜査を始める。 スコップで殴られた善三の死因は脳挫傷。死亡推定時刻は8時から8時30分の間だった。コナンは倒れたサボテンの土が乾いている事に注目。善三の胸部にはサボテンの棘と思われる傷跡が残っていた。康之は「8時半に温室に来い」というメールを善三からもらったと証言。善三がメールを送信したのは8時20分で、重悟はその時間まで善三は生きていたと判断する。8時20分過ぎ、美沙はリビング、尚樹はガレージにいたため、重悟は康之を犯人と疑う。コナンは金鯱の花が枯れている事に気付いた後、ラジエーターの上に素焼きの植木鉢がある事を確認。コナンは現場の状況から犯人とそのトリックを見破って…。


シーズン18

第01話
(681話)
命を賭けた恋愛中継(中継開始)

ある人に報告する事があり、泊まりがけで出掛けた高木刑事。伊達刑事の命日に墓参りに行こうと約束していた佐藤刑事も高木から行き先を教えられていなかった。伊達は1年前に交通事故に遭って他界した高木の先輩刑事だった。翌日、コナン、元太、歩美、光彦は子供防犯プロジェクトのパンフレットの撮影のために警視庁にやってくる。元太たちが待ち合わせした高木を待っていると、そこに笛本隆策(ふえもとりゅうさく)が現れる。 笛本は高木からの贈り物を恋人の刑事に渡してほしいと小包を光彦に手渡す。そして、笛本は「生モノだから早めに開けてくれ。遅くとも明日、明後日にはダメになってしまうから」と佐藤刑事への伝言も託して去っていく。この後、元太たちと合流したコナン。安室透も用事があって警視庁に来ていた。その頃、佐藤は千葉刑事から話を聞き、高木の様子がおかしかった事を知る。高木は手帳に貼ったプリクラを見て涙ぐんでいたという。 元太たちは佐藤を呼び出して小包を届ける。中にはタブレット端末が入っていて、佐藤が電源を入れると、そこには口にテープを貼られ、首にロープを巻かれた高木が映っていた。コナンはブルーシートの映像を見て、高木がいるのは建築現場と推理する。地上から数メートルの所にある板の上に縛られた高木は眠っていて、寝返りを打って下に落ちたら首が吊られる危険な状況だった。この後、目が覚めた高木は自分の状況に気付いて驚いた表情になる。高木は昨日会った人に薬を嗅がされて意識を失った事を思い出していた。コナンたちは笛本の伝言が高木の命も明後日までという意味だった事に気付く。 松本管理官は高木が誰と会っていたのかを調べ、同時に高木がいる場所の特定も急ぐ。佐藤は高木を助け出すと心に誓う。この後、コナンたちは高木の胸元から警察手帳が落下する映像を確認。高木は手帳で何かを伝えようとしていた。そして、高木が先週、資料室で1年ぐらい前に首つり自殺した女性3人の事件資料を見ていた事が判明。この後、伊達の話題になり、佐藤は高木が伊達の遺品の手帳を使っている話をする。コナンは伊達航と高木渉、2人が同じワタルという名前だったと知り、高木が拉致された理由に気付く…。

第02話
(682話)
命を賭けた恋愛中継(絶体絶命)

何者かに拉致され、危険な状態の高木刑事。千葉刑事はタブレットの高木の映像が揺れている事に気付き、白鳥警部はカメラを固定した棒にカラスが留まったと予想する。松本管理官は自殺の件で高木に恨みを持った人物の犯行の可能性が高いと考える。コナンは高木渉が伊達航と同じワタルという名前だった事が引っ掛かっていた。コナンは伊達の事を詳しく調べれば、3人の自殺者の誰と接点があったかがわかると考える。  2日目、映像の高木はかなり衰弱していた。光彦は気付いた事を佐藤に伝えるため、コナンたちと一緒に警視庁にやってくる。光彦はタブレットを渡す時、笛本の言葉遣いが変だった事を思い出したのだ。笹本は「遅くとも明日、明後日にはダメになってしまう」と発言。本来は「明日か遅くとも明後日には」が正しいのだ。話を聞いたコナンは3人の自殺者の1人、北海道出身の英語教師だったナタリー来間の関係者が高木を拉致したと判断。「明後日」を「明日、明後日」というのは北海道の方言だった。 そしてコナンはナタリーが伊達の彼女だったと推理。ナタリーは伊達が亡くなった事を知らず、捨てられたと勘違いして自殺した可能性が高かった。高木は彼女の遺族にこの事実を伝えに行ったのだ。ナタリーから彼氏の名前をワタルと教えられた遺族が伊達と高木を勘違いしていると推理するコナン。遺族は彼女を捨て、自殺に追い込んだワタルという刑事が会いに来ると勘違いして、高木をあんな目に遭わせたのだ。 だが、ナタリーの両親は遺体を引き取りに行く途中で事故に遭って他界。代わりに遺体を引き取ったのは英会話教室の年配の先生、笛本隆策だった。コナンは同郷のナタリーを娘のようにかわいがっていたという笛本が高木を拉致した犯人と確信する。被疑者の笛本は仕事を辞めて北海道に帰ったが、引き払っていない都内のマンションに潜伏していた。佐藤たちは笛本に会って誤解である事を説明。コナンの推理通り、笛本は高木がナタリーを捨てたと勘違いしていた。佐藤は高木の居場所を聞き出そうとするが、笛本は絶叫しながら絶命。笛本は警察に踏み込まれた時点で毒入りワインを飲んで自殺を図ったのだ。

第03話
(683話)
命を賭けた恋愛中継(現場突入)

 笛本は高木刑事の居場所を明かさないまま自殺し、高木を見つけ出す方法はタブレットの映像だけになってしまう。高木の足元の板の裏には時限爆弾がセットされていた。松本管理官はナタリーが自殺した時間を訊ね、白鳥警部は午前10時頃と答える。ナタリーが自殺したのは1年前の明日で、目暮警部は明日の午前10時に爆破タイマーがセットされていると推理する。爆弾が爆発するまで18時間しか残されていなかった。  千葉刑事は爆弾を固定しているガムテープが剥がれそうになっている事に気付く。千葉たちは爆弾が下に落ちればいいと願うが、高木は拘束された両足で爆弾を挟んで板の上に載せてしまう。コナンは高木の行動から、下に誰か通行人がいたと推理。高木はその通行人を守るために爆弾を板の上に載せたのだ。この後、コナンは高木がいる場所を北海道に限定した方がいいと目暮に伝える。映像に映っていたカラスはヨーロッパに生息する西コクマルガラス。このカラスが日本に迷い込んだのは2回とも北海道だったのだ。  千葉は高木の後ろの空に細い光の柱が映っている事に気付く。これは太陽の光が空気中のダイヤモンドダストに反射するサンピラー現象だった。ダイヤモンドダストが発生するのはマイナス20度以下で、松本は高木が拉致されている場所は北海道と断定。松本は北海道警に捜査協力を仰ぎ、目暮と佐藤はヘリコプターに乗って北海道へ向かう。だが、北海道の4階以上の建設現場を調べても高木を見つける事ができない。コナンは高木が警察手帳を落とした理由を考えた後、高木の映像を確認して何かに事に気付く。  翌日、高木は今にも事切れそうな疲労困憊の状態に。コナンは犯人がトリックを使って拉致現場を4階以上に見せかけていた事を松本に報告する。映像の手帳を見て、鏡のトリックに気付いたコナン。正面の画像の下半分は鏡像で、実際は2階程度の建物なのだ。松本は捜査の対象を2階以上に変更するように道警に連絡する。この後、コナンは高木の後ろの空に凧が映っている事に気付き、近くで凧揚げ大会が行われていると推理する。だが、凧揚げ大会は3ヵ所で開催されていると判明。すでに爆発までは5分を切っていた…。

第04話
(684話)
泡と湯気と煙(前篇)

コナンと哀は阿笠博士、少年探偵団が向かったスキー場まで沖矢昴に車で送ってもらう事に。信号で停車中、コナンは高木刑事を見つけて声をかける。その時、「落ちたァ」という叫び声が響き、コナンたちは高木と一緒に現場へ向かう。そこでは勝本大作(かつもとだいさく)が倒れていた。目撃者たちは勝本が上から落ちてきたと証言。高木が勝本の胸ポケットに入った携帯を確認すると、勝本は直前にメールを複数の人に一斉送信していた。 コナンがもう一度、一斉送信すると、野次馬の中にいるカメラマンの荻野啓佑(おぎのけいすけ)、雑誌編集者の月原香(つきはらかおり)、ライターの袖崎和友(そでさきかずとも)の携帯に同時に着信。勝本がメールを送ったのはこの3人だった。勝本は出版社社長兼芸能ゴシップ誌「週刊グレイト」の編集長。3人と勝本は同じマンションの住民で、勝本は26階、3人は3階に住んでいた。コナンは3人を怪しいと感じ、それぞれの部屋に行ってみようと提案する。昴は遺体の損傷具合から勝本はかなり上の階から落ちたと推理。勝本が落ちて4分しか経っておらず、殺人の場合、犯人は26階から勝本を突き落し、そのまま下まで降りてきた可能性が高く、自分の部屋にいた痕跡があれば、容疑は晴れるのだ。 コナンたちは最初に荻野の部屋を確認。荻野はグラスのビールに残っている泡が少し前まで部屋にいた証拠だと訴える。次にコナンたちは香の部屋を訪ね、香は湯気が出ているコーヒーが証拠だと主張する。最後に袖崎の部屋を訪ね、袖崎は煙が上がるタバコが証拠だと訴える。そして3人は勝本の部屋にはいっていないと証言して身の潔白を主張する。 メールが送信されたのは騒ぎがあった午前7時30分の直前の7時25分。メールの内容は「俺を殺せるもんなら殺してみろ、部屋の扉を開けて待ってるぞ、返り討ちにしてやる」というものだった。自分の部屋から勝本の部屋に行って、1階に降りたら部屋を10分以上空けていた事になり、泡も湯気も煙も消えてしまう。つまり、3人は部屋にいたというアリバイがあったのだ。この後、勝本がメールを3人に送った理由が明らかに。3人は自分たちの名前を勝手に使い、でっち上げの記事を雑誌に掲載した勝本を恨んでいた…。

第05話
(685話)
泡と湯気と煙(後編)

カメラマンの荻野、雑誌編集者の香、ライターの袖崎は出版社社長兼芸能ゴシップ誌「週刊グレイト」編集長の勝本をマンションの高層階から突き落としたと疑われる。3人は自分たちの名前を勝手に使い、でっち上げ記事を雑誌に掲載した勝本を恨んでいた。 同じマンションに住む3人の犯行だった場合、部屋を10分以上空けていた事になる。だが、グラスのビールに泡が残っていた荻野、コーヒーから湯気が出ていた香、タバコの煙が上がっていた袖崎。泡と湯気と煙は事件の直前まで3人が自分の部屋にいたという証拠だった。目暮警部はコナンに促され、泡と湯気と煙の実験をやってみる事に。 室温が低いと湯気は長持ちするが、香の部屋の温度は高めの27度。実験すると、コーヒーの湯気が消えるのは8分位だった。香は部屋を出る直前、荻野の部屋からベルの音がしたと証言する。続いて目暮たちは荻野の部屋へ。ベルの事を聞くと荻野は目覚まし時計のベルだと答える。ビールの泡が消える時間は6分前後だった。荻野は階段で1階に降りる時、下の方で神崎が降りる音が聞こえたと証言。袖崎は腰に鍵の束を付けているという。 最後に目暮たちは袖崎の部屋へ。タバコが完全に燃え尽きるのは9分弱だった。袖崎は現場に着いた時、香の携帯の着メロが鳴ったと証言。その電話はスクープ写真を撮った担当カメラマンからだった。この実験により、3人が部屋を10分以上空けていなかった事が判明するが、目暮は警視庁で3人の事情聴取を行う。実験に立ち会わなかったコナンは高木刑事から目覚まし時計、鍵の束、着メロの話を聞いて何かに気付く。その直後、コナンは小五郎が貧乏学生の頃にやっていた事を思い出し、3人の中の誰が犯人かを見破る。 この後、コナンは事件の状況を伝えた工藤新一から推理のメールが届いたと説明して3人を連れてマンションへ戻る。そして香の部屋に泡立ったビールを入れたグラス、コーヒーの湯気の立ったカップ、煙を立てるタバコを用意。コナンは泡と湯気と煙の実験をもう一度行い、犯人のトリックを暴こうとしていた。コナンは高木に協力してもらいながら犯人を追い込んでいく…。

第06話
(686話)
時限爆弾を乗せた車

 コナン、歩美、光彦、元太、哀が下校していると、歩美の友達の三沢真央(みさわまお)が助けを求めてくる。子犬のキャンディが宅配便の配送車に乗り込んでしまったという。その近くでは千葉刑事が宅配便の配送車を停めて調べていた。その車にキャンディは乗っていなかった。そこに慌てた様子の高木刑事が駆けつける。警察は手分けして必死に配送車を調べていて、コナンは何か重大な事件が起きていると察する。  コナンは変声機を使い、小五郎として目暮警部に連絡。探りを入れると目暮は事件について語り始める。この日の正午、地裁判事の殿村幸三(とのむらこうぞう)の家に届いた宅配荷物が爆発。午後2時には地方検事、佐伯和彦(さえきかずひこ)宅に届いた荷物が爆発し、2人は重傷を負ってしまう。この後、事件は急展開。荷物に付着していた指紋から爆発物取締法違反の前科がある工員、宇津木正人(うつきまさと)が逮捕される。  自分を起訴し、裁いた人を逆恨みして犯行に及んだ宇津木は自分を逮捕した元刑事、兼子重吉(かねこじゅうきち)にも爆弾を送っていた。爆発予定時刻は午後4時で、警察は配達中の配送車を特定するが、予期せぬトラブルが起きる。金融会社から金を強奪して逃走中の強盗犯、海老沢金吾(えびさわきんご)と蟹山銀二(かにやまぎんじ)が何も知らずに爆弾を積んだ配送車を盗んでしまう。金吾たちは警察無線を傍受するため、無線機を搭載した配送車を狙ったのだ。キャンディはこの車に乗っていた。  コナンは道路状況から強盗犯の逃走経路を推理。さらにコナンは強盗犯の心理も読み、少年探偵団と共に走って配送車を追跡する。この後、配送車は渋滞に引っ掛かり、コナンたちは50メートルの距離に迫る。だが突然、配送車は左折して脇道へ入り、コナンたちは配送車を見失ってしまう。そこに連絡を受けた阿笠博士が車で駆けつけ、コナンたちは車に乗って追跡を再開する。そして爆発まで30分に迫った時、コナンは小五郎として再び目暮に連絡し、ニセの検問情報を無線で流してほしいと頼む。無線を聞いた金吾たちはこのトラップに引っ掛かってニセ検問を回避。コナンたちが待ち伏せする道に姿を現すが…。

第07話
(687話)
誰にもとけない氷の罠

 コナン、元太、光彦、歩美、哀は阿笠博士と共に準備中の湯貸村アイスフェスティバルの会場にやってくる。昨年、阿笠の友人で、このお祭りの生みの親でもある前村長がスリップ事故を起こして他界。跡を継いで実行委員長の務める娘の板倉美加(いたくらみか)に招待されたのだ。夕方、コナンたちは氷でできたアイスホテルを見学。この後、美加は氷彫刻家の塩田哲也(しおたてつや)が作業をするメイン広場にコナンたちを案内する。 前村長の世話になった塩田はお祭りを盛り上げたいと言って参加。アイスホテルを発案したのも塩田だった。そこに現在の村長、山口太郎(やまぐちたろう)と秘書の小木和幸(おぎかずゆき)がやってくる。山口はこの場所にレジャー施設を建設しようと計画。この祭りに否定的な山口は村人たちが作った氷の白鳥の首を折り、美加は山口に怒りを露わに。すると、山口は赤字続きの村の財政をひっ迫させたのは前村長の責任だと言い放つ。 その時、氷でできたメインゲートが倒壊し、美加は山口と小木の仕業と疑う。前村長は視界の悪い吹雪の日に山口に呼び出されて事故を起こし、美加は山口の事を恨んでいた。塩田と美加は徹夜して翌朝までにメインゲートを修復する事に。コナンたちは宿泊する氷でできたファミリードームへ移動。この部屋は寝袋に入り、氷の棺の中で眠る仕組みになっていた。その頃、VIPドームの前では山口が小木に激怒。明日はレジャー施設の建設に絡む大手リゾート会社の人が視察に来る大事な日。このリゾート会社に見せる資料に不備が見つかり、山口は明日までに修正しなければクビだと小木を怒鳴り散らす。 翌日の午前7時、小木はVIPドームにいる山口を起こしに行って山口の遺体を発見する。コナンは寝袋の首のあたりの生地が溶けている事、そして前頭部の索条痕に気付く。この後、原口明(はらぐちあきら)警部が捜査を開始。死亡推定時刻は午前5時、美加と塩田は村人たちとメインゲートを修復し、小木は事務所で作業をしていたという。光彦は6時過ぎに山口の魂を見たと証言。VIPルームの中で炎が動いていたという。それを聞いたコナンはドームの壁にある動かぬ証拠を見つけ、犯人の巧妙なトリックを見破る…。

第08話
(688話)
高木刑事3千万拾う

 朝6時、非番の高木刑事はジョギング中のスーパー店員、笹本秀子(ささもとひでこ)を追い抜いた時にボストンバッグを拾う。道の真ん中に落ちていたバッグには3千万円の札束が入っていた。高木は秀子と一緒に近くの交番にバッグを届けた後、自分が拾った事もあり、近所の人たちに聞き込みを行う。そこに話を聞きつけたコナン、光彦、元太、歩美がやってくる。その時、高木の携帯に落とし主が現れたという連絡が入る。  落とし主は最近、奥さんが他界した自然食品店経営者の平沼登志之(ひらぬまとしゆき)。この3千万円は保険会社から受け取った奥さんの生命保険金だった。昨夜飲んで帰宅した平沼は今朝起きて保険金を入れたバッグを落とした事に気付いたという。だが、コナンは朝まで誰もバッグに気付かない事を不思議に思い、落とした時間を平沼にもう一度確認。平沼は昨夜だと答えるが、コナンは腑に落ちない。この後、コナンは平沼の上着の背中に塗料片が付いている事に気付く。平沼の靴の踵あたりには泥も付いていた。 落とし主が現れて一件落着と考える高木だったが、朝5時に問題の道にバッグが落ちていなかったと証言する新聞配達員が現れる。コナンはバッグが落ちていた道にある廃屋に注目。コナンは塗料が剥げ落ちる廃屋の外壁、ぬかるんだ地面の足跡を見て、平沼がここに身を潜めていたと推理する。コナンがこの事実をそれとなく教えると、高木は平沼がわざとバッグを落とし、毎朝ジョギングする秀子に拾わせようとしたと気付く。  高木は秀子の事を調べるため、上司の大場国太郎(おおばくにたろう)から話を聞く。秀子の夫は強盗に殺害されていた。犯人がわからないまま、1週間前の先月30日に15年が経過。大場は秀子に結婚を申し込み、夫の命日に一緒に墓参りしたという。高木は秀子と平沼の接点も調べ、15年前、平沼が秀子の夫を殺害した容疑者の1人だった事が判明。コナンは犯人の平沼が償いのために秀子に3千万円を拾わせようとしたと推理する。だが、高木は当時足を骨折していた平沼の犯行は不可能だったと説明。それを聞いたコナンは…。

第09話
(689話)
依頼人からのメッセージ

 小五郎に彼氏の浮気調査を依頼した後、石段から転げ落ちて他界した笹森薫(ささもりかおる)。葬儀の時、兄のカメラマン、笹森隆司(ささもりりゅうじ)は薫の恋人だった芸術家の柘植光(つげひかり)を怒鳴りつける。笹森は柘植が薫を突き落したと疑っていた。柘植のマネージャーの野口麻里子(のぐちまりこ)は2人の間に入り、葬儀には小五郎、薫の友人のバレリーナ、石倉和美(いしくらかずみ)も参列していた。  3ヵ月後、柘植から犯人を教えるという連絡があり、豪雨の中、小五郎はコナン、蘭と共に山中にある柘植のアトリエへ向かう。柘植は笹森、麻里子、和美もアトリエに呼んでいた。山道では警官が検問をしていて、アトリエの先で土砂崩れがあったと説明。コナンは警官の口ぶりから先に誰かがアトリエに向かった事に気付く。そして小五郎たちがアトリエの駐車場に到着後、笹森、麻里子、和美が別々に車でやってくる。この後、コナンたちは真っ暗なアトリエに入って電気を点け、頭から血を流して絶命した柘植を発見する。  作業台の上には「Demurrer」(異議)と書かれた紙が貼られていて、コナンは作業台の状況から何かが置かれていたと推理する。そして目暮警部と高木刑事が捜査を開始。柘植光の本名は日影律(ひかげりつ)。柘植という名前は本名のアナグラムだった。死因は後頭部殴打による頭蓋内損傷。凶器の金槌は近くに落ちていた。 検問を通った車は小五郎たちの4台のみ。検問の山道を下った車はなく、アトリエの先も土砂崩れのため、犯行現場は逃げ場のない密室。コナンは笹森、麻里子、和美の中に犯人がいると考える。コナンは自分たちより前にアトリエを訪ねた人がいると目暮に報告。犯人は口封じのため、柘植を殺害した後、何食わぬ顔で皆と一緒にアトリエに行ったのだ。  親の遺産相続で薫と揉めていた笹森、2股と知らずに柘植と交際していた和美。そして柘植の創作活動に薫の存在は邪魔と考えていた麻里子。3人には薫を殺害する動機があった。作業台に置かれていたモノが事件解決のカギになると考えるコナンは土砂崩れの周辺を探し回り、犯人が現場から持ち出したモノを発見。コナンは誰が犯人かに気付いて…。

第10話
(690話)
工藤優作の未解決事件(コールド・ケース) (前編)

 蘭、園子、世良は工藤新一の父親で推理作家の工藤優作の話題を話しながら登校する。日本にいた頃、警察の捜査に協力していた優作が唯一サジを投げた奇妙な事件について話している時、蘭たちは路地の自販機前に座り込む高市勲(たかいちいさお)に気付く。高市は口から血を流して絶命していた。高市はアルコール依存症で、自販機には酒が入ったままの状態。肝硬変による静脈瘤破裂で吐血して他界した可能性が高かったが、世良は地面に書かれた「死」という血文字を見て、悪意を持った何者かによる犯行と推理する。この血文字は優作が諦めた10年前の事件の現場に残されたものと同じだった。  放課後、コナンが持っている新一用の携帯に蘭から10年前の事件と同じ状況の現場に遭遇したというメールが届く。蘭は当時の現場写真を探すため、世良、園子と一緒に工藤邸に行こうとしていた。コナンは世良に家の中を物色されると困ると考え、慌てて自宅へと向かう。この後、先回りしたコナンは家に来た蘭たちに10年前の写真を見せる。世良は今朝の血文字と酷似した写真を見て同一犯の犯行と推理。同じ殺人犯が再び現れたと考える。  コナンは10年前に優作が「死」という文字を書き残す殺人犯は金輪際出現しないと断言した事を思い出す。コナンは当時の事件の書類を確認する事に。当時、亡くなったのは保育園の園長で、警察は事故死と判断。園長は金魚鉢を持って転倒し、金魚鉢の破片が心臓を貫いて他界したと考えられていた。第一発見者はお寺の住職の1人息子だった園児の西村亮佑(にしむらりょうすけ)。書類にはドロップの菓子袋を持つ亮佑の写真も入っていた。  亮佑は公園でこっそり飼っていた犬を見に行く時に遺体を発見。亮佑は園長が息をしていないと気付いて公園の花を摘んでお供えしたという。コナンは今朝の現場の事を訊ね、蘭は遺体のそばに血まみれのタバコが落ちていた事を教える。この後、コナンと世良が事件について話していると、居候の昴も話に加わってくる。蘭は高木刑事に電話して今朝の事件の捜査状況を確認。10年前の事件も担当した目暮警部は今朝の事件を窃盗事件と判断したという。コナンは10年前に優作が殺人事件ではないと推理した理由を考えるが…。

第11話
(691話)
工藤優作の未解決事件(コールド・ケース)(後編)

 路地で口から血を流して絶命した高市勲を発見した蘭、園子、世良。その現場は警察の捜査に協力していた優作が唯一サジを投げた10年前の事件と酷似していて、地面には「死」という血文字が残されていた。世良は殺人事件と考えるが、10年前の事件も担当した目暮警部はこの事件を窃盗事件と判断。コナンは10年前に優作が殺人事件ではないと推理した理由を考え、世良と昴も今回の事件と10年前の事件について話し合う。 そして、世良は犯人がわかっているのに警察ぐるみで隠ぺいしている可能性もあると推理。だが、蘭はそんな理由で優作が手を引く事はないと反論する。この時、昴は工藤邸に住んでいたのが高校生探偵の工藤新一だった事に気付く。蘭は新一から昴にあまり自分の事を話すなと言われ、何の取り柄もない高校生が住んでいたと昴にウソをついていたのだ。  この後、世良は新一に電話をして推理を聞こうと提案する。すでに蘭は事件の概要を新一にメールで伝えていた。コナンは慌ててトイレへ駆け込み、昴と世良はその姿をジッと見つめる。昴は電話をしようとする蘭に声をかけ、新一に一言添えて欲しいと頼む。そして蘭は新一に電話。コナンは変声機を使い、新一として電話に出る。 蘭は電話の最後に昴から頼まれた一言を新一(コナン)に伝える。新一(コナン)はその一言をヒントに事件の真相に辿り着き、今朝の事件の現場へ行ってくれと蘭に伝えて電話を切る。コナンは10年前の事件も優作がサジを投げたのではなく、敢えて皆に真相を話さなかった事に気付く。この後、コナンたちは今朝の事件現場へと移動。コナンは新一から聞いたと前置きして、今回と10年前の事件の真相について語り始める…。

第12話
(692話)
隅田川夜桜ルート(前編)

 アメ車を専門に扱う会社、ニューイメージの社員が立て続けに襲われる事件が発生。その後、犯人から社長の石田元(いしだげん)に現金2400万円を要求する脅迫電話がかかってくる。犯人は現金の受け渡し役に小五郎を指名。小五郎は石田からも頼まれて受け渡し役を引き受ける事に。当日、小五郎は犯人の指示に従って日本橋郵便局で局留めの荷物を受け取る。コナンと警察は犯人に気付かれないように小五郎の行動を見守っていた。  荷物のアタッシュケースの中身は小型トランシーバーとメモ。そこには現金をアタッシュケースに入れ、日本橋の袂から出る17時45分発の花見クルーズ舟に乗れと書かれていた。今後の連絡はトランシーバーでするという。小五郎は読んだメモを捨てて船着場へ向かい、コナンはそのメモを拾って内容を確認する。この後、指定されたクルーズ舟に乗り込む小五郎。舟には船長の丹下正治(たんげまさはる)、クルーの水谷千夏(みずたにちなつ)、10人程の乗客が乗っていた。コナンはスケボーに乗って舟の行方を追う。  小五郎は犯人の指示に従い、アタッシュケースを舟の屋根に載せる。そして舟はいくつもの低い橋の下を通過。コナンは川沿いの道が行き止まりで舟を見失ってしまう。その時、コナンは疾走する1台のバイクを目撃する。そして、川沿いの道に戻ったコナンは舟を見て驚く。屋根にあったアタッシュケースが消えていたのだ。この後、川に浮かぶアタッシュケースが発見される。コナンはケースに貼られている布が上の部分だけ剥がされている事に注目。コナンは現金を受け取ったトリックを見破り、小五郎に麻酔銃を発射する。  コナンは小五郎として目暮警部たちにトリックを明かす。布が剥がれた部分に仕込まれていたのは磁石。犯人は電磁石を使って低い橋の鉄骨にアタッシュケースを貼り付けた後、小舟に乗って回収したのだ。コナンは小五郎を指名した事から犯人は小五郎に恨みを持つ人物と推理。コナンは過去に小五郎が解決した事件を調べ、2ヶ月前に小五郎にストーカーだと暴かれ、ニューイメージを解雇されたメカニックの西澤聡(にしざわさとし)が容疑者として浮上する。コナンは蘭と共に西澤の自宅アパートを訪ねるが…。

第13話
(693話)
隅田川夜桜ルート(後編)

 ニューイメージを解雇された西澤が容疑者として浮上。コナンと蘭は西澤の自宅アパートを訪ね、服のままバスタブの中で溺死した西澤を発見する。バスタブには桜に似た黄色い花びらが浮いていた。その時、佐藤刑事、高木刑事も現場に駆けつける。盗まれたモーターボートから西澤の指紋が検出されたという。西澤の死亡推定時刻はこの日の午前1時前後。大量に睡眠薬を飲み、バスタブで溺死したのだ。西澤のパソコンからは遺書が発見され、目暮警部は自殺の可能性が高いと判断する。  ストーカーと暴いた小五郎、会社を解雇した石田を恨んでいた西澤。遺書には小五郎に恥をかかせ、石田に社会的制裁を加えるのが目的だったと書かれていた。だが、奪われた現金は見つかっておらず、小五郎はまだ事件は解決していないと考える。この後、小五郎は西澤の部下だったニューイメージの田中篤(たなかあつし)から話を聞く。田中は石田が西澤を殺害する動機はあると証言。西澤は粉飾決済をネタに石田を強請っていたのだ。 小五郎は午前1時のアリバイを確認し、田中は午前0時3分から1時間、彼女と電話していたと証言する。続いて、小五郎は石田のアリバイを確認。午前1時、石田は自宅で寝ていたが、証明する人はいないという。帰り際、石田は田中が怪しいと小五郎に伝える。田中はギャンブル好きで、多額の借金があったという。コナンは犯人が街中にある監視カメラに映らない道を使ったと考え、そこから犯人の足取りを推理する。さらにコナンは漁師に舟を出してもらい、ボートを使った犯人の逃走経路も調べる。  そして木場公園側の水路を見て愕然となるコナン。舟から降りて土手を上がると、そこは西澤のアパートの裏側だった。この後、バスタブの花が気になっていたコナンは黄色い桜の事を漁師に訊ね、佃に右近桜という黄色い桜が咲いている事がわかる。コナンたちが舟に乗って隅田川の佃付近に行くと、そこには大量の1万円札が浮いていた。だが、コナンはアタッシュケースが離れた場所で見つかった事に違和感を抱く。この後、コナンは毛利探偵事務所にある資料を見て、事件の真相に辿り着く…。

第14話
(694話)
消えた老舗の和菓子

 コナン、光彦、歩美、元太は海上自衛隊イージス艦の体験航海に当選し、付き添いの小五郎、蘭、園子と共にイージス艦が停泊する舞鶴港がある京都にやってくる。ホテルに向かう途中、蘭は買いたいものがあると土産物屋へ立ち寄る。蘭が欲しいのは京菓子司・梅はらの銘菓「京のとり」。この日から発売される京都限定のチョコレート味だった。だが陳列棚には小倉と抹茶しかなく、蘭が買いたい1日限定200個のチョコ味は完売していた。  その時、園子の知り合いでもある梅はら社長、梅原幸三(うめはらこうぞう)が現れる。「京のとり」チョコ味が納品された5店舗から全てのチョコ味が消える事件が起きたという。今朝、梅はらの職人たちは小倉、抹茶、チョコのシールが貼られた「京のとり」各40箱を土産物屋に納品。店員は職人と共に陳列棚にそれぞれ10箱ずつ積み上げて店を開ける。だが、間もなく陳列したはずのチョコ味はなくなり、補充用のチョコ味も消えてしまったという。幸三は力を貸して欲しいと小五郎に助けを求める。  コナンたちは店の監視カメラの映像を確認。「京のとり」の棚に近づく怪しい女性について話していると、そこに非番の京都府警、綾小路文麿(あやのこうじふみまろ)刑事が偶然通りかかり、コナンたちに協力する事に。蘭は今からチョコ味を作って欲しいと職人に頼むが、使用するチョコは明日にならないと届かないという。この日の新発売にこだわる幸三はショックが隠せない。この日は先代社長の命日だった。  そして、チョコ味が消えた時に土産物屋の前に不審な車が停まっていた事が判明。ナンバーから車の持ち主は川澄眞子(かわすみまこ)と明らかに。だが、職人と店員は眞子と面識がなかった。元々、小倉だけだった「京のとり」。先代の社長は今の社長が発売した抹茶味を気に入ってなかったらしく、職人の1人は今回の事件を亡くなった先代の祟りと考えていた。この後、コナンは陳列された小倉と補充用の小倉の違いに気付いて事件の真相へと近づく。陳列されていた小倉はシールの周りの包装紙の色が滲んでいた。その頃、別の土産物屋で聞き込みをしていた光彦は眞子を見つけて声をかけていた…。

第15話
(695話)
葡萄畑に薔薇の花

 コナン、小五郎、蘭は他界した父から葡萄畑を譲り受けた諏訪山百合香(すわやまゆりか)が農学者である夫の諏訪山健吾(けんご)、友人の水町智章(みずまちともあき)と共同経営する諏訪山ワイナリーへやってくる。小五郎は施設内のバーでレストラン経営者の山口彰宏(やまぐちあきひろ)から話しかけられる。山口は諏訪山ワインに惚れ込み、契約を結ぶために訪れていた。だが、健吾はワインの質を落とす事になると契約に反対しているという。そこに納屋で見つけた健吾のサイン入りの契約書を持って水町が現れる。  百合香は納屋へ健吾を探しに行き、水町が代わりに小五郎たちを葡萄畑に案内する。この畑の葡萄は有機農法で栽培。土壌にもこだわり、畑の土の特徴に合わせて植える葡萄の品種も替えていた。畑には害虫対策用の薔薇が植えられ、コナンは南と北の畑で薔薇の花の色が違う事に気付く。この後、コナンたちは合流した百合香と一緒に樽蔵へ健吾を探しに行く事に。そして、コナンたちは鍵がかかった樽蔵で健吾の遺体を発見する。  壁の杭に遺体の首吊りの縄は引っ掛けられ、背中に回された両手の手首、そして両足は縛られた状態。コナンは床の何かを引きずったような黒い跡、首と足首の索状痕に気付く。この後、山梨県警の桃井(ももい)刑事が捜査を開始。健吾の死亡推定時刻は午後1時半から2時半の間。その時間、水町は納屋で作業。百合香は小五郎たちと一緒にいて、山次は従業員の高科修司(たかしなしゅうじ)と一緒だった。アリバイのない水町は百合香に頼まれ、健吾を樽蔵に閉じ込めたと打ち明けるが、百合香は頼んだ覚えはないと否定する。  桃井が水町を容疑者として疑うと、コナンは犯人が遺体を壁際まで運んだ理由を桃井に訊ねる。床に残っていたのは遺体を引きずった跡で、健吾が殺害されたのは樽蔵の中央付近だった。さらにコナンは縄の結び目が違う事を指摘。凶器の縄は固結び、遺体の手足を縛っていたのはふた結びだった。ふた結びは結び目が解けにくい農作業で使われる特殊な結び目で、農業に詳しい水町が犯人だったら、凶器の縄もふた結びにするはずなのだ。この後、コナンは蘭の靴についた泥に気付き、犯人のアリバイ工作を見破って…。

第16話
(696話)
花壇あらしの陰謀

 元太、光彦、歩美から事件が起きたと依頼され、小五郎はコナン、蘭、哀と共に地区センターへ。歩美は子供たちが世話する花壇が何者かに荒らされたと説明。植木は倒され、花は引っこ抜かれ、レンガの囲いも崩されていた。地区センター職員の岡村咲(おかむらさき)、山崎敏子(やまざきとしこ)と一緒に花壇の修復を始めると、そこにフラワーショップ経営の奥田隆之介(おくだりゅうのすけ)が修復用の肥料や苗木を配達に来る。  元々、この土地に店を構えていた奥田。無理やり移転させられた不満を持つ奥田は岡村と山崎に絡んで揉め事に。この日で3日目になる花壇荒らし。蘭はレンガの形が違う理由を訊ね、岡村は子供たちが手焼きしたものだと説明する。帰り際、小五郎は今夜、岡村の実家が経営するカフェへ行くと岡村に約束。そんな小五郎に歩美は午後8時から夜回りに行くと伝える。この後、岡村は歩美と哀を呼び止め、庭に咲く花の球根をお裾分けする。  夜、コナンと蘭はカフェに小五郎を迎えに行く。母親は旅行中らしく、岡村が接客をしていた。店は1階で、2、3階は住居だという。小五郎はこの後も飲み続け、夜回りは10時頃に。そして、コナンたちは夜回りに来て花壇の縁で頭から血を流した山崎の遺体を発見。コナンは遺体に花びらが付いている事に気付く。その時、小五郎は現場から立ち去ろうとする奥田を捕まえる。死亡推定時刻は午後8時前後。体中に打撲の痕があり、目暮警部は非常階段からの転落死と推理する。直接の死因は頭にレンガにぶつけた事だった。  岡村は奥田がセンターを逆恨みしている事を目暮に教える。そして鑑識の結果、非常階段の3階の踊り場に山崎と奥田が争う靴跡が残っていると判明。小五郎は2人が踊り場で口論になり、揉み合った末に山崎が転落したと推理。奥田は揉み合ったのは朝で、8時は配達していたと証言する。だがアリバイを証明する人はなく、目暮は奥田を犯人と疑う。この後、岡村は山崎がセンターの運営資金を着服していた事を告白。山崎は帳簿を探しに来て奥田と遭遇したと考えられる。コナンは踊り場を調べて不可解な点に気付く。さらにコナンは遺体に付着した花びらが花壇に咲いているかを確認して事件の真相に近づく…。

第17話
(697話)
女学園の窓

 小五郎は園子の友人、矢内みさき(やない)から姉、矢内なぎさの自殺を調べ直してほしいと依頼される。警察が矢内清美学園の大学生だったなぎさが自殺したと判断したのは首を吊ったため。目撃者は2人いて、1人はみさき自身。それでも、みさきは自殺ではないと信じていた。小五郎とコナン、蘭、園子はみさきから自殺の状況を詳しく聞く事に。  5日前の夕方6時頃、みさきは高校と大学の演劇部顧問を兼任する児玉春恵(こだまはるえ)に誘われて別館の正面にあるベンチへ。学園創立祭の舞台に主演予定だったなぎさ。みさきは児玉からその舞台を喜劇と悲劇、どちらにするか相談されたのだ。その時、別館2階の模型部部室に緊迫した表情のなぎさが現れたという。なぎさは梁に縄を引っ掛け、自分の首を通し、次の瞬間、みさきと児玉は何かから飛び下りるなぎさの姿、張り詰めた縄を目撃。みさきたちは急いで模型部へ向かうが、部屋には鍵がかかっていたという。  みさきは母親で理事長の矢内高子(たかこ)と模型部の顧問、柴垣東一郎(しばがきとういちろう)がいる理事長室に連絡。柴垣が模型部の鍵を開けて遺体を発見したのだ。学園の財務担当理事の柴垣はなぎさのフィアンセ。2人は挙式を目前に控えていた。この後、みさきはこの結婚には問題があった事を打ち明ける。警察が自殺の理由を調べ、大学の同窓だった柴垣と児玉が過去に恋愛関係だった事がわかったという。だが、なぎさは柴垣の裏切りを知らなかった可能性が高く、みさきは自殺した日の朝になぎさから婚約指輪のサイズを調整してほしいと頼まれた事をコナンたちに明かす。  この後、コナンは現場写真を高木刑事に見せてもらう。縄は梱包用に用意されたもので、踏み台のキャスター付きスツールは蹴飛ばされたはずみで衝立の所まで移動。部室の半ばは大ジオラマが占め、床には大型戦車の模型が置かれていた。このジオラマは柴垣がコレクションを寄付したものだった。コナンは実際に現場を見れば何かわかると考えて事件当時の状況を再現。みさきと児玉役の蘭はベンチに座り、なぎさ役の園子は模型部で当時と同じ行動をとる。コナンは模型部の状況を見て、ここで何が起きたかを推理して…。

第18話
(698話)
まさか!UFO墜落事件

 コナン、光彦、元太、歩美、灰原が米花市の郊外に来ると、橋の下の河原では直径3メートル程の円盤型UFOが墜落したと騒ぎになっていた。この後、UFOの下敷きになって圧死した岩淵収(いわぶちおさむ)の遺体が発見される。UFOが墜落したのは昨夜。飛行するUFOを目撃したという電話が新聞社に何本もあったという。岩淵の上着の一部は千切れて無くなっていた。そこに物理学博士の小沼正三(こぬましょうぞう)が現われる。  UFOは小沼が開発中のもの。昨晩、留守中に研究所から消えてしまったという。UFOは未完成らしく、コナンはクレーン付きトラックで運ばれてきたと推理する。捜査を担当する高木刑事は何者かが岩淵の上にUFOを落下させた殺人事件と判断。岩淵は2度下敷きになっていて1回目に即死していた。この後、コナンたちは高木と共に小沼の研究所へ。  小沼は3本のワイヤーで天井からUFOを吊り下げていたと説明。錆びたワイヤーの1本はフックの部分が千切れていた。光彦はマンネンと書かれた帽子を発見。工作台には岩淵の上着の切れ端が引っ掛かっていた。岩淵には万年定夫(まんねんさだお)という兄貴分がいて、千葉は2人が金目当てで研究所へ忍び込んだと考える。  小沼は先月末に購入した「飛ばすぜUFO 宇宙まで!!」と書かれた掛け軸は5万円したと明かす。書道家と偽って掛け軸を売ったのは金貸しの大蔵金治(おおくらきんじ)。万年と岩淵は借金の取り立て屋として大蔵に雇われていた。大蔵には脱税の疑いがあったが、今月初めに国税局が家宅捜索に入っても隠し資産は見つからなかったという。  大蔵は一昨日に交通事故で他界。大蔵の最期を看取ったのは万年と岩淵で、高木たちは米花中央病院に行き、大蔵の最期の様子を医師に訊ねる。大蔵は最期に「UFO」とつぶやいて息を引き取ったという。話を盗み聞きしたコナンは大蔵が資産を隠すために掛け軸を売ったと考える。万年と岩淵は研究所に隠し資産があると踏んで盗みに入ったのだ。コナンは殺害の凶器がUFOじゃなきゃいけなかった理由についても考える。この後、万年には借金があった事が判明。コナンは研究所の状況を思い出し、て事件の真実に辿り着く…。

第19話
(699話)
灰原の秘密に迫る影(前編)

 コナン、元太、光彦、歩美、哀は阿笠博士の車で群馬のキャンプ場にやってくる。哀はもしもの時に備えてアポトキシン4869の解毒薬を持参していた。これを飲めばコナンは少しの間、工藤新一に戻る事ができるのだ。探偵事務所では小五郎、蘭、安室がキャンプに行ったコナンたちの話題を話していた。この後、コナンと阿笠はキャンプ場付近のお店へ買い出しに行って世良と遭遇。バイクで偶然通りかかった世良もキャンプに参加する事に。  その頃、焚き木を拾っていた元太、光彦、歩美、哀はヘビ注意の立て看板近くでスコップを手にした男を見かける。その男は女性の遺体に土をかけていた。犯人は元太たちに気付き、元太たちは慌てて逃げ出す。キャンプ場に戻ったコナンたちは焚き木を拾いに行ったまま帰らない元太たちを心配。コナンたちは山へ元太たちを捜しに行く。一方、元太たちは偶然見つけた山小屋へ逃げ込み、しばらく身を潜める事にする。  コナンはヘビ注意の立て看板近くで元太の持ち物を拾い、元太たちに何かあったと考える。その付近では警官が女性の遺体を発見していた。警官によれば、女性を埋めていた男に追われていると女の人の声で通報があったという。その頃、哀たちは山小屋で男女のカップルのモノと思われる2つのバッグ、血塗られた斧を発見。この山小屋が殺害の犯行現場だったのだ。この後、犯人が扉に体当たりして中に入ろうとする音が聞こえてくる。  現場に駆け付けた群馬県警の山村警部は捜査を開始。コナンは遺体を見て女性の職業を保育士と推理する。コナンと世良は遺体の胸の前で合わせた両手にも注目。左手は人差し指、中指、薬指を立て、右手は親指と人差し指で輪を作り、中指と薬指を立てていた。しばらく後、元太は外の様子を窺うために扉を開けようとする。だが、扉は外側から鎖と錠前で封鎖されていた。その直後、焦げ臭い事に気付く歩美。犯人は元太たちを閉じ込め、山小屋に火を放ったのだ。山村警部は写真家の宇佐木跳三(うさぎちょうぞう)、フリーターの米住速道(よねずみはやみち)、大学生の岩隈猛也(いわくまたけや)という不審者3人から事情を聞くが…。元太たちが閉じ込められた山小屋は激しい炎に包まれて…。

第20話
(700話)
灰原の秘密に迫る影(後編)

 山村警部は写真家の宇佐木跳三、フリーターの米住速道、大学生の岩隈猛也という不審者3人から事情を聞く。米住はキャンプ場の下見に来たと説明。宇佐木は日本各地のキャンプ場の景色を撮影していて、岩隈はブログに載せる花の写真を撮りに来たという。コナンは灰原の携帯に電話をかけるが、この辺は電波状況が悪くて繋がらない。  コナンは哀なら電波が通じる場所へ移動するはずと不思議に思う。それを聞いた世良は何かの理由で身動きが取れない状況か、最悪の事態もあると考える。その頃、元太たちが閉じ込められた山小屋は激しい炎に包まれていた。哀は煙を吸い込まないように顔を低くするように元太、光彦、歩美に指示を出す。哀はコナンたちが煙に気付いて助けに来てくれると信じる。だが、キャンプ場でキャンプファイヤーをやる人たちがいて、煙に気付いてくれる可能性は低かった。  現場には26センチの靴の足跡が残っていて、山村警部は3人の靴のサイズを確認。だが、3人とも26センチで、誰が犯人か突き止める事ができない。阿笠は居ても立っても居られずに元太たちを捜しに行こうとする。だが、世良は闇雲に捜しても森に迷うだけで、山に詳しい捜索隊に任せた方が確実だと止める。すでに日が暮れようとしていて、阿笠は暗くなるまでに何とか見つけたいと焦っていた。この時、コナンと世良は阿笠の言葉をヒントに遺体の女性が指で何を示していたかに気付き、誰が犯人かを見破る。  その頃、山小屋の炎はさらに燃え広がっていた。歩美は意識がもうろうとなって目を閉じ、元太と光彦は歩美の異変に気付く。元太と光彦は外の空気を吸わせるため、ぐったりした歩美をドアの隙間の方へと運ぶ。その時、ドアの方から物音が聞こえてくる。元太と光彦は犯人が戻ってきたと怯えながらドアの方を確認。そこにはフードを被り、斧を持った謎の女性が立っていた。謎の女性は斧を持ちながら元太たちに迫ってきて…。

第21話
(701話)
漆黒の特急(ミステリートレイン)(発車)

 コナン、小五郎、蘭、園子、元太、光彦、歩美、哀、阿笠、世良はベルツリー急行に乗車する。この列車は行き先不明のミステリートレインだった。車掌は8号車の乗客たちにあいさつ。C室は安東諭(あんどうさとる)、A室は能登泰策(のとたいさく)、E室は出波茉利(いでなみまり)、D室は車椅子の小蓑夏江(こみのなつえ)と住友昼花(すみともひるか)で、小五郎はB室だった。そこに室橋悦人(むろばしえつと)が現れる。室橋はいつもの8号車を予約したのに7号車になっていたと車掌に文句を言う。  そして列車は東京駅から発車。コナンは運行状況から終着駅は名古屋と推理する。この列車に用意されたもう1つのミステリーは推理クイズ。それは乗客からランダムに犯人役と被害者役が選ばれて事件が起こり、他の乗客が探偵となって犯人を推理するというものだった。この後、コナンは探偵役に選ばれたというカードに気付く。カードには10分後に7号車B室で起きる事件を捜査しろと書かれていた。  コナンと歩美たちが7号車B室を覗き込むと、フードを被った男がサイレンサー付き銃を室橋に発砲。フード男が逃走して間もなく、推理クイズはまだ発表前と判明。コナンは室橋が撃たれたのは芝居じゃなく、現実の事件と判断して7号車B室へ戻るが、そこには蘭、園子、世良の姿。蘭たちはここが7号車ではなく8号車だと主張。走行中に7号車は消えてしまったのだ。だが、コナンは状況から蘭たちがいるのが7号車と推理。蘭たちは被害者役の人と一時的に部屋を入れ替わり、探偵役をだませという指示カードをもらったのだ。小五郎は推理クイズを解説する探偵役をやるため、食堂車で待機しているという。  そして列車がトンネルに入った時、8号車の乗客がベルを鳴らして車掌を呼ぶ。だが、誰が呼んだのかはわからなかった。この後、蘭たちは8号車B室に戻るが、B室はドアチェーンが掛かっていた。蘭たちがドアの隙間から室内を確認すると、右手に拳銃を持った室橋がこめかみから血を流していた。蘭たちは推理クイズの芝居と考えるが、コナンは硝煙に気付いてドアを壊して室内へ。室橋は絶命していて、コナンは密室殺人だと判断する。

第22話
(702話)
漆黒の特急(ミステリートレイン)(隧道)

 8号車B室で絶命していた室橋。コナンは遺体の状況から自殺に見せかけた密室殺人と推理し、世良はまだ犯人が列車内にいると考える。ベルツリー急行は予定を変更し、最寄り駅に停車する事に。だが、列車のオーナー、鈴木次郎吉は終点の名古屋駅まで停車するなと命令。次郎吉は目の前で犯人が捕まる姿を見たいと考えていた。  この後、運良く列車のチケットを手に入れた安室がコナンたちの前に現われる。蘭は殺人事件の事を安室に教える。そんな蘭たちの会話を盗み聞きする5号車B室の乗客。その乗客は沖矢と謎の女性だった。小五郎は最後に室橋を見た状況を訊ね、車掌はベルで呼ばれた時に見たと答える。A室の能登がベルを鳴らしていないと車掌に怒った時、室橋はB室のドアを開けて見ていたという。車掌はその時、室橋が誰かと電話していたと証言する。  ベルで車掌を呼んだのはE室の出波。部屋で妙な音がしたために車掌を呼んだらしく、車掌は出波と話している時、A室の扉が開いて扉越しに誰かがこちらを覗いていたような気がすると証言する。その怪しい人物を見る直前、D室から住友が小蓑を乗せた車椅子を押して出てきたという。だが、小蓑と住友はA室の扉は開いていなかったと話し、騒ぎを聞いて通路に出たC室の安東もA室の扉が開いていたかはわからないと証言する。その頃、名古屋駅にはジンとウォッカの姿。ジンたちは列車にいるベルモットからシェリー(灰原)を確認したという連絡を受けていた。ベルモットとバーボンはシェリーの命を狙っていた。  コナンは犯人がニセの指示カードで室橋を8号車B室に移動させた理由を考え、8号車でなければできないトリックを使ったと推理する。この8号車はAからE室まで毎年同じ客が予約。8号車は次郎吉の友人の資産家が家族でゆったり乗りたいとリクエストして作った車両。だが、初運行の1ヶ月前、資産家のパーティーで火事が起き、一家はほとんどが他界。生き残ったのは小蓑、住友と客人4人だけだった。小五郎はその客人4人は8号車の乗客かもしれないと考え、今回の殺人事件は火事に絡んだ復讐劇と推理するが…。

第23話
(703話)
漆黒の特急(ミステリートレイン)(交差)

 コナン、小五郎たちはベルツリー急行で起きた密室殺人を捜査。一方、組織の黒い影は哀へと確実に迫っていた。小五郎は今回の殺人事件は火事に絡んだ復讐劇と推理する。小五郎の推理通り、8号車A室の能登は火事で救出されていた。元自衛官の能登は火事で他界した資産家と剣友で、小五郎は能登が竹刀ケースの中に密室トリックの道具を隠していると疑う。だが、中に入っているのは竹光だった。能登は名古屋で友人と手合せする約束をしているという。コナンは理由をつけて走る能登の後ろ姿をスマホで撮影する。  C室の安東も火事で救出された1人。安東の大きなカバンには鑑定を依頼された絵が入っていた。小五郎が絵を持って重たいと感じると、安東は額縁が純金製だと説明。安東は名画コレクターの資産家に多くの絵画を紹介したという。コナンは安東が走る姿も撮影する。そして、D室の小蓑は火事で足をケガして車椅子に乗るようになったと判明。コナンは小蓑の代わりにメイドの住友の走る姿を撮影する。住友は足が速く、コナンは何かスポーツをやっていたと推理する。  次に小五郎たちはE室を訪ねるが、出波はチェーンロックを外さずに隙間から顔を見せる。出波も火事で救出された1人。出波は資産家の孫の婚約者だと打ち明ける。この時、コナンは隙間から部屋の中を覗いて何かに気付いて事件の真相に近づく。その頃、6号車では火傷の男と世良が遭遇する。世良は火傷の男を見て赤井と思い込むが…。  この後、8号車の通路にコナン、小五郎、安室、能登、安東、小蓑と住友、出波が集まる。コナンが小五郎の推理ショーがあると言って皆を呼び出したのだ。そしてコナンは小五郎に麻酔銃を発射し、眠りの小五郎の推理ショーが幕を開ける。コナンは密室トリックの謎を解き、犯人を徐々に追い込んでいく。その頃、阿笠と蘭は哀がどこにもいない事に気付いて心配する。その時、蘭の携帯に哀からメールが届く。メールには「私は大丈夫だから心配しないで」と書かれていたが…。

第24話
(704話)
漆黒の特急(ミステリートレイン)(終点)

 コナンは変声機を使い、小五郎として皆の前で推理を披露する。コナンは現場の8号車B室のチェーンロックが他の部屋より1つ多い事に気付いて密室トリックの謎を暴く。そして鏡を使ったトリックで車掌にバレないようにB室から逃げた犯人。そのトリックができるのは5つある部屋の真ん中に位置するC室の安東だけだった。コナンの推理通り、安東は額縁の中にトリックに使う鏡3枚を隠していた。  5年前の大火事から救出された8号室の乗客と殺害された室橋。だが、2年前に絵画のオークションにあの火事で焼失したはずの絵が出品され、安東はあの火事の真相に気付いたという。安東はその絵の持ち主をさかのぼって調べ、室橋の名前に辿り着いた事を明かす。室橋は屋敷から絵を盗み出し、その事を隠すために屋敷に火を放ったのだ。安東の妻は火事で他界してしまったという。  その頃、6号車E室ではコナンの母、工藤有希子とシャロン(ベルモット)が対峙していた。有希子はシャロンが発注したソフトの事を追及。するとシャロンは手を引きなさいと言って拳銃の銃口を有希子に向ける。シャロンは自分たちの存在に気付いた哀の行動を予想。哀は殺害された時、歩美たちを巻き込まないため、解毒剤を飲んで元の姿に戻るというのがシャロンの予想だった。  有希子は解毒剤を飲む前に哀を保護し、哀の元の姿に変装して殺害されたフリをして組織の目を欺こうと考えていたが、それは全てシャロンに見透かされていた。シャロンはすでに哀を炙り出す準備が整っている事を有希子に告げる…。間もなく8号車B室から煙が立ち昇る。これはシャロンが哀を炙り出すために用意した発煙筒だった。  車掌は8号室で火災が発生したとアナウンスし、コナンたちは前の車両へと避難する。そして誰もいない8号車にシェリーの姿に戻った哀が現れる。シャロンは哀なら裏をかいて8号車へ向かうと考えていたのだ。哀が咳き込みながら通路を進んでいると、目の前にバーボンが現れる。バーボンの正体は…。

第25話
(705話)
密室にいるコナン

 園子はコナン、小五郎、蘭を伊豆高原の別荘に招待する。園子は別荘近くのテニスコートでテニスの特訓をするため、コーチとして黒ずくめの仲間のバーボンと判明した安室透も呼んでいた。安室はジュニア大会で優勝した腕前だった。コナンたちにコートで合流した安室は「危ない」と声を上げる。その直後、飛んできたラケットがコナンの側頭を強打し、コナンは意識を失ってしまう。コナンは手を滑らせてラケットをぶつけてしまった大学生の桃園琴音(ももぞのことね)の別荘に運ばれ、医者は脳震盪と診断する。  桃園は大学のサークル仲間の梅島真知(うめじままち)、石栗三朗(いしぐりさぶろう)、高梨昇(たかなしのぼる)と別荘に来ていた。桃園たちは他界した仲間の瓜生の誕生日を祝うために集まったという。小五郎たちは桃園の別荘で昼食の冷やし中華をご馳走になる事に。石栗はアイスケーキを食べると言って自室へ戻り、コナンもリビングのクーラーは調子が悪いため、石栗の部屋へ涼みに行く。蘭はコナンの冷やし中華を石栗の部屋に持っていくが、ノックしても返事はない。石栗は部屋に鍵をかけていた。  午後3時過ぎ、石栗の部屋から大きな物音が聞こえてくる。この音で目が覚めたコナンは部屋の状況に驚く。部屋のクーラーは止まっていた。石栗の部屋の合い鍵は見当たらず、安室が鍵穴に針金2本を指して開錠。その時、コナンは開けるなと指示をする。ドアを塞ぐように石栗が頭から血を流して絶命していたのだ。床には血痕が付着した銅製の花瓶、遺体の尻の下にはラケット。部屋の窓も施錠されていて、コナンは密室殺人と判断する。  静岡県警の横溝警部は素振り中に石栗の手が滑り、飛んだラケットが棚にぶつかったと推理。そしてラケットを拾おうとした石栗の頭に花瓶が落下し、石栗はドアの所まで行って息絶えたと考える。だが、コナンは花瓶が落ちた時に大きな音がしたなら事故じゃないと主張。コナンはすぐに遺体や花瓶を触ったが、どちらの血も乾ききっていたと理由を説明する。音がする前に石栗はすでに絶命していたのだ。コナンは太った石栗の遺体を床に跡も付けずにドア付近に移動させた犯人は高梨、桃園、梅島の中にいると推理して…。

第26話
(706話)
謎解きするバーボン

 横溝警部は事情聴取をして皆の事件前の行動を確認する。桃園は石栗の部屋に行き、本当に昼食を食べないのか聞いたと証言。石栗は部屋にいて、いらないと断ったという。その後、皆と昼食を食べてからシャワーを浴びた桃園。石栗の部屋の合い鍵が無くなったのは昨晩だという。梅島は桃園と一緒に石栗の部屋に行き、桃園の後にシャワーを浴びたと証言。梅島はシャワー前に石栗の部屋に再度行ったが、その時は返事がなかったと話す。  高梨は食事の片付けをしてゴミを出す前に石栗の部屋へ行ったと証言。高梨は昼食前に石栗とケンカをしたらしく、謝るために部屋を訪ねたが、返事はなかったという。ケンカの原因は今年の冬に他界したサークル仲間の瓜生の事だった。スキーに行った時にロッジ裏に2メートル近い新雪が積もっていて、石栗はこの新雪なら2階から飛び込んでも問題ないと冗談。瓜生はそれを真に受けて新雪に飛び込み、抜け出せずに絶命したという。  昨日はその瓜生の誕生日。去年の今頃もサークル仲間でこの別荘に集まったという。その時、誕生日の瓜生を驚かせようと言い出し、寝ている瓜生の耳元でクラッカーを鳴らした石栗。瓜生は驚いて泣き出し、石栗はその様子を撮影してネットに流したという。この話を聞いた小五郎は3人には石栗を殺害する動機が十分にあると判断する。この後、横溝たちは消えた石栗の部屋の合い鍵を必死に探すが、見つける事ができない。  刑事の1人は遺体の下にあったラケットのガットが数ヵ所歪んでいたと横溝に報告。刑事は血の付着した花瓶の形と遺体頭部の傷が一致した事、花瓶の中に水が入っていた事も付け加える。石栗の死亡推定時刻は遺体発見の2、3時間前。室温の状態によっては前後30分程度ズレる可能性もあるという。昼食を食べたのは遺体発見の約3時間前で、安室は3人全員に犯行の機会はあったと考える。この後、蘭は冷やし中華を石栗の部屋の前まで運んだ時、ドアの下の隙間から冷気が漏れていたと証言。蘭はクーラーが効いていると思ったらしく、それを聞いたコナンは犯人のトリックを見破り、事件の真相に辿り着いて…。

第27話
(707話)
はめられた名探偵

 ビルの谷間にあるオープンカフェにやってきたコナン、蘭、小五郎。間もなく、店に小五郎宛ての電話がかかってくる。電話してきたのは小五郎が刑事時代に逮捕した元銀行強盗犯の氷室礼二(ひむろれいじ)だった。コナンは会話の内容から氷室が近くからこっちを見ていると察する。氷室は「今からアンタのせいで人が死ぬ」と小五郎に予告する。  コナンはカフェ向かいのデパート3階から手を振る氷室を見つけ、小五郎と共にデパートへ向かう。その頃、自動車修理工の沼尾伸吾(ぬまおしんご)が廃ビルから落下して即死し、米花警察署巡査の江口博信(えぐちひろのぶ)はその現場を目撃する。小五郎は氷室の胸倉を掴みながら発言の意味を問い質し、その様子を客たちはスマホや携帯を使って撮影。これは氷室の思惑通りだった。この後、目暮警部や高木刑事たちは沼尾が落下した現場を検証。遺体の近くには腐食して千切れた非常階段の手すりの一部が落ちていた。  氷室を連れて現場に来た小五郎は沼尾を見て驚く。沼尾は氷室のかつての手下だった。沼尾は小五郎の説得によって自供し、更生したという。氷室は沼尾の裏切りによって逮捕され、小五郎は氷室が沼尾を恨んで殺害したと推理する。だが沼尾が落下した15分前、氷室は小五郎たちと一緒だった。目暮は事故か自殺で、殺害の可能性は低いと判断する。  テレビやネットには小五郎が被疑者でもない氷室の胸倉を掴む映像が流れ、小五郎は窮地に追い込まれる。コナンは裏切り者の抹殺と小五郎への汚名が氷室の狙いだと推測する。翌日、氷室の犯行と考えるコナンは行動を開始。コナンは高木と共にデパートの防犯カメラの昨日の映像を確認し、そこには携帯を手にした氷室が映っていた。氷室はカメラの視界から数秒出て、すぐに戻るという謎の行動を数回繰り返していた。  次にコナンは江口と会い、現場に居合わせた理由を確認する。江口は廃ビルに人がいるという通報があって現場に来たという。江口は沼尾が落下前に携帯で誰かと話していたと証言する。それを聞いたコナンは廃ビルを調べ、沼尾のモノと思われる携帯を発見。さらにコナンは沼尾が落下した非常階段の最上階を調べ、事件の真相に近づいて…。

第28話
(708話)
ゆっくり落ちた男

 雨の中、路線バスに乗るコナン、阿笠博士、元太、歩美、光彦、哀。そして午後2時、元太は100メートル離れた5階建てビルの屋上で掴み合う男性2人に気付く。元太は1人が相手を屋上から突き落とす瞬間も目撃。コナンたちはバスを降りて急いで現場へ向かい、その途中、空が光って大きな雷が落ちる。ビルから落ちて路上に倒れていたのは金貸しの緒方正明(おがたまさあき)。緒方は意識がなかったが命に別状はなかった。  間もなく救急車が到着。通報した通行人の井上薫(いのうえかおる)は雷に驚いて足を止めた直後に緒方が落下してきて、すぐに119番したと証言する。現在の時刻は午後2時15分。薫が通報したのは2時10分頃で、元太が突き落とす瞬間を見たのは2時。不思議な事に緒方が屋上から地面まで落ちるのに10分もかかっていた。この後、コナンはビル屋上から3階の張り出したベランダを見て、長い墜落の理由に気付く。緒方は屋上から3階のベランダに落ち、その10分後に3階から路上に再び落とされたのだ。  コナンは3階の部屋を確認。そこは緒方が営む緒方金融の事務所だった。部屋には争った跡があり、コナンは本田良平(ほんだりょうへい)の運転免許証を発見。哀は本田が犯人かもしれないと考える。ベランダの床には被害者を室内に引きずり込んだ跡が残っていて、コナンは柵の外側に引っかかったメガネを発見。それは本田のメガネの可能性が高かった。コナンは犯人が緒方を一旦室内に引きずり込んだ理由がわからずにいた。現場に到着した目暮警部は本田の免許証を見て困惑する。本田は目暮と面識がある人物だった。  コナンは目暮たちと地下駐車場で緒方の車を見つける。車内には長靴とスコップが置いてあった。その頃、3階にいた千葉刑事は何者かに背後から殴られて昏倒する。この後、高木刑事の携帯に千葉から連絡が入り、千葉は犯人に捕まった事を伝える。目暮たちが3階に駆け付けると、本田は凶器を千葉に突き付け、逃走用の車を用意しろと要求。目暮は面識ある本田に声をかけるが、本田は記憶を失っていて目暮の事が誰かわからない。コナンは本田の頭部の出血と上着の汚れを見て、この不可解な事件の真実に気付いて…。

第29話
(709話)
未確認衝撃事件

 突然、工事現場から破裂音と金属音が周囲に響き渡り、近くにいたコナン、小五郎、蘭は現場へと向かう。そこには鉄パイプが散乱し、すでに金田昌夫(かねだまさお)、村瀬直樹(むらせなおき)、野島剛志(のじまたけし)が駆け付けていた。コナンは現場を見て違和感を覚える。この後、落下した鉄パイプの下から絶命した猪俣裕司(いのまたゆうじ)が発見され、目暮警部たちが捜査を開始。パイプを固定するバンドには人為的に切られた跡があり、小五郎は殺人事件と考える。  検視の結果、猪俣は鉄パイプによる全身打撲で即死したと判明。パイプの下には喫煙所があったという。高木刑事は金田たちに事件直前の状況を確認する。金田は猪俣に指示され、自販機で村瀬に飲ませるコーヒーを買ったと証言。猪俣が喫煙所でタバコを吸う間、村瀬は電話をしていて、野島は詰所で休憩していたという。この後、金田が「猪俣が消えれば借金がチャラになる」と陰で漏らしていた事が明らかに。金田は発言を認めるが、殺害していないと訴える。  さらに野島が喫煙所を作る時に猪俣とケンカした事も発覚。野島はケンカした猪俣に恨みはないと主張する。この後、バンドを切ったナイフが現場から発見され、小五郎はナイフの持ち主の金田を犯人と疑う。だが、金田は昨日紛失したと言い訳する。コナンは現場の状況を再度調べる。バンドが切れていたのは喫煙所側で、ナイフが落ちていた付近には地面にめり込んだ灰皿があった。この後、コナンは1つのパイプにV字が折り重なった縞模様の跡がある事に気付く。その模様は地面にも残っていた。  続いてコナンはパイプ置き場の裏側に回り、裏口の先にある総合遊戯施設に注目する。コナンが蘭と一緒に遊戯施設を訪ねると、館長はワックスを塗りたてで滑りやすいとコナンたちに注意を促す。この日、遊戯施設は改装をしていた。コナンは施設1階の通用口から飛び出し、2階へと続く非常階段を見つける。さらに背後の扉を開けると、目の前は工事現場の裏口だった。この後、指紋の照合結果が出て、ナイフの指紋は金田のものと判明。目暮たちが犯人と疑う金田を警察署に連行しようとすると、コナンは小五郎に麻酔銃を発射。小五郎の推理ショーが幕を開ける。

第30話
(710話)
みんなが見ていた(前編)

 服部平次と遠山和葉が大阪府警の大滝警部と共に小五郎の探偵事務所にやってくる。平次は密室殺人事件が起きた事をコナンたちに教える。大滝はある殺人犯を捕まえるため、その殺人犯が訪ねそうな観月秀理(みづきひでみち)が住む杯戸町のマンションを監視。その殺人犯は元高校教師、観月の教え子だった。そして警察が監視中に自宅で首を吊って絶命した観月が発見される。観月の部屋に出入りした人はおらず、自殺の可能性が高かったが、現場には不可解な点があり、平次は殺人事件と睨んでいた。  コナン、平次は密室トリックを解くため、事件当時のままになっている観月の部屋を訪れる。そしてコナンたちは現場の状況から事件の真相を突き止めて部屋を後にする。この事件には7階建ての同じマンション202号室に住む株ブローカーの布浦海象(ふうらかいぞう)も絡んでいた。この後、コナンたちが住人の名波(ななみ)と話しながらエレベーターを待っていると、そこに布浦が乗った窓付きのエレベーターが昇ってくる。次の瞬間、布浦は左手に持つ拳銃で自らのこめかみを撃ち抜いて倒れる。  エレベーターは昇っていった後、降りてきてコナンたちのいる3階に止まる。中では布浦が絶命していて足元にはスプレー缶。扉の内側にはサヨナラとスプレーで書かれていた。駆け付けた高木刑事は自殺と判断するが、平次は他殺と断定する。スプレーで潰されていたエレベーター内の防犯カメラ。録画映像にはスプレー缶を持った誰かの右手が映っていたが、布浦は左利きだった。  コナンも布浦が左手にはめた腕時計が遺体を発見した時間で止まっている事が引っかかる。腕時計は自動巻きで故障していなかった。平次は自殺に見せかけるため、誰かが腕時計をはめさせたと推理する。布浦の遺体発見後、階段を降りてきた人はおらず、平次は犯人が3階より上にまだいると考えていた。高木たちは上の階を調べ、アリバイを証明できない独り暮らしの3人が怪しい人物として浮上する。  高木たちは3人から話を聞く事に。会社員の陸奥勲雄(むついさお)は株で大損して布浦を恨んでいた。大学生の余田拓郎(よだたくろう)も布浦が勧めた株を買って大損。余田は大学でスプラッター映画を撮影しているという。漫画家の井筒尚子(いづつなおこ)も布浦の勧めで株をやっていた。井筒は探偵ものの漫画を描いているという。3人は布浦と同じ型の腕時計をしていた。それは布浦がプレゼントしたものだった。コナンと平次は3人の部屋を訪ねて、誰が布浦を殺害した犯人かを見破っていた…。

第31話
(711話)
みんなが見ていた(後編)

 株ブローカーの布浦が動くエレベーター内で自らのこめかみを拳銃で撃ち抜く事件が発生。コナンと平次たちはその現場をエレベーターの窓越しに目撃する。高木刑事は自殺と判断するが、平次は他殺と断定。同じマンションに住む陸奥、余田、井筒という容疑者3人が浮上する。コナンと平次は3人の部屋を訪ねて話を聞き、誰が犯人かを見破る。だが、まだ自殺に見せかけたトリックの謎が残っていた。  高木によれば、2、3階以外のエレベーターの扉には「点検中」と書かれた張り紙がしてあったという。和葉は工藤新一に電話して解決してもらおうと提案。小五郎はこの提案に同意した後、コナンと平次に対して「お前らは2人でやっと一人前」と発言する。この言葉をヒントにトリックを見破り、事件解決へと近づくコナンと平次。エレベーターの扉の内側にスプレーで書かれた「サヨナラ」は遺言に見せかけたメッセージではなく、トリックを繋ぎ合せるために必要な文字だった。  遅れて現場に来た目暮警部が鑑識の結果を皆に伝える。容疑者3人から発射残渣は出なかったという。目暮も高木同様、布浦が自殺したと考えるが、小五郎は他殺を前提に犯人がどうやって布浦を殺害したのか、自身の推理を展開する。小五郎の話を聞いていた陸奥、余田、井筒は、その推理には無理があると指摘する。事件の真相を教えると言って3人を目暮たちの前に呼んだのはコナンだった。コナンは高木と平次に指示されたと説明。高木と平次はマンション裏のお店に買い出しに行っていた。  この後、コナンたちがいる階に高木を乗せたエレベーターが昇ってくる。左の小窓に高木、右の小窓に拳銃の形にした左手が見える。そして左手は高木のこめかみへ。次の瞬間、高木は撃たれたように体を横にずらす。それはコナンたちが目撃した布浦が殺害された瞬間を再現したものだった。目暮はエレベーターから降りてくる高木を待つが、すでに高木は皆の後ろに立っていた。高木はエレベーターに乗っていなかったのだ。状況が掴めずに目暮たちは唖然となる。そんな中、平次は犯人の巧妙なトリックを暴いて犯人を追いこんでいく…。

第32話
(712話)
服部平次と吸血鬼館(一)

 株ブローカーが殺害された事件を解決したコナンと平次。翌日、大阪府警の大滝警部は大阪へ帰らず、群馬、埼玉の県境の山奥に建つ洋館へ向かう。平次の父である大阪府警本部長の服部平蔵から、その洋館で行われる遺産相続の会議に出席してほしいと頼まれていたのだ。依頼主によれば被相続人とその洋館の主人の様子が異様だという。車で移動中、大滝は後部座席にいるコナンと平次に気付く。コナンたちは何かあると感じ、蘭、和葉と共に小五郎の車に乗って大滝の車を尾行していたのだ。  コナンたちが情報を求めると、大滝は半年前に洋館近くの森で女性の遺体が発見されたと告白。女性は立てた杭に逆さの状態で縛り付けられ、死因は失血死。遺体の首筋に穴が2つあり、吸血鬼が犯人という噂が立っていた。犯人と疑われたのは洋館の主である長男、寅倉迫弥(とらくらはくや)。だが、殺害されたメイドの清水の死亡推定時刻、迫弥は自室で寝ていたとシェフが証言したという。  コナンたちは洋館を訪れ、依頼主の執事、古賀陸重(こがりくしげ)と会う。古賀は最近、迫弥の様子がおかしいと打ち明ける。最近の迫弥の言動は吸血鬼を連想させるものだった。夕食後に遺産相続の会議は行われるという。この後、ダイニングルームに遺産相続で争う次男の麻信(あさのぶ)、麻信の妻の瑠莉(るり)、長女の守与(かみよ)、守与の恋人の羽川条平(はがわじょうへい)、三男の岸治(きしはる)、次女の実那(みな)、メイドの桧原ひかる(ひのはら)が集まってくる。  迫弥は不治の病で余命3ヵ月、もって半年と言われていた。蘭、和葉は条平から自室で寝ている迫弥を起こしてきて欲しいと頼まれて迫弥の部屋へ。そして蘭たちは部屋にある棺桶のフタを開けて絶叫する。棺桶に黒いマントを身に着けた迫弥が血まみれで横たわっていたのだ。胸には杭が突き刺さっていた。コナンたちは蘭の悲鳴を聞いて現場に駆け付け、なかなか開かない棺桶のフタを開ける。だが、蘭たちの話と違い、棺桶の中は空っぽだった。蘭によれば迫弥はドラキュラ伯爵のようだったという。  平次は棺桶の中の赤い付着物を調べて欲しいと大滝に頼む。平次はこの付着物が迫弥の血だと考えていた。結局、迫弥は現れずに会議は中止になり、皆が集まった時の恒例の家族写真を撮る事に。撮影を頼まれた蘭と和葉はシャッターを切った直後に絶叫。蘭たちは皆の背後の鏡に迫弥が映ったと証言する。この後、コナンと平次が半年前の事件の事をシェフに聞いていると、ドォーンという爆音が鳴り響く。外を確認すると、森の彼方で煙と炎が上がっていた…。

第33話
(713話)
服部平次と吸血鬼館(二)

 原因不明の爆発でトンネルが崩れ、コナンたちは寅倉家の館がある森から出られなくなる。岸治は先ほど撮影した家族写真を現像。壁の飾り鏡には吸血鬼のような迫弥の顔が映っていた。撮影したのは迫弥のカメラだという。コナンと平次は厨房にいる蘭と和葉に写真を確認してもらう事に。だが、厨房には、ひかるしかいなかった。ひかるは迫弥の婚約者だった女性の連れ子で、母親は不運な事故で亡くなったという。ひかるは病気の迫弥を世話するためにメイドになったとコナンに明かす。  厨房の床には白い粉が散らばっていて、戻ってきたシェフは蘭たちが小麦粉をこぼしたと考える。蘭たちは吸血鬼が近づけないニンニク入りの餃子を作ろうとしているという。この後、棺桶の付着物がAB型の血と判明。迫弥の血液型はA型で、この館に関わる人でAB型は半年前に亡くなったメイドの清水だけだった。その時、実那、岸治、瑠莉、条平の携帯電話に迫弥から一斉メールが届く。メールには「今から私の答えを皆に伝えるから食堂に集まれ」と書かれていた。コナンたちが食堂で待っていると、窓の外に逆さの迫弥がヌッと顔を出す。大きく開けた口には牙が生えていた。  条平が窓を開けてベランダに出ると、迫弥は上の方に消えてしまう。コナンと平次がベランダに出ると、屋根の方から血が滴り落ちてくる。コナンたちが屋根裏にあるタバコを吸う部屋へ急いで向かう。そこでは左手の頸動脈が切れている麻信が絶命していた。麻信は右手にナイフを持っていて、コナンは自殺と他殺の可能性を考える。館でタバコを吸うのは麻信だけだったという。  条平が姿を消した守与の事を心配すると、実那は「伝説のように串刺しにされてるかも…」と漏らす。コナンはこの伝説について詳しく聞く事に。江戸時代、寅倉家の先祖の殿様は自分の世継ぎ身ごもった側室を殺害した弟君と荷担した者を南蛮の器具で拷問。木の枝に胴を貫かれた状態で発見された側室と同じように串刺しに。以来、その殿様は串刺し大名と呼ばれたという。  伝説の話を聞いたコナンたちは今も拷問器具を保管する南蛮部屋と名付けられた部屋を見に行く。その時、ひかるは今朝、迫弥から南蛮部屋に呼び出されたと告白。ひかるは部屋の場所がわからずに行けなかったという。この後、コナンと平次、古賀は迫弥の部屋を調べ、床下にある隠し通路を発見。コナンと平次は心霊写真のトリックも見破る。そして、コナンと平次は古賀から意外な事実を聞き、ある人物が容疑者として浮かび上がる。その頃、その容疑者は厨房にいる蘭と和葉に迫っていた…。

第34話
(714話)
服部平次と吸血鬼館(三)

 コナンと平次は蘭と和葉がいる厨房へと急ぐ。そこに犯人かもしれないひかるが向かっていたからだ。コナンたちは冷蔵庫に迫弥の遺体が隠されていると考えていた。その時、厨房から悲鳴が聞こえてくる。何かあったと心配するコナンたちだったが、蘭たちは勝手に餃子を食べたひかるに驚いただけだった。冷蔵庫にも海苔の缶しか入っていなかった。  この後、コナンと平次は岸治、瑠莉、実那、条平、古賀を迫弥の部屋に集め、迫弥が棺桶から消えたトリックについて説明。コナンたちは床下にある隠し通路を皆に見せる。この隠し通路は半年前に作られた可能性が高く、1階の物置に繋がっていた。棺桶の底には引き戸があり、一度閉じたらロックがかかる仕掛けに。平次はこの仕掛けがあれば、半年前に殺害されたメイドの清水の死亡推定時刻の迫弥のアリバイは崩れると指摘する。  次にコナンたちは壁の飾り鏡に迫弥の顔が映っていた心霊写真のトリックについても説明。鏡と思われていたのはマジックミラーで、隣の部屋のクローゼットの中の人が自分の顔に光を当てたら、鏡に人の顔が映る仕掛けになっていた。コナンと平次は迫弥を犯人の1人と考え、何時間も姿を見せない守与が共犯者と推理。その時、門番から森で人が亡くなっているという連絡が入る。森で棒に縛り付けられ、絞殺されていたのは守与だった。  平次は誰かが外に出た姿を見ていないかと確認。門番は家具業者のトラックが荷物を運んできた後、誰も門から出ていないと証言する。コナンは犯人が作業を途中で止めている事に気付く。犯人は清水と同じように棒に縛り付けた守与の遺体を逆さに立て、血を抜こうとして、途中で止めていた。コナンは守与の遺体の不可解な点にも注目。腕には妙な打撲痕があり、両手の指先はズタズタに傷付いていた。  この後、岸治、瑠莉、実那、条平は平次が刑事ではなく高校生探偵と知って態度を一変。「自分の身は自分で守る」と各々は部屋へ戻ってしまう。ひかるは探偵なら迫弥が体を回転させたトリックがわかるかと平次に訊ねる。食堂の窓から迫弥が逆さに顔を出した直前、下から出た迫弥の影を見たという。迫弥の体は透けていたらしく、それを聞いたコナンと平次はすぐに窓とベランダを調査。そしてコナンたちはこのトリックを見破り、犯人の目星をつけるが、まだ守与を殺害したトリックの謎が残っていた…。

第35話
(715話)
服部平次と吸血鬼館(四)

 寅倉家で起きた連続殺人事件の犯人の目星をつけたコナンと平次。だが、まだ犯人が誰にも見られずに門を出入りして守与を絞殺したトリックがわからずにいた。平次は群馬県警にいる大滝警部、小五郎に連絡し、新たに殺人事件が起きたと報告。平次は犯人の目星をつけているが、解けてないトリックがあると伝える。電話中、コナンは自分の膝に何かが付着している事に気付く。それは森で守与の遺体を調べた時についた泥で、なぜか泥には塩が混ざっていた。  そしてコナンと平次は小五郎との電話のやりとりから塩が付着していた理由に気付き、犯人のトリックを見破る。この後、ひかるの携帯に迫弥からメールが届く。メールには、今朝、話しそびれた大事な話をするから1人で南蛮部屋に来てほしいと書かれていた。その時、ひかるは古賀に話があると声をかけられる。平次は和葉の携帯に電話して、ある事をしてほしいと頼む。  ひかるは呼び出された南蛮部屋へ1人で向かう。ひかるが部屋に入ると、犯人がナイフを持って襲い掛かる。その時、蘭がドアを蹴り破り、犯人を蹴り上げる。実は、ひかるは本物ではなく、平次から指示された和葉の変装だった。犯人は和葉に殴り掛かるが、和葉は拳をかわして犯人を投げ飛ばす。  そこに本物のひかると古賀がやってくる。蘭と和葉がひかるたちに気を取られて目を一瞬離した隙に犯人は姿を消してしまう。犯人は隠し通路を使って逃げ出すが、出口では平次が待ち伏せしていた。そしてコナンも後ろから犯人を挟み撃ちにする。この後、コナンと平次は今回の事件の全容を明らかにして、犯人を追い込んでいく。

第36話
(716話)
能面屋敷に鬼が踊る(前編)

 小五郎はコナン、蘭を連れて能面美術館にやってくる。美術館は休館だったが、小五郎はインターホンを押して館長に会いたいと伝え、そこにプロモーターの赤座奈留也(あかざなるや)も現れる。経理兼フロントの壬生(みぶ)モヨノが入口を開け、小五郎たちはロビーに入っていく。そこに支配人の清閑寺達郎(せいかんじたつろう)、マネージャーの長田誠之助(ながたせいのすけ)も駆け付ける。  小五郎は館長の和泉治三郎(いずみじさぶろう)の命が狙われているという匿名の手紙が届いたと明かし、治三郎殺害を企てる誠之助、モヨノ、清閑寺は秘密が漏れたと困惑する。この後、小五郎たちは専属ナースの鳥羽初穂(とばはつほ)が押す車椅子に乗った治三郎と対面し、事情を説明しながら屋敷神の祠近くへ。その時、崖上の資材置き場の材木が治三郎の方に落ちてくる。コナン、蘭は初穂と協力し、間一髪のところで治三郎を救う。コナンたちが応接室へ移動すると、スズメバチが飛んできて治三郎は大慌てに。治三郎は一度刺されているため、また刺されたらアレルギーショックで命を落とす可能性もあるのだ。コナンと蘭はハチを退治して治三郎は命拾いする。コナンは手紙の内容は本当だったと確信して警戒を強める。治三郎は美術館の展示場に小五郎たちを案内。能面の作者は他界した松永虚堂という治三郎の親友で、何度も結婚、離婚を繰り返し、亡くなるまで治三郎が面倒を見ていたという。  続いてコナンたちは囲炉裏の間へ移動。囲炉裏を囲んでいると、突然、自在鉤を吊った紐が切れる。自在鉤は落下し、釣り上げていた火箸を埋め込んだ木魚が治三郎の方へ。その直前、囲炉裏の栗が爆ぜ、驚いた治三郎は倒れて難を逃れる。この後、コナンたちは食堂で昼食をとる。赤座は土産としてウォッシュチーズを持参し、警戒する治三郎は毒味してほしいと初穂に頼む。  初穂はチーズ表面をスプーンですくって小皿に載せると、小さなフォークで取って口の中へ。初穂は美味しいと笑顔になり、赤座もバターナイフでチーズを取って味見する。その瞬間、赤座は喉を掻きむしって絶命。小五郎は遺体を調べて毒殺されたと判断する。コナンはナイフに毒が塗ってあったと推理するが、使ったナイフは赤座の席にあったもの。誰がどの席に座るかわからない状況で、赤座を狙い撃ちするのは不可能だった。この後、コナンはモヨノの不審な行動に気付いて犯人と疑う。コナンと蘭は共犯と知らずに清閑寺に事情を説明。清閑寺は一瞬の隙を突き、邪魔なコナンと蘭を倉庫に閉じ込めてしまう。清閑寺、モヨノ、誠之助は新たな手で治三郎を殺害しようと考えていた…。

第37話
(717話)
能面屋敷に鬼が踊る(後編)

 清閑寺は倉庫に閉じ込めたコナンと蘭の様子を見に行く。陰に隠れていた蘭はキックを入れて清閑寺は昏倒する。囲炉裏の間では、治三郎がモヨノは虚堂の娘という事実を小五郎に打ち明ける。母親が離婚して名字が壬生になったらしく、モヨノは父親の作品を安売りした赤座に腹を立てていたという。話を聞いた小五郎は、モヨノには赤座を殺害する動機があると考える。  古井戸付近では、誠之助が治三郎を殺害する次の仕掛けを確認していた。そこに鬼女の面をつけた人物が現れ、誠之助の顔にあやかしの面を押しつける。能面は裏の舌状のパーツを銜えて顔に付けるタイプ。思わず舌状のパーツを銜えた誠之助は喉を掻きむしって井戸へ転落する。その拍子に仕掛けの滑車が回転、囲炉裏の間の能人形が炭火に向かって倒れる。  倉庫から逃げたコナンと蘭は庭を通り、井戸の中で絶命した誠之助を発見する。囲炉裏の間では能人形に火がつき、大きな炎が燃え上がっていた。初穂は囲炉裏の間に駆け付け、治三郎を車椅子に乗せて脱出。遅れてコナンと蘭が駆け付けた時、モヨノは姿を消していた。コナン、蘭、小五郎は囲炉裏の間から逃げようとするが、なぜか戸口は開かず、にじり口も落下した内装材で塞がれてしまう。意識を取り戻した清閑寺は燃える本館に気付き、消火器で火を消そうとする。その時、鬼女の面をつけた人物が現れ、清閑寺の顔に獅子口の面を押しつける。清閑寺は誠之助と同じように喉を掻きむしって絶命する。  コナンたちは囲炉裏の間から能楽堂へ移動するが、本館からの脱出経路を見つける事ができない。その時、蘭は能楽堂の屋根の所にある高窓を発見。窓からは鬼女の面を付けた何者かがコナンたちを見下ろしていた。鬼女の面を付けた人物はすぐに姿を消し、コナンはこの窓から出れば本館から脱出できるかもしれないと考える。そしてコナンたちは近くにある金属のハシゴを使って本館から別館へ移る。  その時、別館にある館内電話が鳴り、小五郎が受話器を取る。電話は治三郎と一緒にいる初穂からだった。初穂は火が回っていないキッチンへ逃げるように伝え、小五郎は清閑寺とモヨノに気を付けろと忠告。その直後、初穂が「姉さん、やめて」と叫ぶ声が聞こえてきて電話が切れる。初穂はモヨノの妹だったのだ。この後、コナンたちは庭で絶命した清閑寺を発見。さらに庭には胸に鉄串が刺さったモヨノ、車椅子で池に突っ込んだ状態の治三郎、うつ伏せに倒れた初穂がいた…。現場を見たコナンは…。

第38話
(718話)
悪魔の回路

 静岡の山間にある別荘にやってきた小五郎、コナン、蘭は別荘の持ち主のミステリー作家、海堂千賀(かいどうちか)、夫の海堂悠一(ゆういち)、弟子の志村幸子(しむらさちこ)に迎えられる。千賀が体験談を聞きたいと小五郎を別荘に招待したのだ。小五郎は事件を解決した話題を得意げに話すが、千賀、悠一、幸子はどこか上の空だった。  悠一と幸子が席を立つと、千賀は悠一と幸子がデキていると小五郎に打ち明ける。2人にとって千賀は邪魔ものだという。千賀と悠一が席を離れると、幸子は千賀が弱い人間だと小五郎に明かす。千賀はいつもスランプに悩み、睡眠薬がないと眠れないという。そして千賀と幸子がいない時、悠一は千賀が繊細な女性だと明かす。千賀は自殺しそうな時期もあったという。  翌朝、別棟に宿泊したコナンたちは3人がいる母屋へ行く。コナンはカーテンの隙間から部屋を覗き、絶命した幸子を発見。外傷はなく、遺体の傍らにはグラスが転がっていた。小五郎たちは千賀たちに話を聞くため、母屋2階に行って絶命した悠一を発見。傍らには睡眠薬の空き瓶が転がっていた。さらに書斎では千賀がパソコンに突っ伏して息絶え、近くにはチョコバーの個装袋。パソコンには「皮肉な回路」「誤爆」「そして一人生き残った勝者が高笑いする」というメモが残されていた。  書斎の敷物は一部濡れていて台には幸子の遺体近くにあったグラスとセットと思われる水差し。ゴミ箱にはビールの空き缶と未開封のチョコバーが2つ、パソコン脇には同じチョコバーが箱入りで置かれていた。この後、静岡県警の横溝警部と部下の大河原(おおがわら)刑事が捜査を開始。3人の死因は服毒死で、悠一の部屋のクロゼットから注射器が発見される。千賀は毎晩、睡眠薬5錠を飲み、チョコバーとビールが大好物。だが、医者にビールを止められ、風呂上がりは水を飲んでいたという。  この後、別荘に担当編集者の戸田秋夫(とだあきお)がやってくる。昨晩、千賀に電話をかけたという戸田。1度目は出なかったが、2度目は繋がり、千賀は「次回作はすごい傑作になる」と意欲満々だったという。この後、司法解剖の結果が出て、悠一は午後11時半頃に毒物が塗られた睡眠薬を飲んで絶命したと判明。幸子は午前1時頃に毒物が塗られたグラスを使って絶命、千賀は午前2時頃に毒物が注入されたチョコバーを食べて絶命したという。使われた毒物は全て異なり、それを聞いたコナンは…。

第39話
(719話)
プラチナチケット騒動記

 コーヒーショップのカウンターでドリンクができるのを待つOLの古奈遥(こなはるか)。その時、遥はブラックローゼズのライブチケットの話題を友人と話す。この入手困難なチケットを売れないギタリストの彼氏からプレゼントされた遥。ライブの日は彼の誕生日で、遥は一緒に祝って欲しいと言われたという。遥たちの後ろに並ぶ蘭と園子は偶然このチケットの話をしていた。園子は苦労して2人分のチケットを手に入れたと蘭に伝える。この後、遥はバッグに入れておいたチケット2枚がなくなったと騒ぎ出し、ブラックローゼズのチケットを持っていた園子たちが盗んだと疑う。  翌日、コナン、蘭、園子は同じコーヒーショップにやってくる。蘭と園子は昨日、犯人扱いされた事に納得できない。身の潔白が証明されるまで、交番で3時間も拘束されたのだ。店長の霧間次郎(きりまじろう)は迷惑をかけた蘭たちにコーヒーをご馳走する。そこに遥がやってくる。遥は店の閉店後、インターネットのオークションサイトに盗まれたチケットが出品されていると次郎に説明。出品者のハンドルネームはcoffeerumbaで、遥はこの店の従業員を犯人と疑う。  昨夜、店にいたのは次郎とバイトの小須田香(こすだかおり)、真岡雅子(もおかまさこ)の3人。次郎と香は店にいたが、雅子は店に来ていなかった。香と雅子は大学の同級生で、雅子は大学も休んだという。この後、コナン、蘭、園子、遥は香と一緒に雅子の自宅アパートを訪ね、頭から血を流して息絶えた雅子を発見する。テーブルの角に血が付いていて、コナンは誰かと争って倒れた拍子に頭をぶつけたと推理。パソコンを起動すると、オークションサイトが表示され、遥は雅子が盗んだと判断する。  現場に駆け付けた目暮警部たちは次郎、香から話を聞く事に。昨夜、閉店後、午後9時15分に店を出た雅子。店から自宅までは30分で、その30分後にサイトにチケットが出品されていた。隣の部屋に住む宇留間典(うるまてん)は雅子が午後10時20分から11時まで洗濯をしていたと証言。大家の万田鈴(まんだりん)によれば、雅子は家賃や光熱費を滞納するだらしない女性だったという。  洗濯機には洗濯物が脱水した状態で残っていて、目暮は洗濯中に殺害されたと考える。現場の状況から雅子はコンビニに行こうと外出した後、忘れ物に気付いて部屋に戻り、その時に犯人と出くわした可能性が高かった。コナンは次郎と雅子が交際していた事を見抜くが、次郎は雅子を愛していたと身の潔白を主張。この後、コナンは違和感を抱いて宇留間から話を聞く。そしてコナンは洗濯機の中身、蛇口を調べて事件の真相に辿り着く…。

第40話
(720話)
火と水のミステリーツアー(阿蘇編)

 観光旅行で熊本にやってきたコナン、小五郎、蘭、歩美、光彦、元太、灰原は、ひょんな事からハーフの男の子、高森ジャスティン(たかもり)とアメリカ人の母親、高森ジェシカと知り合う。ジャスティンは観光地のスタンプ帳を自慢した後、ジェシカと去っていく。この後、コナンたちはカドリー・ドミニオンで動物と触れ合う。園内の広場にあるベンチには熊紋食品社長、熊田紋吉(くまだもんきち)の姿。熊田はベンチにバッグを置いて立ち去り、入れ替わりに帽子を目深に被った男が現れる。  男はバッグを取ると、代わりにくまモンのぬいぐるみを置いて席を立つ。熊本県警の刑事、小杉啓治(こすぎけいじ)と部下の国府田純(こうだじゅん)、梶山奈美恵(かじやまなみえ)はその様子を監視していた。そこに食事を終えたコナンたちが通りかかる。歩美が「忘れ物」と声をかけると、男はぬいぐるみを奪い、バッグを投げて逃走する。その時、男は高森親子とぶつかり、ジャスティンのくまモンと男性のくまモンが地面に落ちる。男は1つを拾うと慌てて逃げていく。  小五郎は熊田、小杉から事情を聞く事に。2日前、熊紋食品に泥棒が入り、社員の井上光夫(いのうえみつお)が社内を調べると、くまモンのぬいぐるみと社外秘の機密データが入ったUSBメモリが盗まれていたという。USBメモリには独自開発した新しいお菓子の開発データが入っていて、業界大手のヒゴフーズに渡れば、会社の死活問題になるという。後日、連絡してきた犯人は1千万円を要求。犯人はUSBメモリを入れたぬいぐるみと1千万円を入れたバッグを交換すると取引場所を指定してきたという。  この後、国府田から逃走した男を確保したが、ぬいぐるみからUSBメモリを発見できなかったと連絡が入る。男はバーで知り合った犯人に取引を依頼されただけで何も知らなかった。コナンは男がジャスティンとぶつかった時にぬいぐるみを取り違えたと考える。そしてコナンはスタンプ帳の足取りからジャスティンが次に行く観光地は阿蘇神社と推理。コナンたちは梶山と共に阿蘇神社へ向かう。  そしてジャスティンたちを少し前に見たという阿蘇神社のガイドの話から、コナンはジャスティンが阿蘇の涅槃像を見るため、大観峰に向かっていると推理する。コナンたちが大観峰にやってくると、マスク男がジェシカからぬいぐるみを奪おうとしていた。マスク男に抵抗したジャスティンはぬいぐるみと共に連れ去られてしまう。コナンはジャスティンのぬいぐるみにUBSメモリが入っている事、ジャスティンが大観峰にいる事を犯人が知っている事に違和感を抱く。これらの事実からコナンは熊本県警の小杉、国府田、梶山、熊紋食品の熊田と井上の中に犯人、もしくはスパイがいると考えて…。

第41話
(721話)
火と水のミステリーツアー(熊本編)

 コナンたちの目の前で犯人はUSBメモリが入ったくまモンのぬいぐるみごとジャスティンを連れ去っていく。翌朝、熊本市内のホテルにいるコナン、小五郎たちの前に熊本県警の梶山刑事が現れる。犯人から1千万円を持って市内に来いと熊紋食品に電話があったという。この後、灰原は廊下の隅でひそひそ電話をかけるジェシカを見かける。この時、灰原はジェシカが落とした名刺を見て驚く。  ホテルの会議室に集まって話し合う小杉刑事、梶山、熊田、井上、小五郎。熊田は犯人から取引場所は追って連絡すると言われた事を皆に報告する。井上は開発データより子供の命の方が大事だと発言。熊田は開発データを軽視する井上に激怒する。会議室のドアに耳をあてて会話を盗み聞きするコナンは2人のやりとりを聞いて違和感を抱く。灰原はジェシカが持っていた名刺の事をコナンに教える。それは夫、高森直人の名刺で、驚く事に直人は熊紋食品と同じ業界の大手、ヒゴフーズの社員だった。  この後、コナン、灰原の所に元太、歩美、光彦がやってくる。歩美は少年探偵団だけでジャスティンを見つけ出そうとしていた。歩美は声をかけた事により、取引を邪魔した責任を感じているのだ。そこに現れた井上は危険だからダメだと歩美たちを諭そうとする。井上は犯人にバッグを投げられた時に倒れて腕をケガした歩美を気遣う。結局、井上もコナンたちと一緒にジャスティンを探しに行く事に。  井上は犯人から電話があった時、背後から市電の音がしたと語り、コナンたちは下通アーケード近くの市電停留所へやってくる。その時、コナンはラーメン屋の「スタンプ帳の忘れ物あります」という貼り紙に気付く。それはジャスティンのスタンプ帳だった。犯人に連れ回されているジャスティンは自分の居場所を知らせるため、わざとスタンプ帳を忘れていったのだ。女性店員は大人とハーフの子が城の方に歩いていったと証言。コナンたちは城の方へと向かい、ハーフの子の話題を話す女子大生たちに遭遇。ジャスティンは目立つように愛嬌を振りまき、自分の居場所を知らせようとしているのだ。  コナンたちは通行人たちの目撃談を頼りにジャスティンの行方を追う。その頃、犯人はジャスティンを連れて城彩苑湧々座に来ていた。ここで犯人は熊田の携帯に電話し、熊本城の大銀杏の下に金を入れたバッグを置けと命じる。さらに犯人は警察を見かけたらジャスティンの命の保証はないと脅す。この後、コナンたちは目撃談を頼りに湧々座を訪れ、ついに犯人とジャスティンを発見する。ジャスティンは犯人が慌てた一瞬の隙を突き、ぬいぐるみを抱えて逃げ出す。徐々に追い詰められていく犯人。小五郎はトラップを仕掛けて取引場所の大銀杏の下で犯人が来るのを待ち構えていた…。

第42話
(722話)
甘く冷たい宅配便(前編)

 クリスマス、コナンと光彦、元太、歩美、哀は公園でサッカーをして時間をつぶす。阿笠博士の家にクリスマスケーキが届くのを待っているのだ。その時、哀の前に子猫が飛び出してくる。それは毛利探偵事務所辺りを根城にし、よく喫茶店ポアロに餌を食べに来る野良猫の大尉だった。大尉は道路に停車中のチーター宅配クール便の冷蔵車のコンテナに入っていき、コナンたちは助けようとコンテナに乗り込む。この後、宅配業者AとBはコナンたちに気付かずに扉を閉め、車を出発させてしまう。  コンテナの扉からは哀が着る手編みセーターのほつれた毛糸が伸びていた。毛糸の先は植え込みに引っ掛かり、哀のセーターはどんどん解けていく。哀はパンツ一枚の姿になり、人前に出るのを嫌がる。その時、AとBが荷物を取りにコンテナに入ってきて、コナンたちは荷物の陰に隠れる。その際、Aは「玄関先で荷物を落として顔と名前を覚えてもらえ。大事な証人だから」とBに指示。Aはコンビニにトイレを借りに行くと去っていく。コナンは2人の会話に訝しいモノを感じる。  AとBが扉を閉めた後、光彦は寒がる哀に上着を差し出す。光彦たちはAとBに声をかけて外に出してもらおうと提案するが、コナンは止めた方が良いと反対。コナンはコンテナ内の段ボールから殺害された男性の遺体を発見していた。コナンは殺害した犯人はAとBだろうと光彦たちに教える。コナンは犯人が遺体を冷蔵設備が付いたコンテナに入れたのは腐敗速度を遅らせるためと推理する。死亡推定時刻を遅らせれば、犯行時刻は配達をしていたと言い逃れできるからだ。  先ほどのAの指示は客にBの顔を覚えさせてアリバイを証言してもらうためだった。コナンはAがコンビニに行ったのもアリバイ工作で防犯カメラに映るためと睨む。犯人に見つかればコナンたちにも身の危険が及ぶ可能性は高かった。この後、AとBの会話から殺害の状況がわかる。Bが偶然配達したのは浮気相手の旦那の家。離婚する羽目になった旦那に掴みかかられ、成り行きで殺害してしまったのだ。Bに助けを求められたAは旦那から金を奪って共犯に。  コナンは高木刑事に電話して助けを求めようと考えるが、唯一の光彦の携帯は電源切れ。コナンは電池を温めて回復させて高木に電話をかける。高木の携帯は電源が入っておらず、コナンは代わりに阿笠に連絡。そこで光彦の携帯の電池は完全に切れてしまう。コナンは皆の持ち物を見せてもらい、大尉とタクシーのレシートを使った外部との連絡方法を思いつくが…。

第01話
(723話)
甘く冷たい宅配便(後編)

 コナンは光彦、元太、歩美の持ち物を見せてもらい、大尉とタクシーのレシートを使った外部との連絡方法を思いつく。感熱紙のレシートは酸性の発色剤が塗られていて、その発色剤が熱で溶けてもう1つの薬に反応し、文字を浮き出させる仕組み。コナンは酸性を打ち消すアンモニアが含まれたかゆみ止めを使い、レシートにCORPSE(死体)という文字と冷蔵車のナンバーを浮かび上がらせる。  これから冷蔵車が配達に向かうのは喫茶店ポアロがある5丁目。この時間、大尉はポアロに餌をねだりに行くため、コナンはレシートを大尉の首輪に挟んでおけば、梓の目に留まると考える。この後、配達業者AとBが荷物を取るためにコンテナの扉を開けた時、大尉は道路へと逃げていく。いつも通りやってきた大尉に餌をあげた梓はレシートに気付き、暗号を探偵でもあるバイトの安室に解読してもらおうとする。コナンは安室がレシートを見ると見越して暗号にしたのだ。  だが、渡す前に突風が吹き、レシートはどこかへ舞ってしまう。そして助けが来ないまま時間が経過。コンテナの荷物は徐々に減り、コナンたちが隠れる場所がなくなっていく。皆の体力も限界に近づき、光彦は低体温による意識障害に。その頃、安室は梓からレシートの事を聞き、コナンからのメッセージと察してレシートを探しに行く。哀は着ている上着に光彦を入れて暖めてあげる。この時、元太と歩美は阿笠博士の家に届くクリスマスケーキの話題を話す。それを聞いたコナンは残った配達の荷物を調べ、阿笠の家に届けるケーキを見つける。コナンはボールペンと綿棒を使い、このケーキにも助けを求めるメッセージを仕込む。その頃、安室はレシートを見つけ出し、すぐに暗号の解読に取り掛かる。  この後、冷凍車は阿笠邸の前に到着し、Bは配達伝票を確認。伝票には工藤様方、阿笠博士様と書かれていて、Bは工藤邸にいる昴にケーキを届ける。コナンは昴に助けを求めるため、伝票に工藤様方と書き足したのだ。コナンは綿棒を使い、複写伝票に受取人だけがわかるメッセージも残していた。荷物を受け取った昴は小包の配達をBに頼み、Bはコンテナにその小包を置いていく。コナンが小包を開けると、中には携帯電話が入っていた。昴はメッセージに気付いて配達を頼んだのだ。コナンがこの携帯で警察に連絡しようとすると、コンテナの扉が開き、AとBに見つかってしまう。Aは荷物の配置が微妙に変わっている事を不審に思っていたのだ。Aはコナンたちをコンテナに閉じ込めて凍死させようと企んで…。


シーズン19

第01話
(724話)
怪盗キッドと赤面の人魚(ブラッシュマーメイド)(前編)

鈴木次郎吉相談役のもとに怪盗キッドから犯行予告が届く。キッドのターゲットはベルツリー急行爆破事件で展示が延期になった宝石、赤面の人魚。予告状は赤面の人魚を公開初日に奪うという内容だった。中森警部は今度こそキッドを捕まえると意気込む。当日、コナンは蘭、園子、世良と共に宝石が展示されている鈴木大博物館へ。特別展示室の大きな水槽の周りは見物人が取り囲んでいて、赤面の人魚は水槽の中を泳ぎ回る亀の背中に貼り付けられていた。  水槽は硬質ガラスになっていて、奥は厚さ2mのコンクリートの壁。天井と両脇は特殊合金の金網で、宝石は泳ぎ回っている亀の背中。万全の準備をした次郎吉はキッドでも盗れないだろうと自信満々だった。この宝石の持ち主だったのは半年前に海難事故に遭って他界したイタリアの大女優。船が沈む直前、彼女は飼っていた亀の背中に接着剤で宝石を付けて逃がしたという。  この後、観覧時間が終わる頃に小五郎がやってくる。犯行予告の8時までは30分。中森はコナン、小五郎、蘭、園子、世良に大人しくしていろと忠告する。世良はまだ予告時間まであるため、トイレへ行く事に。その時、園子は近くのトイレは混んでいたから2階のトイレが良いと教える。水槽の周りには20人の機動隊、2階の通路にはサーチライトを構えた100人の機動隊、中森は万全の警備に胸を張る。  外に集まった若者たちがキッドコールを叫ぶ中、予告時間を迎える。すると突然、床のカーペットがテグス(糸)で捲り上がり、園子や世良はバランスを崩す。そして捲り上がったカーペットは水槽をすっかり覆い隠し、テグスは天井のシャンデリアに巻き上げられていく。この後、3、2、1とカウントダウンするキッドの声が響き渡り、ポンという音と共に白煙が立ちのぼる。するとテグスが切れて、カーペットが落下。水槽にはキッドのカードが漂い、亀と宝石は消えていた。  次郎吉は床に刺さったもう1枚のキッドのカードを確認。カードには「宝石は頂戴した。信じられないのなら確かめてみろ」と書かれていた。次郎吉は金網のロックを解除して水槽を確認するが、やはり亀と宝石は消えていた。数日前にカーペットと照明を取り替えた2人組の内装業者がいたらしく、中森はその2人組がキッドと手下だったと考える。世良はキッドがまだ展示場内にいると推理。変装を見破るため、皆の身体検査をするがキッドを見つける事ができない。トリックを見破る糸口さえ掴めないコナンは推理を巡らせて…。

第02話
(725話)
怪盗キッドと赤面の人魚(ブラッシュマーメイド)(後編)

 キッドの犯行予告時間に亀と共に消えた宝石、赤面の人魚。機動隊員はシャンデリアに仕掛けられたウインチを発見し、中森警部はカーペットが捲り上がり、水槽を覆い隠したトリックを見破る。キッドの変装を暴くため、皆はお互いの身体検査をするが怪しい人物は見つからない。そんな中、園子はキッドが蘭に変装していると疑っていた。カーペットが捲れ上がる直前、蘭が離れた場所に移動したからだ。園子は事前に知っていた蘭が巻き込まれないように避難したと思っていた。  だが、蘭は携帯の電波の状況が悪いと思って移動しただけと言い訳する。カーペットが捲れ上がる直前、蘭が時間を調べるために携帯を見たら画面が真っ黒になっていたという。蘭の話を聞いたコナンは赤面の人魚にくっついていた金のネックレスの留め金について次郎吉に確認。コナンの推理通り、留め金は鉄製だった。コナンはキッドが赤面の人魚を盗んだのではなく、皆の視界から消しただけと気付く。  事件の真相に辿り着いたコナンはキッドがある人物に変装し、まだ現場に残っていると確信する。キッドは1つ大きな勘違いをしていた。次郎吉は特別展示室から皆を追い出そうとする。キッドに宝石を盗まれ、もう何もできないと判断したのだ。その時、コナンは事件の全貌を暴くため、小五郎に向けて麻酔銃を発射。だが、コナンはバランスを崩してしまい、麻酔銃は園子にあたってしまう。この後、コナンは園子として推理ショーを行い、キッドは徐々に追い込まれていくが…。

第03話
(726話)
幸福(しあわせ)メールは不幸を呼ぶ

 小五郎はコナンと蘭を車に乗せ、周りに何もない寂しい道を走っていた。その時、蘭は公園で女性が倒れている事に気付く。女性の首にはロープが巻かれ、地面には「ナ」というダイイングメッセージが残されていた。この後、群馬県警の山村ミサオ警部が捜査を開始。被害者は保険外交員の広瀬ナナ(ひろせ)。死因は頸部圧迫による窒息死で、首には何重にも絞められた痕が残っていた。  死亡推定時刻は午後10時から10時半の間で、コナンたちが発見する少し前だった。コナンはダイイングメッセージの「ナ」を見て何かが変だと感じる。さらにコナンはナナの洋服から火薬の匂いがする事、遺体の顔が濡れて化粧が落ちている事に気付く。その時、現場に取り乱した中学校教師の左門治(さもんおさむ)がやってくる。左門はナナの婚約者で、右手中指に指輪をしていた。  コナンは左門の服に付いた火薬の匂いと指輪が引っかかる。左門は今夜アパートでナナと結婚式の相談をする約束をしていたという。左門は9時45分にナナから「少し遅くなります 公園でミギタと話していくから ナナ」というメールが届いたと証言。左門は書店店主の右田利彦(みぎたとしひこ)を犯人と疑っていた。右田はナナの元恋人で、ヨリを戻そうとして、ナナに付きまとっていたという。  小五郎はナナが残したダイイングメッセージはカタカナの「ナ」ではなく、漢字の「右」を書く途中だったと推理。コナンたちは容疑者の右田に会いに行く事にする。移動中、左門はスマホの画像を哀切な表情で見つめる。それは生徒たちがクラッカーを鳴らして左門を祝福する画像だった。この日、生徒たちは左門の結婚を祝ってパーティーをしてくれたという。この時、蘭は左門の漢字表記に気付き、小五郎はナナが「左」と書こうとしていた可能性もあると判断し、左門も容疑者に加える。  コナンたちは右田書店を訪ねると、右田はナナと待ち合わせしていないと無実を訴える。右田は店でずっと仕事していた姿が防犯カメラに映っているとアリバイも主張。山村たちはカメラの映像を確認するが、右田がフレームアウトしたのは一度だけ。トイレに行った1分程度だけだった。犯行現場までは車でも往復20分はかかるため、小五郎も右田の犯行は不可能と判断する。コナンは映像を見て、トイレから戻った右田の髪がわずかに乱れていた事に気付く。コナンはダイイングメッセージが示している犯人が右田、左門のどちらなのかをわかっていた…。

第04話
(727話)
果実が詰まった宝箱(前編)

 コナン、小五郎、蘭、世良は園子に誘われ、日売テレビの番組「どちらのスイーツでSHOW」の収録を観覧する事に。番組はパティシエ2人がお題のフルーツでスイーツを作って対決する内容。チャンピオンの栗村習平(くりむらしゅうへい)は6週連続で勝ち続けていた。お題のフルーツは収録まで秘密にされていて、知っているのはフルーツを宝箱に詰める担当者のみ。だが、栗村はいつもお題のフルーツに合う食材を用意していて、テレビを見たコナンは栗村が事前にお題を知っていると疑っていた。  お題を決めるのはフードコーディネーターの春日寺文(かすがてらふみ)。春日はフルーツを宝箱いっぱいに詰めて南京錠を掛けると、日売テレビのプロデューサー、樽岡利英(たるおかとしひで)に送る。樽岡に指示されたADの降谷渡(ふるやわたる)がもう1つ南京錠を掛けて箱を春日に送り返す。春日は自分が掛けた南京錠を外し、箱をテレビ局へ戻す。箱は収録まで倉庫に置かれ、鍵は収録まで銀行の貸金庫に保管されるという。このように外部に漏れない仕組みだが、審査員の料理評論家、武木正徳(たけきしょうとく)は誰かが栗村にお題を事前に教えていると疑い、独自に犯人捜しをしていた。  収録当日、武木はスタジオに現れず、急遽、小五郎が沖野ヨーコと一緒に審査員を務める事に。武木が不在のまま収録は始まり、栗村と挑戦者の榎木呉亜(えのきどくれあ)が登場。そして司会の剣崎(けんざき)がお題のフルーツが入った宝箱の鍵を開けると、観客から悲鳴が上がる。箱に詰められたリンゴの中に武木の遺体が埋まっていたのだ。硬直具合から死後半日以上は経っていて、箱の縁には血をふき取ったような跡が残っていた。コナンと世良は箱のフタが開いている時、武木は縁に頭をぶつけて亡くなり、そのままリンゴと一緒に詰められたと推理する。  この後、目暮警部、高木刑事が捜査を始めると、そこに春日がやってくる。春日は昨夜、箱にフルーツを詰め終わった後に武木が家に来たと証言。春日は箱の中身をバラしている犯人を突き止め、番組で暴露するから収録に来いと武木に言われたという。春日は武木が箱の南京錠をチェックしていたと証言。武木は春日をフルーツの情報を外部に漏らしている犯人と疑っていたという。箱を取りに来たAD2人は春日の家から武木が帰る姿を目撃していて、小五郎はいつ箱に遺体が入れられたのかをわからずにいた。千葉は昨夜、武木が時代劇のエキストラに混じってテレビ局にこっそり入っていたという情報を掴む。それを聞いた世良は武木が箱を保管していた倉庫に潜んで犯人を待ち伏せしていたと推理。コナンと世良は武木が箱をこっそり開けた犯人を目撃した後、殺害された可能性が高いと考えるが…。

第05話
(728話)
果実が詰まった宝箱(後編)

 日売テレビの番組「どちらのスイーツでSHOW」の収録中、フルーツを詰めた宝箱から審査員の武木の遺体が発見される。殺害現場は宝箱を置いていたテレビ局の倉庫の可能性が高く、コナンたちは倉庫前にある防犯カメラの前日の映像を確認する。前日の21時過ぎに現れたのはプロデューサーの樽岡だった。樽岡は宝箱がちゃんと届いたか確認するために倉庫に行ったと証言する。倉庫にいた時間は約30分と長く、樽岡は箱の置き場所をド忘れして探し回って時間がかかったと言い訳する。  続いて、22時過ぎに現れたADの降谷は若いAD2人を入口に残して倉庫の中へ。降谷は箱のチェックをすぐに済ませ、タバコを吸いながらメールをチェックしていたと証言する。倉庫にいた時間は30分ぐらいだった。そして23時30分過ぎにはフルーツを選ぶ春日も倉庫の中へ。春日は武木に言われた事が気になり、テレビ局側が掛けた鍵をチェックしに来たと証言する。春日は入念に鍵を調べ、ちゃんと掛かっているのを確かめてから家に帰ったという。春日も他の2人と同じように30分ぐらい倉庫にいた。  映像を確認した目暮警部は武木を殺害した容疑者を樽岡、降谷、春日の3人に絞り込む。だが、犯人が宝箱の鍵を開けたトリックは謎のままだった。この後、小五郎は宝箱いっぱいにフルーツを詰めている理由がわからないと言い出し、園子は箱いっぱいの方が見栄えが良いからと説明。収録で使い切れなかったフルーツは観覧者に配られるという。さらに小五郎は沖野ヨーコの髪型についても話し、コナンはその言葉をヒントに鍵を開けたトリックを見破り、誰が犯人なのかにも気付く。  そしてコナンは箱に入っているリンゴの数がいつもより少ない事に注目。だが、鑑識課員は外にこぼれたリンゴは全て箱の中に入れたという。それを聞いたコナンは消えたリンゴが証拠になると考え、世良と共に倉庫へ向かう。事件現場のため、中には入れなかったが、高木から倉庫にあったドラマの小道具が汚れていたという貴重な情報を入手。この後、コナンと世良はマジックショーを披露すると言って皆を集め、犯人が宝箱を開けたトリックを再現。そして、今回の事件の全貌を解き明かしていく…。

第06話
(729話)
ダイヤと絵画と大女優

 小五郎、コナン、蘭は往年の大女優、白川美鈴(しらかわみすず)の屋敷に招かれる。美鈴は息子の白川京介(きょうすけ)、娘の白川千春(ちはる)と共に2階の自分の部屋にコナンたちを案内。そこには映画の小道具が飾られていた。この時、小五郎は百合の花瓶を倒しそうになり、コナンが慌てて花瓶を支える。そこに娘の白川沙織(さおり)とメイドの中西優香(なかにしゆうか)がやってくる。映画の主演女優を選ぶオーディションに合格した沙織。だが、美鈴が製作側に電話して合格を取り消したのだ。怒る沙織に対し、美鈴は沙織の下手な演技では自分の顔に泥を塗る事になると手厳しく言い放つ。  この後、京介たちは昼食を用意したテラスにコナンたちを案内する。美鈴は2つの眼鏡の1つを手に取り、ジャムの表記を確認。美鈴は庭にいる優香を呼び、バラのジャムじゃないと叱りつける。優香は買い忘れてしまったと謝罪し、京介は優香を庇おうとする。美鈴は庇うのを止めなさいと京介を諭し、優香が京介を誘惑したと決めつける。千春は自分が庭に水を撒くからジャムを買ってきてと優香に声をかける。午後2時、美鈴は日課の昼寝のため、睡眠薬を飲んで自分の部屋に戻る。  小五郎と京介が話していると、庭の向こう側の道路から大きな衝突音が聞こえてきて、自分の部屋にいた沙織も屋敷の外に出てくる。コナンたちが庭に行くと、優香が運転する車が車道から滑り落ち、前輪が庭の池に突っ込んでいた。千春が車に気付かずに道路に出て、優香は慌ててハンドルを切ったという。この騒ぎで目を覚ました美鈴は2階の窓から顔を出す。その車は美鈴が監督からもらった思い出の車。美鈴は大破した車を見て激昂し、荷物をまとめて出ていけと優香に言い放つ。  小五郎たちが車を池から出してテラスに戻った直後、コナンは2階が火事になっている事に気付く。コナンたちは美鈴を助けに行くが、美鈴は煙によって窒息死していた。コナンは部屋を出る時に違和感を抱く。消火の後、多摩川(たまがわ)刑事が現場検証。出火元は引火点が低い油絵の可能性が高く、小五郎は今回の火事は収れん火災と判断する。収れん火災はレンズ代わりなった窓やペットボトルが太陽光を集めて起きる火災。小五郎は池の水面で跳ね返った太陽光が部屋の油絵に照射したと推理する。  だが、美鈴がカーテンを開けたのは車の事故があった時の2、3分のみ。コナンは虫眼鏡などがなければ、そんな短時間では火が出ないと訴える。すると、多摩川は窓辺に置いてある眼鏡が虫眼鏡の代わりになったと推理。美鈴は寝る前によく本を読んでいたという。コナンはその眼鏡を確認した時、自分の袖に小さな黄色いシミがある事に気付いてハッとなる。この後、部屋を見渡したコナンは今回の火事が事故ではなく、ある人物が仕組んだ殺人事件だと見破って…。

第07話
(730話)
完璧すぎたフィギュア

 コナンは阿笠博士、元太、歩美、光彦、哀と共にフィギュアフェスティバルの会場にやってくる。光彦はモデラーの北島昌弘(きたじままさひろ)が作成した鉄道模型とジオラマに注目。北島は世界大会への出場も決まっている天才モデラーだった。そこに北島本人、続けて恋人の亀山麗香(かめやまれいか)が現れる。隣のブースではモデラーの森下俊一(もりしたしゅんいち)が人気ロボットアニメのフィギュアを展示。徹夜して造ったという森下の服は褐色に汚れていた。  光彦が会場の売店で塗料を選んでいると、会場の廊下から女性事務員の悲鳴が聞こえてくる。奥の控室では北島が胸から血を流して絶命していた。扉の内側には男が隠れていて、男は一瞬の隙に外へ飛び出していく。哀は足を男の足に引っ掛け、男は転倒して伸びてしまう。逃げたのはモデラー雑誌記者の広戸健児(ひろとけんじ)。現場に駆け付けた目暮警部と高木刑事は広戸から事情を聞く事に。広戸はインタビューを取りに来たら、北島が絶命していたと証言する。広戸は凶器を持っていなかった。北島が絶命してからコナンたちが駆け付けるまでの時間はわずか数分。その間に凶器は消えてしまったのだ。  この後、控室に森下がやってくる。森下は自分の控室にいたら外が騒ぎになり、係員から事件の事を聞いたという。森下と広戸は顔見知りだった。広戸はモデラーから評判が悪く、北島はモデラー仲間に広戸の取材は受けるなと注意していたという。森下は北島から金を借りていて、何年も返していなかった。そこに取り乱した麗香がやってくる。麗香が広戸と森下を犯人と疑うと、広戸は麗香が怪しいと発言。麗香は最近別れ話で北島と揉めていたという。3人はそれぞれ北島との間にトラブルを抱えていた。  麗香は事件が起きた時、外にいたと証言する。会場で北島と会った後、ホールの側の川で待っていてくれと北島からメールが届いたという。北島がメールを送ったのは事件の起きる10分前だった。この後、廊下の自販機と壁の隙間からエメラルドがはめ込まれた大きなブローチが発見される。ブローチには、かすかに血が付着しており、それは北島の血だと判明する。麗香は自分のブローチと認めるが、昨夜、会場で準備していた北島に花束を持ってきた時に失くしたと証言する。  この後、森下は昨夜に北島が麗香に別れ話をしていた場面を見たと明かす。麗香は怒って殺害すると北島に言い放ったらしく、目暮は麗香を犯人と疑う。コナンはブローチ、麗香の白い服について考える。広戸は北島のスキャンダルを追っていた事を告白。北島には代作している人がいるという噂がたっていたという。それを聞いたコナンは北島の鉄道模型とジオラマ、そして塗料の入った箱を確認する。続けて、コナンは光彦に塗料について訊ね、森下、広戸、麗香の誰が犯人かを見破る…。

第08話
(731話)
現場の隣人は元カレ(前編)

 コナン、歩美、光彦、元太、哀はパトロール中の交通課、由美と苗子に偶然会う。2人は由美の元カレの話をしていた。その時、苗子の携帯に友人の家政婦、米原桜子(よねはらさくらこ)から着信が入る。それは勤務する家で人が死んでいるという連絡だった。コナンたちは現場となる伊丹永信(いたみながのぶ)の自宅マンションへ向かう。寝室では妻の伊丹知代子(ちよこ)がシャンデリアにかけたロープに首を吊って絶命。知代子は右腕に三角筋を巻き、足元には遺書が置かれていた。  由美は永信と桜子から事情を聞く事に。永信は1時間前に知代子と大ゲンカ。頭が冷えるまで知代子を1人にするため、永信は桜子と近所のスーパーへ買い物に出掛けたという。2人は昨晩もケンカ。その時、苗子に灰皿を投げられ、永信は左目をケガしていた。買い物の時間は30分。2人が帰宅すると、寝室の扉が閉まる音がしたらしく、桜子はその時はまだ生きていたと思うと証言する。永信は桜子と30分くらい世間話をした後、寝室に入って遺体を発見したらしく、由美は自殺と判断する。  だが、コナンは遺書の不審な点に気付いて事件の可能性を探る。遺書は机の上にある手帳を千切ったものだが、千切れ目は合っていなかった。不思議な事に遺書の字はかなり歪んでいて、他のメモのサインは知代子と名前のみだが、遺書だけはフルネームが書かれていた。桜子は玄関の鍵はかかっていた証言。合鍵は永信、知代子、桜子、息子の伊丹靖家(やすいえ)の4人が持っているという。1階ポストに予備の鍵を入れているらしく、桜子は隣の住人がポストのダイヤル番号を知っている事を思い出す。  苗子が隣人から話を聞こうとすると由美は激しく動揺。隣人の羽田秀吉(はねだしゅうきち)は由美の元カレだった。この後、目暮警部と高木刑事らが改めて捜査。夫婦ゲンカの原因は知代子が株にハマっている事だった。大学卒業を控える靖家の就職が決まらずにストレスも溜まっていたらしく、靖家は大学の近くで一人暮らしをしているという。続いて、目暮は遺書を確認。遺書には永信のケガの事、靖家の試験の事、姪っ子の七五三の事が書かれていた。靖家は車の免許証の学科試験を控えているという。  桜子は寝室の前に知代子の携帯が落ちていた事を思い出し、それを聞いたコナンは何かに気付く。目暮は永信が持っていた知代子の携帯を確認するが、発信、着信履歴はなし。目暮は携帯がトリックに使われた可能性は低いと考える。この後、桜子は自殺ではないと訴える。数年前に搭乗した飛行機が墜落しそうになったが奇跡的に助かった知代子は日頃から自分の事を幸運の持ち主と話していたらしく、桜子はそんな考えの人が自殺するはずないと主張する。さらに桜子は遺書の不可解な点を目暮に伝える。コナンはその話を聞いて計画的な犯行と見破り、秀吉もコナンと同じ事を考えていた…。

第09話
(732話)
現場の隣人は元カレ(後編)

 千葉刑事は不審人物の目撃証言を目暮警部に報告する。マンション1階ロビーにいるコンシェルジュが帽子とマスクとメガネで顔を隠した不審者を目撃したという。不審者が目撃されたのは伊丹永信と家政婦の米原桜子が出掛けた後。さらに息子の伊丹靖家も永信と桜子が出掛けた後にマンションに来ていた事が明らかになる。この後、元太、光彦、歩美、哀は扉の覗き穴から永信の部屋を覗いていた不審者を連れてくる。その不審者は教習所にいるはずの靖家だった。  教習所をサボり、欲しい車のカタログを見せに来たという靖家は母の伊丹知代子が他界したと知って動揺。靖家は部屋の呼び鈴を鳴らしても返事がなかったから、その辺で時間を潰していたと証言する。この後、コナンは携帯のバイブが鳴っていると言って皆の携帯をチェック。永信、靖家、そして知代子は同じ機種の携帯を使っていた。コナンは寝室の前に落ちていた知代子の携帯を見つけた時の状況を桜子に確認。携帯を見つける前に寝室の扉が閉まる音が聞こえてきたという桜子は寝室以外の扉はみんな少し開いていたと証言する。  目暮はスーパーで買い物した時の状況を永信に訊ねる。永信は桜子が買い物中、喫煙スペースにいたらしく、目暮は永信のアリバイはないと判断する。高木刑事は隣人で由美の元カレの羽田秀吉のアリバイを確認。秀吉は出掛けていて、帰宅後すぐに婦警が来たと証言する。高木はどこで何をしていたのか訊ねるが、秀吉は言えないと答えようとしない。由美は容疑者として疑われている状況を秀吉に伝えて答えるように促すが…。コナンは犯人の目星をつけ、あるモノを探して欲しいと歩美たちに指示を出す。  この後、遺書の筆跡鑑定の結果が出る。遺書を書いたのは間違いなく知代子本人だった。そして、スーパーの防犯カメラに頻繁に映っていた桜子のアリバイは証明され、容疑者はアリバイのない永信、靖家、秀吉の3人に絞り込まれる。多少不可解な点はあるものの、目暮は知代子が遺書を書いた事から自殺したと判断。だが、コナンは自殺ではなく、知代子は殺害されたと反論。そしてコナンは誰が犯人かに気付いている秀吉を促し、秀吉は自身の推理を披露する。この事件を解決する上で重要なのは乱れた字で書かれた遺書だった…。

第10話
(733話)
披露宴と二つの銃声

 コナン、蘭は新郎と知り合いの園子に誘われ、森の教会で行われた畠山財閥当主の畠山優(はたけやままさる)と伊藤美帆(いとうみほ)の結婚式に出席する。夜には畠山家別荘で披露宴も行われる。園子によれば、優が別荘の管理をしていた美帆に一目惚れして結婚したという。披露宴には優の母、畠山木綿子(ゆうこ)、姉の石原理香子(いしはらりかこ)と夫の石原達也(たつや)、伯父の畠山健志郎(けんしろう)、従姉妹の畠山有紗(ありさ)も出席していた。  一昨日、東京の区役所に婚姻届を提出した2人。優の花婿志願だった有紗は幸せそうな2人を祝福できない。コナンはトイレに行く時に別荘管理人をしている美帆の弟、伊藤善文(よしふみ)と話をする。美帆と善文の両親は事故で他界。善文は幸せそうな美帆を見て感極まっていた。この後、美帆は疲れてしまい、宿泊するホテルのコテージに戻る。しばらく後、美帆から電話をもらった優は席を立つが…。コックの1人は駐車場に倒れた優を発見。優は胸を拳銃で撃たれて絶命していた。  その時、川の向こう側から「パーン」という乾いた音が聞こえてくる。コナンがスケートボードに乗って音がしたコテージに向かうと、そこでは胸を撃たれた美帆が絶命していた。駆け付けた目暮警部たちは捜査を開始し、翌朝にはホテル前の花壇で拳銃が発見される。拳銃は2人の殺害に使用したモノだった。コナンは周辺にない竹の枝が拳銃の近くに落ちていた事が気になる。  健志郎たちはホテルの一室に集まり、優の遺産について話し合う。優が先に他界した時点で全ての財産は美帆のものだが、美帆も亡くなったため、遺産は善文が相続する事に。  目暮は集まっている健志郎たちから話を聞く。目暮は善文に100万円の借金がある事を調べ上げていた。善文は借金を認めるが、事件に関与していないと訴える。コナンは千葉刑事と共にホテルの防犯ビデオを確認。だが、犯行時刻に花壇に近づいた人物は映っていなかった。この後、コナンはホテルの人に昨晩の事を訊ね、ホテルの人は何者かが美帆のコテージから出て行く姿を見たと証言する。それは優の遺体が発見される30分も前の事だった。  この後、コナンは別荘から少し離れた場所にある竹林へと移動し、ホテルとの位置関係を確認する。コナンが頭上を見上げると、数匹のサルたちが竹の枝から枝へと飛び移っていた。コナンは別荘に戻り、警官の1人にこの辺にいるサルの事を聞く。サルはいくら追っ払っても山から下りてくるという。それを聞いたコナンは推理を巡らせて事件の真相へと近づく…。

第11話
(734話)
ジョディの追憶とお花見の罠

 コナンと歩美、光彦、元太、哀、阿笠博士はたくさんの花見客たちで賑わう神社にやってくる。阿笠は花見の場所を取りに行き、コナンたちはおみくじを引きに行く。そして、くじを引いたコナンたちは杖をつく花見客の坂巻重守(さかまきしげもり)に声をかけられる。坂巻は良いくじを引いた時は結ばずに持ち帰った方が良いと教える。この後、コナンたちは花見に来たFBI捜査官のジョディと偶然会う。  コナンはジョディを皆から離れた場所に連れて行き、ベルツリー急行の時に見た赤井秀一は黒ずくめの組織のバーボン(安室透)の変装だったと教える。ジョディが落ち込んでいると、そこにマスクをした弁崎桐平(べんざきとうへい)がやってくる。弁崎は銀行強盗の時、ジョディと一緒に人質になった1人だという。弁崎はあの時、隣にいた男性(赤井)は彼氏かとジョディに訊ねる。弁崎は2、3日前に赤井を見かけたらしく、ジョディはどこで見かけたのかを聞き出そうとする。  その直後、周辺に「スリがいる」という声が響き渡り、雑踏から花見客の矢谷郁代(やたにいくよ)が走り出してくる。ジョディは倒れた矢谷を助け起こす。矢谷は自分のカバンに手を入れている人に気付いて慌てて逃げてきたという。この後もジョディは赤井がどこにいたのか、弁崎から聞き出そうとする。だが、弁崎が風邪で朦朧として記憶が定かではないと答える。コナンはベルツリー急行の時にバーボンが赤井の死を確信したにもかかわらず、また赤井に成りすましている事を不思議に思う。  その頃、元太、光彦、歩美は本殿で参拝していた。その時、花見客の段野頼子(だんのよりこ)は鈴の鳴らし方を元太たちに教える。鈴は神様に自分が来た事を知らせるためにいっぱい鳴らした方が良いという。この後、コナンの携帯に阿笠から電話がかかってくる。阿笠は殺人事件を目撃してしまったと助けを求め、コナンは野次馬でごった返すトイレ裏の現場へと向かう。現場は木陰だったため、阿笠が見たのは犯人のシルエットのみ。犯人は30センチくらいの棒で被害者を何度も殴っていたという。  コナンが現場に駆けつけると、そこでは頭を殴打された矢谷が絶命していた。矢谷の手元には黒く塗られた3枚の5円玉が転がっていて、コナンはスリ師の黒兵衛の5円玉と気付く。スリ師として有名な黒兵衛はお金をスった相手の懐に黒い5円玉を3枚忍ばせる事で知られていた。ジョディは黒兵衛が犯人と考えるが、矢谷の財布には黒い5円玉がビッシリ入っていて、コナンは矢谷が黒兵衛本人だと確信。財布には輪ゴムで留めた札束が入っていて、札束を解くと中にはGPS発信機が隠されていた。この状況から、コナンは矢谷に札束をスラれた被害者が矢谷を殺害したと推理する。  現場に駆け付けた目暮警部は目撃者の阿笠から話を聞く。阿笠は犯人が帽子をかぶり、30センチくらいの細い棒を持っていたと証言する。犯人は立ち去る時、少し足を引きずっていたという。目暮と高木刑事はこれだけの情報で大勢の花見客の中から犯人を見つけ出すのは難しいと考える。一度も捕まった事がなく、誰にも顔がバレていなった黒兵衛。ジョディは犯人が発信機入りの財布をワザと黒兵衛(矢谷)にスラせ、本人を特定したと考える。そして犯人は人気のない場所に行った矢谷を撲殺したのだ。  コナンは矢谷を助け起こしたジョディも財布をスラれたと考える。コナンの予想通り、ジョディも財布をスラれていた。そしてコナンに指示された光彦たちは神社のゴミ箱に捨てられた財布を発見。結局、ゴミ箱からは矢谷が捨てたと思われる青いモノ、黒いモノ、布製のモノ、赤いモノ、4つの財布が見つかる。青い財布はジョディのもので、目暮はジョディも容疑者の1人と判断するが、元太たちはジョディとずっと一緒にいたと無罪を主張。容疑者は残りの3つの財布の持ち主に絞り込まれる。  この後、入っていた免許証から黒い財布は弁崎のものと判明。布製の財布にはプリクラが貼られていて、それを見た歩美は段野が持ち主だと訴える。赤い財布には小吉のくじが入っていて、光彦はこの財布を坂巻が持っていたと証言する。現場に黒い5円玉が3枚落ちていたため、コナンはこの黒い5円玉を持っていない人が犯人と推理する。目暮たちは弁崎、段野、坂巻の3人を見つけ出して話を聞く事に。目暮は黒い5円玉を持っているかを3人に確認。だが、予想に反して3人とも黒い5円玉を持っていた。  3人は自分がスリに遭った事に気付いていなかった。目暮は事情を説明し、3人が矢谷殺害の容疑者になっていると伝え、所持品と携帯を調べる。警官が3人の持ち物を調べている間、阿笠は3人の中に犯人っぽい人がいないかを確かめる。だが、これといった決め手を見つける事はできない。そして3人のボディチェックが終了。結局、凶器の棒は誰も持っておらず、坂巻が持っている杖も凶器として使われた痕跡はなし。3人の携帯には発信機を追跡するアプリも入っていなかった。  この後、境内を調べていた刑事の1人が犯人の物と思われる帽子とコートを発見する。コートには返り血が付着していた。コートと帽子は花びらで覆うように隠してあったらしく、目暮は凶器も探し出せと高木刑事と千葉刑事に命じる。コナンは歩美と哀の何気ない会話から犯人の凶器が何なのかに気付く。そして事件の真相に辿り着いたコナンは変声機を使い、阿笠として事件を解明する。コナンは凶器のトリックを暴き、徐々に犯人を追い込んでいく。犯人はまだ凶器の一部を隠し持っていた…。

第12話
(735話)
暗号付きの招待状

 毛利探偵事務所に会社事務員、北坂香織(きたさかかおり)がやってくる。香織は上南大学推理研究会のOG。この日4時から同じ研究会のOB、OGの結婚を祝うパーティーが開かれるが、招待状に書かれた案内図の判じ絵が解けずにパーティー会場がわからないという。香織は判じ絵を解いて会場の場所を特定してほしいと小五郎に依頼する。案内図は川面に甲を上にして指を開いた状態の女性の左手をかざした絵が描かれていた。小指は黄、結婚指輪をはめた薬指は緑、中指は青、人差し指は赤に塗られ、色が付いてない親指の爪の所に会場を示すマーク。隅には1:7000と数字が書かれていた。  元々推理が苦手な香織。入会した時も文章から「た」の字を抜いて読む「タヌキの暗号」しか解けなかったという。小五郎はこの4色を電車のラインカラーと推理。黄の総武線、緑の山手線、青の京浜東北線、赤の中央線が並んで走る場所の親指の爪の位置に会場があると考える。そして1:7000は7000分の1の地図と解釈。小五郎は用意した地図に手を置いて親指の位置を確認する。そこは大学のホールがある神田小川町2丁目だった。コナンは小五郎の手が丸まっている事が気になったが、香織は小五郎に感謝して事務所を後にする。帰り際、コナンは香織がバッグに何か硬いモノを入れている事に気付く。  この後、コナンは夏休みの宿題の工作を作るため、歩美、元太、光彦、哀が集まる阿笠邸に行く。光彦は東都ベルツリータワーを紙で作ろうと提案。コナンはタワーと周辺の街並みを思い浮かべ、案内図が本当は何を意味しているかに気付く。コナンは事務所に急いで戻って小五郎と蘭に案内図について説明する。描かれていた川は隅田川で、4つの色は黄の蔵前橋、緑の厩橋、青の駒形橋、赤の吾妻橋という橋を示したもの。この案内図が示す本当の会場は東都ベルツリータワーだった。  小五郎は香織に電話して本当の会場を知らせる事に。だが、彼女が調査依頼書に書いた自宅の番号はウソだった。小五郎は香織の携帯の方に電話して本当の会場を教える。香織は大学のホールが会場じゃなくて困っていたという。コナンは携帯だけ本当の番号を書き、自宅はウソの番号を書いた事が引っかかる。この後、蘭は香織が自宅の番号を書いた時、最後の数字を書く時に躊躇していた事を思い出し、コナンは最後の数字だけウソと見破る。コナンは最後の数字だけ1つ前の番号にして電話し、香織の母親、北坂敬子(けいこ)が電話に出る。香織の自宅には何故か佐藤刑事と高木刑事がいた。小五郎はコナンと電話を代わり、香織の自宅にいる理由を佐藤に訊ねる。佐藤の話を聞いたコナンは香織が何のために結婚パーティーに行くかに気付き、急いでベルツリータワーへ向かうが…。

第13話
(736話)
毛利小五郎像の秘密

 探偵好きの資産家、片岡英介(かたおかえいすけ)の自宅に招待された小五郎、コナン、蘭。英介は小五郎の銅像を作る程、小五郎がお気に入りだった。仮面、マントをつけて怪盗Kに扮した英介は30分以内に私を捕まえてみろと小五郎を挑発し、広い敷地で鬼ごっこが始まる。この鬼ごっこに使用人の佐田譲(さだゆずる)も参加するが、妻の片岡由梨江(ゆりえ)、息子の片岡聖也(せいや)は参加しなかった。この後、小五郎、蘭は怪盗Kを追って袋小路へ向かうが、行き止まりで姿を消した怪盗K。コナンは壁の時計が変だと指摘する。時計の長針と短針もおかしな事に同時に6を指していた。  蘭は試しに針を動かし、隠されたボタンを発見。ボタンを押すと石畳の一部が動いて地下道の入口が出現する。その上にいた小五郎は地下へつながる階段へ転落し、そこには怪盗Kが潜んでいた。怪盗Kは小五郎を突き飛ばして地下道を逃げて行く。佐田は出口に先回りし、コナン、蘭と挟み撃ちにする事に。だが、佐田は怪盗Kにかわされてコナンと蘭に突っ込んでしまう。その間に怪盗Kは本邸の裏庭へと逃げ、佐田はもう一度挟み撃ちにしようと言ってコナン、蘭と別の方へ。この後、自転車に乗った怪盗Kが裏庭から飛び出してきて、コナンと蘭は慌てて避ける。その時、コナンは怪盗Kを見て違和感を抱く。怪盗Kは逃げる時にささくれ立った柱にマントを引っ掛け、マントの端が破けてしまう。  この後、再び地下道へと逃げた怪盗Kは出口から地上へ。コナンと蘭も跡を追って地上に出ると、佐田の声が聞こえてくる。小五郎の銅像の傍らに倒れた佐田は怪盗Kが本邸の方へ行ったとコナンたちに伝える。そして5時55分、本邸の方から怪盗Kの叫び声と派手な金属音が聞こえてくる。裏庭には倒れた怪盗K姿の英介、そして傍らには倒れたハシゴ。聖也、小五郎、由梨江も現場に駆けつけるが、英介はすでに息絶えていた。現場に駆け付けた目暮警部と高木刑事は捜査を開始。小五郎は叫び声とハシゴが倒れる音がした5時55分に英介は亡くなったと判断する。目暮は現場の状況から英介がバランスを崩してハシゴから転落した事故と考えるが、コナンは英介の顔にある痣が引っかかっていた。  由梨江は後妻で、聖也は英介と病死した前妻の間に生まれた子供。聖也は母が他界したのは英介の責任と考えていたという。コナンは事故にしては不審な点があると考える。直前まで走っていたのに遺体は汗をかいていなかったのだ。この後、コナンは小五郎の銅像の鼻が欠けている事、さらに本物の小五郎と違い、銅像のヒゲが繋がっている事に気付く。小五郎が試しに銅像を動かすと、隠し穴が出現するが、穴には何も入っていなかった。その時、コナンはバスケットボールと戯れる迷い猫を見て何かを閃く。そしてコナンは英介が事故に見せかけて殺害された事を見破って…。

第14話
(737話)
疑惑の散歩道(プロムナード)

 朝、コナンと元太、光彦、歩美、哀が公園で浅川信平からフリスビーを教わっていると、信平の祖母、浅川香奈恵が犬の松之助を連れてやってくる。犬はコナンの服を汚し、香奈恵はキレイにすると言ってコナンの服を預かる。この時、コナンは香奈恵と信平の会話から香奈恵が信平にお金を貸している事、香奈恵が散歩後に朝食を食べる事を知る。数日後の午後、コナンたちが香奈恵の家に服を取りに行くと、そこに広田智子がやってくる。智子と香奈恵は犬友達で、松之助の兄弟を飼っているという。  コナンは犬小屋にいる松之助が睡眠薬で眠らされている事に気付き、何かあると察してリビングへ向かう。そこでは胸にナイフが刺さったコート姿の香奈恵が絶命していた。その時、騒ぎを聞いた隣人の北沢宗吉もやってくる。この後、目暮警部、高木刑事が捜査を開始。智子は香奈恵から借金をしていて、北沢は犬の鳴き声がうるさいと香奈恵に文句を言っていた事が明らかに。この後、香奈恵が午前8時頃から犬の散歩をしていた事が判明。散歩は約1時間で、目暮は9時位に帰宅後、殺害されたと考える。  目暮は9時のアリバイを聞き、北沢は知人と将棋をしていたと証言。智子は花屋に花を届けてもらい、一緒にアレンジメントをしていたという。コナンは現場の状況を確認する。キッチンには食べかけの惣菜を載せた皿。ゴミ箱にはクリーニングの領収書があり、香奈恵はコナンの服と一緒にコートも出していたと判明。クリーニングのビニールと領収書の下には惣菜のパックが捨てられていた。ゴミを捨てた順番では香奈恵は朝食の後にコートを着て散歩に行った事になるが、コナンはこの順番に疑問を抱く。  この後、鑑識が血の付いた信平のバンダナを発見する。さらに近所の主婦が9時過ぎに若い男が家から出てきたと証言。智子によれば、この日、信平は香奈恵にお金を返しに来る予定だったという。目暮は証拠や証言から信平が犯人の可能性が高いと判断する。香奈恵の家を出たコナンたちは公園に隠れた信平を発見。信平は香奈恵を殺害していないと無実を訴える。バンダナは誰でも盗めるアパート1階の窓の外に干していたという。この後、信平は警官に見つかって連行されてしまう。  コナンは現場のおかしな点を光彦たちに伝える。普段は散歩後に朝食を食べる香奈恵。だが、ゴミを捨てた順番では朝食の後に散歩に行った事になり、コナンは誰かが現場を偽装したと推理する。コナンたちは北沢と智子のアリバイを独自に調べる事に。北沢家では北沢と津村が縁側で将棋をしていた。津村は朝6時から将棋をしていると証言する。光彦と歩美が花屋へ行くと、花屋は8時30分に智子の家に花を届けたと証言。午前中は智子と一緒にアレンジメントをしていたという。さらにコナンたちは香奈恵と犬の散歩コースで聞き込みを行い、犯人の巧妙なアリバイ工作が徐々に明らかになっていく…。

第15話
(738話)
小五郎はBARにいる(前編)

 バーテンダーの福井柚嬉(ふくいゆずき)から仕事の依頼をされ、バー「ブルーパロット」にやってきた小五郎。コナンは蘭に頼まれ、バーに小五郎の様子を見にいく。柚嬉は仕事中にポンという変な音を2、3度聞いたらしく、その謎を解いて欲しいと依頼する。その音と共にかすかに柚子のような香りもしたという。柚嬉は音がした時、ワインやシャンパンを飲んでいる人はいなかったと伝える。  音がした時にいた客はこの日も来店していた。その客はテーブル席にいる部長の薄田周史(うすだちかふみ)と部下の岸浦実夏(きしうらみか)、初村健策(はつむらけんさく)、小暮紋平(こぐれもんぺい)の4人。薄田たちはアナログカメラで記念撮影をしていた。デジタル嫌いの薄田はデジタルが得意だったが、引きこもりになって自殺した元部下、吉桑の事を小バカにする。吉桑は実夏の元恋人だった。  初村は買ってきてと頼まれていたビリヤードのキューを薄田に渡す。薄田は自分への誕生日プレゼントとしてキューを半ば強引にもらってしまう。薄田は同じように実夏からカメラのフィルムとアイドルのサイン入りポスター、小暮からケース入りの金属製ハードダーツを誕生日プレゼントとして受け取る。そして、薄田はビリヤード台が空くと新しいキューを試し打ちする。  しばらくすると薄田はテーブルに突っ伏して寝出し、小暮、初村、実夏は高級な品を買わされた事を愚痴る。そして3人はシャンパンを注文してボトルの栓を抜く。シャンパンの泡は勢いよく噴き出してポスターにかかり、3人は慌てておしぼりで噴き出たシャンパンを拭く。その時、初村は薄田の首にできた赤い点に気付く。薄田は突っ伏したまま息絶えていた。死因は神経毒による窒息死で、鑑識員は毒を塗った突起物を首に刺されたと考える。  目暮警部は誕生日プレゼントを無理矢理買わされた3人の中の誰かが薄田を恨んで殺害したと疑う。コナンは話が聞こえてきたと言って吉桑の事を聞き、実夏は恋人だったと認める。初村は大学時代の吉桑の先輩で、小暮は吉桑と同期入社だったという。3人は薄田が酔い潰れるまで一緒にビリヤードやダーツをしていたという。酔って他の客と揉めた薄田は酔いがさめるまでテーブルで休憩。しばらくは3人でビリヤードやダーツをやり、負けたら交代で薄田とテーブルで休んでいたという。  誰もが薄田とテーブルで2人きりになる機会があり、コナンは皆に犯行のチャンスはあった判断する。この後、目暮は3人の所持品を調べ、ダーツの矢と水割りを作る時に使うアイスピックは凶器になると考える。コナンはシャンパンで濡れたポスターに注目。ポスターの濡れた部分からは柚子の香りがした。コナンは3人の所持品や柚子の香りから推理を巡らせて…。

第16話
(739話)
小五郎はBARにいる(後編)

 バーテンダーの柚嬉から仕事中にポンという音がして、その直後に柚子の香りが漂うという奇妙な謎を解いて欲しいと依頼された小五郎。そして、小五郎が依頼を受けた後にバーで客の薄田が毒殺される事件が発生する。容疑者は薄田と一緒に飲んでいた会社の部下の実夏、初村、小暮の3人。小五郎はダーツの矢を持ってきた小暮とアイスピックで水割り用の氷を砕いていた実夏を怪しいと疑うが…。  鑑識の結果、ダーツの矢とアイスピックには毒物を塗られた痕跡がなく、血液反応も出なかったと明らかになる。実夏、初村、小暮は凶器や毒物を所持しておらず、目暮たちは凶器や毒物を見つけるため、店内をもう一度調べ直す事に。コナンはふと天井を見上げ、モールの切れ端が貼り付いている事に気付く。小五郎はテーブルの下を調べ、柚嬉は小五郎の靴底に付いたガムのようなモノに目を留める。  この後、コナンは天井のモールの切れ端の事を柚嬉に訊ねる。このモールは先週行われたパーティーで使ったもの。画鋲で留めたモールを外そうとして引っ張ったら千切れてしまったという。柚嬉は探偵のようなコナンに驚きつつ、下には注意が足りないと言って、小五郎の靴底に付いたガムの事を教える。少し前に遺体のそばで屈んだ時は付いていなかったらしく、それを聞いたコナンはこのガムのようなモノが事件の証拠品だと気付く。  高木刑事はコナンに言われ、小五郎の靴底に付いたモノを取る。それはガムではなく粘土だった。粘土には逆向きのアルファベットで「EPDH」と型取りされていて、コナンは元の文字は合成樹脂を意味するHDPEだと気付く。型取りされた文字の上には突起状の盛り上がりがあり、コナンは何の底に粘土を付けていたか目星をつける。この後、コナンは柚嬉の何気ない一言から犯人が薄田を殺害したトリックを見破る。凶器は消えたのではなく、犯人があるモノを利用して大人たちの視界から外したのだ。コナンは小五郎に麻酔銃を発射し、眠りの小五郎の推理ショーが始まる…。

第17話
(740話)
蘭も倒れたバスルーム(前編)

 コナンと蘭は妃英理と待ち合わせした神奈川のマンションのロビーで世良と偶然会う。世良は大学生の北尾留海(きたおるみ)から彼氏の摂津健哉(せつつけんや)の浮気調査を依頼され、ロビーにいる2人を監視していた。留海と摂津は半年前から交際。留海はプレイボーイの摂津が元カノの橋谷和香(はしたにわか)と切れていないと疑っていた。この後、打ち合わせが長引いていると英理から連絡があり、蘭とコナンは暇になる。すると世良は潜入捜査のため、留海たちとランチを食べてほしいと蘭に頼む。  この日、留海と摂津は和香、友人の加賀充昭(かがみつあき)とランチを予定していて、蘭は留海の妹と同級生という話題から留海、摂津と合流する事に成功する。その直後、和香と朝5時まで飲んでいた加賀がロビーに現れる。和香のこのマンションにある部屋で寝ている可能性が高く、留海が和香の様子を見に行く事に。すると、摂津は返しそびれていた合鍵を和香に渡してと留海に頼む。和香の彼氏だった摂津を奪った形の留海。摂津は2人が揉める事を恐れ、一緒に行ってほしいと蘭にお願いする。  留海と蘭は和香の部屋の呼び鈴を鳴らすが応答はなし。留海は和香を起こすため、摂津から預かった合鍵でドアを開けて部屋へ入る。その時、留海の携帯に着信があり、留海は酔うと変な所で寝るクセがある和香を捜して欲しいと蘭に頼む。蘭は寝室を探した後、シャワーの音に気付いて湯気が立ち込めたバスルームへ。そこではバスタオルを巻いた和香が倒れていて、蘭は和香を起こそうとして意識を失う。  この後、コナンに起こされた蘭。留海はバスルームで和香、蘭を見つけた後、自分も気を失ったと説明。摂津は戻ってこない留海たちを心配して管理人に鍵を開けてもらい、倒れた3人を発見したという。留海は部屋に入った後に鍵をかけてしまったのだ。神奈川県警の横溝重悟警部によれば、バスルームには麻酔薬のクロロホルムが充満。顔全体にパックをした状態の和香は頭を殴られて殺害されていた。横溝はパックをとって和香の顔を確認。和香はウインクしているように左目だけ閉じていた。コナンは右目の目尻にあるマスカラが流れた痕が気になる。  留海が部屋に入る時に電話をかけてきたのは摂津。リビングにある摂津の腕時計を持ってきてほしいという要件だった。入室後、留海は左側のリビング、蘭は右側の寝室へ行ったという。横溝は寝ていた時に和香は殺害されたと推理する。合鍵を持っていた摂津、酔い潰れた和香から鍵を盗めた加賀、半年前までこの部屋でルームシェアしていた留海…。横溝は犯行後にドアを閉める事ができた3人を容疑者と考える。だが、世良は和香を殺害できたのは直前にロビーに現れた加賀と30分前にトイレに行って席を外した摂津だけだと断言。世良はここに来るまで自分と一緒にいた留海に犯行は不可能と考えるが…。

第18話
(741話)
蘭も倒れたバスルーム(後編)

 世良は和香を殺害できたのは直前にロビーに現れた加賀と30分前にトイレに行って席を外した摂津だけだと断言。世良はここに来るまで自分と一緒にいた留海に犯行は不可能と考える。そして、世良が留海に雇われた探偵という正体を明かすと摂津は不快感を露わに。留海は摂津と和香がまだ切れていないと疑っていた事を謝罪する。横溝は世良の意見を聞いて容疑者を加賀と摂津の2人に絞り込むが…。世良はもう1つの可能性があると意味深な発言をする。  コナンはリビングにある摂津、加賀、留海、和香の4人がメガネをかけた写真に注目し、なぜ今は誰もメガネをかけていないのかと訊ねる。写真は2年前のものらしく、留海は皆コンタクトにしたと理由を教える。この後、リビングのゴルフクラブが凶器と判明。キッチンの排水口からクロロホルムの小瓶と注射器、浴室の排水口から赤い絵具のような液体も発見される。コナンは留海が合鍵で部屋の扉を開けた時、手間取らなかったかと蘭に確認。その時、コナンはわざと財布から小銭を落とし、摂津と加賀に小銭を拾ってもらう。コナンはその様子を見て、事件の真相に近づく。  摂津が留海にアリバイがあるという世良の証言を疑うと、世良は留海にアリバイがあるとは言っていないと発言。世良は蘭が和香の遺体を見つけたのなら犯人は加賀か摂津と言っただけと説明し、もしも遺体が和香じゃなかったのなら話は別と付け加える。世良は蘭が見たのは和香の遺体ではないと考えていた。遺体はうつぶせで顔にパック、頭にタオルを巻き、浴室はシャワーの湯気で霞んでいた状態。別人が成りすましても気付かない可能性は十分にあった。  話を聞いていた蘭が女性だった事は間違いないと証言すると、世良は成りすます事ができるのは女性である留海しかいないと訴える。和香の部屋に入室した後、留海は左側のリビング、蘭は右側の寝室へ。世良は留海が和香に扮してバスルームへ行き、死んでいると見せかけるために頭に赤い絵具を垂らしたと推理する。そして、留海は蘭がバスルームに来る頃合いを見計らって注射器からクロロホルムを噴出。世良は留海が息を止め、蘭だけ気絶させたと推理する。  その後、留海は和香を起こしてバスルームに連れて行って撲殺。バスタオル1枚にした和香の顔にパック、頭にタオルを巻いた後、再びクロロホルムを充満させ、今度は留海自身も気絶して助けが来るのを待っていたのだ。世良の推理を聞いた留海は犯行を否定するが、クロロホルムの小瓶から留海の指紋が検出される。横溝は世良の推理が正しいと考えるが…。その時、携帯で誰かと話していた蘭が世良の推理に意見。蘭が電話で話す相手は新一(コナン)だった…。

第19話
(742話)
Jリーガーとの約束

 コナンと歩美、元太、光彦、哀は国立競技場で行われているサッカーのベルツリーカップ予選、ビッグ大阪対浦和レッズの試合を観戦する。光彦たちはサッカー教室で知り合ったビッグ大阪FWの真田貴大(さなだたかひろ)を応援。だが、真田の右足のシュートはGKにキャッチされてしまう。真田が左足でシュートせずに切り替えし、右足で打った場面は2回あり、コナンは真田が利き足ではない右足でシュートを打つ事を不思議に思う。コナンは真田が観客席を時折見ている事も気になっていた。  真田が誰かに脅され、わざとシュートを外している可能性もあり、コナンは真田に何かあるのは間違いないと考える。光彦、元太、歩美は観客席に怪しい人がいないか探しに行き、マスク、サングラスで顔を隠した峰岸康男(みねぎしやすお)を発見。峰岸の視線はピッチの真田と数席前で水沼さおり(みずぬま)と一緒に観戦する綾瀬由紀(あやせゆき)、に交互に向けられていた。その頃、コナンは東都スタジアム爆破事件の時に知り合った日売新聞社会部カメラマンの香田薫(こうだかおる)に声をかけられる。事件の時に興味を持った真田を追い続けている薫も今日の真田はいつもと違うと感じていた。  一昨日、薫は西芝スポーツ公園のグラウンドで早朝自主練する真田の写真を撮影したらしく、コナンは右足でシュート練習していたかを確認。だが、真田は左足でゴール左上に強いシュートを打つPKの練習ばかりしていたという。薫の話からも真田のプレーの謎は深まるばかりだが、コナンは西芝スポーツ公園のグラウンドの写真を見せてもらって中学時代の事を回想する。当時、新一はこのグラウンドで真田と同じようにゴール左上を狙ってPK練習。新一は枠を外れて遊歩道まで飛んで行ったボールを取りに行く。コナンは当時を回想し、遊歩道の柵越しの通りに横断歩道があった事も思い出す。  光彦たちが峰岸の観察を続けていると、一瞬、峰岸の上着の下から黒い筒状のモノが見える。それはサイレンサーを付けた拳銃のように見え、光彦は恋人の由紀を殺害されたくなかったらシュートを外せと峰岸が真田を脅していると考える。その直後、DFのクリアボールがゴール前に詰めていた真田の左足に当たってゴールしてしまう。光彦は由紀が撃たれると心配するが、峰岸が持っていたのは盗撮用の小型ビデオカメラ。峰岸は真田とは関係がなく、由紀を追い続けるストーカーだった。  この後、ハーフタイムになり、真田はピッチから引き上げる時、観客席の西芝小学校4年の渡辺幸(わたなべこう)に向かって「すまん!」という風に両手を立てる。真田と少し足を引きずる幸は無言で見つめ合い、幸の隣りにいるコンビニ店主の深沢真吾(ふかざわしんご)は2人の様子を見て表情が強張る。コナンはこの3人に何かあったと察し、それが真田のプレーに影響していると考えるが…。

第20話
(743話)
偶然は二度かさなる

 雨の中、人気のない夜道を小走りして家路に就く蘭。その時、警棒を持ち、フードを被った男が現れて背後から蘭に迫る。男はフード男と呼ばれる連続強盗事件の犯人だった。特殊警棒で女性を襲ってバッグを奪うのがフード男の特徴。被害者はいずれも軽傷で済んでいるという。そしてフード男が蘭に近づいた時、コナンと小五郎が傘を持って蘭を迎えに来る。フード男は蘭を襲う事を諦めて物陰に身を隠す。そこに橘美月(たちばなみづき)が偶然通りかかり、フード男は美月にターゲットを変更する。  この後、コナンたちが家に向かっていると、美月の悲鳴が聞こえてくる。コナンたちが悲鳴の聞こえてきた廃墟の方に行くとランニングウェア姿の若い男が倒れていた。若い男はフード男が逃げた方向をコナンたちに教えるが…。コナンは男のウェアが濡れてない事に疑問を持ち、さっきまで上にフードの上着を着ていたと推理して若い男の正体を勘繰る。この推理通り、若い男がフード男の正体だった。蘭は逃げようとするフード男に飛び蹴りを入れ、コナンたちは廃墟の中に倒れた美月を助ける。廃墟の入口にはフード付き防寒具、警棒、バッグが落ちていた。  病院で手当てを受けた美月は助けてくれたコナンたちに礼を言う。そして、美月は携帯をかけた後、不安を口にする。ルームメイトの葛城陽子(かつらぎようこ)が電話に出ないという。その時、佐藤刑事の携帯に身元不明の若い女性の遺体が見つかったと連絡が入る。コナンが陽子の服装を聞くと、美月は白いジャケットにベージュのスカートだったと説明。それは若い女性の遺体と同じ服装だった。美月はすぐに確認に行き、陽子の遺体とわかって号泣する。陽子に会ったのは今朝が最後だったという。  遺体は死後1、2時間で、死亡推定時刻は午後9時頃だった。陽子はこの近くに勤めるアパレル店員。仕事帰りに棒状のモノで後頭部を殴られていた。財布からは現金も盗まれていて、高木刑事は手口、犯行エリア、時間帯が合致している事からフード男の犯行と考える。コナンは後頭部の左側にある傷口に目を留めて推理を巡らせる。さらにコナンはジャケットの下の白いシャツにコーヒーのシミがある事に気付く。シミはスカートとの境目部分にあり、スカートのスリット部分には糸くずが付いていた。  フード男は一連の強盗事件は自供するが、陽子殺害については頑なに否認。そんな中、被害者の女性たちがフード男のいる警視庁に集められる。被害者たちはフード男が奪った財布を返して欲しいと訴え、コナンは陽子だけ財布から現金のみ奪われた事に違和感を抱く。この後、陽子のスカートに付いていたのはしつけ糸だと判明し、コナンは陽子が勤めるアパレル店の店長に電話してある事を確認。コナンは店長から届いたメールの写真を見て事件の真相に辿り着く。後は証拠を見つけるだけだったが…。

第21話
(744話)
容疑者か京極真(前編)

 コナン、小五郎、蘭、園子、世良はテニスをやるため、軽井沢にやってくるが、雨が降ってしまい、代わりにボウリングを楽しむ。そして約束していた園子の彼氏、京極真が合流した後、中学校の数学教師の門奈道子(もんなみちこ)と理科教師の正木(まさき)すなみが現れる。道子は連れの体育教師、丹波聖泰(たんばまさひろ)が酔って絡んだ事を京極に謝罪する。京極は絡まれた時に丹波のみぞおちを殴って右手の甲をケガしていた。今、丹波は酔い潰れて車の中で寝ているという。  小五郎は道子とすなみが丹波からボウリングを教わる予定だったと聞き、代わりに教えると申し出る。そして皆はボウリングに興じるが、海外から帰国したばかりの京極は小五郎が借りたレンタカーの中で仮眠を取る事に。この後、道子は丹波の様子を見に行く。だが、丹波は車から姿を消していた。小五郎は道子たちに協力して駐車場を捜すが丹波を見つける事はできない。その駐車場は小五郎もレンタカーを停めている駐車場だった。小五郎たちは飲み直していると考えて近くの飲み屋も探しに行く。  だが、何軒回っても丹波の目撃情報はなく、コナンたちはまた駐車場に集まる。この時、コナンはゴボゴボという変な音を耳にする。その直後、簡易トイレの脇にいたすなみが悲鳴を上げる。トイレでは全身びしょ濡れの丹波が便器に座って絶命していた。コナンと世良は不可解と考えるが、丹波はトイレで溺死した可能性が高かった。そこに寝起きの京極が現れ、只ならぬ雰囲気から何かあったと察する。現場に駆け付けた群馬県警の山村警部は捜査を開始。鑑識の結果、死亡推定時刻は1時間前の午後5時前後と判明する。それはコナンたちが丹波を捜しに色々な店を向かった頃だった。  すなみは最初に駐車場に丹波を捜しに来た時、簡易トイレには故障中の貼り紙があり、ドアに南京錠がかかっていたと証言。2度目に来た時は貼り紙も南京錠もなく、ドアを開けて遺体を発見したという。鑑識課員は丹波の腹部にある打撲痕に気付き、京極は絡まれて自分が殴ったと打ち明ける。山村は皆が丹波を捜している時、京極が小五郎の車で寝ていたと知ると京極に手錠をかける。山村は因縁をつけてきたという動機があり、アリバイもない京極を犯人と決め付ける。  だが、丹波の肩から犯人が使ったと思われるスタンガンの痕が見つかり、世良は空手の達人がスタンガンを使うはずがないと推理し、京極への疑いは晴れる。鑑識によれば、この辺は地盤沈下で少し傾いているらしく、その話を聞いたコナンはトイレの壁を確認する。壁には斜めに泥の跡がついていた。この後、一度やんでいた雨が再び降り出し、コナンたちはボウリング場へ避難する事に。その時、コナンはトイレの通風口がベトついている事に気付き、トイレから灯油の臭いがする事にも疑問を持って…。

第22話
(745話)
容疑者か京極真(後編)

 酔って京極に絡んだ丹波の遺体が簡易トイレから発見される。監察医から遺体の気管内に水が溜まっていたという報告があり、丹波は溺死した事がはっきりする。不可解な事に丹波はトイレで溺死したのだ。丹波は体格が良く、小五郎はスタンガンで気絶させても縛りもせずに溺死させるには2、3人がかりになると推理する。すると山村は空手の達人なら1人でも犯行は可能だと言って京極を再び疑う。遺体の下腹部にはヒモ状の圧迫痕もあったらしく、刑事の1人は犯人が遺体のベルトを掴んで運んだと推理。それには相当な腕力が必要なため、山村は京極への疑いを再び強める。  だが、山村は京極の彼女の園子から睨みつけられ、本気ではないと笑ってごまかす。この後、道子は自分の妹と丹波が結婚の約束をしていた事を打ち明ける。だが、丹波の親が結婚を反対。丹波には親同士で決めた婚約者がいたという。道子の妹と丹波は駆け落ちしようとしたが、結局、道子の妹だけ海に身を投げて入水自殺。すなみは道子の妹と同級生で親友だったという。それ以来、丹波はお酒を飲むと暴れるようになり、すなみは目を覚ました丹波が誰かとケンカをして殺害されたと考えていた。  コナンは道子たちがこのボウリング場に来た事があるかが気になって質問。妹はボウリング好きだったらしく、道子はこのボウリング場によく来ていると明かす。この後、トイレ横のゴミ箱から濡れたタオルと空き缶4つが発見される。空き缶は4つとも口の部分が焦げていたらしく、刑事の1人は中から灯油の臭いがしたと山村に報告する。それを聞いたコナンはトイレの棚の予備のトイレットペーパーの奥に何かあるか調べて欲しいと鑑識課員に頼む。コナンの予想通り、予備のトイレットペーパーを動かすと、天井が真っ黒に焦げていた。コナンは丹波を殺害したトリックを見破り、誰が犯人かにも気付く。

第23話
(746話)
怪盗キッドVS京極真(前編)

 園子は京極真を自宅に招き、父親の史郎、母親の朋子に彼氏として紹介する。園子は京極が400戦無敗の空手の達人と自慢するが、朋子はその話に興味を示さず、鈴木財閥を背負って立つ覚悟はあるのかと京極に迫る。鈴木財閥の跡継ぎになるのは園子の伴侶となる男性。だが、朋子は武者修行のために海外留学している風来坊の京極は跡継ぎに相応しくないと考えていた。その時、園子の携帯に蘭から連絡が入る。蘭は怪盗キッドが鈴木次郎吉相談役に犯行の予告状を出したというニュースの事を園子に教える。園子は「キッド様が来る」と喜び、京極はその言葉を聞いてキッドに嫉妬する。  今回、キッドが狙っているのは宝石、グリーン・エンペラー。次郎吉は怪盗キッドが最新鋭の防犯システムを突破できるかをPC上でシミュレーションする。その結果は100戦全敗だった。予告日は明日で、次郎吉は公開を延期しようと考える。その時、京極がボディーガードを倒しながら次郎吉の前に現れる。京極は自己紹介した後、キッドが狙う宝石の警備をしたいと直談判する。次郎吉は一度断るが、園子から400戦無敗と聞いて京極に警備を任せる事に決める。  次郎吉は宝石の展示室に警備を入れないようにと茶木警視に指示。次郎吉は京極を最新の防犯システムと呼び、京極1人に警備を託す事にする。園子は蘭に電話し、京極とキッドが対決する事になったと報告。園子はどっちを応援すれば良いのか迷っていた。その時、園子の前にキッドが現れる。キッドは賭けをしたいと園子に話を持ちかける。  翌日の予告日、鈴木大博物館の展示室では、京極が首からグリーン・エンペラーをかけて1人で警護していた。中森警部はキッドが停電させて暗闇になったら危ないと心配。だが、次郎吉は京極には心眼があると心配ない事を強調する。朋子はキッドの変装に対抗する秘策として、特注した世界に1着しかない女性用の洋服を用意。キッドは女性の洋服を脱がせて変装した事は1度もなく、朋子は用意した洋服を着ていれば本人に間違いないと訴える。朋子は園子と蘭の分の洋服も用意していた。  この後、園子は今朝ポストに京極宛てのキッドからの手紙が入っていた事を皆に報告する。京極は封筒を開けるが、中に入っていたのは白紙だった。コナンは炙り出しの手紙と推理し、中森がライターで白紙を炙ってみる。すると「いざ尋常に勝負」と京極を挑発する文字が浮かび上がり、コナンはこの手紙の意図するものを考える。朋子は洋服を着替えに行こうと園子と蘭に声をかける。その時、園子は京極の拳を両手で握りながら激励し、京極は宝石を守り抜くと約束する。その間にもキッドが予告した午後10時は刻一刻と迫っていた…。

第24話
(747話)
怪盗キッドVS京極真(後編)

 鈴木大博物館の展示室で首からグリーン・エンペラーをかけてキッドを待つ京極は昨晩の事を回想する。昨晩、朋子は宝石を守り通せたら園子との交際を認めると京極に約束。だが、キッドに奪われた時は園子の事を諦めてもらうと京極は言われていた。この後、博物館にキッドから100通くらいの大量の手紙が届く。封の中にはまた白紙が入っていて、中森と京極は最初の手紙と同じように炙り出しと判断。京極はライターで炙っていたら時間がかかるため、ロウソクと燭台を用意してほしいと中森に頼む。  京極たちは手紙を炙るが、どれも大した内容ではなかった。京極を動揺させるためのものか、もっと別の目的があるのか、コナンはキッドが大量の手紙を送ってきた目的を推理する。この後、蘭、園子、朋子が世界に1着しかないドレスに着替えて戻ってくる。キッドは女性の洋服を脱がせて変装した事は1度もなく、このドレスを着ていれば本人に間違いないという証明になるのだ。  予告時間の5分前、京極は展示室から退去してほしいと皆に伝える。そして京極は防毒マスクを被り、これから展示室に入った者はいかなる人も敵と見なして制圧すると皆に忠告。次郎吉、中森、機動隊員たちは京極の殺気に恐ろしさを感じる。皆は廊下へ出て行き、園子はトイレへ行くと言って走り去る。コナンはキッドの手紙を持つ機動隊員に声をかけ、その手紙は博物館の事務所に郵便局の人が届けに来たのかと訊ねる。園子は郵便配達人から手渡しされたと話していたという。  コナンは手紙を調べて何かに気付く。その時、館内の電気が消える。時刻はキッドが予告した午後10時になっていた。そして暗くなった廊下の奥からいつくものボールが転がってくる。そのボールは真っ二つに割れると麻酔ガスが噴出。その直後、どこからかトランプ銃が放たれ、機動隊員たちのマスクに命中。マスクが外れた機動隊員たちは次々に倒れ、コナンは口と鼻を押さえながら落ちたマスクに手を伸ばすが…。その頃、暗闇の中で京極が宝石を守っていると、そこに園子が現れて…。

第25話
(748話)
本庁の刑事恋物語(告白)

 佐藤刑事は高木刑事を呼び出し、アレがないと恥ずかしそうに報告する。アレとは捜査一課の赤いバッジの事だったが、高木は佐藤が妊娠したと勘違いする。その時、手配中の被疑者の目撃情報が入り、佐藤と高木は現場に向かう。コナンは元太、光彦、歩美、哀と共に公園に向かうが、元太たちはゲームの話題で盛り上がり、予定を変更してコンビニにゲームの攻略本を読みに行く事に。途中、ガードレールに花束を手向ける男がいて、コナンは花がハナトラノオという事が引っかかる。  元太たちがコンビニで攻略本を立ち読みしていると、隣のクラスの真壁則也がゲーム内のレアアイテムを持っていると声をかけてくる。元太たちがそのアイテムを見たいと頼むと、則也は元太たちをアパートに連れて行って良いかと大学院生の志賀敏成に確認。敏成は先ほど花束を手向けた男だった。この後、コナンたちは車に乗せてもらい、敏成が住むボロボロの木造アパートへ。敏成は車を停めに行き、則也はコナンたちを先に敏成が住む3号室に案内。この時、コナンはアパートの廊下で異臭に気付く。  敏成がこの部屋に引っ越してきたのは1ヵ月前。則也にとって敏成は従兄弟のお兄ちゃんだった。則也は母親が海外にいる父親に会いに行ったため、1週間ほど敏成の部屋に泊まっているという。敏成の姉は半年前に交通事故で他界。先ほど敏成が花を手向けていたのは事故現場だった。則也は敏成の姉の写真を収めたアルバムをコナンに見せる。この時、コナンは写真の目線が変な点、写真の上の方に小さい穴がある事が引っかかる。この後、敏成の叫び声が廊下から聞こえてくる。コナン駆け付けると、隣の4号室ではフリーターの安富裕人が胸と腹を刺されて事切れていた。  コナンは壁のボードに貼られている写真に注目。ボードの日焼け跡と写真は微妙にズレていた。コナンは3、4号室の状況から敏成を犯人と疑う。駆け付けた佐藤と高木は捜査を開始。第一発見者の敏成は駐車場に車を停めて、3号室に戻る時に異臭がする4号室のドアを開けて遺体を発見したと証言する。裕人の死亡推定時刻は昨日8月13日の午後7時から9時の間。その時間、則也は敏成とテレビで放送された仮面ヤイバーの映画を見ていたと証言する。敏成は昨日の夕方、則也と一緒にコンビニに行って安富を見かけたと明かし、則也はコンビニで買った新聞の日付も13日だったと証言する。  映画を見た前後の時間はずっと敏成と一緒にゲームをしていた則也。2人が離れたのは敏成が出掛けた今朝の7時頃だけ。その時も則也はヘッドホンをしてゲームをしていたという。この後、敏成が買ったハナトラノオの話題になる。この花の花言葉は「望みの成就」「達成」で、コナンは何か願い事が叶ったのかと敏成に聞く。コナンは動揺する姿を見て、敏成が安富を殺害したと確信するが…。

第26話
(749話)
本庁の刑事恋物語(真相)

 佐藤は敏成の部屋のゴミ箱を調べ、8月13日製造のお弁当、8月13日の新聞を見つける。高木はコンビニに行って防犯カメラの映像を確認。敏成の証言通り、8月13日の午後6時頃、カメラには安富の姿、そして敏成、則也の姿が映っていた。高木はコンビニの傍にあるフラワーショップの前の道で半年前に交通事故があったと佐藤に報告する。女性が急に道に飛び出してきて、車は避けきれずに女性を轢いた後、ガードレールに激突。運転手は一命を取り留めたが、轢かれた女性は車の下で誰にも気付かれず、手当てが遅れたために亡くなってしまったという。  この事故の時、コンビニ店員は現場から走り去る安富の姿を目撃。しかも事故で亡くなったのは敏成の姉の美伽だった。敏成は姉が事故に巻き込まれた事を認め、現場に毎日花束を供えていると明かす。コナンは美伽がストーカーに悩んでいなかったかと訊ねて探りを入れる。敏成はそんな話聞いていないと答えつつも動揺し、コナンは敏成が安富を殺害した犯人と改めて確信。だが、敏成には犯行時刻の8月13日の午後7時から9時までの2時間、ずっと則也と一緒にいたという完璧なアリバイがあった。  この後、コナンは則也の足につねったような跡がある事に気付き、昨夜見た仮面ヤイバーの映画について質問。コナンの思った通り、則也は尿意を我慢して映画を見ていた。それを聞いたコナンはゴミ箱に捨てられた新聞を確認する。思った通り、8月12日の新聞だけなく、コナンは敏成が時間を捻じ曲げてアリバイを作り出したトリックを見破る。佐藤と高木はアパートの他の住人からも話を聞こうとするが、このアパートは来年には取り壊す予定になっていて、他の住人は2階の老夫婦しかいなかった。その老夫婦も昨夜は孫の家に泊まっていて不在だったという。  コナンは哀に皆を阿笠博士の家に連れて行ってほしいと頼む。そして元太、則也たちが敏成の部屋から出て行った後、コナンは来年取り壊されるアパートに引っ越した理由を敏成に訊ねる。敏成は一緒に住んでいた姉が亡くなったから気分をガラッと変えたかったと答える。コナンが調理用具や生活用品が揃っていない事を指摘すると、敏成はもうすぐ買い足すつもりだったと言い訳。すると、コナンはてっきり安富を殺害したらすぐ引っ越すつもりだからだと思ったと核心をつく。佐藤と高木が驚く中、コナンは敏成の巧妙なアリバイトリックを暴いていく…。

第27話
(750話)
海に裏切られた男

 コナン、元太、光彦、歩美、哀は阿笠博士と共に海に遊びにやってくる。元太、光彦、歩美が寝ているコナン、哀を置いてヨットハーバーへ来ると、そこには大型クルーザーが停泊していた。そこにホテルのコックが豪華な料理を運んでくる。元太たちが料理に羨ましそうに眺めていると、クルーザーの船室から子犬のコロを抱いた滝口奈央と滝口幸太郎が現れる。奈央たちは元太たちに気付き、クルーザーで一緒に食べようと誘う。その頃、起きたコナンと哀はいなくなった元太たちを捜していた。  そして、コナンと哀はクルーザーの甲板で料理をがっつく元太たちを発見。コナン、哀も奈央に誘われて料理をご馳走になる事に。55歳の幸太郎と34歳の奈央、歳の離れた2人は半年前に結婚。幸太郎は仕事が忙しく結婚に縁がなかったという。泳ぎの話題になると、幸太郎はこの歳までカナヅチだったが、自宅のプールで特訓して泳げるようになったと嬉しそうに語る。奈央はタブレット端末を取り出し、幸太郎が泳ぎの練習をする映像を皆に見せる。最初、幸太郎はビート版を持ってバタ足の練習をしていたが、最後は颯爽とクロールを泳いでいた。この時、コナンはコロの首輪がさび付いている事に気付く。  この後、コナンたちは阿笠がいる海水浴場に戻り、海に入って遊ぶ。すると幸太郎のクルーザーが港を出てコナンたちの正面の沖で停まる。幸太郎はコナンたちに手を振った後、海パンになって海面へと飛び込む。だが、幸太郎はクルーザーから10m程離れた場所で溺れ出し、コナンたちは泳いで助けに向かう。奈央も溺れる幸太郎に気付いて海に飛び込むが…。この後、コナンたちは幸太郎が搬送された病院に向かうと、そこでは幸太郎の会社の秘書室長の片桐涼一と長井刑事が話していた。  片桐は泳げない幸太郎が海に飛び込むはずがないと長井に訴え、光彦は特訓して泳げるようになったと教える。コナンは幸太郎の容態が気になって確認。幸太郎は先ほど死亡が確認されたという。片桐は奈央が財産目当てで結婚して何かしたと事件を疑い、事故かどうかしっかり捜査してほしいと長井に頼む。この後、コナンたちは警察署で奈央と再会。歩美は奈央のネックレスがない事に気付き、奈央は幸太郎を助ける時に切れて海に沈んだかもしれないと答える。  奈央は泳げるようになったとはいえ、もっと注意すべきだったと幸太郎の死に責任を感じていた。長井は幸太郎が泳げたのかを奈央に確認。奈央はタブレット端末を取り出し、幸太郎が泳げるようになった練習風景の映像を長井に見せる。この後、コナンは光彦がずっと海で撮影していたビデオカメラの映像を確認。そこには溺れる幸太郎の姿も映っていた。コナンはこのビデオカメラの映像を見て幸太郎が溺れた理由、そして事故なのか事件なのか、その真相に辿り着く…。

第28話
(751話)
招き三毛猫の事件(前編)

 コナン、元太、歩美、光彦は喫茶ポアロで店員の榎本梓が取材を受けた雑誌を見せてもらう。雑誌には梓が三毛猫の大尉を抱く写真が掲載され、説明文には大尉君と書かれていた。梓は野良猫の大尉を飼い始めたが、最初から首輪を付いていたため、飼い猫だった可能性は大。梓は雑誌を見た飼い主が自分の猫と名乗り出てくる事を期待していた。そして期待通り、飼い主を名乗る人物が現れるが…。困った事にフリーターの雨澤章吾、会社社長の益子貞司、主婦の舎川睦実と飼い主候補は3人も現れてしまう。  コナンは3人も飼い主が現れたのは大尉が特別な三毛猫だからと気付いていた。誰が本当の飼い主か見極めるため、小五郎も交えて3人から個別に話を聞く事に。梓はその間に自宅にいる大尉を迎えに行く。舎川は2ヵ月前、家族旅行の際に知人に猫を預けたと説明。知人が目を離した隙にいなくなってしまったらしく、舎川は5年前に猫と孫娘と撮った写真を見せる。コナンは妃英理から預かっている猫のゴロを離してみるが、舎川の方には近づこうとしない。安室透が大尉に去勢手術の痕がある事を伝えると、舎川は一晩入院して、抜糸まで1週間かかったと証言する。  益子は4ヵ月前の引っ越しの時にケージに入れて引っ越し業者の車に積んだが、降ろす時にケージからいなくなっていたと説明。益子は他界した妻と猫が写っている写真を持参していた。安室は益子がゴロを抱くと同時にくしゃみする姿に注目する。去勢手術の話になると、益子は妻に任せていたと証言。だが、猫がパラボラアンテナのようなモノを首に付けていた時は覚えているという。  雨澤は半年前に放し飼いにしていた猫が急に帰ってこなくなったと説明。ゴロは両手を広げる雨澤の胸に飛びつき、雨澤は猫に好かれる体質とアピールする。去勢手術の話題になると、雨澤はもらった猫だからそれ以前の事はわからないと答える。コナンは大尉がメスだとウソをついて反応を確認。雨澤は顔色が変わって自分の猫じゃないかもと言い出すが、元太たちがオスだとすぐに訂正する。  コナンはすでに3人の誰が本当の飼い主かを特定していた。この後、梓が大尉を連れて皆が集まる探偵事務所にやってくる。大尉は3人の真ん中にいる雨澤の胸に飛びつく。雨澤はやっぱり自分の猫だったと主張して大尉を連れ帰ろうとするが、コナンは咄嗟にウソをついて雨澤を呼び止める。そしてコナンは一発で飼い主がわかる方法があると言って実験を開始。それは扉の外に大尉を置き、1人ずつ歩いて扉の内側に立つという実験。猫は耳が良く、飼い主の足音をちゃんと覚えているのだ。この実験と話から特別な三毛猫、大尉の本当の飼い主が見つかり、騒動は一段落するが…。1週間後、コナンたちが飼い主に呼ばれて大尉に会いに行くと、飼い主はマンションの部屋で頭部から血を流して倒れていた…。

第29話
(752話)
招き三毛猫の事件(後編)

 大尉の飼い主は会社社長の益子だった。三毛猫のオスは染色体異常で1000匹に1匹の割合しか生まれず、稀少価格から2000万円の値がつく事もあるという。1週間後、コナンたちは益子に呼ばれて大尉に会いに行く。マンションの益子の部屋の前では隣の住民と管理人が話していた。益子の部屋から変な音がしたらしく、管理人は合鍵を使ってドアを開ける。ドアにはロックがかかっていて、ドアの隙間から大尉が出てくる。大尉の脚には血が付いていて、コナンたちは何か起きていると判断する。  コナンは毛糸、クリップなどを使ってドアロックを解除して部屋の中へ。寝室では益子が頭から血を流して倒れていた。ベッドの掛け布団の上にイスが倒れていて、ベッド横のサイドテーブルの角には血痕。壁際に新しい蛍光灯の箱があり、その前に割れた蛍光灯の破片が散らばっていた。益子は手術を終えたが意識不明だった。駆け付けた佐藤刑事、高木刑事は現場の状況から蛍光灯を取り替えようとして転倒した事故と判断する。だが、コナンは事故ではないと考えていた。ベッドにイスを載せるなら普通は掛け布団ぐらいめくるからだ。他にも不可解な点はいくつもあり、コナンは益子を突き飛ばして重傷を負わせた何者かが事故に見せかける偽装工作をしたと推理する。  しかし、玄関の鍵は2つともリビングの棚にあるのにドアの鍵、ロックもかかっている密室状態だった。この後、元太たちはエントランスで呼び鈴を鳴らした人の映像が部屋のインターホンに録画されている事に気付く。コナンはテーブルの上の包装紙、猫のキャリーバッグに注目。益子は誰かに大尉をプレゼントしようとしていたのだ。コナンはテープやハサミがあるのにアレがない事を不思議に思う。佐藤たちはインターホンに映っていた3人を特定して話を聞く事に。最初に訪れたスナックママ、露口降代は部屋に10分ほどいたと証言。露口が探していたレコードを益子が見つけてくれて取りに来たという。  次に訪れた元社員の麻生茉莉は先客がいたため、玄関口で話しただけと証言する。ミスをして益子の会社をクビになった麻生。だが、益子は新しい仕事先を世話してくれ、お礼も兼ねてあいさつに来たという。最後に訪れた小説家の漆屋倫平は、エントランスは無言で開けてくれたが、部屋の呼び鈴を鳴らしても応答がなく、諦めて帰ったと証言する。漆屋と益子は同じ年にデビューした作家仲間で、益子は売れずに早々に諦めて会社を起業。この日は益子に協力してもらい、小説のアイデアを練るために来たという。コナンは3人から話を聞き、誰が犯人かを見抜くと、部屋から無くなったモノを買いに行く。この後、コナンは部屋から無くなったモノを使ってドアをロックし、鍵をかけられるか実験。そして、コナンは猫の習性も利用した密室トリックを見破る。犯人は猫について詳しい人物だった…。

第30話
(753話)
シェアハウスの死角

蘭は空手部の先輩、矢島弥生が住んでいるシェアハウスに遊びに行く。午後7時、蘭と弥生、住人の川上靖子がいる1階の共用スペースに住人の鈴木秀久、続けて加納克子が入ってくる。鈴木は克子に覗き魔とウソを言いふらされ、ハウスからの退去を余儀なくされたらしく、鈴木と克子は言い争いを始める。弥生が仲裁に入った後、靖子はアイスケーキを勧める。克子は後で食べると言い残し、タップダンスの練習のために自分の部屋へ。克子のダンスは家中に響き、真下の部屋の靖子は迷惑していた。 この後、弥生は風呂に入り、鈴木は自分の部屋へと戻る。このシェアハウスには色々なルールがあり、住人は自分の持ち物に名前のシールを貼る決まり。イスもゲスト用のモノが用意されていた。7時30分前に弥生は風呂から出て、今度は靖子が風呂に入る。蘭と弥生が話していると風呂場の靖子から弥生の携帯に着信。それは克子が食べ頃の15分を過ぎても来なかったらケーキを冷蔵庫に戻して欲しいという内容で、弥生は冷蔵庫から克子のケーキを取り出す。15分後、弥生は克子のケーキを冷蔵庫に戻し、克子からお金を借りている事を蘭に打ち明ける。父親が急死したため、仕送りが少なくなったという。 8時少し前に靖子は風呂から上がってくる。その時、玄関の呼び鈴が響く。小五郎とコナンが蘭を迎えに来たのだ。その直後、2階から鈴木の叫び声が聞こえてくる。コナンたちが2階に行くと、克子は自分の部屋で首から血を流して絶命していた。コナンは近くに落ちている血の付いたナイフ、克子のシールが貼られたペットボトルに目を留める。この後、駆け付けた目暮警部と高木刑事が捜査を開始する。 克子が殺害されたのは7時から8時の間で、鈴木は今朝、伝言板に克子から「午後8時前、あなたの部屋に伺います。話をつけましょう」と自分宛の伝言が書いてあったと証言。だが、8時になっても克子は現れず、鈴木は克子の部屋に行って遺体を発見したという。コナンは共用スペースの扉の横の観葉植物が動かされた痕跡に気付く。床には土が落ちていた。鈴木が無実を主張すると、蘭は弥生と靖子はこの事件に関係ないと訴える。蘭は弥生と靖子が風呂に入った以外は共用スペースにいたと証言する。この部屋には廊下が見えるガラス扉があるが、蘭は2人が風呂から2階に行く姿を見なかったと訴える。 コナンは冷蔵庫の中にある克子のケーキに注目。コナンは弥生、靖子からケーキの話を聞いて違和感を抱く。この後、コナンは風呂場も調べ、風呂場前の廊下の床に付着したシャンプーに気付く。続いてコナンは2階を調べ、昨日まで壁に絵が飾られていた事を知る。壁からは釘が出ていた。その直後、高木は鈴木の靴箱に隠した血で染まったタオルを発見。目暮は重要参考人として鈴木を警察署に連れて行こうとするが…。コナンは集まった皆の背中を見て、犯人と克子を殺害したトリックに気付いて…。

第31話
(754話)
赤い女の惨劇(湯煙)

 コナン、蘭、園子は世良に連れられ、森を歩いて貸し別荘へ向かう。高校時代の友人から貸し別荘の謎を解いてくれと依頼された世良の2番目の兄。だが、兄は忙しく、代わりに女子高生探偵の世良が依頼を受ける事になったのだ。森を移動中、蘭と園子は沼の近くで赤いレインコートに赤いブーツを履いた髪の長い女の人を見かける。この後、コナンたちは別荘に到着し、峰岸珠美に迎えられる。この後、河名澄香、続けて森で一緒になったという任田甚輔と薄谷昌家が別荘にやってくる。  珠美、澄香、任田、薄谷は高校時代のアウトドア部の仲間。部員は同級生5人だったらしく、それを聞いた蘭は森で見かけた赤い服の女性がもう1人の部員ですねと確認する。この発言を聞いた4人は青ざめて凍り付く。薄谷は聡子が生きている訳がないと言って動揺し、任田は15年前の殺人犯かもしれないと口走る。コナンと世良は15年前の話を詳しく聞く事に。15年前、この近くの貸し別荘で殺人事件が発生。浮気相手と貸し別荘に来た会社員が乗り込んできた妻に包丁で刺殺されたという。  白いレインコート、顔は返り血で真っ赤に染まった事から妻は赤女と呼ばれるように。赤女は森の中に消えて今も逃走中だった。その3年後、高校の夏休みにこの貸し別荘に来た任田たち。その時、聡子が赤女を見たと言い出し、皆で森を調べる事になったという。その時、はぐれた聡子は1週間後に底なし沼で遺体となって発見されたという。現場には例の事件の包丁も落ちていて、皆は聡子が森に潜んでいた赤女に追いかけられ、沼に落ちたと考えていた。  卒業後も聡子の遺体が見つかった日に毎年ここに集まる4人。一昨年頃から大量のリンゴが床に転がっていたり、給湯器のタンクに赤いバラが詰まっていたり、玄関の扉に赤いペンキがかけられたりと奇妙な事が起きているらしく、任田はこれらのイタズラをする犯人を突き止めてほしいと世良に依頼する。この後、コナンと世良は森に事件の手掛かりを探しに行き、任田は1キロ先の店に買い出しへ。珠美は食事の片付け、薄谷は風呂とトイレ、澄香は2階の部屋、蘭と園子は1階のリビングの掃除をする事に。  リビングの掃除を終えた蘭と園子は澄香と一緒に他の部屋も掃除する。廊下を移動中、澄香たちは風呂場から湯気が出ている事に気付く。風呂場の浴槽に張られたお湯は緑のバスソルトが入れられて真緑だった。澄香は掃除を終えたら一番風呂に入ろうと蘭、園子を誘う。この後、任田は途中で会ったコナン、世良と一緒に別荘に戻ってくる。その直後に風呂場から澄香たちが騒ぐ声。コナンたちが駆け付けると、浴槽にはたくさんの真っ赤なトマトが浮かんでいた。この時、コナンは薄谷がいない事に気付く。コナンと世良は悪い予感がして浴槽を調べ、浴槽に沈められた薄谷の遺体を発見する…。

第32話
(755話)
赤い女の惨劇(悪霊)

 薄谷の遺体が見つかり、長野県警の上原由衣刑事たちが捜査を開始する。上原は犯人が薄谷の後頭部を鈍器のような物で殴って気絶させてから浴槽に沈めて溺死させたと考える。遺体は浮いてこないようにダンベルが載せられていた。珠美は毎年この別荘での役割は決まっていたと上原に説明。薄谷は風呂場とトイレの掃除、澄香は部屋や廊下の掃除、任田は買い出し、珠美は食事を作る役割だったという。  コナンは風呂場に入った時の順番を確認。最初に入った人が浴槽にトマトを浮かべたかもしれないからだ。蘭は澄香が最初に入ったがバスタオル1枚で何も持っていなかったと証言。上原は蘭たちが風呂場の湯気に気付いた後、掃除を終えて風呂に入るまでの犯行と推理する。上原はその間のアリバイを任田と珠美に訊ねる。任田は買い出しをした店を出て、すぐに森でコナンと世良に会ったと話し、珠美はキッチンにこもって昼食の片付けと夕食の下ごしらえをしていたと証言。上原は珠美の証言はアリバイにならないと判断するが、蘭と園子はキッチンの扉越しに珠美と話したと言って珠美を庇う。  蘭たちは合流するまで澄香は2階で掃除していたと証言。2階から掃除機の音、掃除機の先が壁に当たる音が聞こえてきたという。任田は薄谷を殺害したのは赤女しかいないと訴え、この別荘で起きたイタズラも赤女の仕業と疑う。だが、上原はあり得ないと反論し、赤女と呼ばれた殺人犯、嶽野駒世の死亡が確認されている事を明かす。上原によれば、聡子の遺体が発見された時、底なし沼からは死後3年ほど経った白骨化した遺体も発見されたという。赤女の家族の協力がなく、DNA鑑定はできなかったが、やっと先週になってDNA鑑定を実施。赤女のへその緒と白骨遺体のDNAはピッタリ一致したという。  この後、鑑識課員は任田が護身用に持っていたバットを調べる。薄谷を撲殺した凶器ではなかったが、バットは何故かベトついていた。世良はエアコンがある2階の部屋に扇風機もある事を不思議に思う。そして、薄谷を殺害した凶器は遺体を湯船に沈めていたダンベルと判明。世良は服の右袖に服着した塩をコナンに見せる。コナンと世良は同じ事を考え、トマトと塩を使った実験をして犯人の見当をつける。  蘭と園子がリビングで話している時に雨が降ってくる。園子は窓の外を眺め、髪の長い女の人が立っている事に気付く。園子は赤女らしい人が立っていたと言うが、蘭は信じようとしない。その直後、停電になって稲妻の光で窓の外に赤女のシルエットが浮かび上がる。その頃、澄香は自分の部屋で昔の写真を眺めていた。すると誰かが窓を叩く音が響く。澄香が音に気付いて窓を開けると、何者かが包丁で突然切りつけてくる。それは死亡が確認され、この世にいるはずのない赤女だった…。

第33話
(756話)
赤い女の惨劇(復讐)

 澄香は赤女のような人に包丁で背中を斬りつけられるが、傷は浅く、上原が消毒液で手当てをする。上原は赤女のDNA鑑定は間違いがなかったと説明。だが、上原は10年以上前からこの時期になると、辺りの貸し別荘が荒らされる被害が起きていると付け加える。何者かがカギをこじ開け、しばらく住んでいた形跡があったという。森で不気味な人影を見たという証言もあり、長野県警も白骨遺体が赤女と決めきれなかったのだ。任田は赤女の悪霊と騒ぐが、世良はこの世に悪霊は存在しないと断言する。  停電のため、蘭たちはリビングに集まって待機するが、コナンと世良は上原の捜査に加わる。赤女が死亡していたという事実は明日マスコミに発表する予定で、上原と同じ班の大和勘助警部と諸伏高明警部は発表前にどうしても確認したい事があって、聞き込みに行っているという。上原たちは珠美と任田の部屋を調べるが、澄香を襲った証拠は何も見つからず、澄香の狂言の可能性もなかった。  次にコナン、世良、上原は奇妙な事件の写真を確認する事に。それは赤いリンゴ、赤いバラ、赤いペンキ、今回の殺人現場にあった赤いトマトを含めて赤女を連想させるものばかりだった。上原は1枚の古い写真に注目する。それは12年前にアウトドア部の5人が写っているスナップ写真。聡子が行方不明になった日の昼間に撮った写真で、上原は聡子がベージュのカーディガンを着ている事を不思議に思う。遺体となって発見された時、聡子は赤いロングコートを着ていたという。  実は聡子が沈んでいた沼の近くで、包丁を発見したのは、当時、警察学校の研修中だった大和と諸伏。大和は聡子の遺体と一緒に見つかった白骨遺体は赤女じゃないと言い張るが、諸伏は赤女に十中八九間違いないと反論。2人は事あるごとに言い争っていて、今回のDNA鑑定の結果、白骨遺体が赤女とわかっても大和は全然納得していないという。その頃、大和と諸伏は15年前の殺人現場に駆け付けた警察官に話を聞きに来ていた。その警察官は警察を辞めて今はパチンコ屋の店員として働いていた。  大和は赤女に斬りつけられた元警察官からその時の状況を聞く。すると、元警察官は斬りつけられたのではなく、包丁を投げつけられて腰を抜かしたと告白。その時の事がトラウマになって警察を辞めたという。すぐに大和は赤女事件の現場に駆け付けた元警察官がビビって報告書を書き間違えたと上原に連絡。上原はたいして変わらないと考えるが、コナンと世良はある事に気付き、薄谷を殺害した犯人は最初に推理した通りと確信する。この後、コナン、世良、上原はリビングにいる皆と合流。皆が赤女の悪霊に怯えていると、世良は薄谷を殺害した犯人はわかっていると伝える。そして、コナンと世良は薄谷を殺害したトリックを暴き、犯人を追いつめるが、その時、再び窓の外から赤女が現れて…。

第34話
(757話)
自首したお笑い芸人(前編)

 財布を拾って米花駅前交番の相田巡査に届けたコナンが偶然通りかかった小五郎に声をかけると、そこにお笑い芸人のドドンパ六助が自首してくる。ドドンパは所属する天藤芸能社の社長、天藤英樹を殺害したという。供述通り、事務所では頭を殴られた天藤が絶命していた。ドドンパは遺体の傍らに転がる金属バットで殴ったと自供。バットには血痕と毛髪が付着していた。この後、目暮警部は天藤から話を聞く。午前11時10分、芸に対する考えの違いから口論になってドドンパは天藤を殺害したという。  鑑識の結果、バットに付着していた血痕、毛髪は天藤のものと判明。高木刑事と千葉刑事は供述の裏を取る事に。千葉は芸人仲間から話を聞き、ドドンパは天藤を恨んでいた事が明らかに。天藤は自分が嫌いという理由で有名な番組への出演オファーを勝手に断り、その時から2人の間には軋轢があったという。この後、管理人の植木はマンション裏口で鉄パイプを発見。司法解剖の結果、天藤の損傷具合とバットの形状は一致せず、この鉄パイプが本当の凶器と判明する。  目暮はバットに血痕、毛髪が付着していた理由を問い詰め、ドドンパは大きく狼狽える。それでもドドンパは俺が殺害したと主張し、コナンは誰かを庇っていると考える。植木は今朝、天藤が弁当を買いに行った姿を目撃。コナンたちはコンビニの防犯カメラの映像を確認し、天藤は7時53分に弁当を買って温めたと判明。それを知った高木はすぐに目暮に伝え、目暮は9時のアリバイをドドンパに確認。ドドンパは9時頃、絵描きの須田泉のアトリエにお邪魔したと証言する。  司法解剖の結果、胃の消化具合から天藤が殺害されたのは食後1時間前後と判明。弁当を食べたのは8時頃で、天藤が殺害されたのは11時過ぎではなく、9時頃だったのだ。高木と千葉は泉のアトリエを訪ね、泉は9時にドドンパが来たと証言。昨夜も明日9時に伺うと連絡があり、ドドンパは貸していた画集を返しに来たという。アトリエから現場までは車で約1時間。ドドンパが天藤を殺害する事は不可能だった。観念したドドンパは犯人になりたかったと自供。ドドンパは真犯人を庇ったのではなく、天藤を守りたかったと告白する。天藤は裏の顔があり、業界の人の弱みを握って、金を強請っていたという。  11時過ぎに事務所に行くと天藤は殺害されていたらしく、ドドンパは強請られた誰かが口封じのために殺害したと推理。ドドンパは天藤の裏の顔が暴かれるのを恐れ、自分が殺害したとウソをついたという。目暮たちは天藤を殺害した真犯人を捜す事に。コナンは犯人が凶器の鉄パイプを現場から持ち去り、すぐ見つかる場所に捨てた事が気になる。そしてコナンはドドンパがマスコミに事件の情報を流した事を知り、ドドンパの本当の狙いは犯人になろうとしたのではなく、そう思わせる事だったと推理して…。

第35話
(758話)
自首したお笑い芸人(後編)

 コナンは都合が良すぎるアリバイに違和感を抱き、ドドンパへの疑いを強める。だが、コナンはわざわざ自首した理由がわからずにいた。翌朝、ドドンパはテレビ番組に出演。無実の罪を被り、恩人である天藤の名誉を守ろうとしたドドンパは世間の注目を浴びて時の人になっていた。この後、コナンが現場のマンションを調べに行くと、すでに高木刑事が非常階段を調べていた。犯人はこの非常階段を使って出入りした可能性が高かったが、管理人の植木は怪しい人物を見ていないという。  そこに天藤の事を調べていた千葉刑事がやってくる。天藤は誰に聞いても評判が良く、人を強請るような人間ではないという。その頃、目暮警部がいる警視庁・捜査一課に犯人から電話がかかってくる。犯人は天藤が強請るからと殺害の動機を告白。目暮は言葉遣い、声から犯人は女性と判断する。高木は目暮からの連絡を受け、犯人が女性かもしれないという事実を知る。  その時、ドドンパがマンションに現れる。ドドンパも犯人の手がかりを探しに来たという。コナンは小五郎が真犯人の見当をつけ、あとは証拠を掴むだけだとドドンパに伝える。それを聞いたドドンパは動揺を鎮めようと無意識にポケットからタバコを取り出し、その拍子にテッシュが落ちる。それはパチンコ屋、ホール極楽の宣伝用テッシュだった。この後、コナンはコンビニに行き、店長の岡本から話を聞く。天藤が弁当を買うのはいつも午前8時少し前。天藤は8時からモーニングショーを見ながら弁当を食べるのが習慣と話していたらしく、コナンは身近な人ならこの習慣を知っているはずと考える。  次にコナンは小五郎を呼び出し、一緒に絵描きの泉のアトリエを訪ねる。泉はテレビ、ラジオ、携帯もない浮世離れした生活を送っていて時間には無頓着。アトリエではひたすら絵を描き、眠くなったら寝るという生活をしていた。部屋で時間を確認できるものは掛け時計だけ。泉はドドンパが来た時、掛け時計で9時という時刻を確認したと証言する。昨日、高木たちが訪ねた時、眠っていた泉。昨日、泉はドドンパとお土産のケーキを食べながら話している内に眠くなって寝てしまったという。そして、コナンは泉から寝る時に戸締りしてないと聞いてドドンパのアリバイトリックを見破る。  アトリエを後にしたコナンと小五郎が街路を歩いていると、テッシュ配りをする杉松が近づいてくる。杉松が配っていたのはホール極楽の宣伝用テッシュだった。杉松は昨日の朝、ドドンパにテッシュを渡したと証言。だが、ドドンパは人違いと言って怒り出して杉松と揉めたという。この後、コナンは変声機で小五郎になりすまし、犯人がわかったと言って現場マンションに皆を呼び出す。そしてコナンは小五郎に麻酔銃を発射。眠りの小五郎の推理ショーが幕を開ける…。

第36話
(759話)
意外な結果の恋愛小説(前編)

 コナン、蘭、園子は日本に戻ってからホテル暮しをしている世良の部屋を見せてもらう事に。世良の部屋がある30階の廊下では編集者A、B、Cがホテルに缶詰めの小説家、火浦京伍の原稿を待っていた。この後、火浦は部屋から現れ、蘭は火浦の恋愛小説「電話と海と私」にハマっていると伝える。ベルボーイたちはルームサービスの料理を並べていて、火浦は一緒に食べようと編集者3人を部屋に招き入れる。続いて、ベルガールがワインを運んできて、火浦は奥の部屋にデキャンタを運んでほしいと頼む。  火浦は一番食べた編集者の出版社の原稿を先に仕上げると約束し、編集者3人は食べる量を競う事に。その間、火浦は原稿の構想を練ると言って部屋の風呂に入る。食後、廊下に出た編集者たちは火浦の助手、水無月千秋の話題を話す。昨年、水無月を助手として雇い、昔の人気を取り戻した火浦。火浦と水無月は週刊誌に愛人疑惑を報じられ、各編集部には火浦から水無月を引き離せという脅迫FAXが届いていた。この日も水無月は火浦の真下にある29階の部屋をとっているという。  午後6時、29階からベルボーイの声が響き、コナンたちが下に降りると、水無月は部屋で絶命していた。水無月の首には索状痕があり、コナンと世良は死後2、3時間経過していると判断。騒動を聞きつけた火浦、編集者Cも現場にやってくる。編集者Cは脅迫FAXの事を打ち明け、火浦はなぜ私に知らせなかったのかと怒りを露わに。コナンと世良はその様子を見て、火浦の犯行に間違いないと考える。  この後、目暮警部と高木刑事が捜査を開始。第一発見者のベルボーイは6時にシャンパンを届けるように注文を受けたと証言する。注文したのは火浦で、6時に原稿を書き終えたら祝杯をあげるつもりだったという。火浦はラストページがうまく書けず、気分転換のため、30分くらい前に2階下にある自販にタバコを買いに行ったと証言。火浦は自分が執筆中に殺害されたと決めつけるが、コナンと世良は遺体を見ただけで死後2、3時間経過していると見抜けるのはおかしいと指摘する。火浦は2、3時間前に自分の部屋に資料を持ってくるはずだったが現れなかったのでそう思ったと言い訳する。  死亡推定時刻の3時半前後は編集者たちが火浦の部屋でご飯を食べていた時刻。編集者Cはその時間、火浦は自分の部屋にいたと証言する。4時半頃に食べ終わって廊下に出た編集者たち。それ以降も火浦が部屋から出たのは原稿を渡す時だけだったという。火浦は「電話と海と私」のラストに煮詰まり、5時半にタバコを買いに行ったと証言。火浦は脅迫FAXを送りつけてきた人が犯人と訴える。火浦は水無月と不倫関係ではなかったと告白。水無月は優秀な助手で、「電話と海と私」は彼女の作品と言ってもいいくらいだという。コナンと世良は完全なアリバイがある火浦が水無月を殺害したトリックを考えるが…。

第37話
(760話)
意外な結果の恋愛小説(後編)

 小説家、火浦京伍がホテルの部屋で缶詰になって原稿を書いている時、下の階の部屋で助手の水無月千秋が絞殺される事件が発生。目暮警部たちが捜査を開始し、編集者たちは火浦が部屋から出ていないと証言。火浦には完璧なアリバイがあったが、現場に居合わせたコナン、世良は火浦の犯行に間違いないと考える。高木刑事は聞きたい事があると言って世良の部屋を訪ねてくる。  高木によると、水無月の部屋のバスルームからシャンプーとリンスのキャップがなくなっているという。コナンと世良は水無月の部屋の玄関口しか入っておらず、心当たりがないと伝える。部屋はほとんど荒らされていなかったが、テーブルだけ倒れていて、上に載っていたと思われる缶ビールがトランクに落ちて、中の服や化粧道具などがビールまみれになっていたという。コナンのトランクの大きさを訊ね、高木は大きなトランクだったが、中身はあまり入っていなかったと答える。  そして、高木はトランクに消印が20年前のハガキも入っていたと付け加える。ハガキの差出人は火浦で、「なかなかかわいい話だね。僕がこんな話を書く時はヒロインに君の名前を使わせてもらおうかな」と書かれていた。宛先は水無月ではなく、大田純という名前だという。その名前を聞いた蘭は今、火浦が連載している小説「電話と海と私」のヒロインが大田純だと教える。  蘭はこの小説の内容を簡単に説明。「電話と海と私」は海で携帯電話を拾ったヒロインの物語。その携帯は未来のヒロインの物で、誰かが時間転移装置(タイムマシン)を使って送ってきたのだ。その人物はメールでヒロインとやり取り。数年後、世界は大変な事になるため、ヒロインがそれを阻止するために未来を少しずつ変えるという話だった。ヒロインは「あなたは何者なの? 私とどういう関係なの?」と事あるごとにメール相手に訊ねるが、答えはいつも「電話と海と俺」だった。  来週掲載される最終話ではメール相手の招待が明らかにされる予定だった。だが、ラストページはまだ完成しておらず、火浦はこんな事件があったので当分書く気がしないと話しているという。この後、コナンと世良は高木の何気ない一言から火浦のアリバイトリックを見破る。火浦が自分の部屋の前で待機しているとわかると、コナンと世良はまだ火浦の手の中にこの犯罪小説で修正を入れ損ねたアリバイトリックの“誤植”があると睨む。

第38話
(761話)
加賀百万石ミステリーツアー(金沢編)

 石川県の金沢にやってきたコナン、小五郎、蘭は観光連盟の谷本裕三、宮澤萠子、イベント会社社長の田所雄也、社員の倉西治、秋山春美に迎えられる。加賀百万石ミステリーツアーという町おこしイベントが開催される事になり、小五郎は協力を要請されたのだ。このツアーは金沢、加賀の観光スポットに暗号が用意され、謎解きしながら観光する仕組み。暗号は秋山が考えていて、倉西は難事件のストーリーを考えて欲しいと小五郎に依頼する。小五郎は皆と共に観光地を巡りながら暗号を解いてみる事に。  小五郎は最初の暗号を解こうとするが間違って推理。蘭とコナンが間違いを修正して暗号を解く。続いて一行は暗号が示す次のポイント、加賀友禅伝統産業会館を訪れる。ここで女性がバッグを男性に奪われる事件が発生。小五郎はバッグを取り返すが、泥棒男は逃げてしまう。この時、コナンは誰かに見られている気配を感じる。コナンたちは暗号を解きながら石川県観光物産館、石川県立美術館などを巡る。コナンは行く先々でカップルを見かけ、ずっと感じる視線はビデオカメラだと気付く。  この後、一行は近江町市場の食堂で昼食をとり、倉西と秋山が結婚する話題になる。コナンは宮澤がずっと持っている重そうなショルダーバッグの中身が気になる。テレビでは1人暮らしの老人が襲われ、現金500万円が盗まれた2010年5月6日に金沢市内で起きた事件の事が報じられていた。昨日、犯人と思われる男が逮捕されたが、男は容疑を否認しているという。この時、秋山はスマホの画面を見て真っ青になる。昼食後、小五郎たちはツアーを再開するが、秋山は暗号カードを紛失したと告白する。  秋山は「1056 G 剣(の絵)」と暗号カードを手書きし、小五郎は兼六園の金城霊澤を示していると言い当てる。兼六園で秋山が手書きした暗号カードは2つの図形(菱形と矢尻)と馬の鞍の絵。コナンはこの暗号が金沢城を示していると解く。そして、金沢城で秋山は手書きした「24-3」という暗号カードを小五郎に渡す。蘭は金沢21世紀美術館という正解を導き出すが、谷本、小五郎は簡単過ぎると指摘する。その時、逆恨みした先ほどの泥棒男が出現。小五郎は襲いかかる泥棒男を投げ飛ばす。  小五郎は逃げる泥棒男を追いかける。コナンは先ほどのカップルを見つけて追いかけ、宮澤もその後に続くがコケて転倒。その拍子に宮澤のバッグから小型カメラが飛び出す。この後、宮澤は泥棒男、ハンドバッグを盗られた女性は役者、カップルはカメラマンのアシスタントと白状。一連のハプニングはイベントPRのためのドッキリだった。宮澤と秋山もこっそりカメラで小五郎たちを撮影していたという。田所は事情を説明するため、小五郎たちを連れて元の場所へ戻るが…。そこでは秋山が頭から血を流して倒れていた。倉西は脈を取り、気絶していると判断。秋山が襲われたのはドッキリではなかった…。

第39話
(762話)
加賀百万石ミステリーツアー(加賀温泉編)

 コナンたちは観光連盟の谷本裕三、宮澤萠子、イベント会社社長の田所雄也、社員の倉西治、秋山春美とツアー本番さながらに暗号を解きながらチェックポイントの観光地を巡る。途中、様々なトラブルが起こるが、全てはイベントPRのためのドッキリだった。その直後、秋山が何者かに襲われるという本当の事件が起きてしまう。コナンは担架で運ばれる秋山を見て、ある物がなくなっている事に気付く。  蘭は秋山のカバンを拾い、救急隊を追いかける。その時、カバンからクリップで留めたカードの束が落ちる。コナンはそのカードの束を拾ってある疑問を抱く。蘭は秋山に付き添って病院に行く事になり、小五郎たちはチェックポイント巡りを続ける事に。そして一行は次のポイント、金沢21世紀美術館を訪ねる。谷本はイベント開催に影響が出る事を恐れ、秋山の事件を警察沙汰にしたくないと考えていた。  ここでコナンは手書きの暗号カード3枚を見せて欲しいと小五郎に頼む。コナンはトイレに行くと言って皆から離れ、秋山のバッグから落ちたカードの束を確認。それは失くなったはずの4枚の暗号カードだった。暗号カードは「剣(の絵)+5円玉(の絵)+1円玉(の絵)」「30と50―→」「2001-2100」「山代 魯山人」の4枚。コナンは秋山が暗号カードを紛失したとウソをつき、新たに別の暗号を書き直した理由を推理する。そしてコナンは改めて秋山が手書きした暗号カードをもう一度見てみる事に。  コナンは手書きした暗号カードの1枚目「1056 G 剣(の絵)」を見て何かに気付く。さらにコナンは2枚目、3枚目の暗号カードを見て秋山がカードに込めた本当のメッセージを読み取る。この後、小五郎たちは最後のポイント、山代温泉のいろは草庵へ向かう。コナンは秋山を襲った犯人が誰なのかわかっていた。しかし、それを証明する証拠がなかった。いろは草庵に到着後、コナンはドッキリの時に撮影した映像を見せて欲しいと田所に頼む。コナンはこの映像から犯人の証拠を見つけようとしていた。だが、コナンが期待していた瞬間は映っていなかった。  この後、小五郎は病院にいる蘭に電話して、秋山の容態を確認する。秋山の傷はそれほど大した事はなかったが、1日入院して脳の検査をするという。コナンは小五郎から電話をかわってもらうと皆から離れる。そしてコナンは変声機を使い、小五郎になりすまして蘭にある事をお願いする。コナンが電話を切って小五郎に携帯を返した直後、今度は蘭から電話がかかってくる。蘭は電話している隙に秋山が病院から抜け出したと告白。病室には「告白しなくちゃいけないことがあるから山代に行く」というメモが残されていたという。だが、これはコナンが仕掛けた犯人をおびき寄せる“逆ドッキリ”だった…。


シーズン20

第01話
(763話)
コナンと平次 恋の暗号(前編)

 雨が降る中、公園に向かうコナンと元太、歩美、光彦、哀。その時、コナンは刑事たちに追われる怪しい男と衝突する。その衝撃で男のショルダーバッグからビニール袋が飛び出し、男は慌ててビニール袋を拾い上げて逃げていく。ビニール袋の中身は乾燥大麻で、コナンは男の風体から麻薬の密売人と推理する。コナンは傘を拾おうとして男が落とした手帳に気付く。手帳のページの端には「E2」と「麻」の文字。水性ペンで書かれている箇所は12行あったが、そこは雨に濡れて読めなくなっていた。  雨で流れた字でかろうじて読めるのは最初の「麻」、3行目の「月」、5行目の「日本」、9行目の「京橋」くらいだった。元太は何かの暗号と察するが、コナンは暗号を解かずに交番に届けようと提案。交番に届けた後、コナンは用事があると言って元太たちと別れる。この後、コナンが恵比寿橋に来ると、元太たちも後を追ってくる。元太たちはコナンが手帳の暗号を解こうとしている事に気付いていたのだ。コナンは手帳に書かれている暗号は麻薬取引の日時、場所と推理。コナンは「E2」は「麻」、「Y21」は「月」、「G11」は「日本」という手帳のメモを見て、これは地下鉄の路線番号と駅番号を示していると考える。  コナンが〇のついている数字、文字だけを読むと、この日の日付「12月3日」になる。コナンは今日が取引の日と判断し、同じように取引場所は「恵比寿橋」と解読する。だが、完全に暗号が解けた訳ではなかった。その時、服部平次の声が聞こえてくる。光彦が暗号解読を協力して欲しいと平次に電話をかけたのだ。大阪、心斎橋にいる平次は暗号の詳細を聞き、暗号に出てくる日本橋、京橋が大阪にもあるとコナンに教える。それを聞いたコナンは暗号が1つの地域限定ではないと解読のヒントを掴む。  歩美は暗号が右寄り、左寄りと書き分けられている事に気付き、平次はエスカレーターに乗る位置から右寄りが大阪の駅、左寄りが東京の駅を示していると推理する。そして、コナンと平次は協力して暗号を解読し、取引日時は今日の正午とわかる。取引場所は東京の恵比寿橋ではなく、大阪の戎(えびす)橋だった。近くにいた平次は走って戎橋へと急ぐ。取引場所の下の暗号を解くと「シロイバラ」になり、コナンは白いバラが待ち合わせの目印と考えるが…。平次が戎橋にやってくると、そこには白いバラを付けたり持ったりしている人が3人もいた…。

第02話
(764話)
コナンと平次 恋の暗号(後編)

 麻薬の密売人の手帳を拾ったコナン、元太、歩美、光彦、哀。手帳には麻薬の取引日時、取引場所が暗号で書かれていた。コナンは大阪の平次と電話で連絡を取り、協力して暗号を解読。取引はこの日、大阪の戎(えびす)橋で行われると判明。白いバラが待ち合わせの目印だったが、平次が戎橋に行くと、そこには白いバラを付けたり持ったりしている人が3人もいた。平次は携帯で3人の映像を撮影してコナンに見せる。取引相手らしいのは強面の男、髪飾りの女、金髪に鼻ピアスのチャラ男の3人だった。  1人目の強面の男は何度も時間を確認。腕時計は高級ブランドで、右手に白いバラの花束を持っていた。2人目は白いバラの髪飾りをしている女。持っているのは日本未発売の高級ブランドバッグの最新モデル。このバッグにバラのコサージュも付けていた。3人目は胸に白いバラを付けたチャラ男。この男は楽しそうに女性と話をしていた。その女性は遠山和葉で、平次は和葉が変な男にナンパされたと言って不機嫌になる。コナンは和葉の知り合いの警察関係の人かもしれないと考える。だが、チャラ男は金髪、鼻ピアス、首にはタトゥーも入っていて、平次はそんな刑事はいないと反論。平次は取引前にナンパする事はあり得ないと考え、チャラ男が取引相手の可能性はないと判断する。  取引時間の正午までは残り2分。平次は取引相手を強面の男、髪飾りの女に絞り込む。この時、チャラ男は和葉を強引に引っ張り、和葉はチャラ男の胸に飛び込む。平次はそれを見て冷静さを失う。コナンは強面の男は取引相手ではないと推理。強面の男は手鏡で前髪をチェックしたり、口臭を気にしたりして、バラの花束は隠すように持っていたため、コナンと平次はデートの待ち合わせと考える。2人の推理通り、強面の男は現れた女性にバラの花束を差し出す。  コナンは靴を気にする髪飾りの女性は靴ズレしたと推理し、取引場所に履き慣れないハイヒールで来る事はないと判断。女は髪型も凝っていて、コナンと平次は結婚式かパーティーに呼ばれ、誰かと待ち合わせしていると考える。2人の推理通り、髪飾りの女は着飾った女性と合流する。結局、強面の男、髪飾りの女は取引相手ではなく、平次は和葉と喋っているチャラ男が取引相手かもしれないと考え直す。  そして取引時間から1分が経過。すでに売人が戎橋に来ていれば、和葉が巻き込まれる危険もあり、コナンは和葉を連れてその場から離れろと平次に伝える。だが、平次は電話を切り、和葉に「何しとんのや?」というメールを送信。和葉は平次から届いたメールに気付いて内容を確認する。その直後、チャラ男は上着の襟を持って何かを喋り、平次はチャラ男のジャケットの脇が膨らんでいる事に気付く。チャラ男は拳銃を懐に忍ばせていた…。

第03話
(765話)
堤無津川凧揚げ事件(前編)

 コナンは元太、歩美、光彦、哀、阿笠博士と少年探偵団の探偵バッチをデザインした凧を作り、堤無津川凧揚げ大会に参加する。凧を上げる順番を待つ間、歩美たちは哀が聴いている曲の話題を話す。時々、哀はイヤホンで曲を聴きながら幸せそうにハミング。何を聴いているのか聞いても哀ははぐらかして教えてくれないという。阿笠の情報から哀が聴いている曲を推理した後、コナンは携帯電話の録音アプリで哀の曲を盗み録りする事を思いつき、歩美が哀に近づき、コナンの携帯で盗み録りする事に。  この後、チーム少年探偵団とチームカフェ廉野が凧を揚げる順番になり、コナンは元太、光彦と共に河川敷へ向かう。歩美は一緒に応援する哀に近づき、ハミングを盗み録りしようとする。しかし、歩美は罪悪感から盗み録りしようとした事を哀に打ち明ける。コナンたちが揚げた凧はすぐにシッポが切れ、参加者の廉野亮太の横に落下。廉野は凧を持ちながら妻の廉野敬実と携帯電話で話していた。廉野は凧揚げ大会に参加していると報告するが敬実は浮気を疑う。廉野は浮気がバレたばかりだった。  そこに廉野が浮気していた女性の兄、加倉由敏が現れる。女房と別れるという廉野の言葉を信じた加倉の妹。騙された事に気付いた妹は手首を切って意識不明の重体だった。加倉はカタをつけるために廉野に会いに来たのだ。凧揚げパートナーの八越健は凧糸を持ちながら廉野に場所の指示を出す。加倉は八越も妹にぞっこんだったから気をつけろと廉野を脅す。歩美はコナンたちが凧揚げの順番になった時、仮設トイレ前でコナンの携帯を落とした事を阿笠、哀に告白。歩美は阿笠、哀と一緒に携帯を探すが見つける事ができない。歩美は携帯を落とした直後、後ろで誰かがコケていた事を思い出す。  この後、コナンたちは八越の声に反応して振り返る。その直後、凧を持って後退りしていた廉野は足を滑らせ、後ろ向きのまま堤無津川に落ちる。泳げない廉野は川で溺れてしまい、若者たちに救出される。コナンは杭に結んであるロープが切れている事に気付き、これは事故ではなく事件だと睨む。救急車で搬送された廉野は大量に水を飲んで意識不明の重体だった。  駆けつけた目暮警部と高木刑事は事故と判断するが、コナンは事故じゃないと主張する。杭のロープはかなり前に切られたように細工してあったが、最近切られたもの。コナンは廉野を川に落とすために何者かが事前にロープを切った計画的な犯罪と推理する。凧を持って後退りする時、後ろはあまり注意しない事が多く、コナンはロープを張っていない杭の間に誘導すれば廉野を川に落とす事は可能と考える。そしてチームを組んで指示を出していた八越、川に落ちる前に話していた加倉、携帯で話していた敬実の3人が容疑者として浮上する…。

第04話
(766話)
堤無津川凧揚げ事件(後編)

 堤無津川凧揚げ大会に参加した廉野亮太が凧を持ったまま後退りして川に落ちる事故が起きる。泳げない廉野は溺れて意識不明の重体に。コナンは何者かが廉野に指示を出し、ロープを張っていない杭の間に誘導した事件と推理する。容疑者はチームを組んで指示を出していた八越、川に落ちる前に話していた加倉、携帯で話していた敬実の3人。目暮警部たちは3人を事情聴取する事に。  廉野のカフェの店員、八越はむしろ「危ない」と止めていた方だと主張。元太たちはその声を聞いたと証言する。だが、八越と廉野は離れていて、その声が廉野に届いていたかは定かではなかった。加倉は妹が廉野に弄ばれた事を伝え、目暮は廉野を川に落とす動機があると判断。すると加倉は八越にも動機があると訴える。八越は高校の頃から加倉の妹に好意を抱き、廉野と妹の関係を知ってブチ切れしていたという。加倉は廉野がポイ捨てするために川に近づいたと思った事を明かす。廉野は凧糸を巻いた空のペットボトルを脇に挟んでいたという。廉野と八越は加倉の高校時代の野球部の後輩だった。  現場にやってきた敬実は自分が疑われている事に激怒。敬実は家の電話から廉野に連絡していて、誘導なんてできないと訴える。廉野が川に落ちるまで電話していた敬実は廉野がその間に1回電話を遠ざけたと証言する。目暮は話を聞いて八越、加倉、敬実の犯行は無理があると考えるが、コナンは犯人と誘導したトリックを見破る。しかし、それを裏付ける証拠がなかった。その時、哀と歩美がコナンに声をかける。哀は盗聴しようとした事を聞いたとコナンに伝え、歩美は携帯を紛失した事を告白。歩美は紛失した時の状況を説明し、それを聞いたコナンは携帯に犯人の証拠が残っている事に期待する。  事情聴取を終えた八越、加倉、敬実はその場を立ち去ろうとする。その時、コナンは3人に聞こえる声で元太たちと会話。コナンは落とした携帯は録音中だったから拾った人の声が録れていると語り、3人はコナンたちの会話に耳を澄ませる。さらにコナンは携帯には特殊な発信機を内蔵しているのでパソコンを見れば位置をバッチリ確認できるとウソをつく。光彦は録音データが消される事を心配するが、コナンは4ケタの暗証番号を入力しないとロックが解けないから大丈夫と伝える。  歩美たちはコナンの携帯の暗証番号を予想し始める。哀はシャーロックの「4869」と予想し、それを聞いたコナンは動揺しながら違うと否定する。この後、犯人は仮設トイレに入ってコナンの携帯を操作。犯人は4869という暗証番号を打ち込むがロックは解除できない。実は、コナンはわざと動揺したフリをしたのだ。その時、コナンの携帯から着信音が鳴って犯人は動揺。犯人は家に持ち帰ってコナンの携帯を壊す事に決めてトイレから出るが…。トイレ前では目暮、高木、警官たちが待ち構えていた。

第05話
(767話)
吹雪に消えた恋人

 コナンは阿笠博士、元太、歩美、光彦、哀と共にペンション・アイスルームを訪れ、経営する長女の氷室涼子、次女の氷室綾、三女の氷室樹里という三姉妹に迎えられる。元太たちはすぐに雪原で雪合戦を始め、哀は雪像作りに励む。この後、コナンは雪玉が顔面に直撃してペンションに戻った元太を迎えに行く。この時、コナンは綾が樹里と恋人の藤田雅彦と言い争う現場に遭遇。綾は樹里と地元で有名なワルの雅彦の交際に猛反対する。元太は厨房の方から戻ってくるが、顔にはまだ雪が付いていた。  遊び終えたコナンたちは三叉路の所で綾と会って、一緒にペンションに帰る。夜、テーブルに涼子の手料理が並べられ、コナンたちは三姉妹、雅彦と一緒に夕食を食べる。この時、歩美はニンニクの匂いがすると言って食べるのを嫌がるが、ニンニク料理は見当たらなかった。食事を終えた樹里は食後に飲む薬がない事に気付く。樹里にはその薬が必要で、雅彦が町の病院まで取りに行くと申し出る。外は雪が降り始めていた。しばらく後、病院からまだ雅彦が来ていないという連絡がくる。  雅彦が出たのはだいぶ前。とっくに病院に着いている時間だった。心配になった樹里は雅彦の携帯に連絡するが繋がらない。コナンたちは雪が弱まってから行方不明になった雅彦を探しに行く事に。そしてコナンたちは三叉路の崖下で絶命した雅彦を発見する。崖上の一部の土が削れていたため、コナンは転落死したと考える。コナンは転落現場の雪の積もり方に注目。山側の雪は妙に高く積り、崖側は低かった。涼子によれば、山側は影になり、崖側は陽が当たるので、山側の方に多く雪が残るという。  コナンは転落現場で足を滑らせて転倒し、雪の中に顔を突っ込む。この時、コナンは雪を舐めて何かに気付き、雪の中から白い欠片を拾い上げる。ペンションに戻った後、樹里は薬を失くさなければ、こんな事にならなかったと自分を責め、涼子と綾はそんな樹里を慰める。この後、コナンがペンションの階段に座って考え事をしていると、二階の物置の前に怪しげな影が浮かび上がる。その人物は物置に何かを入れて去っていく。  コナンが物置を確認すると、中にはニンニク味のアイスの包装紙が入っていた。コナンはこの包装紙を見て、ある事に気付く。そして、コナンが1階に下りると、玄関付近に元太と阿笠たちがいた。哀が作った雪像をクーラーボックスに入れて持ち帰ってきたのだ。コナンはそれを見て、今回の事故の真相に辿り着く。雅彦の転落死は事故ではなく、三叉路の脇道に仕掛けられた罠によるもの。これは計画的な殺害事件で、犯人は三姉妹の1人だった…。

第06話
(768話)
灰原哀監禁事件

 コナン、元太、歩美、光彦は買い物帰りに姿を消した哀を探し、道端に落ちている赤いマフラーを発見。それはNETヒガキ社長、檜垣ミツルの飼い猫で、哀に懐いているチロのマフラーだった。元夫から慰謝料として会社を受け継いだミツル。コナンと哀は少し前にひょんな事からミツルと仲良くなっていた。コナンたちは井戸の跡に落ちていたチロを見つけてミツルの家に返しに行く。だが、コナンたちが家の呼び鈴を鳴らしても無反応。ミツルは留守のようだった。  その頃、椅子に縛り付けられ、猿ぐつわを噛まされた哀が目を覚ます。壁の時計は午後2時を指していて、哀は5時間眠っていた事に気付く。そして哀はミツルがインドホシガメを飼っているテラリュームを見て、ミツルの自宅に来た事を思い出す。買い物帰り、チロを見つけてミツルの自宅を訪ねた哀。その時、哀は強盗に家の中に引きずり込まれ、ハンカチを顔に被せられて意識を失ったのだ。この後、哀は鏡越しに手錠をかけられ、口をガムテープで塞がれたミツルに気付き、強盗に監禁されたと察する。  ミツルは付けっ放しのテレビで流れるニュースを見て呻き声をあげる。ニュースは北海道・新千歳空港のトイレでミツルの元夫、檜垣直志が何者かに殺害されたという事件を報じていた。午後2時30分、コナンたちがもう一度ミツルの自宅を訪ねると、ちょうど酒屋の主人が呼び鈴を鳴らしていた。哀はもがいて口の猿ぐつわを外し、外に助けを求めようとする。その時、哀は近くにいた犯人に顔を塞がれる。哀はテーブルから落ち、右へ転がった後、左に転がる缶を見ながら再び意識を失う。  結局、酒屋は6回も呼び鈴を鳴らすが応答はなし。この後、コナンの携帯に千葉刑事から電話がかかってくる。空港通りの交番付近に探偵団バッジが落ちていたという。コナンたちは阿笠博士の車に乗り、30分かけて空港通りの交番へ。この交番から空港までは50分かかるという。その頃、哀はミツルに足でつつかれて目を覚まし、近くに落ちていた鍵でミツルの手錠をはずす。そしてミツルが哀の縄を解いていると呼び鈴が鳴る。2人は犯人と思って硬直するが、ミツルの自宅に訪ねてきたのは目暮警部だった。  ミツルは自分の事より直志の事件を気にかける。犯人はまだ逮捕されていなかった。哀は強盗に入られている間に元夫を殺害されたミツルに同情する。哀は最悪の偶然と考えるが、コナンは強盗が哀を家に引きずり込んだ事、2度も眠らせた事に疑問を抱く。コナンはミツルが殺人事件のアリバイに哀を利用したと疑っていた。だが、哀は時間的にミツルの犯行は不可能と主張。哀が眠っていたのは5時間。北海道までの移動も含め、犯行には最低でも5時間半は必要だった。この後、コナンは哀から監禁されていた時の話を聞いてミツルの巧妙なアリバイトリックを見破って…。

第07話
(769話)
面倒な救急患者

 下校中のコナン、歩美、元太、光彦、哀の前に警官に追われる男Aが現れる。後頭部から出血している男は歩美を抱き上げて盾にすると、懐からナイフを取り出す。上着の肩あたりには少量の何かが付着し、袖口のボタンは千切れてなくなっていた。男は朦朧としながら歩美に何かを囁いた後、意識を失って昏倒してしまう。男は病院に搬送され、救急救命医の城戸達彦、看護師の森田夏美たちの治療を受けるが意識不明の重体。男はかなり危険な状態だった。  この後、目暮警部らが病院に駆けつける。男の所持品はナイフと財布のみで、身元を示すものは何もなかった。男は警官に職質されると突然逃げ出したらしく、声をかけた時、すでに男はケガをしてフラフラしていたという。歩美はナイフを突きつけられたのに男を心配。歩美は男がそんなに悪い人に思えなかったという。小五郎が駆けつけた後、皆で男の財布を調べると、中には雑誌の切り抜きが入っていた。それは今マスコミを騒がせている政財界スキャンダルの記事だった。千葉たちは男がこの事件絡みで生命を狙われている可能性もあると判断。目暮は捜査二課と連携し、地検にも協力を仰ぐ事に。  コナンは男が倒れる直前に何を囁いたかを歩美に訊ね、歩美は「ごめんよ。パパが不甲斐ないばかりに」と言っていたと答える。男は意識が朦朧となり、自分の子供と歩美を間違えたのだ。歩美は男を助けてあげたいと訴え、コナンたち少年探偵団も男の事件を調べる事に。コナンたちは男が職質を受けた場所の周辺で目撃者を探し、駄菓子屋店主の木島いねがよろめくようにタクシーを降りる姿を見たと証言。その後、いねも知る若者が男を突き飛ばしてタクシーに乗り込んだという。コナンは男を突き飛ばしたフリーターの石井篤史からも話を聞く。コナンが突き飛ばした理由を聞くと、石井は次に遅刻したらバイトをクビになるため、急いでいて突き飛ばしたと証言する。  だが、男は突き飛ばされる前から具合が悪そうだったらしく、コナンたちは男が乗ったタクシーの運転手、笹野秀人から話を聞く事に。笹野も男がタクシーに乗る前から具合が悪そうだったと証言。男は目的地を言わず、前の車を追ってくれと頼んできたが、笹野が車を確認できないと、降車してしまったという。この後、コナンたちは笹野に男を乗車させた隣町まで案内してもらう。そこは隣町だが、実は地理的にはコナンたちも知っている場所と背中合わせだった…。コナンたちは背中合わせの場所の駐車場を調べる事に。塗りたてのペンキは男の上着に付着していたもので、上着の袖口の取れたボタンも見つかる。コナンはこの状況を見て、男が轢かれてケガしたのはここに間違いないと判断。そしてコナンは光彦と元太の何気ない会話からヒントを得て、事件の真相に辿り着く…。

第08話
(770話)
ギスギスしたお茶会(前編)

 英理が虫垂炎になって杯戸中央病院に入院し、コナンと蘭、後から小五郎が病院にお見舞いに行く。病院には知り合いのお見舞いで安室も来ていた。安室は楠田陸男を訪ねてきたが、楠田はいつの間にかいなくなっていたという。同じ病院の個室には高坂樹理が入院していて、樹理の高校時代の同級生、別府華月と八方時枝がお見舞いにやってくる。一足先に来て、ポットを取りに行っていた同級生の須東伶菜は華月、時枝が来た事に気付くと、皆でお茶会をしようと提案する。  樹理はすでにカップを使用中で、戸棚からカップを3つ取ってと皆に頼む。伶菜は紅茶に入れるレモンも用意していて、時枝が買ってきた紅茶を皆で飲み比べる事に。伶菜は樹里の携帯に入った学生時代の写真を見ながら皆と談笑する。この後、コナン、小五郎、安室がいる廊下に樹理たちの悲鳴が聞こえてくる。樹理の病室では伶菜が絶命していて、駆けつけた目暮警部、高木刑事が捜査を開始。伶菜の死因は青酸系の毒物による窒息死。伶菜は普通に紅茶を何杯か飲んでいたが急に苦しみ出したという。  コナンは携帯の写真を見て、伶菜が右手で箸を持っている事に注目。コナンは伶菜のカップに付いた口紅、取っ手の位置から左手でカップを持っていたと判断する。安室は伶菜が写真に夢中になっている隙に犯人が毒を入れた自分のカップと伶菜のカップをすり替えたと推理。だが、華月、樹理、時枝はすり替える事はできないと反論。伶菜だけ紅茶にレモンを浮かべ、紅茶の色も全て異なっていたという。  目暮は3人を身体検査し、別室で個別に事情聴取する事に。樹理は伶菜が倒れた時に皆が飲んでいたハーブティーを目暮に教える。樹理は青いバタフライピー、伶菜は赤いハイビスカスティー、時枝は茶色いペパーミント、華月は黄色いカモミールを飲んでいたという。時枝は伶菜が略奪婚した事を打ち明ける。伶菜は時枝から彼氏を奪って結婚したという。華月は伶菜に勧められて買った株が暴落して大損した事を明かす。伶菜は下がる前に売って大儲けしたという。他にも華月は伶菜のせいで樹理の息子の受験は失敗したと証言する。樹理と伶菜の息子は同級生。中学受験の前日、勉強に来た伶菜の息子がインフルエンザにかかっていて、それが樹里の息子にうつって受験どころではなかったという。  話を聞いた小五郎は3人にはそれぞれ伶菜を殺害する動機があったと考える。コナンはお茶会を始めてから部屋を出た人はいるかと華月に確認。華月は自分がトイレに行き、時枝はお茶請けのお菓子を買いにコンビニへ行ったと証言する。続けてコナンはカップについて訊ね、華月は重曹でピカピカに磨いている樹理のカップを使ったと答える。3人の話を聞いたコナンは伶菜に毒を飲ませた犯人の目星をつけ、伶菜にそのカップを手にとらせたトリックに推理を巡らせる…。

第09話
(771話)
ギスギスしたお茶会(後編)

 杯戸中央病院で見舞い客の須東伶菜が殺害される事件が発生。伶菜の死因は青酸系の毒物による窒息死だった。目暮警部たちは一緒に紅茶を飲んでいた入院患者の高坂樹理、見舞いに来た別府華月と八方時枝の中に犯人がいると睨む。4人は高校の同級生だった。容疑者3人の話を聞いたコナンは伶菜に毒を飲ませた犯人の目星をつけ、伶菜にそのカップを手にとらせたトリックを考える。  高木刑事は現場の病室から毒物を入れたような容器や袋が見つからなかった事、ハーブティーから毒物が検出されなかった事を目暮に報告する。毒が付いていたのはカップの飲み口だった。目暮は犯人が毒物を外に持ち出して捨てた可能性が高いと考える。この後、蘭はコナンを探しにやってきて事件が起きた事を知る。コナンは蘭の何気ない一言を聞いて犯人が仕掛けたトリックの謎を解く。コナンは安室もすでに事件を解決していると踏んでいた。  高木は樹理、華月、時枝に毒物がカップの飲み口に塗ってあった事を伝える。カップの毒が塗ってあった部分には伶菜の口紅が付いていた。小五郎は犯人が毒を塗った自分のカップと伶菜のカップをすり替えたと推理するが…。3人はすり替える事はできないと再び反論。華月は黄色いカモミール、時枝は茶色いペパーミント、樹理は青いバタフライピーを飲んでいた。伶菜は赤いハイビスカスティーだったため、樹理たちはすり替えたらすぐに気付かれると訴える。だが、小五郎は伶菜だけティーにレモンを浮かべ、見える範囲が少なかったから色が違っても気付かないと主張する。  毒物は外に捨てられたと考える目暮は病室を出てトイレに行った華月とお茶請けを買いにコンビニへ行った時枝の2人に犯人を絞り込む。するとコナンは自分がカップに毒を塗ったら絶対に外に出ないと発言。コナンは自分がいない間にカップの位置やお茶の種類を替えられたら、どのカップが毒のカップかわからなくなるから、外に出た犯人は度胸があると続ける。コナンの発言を聞いた目暮たちは犯人を2人に絞り込む考えを改める。この後、コナンに促された安室は犯人、そして伶菜に毒を飲ませた巧妙なトリックを暴いていく。伶菜がハーブティーに浮かべたレモンこそがトリックの肝だった…。

第10話
(772話)
工藤新一水族館事件(前編)

 コナン、蘭、歩美、光彦、元太、哀、阿笠博士は米花水族館にやってくる。急遽この水族館に来る事になった蘭。ここは蘭にとっては新一とデートした思い出の水族館だった。蘭はサメがいる水中回廊をバックに壁に手をついた新一の姿を思い出し、コナンも新一の時に蘭とここに来た事を回想する…。  新一はサメがいる水中回廊の前で蘭と待ち合わせする。蘭は別居中の両親、小五郎と妃英理を水族館で再会させ、愛し合っていた頃を思い出させようと計画。蘭はこの作戦の下見のため、風邪を引いた園子の代わりに新一を誘って水族館に来たのだ。だが、それは建前で、蘭は新一と水族館でデートしたかったのだ。この後、新一が何かの匂いに気付いて辺りを見渡すと、水中回廊の壁際に人が集まっていた。  そこでは男性がしゃがみ込んでいて、足元の床にゆっくりと血が広がる。新一は脈を確認するが、すでに男性は絶命していた。被害者は心臓を一突きされていて、新一は床に落ちているコンビニ袋に気付く。凶器はこのコンビニ袋から飛び出ているナイフだった。新一は水族館の出入り口を封鎖して、警察を呼んで欲しいと係員に頼む。蘭は叫び声がないのに新一が事件に気付いた事に驚く。赤血球のヘモグロビンの主成分は鉄。新一は嗅覚に優れたサメのように血から漂う鉄の匂いを感じ取ったのだ。  この後、新一は現場に駆けつけた目暮警部に状況を報告。新一は犯人がコンビニ袋越しに被害者を刺したのは返り血を自分に付着させないためと推理する。目暮は襲われた時に大声を出していれば、目撃者がいるはずと考える。だが、遺体の首の後ろにはスタンガンを押し付けた跡があり、新一は被害者が刺される前にスタンガンで気絶させられ、声を出した可能性は低いと推理。スタンガンは被害者のジャケットの内ポケットの中に入っていた。  新一は現場の状況から被害者は水槽の底を見るように犯人から促され、派手に倒れない状態の時にスタンガンを当てられたと推理。この推理から目暮は犯人と被害者は顔見知りの可能性があると考える。被害者はガソリンスタンドでバイトする朱本国博、26歳で、新一は財布の中のレシートを確認。水族館にあるカフェのレシートにはコーヒー、紅茶とイルカのキーホルダー、精算時間が表記されていて、新一は15分前に朱本がイルカ好きの女性とデートでカフェ行ったと判断する。  さらに新一は朱本についた女性用の香水の匂いからデート相手は160センチ前後でミニスカートを穿いていると推理する。この後、新一は客の携帯、カメラなどを回収してほしいと目暮に頼む。目暮が来る前に朱本の携帯のアドレス帳から電話やメールをしていた新一はその時に無視した3人に再度、電話やメールをする。そして、新一と目暮は無視した尾城那穂、中桐鹿子、仁部浩大から話を聞くが…。

第11話
(773話)
工藤新一水族館事件(後編)

 新一と蘭が米花水族館でデート中に朱本国博が刺殺される事件が起きる。新一と目暮警部は朱本が携帯で連絡していた尾城那穂、中桐鹿子、仁部浩大から話を聞く事に。新一の推理通り、朱本とデートしていた鹿子は身長が160センチぐらいあり、ミニスカートで香水をつけていた。鹿子は朱本と一緒にイルカショーを観たと証言。だが、朱本はトイレに立ったまま戻らなかったという。新一が朱本の携帯から連絡した時に無視したが、鹿子は自分も犯人に狙われていると怯えて電話に出なかったと説明する。 鹿子によれば、朱本は携帯で「金は絶対用意する」と物騒な話をしていたという。  鹿子は身の潔白を主張し、アリバイの証拠となる動画を見せる。それは先ほどのイルカショーを最後まで撮影した映像だった。ショーが終わったのは昼の12時。朱本の遺体が見つかったのは12時前後で、鹿子はこの映像がアリバイになると訴える。那穂は別れて1年以上経つが、朱本と付き合っていた事を告白。殺害されたのが朱本とは知らなかったという。コナンが朱本の携帯から電話をかけた時、携帯の電源を切った那穂。今日は彼氏の仁部浩大とデート中だったらしく、那穂はヨリを戻そうとしつこくされていたので電源を切ったと明かす。那穂は今日撮影した仁部との写真、事件があった頃に水中回廊を縦向きに撮影した動画を見せる。動画にはサメや客の他に事件に気付いた新一や蘭の姿も映っていた。  仁部は目暮と話をして、殺害されたのが那穂の元カレだったと初めて知る。新一は朱本と知り合いだったかと確認するが、仁部は知らないと答える。朱本のメールは元カレからとは知らず、イタズラメールだと思って無視していたという。仁部も事件があった時に横向きのムービーを撮影。動画には水中回廊のサメや事件に気付いた新一たち、那穂の姿も映っていた。仁部はブログに載せるために動画を撮影したという。目暮は3人の動画は固定されたものではなく、人が撮った映像と判断する。  新一は犯人が暗い通路ではなく、明るい水中回廊で犯行に及んだ理由が気になる。水槽が並んでいる通路は暗くて客はほとんどシルエットでしかとらえられないからだ。この後、新一は何気ない蘭とのやりとりから犯人が四方を海中に模した水中回廊を犯行場所に選んだ理由に気付く。目暮は容疑者3人には犯行時刻に動画を撮影していたというアリバイがあると判断。警察は犯人が被害者を刺殺後、すぐに水族館から逃げた可能性を探る。だが、すでに新一は容疑者3人の中の誰が犯人かを見破っていた。この後、新一は容疑者3人を集め、1人だけ奇妙な動画を撮っていると伝える。それは自分が犯人と白状しているかのような動画で、新一は徐々に犯人を追い込んでいく…。

第12話
(774話)
消えたムンクの叫び

 成田空港でコナンと蘭、次郎吉が見守る中、運送会社社長の島村慶次と運搬員は荷物の梱包を解く。出てきたのはムンクの名画「絶望」と「不安」だった。鈴木美術館でムンク展が開催されるのだ。鈴木美術館の学芸員、沼尻寛は梱包前に撮影した名画2枚のポラロイド写真を確認し、運送中に傷つかなかったかを調べる。無事を確認後、島村と運搬員が「絶望」、別の運搬員2人が「不安」を梱包。沼尻は羽田空港に届くムンクの名画「叫び」を確認しに行く。この後、「絶望」「不安」を載せたトラックは鈴木美術館へ向けて出発。コナン、蘭、次郎吉が乗ったリムジンはそのトラックの後方を走る。  その時、沼尻から次郎吉に連絡が入る。すでに「叫び」は確認を終え、車で鈴木美術館へ運送しているという。しばらく後、沼尻は再び電話をかけてきて、前を走っていた「叫び」を載せた車が突然ルートを外れて消えたと次郎吉に報告する。美術館の館長はすぐに運送会社に連絡して状況を確認。だが、車は予定通りのルートを走っていて、先ほど、少し遅れてチェックポイントを出たという。チェックポイントは一度車を止めて梱包が崩れていないかを確認する場所だった。この後、次郎吉たちは美術館に到着。すでに沼尻は美術館に着いていたが、「叫び」を運搬する車はまだ現れないという。  この間に沼尻は無事に運ばれた「絶望」「不安」を確認。コナンは2枚の梱包の仕方が違う事に気付き、運搬員の加藤宗徳は多分、梱包した人が違うからと教える。加藤はチェックポイントから交代で「絶望」「不安」を運んできたという。館長は本当に「叫び」が盗まれたのなら国際問題になりかねない大事件と心配する。蘭は園子に促され、新一に電話して相談する事に。警備室で次郎吉たちが警察に連絡するか話し合っていると、そこに加藤から事情を聞いた島村がやってくる。その直後、美術館に「叫び」を載せた車が予定より30分以上遅れて到着。「叫び」は贋作にすり替えられる事もなく無事だった。  沼尻がルートを外れた理由を訊ねると、運搬員の峰岸武雄はナビ通りに走り、ルートを外れた感覚はないと答える。コナンは「叫び」を運搬した車のカーナビを調べる。ルートは消去されていたため、コナンは実際に走った順路の履歴を確認し、順路の一部が途切れている事に気付く。それは電波が悪い地域を走ると、人工衛星から電波を受信できなり、ルートに表示されなくなる“衛星のロスト”という現象だった。コナンはチェックポイントと衛星のロストの位置を確認後、チェックポイントで撮影された「絶望」「不安」「叫び」の梱包写真を見て何かに気付く。チェックポイントでは梱包を解く事はなく、梱包は各空港でされた時のままだという。この後、コナンは新一の携帯に蘭から着信があった事に気付き、新一として蘭に連絡する。新一は電話越しに名画を運搬中に起きた事件の謎を解明する…。

第13話
(775話)
あやつられた名探偵(前編)

 小五郎は目暮警部に協力を要請され、強盗団を潜入捜査する事に。金庫破りの名人に変装した小五郎は指定された廃工場で姿を見せない強盗団ボスのMr.ヘッドと対話。ヘッドの声を金属的に加工され、年齢も性別も不詳だった。小五郎はMr.ムスタッシュ(口ヒゲという意味)と呼び名を付けられ、強盗団の仲間になる事に成功する。廃工場を出た小五郎は潜入が成功したと目暮に電話で報告。その時、小五郎は背後からヘッドにスタンガンで撃たれる。ヘッドは名探偵という小五郎の正体に気付いていた。  この後、ヘッドは予定通り金庫破りの名人として部下たちと行動を共にしろと小五郎に命じる。部下の中にヘッドの息子を殺害した犯人がいるらしく、ヘッドはその犯人を特定しろと要求。タイムリミットは今度のヤマを決行後、日本を後にする明後日の夜明けまで。ヘッドはそれまでに特定できなければ、手配した殺し屋が蘭を殺害するという。小五郎はこの依頼を引き受けるしか選択肢はなかった。  翌日、蘭は帰ってこない小五郎を心配。小五郎の様子がおかしかったらしく、コナンは小五郎が何か事件に巻き込まれていると考える。コナンは小五郎が残したメモから行った可能性が高いホテルのカフェテラスを特定。コナンはカフェのウェイターの証言から小五郎がホテルを出た後の行動を推理する。コナンは小五郎を乗せたタクシー運転手を見つけ、小五郎を降ろした裏通りまで案内してもらう。その裏通りで小五郎の携帯を発見した後、コナンは近くにある廃工場を調べ、地図と見取り図を見つける。  夜、ムスタッシュ(小五郎)はMr.アイズ、Mr.ノウズ、Mr.マウス、Miss.リップと車で地下カジノが入っているビルに向かう。ムスタッシュたちは運転役のリップを残し、カジノに強盗に入る。そこには客を装った高木刑事、佐藤刑事も潜入していた。ムスタッシュ(小五郎)はアイズから金庫を開けるように命じられて動揺。さらにムスタッシュ(小五郎)は変装のヒゲも取れ、名探偵の毛利小五郎と正体がバレる。その直後、目暮や刑事たちが突入してくる。コナンも大混乱に紛れてカジノに紛れ込む。  目暮は潜入捜査の役目が終わった事を小五郎に伝えるが、小五郎は警官たちを投げ飛ばして強盗団と共に逃走。小五郎は蘭の安全を確保するため、強盗団と行動を共にし、ヘッドの息子を殺害した犯人を特定しなければならなかった。廃工場でビルの見取り図を見ていたコナンは小五郎たちの逃走経路を推理して先回りする。そして、コナンは逃走車を見つけると、トランクを開けて中に身を潜める。間もなく、小五郎と強盗団はリップがハンドルを握る車に乗り込んで逃走。リップは高度な運転技術で追跡してくるパトカーを全て振り切ると車を急停車させる。ハンドルの切れがいつもより悪いと感じたリップはトランクに子供が潜んでいる事に気付いて…。

第14話
(776話)
あやつられた名探偵(後編)

 逃走車のトランクに隠れるコナンだったが、運転していた強盗団のMiss.リップに見つかってしまう。コナンと正体がバレた小五郎はMr.アイズ、Mr.ノウズ、Mr.マウス、リップと共にボスのMr.ヘッドが待つ倉庫へ。するとスピーカーから金属的に加工されたヘッドの声が響く。ヘッドは予定通り、密航船の出航時刻の夜明けまでここで待機してもらうと皆に伝える。  時刻は午前2時半で、小五郎は腕時計を見て焦る。夜明けまでにヘッドの息子を殺害した犯人を特定できなければ、蘭は殺し屋に命を奪われてしまうのだ。この後、ライトで倉庫内が照らし出され、1年前に強盗団が襲撃した地下カジノを再現したセットが現れる。そこでヘッドの息子は殺害されたのだ。ヘッドはこの中にいる息子を殺害した犯人を名探偵の小五郎に暴いてもらうと部下たちに伝える。  だが、アイズはヘッドの息子のMr.ピンプルは地下カジノの人間に殺害されたと反論。マウスは付き合っていられないと言って倉庫から出ていこうとする。その時、システムが作動してドアのロックが旋錠。ヘッドは時間が来たら自動的にロックは解かれるが、その前に脱出しようとすれば狙撃の照準ビームが作動して命の保証はないと部下たちに警告する。この後、ヘッドは1年前の事件を回想する。  1年前、ピンプルはウェイターに扮してカジノに潜入。そこに客に扮したマウス、ノウズ、アイズがやってくる。ピンプルは客とぶつかってグラスを落とし、マウスたちは目立つ行動ばかりするピンプルを足手まといに思っていた。この後、マウス、ノウズ、アイズはマスクを被ると、従業員にナイフを向けて拳銃を奪う。マウスたちは客の財布を奪った後、従業員を連れて換金コーナーへ向かう。その時、突然停電になってカジノは真っ暗に。そして、銃声が轟いた後に電灯が復旧すると、床にはピンプルの遺体が横たわっていた。その直後にカジノは火事になり、マウスたちと従業員、客は外へと逃げたのだ。これがマウスたちの報告した内容だったが、事実はだいぶ違っているとヘッドは指摘する。  リップは外の車で待機していた自分は事件に関係ないと訴えるが、アイズたちは停電の間に密かにカジノに来た可能性もあるとリップも容疑者の1人とみなす。この後、ヘッドは苦労して手に入れたというカジノの防犯カメラの映像を皆に見せる。ヘッドは映像を見て何か気付かないかと小五郎に訊ねる。コナンは映像を見て、すぐに不可解な点に気付き、何気ない会話から事件を解決に導くヒントを小五郎に与える。小五郎は徐々に事件の真相に近づき、ピンプルを殺害した犯人を特定しようとするが…。タイムリミットの夜明けまではほとんど時間は残されていなかった…。

第15話
(777話)
少年探偵団vs老人(シルバー)探偵団

 コナン、歩美、元太、光彦は盗まれた自転車を見つけ出した徳永栄太郎、赤坂睦彦、大島吟太、江本安子という4人の老人に出会う。徳永たちは市民の平和と安全を守るために結成されたシルバー探偵団だった。睦彦は光彦、吟太は元太、安子は歩美、徳永はコナンとキャラがダブるという。翌日、黒田清正という若者が殺害される事件が発生。第一発見者はシルバー探偵団の4人だった。  殺害現場の黒田家の居間。コナンは人の家の中の遺体を発見できた事を不思議に思って理由を訊ねる。徳永がチンピラ風の男がタバコをポイ捨てする姿を見かけて注意すると男は徳永を突き倒して逃走。徳永は追跡しながら探偵団を呼び集め、男が逃げ込んだ家を訪ねて遺体を発見したという。置物で頭を殴られて殺害された黒田。殺害時刻は4人が発見する1時間前だった。  捜査する目暮警部たちは事件現場を見て愕然となる。徳永たちは保存しなければいけない現場を素手でいじくりまわしてしまったのだ。徳永たちは遺体を見つけて気が動転し、チンピラ男の事をすっかり忘れていた。男は金髪で派手なサングラスにアロハシャツ、頬に傷跡があったという。被害者の黒田の評判は最悪で、遊び呆けていたロクデナシだった。千葉刑事は黒田がタカリでお金を作っていたと推理。高木刑事は金づるにされていた者による犯行の可能性もあると考える。  徳永たちは犯人の手がかりを見つけて、名誉挽回しようと独自に捜査を開始。少年探偵団はシルバー探偵団と張り合って聞き込みを行う。この後、徳永は現場近くの川原でチンピラ男がかけていたサングラスを発見。サングラスには黒田の血痕が付着していた。徳永は自分たちが追っていたチンピラ男が犯人と推理。徳永は被害者を殺害して逃走した男が現場に証拠を残してきた事に気付いて引き返したと考える。証拠を消した男が再び逃げる際に被害者の血が付着したサングラスを捨てたという推理だった。目暮たちは徳永の推理を聞き、チンピラ男が犯人の可能性が高いと考える。  光彦たちはお手柄が続いている事に違和感を抱き、徳永たちがシルバー探偵団を始めた理由を調べる事に。光彦、元太、歩美が調べた情報によれば、シルバー探偵団が結成されたのはひと月前。市の広報誌で徳永がメンバーを募集したという。募集した頃に徳永が住むアパートの隣の老女、城戸恵が事故死。城戸は300万円を銀行から下ろした帰りに駅の階段から転落して他界したという。過って階段を踏み外したのは片足を骨折していたから。城戸は何日か前に車に引っ掛けられて骨折し、その車を運転していたのが黒田だった。城戸は黒田が誠実に対応してくれたために警察には届けなかったという。3人の話を聞いたコナンは事件の真相に気付き、巧妙な心理トリックを操る犯人を見破る。

第16話
(778話)
天使が消えた蜃気楼

 小五郎は失踪した画家の青木悟を探して欲しいと妻の青木碧から依頼される。絵を描くために行き先を告げずに出掛けるが、絵の進行状況は必ず報告していた青木。だが、一昨日から連絡が途絶えたという。小五郎は最後に届いた画像を確認。それは仄暗い海、浜辺に青白く輝く波が打ち寄せている幻想的な絵だった。コナンは絵を見て、青木が富山の魚津にいると推理する。絵に描かれた青白く輝く波はホタルイカの身投げという自然現象。最近、この現象が見られたのが富山湾だったのだ。  小五郎、コナン、蘭、碧は魚津に訪れ、波打ち際に打ち上げられた青木の水死体を発見する。駆けつけた酒井警部と澤田刑事によれば、溺死した青木の死亡推定時刻は昨夜8時から11時の間。遺体の懐からはウイスキー瓶が見つかる。青木は足が悪かったらしく、小五郎は酔って足を滑らせて海に落ちたと推理する。コナンは青木の右頬に殴られたような傷がある事に気付く。  次に小五郎たちは民宿を訪ね、青木が2週間前から泊まっていた部屋を調べる。コナンは送られた画像と同じ絵を見て、何か描き加えられている事に気付く。その絵には水平線近くの白いキノコのような家とそこから空へ上がっていく神秘的な女性(金髪ボブに白い服)が描かれていた。青木は自分の目で見たものしか描かない画家で、小五郎は青木が酔って幻覚を見たと考える。  必ず景色をカメラに収めてから絵を描いていた青木。コナンは青木のデジタルカメラを調べ、ホタルイカの身投げがあった10日前の夜の画像が一切ない事に気付く。何者かが消した可能性が高く、酒井はただの事故ではないと判断する。民宿の主人の林太郎は昨夜12時頃に帽子を被り、マスクで顔を隠した男が青木の部屋に向かったと証言。林は男を青木と思ったようだが、その時はすでに死亡していた時間。小五郎は犯人が画像を消しに来たと推理する。林の証言から犯人は青木の部屋の場所を知っている人物と判断。青木の部屋を訪ねた3人が容疑者として浮上する。  フリーターの赤城洋介は一昨日に青木と民宿で会ったと証言。失踪した恋人を探す赤城はビラを青木に渡したという。旅行者の白川和志は一昨日の夕方、浜辺を散歩中に青木と会ったと証言。白川は自殺しそうな青木に声をかけ、その夜は青木の部屋で飲み明かしたという。青木の旅行カバンには睡眠薬が2瓶だけ入っていて、小五郎は自殺の可能性も考える。漁師の石黒忠次は昨日の朝、民宿に魚を届けに行って青木と会ったと証言。石黒は命懸けで獲った魚に青木が手をつけず、部屋まで怒鳴り込みに行ったという。3人とも事件当夜のアリバイはなかった。この後、蘭は海岸沿いの道にたくさんの観光客がいる事に気付く。コナンは魚津が蜃気楼でも有名な事を思い出して事件の真相に辿り着く…。

第17話
(779話)
緋色の序章

 午後8時前、杯戸小学校教師の澁谷夏子が学校でテストを採点していると、知り合いのジョディから電話がかかってくる。今夜2人は飲む約束をしていたのだ。約束を忘れていた夏子はこれから児童の親御さんと会う約束があると断る。安室は杯戸公園前に停めた車の中でベルモットと話しながら夏子を待っていた。安室は夏子からある依頼を受けていたのだ。その時、誰かが階段から転落。安室は階段上を見上げ、何者かが逃げていく姿を目撃する。安室が確認すると、階段から落ちたのは夏子だった。  翌日、コナンはジョディと会い、楠田陸道の事を外部の人に漏らさないで欲しいと頼む。コナンは楠田の事を調べる安室を警戒していた。その時、ジョディは高木刑事から連絡を受け、夏子が階段から突き落とされ、意識不明の重体になった事を知る。公園で発見された夏子の携帯にジョディとの通話履歴があったのだ。ジョディは高木に呼ばれ、コナンと共に現場の杯戸公園前へ向かう。  現場には目暮警部、高木の他にキャメルもいた。ジョディが夏子に連絡した時、キャメルの携帯を使ったために警察から連絡がきたという。夏子が転落したのは昨夜の午後9時過ぎ。夏子のバッグには採点済みの答案用紙が大量に入っていたという。個人情報流失の恐れがある解答済み答案用紙を家に持ち帰る事は禁止されているため、コナンは夏子が襲われたのは学校と推理する。犯人は仕事帰りに襲われたと偽装するため、バッグに机の上の物を詰め込んだのだ。  この後、学校の夏子の机の上からルミノール反応も出て、殴られた犯行現場が職員室と特定される。同僚の教師、菅本佳晴は昨夜、夏子を送るつもりだったと証言。だが、8時半過ぎに職員室を覗くと、すでに夏子はいなかったという。菅本はそれまで体育用具室にいたと証言する。コナンは車を所有しているか確認。菅本は持っているがエンジンの調子が悪かったため、今日は電車で来たと答える。  昨夜、夏子と会う約束をしていた保護者の植野晶代、神立文幸からも話を聞く。植野は8時過ぎに夏子と会い、息子を誘惑しないでと忠告したと証言。植野は息子が露出の多い服を着る夏子に夢中になって困っていた。神立は夏子に文句を言いに来たと証言。夏子はテストで神立の娘の字が汚いからと正しい解答を不正解に。だが、神立は9時前に学校に来たら校門が閉まっていて会えなかったと証言する。  この後、夏子の携帯に履歴が残っていた安室が学校に呼ばれる。安室はストーカー被害があった夏子から調査と警護を依頼されていた。安室は犯人のシルエットを見たが、顔はわからなかったと証言。犯人が逃げた時、車の音が聞こえたらしく、安室は犯人が殴って気絶させた夏子を車に乗せて公園まで運び、階段から落としたと推理する。コナンたちは菅本、植野、神立からもう一度話を聞く事にするが…。

第18話
(780話)
緋色の追求

 ジョディの知り合いの杯戸小学校教師、夏子が公園前の階段から突き落とされて意識不明の重体になる事件が発生。犯人は学校で夏子を襲って気絶させた後、車に乗せて公園まで運び、階段から突き落とした可能性が高かった。コナンたちは夏子を自宅まで送ろうとしていた同僚教師の菅本、夏子と会う約束をしていた保護者の植野、神立からもう一度話を聞く事に。菅本は夏子と一緒に帰る約束した訳ではなく、一方的に送ろうと考えていた。安室は菅本が夏子に告白してフラれた事を暴露。夏子からストーカー被害の依頼を受けた安室はフラれた菅本を要注意人物としてマークしていたという。  菅本は毎日、夏子に気付かれないように跡をつけ、見守りながら護衛していたと証言する。話を聞いたジョディはストーカーと同じだと菅本に怒りを露わに。目暮警部は菅本を疑うが、菅本は午後8時半過ぎに職員室に来た時、夏子はいなかったと改めて証言する。植野は職員室で話した時、夏子はテストを採点していたと証言。植野の息子は小5で、夏子は小1の担任だが、アメリカ留学の経験を活かして得意な英語を高学年に教えていたという。犯行に車が使われたため、ジョディが車の事を確認。植野は旦那が作った借金の返済で車は売却したと明かす。神立は今朝、ガレージが壊され、車が盗まれたと証言。会社には電車で出勤し、小学校まではバスで来たという。  神立は約束の9時に来た時には校門が閉まっていたと証言。だが、目暮は植野が帰った後、菅本が来る前に神立が連れ去る事もできたと考える。高木は夏子の携帯のメールを調べ、「約束は8時半頃でしたけど来られますか?」という未送信メールを見つける。神立は数字が飛び交うテストの採点をしていたために勘違いしたと考える。夏子が採点したテストの現物は鑑識の所にあるため、目暮たちは答案用紙の写真を確認する事に。ジョディは答案用紙の右上に注目。アメリカでは100点満点の時、エクセレントと書くが、夏子は満点の答案用紙の右上に花丸を書いていた。  安室はこの写真から読み取れる情報は他にないかとジョディとキャメルを挑発する。だが、ジョディとキャメルは事件解決に繋がるような情報を読み取る事ができない。すでに安室とコナンはこの写真を見て誰が犯人かに気付いていた。この時、安室はFBIのジョディたちに挑戦的な態度を取り、コナンは「悪い奴らの敵だよね?」と安室に耳打ちして確認。安室は「君は僕の事を少々誤解しているようだ」と意味深な事を言う。この後、コナンと安室はテストの写真を見せながら犯人の犯行を暴いていく…。

第19話
(781話)
緋色の交錯

 ジョディとコナンは夏子の容態が悪化したという連絡を受けて杯戸中央病院へ向かう。だが、連絡と違って夏子は意識が戻って無事だった。その頃、安室はキャメルに楠田の事を訊ねていた。キャメルが知らないと安室に答えた直後にジョディがやってくる。ジョディは安室と離れると、楠田の事を喋っていないかと確認。キャメルは楠田が拳銃で自殺した事は話してないと答える。だが、キャメルに確認したジョディは変装したベルモットだった。  この後、本物のジョディはキャメルと合流し、機密情報を安室に漏らしていないかと確認。キャメルはさっきも同じ質問をされたと答え、コナンはジョディに変装したベルモットがキャメルに接触した事に気付く。コナンはバーボン(安室)とベルモットの思惑通りに動いてしまったと悔しがる。バーボンとベルモットの策略はジョディが夏子から受け取ったメールから始まっていた。お酒を飲もうというメールを夏子の携帯から送信したのはバーボンだったのだ。コナンは最初からバーボンたちがジョディと組むFBI捜査官から楠田の情報を聞き出そうとしていたと推理する。ジョディはキャメルが漏らした機密情報が楠田の事だけだと知って一安心。ジョディは楠田の情報が重要なものではないと考えていた。だが、コナンは楠田の事がバーボンたちにバレたと知ってショックを受ける。  安室はジョディに変装したベルモットと合流。ベルモットはキャメルから楠田が拳銃で自殺した事を聞き出したと報告する。すると、安室は楠田の消息が途絶えた頃、同じように頭を撃たれて焼かれた男がいたと発言。安室はFBI捜査官の赤井秀一の事を頭に浮かべていた。安室は赤井が生きていると推理しているのだ。ベルモットは的外れの推理と反論し、赤井の死亡は確認されていると指摘する。しかも、赤井が撃たれた様子はキールの隠しカメラで撮影されているのだ。キールに頭を撃たれる直前に「まさか、ここまでとはな」と呟いた赤井。安室はこの言葉を反復して何かに気付く。ベルモットに反論されたが、安室は自分の推理に自信を持っていた。この後、安室はある場所を訪ねて…。

第20話
(782話)
緋色の帰還

 安室は赤井が生きていると確信し、工藤邸にいる沖矢を訪ねる。沖矢が家に上げると、安室はミステリーの話を切り出し、死体すり替えトリックの話を始める。来葉峠で頭を拳銃で撃たれ、車ごと焼かれた男性(赤井)。焼け残った右手から採取された指紋が生前に手に取ったある少年(コナン)の携帯に付着した指紋と一致し、男性の身元が証明されたが…。安室は指紋が引っかかっていると沖矢に告げる。男性は左利きなのに携帯に残っていたのは右手の指紋だったのだ。  安室はその携帯は男性が手に取る前、別の男性(楠田)が拾っていて、その拾った男性が右利きだったと説明。安室は最後に拾った男性(赤井)が指紋を付けない細工をしていたと推理する。その頃、ジョディはキャメルが運転する車で来葉峠を走りながら安室と同じ事を考えていた。ジョディは赤井が接着剤か何かで指をコーティングしていたと推理する。ジョディも来葉峠の遺体は楠田と睨んでいた。赤井は自分と同じ服を着せた楠田の遺体を車に乗せていて、タイミングを見計らってすり替わったのだ。  話を聞いていた沖矢は撃たれたフリをした男性(赤井)はどうやってその場から立ち去ったのかと質問。安室は撃った女性(キール)がグルで、女性の車にこっそり乗り込んで逃げたと答える。安室は男性(赤井)が事前に頭から血が流れる細工をニット帽にしていたと推理。女性(キール)は空砲を撃ったのだ。頭を撃てと女性に命じたのは監視役の男性。男性(赤井)たちは監視役がトドメを刺す時、頭を狙うと予想していたのだ。安室はこの計画を企てたのは別の人物と睨んでいた。安室がそのように推理したのは男性が頭を撃たれる直前に「まさか、ここまでとはな」と呟いたため。男性は「まさか、ここまで読んでいたとはな」とこの計画を企てた少年(コナン)を称賛していたのだ。  車を運転するキャメルは少しスピードを上げるとジョディに伝える。後ろから妙な車3台に追跡されていたのだ。キャメルは運転しながら赤井かもしれないと心当たりがある人物がいないか訊ねる。続けて、キャメルは周りに口癖が赤井と同じ人はいないかと質問。赤井は「フィフティ、フィフティだからお互い様」とよく言っていたのだ。ジョディはそれを聞いてハッとなる。ジョディは米花百貨店でぶつかった時、同じような事を沖矢が言っていた事を思い出したのだ。  安室は来葉峠の一件の後、少年の周りに突然現れた不審人物を考え、ここに辿り着いたと沖矢に伝える。続けて、安室はFBIのジョディたちの生死がかかれば素直に応じてくれると思い、仲間がジョディたちを追跡していると告げる。そして、安室はマスクを取ってくれと沖矢に要求。安室は間違いなく沖矢が赤井だと考えていた。沖矢はこの要求に素直に応じるが…。

第21話
(783話)
緋色の真相

 来葉峠でジョディはキャメルが運転する車に乗り、追跡してくる公安の車から逃げていた。だが、タイヤの空気が抜けて絶体絶命のピンチを迎える。その時、後部座席から赤井秀一が現れる。全てはコナンの思惑通り。コナンは赤井の死に不信感を抱いたジョディたちが来葉峠に来る事を的中させていた。赤井は直線に入るとハンドルと速度を固定しろとキャメルに指示した後、拳銃の照準を公安の車に合わせて発砲。銃弾は公安の車のタイヤに被弾し、ジョディたちは公安の車を振り切る事に成功する。  だが、赤井はすぐに公安の車がクラッシュした場所に戻れとキャメルに指示する。その頃、工藤邸にいる安室の携帯に部下から連絡が入る。部下は赤井にタイヤを撃たれて車がクラッシュしたと報告する。テレビではマカデミー賞の授賞式が中継され、最優秀脚本賞を授賞した工藤優作がスピーチをしていた。優作は受賞した「緋色の捜査官」にはFBI捜査官のモデルがいると明かす。来葉峠ではジョディの車が公安の車がクラッシュした場所に戻っていた。  赤井は公安が安室と話している携帯と自分が発砲した拳銃を交換してほしいと提案。そして、赤井は公安から携帯を受け取り、通話中の安室(バーボン)と話し始める。赤井は公安の車を大破させた事を謝罪し、代わりに楠田陸道が自殺に使用した拳銃を部下に渡したと告げる。この拳銃の入手ルートを探れば黒ずくめの組織に関する手がかりが掴めるかもしれないのだ。赤井はそういう事はFBIより日本の公安の方が得意と考えていた。それを聞いた安室は自分の正体が気付かれていないかと不安になる。  すると赤井はコナンにゼロというあだ名を漏らしたのは失敗だったと安室に伝える。赤井は安室の正体が公安の降谷零とわかっていた。赤井は安室が自分の身柄を黒ずくめの組織に引き渡し、お手柄をあげて組織の中心近くに喰い込む算段だったと推理する。この後、赤井は「彼の事は今でも悪かったと思っている」と安室に謝罪。そして、赤井は公安の1人に携帯を投げ返し、ジョディの車で走り去っていく。安室は勘違いだった事を沖矢に告げて工藤邸から出ていく。沖矢は盗聴発見器で家の中に盗聴器が仕掛けられていないか確認後、2階にいる人物に呼びかける。2階の部屋にいたのはコナンだった…。

第22話
(784話)
織り姫クラブへようこそ

 コナンと蘭、園子は園子の知り合いの近田詠美に会うため、彼女が通う高校にやってくる。詠美は校舎の2階の窓から外にいる園子を見つけて声をかけてくる。その直後、詠美は悲鳴を上げ、カーテンを被せられるように姿が見えなくなる。コナンたちが部屋に駆けつけると、そこでは詠美が倒れ、断ち切られた毛髪が床に散っていた。詠美は背後から何者かに襲われ、髪をカッターで切られたと証言する。  事件は3日前、昨日にも起きていた。五代めぐみはタンブラーの飲み物に赤唐辛子を入れられ、玉井千絵はカバンの中に蜘蛛の玩具を入れられたという。事件前には織り姫クラブが設置した箱に「MGに怒りを!」「CTに報いを!」という予告の手紙が入れられていたという。アルファベットは被害者のイニシャルだった。織り姫クラブはイギリスに実在するジュリエットクラブにあやかり、詠美が同級生と校内に開設した恋の相談窓口。手紙限定で恋の相談を受け付け、女子生徒の間で評判になっているという。  今朝、新たに「ECに裁きを!」という手紙が届き、詠美は自分の事と心配になって園子に相談したのだ。詠美は現場に「本日日没とともに、TBに死を!」という別の手紙が残っていた事を打ち明ける。日没まではおよそ2時間で、園子は自分が犯人を捕まえてTBさんを助けると張り切る。この時、コナンは詠美がいた窓の外枠にわずかに毛髪が付着している事に気付く。コナンたちは手分けして名前がT、苗字がBの生徒を探す。だが、該当する生徒たちに狙われる心当たりはなかった。  日没まで1時間。コナンはもう一度織り姫クラブの部屋に戻り、窓の下の花壇に注目する。コナンの思った通り、花壇の花にも少量の毛髪が付着。地面には何かが刺さった痕のような穴が開いていた。この後、コナンは手紙の保管箱を調べ、最初の被害者2人の手紙を確認。コナンは2人の手紙に書かれたロミオという言葉に目を留める。ロミオは図書館で勉強するイケメン優等生、刈谷勇人の事だった。  園子は刈谷を犯人と疑い、詠美が髪を切られた1時間前のアリバイを確認。刈谷は「カッターを拾いました。お返しするので、体育館の裏まで来て下さい」というメモをもらったと説明。メモの文字は予告の手紙と同じだった。刈谷は5分待ったが誰も来なかったので図書館へ戻ったと証言。この時、詠美は刈谷に声をかけるが、刈谷は冷たい態度をとる。コナンは詠美の顔色が変わった事に気付く。  この後、コナンは手紙のアルファベットは被害者のイニシャルではなく、ロミオとジュリエットの登場人物になぞらえていると推理。コナンは友達を殺害されたロミオが仇を討ったティボルトがTBと考える。話を聞いた園子は学園祭のロミオとジュリエットの劇で詠美がティボルトを演じた事を思い出し、刈谷が詠美の命を狙っていると判断。その時、蘭と園子は屋上で向かい合う刈谷と詠美に気付いて…。

第23話
(785話)
太閤恋する名人戦(前編)

 太閤名人の異名を持つ羽田秀吉と勝又力の名人戦が山梨の温泉旅館で開催される。秀吉が勝って名人位を取り戻せば史上2人目となる7冠王の快挙だった。2日目の対局直前、秀吉は女性スタッフから封筒を受け取る。昨日、妙な男から2日目の対局前に秀吉に渡してくれと頼まれたという。秀吉は封筒の中身を見て驚愕する。この後、封じ手が開封され、2日目の対局が始まるが…。  秀吉はすぐに「長考します」と言って対局場を出ていく。対局場は秀吉の思いもよらぬ行動に騒然となる。秀吉はタクシーに乗り込んで東京へと急ぐ。手紙は恋人の宮本由美を誘拐したという脅迫状だったのだ。送り主は首なし棋士と名乗る人物。手紙には「お前の女は我が手中に在り。助けたくば棋譜を読み解いて参られよ」と書かれていた。  次の頁は「第一局 七つの神社の内の一つが盗賊に襲われ、宝物殿が二日で空になり、井戸に身を潜めていた神主の娘も連れ去られた。写真同封」という暗号文。封筒には縛られた由美の写真も入っていた。秀吉の名人戦での残りの持ち時間は6時間弱。犯人はこの持ち時間をタイムリミットに指定してくる。秀吉は持ち時間が尽きる午後3時までに由美を救出すると誓う。  そして、秀吉は第一局の暗号文を解読して明治神宮へやってくる。残り時間は4時間10分になっていた。秀吉はここでパワースポット巡り中のコナン、光彦、元太、歩美、哀、阿笠博士と偶然会う。コナンが名人戦中にここにいる理由を聞くと、秀吉は由美が誘拐された事を打ち明ける。暗号文が示しているのは明治神宮にある加藤清正の井戸だった。  コナンはこの井戸の周りを調べ、犯人が残したヒントの香車の駒を発見する。第二局と刻まれた香車の駒の裏には逆Tの字の間に丸で囲まれた七と三の文字。コナンたちはこの第二局の暗号の解読に取り掛かる。どこまでも真っ直ぐ前に進む事から槍と呼ばれる香車。コナンは加藤清正、七と三、槍というキーワードから暗号を解読して…。

第24話
(786話)
太閤恋する名人戦(後編)

 名人戦中の羽田秀吉のもとに首なし棋士と名乗る犯人から恋人の宮本由美を誘拐したという脅迫文が届く。コナンは第二局の暗号を解読し、秀吉、光彦、元太、歩美、哀、阿笠博士たちと幽霊坂にある墓地にやってくる。暗号が示しているのはこの墓地にある福島正則の供養塔だった。移動中、阿笠は犯人に心当たりはないのかと秀吉に訊ねる。阿笠は首なし棋士と名乗っている事から犯人は将棋関係者と推理。秀吉は将棋関係者と聞いて、ある男性の事を頭に思い浮かべていた。  元太は供養塔の裏に将棋盤がある事に気付く。将棋盤には駒が接着剤で貼り付けられていた。秀吉は7三のマスに飛車と一緒に釘で串刺しになった角、同じく重なった金と銀、2枚ある角が気になる。しかし、秀吉はこの第三局の暗号を解読できない。光彦は将棋の駒を全体で見ると数字の「7」に見えると主張。この後、歩美は釘で刺さった飛車の下にある角の駒の横に小さな文字で「見栄っ張り」と書かれている事に気付く。他にも銀の上に載っている金の駒の底に「なまけ者」と書かれていた。  コナンたちはこの第三局の暗号を解読できずに時間だけが経過。タイムリミットの午後3時まで2時間半に迫っていた。山梨の名人戦の対局場に戻るなら、移動時間も踏まえ、あと30分しか時間は残されていない。しかし、7冠王より由美の事が大事な秀吉は対局場に戻るつもりはなかった。この後、コナンと秀吉は哀たちの何気ない会話からこの盤上の駒が意味している事を解読し、由美が首なし棋士に囚われている場所を特定する。コナンと秀吉は由美が杯戸町にいると確信していた。  この将棋盤が意味しているのは7つの大罪。元々、7つの大罪は暴食、色欲、強欲、ゆううつ、憤怒、怠惰、虚飾、傲慢の8つだったが、虚飾が傲慢に、ゆううつが怠惰に含まれ、新たに嫉妬が追加されて今の7つになったという。コナンと秀吉は釘が刺さっている飛車が傲慢、下の角が虚飾と推理。傲慢は英語にするとプライドで、コナンはホテル杯戸プライドに由美は監禁されていると推理する。この後、コナンたちがホテル杯戸プライドに到着すると、フロント係が連れの方に頼まれていると言って秀吉を客室の1つに案内。その部屋では秀吉が犯人として思い浮かべていた男性が待っていた…。

第25話
(787話)
真夏のプールに沈む謎(前編)

 コナンは蘭、園子と共に世良が滞在するハイドプライドホテルのプールに遊びに行く。プールで園子はパーティーで何度か会った大磯ファイナンス社長秘書、左巻頼斗から声をかけられる。この後、デッキチェアに座る大磯ファイナンス社長令嬢、大磯永美は左巻を呼び、オイルを塗って欲しいと頼む。永美は異母妹の浜香、ホテル支配人の豊島延策と一緒にいた。浜香は社長の愛人の娘で、母親が病死したために大磯家に身を寄せているという。このホテルのオーナーは大磯ファイナンスの社長だった。  永美はフィアンセの左巻が浜香とデキていると疑っていた。永美は左巻と浜香が父親の遺産を半分せしめようと企んでいると勘ぐる。豊島が考えすぎだと口を挟むと、永美は豊島が2人に逢い引き用のホテルの部屋を用意した事も知っていると言い放ち、その場が険悪なムードになる。この後、浜香は永美が首につけていたネックレスがない事に気付く。永美は泳いでいる時にプールに落としたと考え、客をプールから追い出してネックレスを捜す事に。  永美は浜香、左巻、豊島と共にシュノーケリングの道具をつけてプールの中を捜すが、ネックレスは見つからない。永美は酸素ボンベとダイビング装置を持ってくるように指示した後、ここからは自分1人で捜すと言って、皆にプールから上がるように命じる。この後、コナンたちがレストランにいると、ホテルの従業員たちが慌ただしくなる。コナンたちがプールに行くと、永美がいないと騒ぎになっていた。その時、ホテルのボーイが水中に沈む何かを発見。それはボンベを背負って溺死した永美だった。  左巻と豊島は永美の遺体に気付いてプールへ飛び込む。左巻は永美を抱きかかえてプールサイドへ向かい、その後ろにボンベを抱えた豊島が続く。この時、豊島は痛いと言って顔を歪める。プールの底に落ちていたガラスの破片が刺さったのだ。この後、目暮警部たちが捜査を開始する。死亡推定時刻は正午から午後1時の間。永美はボンベを背負った上、体が浮かないように腰にウェイトをつけていた。目暮たちは左巻たちから話を聞き、事故死の可能性を考える。  だが、ホテルのボーイは遺体を見つける10分前に見た時はプールの中に何もなかったと証言する。遺体を発見したのは午後2時過ぎで、世良は溺死させた永美の遺体を誰かが一旦どこかに隠したと推理する。だが、豊島たちが永美を捜していた時に誰にも見られる事なく、プールの中央に遺体を運んで沈める事は不可能に近かった。この後、目暮は水を抜いてプールの底を調べ、コナンはガラスの破片は割れた水槽だと気付く。プールの排水口には長い釣り糸が引っかかっていた。この後、目暮は永美と関わりのある左巻、浜香、豊島から話を聞き、3人に永美を殺害する動機があると考えるが…。

第26話
(788話)
真夏のプールに沈む謎(後編)

 ハイドプライドホテルのプールで大磯ファイナンス社長令嬢、永美の遺体が発見される。目暮警部たちが捜査を進めていくと、永美がフィアンセの左巻と異母妹の浜香がデキていると疑っていた事が判明。さらに永美はホテル支配人、豊島が2人に逢い引き用の部屋を手配したと疑っていた。目暮は3人が永美を殺害する動機はあると考えるが、すぐに永美が3人の事を誤解していたと明らかに。3人は永美の誕生日をサプライズで祝うため、永美が好きなスイートルームに集まって準備していただけだった。  目暮は永美がプールで1人になってからの3人の行動を調べる事に。プールの受付スタッフは最初に戻ってきたのは永美の様子を見に来た豊島だったと明かす。豊島がプールに現れたのは午後12時5分。豊島はしばらく様子を見ていたが、気付かれた永美から邪魔と言われてプールから出て行ったと証言する。受付スタッフは次にプールに現れたのは左巻だったと説明。左巻は時間がかかっていたので、他の人に任せた方が良いと言いに来たという。だがプールに永美はいなかったらしく、左巻は少し待っていたが、帰ってくる気配がなかったのでプールから出たと証言する。  そして午後12時45分、最後にプールに現れたのは浜香だった。浜香は永美がプールのトイレか更衣室にいないか見てきて欲しいと左巻に頼まれたと証言する。浜香はどちらも捜したが永美は見つからなかったという。目暮はトイレと更衣室を確認。2つとも受付から死角になっていて、遺体を隠す事は十分に可能だった。結局、トイレと更衣室にも永美はいなかったため、受付スタッフは豊島と左巻を呼び、ホテル従業員たちと一緒に1時間近く永美を捜し回ったという。そして、コナンたちがプールに現れた時に永美の遺体が発見されたのだ。  世良は皆で捜した時、プールに永美はいなかったのかとホテルのボーイに再度確認。するとボーイは嫌な予感はあったと証言する。捜している時、プールの方からゴボッという妙な音が聞こえ、大きな泡が出てきたという。それを聞いたコナンと世良はプールへ走る。コナンたちが思った通り、プールの排水口はネジで固定され、真上の壁にはフックがねじ込まれていた。これを見たコナンたちは3人の中の誰が犯人かに気付く。この後、コナンたちは高木刑事に協力してもらい、永美の遺体が消えるトリックができるか実験する。この実験をやれば犯人はわかると聞いた豊島、左巻、浜香の顔には戦慄が走る…。

第27話
(789話)
女王様の天気予報

 小五郎は日売テレビの番組で天気予報の女王様と呼ばれる気象予報士の関根康美と対談する。スタジオに見学に来たコナンと蘭は張り切り過ぎて空回りする小五郎に呆れるが、プロデューサーの小玉由紀夫、康美のマネージャーの山口拓也、ADの篠原浩子は良い番組になると手応えを感じる。対談後、康美は2階にある隣のフロアでイメージビデオの撮影を控えていた。コナンたちが帰ろうとした時、パンという音が響き、続けてシューッという音。さらに康美の叫び声とドンという落下音が聞こえてくる。  コナンたちが現場に駆けつけると、1階のフロアで康美が倒れて絶命していた。コナンは康美の髪の左側が乱れている事に気付く。康美の近くの床には「※」と血で書かれたダイイングメッセージが残されていた。この時、コナンはかなり離れた窓際付近で康美の髪飾りを見つけて不思議に思う。この後、目暮警部、高木刑事は捜査を開始する。現場近くにいたのは山口、小玉、浩子の3人。事件が起きた分室は老朽化していて来年取り壊す予定だったという。  撮影前に風船やモール、白いバラなどで飾り付けられたステージをチェックしたと思われる康美。小五郎は康美がチェック中に老朽化した手すりにもたれて1階に転落した事故だと推理する。ダイイングメッセージは亡くなる間際に手で床をかきむしって、たまたま残ったものと考えられる。だが、コナンはこの推理は間違いだと気付く。コナンは悲鳴の前にパンと音がした事や風船、モール、バラなどのキーワードから小五郎に推理が間違っていると気付かせ、推理を正しい方向へと導く。  そして、小五郎は何者かが康美にトラップを仕掛けたと推理を改める。モールに足が引っ掛かると、その拍子に動いた風船がバラのトゲに刺さって割れる仕掛けがされたステージ。康美はステージを確かめに来て、このトラップに引っかかったのだ。小五郎は康美が驚き、よろめいて手すりにすがり、その手すりが揺れて転落したと推理する。小五郎は驚かせるつもりが、転落死という悲劇を招いたと考えていた。コナンは最後にステージを確認した人を訊ね、浩子は自分が確認したと名乗り出る。  浩子の犯行と疑う小玉は昨日、浩子と同僚の会話を偶然聞いたと証言。康美から明日までにスタジオのセットを入れ替えろと命じられた浩子は「明日、康美さんに恥をかかせてやる」と同僚に話していたという。浩子は風船を仕掛けたと認め、女王様気取りの康美が許せなかったと告白。目暮は康美を署まで連行しようとするが…。コナンはパンという音の後にシューッという音がした事を思い出して2階のステージ裏を確認。コナンはシューッという音を出した機器を見つける。さらにコナンは機器に何かが付着している事に気付き、浩子のイタズラを利用して康美を殺害した犯人がいる事を見破って…。

第28話
(790話)
米花(べカ)ポン出血大サービス

 小五郎は依頼された事件の調査結果をスーパー米花堂の店員、神崎幸生と売り場主任、宇田川克己に報告する。電話で2回殺害予告された神崎。だが、小五郎は聞き込みをして神崎を恨んでいる人物はいないと判断する。神崎は周りからの評判が良く、小五郎は友人のイタズラ電話と考える。神崎と宇田川は話を聞いて安堵するが、翌日の日曜に事件が起きてしまう。日曜、米花堂の地下の廊下に目出し帽の男が出現。男は「死ね、神崎」と言いながら、米花堂のマスコットキャラクター、ベカポンの着ぐるみに出刃包丁を刺して逃げていく。近くを清掃中だった赤岩照子はその現場を目撃していた。  この後、目暮警部たちは制服姿の神崎、宇田川、照子、店長の藤井弘から話を聞く。刺されたのは店員の下村業助で、命が危険な状況だという。毎週日曜、ベカポンの着ぐるみを着て接客する神崎。だが、この日は神崎が腹痛になり、代役として下村が着ぐるみを着ていたという。目暮は犯人が神崎を狙い、間違って下村を刺したと考える。照子は黄色い上着で赤いズボンを穿いていたと犯人の服装を証言。だが、防犯カメラには同じ服装の人物は映っておらず、高木刑事は犯人が着替えたと考える。  目暮は犯人が日曜にベカポンの着ぐるみを神崎が着ると知っていた事から内部の者の犯行の可能性が高いと推理。目暮たちは着替えた服がないか店内を徹底的に調べる事に。不可解な点が多い今回の誤爆事件。コナンは相手を警戒させる殺人予告をなぜしたのかが引っかかる。コナンは返り血を浴びた訳でもないのに服を着替えるという面倒な事をした点も不思議に思っていた。そして、コナンが一番おかしいと感じたのは、犯人が予告を実行した日、着ぐるみをたまたま別の人が着ていたという事。コナンは犯人がたまたま間違えたのではなく、最初から下村を狙っていたら全て辻褄が合うと考える。  コナンは小五郎に頼まれた事にして神崎と下村の仲を店員の泉典子に確認。楽天家の神崎と正反対の下村、2人の相性はあまり良くなかったという。続いて、コナンは下村が襲われた時、どこにいたかを神崎に訊ねる。すると、そこに現れた宇田川は犯行時刻、神崎は休憩室で休んでいたと証言する。宇田川は神崎の具合が心配になり、休憩室に様子を見に来たら、神崎は眠っていたという。この後、コナンは神崎から殺害予告があった時の詳しい話を聞いて事件の真相に近づく。そして、コナンは目撃者の照子から話を聞いて誰が下村を刺した犯人かに気付いて…。

第29話
(791話)
高木刑事、手錠で逃走

 小五郎、コナン、蘭がファミレスで食事をしていると、ウエイターの染谷竜太と同僚の梨元靖男が激しい揉み合いになる。近くのテーブルに座る小中千絵は何かに怯えたようにうつむいていた。その直後、染谷は梨元を殴り飛ばし、梨元は110番通報してくれと客たちに頼む。染谷は一瞬妙な手の動きをした後に店を飛び出していく。3日後、高木刑事は両手錠に腰縄の染谷をパトカーに乗せて警視庁まで連行する。山あいの道を走行中、染谷は車内で暴れ、運転する岸田悟巡査はハンドル操作を誤って、パトカーは山側に激突して大破。高木と岸田は衝撃で動けないが、染谷は頭を抱えてショックを和らげていた。  染谷は高木の上着から手錠の鍵を奪って、まずは左手を自由にする。続いて染谷は右手を自由にしようとするが、高木は鍵を叩き落とし、外れた手錠を自分の左手にかける。2人は手錠で繋がった状態になる。染谷は岸田から拳銃を奪って岸田に拳銃を突きつけ、鍵を拾えと高木に命じる。高木が仕方なく鍵を拾うと、岸田がその鍵を奪って斜面に投げ捨てる。拳銃を奪おうとする高木、岸田と染谷は揉み合いになり、高木と染谷は斜面から谷川へと転落する。この後、ずぶ濡れの高木は河原で目を覚ます。傍らでは染谷が手錠の鎖に石を叩きつけていた。だが、手錠は壊れずに染谷は逃げる事を諦める。すると、高木は何か目的があって逃げようとしたのなら簡単に諦めるなと刑事という立場を忘れて説教をする。  高木が熱くなるのは理由があった。高木が大好きな映画「手錠のままの脱走」と今の状況が似ているのだ。その映画は手錠で繋がれた男と男が反発し合いながらも次第に心を通わせ、立場を越えた友情が芽生えるという内容だった。高木は隠している事があれば俺に話せと染谷に熱く訴えかける。コナンと小五郎、蘭は高木と染谷の事をニュースで知り、梨元に会って話を訊く事に。コナンが千絵について訊ねると、梨元は千絵が染谷にストーカーされていた事を打ち明ける。梨元はストーカーを止めようとして染谷に殴られたという。梨元は千絵が怖がっていたため、警察にストーカーの件を話していなかった。  話を聞いたコナンと小五郎は染谷が千絵の自宅に行く可能性が高いと考えて千絵の自宅を訪ねる。小五郎は染谷から守りたいと話すが、千絵は話をろくに聞いてくれない。コナンは千絵の態度に何か引っかかる。その頃、高木と染谷はケンカになっていた。2人はもつれ合って転がり、断崖の淵で高木だけ放り出される。染谷は高木が崖から落ちないようにふんばっていると、高木は隠し持った手錠の鍵を染谷に渡す。高木は2人が落ちるより、染谷だけでも助かる道を選んだのだ。だが、染谷は鍵を使わず、手錠を引っ張って高木を助ける。2人は映画と同じように心を通わせ始めていた。この後、コナンは窓越しに携帯電話で話をしている千絵を見て何かに気付き、それを足がかりに事件の真相に辿り着くが…。

第30話
(792話)
三人の第一発見者(前編)

 サッカーの帰り道、コナンと哀は光彦、元太、歩美から少し離れて歩き、黒ずくめの組織のラムの話をする。ラムの人物像は屈強な大男、女のような男、年老いた老人と色々な噂があるという。歩美は路地からアパートを眺める少年(雁野守)に気付く。コナンたちが声をかけると、少年はおばちゃんが殺害されたと泣き出す。そのおばさんはこれから3人の男の人が順番に部屋に来るが、3人が帰った後、自分が部屋から出てこなかったら殺害されていると思うから警察に電話してと少年に頼んでいたという。  コナンが3人の特徴を聞くと、少年は体の大きなおじさん、髪の長い女性みたいなお兄さん、髪が真っ白なおじさんと答える。コナンと哀はラムの特徴と同じだったために警戒。コナンがおばさんとの関係を訊ねると、少年は強盗に両親を殺害された事を告白。この近くに住む母親の兄の家に引き取られた後、おばさんとは公園で知り合い、遊び相手になってくれたという。この後、少年はコナンたちをおばさんの部屋に案内。部屋の中ではシナリオライターの駒井保江が廊下で首を括って絶命していた。  コナンは遺体の足元に踏み台がない事から自殺に見せかけた殺害事件と推理する。コナンは空の銀行の封筒が落ちている事に気付く。ATMの明細書を確認すると、保江は3時間前に50万円を引き出したが、財布に50万円は入っていなかった。この後、目暮警部たちが捜査を開始。保江はこの日、柴苅殿冶、阪場諭平、幅中倉道と会うとメモに書き留めていた。目暮は野次馬に紛れ込んでいた柴苅、阪場、幅中から話を聞く事に。死亡推定時刻は午後2時から3時の間。3人はこの時間に部屋に出入りしていた。  飲み仲間の柴苅は保江から相談があると呼ばれて遺体を発見したと証言する。古い友人の阪場は保江に貸した50万円を取りに来て遺体を発見。TV東都プロデューサーの幅中は依頼したドラマの脚本の原稿を取りに来て遺体を発見したという。第一発見者は3人もいた。コナンは警察に通報しないのはおかしいと指摘し、3人は激しく動揺する。阪場は銀行に行ったらしく、ATMの防犯カメラを見れば犯行時間がなかった事を証明できると訴え、高木刑事と防犯カメラの映像を見に行く。この後、柴苅はタバコを吸い始めるが、コナンは柴苅のライターの炎が大きい事に驚く。隣にいた幅中はタバコの煙にむせていた。  目暮は3人が部屋に来た順番を少年に確認するが、少年は順番を覚えていなかった。この後、阪場と高木が戻ってくる。防犯カメラに阪場は映っていたが、時間的にアリバイにはならないという。高木は阪場が何度も逃げようとした事を目暮に報告する。阪場もタバコを吸おうとするが、ライターが点かずに柴苅からライターを借りる。阪場はライターの炎を絞ってからタバコに火を点け、幅中はタバコの煙にむせ、タバコを吸う阪場を睨みつける。3人の様子を窺っていたコナンは違和感を抱いて…。

第31話
(793話)
三人の第一発見者(後編)

 シナリオライターの駒井保江が自宅アパートで首を括って絶命していた。保江は3人の男の人が順番に部屋に来るが、3人が帰った後、自分が部屋から出てこなかったら殺害されていると思うから警察に電話してと少年(雁野守)に頼んでいた。部屋に来た柴苅殿冶、阪場諭平、幅中倉道はそれぞれ自分が行った時には保江は絶命していたと証言。第一発見者は3人もいた。コナンは高木刑事のポケットにDBバッチを忍ばせ、歩美、元太、光彦、哀と共に3人の事情聴取の内容を確認する事に。  阪場は部屋から保江に貸していた50万円を盗ったと告白。札束は遺体の足元に散らばっていたという。高木は保江が50万円の札束を踏み台にしたと考えるが、目暮はムリだと否定する。事情聴取を終えて部屋の外に出た阪場。この時、コナンは阪場のサンダルの裏のテープに気付く。幅中は玄関先にあったドラマの脚本の原稿を持っていったと証言。原稿は幅中が依頼したもので、遺体の足元に無造作に放り出されていたという。原稿用紙は約100ページで、この原稿も踏み台になった可能性は低かった。  目暮は警察に通報しなかった理由を幅中に訊ねる。幅中は保江が有名な脚本家のゴーストライターだったと告白。通報したらその事が公になると考えて躊躇したという。保江が書いていたのは闇夜の盗賊団シリーズ。盗賊団が悪い資産家から華麗な手口で盗むという内容だった。柴苅は数日前に居酒屋で保江と口喧嘩になったと告白。保江からその時の事を謝りたいと言われて部屋に来たという。他の客たちが見ていたため、柴苅は通報すれば容疑者と疑われると思い、そのまま立ち去ったと証言する。この時、柴苅の携帯に着信がある。だが、柴苅は電話に出ずに切ってしまう。  3人の話を聞いたコナンはスマホである事件を調べ、少年の名前が雁野守だとわかる。3年前、ある窃盗団が夫婦を殺害して現金200万円を強奪。守は被害者夫婦の一人息子で、たまたま遠足に行っていて難を逃れたのだ。窃盗団は捕まっておらず、その事件以来、姿を消していた。コナンはどこかに50万円があるからともっと部屋を調べてほしいと高木に伝え、続けて、2万円貸してほしいと頼む。高木は思わぬ言葉に目が点になる。すでにコナンは今回の事件の真相に辿り着いていた。  目暮は踏み台がなかった事から3人の誰かが自殺に見せかけて保江を殺害したと判断。しかし、3人はそれぞれ部屋に来た時には絶命していたと身の潔白を主張する。最初に部屋に来た人物が犯人の可能性が高く、目暮は部屋に来た時間を3人に確認。だが、3人の供述は曖昧で、はっきりした時間はわからない。目暮は午後2時過ぎに来たのに誰も鉢合わせしない事を不思議に思う。この後、コナンは3人が鉢合わせしなかった理由を指摘し、事件の真相を暴いていく。

第32話
(794話)
ボディーガード 毛利小五郎

 山あいを走るマイクロバスとキャンピングカー。バスには女優の沢崎レイナ、ディレクターの磯川日出男、プロデューサーの串崎健三、ADの有村千里、キャンピングカーには女優の羽根木りょうと共に小五郎、コナン、蘭が乗っていた。何度も命を狙われ、身の危険を感じているりょう。依頼を受けた小五郎の任務はSPとしてりょうを守る事、探偵として犯人を突き止める事だった。事前に小五郎はりょうの事務所と提携する警備会社、民間SPチーフの土橋在昌からボディーガードの訓練を受けていた。  この日はりょうと事務所の後輩のレイナが出演するグルメ旅番組のロケだった。ロケには2人のマネージャー、楠本一哉も帯同していた。この後、一行は宿泊するオーベルジュ・ムトウの主人、武藤正平と妻の君江に迎えられ、建物には休みの土橋も来ていた。りょうは土橋が家族サービスせずに来てくれた事に驚き、土橋の娘の事を気遣う。この日は小五郎の卒業試験も兼ねているため、土橋は休みを返上したのだ。同じ事務所なのにりょうとレイナは犬猿の仲。レイナはトラブルメーカーとして有名だった。  夜、ディナーの撮影が行われ、りょうとレイナは和やかに乾杯。コナンは撮影中だけ親しそうに振舞う2人の女優魂に感心する。深夜、トイレに行ったコナンは、廊下を歩く人影に気付く。その人物はりょうの客室のドアを合鍵で開けて中に入り、ベッドで寝ているりょうにナイフを突き刺す。だが、刺されたのは丸めた毛布だった。その時、電灯が点いて、小五郎とりょうが現れる。逃げようとした人影は楠本だった。りょうは現場にいたい楠本をデスクに回せと上に指示し、楠本はりょうを逆恨みしていた。楠本はりょうを狙ったのは今だけと主張する。りょうを恨んでいる人は他にもたくさんいるという。  翌日、りょうとレイナが湖畔を散策する撮影が行われる。これまでりょうを狙った事件は別の犯人の可能性が高く、小五郎と土橋はりょうの警護を続ける。続いて湖でのボートの撮影の準備が始まり、武藤は霧の予報が出ている事を皆に伝えて注意を促す。りょうとレイナはボートに乗り込み、小五郎も少し離れた場所のボートからりょうを見守る。エキストラのコナンと蘭もボートを出すと、間もなく湖面を濃霧が覆う。撮影隊はりょうとレイナのボートを見失ってしまう。  この後、調査結果の電話に出ていた土橋が湖に戻ってくる。調査結果はとんでもないものだった。りょうが襲われた一連の事件は本人の狂言の可能性が出てきたのだ。土橋によれば、事務所を解雇される事に気付いたりょうがマスコミの喜ぶ話題作りをしたという。りょうはレイナに狂言を気付かれたと思い込んでいる節があるらしく、小五郎はりょうがレイナを襲うかもしれないと考える。その時、エンジン音が聞こえてくる。コナンはエンジン音を聞いて何かに気付き、事件の真相へと近づくが…。

第33話
(795話)
若奥様が消えた秘密

 下校中、歩美が物音のする真壁邸を見ると、住人の真壁純が毛布に包んだ何かを車に運んでいた。真壁の顔や服には血が付着し、毛布に包まれていたのは生気のない白い顔をした妻の真壁百合だった。翌日、歩美はコナンたちに真壁邸で見た事を打ち明ける。コナンと哀が帰った後、歩美は真壁が百合を殺害したと疑い、元太、光彦と共に真壁邸に行ってみる事に。外国人ハーフの音楽家、真壁は妻の百合と2人暮らしだった。元太は玄関先の石畳に血の痕がある事に気付く。その時、歩美たちは真壁に背後から声をかけられる。真壁は皆が血痕を気にしていると気付き、百合が転倒して付着したと説明する。  歩美は面識のある真壁に百合の事を訊ね、真壁は具合が悪くて寝ていると答える。しかし、玄関に女性の靴は一足もなかった。この後、歩美たちが真壁邸に来た配達員に話を訊くと、配達員は昨日の今頃に悲鳴を聞いたと明かす。光彦は百合が殺害された時の悲鳴と推理し、元太は自分たちで真壁を捕まえようと提案。そこにコナンと哀がやってくる。コナンたちは歩美たちが心配になって様子を見に来たのだ。光彦は真壁が百合を殺害したかもしれない状況を説明するが、コナンは血痕や悲鳴だけでは殺害されたとは限らないと指摘する。その時、赤い車が真壁邸に入っていく。  車から降りてきたのは派手な外見の若い女性で、出迎えた真壁は女性に抱擁して頬にキスする。女性が百合の事を聞くと、真壁は「山の中だ」と答え、2人の会話を盗み聞きしたコナンたちは驚きが隠せない。この後、女性は真壁を車に乗せて走り去り、コナンと哀は事件の可能性もあると考え直す。しかし、事件と言い切れる動かぬ証拠は何もなく、元太と光彦は少年探偵団が証拠を見つけようと意気込む。すると、決意した歩美は裏庭にある鉢植えを持ち上げて裏口の鍵を手にする。コナンは勝手に家に入ったら本当の犯罪になると歩美たちを止めるが、歩美は1人でも捜すと聞く耳を持たない。  実は、歩美は百合と仲が良く、子供がいない百合は本当の娘のようにかわいがってくれたという。家にもよく来ていたために合鍵の隠し場所も知っていたのだ。だが、百合は半年前から急に歩美を避けるように。何か訳があったはずだが、歩美は何もできなかった自分を責めていた。コナンたちは自分で事件を解決したいという歩美と一緒に手がかりを捜す事に。そして、寝室を調べている時、元太は人形の顔に血が付着している事に気付く。間もなく、真壁が家に戻ってきて、逃げ遅れたコナンと歩美は寝室のベッドの下に隠れる。真壁は人が入った形跡を見つけてナイフを取り出す。コナン、歩美は隙を見て逃げようとするが、歩美はDBバッジがない事に気付いてベッドの下に戻る。歩美はベッドの下をライトで照らし、大きく広がる血痕を見て悲鳴を上げる。この後、歩美は悲鳴に気付いた真壁に捕まって…。

第34話
(796話)
おしどり夫婦の策略

 ミステリー作家の上林長作が6階建ての雑居ビルAと7階建ての雑居ビルBの間の幅2mの路地に転落死。上林の仕事場はビルAの5階にあり、目暮警部は窓が開いているビルAの5階の廊下から落ちたと考える。そこに小五郎とコナンが偶然通りかかる。目暮は第一発見者の妻の上林聖子とビルAの守衛の杉山清から話を聞く。午前9時に自宅を出る時、上林は仕事の資料が家に届いたら、仕事場まで持ってきてほしいと聖子に頼んだという。聖子はテレビを見終わった12時に家を出発。上林に電話が繋がらず、聖子は12時20分に守衛室の杉山に声をかけ、合鍵で部屋を開けてもらったという。  部屋に姿がないため、廊下に出た聖子と杉山は窓から外を覗いて遺体を発見。目暮は止まった上林の腕時計から11時50分に落ちたと考える。なぜか革靴からスニーカーに履き替え、手に軍手をしていた上林。顔には擦過痕があった。仕事場には若い頃の夫婦の写真が飾られていた。杉山は11時40分に上林がタバコを買いに5分ほど外出したと証言。その時、上林は今日が結婚記念日と話し、妻の聖子に感謝していたという。話を聞いた聖子も幸せだったと語り、高木は良い夫婦関係だったと感じる。  目暮は何か作業中に足を滑らせた事故死と判断。だが、窓の外には何もなく、作業していたとは考えにくかった。休日のため、ビルにいたのは上林のみ。他殺の可能性も低かった。聖子は上林が今日、締切の原稿があると話していた事を明かす。皆は原稿が書けずに追い詰められて自殺した可能性を考えるが…。この後、出版社の担当編集者の池尻史人がやってくる。池尻は上林が亡くなった事に驚きつつも原稿を確認し、書き上がっている事に驚く。今朝電話した時、上林は原稿が上がるのはギリギリの夕方4時になると話していたという。これで事故、他殺と共に自殺の可能性も怪しくなる。  この後、上林がいつもは資料を仕事場に送ってもらっている事が判明。さらに上林が仕事場に来る前にコンビニでタバコ1カートンと軍手を買った事も明らかに。コナンは上林が11時40分にもタバコを買いに行った事を不思議に思う。コナンは池尻から話を聞き、本当は上林と聖子の夫婦仲が破綻していた事を知る。コナンは窓から外を見て、向かいのビルBの同じ位置にも窓がある事に気付いてビルBへ。  ビルAの5階の廊下の窓と同じ位置に窓があるのは男子トイレだった。窓は施錠されていて、ビルAとBの間の幅は約2m。コナンは何かに気付き、清掃チェック表で清掃時間を確認する。続いて、コナンは米花市の地図を見て、上林の自宅から仕事場の間にある米花緑地に注目。この後、聞き込みにより、聖子が12時ではなく、11時20分に家を出ていた事が判明。これで聖子は11時40分には仕事場に着けた事になる。コナンはこの転落死に真相に近づくが、まだ裏があると考えて…。

第35話
(797話)
夢みる乙女の迷推理

 小五郎は女子大生の中居芙奈子から消えたフリーターの彦根一真を捜して欲しいと依頼される。彦根は犯罪計画書というノートを残していた。だが、芙奈子は彦根と知り合いではなく、見かけただけの関係。芙奈子は有名乙女ゲームの攻略キャラに似た彦根の後をつけて隠し撮りしたという。小五郎はストーカーの手伝いはできないと芙奈子の依頼を断る。コナンは警察に捜査してもらう事を勧める。だが、警察に行く時間はないらしく、芙奈子は探偵フナチとして自分が彦根を見つける事を誓う。  コナンが気になって跡を尾けると、芙奈子は彦根のアパートを訪ねていた。芙奈子は声をかけてきたコナンにフナチと呼んで欲しいとお願い。フナチは乙女ゲームで彦根が似ているキャラ、蜃気楼の君を慕うヒロインの名前だった。芙奈子が一昨日の午後に部屋を訪ねると、すでにドアの鍵は壊され、中に彦根はいなかったという。コナンは右隣の部屋に住む大学生の清瀬隆に話を聞くが、清瀬は何も知らないと答える。この時、左隣の部屋に住む失業中の元会社員、梨田明夫がうるさいと文句を言ってくる。  その直後、彦根の部屋の紙が舞い上がり、玄関先にいた芙奈子はあたふたとする。両隣の部屋のドアが閉められると、なぜか舞い上がった紙が落ちる。不思議に思ったコナンは彦根の部屋の窓を確認。窓は閉まったままだった。この後、彦根が残した犯罪計画書というノートを確認。そこにはジュエリー今岸という宝石店を強盗する計画が細かく書かれ、決行日が今日になっていた。コナンはこの店をネットで検索するが見つからない。コナンは詳細に書かれた計画書がデタラメとは思えなかった。  この後、コナンはノートの店の見取り図を眺め、全て逆になっている事を見破る。コナンは店名のIMAGISIは逆から読むとISIGAMIと気付き、この近くでジュエリー石神という宝石店を見つける。芙奈子が強盗する彦根を妄想して1人で騒ぎ出す中、コナンは何か引っかかって本棚に目を留める。そこには小説講座、小説の書き方などの本が並んでいた。コナンは彦根が小説を書いていると推理するが、原稿は見つからない。その時、部屋の電話に出版社から小説「犯罪計画書」の掲載が決まったという連絡があり、コナンと芙奈子は犯罪計画書というノートは小説のための取材と調査を書き留めたものと察する。  その頃、ジュエリー石神は拳銃を持った覆面姿の強盗に襲われていた。コナンはパトカーのサイレンを聞き、本当に宝石店に強盗が入ったと察する。宝石店では高木刑事が捜査していた。この日は宝石のリニューアル日。強盗は下水道から地下ボイラー室に侵入し、搬入された宝石を強奪したのだ。それはノートに書かれた計画と同じだった。警察の裏をかく逃走経路も計画通り。この後、コナンが芙奈子からノートを受け取って読み進めると…。そこには完全犯罪を締めくくる衝撃の計画が書かれていた…。

第36話
(798話)
動く標的

 午後8時、コナンは10階建てビル屋上から会社員の袋小路貞夫が落下する現場を目撃する。その真下の路上には会社員の小松均が佇んでいた。袋小路が小松に直撃すれば2人とも危険な状態。コナンはバックルからボールを出し、落下する袋小路に向かって蹴る。ボールは命中し、袋小路は傍らに積まれたゴミの山に落ちて助かる。野次馬の1人は居酒屋で袋小路を時々見かけたと証言。袋小路は酔って自殺願望を口にしていたという。飛び降り自殺に巻き込まれそうになった小松は昔から運が悪いとぼやく。  翌朝、コナンが光彦、元太、歩美、哀を落下現場に連れて行くと、目暮警部たちが捜査をしていた。ビルは連休中で出入り口が閉まり、屋上に上がるには非常階段を使うしかなかったという。泥酔して歩けない状態の袋小路が階段を上がるのは不可能。目暮は自殺未遂ではなく、誰かが酔い潰れた袋小路を屋上まで運んで落とした殺人未遂事件と考えていた。この後、コナンたちはビル屋上を調べ、防護柵に袋小路が落とされた時に服が擦れた払拭痕を発見。払拭痕は数メートル離れた場所にもついていた。  この後、ビル前に小松と同期入社の雪ヶ谷大介が現れる。小松は昨夜の運の悪さを雪ヶ谷に話していた。雪ヶ谷が立ち去った後、コナンは小松から話を聞く事に。小松によれば、仕事がデキてスポーツ万能の雪ヶ谷は一度も挫折を味わった事がないという。小松は知らない女性からラブレターをもらい、ビル前に呼び出されたと証言。最初はビル入口前に立っていたが、ビルの電光時計を見るために数メートル横に移動。その直後に袋小路は落ちてきたという。話を聞いたコナンは標的が動いたから柵の払拭痕が2つあったと判断。コナンたちは袋小路だけじゃなく、小松にも恨みを持った人物が犯人と考える。  コナンたちは小松にラブレターを見せてもらう事に。小松には片思いの女性がいて、昨夜は交際を断るためにビル前に来たという。ラブレターには会う時にこの手紙を持参して欲しいと書かれていた。この後、小松は食事をおごると言ってコナンたちを喫茶店に案内。哀はウェイトレスの永井咲子と楽しそうに話す小松を見て、小松の片思いの相手が咲子と察する。小松たちの会社はこの店の近くにあり、最近は来なくなったが、以前は雪ヶ谷もよくこの店で昼食を食べていたという。  小松がトイレに行くと、コナンは咲子から話を聞く。コナンは雪ヶ谷が店に来なくなった原因に思い当たる節はないかと訊ね、咲子は今月初めに雪ヶ谷からデートに誘われたと打ち明ける。咲子がデートを断ると、翌日から雪ヶ谷は店に来なくなったという。咲子は雪ヶ谷のような自信家が苦手らしく、小松に好意を抱いていた。話を聞いたコナンは犯人の目星をつけるが、犯人が狙ったのは小松と袋小路。コナンは昨夜の袋小路の足取りを調べ、犯人が袋小路の命も狙った動機を突き止めようとするが…。

第37話
(799話)
探偵団の密室推理合戦

 放課後、コナン、元太、光彦、歩美、哀はサッカーの練習をするため、阿笠博士の知り合いの屋敷の跡地へ向かう。昨夜は雷を伴う土砂降りだったが、跡地のプールの外は整地済みで水はけも良いという。この後、コナンたちが跡地に到着すると、そこでは警察が捜査をしていた。跡地にあるプールで男性の遺体が発見されたという。第一発見者は先に来ていた阿笠。遺体は昨夜の雨が溜まったプールに浮いていて、鈍器による後頭部の打撲が致命傷だった。  屋敷の跡地に入るには門を通らなければならないが、その門にかけられた厳重な鍵を開けたのは阿笠だった。跡地は煉瓦塀に囲まれ、塀の上にはガラスの破片や有刺鉄線。合鍵はなく、最後に門を開けられたのは3日前だが、被害者の死亡推定時刻は昨夜の日付が変わる前。この事件は空き地という屋根のない密室で起きているのだ。空き地は捜査のために立ち入り禁止になり、少年探偵団は事件解決に協力しようと決める。コナンは跡地の見取り図を確認し、横に建っている8階建てのビルに注目する。  元太、光彦、歩美たちは男性がどうやって跡地に入ったかを考える。プールの排水口、ヘリコプター、グライダーなどを利用したと考えるが、どれも現実的には無理がある方法だった。この後、コナンはヒントを出し、哀が空き地に入ったのではなく、ビルから落ちた事に気付く。夜中の雨で水が溜まったが、最初は空っぽだったプール。男性は殴られたのではなく、ビルから落ちてプールの底に頭をぶつけたのだ。捜査する目暮警部たちもコナンたちと同じ結論を出していた。  目暮たちはすでにビルを捜査。ビルの8階にだけ出窓があり、男性はこの出窓から落ちた可能性が高かったが…。千葉刑事がこの出窓を揺すってもビクともしなかった。この部屋の淡路友江は物騒な噂を聞き、昨日この出窓を開かないように改造したという。物騒な噂というのはヤモリと呼ばれるビル荒らしの泥棒の噂だった。ヤモリは手足を巧みに使い、ビルの外壁を登っていくという。跡地で絶命していたのはそのヤモリだった。目暮はヤモリが落ちた状況がわからないという。ヤモリが何もない時に墜落したとは考え難く、コナンたちは事件を解決するため、ヤモリが墜落した謎を解明しようとするが…。

第38話
(800話)
1億円を追いかけろ

 目暮警部、小五郎、コナンたちは闇金会社社長、佐伯建造の豪邸に集まっていた。佐伯と妻、弘子の5歳になる娘の礼奈が誘拐されたのだ。犯人は警察に知らせたら娘の命はないと警告していた。礼奈はバレエのレッスンの帰り道、送り迎えをする家政婦の田中鈴子が一瞬目を離した隙に誘拐されたのだ。誘拐犯は午前10時に身代金1億円を米花中央公園に持ってこいと要求。犯人が運搬役として指名したのは鈴子だった。コナンは犯人が身内でもない鈴子を選んだ事が引っかかる。  9時30分、鈴子は身代金を入れたバッグを車に載せて出発。この時、コナンはゴミを取るフリをして鈴子の上着の裾に発信機を付ける。応接室で待機する目暮はモニタに映る公園付近の地図を確認。地図上の3つの光点は公園方向に移動していた。目暮は小五郎のアドバイスに従い、身代金を入れたバッグ、車の下、鈴子の胸元のブローチという3つに発信機を付けているのだ。小五郎はバッグに付けた発信機を辿れば犯人のアジトを特定できると睨んでいた。  10時、公園に到着した鈴子の携帯に誘拐犯から連絡がくる。誘拐犯はボイスチェンジャーを使って声を変えていた。誘拐犯は鈴子が本物かどうか確かめる質問をした後、公園内の砂場を掘れと指示を出す。鈴子が砂場を掘ると、ポリ袋に入った紙片が出てくる。紙片には自動車工場跡までの地図が書かれていた。工場跡に新たな車とバッグを用意しているらしく、誘拐犯はそこまで移動して新たな車を乗り換え、身代金も新たなバッグに移し替えろと指示。誘拐犯は車とバッグに発信機を付けている事を見越していたのだ。鈴子は誘拐犯の指示に従って行動し、残りの発信機は鈴子のブローチだけになる。  コナンは犯人が1億円を手に入れた後、どうするかが疑問だった。警察は身代金のお札のナンバーを控えていて、使用すれば防犯カメラから特定される可能性が高いのだ。この後、鈴子は犯人が用意したバッグに身代金を移し、用意された車に乗り替える。鈴子が運転していると、誘拐犯から再び連絡が入る。誘拐犯は九院町にある松原宝石店に行って1億円でダイヤモンドに買えと指示。誘拐犯はすでに佐伯名義でダイヤモンド10粒を注文していて、身代金をダイヤモンドで受け取るつもりなのだ。  10時45分、鈴子は1億円分のダイヤを購入し、店主の松原明に見送られて宝石店を出る。その直後、鈴子の携帯に誘拐犯から連絡。誘拐犯は桜通りに向かえと指示を出した後、ブローチに付けた発信機を取れと命じる。誘拐犯は双眼鏡で鈴子を見て、ブローチに発信機を付けていると疑っていた。礼奈を助けたい鈴子は言われた通りに発信機を破壊し、目暮たちは鈴子の行方がわからなくなる。コナンは自分が付けた発信機を頼りに鈴子を探しに行く。コナンはすでに誰が犯人なのか目星をつけていたが…。

第39話
(801話)
鳥取砂丘ミステリーツアー(倉吉編)

 小五郎は鳥取砂丘を舞台にしたミステリー小説の構想を練るため、コナンと蘭を連れて鳥取にやってくる。だが、小五郎はすぐに飽き、観光旅行に変更して砂の美術館へ。午後1時過ぎ、美術館では千田直美が職員に言いがかりをつけていた。この後、小五郎たちは倉吉へと移動し、鳥取県警倉吉署刑事の山根勝彦、岡本良と遭遇する。小五郎は警視庁にいた頃、山根と合同捜査をしていた。小五郎たちは山根と共に強盗が入ったと通報があった地元の名家、熊堂家に行ってみる事に。  家の居間では熊堂家の長男の妻、修子が両手両足を縛られていた。修子は家宝である香炉が盗まれたと泣き出し、コナンは室内にペンダントが落ちている事に気付く。この後、居間に当主の熊堂巌、長女の万亀江、長男の惣一と修子、次男の淳二が集まる。修子は1時頃、1歳半の息子の一馬を寝かしつけ、居間に戻ってきた時、何者かに後頭部を壺で殴られたと証言。気絶した修子は4時頃に目が覚め、縛られたまま警察に通報したという。この後、ペンダントの持ち主が2年前まで家政婦だった直美のものと判明。昨日、直美は金を借りに来たが、巌は辞める時に金を持ち逃げした直美を追い返したという。  この後、直美が熊堂家に連れてこられる。小五郎は砂の美術館にいた女性だと気付き、直美には犯行時刻にアリバイがあると証言する。直美はペンダントを昨日落としたと証言するが、修子は朝掃除した時はなかったと反論。直美はデタラメだと怒って修子に掴みかかり、借りはキッチリ返すと言って去っていく。この後、巌の携帯に犯人から「香炉を返して欲しければ1千万円用意しろ」というメールが届く。小五郎は直美の仕業に見せかけた内部の人間の犯行と推理。そう考えると全ての辻褄が合うのだ。疑われた巌たちは盗まれた修子を罵って八つ当たりし、蘭は家に居場所がない修子に同情する。  翌朝、コナンと蘭、小五郎は二手に分かれ、大岳院や赤瓦十号館、とっとり花回廊などを巡り、巌、万亀江、惣一、淳二のアリバイを調べる。そして、巌たちには犯行時刻の確かなアリバイがないと判明。夫である惣一はアリバイ工作までしていた。この後、熊堂家に戻る小五郎たち。巌は1千万円を用意していたが、犯人から連絡はなかった。その時、修子はテレビのニュースに目を留める。それは南アフリカで事故死した医師の小谷安信の遺体が日本に運ばれたニュースで、修子と小谷は高校の同級生だった。  この後、熊堂家の固定電話に直美から連絡がある。直美はハメようとした修子に地獄を見せると脅して電話を切る。コナンは直美が事件と無関係なのか、疑問に思っていた。コナンは直美が砂の美術館で騒いだのがわざとらしかったと感じていた。翌朝、修子は玄関前に置かれた香炉を発見。コナンは犯人が金を奪わずに香炉を返した事を不思議に思い、この強盗事件には何か裏があると睨むが…。

第40話
(802話)
鳥取砂丘ミステリーツアー(鳥取編)

 鳥取にやってきた小五郎、コナン、蘭は事件に遭遇。地元の名家、熊堂家から家宝の香炉を盗まれたのだ。犯人と疑われた元家政婦の直美にはアリバイがあり、小五郎は巌、万亀江、惣一、淳二という熊堂家の誰かが犯人と推理する。この後、事件は急展開。犯人が玄関前に香炉を戻してきたのだ。なぜか金を受け取らずに香炉を返してきた犯人。コナンはこの強盗事件には何か裏があると考える。  鳥取県警倉吉署刑事の山根と岡本は小五郎の内部犯説にのっとり、4人のアリバイを徹底的に調べる事に。コナンは直美のわざとらしいアリバイが引っかかり、直美の伯父、足立公造が職員として働くなしっこ館を訪ねる。コナンは足立から話を聞き、直美は借金を相当抱えていた事が判明。だが、コナンは前日に直美が熊堂家に金を借りに来た事を疑問に思う。コナンは直美が熊堂家の誰かの弱みを握っていれば話は別だが、辞める時に金を持ち逃げした直美に巌が金を貸すとは思えなかった。  足立はコナンの話を聞いて顔が強張り、その場を去ろうとする。コナンは足立の前に回り込み、思い当たる事を教えて欲しいとお願いする。2年前、直美は家政婦を辞める直前に鳥取砂丘で男性と逢い引きしていた修子を目撃。直美は強請りのネタになると話していたという。コナンは告げ口するぞと直美に脅されたら、修子は口止め料を払うしかないと考える。コナンは修子が弱みを握られている状況を知り、修子が縛られていた訳に気付く。その頃、山根は4人に犯行時刻のアリバイがある事を突き止めていた。小五郎は4人にアリバイがあると聞き、コナンと同じように修子が縛られた理由に気付く。  この後、コナンと蘭は白壁土蔵群街の道で小五郎と合流する。コナンは午後1時に事件が起きたという話を覆すため、宅配便の人に声をかける。コナンは事件が起きた日の夜、宅配便が来た時の事が気になっていた。その時、修子は玄関に行こうとする惣一を止め、自分が宅配便を取りに行ったのだ。宅配便の人は事件の日の昼12時頃、熊堂家に荷物を届けに行ったが留守だったと証言。再配達希望の連絡があり、改めて夜には届けに行ったという。コナンは修子が再配達と知られたくなかったと推理する。事件当日、修子は12時の時点で既に縛られていて、宅配便を受け取る事ができなかったのだ。  コナンと小五郎は修子と直美がグルになって家宝の香炉を盗み、金を脅し取ろうとしたと推理する。強盗に襲われた時間を1時に決め、直美は修子を縛った後、アリバイ作りのために砂の美術館に行ったのだ。この狂言強盗で一番肝心なのは2人がグルと気付かれない事。そのため、修子と直美は敵対関係にあるように見せていたのだ。コナンは修子が香炉を返した理由がまだわからずにいた。この後、コナンは惣一から話を聞き、本当の事件はこれから起きようとしている事に気付いて…。

第41話
(803話)
火の用心の落とし穴

 コナン、歩美、元太、光彦、灰原は消防団員に付き添われ、「火の用心」と言いながら夜回りをする。この辺りでは4日前、2日前と2日に1回、異なる児童公園で放火事件が発生していた。その時、前方を全速力で横切る人影が見える。前方の児童公園からは火の手が上がっていた。今の人影が放火魔の可能性もあるが、元太はこの人物を知っていた。翌日、コナン、元太たちは昨夜の人物が通っている弁当屋を張り込む。コナンは待つ間にスマホで昨年、この近くで起きた放火事件を調べる。  昨年、児童公園で4件の連続放火が発生。4件目では死者が出ていて、容疑者は捕まっていなかった。そして1年後の今、同じ現場、同じ手口で犯行が再び始まったのだ。この後、元太が昨夜見たというフリーター、釜石卓が弁当屋に現れる。釜石は弁当をパートの矢田部春江に注文。釜石も春江も左利きだった。コナンたちは釜石の正体を暴くために尾行を開始。コナンは釜石の左手の匂いを嗅ぐ仕草に注目する。釜石はアパートに帰宅した後に再び外出。コナンたちは尾行を続けるが、途中で釜石を見失う。  昨日の3件目までは去年と同じ犯行現場。コナンは4件目も去年と同じ可能性が高いと考えて去年の4件目の放火があった児童公園へ。コナンたちが公園に着くと同時に滑り台に被せられたシートが燃え上がり、そこから人影が走り去っていく。その直後に釜石が物陰から現れる。釜石も放火魔を捕まえようと去年と同じ現場を張り込んでいたのだ。この後、高木刑事たちが現場を検証。釜石は聴取が終わると、そそくさと帰ろうとする。光彦は釜石を呼び止め、一緒に放火魔を捕まえようと仲間に誘う。  翌朝、コナンたちは釜石と共に放火の調査を行う事に。コナンたちは事件を洗い直すために1件目の放火現場となった児童公園へ。この公園ではシーソーが煤けていた。コナンは辺りを見回し、戸建賃貸という看板の「戸」の文字が赤い線で丸く囲まれている事に気付く。2件目の公園では雲梯と太鼓橋が煤けていて、電柱の「××方面へ左折」という広告の「へ」が赤く囲まれていた。3件目の公園ではジャングルジムが煤けていて、街路の「歩行者に注意!」というプレートの「歩」が赤く囲まれていた。  この後、釜石は皆に食事をご馳走するが、食事している隙にコナンたちをまいて姿を消す。灰原は自分たちと一緒では都合が悪いから消えたと推理。歩美たちはやはり釜石が放火魔だったと思ってショックを受ける。コナンは再びスマホで去年の放火事件の記事を読み、何かに気付いて昨日の放火現場へと急ぐ。コナンの推理通り、児童公園近くのマンションの廊下は公園が見下ろせる位置だった。そして、コナンは公園のアスレチックコーナーの「ニンジャとりで」という表示の「二」が赤く囲まれている事に注目。コナンは一連の赤い印が何を意味しているかに気付き、5件目の放火があると推理するが…。


シーズン21

第01話
(804話)
コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー(前編)

 コナンは公園で遊んでいる時に暴走する高級車に気付く。車からはブレーキオイルが漏れていた。ブレーキが効かない車が踏切に迫った時、コナンはスケボーに乗って右手前方から飛び出し、運転手の細尾拓也は反射的にハンドルを左に切る。車は古紙再生工場の古新聞、古雑誌の中に突っ込んで止まる。車のブレーキホースには穴が開けられていた。駆けつけた千葉刑事は殺人未遂事件と判断し、小五郎、蘭、園子も現場にやってくる。園子と細尾は歌舞伎の打ち上げで何度か会った事がある知り合いだった。  この後、コナンたちは細尾の筆頭秘書の高橋均が運転する車に乗って東京・銀座にある歌舞伎座を訪ねる。そしてコナンたちは頭取の薮崎由幸に案内されて舞台へ。そこでは歌舞伎役者の市川海老蔵が歌舞伎十八番の「七つ面」の稽古をしていた。細尾は約束していたジュラルミンケースを海老蔵に手渡し、後見の秋山健、美術の柴田公太、長唄の長堀宗吉、劇作家の岩見進之介、カメラマンの金子英司も集まってくる。ケースには鎌倉時代に作られたニ表の面が入っていた。この面に億のお金を支払い、海外のコレクターから買い戻した細尾。海老蔵は来月上演する「七つ面」でこの面を使わせてもらうという。  海老蔵は小五郎に気付き、大ファンだと伝える。海老蔵は大のミステリー好きで、怪盗キッドに勝った時の新聞記事を読んでコナンの事も知っていた。薮崎は預かったジュラルミンケースを稽古場のビルにあるロッカーに入れて鍵を閉める。この後、岩見が体調を崩して病院に搬送される。「七つ面」を新作歌舞伎に作り直すのは大変なプレッシャーなのだ。目暮警部はブレーキホースに穴を開けた犯人を探すため、帰宅した細尾から話を聞き、ガレージに設置された監視カメラの映像も確認する事に。  翌朝、薮崎はこじ開けられた自分のロッカーを見て愕然となる。ニ表の面は何者かに盗まれていた。その頃、新聞配達員は銀座の裏通りに停められていた車の中で絶命した高橋を発見する。助手席には空のジュラルミンケースが置かれていた。連絡を受けた小五郎、コナンは現場に駆けつける。車にはアクセルを踏むと、運転席の高橋の首に巻いた紐が締まる仕掛けが施されていて、目暮は自殺の可能性が高いと考える。この後、コナンが稽古場のロッカールームに行くと、白鳥刑事が捜査をしていた。  コナンは警備員の箕輪から話を聞いた後、薮崎のロッカーを調べる。すると、そこに海老蔵がやってくる。ビルの入口を閉めるのは23時30分。コナンは犯人が23時30分以降に箕輪がいない事を確認して通用口から侵入したと推理する。犯人は通用口から出入りできる事を知っている人物だった。コナンは犯人が小型バールでロッカーをこじ開けてニ表の面を奪ったと推理する。コナンは犯人が稽古場に入った方法だけわからずにいた。海老蔵は稽古場の鍵を管理しているのは薮崎だと教える。今朝、稽古場を鍵で開けたのは薮崎自身で、コナンはスペアキーがあると推理。海老蔵はコナンの推理に感心し、一緒にニ表の面を奪った犯人を捜し出そうと持ちかけ、2人はしっかりと握手を交わす。  コナンと海老蔵は警備室にいる箕輪にスペアキーについて訊ねる。稽古場のスペアキーはキーボックスに保管されていた。この時、海老蔵は警備室の机の上にあるメモ用紙に目を留める。それは岩見のメモ用紙だった。岩見はこのビルから歩いて10分の病院に入院していて、コナンと海老蔵は岩見がこのビルに来たかもしれないと考える。小五郎は細尾の会社に呼ばれ、ボディーガードをしてほしいを依頼される。細尾は高橋が殺害されたと考えていて、自分の身も危険だと感じていた。小五郎たちが話していると、そこに経理の潮路ゆかりがやってくる。小五郎は美しいゆかりに一目惚れする。  コナンと海老蔵が病院に入院する岩見を訪ねると騒ぎが起きていた。窓から飛び降りようとする岩見を看護師が必死に止めていたのだ。コナンは仲間を疑うのは辛いと考え、ここからは1人で捜査すると海老蔵に伝える。海老蔵は自分の心を読まれて驚きが隠せない。海老蔵と別れた後、コナンは看護師から話を聞き、岩見が昨日の夜中3時頃にも飛び降りようとした事がわかる。この後、コナンはロビーで金子に声をかけられる。金子は事件の事を嗅ぎまわっていて、撮影した写真をコナンに見せる。それは車の中で絶命した高橋を望遠レンズで撮影した写真だった。  コナンが稽古場に戻ると、目暮たちが捜査を続けていた。目暮は金子に電話が繋がらないとぼやいていた。金子には悪い噂があるという。コナンは薮崎から金子の携帯の番号を聞いて電話をかける。警察の電話には出ない金子だったが、コナンからの電話には出る。コナンはいろいろ聞きたい事があると金子に伝えると、金子は快諾して自分がいる場所を教える。コナンは教えられた通り、銀座のビルとビルの間にある狭路を進んでいく。その時、コナンは突然、何者かに頭に布を被せられて…。

第02話
(805話)
コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー(後編)

 金子に会いに行く途中、何者かに頭に布を被せられて拉致されたコナン。意識を失ったコナンは暗闇の中で目が覚める。そこは取り壊し中のビルの中だった。頭上からは重機の轟音とコンクリートを砕くドリルの音が聞こえてくる。コナンは携帯がない事に気付き、助けを求めるためにDBバッジのスイッチを入れるが反応はない。その頃、小五郎は高級ホテルのロビーで商談中の細尾を待っていた。するとロビーに4時間に及ぶ商談を終えた細尾とロス・ジョーンズが現れる。事務所にいる蘭はコナンに聞きたい事があって携帯に連絡するが繋がらずに不思議に思う。  コナンは天井に亀裂が入っている事に気付いた後、半開きになっている鉄の扉を発見。コナンが扉の中に飛び込むと同時に天井のコンクリートが崩れ落ちる。コナンは電気室で懐中電灯を見つけ、崩れ落ちたコンクリートの先を照らす。そこには出口と思われる鉄の扉があった。蘭は小五郎、コナンが戻らないため、哀、歩美、元太、光彦、園子を呼んで料理を振舞う。コナンと連絡が取れないと聞いた哀はGPS機能を使ってコナンの携帯の位置を確認する。携帯があるのは銀座の狭い路地だった。哀たちは携帯が動いてない事から落としたと考えて現場に行ってみる事に。  コナンは崩れたコンクリートの隙間を這って鉄の扉に辿り着くが、ドアは曲がってビクともしない。稽古場には市川海老蔵、松原、秋山、柴田、長堀、細尾、小五郎が集まっていた。今回、海老蔵は客に喜んでもらうため、「七つ面」の新解釈に挑戦。一連の事件が起きて心苦しく思う海老蔵だったが、ここで挫ける訳にはいかなかった。海老蔵はこの芝居を成功させるためには皆の力が必要だと訴える。その時、入院していた岩見も皆の力になるために稽古場に現れる。皆は芝居の成功に向けて一致団結する。  哀たちは銀座の狭路でコナンの携帯を発見する。哀たちはコナンが事件に巻き込まれたと考え、DBバッジの電源を入れて連絡を待つ。その頃、コナンは電気室の工具箱にあった電動ドライバーを使い、扉が引っかかっている壁を削っていた。稽古場では、小五郎が高橋の事件に関して、いくつもの推理を展開していく。だが、海老蔵にことごとく推理の間違いを指摘され、小五郎は自分の推理を否定する海老蔵を逆に怪しいと疑う。高木刑事は車内やエンジンルームの指紋が拭き取られていた事を皆に伝える。目暮警部はこの事実から高橋が自殺した可能性は極めて低いと考えていた。  この時、小五郎の携帯に蘭から連絡がある。コナンが銀座で行方不明になっていると知った海老蔵は小五郎から携帯を取り、蘭たちがいる場所を確認。海老蔵は自分のシマである銀座なら力になれると考えていた。蘭たちと合流後、海老蔵は手がかりが残っていると考えてコナンの携帯を調べる。最後の着信は16時5分の蘭だった。その後、コナンは16時8分に登録していない番号に電話をしていた。海老蔵がその番号を調べると、それは金子の携帯の番号だった。  その直後、哀のDBバッジがコナンのDBバッチの電波をキャッチ。電波は弱く、音は途切れ途切れだったが、海老蔵は取り壊す工事の音を数秒聞いてコナンがいる場所を特定する。コナンは電動ドライバーで扉が引っかかっている壁を削り、扉が数センチだけ開く。コナンはそこから助けを求めるが、その声は工事の音にかき消される。海老蔵たちがビルの解体現場に近づいた時、哀のDBバッジが電波を受信。だが、工事の機械が電波を妨害してコナンの声は哀に届かない。次の瞬間、重機が壁を崩すと、蘭の声がDBバッジから聞こえてくる。コナンは取り壊されているビルの地下室に閉じ込められていると蘭に伝える。海老蔵は地下に子供がいるから工事を止めてくれと怒鳴り、その声は現場監督の耳に届く。  この後、コナンは海老蔵に助け出される。この時、コナンはコンクリートの隙間にあるカメラに気付く。それは金子のカメラだった。コナンはカメラからSDカードを抜き取り、哀にデータのコピーを頼む。コナンは稽古場に移動した後、解体中のビルの地下にいた経緯を説明する。小五郎は誰が最後に金子と会ったか確認し、岩見は海老蔵とコナンが見舞いに来た直後に金子が現れた事を明かす。金子は夜中に稽古場に来たかと岩見に聞いてきたという。金子は岩見がニ表の面を奪ったと疑っていたのだ。岩見は病室に1人でいるのが怖くて稽古場に行った事を認めるが、面を盗んではいないと犯行を否定する。  金子は銀座にある事務所から稽古場に入っていく岩見をカメラで撮影。金子は面を盗んだと決めつけ、岩見に口止め料として50万円を請求してきたのだ。この後、コナンが閉じ込められた解体中のビルから金子の遺体が発見される。金子が持っていたバッグには割れて潰れたニ表の面が入っていた。金子の携帯には15時5分に細尾の携帯に電話した履歴が残っていた。細尾は商談中で電話に気付かなかったが、携帯に未登録の番号の履歴があると証言する。小五郎は細尾の殺害未遂事件、ニ表の面の窃盗事件、高橋の殺害事件、コナンの拉致事件、金子の変死、全ての謎を解いたと皆の前で高笑いする。  そして、明日の夜、関係者全員が揃う歌舞伎座での通し稽古の時に小五郎が推理ショーをやって事件の真相を暴く事になる。小五郎のこの発言により、コナンは明日の夜までに事件の裏を掴まなければならなくなる。翌日、コナンは哀と共に最初の公園にやってきて金子が撮影した高橋の遺体の写真を確認する。高橋を自殺に見せかけて殺害したのに指紋を拭くという不可解な行動をとった犯人。コナンは自殺に見せかけているが、実は殺人だと示す必要があったと考える。この後、コナンは写真を拡大して何かが落ちている事に気付く。コナンはこれを足がかりに事件の真相へと辿り着く…。

第03話
(806話)
腹話術師の錯覚(前編)

 小五郎、コナン、蘭は人気腹話術師の天願リイチのライブにやってくる。小五郎は天願から仕事を依頼されたのだ。ライブの演目は相棒の人形に魂を乗っ取られた腹話術師が妻を殺害するという内容だった。ライブ後、小五郎たちが楽屋に向かうと、天願の弟子、登川春臣と天願の妻、天願和子の会話が聞こえてくる。登川と和子は浮気を天願にバレたかもしれないと心配していた。この後、天願の叫び声が響き渡る。楽屋では天願が相棒の人形にナイフを振り下ろそうとしていた。天願は自分の声で「私の中から出て行け!」と人形に言い放つと、今度は人形の声で「追い出す事なんかできないぜ」と続ける。  この後、病院に運ばれた天願は自分に多重人格の疑いがある事を打ち明ける。天願は人形にそそのかされ、妻の和子を殺害するかもしれないと告白。天願が自宅に1人でいると、和子殺害を指示する人形の声が聞こえてくるという。天願は和子が登川と浮気した事に気付いていた。天願は和子を殺害しないように自分を監視してほしいと依頼。だが、小五郎は専門医に相談した方が良いと助言して依頼を断る。  翌朝、毛利探偵事務所に登川から電話がある。それは天願が和子を殺害したという連絡だった。高木刑事は天願を取り調べする。天願は朝、仕事の迎えに来た登川に起こされ、和子が殺害されている事に気付いたと証言。この後、天願に人形の人格が現れる。人形は和子が殺害された時、天願は寝ていたとアリバイを証言。だが、元に戻った天願は人形に命令されて和子を殺害したと自白する。目暮警部は天願が解離性同一障害を装い、責任能力なしで無罪を狙っているかもしれないと懸念する。  小五郎は事件の真相を掴むため、天願の自宅を調べる。凶器のトロフィーには天願の指紋だけが付着。同行したコナンはトロフィーが並ぶサイドボードの上を確認し、ホコリの跡を見て違和感を抱く。この後、コナンは天井から吊るされた照明器具の上部に小型スピーカーが装着されている事に気付く。スピーカーに音を飛ばすための小型レコーダーは食器棚に隠されていた。レコーダーには「女房を殺害しろ」という人形の声が入っていて、定期的に流れるようにタイマーがセットされていた。  目暮たちはこのレコーダーとスピーカーから指紋が検出された登川の取り調べを開始。登川は2つとも1週間くらい前に盗まれたものと証言するが、目暮は登川への疑いを強める。登川のバッグに入っていたメガネには血痕が付着し、DNA鑑定の結果、和子の血と判明。目暮は犯行の際の返り血と推理する。犯行時刻、自宅で腹話術の稽古をしていた登川はアリバイがないに等しかった。この後、目暮が和子との関係を訊くと、登川は浮気の過ちは1度だけと告白。目暮は登川が天願の犯行に見せかけ、浮気して別れてくれない和子が邪魔になって殺害したと推理するが…。コナンはいくつも引っかかる事があって…。

第04話
(807話)
腹話術師の錯覚(後編)

 人気腹話術師の天願の妻、和子がトロフィーで殴られて殺害される。天願は多重人格に陥り、和子を殺害しろと命じる人形の人格が出現していた。天願は意識がない時に殺害したかもしれないと自白する。だが、目暮警部は現場の状況から和子と浮気した天願の弟子の登川を容疑者と疑う。目暮は登川が天願の犯行に見せかけ、邪魔になった和子を殺害したと推理する。登川は天願の自宅に仕掛けてあったレコーダーとスピーカーも和子の血痕が付着したメガネも少し前に失くしたものだと主張する。  登川は犯行を認めないが、目暮は登川が犯人に間違いないと考えていた。コナンは変声機で小五郎になりすまし、事件現場となった天願の自宅を調べたいと高木刑事に連絡する。この後、コナンは天願の自宅前で高木と合流し、小五郎に頼まれて来たと伝える。天願の自宅に入ったコナンは下駄箱の上の写真立てに注目。その写真にはトロフィーが並ぶサイドボード前で笑顔の天願が写っていた。コナンはこの写真を見て、違和感の理由に気付く。犯行の時とトロフィーの並び方が違っているのだ。  コナンは登川が和子の遺体を発見した時の状況を高木に訊ねる。登川は呼び鈴を鳴らしても返事がなく、合鍵を使って天願の自宅へ。そして、登川はリビングで遺体を発見し、奥の部屋で寝ていた天願を起こしたのだ。その上で登川は110番通報し、小五郎に助けを求める電話をしたという。コナンはトロフィーが並んだサイドボードを確認。並んだトロフィーの手前の1つ分空いた場所に残ったホコリの跡は二重になっていた。コナンは先ほどの写真から、元々手前に置いてあったのは奥にある背の高いトロフィーと気付く。高木がそのトロフィーを取って手前に置くと、二重のホコリの片方にピタリと重なる。  コナンは確かめて欲しい事があると高木にお願いし、高木は警察に電話して登川から話を聞いてもらう。コナンが登川から聞きたかったのは背の高いトロフィーの事、和子の遺体を発見した時の詳しい状況だった。登川の証言から事件の真相へと近づくコナン。この後、コナンは返り血が付着したメガネの証拠写真を確認し、フレームとツルのつなぎ目に引っかかった細く短い糸に目を留める。この糸は手袋の繊維の可能性が高く、高木は登川がトロフィーに指紋をつけないために手袋をはめたと考えていた。  コナンはこの手袋が発見されたかと訊ね、高木はまだ見つかってないと答える。手袋はどこかに捨てられた可能性が高かった。コナンは返り血を受けたメガネは手元に隠し、手袋だけ捨てたのはおかしいと考える。コナンが高木と別れて街路に出ると、ビル壁面の大型ビジョンには天願と相棒の人形が映っていた。コナンはこの映像を見てハッとなり、最大の違和感の謎を解く。そして、コナンは犯人が仕掛けた巧妙なトラップを見破り、事件の真相に辿り着く…。

第05話
(808話)
かまいたちの宿(前編)

 コナンは蘭、小五郎、平次、和葉と長野の山奥にある立居旅館を訪れる。平次は名物の葛湯を飲んだ後、写真を小五郎に見せる。それは鎌を背負った人物が露天風呂の湯の上を走っている写真だった。平次は人を切りつける妖怪の鎌イタチに似ていると指摘。コナンと平次は鎌イタチの正体を調べに来たのだ。その時、この写真を雑誌「月刊IZUNA」に掲載したライターの中間台悟、ライバル誌ライターの小柳緑が現れる。中間の目的は鎌イタチの撮影で、小柳は中間の記事のヤラセを暴くために来たという。  そこに現れた旅館の女将の息子、大野康平は温泉の上を走る鎌イタチを見たと証言。康平は鎌イタチを追いかけたが、不思議な魔法にかかって動けなくなったという。この後、中間は女将の大野高美に親しげに声をかける。2人は中学の同級生だった。高美の夫が亡くなった後、経営は赤字だったが、この怪異騒ぎで一時的に経営は回復。だが、高美の義父、大野盆蔵は鎌イタチの件を不愉快に思っていた。  高美は蔵に名のある刀匠が作った大きな鎌がある事を明かし、コナンは鎌イタチが担いでいた鎌かもしれないと考える。そして、コナンは皆と一緒に蔵にある鎌を調べる事に。コナンたちが蔵に入って鎌を見つけたと同時にパチンと電球が割れて暗闇になる。その直後、空気を切り裂く音が聞こえ、平次は右腕、小五郎は手の甲、小柳は頬を切られる。皆の脳裏に鎌イタチの事がよぎる。  和葉は鎌イタチに襲われたと警察に連絡。旅館は県境にあり、管轄の群馬県警、山村警部が捜査を開始する。山村は皆から話を聞き、鎌を持っていた中間を怪しいと疑う。高美は数日前に蔵に泥棒が入ったと明かすが、盗られて困る物はなかったという。この後、蘭と和葉は誕生日会の飾り付けをする康平を手伝う。コナンと平次は蔵にいた誰かが割れた電球とは別の電球の破片を暗闇で振り回した後、その破片を割れた電球に混ぜたと推理する。この後、山村は鎌から血液反応が出なかった事を皆に報告。電球に血は付着しておらず、別の電球の欠片もないと判明。凶器は鎌でも電球の欠片でもなかった。  この後、パリン、パンパンパンという音と共に蘭と和葉の悲鳴が聞こえてきて、コナン、平次は急いで助けに向かう。蘭と和葉は急に蛍光灯が割れ、飾りつけの風船も次々に割れたと証言する。すると今度は離れから盆蔵の悲鳴が聞こえてくる。コナンたちは離れへの近道の露天風呂を通ろうとするが、浴槽に湯が張ってあって通れない。本館と離れを繋ぐ廊下は改装中で、コナンたちは雪が降る外に出て、裏口から離れへ向かう。離れへ続く道に足跡はなく、コナンは誰もこの道を通っていないと判断する。離れに到着後、コナンは暗い廊下をライトで照らし、障子が切り裂かれている事に気付く。コナンたちは嫌な予感がして、障子を開けると、部屋の奥では胸に鎌が刺さった盆蔵が絶命していた。

第06話
(809話)
かまいたちの宿(後編)

 コナン、蘭、小五郎、平次、和葉は妖怪、鎌イタチの写真が撮影された旅館を訪れる。旅館にはライターの中間、小柳も取材に来ていた。そして、暗闇の蔵の中で平次、小五郎、小柳が肌を切られ、皆の脳裏に鎌イタチの事がよぎる。この後、女将の高美の義父、盆蔵が離れで殺害される。盆蔵の胸には鎌が刺さっていた。コナンは事件現場のおかしな点に気付く。障子の切られた上の部分には血が付着。つまり、犯人は障子を切った後、部屋に入って盆蔵を刺したのではなく、盆蔵を刺した後、その鎌で障子を切り、盆蔵を再び刺したのだ。小五郎は鎌イタチの仕業に見せるための犯人の演出と睨む。  平次は犯人が離れのブレーカーを落とし、明かりが点かないようにした理由を考える。平次は犯人の侵入口のおかしな跡にも気付く。露天風呂を通り、風呂を囲った竹垣の入口から離れの縁側に来たと思われる犯人。縁側から竹垣まで半円状に雪が浅く掘られているのだ。小五郎は犯人が鎌で自分の足跡を消したと推理するが、平次が気になっているのは露天風呂の方だった。湯船の縁に積もる雪は荒れてなく、犯人は露天風呂の上を走ってきた事になるのだ。中間はやはり鎌イタチが犯人と考える。  鎌イタチが現れたと聞いた蘭と和葉は蛍光灯、飾りつけの風船を割ったのも鎌イタチと考える。その時、コナンは部屋に落ちているBB弾を発見する。女将、高美の亡くなった夫の趣味だったサバイバルゲーム。平次は犯人が蔵からエアガンを持ち出し、蘭たちがいた部屋の蛍光灯、風船を撃ったと推理する。この後、コナンは部屋に何か匂いがする事に気付く。それはトイレや洗剤の匂いだった。蘭たちと飾りつけをしていた高美の息子、康平は風船が割れた時、体に雨水みたいなものがかかったと証言する。  コナンは悲鳴を聞いただけで盆蔵とわかった理由を高美に訊ねる。高美は以前、テレビ取材が来た時、盆蔵は足ツボマッサージを受け、同じような叫び声を上げたと証言する。コナン、山村たちはそのテレビ番組の録画を見せてもらう事に。確かにテレビ番組での叫び声と離れから聞こえた悲鳴はソックリだった。この後、小五郎は盆蔵を恨んでいる人がいないか確認。高美は盆蔵が仲居や板前にとても厳しかった事を明かす。盆蔵に追い出されるように旅館をクビになった仲居頭もいたという。  コナンは中間、小柳というライター2人について質問。高美は康平が鎌イタチを目撃し、露天風呂で溺れた日も中間と小柳が泊まっていた事を明かす。蔵に泥棒が入ったのも同じ日だったという。高美は今回の雰囲気は2人とも以前と違うと明かす。以前、中間は口ヒゲがなく、小柳はメガネをかけていたという。この後、平次は自分の腕時計の事を話してハッとなり、コナンも平次と同じ事を考える。コナンと平次はこれを足がかりに盆蔵を殺害した犯人を見破り、巧妙なトリックや様々な謎を解き明かす。

第07話
(810話)
県警の黒い闇(前編)

 長野観光に来た小五郎、コナン、蘭は川中島古戦場跡を見学する。そこに事件の聞き込みをしていた長野県警の大和敢助警部、上原由衣刑事、諸伏高明警部が現れ、その直後に三枝守警部、鹿野晶次警部補、秋山信介巡査部長もやってくる。これから強盗犯の潜伏先に行くという三枝、鹿野、秋山。ここで待ち合わせた班長の竹田繁警部が来ないらしく、三枝たちは3人で現場に踏み込む事にする。  由衣は小五郎たちを勘助宮跡、山本勘助の墓、胴合橋に案内。胴合橋はバラバラになった勘助の首と胴体がピッタリ合った場所だった。最後に小五郎たちは戦場を流れていた千曲川にやってくる。吊り橋から千曲川を眺めている時、川中島の合戦の川の事を歌った詩の話題になる。合戦は死者8000人余りと言われる壮絶な戦い。浅井洌は神社の前で討ち死にし、川は三日三晩、血で赤く染まったという。その時、大和は川を見て顔色を変える。川が真っ赤に染まり、竹田の首が浮かび上がってきたのだ。  この後、竹田の胴体も発見される。胴体は燃やされた上、少し砕かれていた。鑑識員は焼け残った右足の親指からDNA照合を試みる事に。コナンは橋の欄干にヒモがぶら下がっている事に気付く。コナンは袋に首と血ノリを入れ、時間が経ったらヒモが切れて川に落ちる仕掛けと推理する。遺体の額につけられたXという跡は啄木鳥の足跡に似ていた。現場に来た三枝は強盗犯の家がもぬけの殻だったと報告。黒田兵衛捜査一課長は竹田と啄木鳥の関係性を探り、由衣は啄木鳥会とつぶやく。  長野県警に存在する啄木鳥会という謎のグループ。由衣は詳しくないが、良くないグループだと黒田に報告する。大和たちは竹田を恨む人物を探すため、過去の事件を調べる。そして諸伏は竹田が被疑者を射殺した2つの事件に注目。竹田は9年前に薬でラリって拳銃を乱射した男、半年前に銀行に人質をとって立てこもった男を射殺したのだ。犯人の身内が逆恨みした可能性もあるが、どちらの事件も疑わしい身内はいなかった。拳銃を乱射した方の男は大和の幼馴染みだった。  聞き込みをしていた三枝たちは捜査一課に戻ると大和の行方を皆に確認する。三枝たちは今朝、大和らしき男が現場の橋の近くにいたという目撃談を入手したのだ。その時、諸伏の携帯に大和から着信がある。大和は鹿野の居場所を訊ね、三枝は鹿野が自宅に戻り、ある事件の捜査資料を調べていると伝える。大和はすぐに鹿野の家を訪ねろと訴える。大和の携帯に鹿野からの不在着信が10数件入っていて、折り返しても連絡が取れないという。大和は鹿野に何かあったと心配していた。電話を切った後、黒田は大和から目を離すなと諸伏に命じる。この日は9年前の乱射事件が起きた日で、大和の親友の命日でもあった。黒田は大和が怪しいと疑っていた。この後、諸伏、由衣たちは鹿野の自宅を訪ねるが…。

第08話
(811話)
県警の黒い闇(中編)

 長野観光に来た小五郎、コナン、蘭は長野県警の竹田繁警部が殺害される事件に遭遇。そして、自宅で首を吊った鹿野晶次警部補も発見される。大和警部の携帯には鹿野から「我は毘沙門天 啄木鳥を滅ぼす 軍神なり」というメールが届いていた。大和は鹿野を床に降ろすが、すでに鹿野は絶命。鹿野の額にもXの印がつけられ、首には抵抗した時にできる吉川線。諸伏は鹿野が何者かに首を絞められた後、天井から吊るされたと推理する。この時、鹿野の携帯に竹田の携帯からメールが届く。犯人が送った可能性が高く、メールは「啄木鳥は残り3羽」とまだ3人殺害する事を示唆していた。  諸伏警部は今朝、竹田の遺体が発見された橋の近くにいたかを大和に確認。大和は用事があって橋は通っていないと答える。由衣刑事は改めて竹田と鹿野を恨む人物を探すが、やはり9年前に薬でラリって拳銃を乱射した男、半年前に銀行に人質をとって立てこもった男の事件に行きつく。諸伏は拳銃を乱射した男と親友だった大和に疑いの眼差しを向け、大和は怒って諸伏を睨みつける。秋山信介巡査部長は仲裁に入るが、話は余計にこじれ、大和はこの先は1人で捜査すると捨て台詞を吐いて去っていく。  コナンは鹿野が自宅に帰った時の状況を三枝守警部、秋山に訊ねる。その時、秋山の携帯にメールが届く。秋山はメールを確認後、すぐ戻ると言って近くにある実家へ。この後、竹田の首と焼け残った右足の親指のDNAが一致したという結果が出る。三枝はなかなか戻らない秋山の実家を訪ね、秋山が車で例の強盗犯が潜伏していた山小屋がある妻女山に向かったと判明。諸伏は自分の車で妻女山に向かい、コナンは諸伏の車に黙って乗り込む。諸伏たちが妻女山にやってくると、秋山の悲鳴が聞こえてくる。  秋山の車は崖に向かってゆっくり動き、秋山の首には車の後部から伸びるロープがかけられていた。車は崖に落下し、秋山の首は切断される。秋山の首と胴体は車と共に崖へ。黒田兵衛捜査一課長たちは近くにあった秋山の携帯を確認。秋山を妻女山に誘い出したメールは竹田の携帯から送信され、送り主として大和の名前が書かれていた。コナンは犯人が大和のフリをして送信したと推理するが、黒田は大和を犯人と疑う。鑑識の結果、鹿野を吊るしていたロープから大和の指紋が検出されたという。  大和は鹿野を降ろすため、天井に吊るしたロープの上の方を触ったが、指紋が検出されたのは鹿野の首に巻かれていた下の部分。これは大和があのロープで鹿野の首を絞めた動かぬ証拠だった。黒田は刑事3人を殺害した容疑で大和を指名手配する。帰り道、コナンは大和が首を吊るされた鹿野を降ろした時の状況を諸伏と由衣に詳しく訊ねる。予告通りなら、あと2人を殺害するつもりの犯人。コナンは殺害された刑事たちの名前の共通点に気付き、次に命を狙われるのが誰なのかを推理するが…。

第09話
(812話)
県警の黒い闇(後編)

 長野県警の竹田繁警部、鹿野晶次警部補、秋山信介巡査部長が次々と殺害される事件が起きる。黒田兵衛捜査一課長は現場の状況から3人を殺害した容疑で大和警部を指名手配する。予告通りなら、犯人はあと2人の命を狙おうとしていた。コナンは手がかりを探すため、半年前の銀行立てこもり事件の話を由衣刑事から聞く。竹田が犯人を射殺したこの事件。犯人は射殺される直前まで「俺が捕まればあんたも終わりだ。拳銃の出所もXもバレる」と誰かと話していたという。  由衣が事件について話していると携帯に着信。この時、コナンは連絡先の一覧を見て、鹿野が元々は土屋という苗字だった事を知る。由衣は結婚して婿養子になり、土屋から鹿野になったと説明する。コナンと諸伏警部は由衣から聞いたX、土屋という言葉から何かを閃き、事件の真相へと近づく。黒田は大和と連絡を取ろうとするが携帯は繋がらない。三枝守警部は大和らしい男を見たというタレコミがあったと黒田に報告。県警にすぐ使える車はなく、諸伏は黒田に命じられ、自分の車を三枝に使わせる事に。  諸伏の携帯に大和から「往く事は流れの如し」というメールが届く。三枝は車を運転しながら大和からのメールを見て顔をしかめる。メールには「諸伏の車を借りて妻女山の山小屋まで迎えに来て俺を県外に逃がせ。さもないとXの事をバラす!」と書かれていた。その頃、コナンは小五郎、蘭と帰りの新幹線に乗っていた。コナンは啄木鳥会が啄木鳥の足跡からXと呼ばれていたと小五郎、蘭に教える。啄木鳥会は長野県警内の怪しいグループ。コナンは今回殺害されたのは啄木鳥会のメンバーと推理する。  コナンはXがアルファベットで24番目の文字という事から、武田信玄に仕えた武田二十四将が関係していると推理。二十四将と似た名前の刑事が啄木鳥会のメンバーだったのだ。竹田繁は信玄の弟の武田信繁。鹿野は元々、土屋晶次で、信玄の側近の土屋昌次。秋山信介は反対する武田の重臣を説き伏せ、織田信長と同盟を結ばせた秋山信友。コナンは次に狙われるのは武田軍の足軽大将だった三枝守友に似ている三枝守と考える。そして、犯人が狙う残り1人は武田軍の軍師、山本勘助に似た大和敢助だった。 小五郎は誰が犯人なのかをコナンに訊ねる。蘭は大和が犯人じゃないと信じていた。その頃、三枝は大和に呼び出された妻女山の山小屋に到着。そんな三枝の背後にスタンガンを持った犯人が迫っていた…。

第10話
(813話)
安室に忍びよる影

 朝、コナンは小五郎、蘭と一緒に喫茶ポアロに行ってモーニングセットを食べる。安室透がサンドイッチを作り終えると、店員の榎本梓はそのサンドイッチを男性客に運ぶ。男性客はハムサンドを食べた後、すぐにカウンターにいる安室を見る。コナンはこの不審な行動をとる男性客の事が気になっていた。コナンは男性客がこの時間のほとんどの客が食べるモーニングセットではなく、わざわざサンドイッチを注文していた事も引っかかっていた。  コナンは歩美、元太、光彦、灰原と下校中、ポアロの窓から見える朝の男性客の姿に気付く。男性客はまたサンドイッチを食べていた。コナンたちが立ち話をしていると、男性客がポアロから出てくる。光彦、元太、歩美はコナンが男性客を気にしているため、男性客を尾行しようと勝手に盛り上がる。そして、光彦、元太、歩美は男性客の正体を暴くため、3人だけで尾行を開始。その時、梓がポアロから出てきて、コナンは男性客の事を訊ねる。梓は最近よくお店に来るが名前や仕事までは知らないと答える。  元太たちは少し離れて男性客の尾行を続けるが、通りの角を曲がった所で見失ってしまう。忽然と姿を消した男性客。曲がった先は洋服屋や靴屋、牛丼屋、パン屋、八百屋、魚屋、肉屋、コンビニなどが並ぶ商店街だった。光彦はどこかの店に入ったと考え、手分けして探す事に。だが、光彦たちが全ての店を調べても男性客を見つける事はできなかった。その頃、コナンは男性客の事を安室に訊ねる。安室は3日前の買い出しの時、男性客に尾行されたと告白。コナンは黒ずくめの組織の人間かもしれないと警戒する。安室が組織の人間ではないと否定すると、コナンは公安の可能性はないかと詮索する。  翌日、下校中のコナン、歩美、元太、光彦、灰原がポアロ付近を通ると、ちょうど安室が店から出てくる。その直後、物陰に身を潜めていた男性客が安室の尾行を開始。コナンたちは安室を尾ける男性客を尾行する事に。そして、安室はその先が行き止まりになっている角を曲がる。安室は角を曲がった所で男性客に待ち伏せして声をかけ、要件を訊ねる。男性客はこの先に用事があると言い訳するが、行き止まりとわかると動揺。安室が尾行する理由を問い詰めると、男性客は慌てて逃走する。  安室が逃げる男性客を捕まえようとするが、その時、安室の携帯に梓から着信が入る。安室は梓から用事を頼まれ、コナンたちに追跡を任せてポアロへ戻る事に。コナンたちは逃げる男性客を追うが、男性客は昨日と同じ角を曲がった所で再び姿を消してしまう。元太たちは昨日と同じように商店街にある店を全て調べる。コナンは男性客の行動を思い出し、商店街のどこにいるかを推理。コナンはある店に目星をつけるが、男性客がなかなか姿を見せなかったため、安室の身が危ないと考えて…。

第11話
(814話)
ブログ女優の密室事件(前編)

 コナン、元太、光彦、歩美、灰原は阿笠博士と一緒にホテルベイカーウエストのケーキバイキングにやってくる。コナンたちがケーキを食べていると、プチファルコン(小さな玩具のヘリコプター)が飛んでくる。元太のケーキの上に落ちたプチファルコンは女優の北見沙弥のものだった。沙弥がお詫びとして、一緒に写真を撮ろうと光彦たちと話していると、そこに女優の庄野杏奈がやってくる。  沙弥と杏奈は番組の企画でブログの人気順位を争っていて、負けた方は丸坊主になる事になっていた。杏奈は自分が勝つと沙弥に告げた後、私のブログを見ていないのかと訊ねる。杏奈はあなたの秘密を公表されたくなかったら早めに白旗をあげなさいと沙弥に忠告する。この時、コナンは杏奈の付き添いが千葉刑事の小学校時代の後輩、米原桜子だと気付く。普段、家政婦をしている桜子は依頼を受け、風邪を引いた杏奈のマネージャーの代わりに身の回りの世話をしているという。  沙弥と杏奈は仲が良くないが、このホテルを舞台にしたドラマのWヒロインとして撮影に参加していた。この後、桜子は杏奈に頼まれた物を買いに行こうとする。その時、沙弥は杏奈に品物を届けた後、話があるから自分がいる504号室に来てほしいと桜子に頼む。コナンは桜子と別れると、杏奈のブログをチェックする。杏奈が自分のブログに沙弥の秘密が載っていると話していたからだ。だが、ブログは好きな漫画や料理などの紹介で、沙弥の秘密らしきものは載っていなかった。  桜子は買ってきた物を604号室にいる杏奈に届ける。ドラマ撮影が始まるのは午後6時。杏奈は5時に起こして欲しいと桜子に頼み、桜子以外の人が来てもドアを開けないと伝える。この後、桜子は約束通り、沙弥がいる504号室を訪ねる。ドアにはファンレターらしき封筒が貼ってあり、桜子は封筒の黒いハートマーク型の覗き穴を見る。この後、沙弥はドアを開けるが、用事がなくなったと桜子を追い返す。5時30分、コナンは慌てた様子の桜子と会う。桜子は何度604号室の呼び鈴を鳴らしても杏奈が起きないと困っていた。メイクの時間もあり、6時から撮影に間に合うか、ギリギリの時間だった。  コナン、桜子、沙弥は受付からマスターキーを借りて604号室のドアを開けるが…。部屋では頭から血を流した杏奈が息絶えていた。遺体近くにはマスターキーがあり、コナンは密室殺人と考える。コナンはキーの傍の床の白いシミに気付く。それは生クリームだった。この後、目暮警部たちが捜査を開始。死亡推定時刻は午後4時から4時30分の間で、杏奈は細い棒状の凶器で何度も頭を殴られていた。桜子は杏奈が自分以外の人が来てもドアを開けた事を不思議に思う。過去にストーカー被害に遭った杏奈はそれ以来、約束した人以外は部屋に入れないという。コナンは現場の状況から犯人の目星をつけて…。

第12話
(815話)
ブログ女優の密室事件(後編)

 コナンたちはホテルのケーキバイキングに来て、ブログ人気ランキングを争う女優の北見沙弥、庄野杏奈と知り合う。沙弥と杏奈はこのホテルを舞台にしたドラマの撮影をしていた。この後、杏奈が密室で殺害され、コナンは現場の状況、行動から沙弥が犯人と睨む。だが、事件を解決するには謎がまだ多く、コナンは504号室で沙弥から話を聞く事に。コナンは沙弥と桜子の会話から504号室のドアに封筒が貼ってあった事を知る。桜子は封筒にハートマーク型の覗き穴があったとコナンに教える。  コナンは沙弥のブログを確認し、杏奈のブログと対照的な事に注目する。杏奈のブログの写真は自分が写っているが、沙弥のブログの写真はほとんど自分が写っていなかった。そして、コナンは沙弥の部屋を見渡し、棚上に自撮り棒がある事、プチファルコン(小さな玩具のヘリコプター)がない事に気付く。この後、コナンと沙弥が話していると部屋の呼び鈴が鳴る。  やってきたのは元太、光彦、歩美、灰原、阿笠博士だった。コナンは阿笠が買ってきたプチファルコンを操作する。だが、プチファルコンの操作を誤ってエアコンの上に載せてしまう。コナンがプチファルコンを取る棒を探していると、沙弥がテーブルに乗ってエアコンの上に載ったプチファルコンを取る。 コナンは沙弥が杏奈の部屋に入った方法と凶器の目星をつけた後、皆と一緒に部屋を出ていく。  残る謎は密室トリックだけだった。灰原によれば、杏奈はブログの写真でマニキュアの瓶をNo.順に並べるほど几帳面。コナンはこの話を聞いた後に杏奈のブログを確認し、どのブログが沙弥の秘密を示しているかに気付く。そして、コナンは皆の何気ない会話をヒントに密室トリックを見破る。目暮警部、高木刑事は604号室を現場検証するが、手がかりを何も掴めず、管理官に指示を仰ぐ事にする。  その時、コナンは目暮たちの前に現れ、阿笠が504号室で待っていると伝える。管理官に連絡していた高木はコナンの指示通りにしろと管理官から言われた事を目暮に報告。コナンは管理官が誰なのかと警戒する。この後、504号室に皆が集まると、コナンは変声機を使い、阿笠として推理を展開。コナンは沙弥が杏奈に部屋のドアを開けさせたトリック、密室トリックなど、事件の真相を次々と暴いていく。

第13話
(816話)
残念でやさしい宇宙人

 夜、OLの中島亜里紗とトリュンペルマン・スーザンが米妙寺へ続く石段を歩いていると、全身を青白く光らせた異形の生物が出現。その生物は宇宙人と名乗り、亜里紗は笑いながら宇宙人とスーザンが並ぶ動画を撮影する。その時、石段の上の方から「宇宙人だ」と驚く男性の声が聞こえてくる。男性はその拍子に石段を踏み外し、悲鳴をあげながら転げ落ちる。  宇宙人の着ぐるみを着た会社員の竹寺等は自分が事故を誘発した事にショックを受ける。石段から転落した男性、半崎安夫は絶命し、米花署の栗本刑事が竹寺、亜里紗、スーザンから事情を聞く事に。そこに連絡を受けた竹寺の友人、王見現が現れる。王見は事情を知り、不運な事故だと栗本刑事に訴え、竹寺を必死に庇おうとするが…。事故死を招いた竹寺がお咎めなしになる可能性は低かった。  翌朝、コナン、元太、歩美、光彦、灰原が石段の所でこの事故の話題を話していると、米花小1年の松本幸大が事故は自分の責任だと話に入ってくる。宇宙人がいると信じる幸大は児童館で孤立。仕事が休みの時、児童館で子供たちと遊ぶ竹寺は宇宙人の目撃談があれば、幸大が孤立しないと思って宇宙人の格好をしていたのだ。この後、コナンたちは石段の下にやってきた亜里紗とスーザンから話を聞く。  コナンは亜里紗が撮影した事故の時の動画を確認し、出来損ないのマスコットキャラのような竹寺の格好に違和感を抱く。自ら名乗ったため、宇宙人と認識したという亜里紗とスーザン。だが、それはとても宇宙人に見えるものではなく、コナンは事故死した半崎がこの格好を見て宇宙人と叫んだ事を不思議に思う。コナンは今回の事故には何か裏があると考え、皆と一緒に少年探偵団として捜査する事に。  コナンたちは半崎のアパートを訪ね、隣人の玉井常幸から話を聞く。半年前に工場をリストラされた半崎は誰かを強請っていたらしく、昨夜、半崎はその相手から金を渡すと呼び出されていたという。半崎が他界してホッとするのは強請られていた人物X。コナンはXが事故に関与していると推理する。この後、コナンたちは玉井と一緒に鍵のかかっていない半崎の部屋を調べる事に。  半崎は数日前から風邪を引いていたらしく、部屋には解熱鎮痛剤、去痰薬が置かれていた。玉井は半崎がリストラされた工場に戻れるように計らってほしいとXに電話で頼んでいた所を見た事があるという。コナンは話を聞いて工場関係者を強請っていたと推理する。半崎が働いていたのは超一流企業、三光重工の下請けの工場だった。続いて、コナンたちは竹寺から話を聞く事に。竹寺は宇宙人になる案を思いついたのは自分じゃないと打ち明け、捜査は急展開する。コナンたちは半崎に強請られていたXが誰かを突き止め、今回の事故の真相に近づくが…。この後、新たな事件が起きて…

第14話
(817話)
消えたフィアンセ

 小五郎は鳥海春樹から失踪した婚約者の川口元子を捜して欲しいと依頼される。元子は忽然と姿を消し、電話にも出ないという。鳥海は鳥海コンツェルンの御曹司だった。OLの元子にとって、将来が約束された鳥海との結婚は玉の輿。鳥海はそれを棒に振ってまで失踪する理由がわからず、元子が事件に巻き込まれているかもしれないと心配する。小五郎、コナンは元子のアパートを訪ねてみる事に。  アパート大家の勝子は3日前の夜、元子から急に引っ越す事になったという電話があった事を小五郎に教える。その翌日には運送屋が来て、元子の荷物を全て運び去ったという。勝子は元子に依頼された運送屋が部屋の鍵を持ってきたため、何も不審に思わなかったのだ。次に小五郎は元子の勤務先に連絡する。上司によれば、元子は3日前の夜、電話をかけてきて、突然辞めると言ってきたという。  小五郎たちが元子の部屋にいると、友人の須田久美が現れる。久美は元子の引っ越しを知らなかったと告白。3日前の夕方、街で偶然会った時も元子はいつも通りだったという。久美はその時、元子が寺門しげみに会いに行くと話していた事を小五郎に教える。しげみは米花住宅で独り暮らしをする老人。元子はしげみの事を心配し、ちょくちょく部屋を覗いていたという。小五郎とコナンは最後の接触者かもしれないしげみに会いに行く事に。  しげみは小五郎が探偵だと名乗ると一瞬動揺する。しげみにとって元子は恩人。1年前、元子はめまいがして通りでうずくまるしげみを心配して声をかけてくれたのだ。それ以来、元子はちょくちょく様子を見にきてくれるという。だが、しげみはここひと月ほど、来ていないと証言。小五郎が3日前に来なかったか訊ねると、しげみは話を遮ってドアを閉める。その時、隣人の宇野光江が小五郎に声をかけてくる。光江によれば、3日前にも元子はしげみの部屋に来ていたという。  光江はしげみが元子に困り果てていた事を小五郎に教える。最初は元子に感謝していたしげみ。だが、途中から元子はしげみにお金をたかるようになったという。光江は元子の話をした時のしげみの憎悪に満ちた目にゾッとした事を明かす。この後、小五郎は裏手に回って、しげみの部屋の様子を撮影。しげみは居間で松尾竜二と話していた。小五郎は元子のアパートに戻り、大家の勝子に撮影した写真を見せる。小五郎の予想通り、元子の荷物を運び出した運送屋は松尾だった。  小五郎はしげみが元子を殺害し、協力者の松尾が後始末を手伝ったと推理。小五郎は今回の失踪事件の真相に辿り着いたと自信満々だった。だが、コナンは捜査がうまく行き過ぎた事に違和感を抱いていた。この後、しげみたちは狂言殺人だった事を白状する。だが、事件はそれで終わらなかった…。

第15話
(818話)
小五郎、怒りの大追跡(前編)

 小五郎が地下アイドル出身の人気アイドル歌手、リサ・パープルのボディガードを頼まれ、コナンと蘭はリサのライブに招待される。コナンと蘭はリサの髪色と同じパープルのウイッグを被ってライブ開始を待つ。マネージャーの山根銀次はリサが暴漢に襲われないかと心配していた。この後、MCのビアンカ、カメラを持ったケーブルTVディレクターの佐久田純一がリサを呼び、大歓声の中、リサがステージに登場する。その直後、非常ベルが鳴り響き、会場が真っ暗になる。  大混乱の中、仮面をつけた小柄な男性がリサを連れ出そうとする。蘭は小柄な男性にハイキックして撃退する。蘭はリサを安全な場所へ誘導しようとするが、仮面を被った大柄な男性にスタンガンで撃たれて失神。ビアンカはリサが何者かに連れ去られたと皆に助けを求める。だが、男性たちがリサと間違えて連れ去ったのは蘭だった。仮面をつけた男性2人は蘭を連れ、会場近くの運河からボートで逃げる。小五郎、コナンは宅配便のリアカー自転車を借りて追跡。小五郎たちは桟橋からボートに飛び移るが、すでにボートはもぬけの殻だった。コナンは蘭が窓に書き残した「リサ」というメッセージに気付く。  この後、小五郎たちは近くに停まっている廃品回収車を発見。小五郎は家電を積んだ荷台にいる男性に声をかけ、ボートから降りてきた連中を見なかったかと訊ねる。男性は男性に担がれた紫の髪の女性を見たと答え、赤い軽トラックに乗って時計台方面に向かった事を教える。小五郎は誘拐事件が起きた事を伝えて廃品回収車を急発進。男性は車の助手席に飛び乗り、コナンは1人取り残される。  目暮警部たちは関係者から事情聴取。高木刑事は何者かが火災報知機を押し、ブレーカーを下していた事を目暮に報告する。目暮は捜査資料として撮影した映像を提出してほしいと佐久田に要請。佐久田はこの映像をニュース素材として他のテレビ局にも送った事を伝える。その時、目暮の携帯に小五郎から着信が入る。小五郎は時計台方面に向かう犯人を追跡中と目暮に報告する。高木が蘭の携帯の電波の場所を調べると、小五郎の言う通り、蘭を乗せた車は時計台方面に移動中だった。  その頃、コナンは犯人たちが泊めたボートの周辺を調べ、杭に引っかかった何かを発見する。山根は1週間前から事務所に脅迫電話がかかっていた事を目暮に打ち明ける。山根はリサが地下アイドルとしてデビューした頃からイベントに来ている熱狂的ファンを犯人と疑っていた。小五郎は時計台のある広場に到着するが、赤い軽トラックを見つける事ができない。この後、廃品回収の男性は急いでいると言って車で去っていく。その直後、時計台の大型ビジョンに誘拐事件のニュース映像が流れ、小五郎はその映像を見て誰が犯人かに気付く。コナンも杭に引っかかった物から犯人を特定するが…。

第16話
(819話)
小五郎、怒りの大追跡(後編)

 蘭が人気アイドル歌手、リサ・パープルに間違われて誘拐される。犯人は廃品回収業者の竹山太吉と伊原与三郎と判明。竹山は地下アイドル時代からの熱狂的ファンだった。コナン、小五郎は犯人のアジトに踏み込み、リサと竹山のSNSでのやりとりを発見。今回の誘拐はリサと犯人がグルになって仕組んだものだった。竹山はSNSで粗大ゴミを不法投棄している山中に蘭を連れていくとリサに報告。アジトには不法投棄場所の写真が残っていた。コナンは犯人が顔を見た蘭を始末する可能性が高いと心配する。  コナンはリサが使うSNSの写真に注目する。リサはいつも左側から撮った写真を使うが、SNSの写真は右側から撮られていて、コナンは誰かがリサに成りすましていると推理する。その頃、竹山と伊原は蘭を閉じ込めた冷蔵庫を不法投棄の穴に捨てて上から土を被せていた。蘭は意識が少しずつ遠のいていく。目暮警部はリサから話を聞くが、リサはSNSをやっていないと共犯を否定する。誘拐の時、非常ベルを鳴らしたのは犯人。目暮は関係者の中に通路のドアのロックを外した共犯者がいると睨んでいた。  この後、目暮はライブ直前に通路に出たマネージャーの山根に何をしていたのかと訊ね、山根は電話をかけに行ったと答える。そこに小五郎、コナンがやってくる。小五郎は山根が電話していたのは竹山だったと目暮に教える。竹山のアジトの電話に山根が二度と脅迫電話をかけてくるなと恫喝する留守電が残っていたのだ。山根は事務所に脅迫電話がかかってきた時に相手の電話番号を登録。山根は竹山だったとは知らなかったらしく、電話した時、通路で誰も見なかったと証言する。  コナンは蘭を助けるため、写真から不法投棄場所を突き止めようとする。高木刑事は犯人の携帯の発信エリアを特定するが、米花峠から提無津谷一帯と広範囲のために捜索は困難。冷蔵庫が密閉されていれば、酸素がなくなり、蘭の命は明朝まで持たない危険な状況だった。小五郎は父親として命だけは奪わないでくれと犯人に呼び掛けたいとケーブルTVディレクターの佐久田に頼む。だが、佐久田が制作するのはローカルテレビ番組のため、犯人にメッセージが届く可能性は低かった。  小五郎はコナンを連れて番組が生放送されるスタジオへ。コナンは廊下のポスターに目を留める。それはリサが過去に所属していたアイドルグループのポスターだった。この後、番組が生放送され、MCのビアンカが小五郎を紹介。小五郎は娘を助けてほしいと訴えた後、娘がライブ直前に会場を撮影し、真犯人の証拠となる写真を偶然撮影したと付け加える。だが、これは小五郎が犯人に仕掛けた罠だった。蘭の携帯に証拠があるというのはデマカセなのだ。この後、小五郎の罠にかかった真犯人は証拠を恐れ、隠滅のために動き出す。すでにコナンは留守電の音声から誰が真犯人かに気付いていた…。

第17話
(820話)
待合室の7人

 午後6時30分、激しい雨が降り出し、バスを降りた小五郎、コナン、蘭はセールスマンの穂刈雄一、工場経営者の武上均、バックパッカーのカール・モリスに混じって駅舎に駆け込む。コナンたちは温泉旅行の帰りだった。駅の待合室では議員秘書の来栖紀子、近所に住む老人の島尾ふねがベンチに座っていて、駅長の稲垣喜久雄と駅員の上野雅子は濡れた皆にタオルを配る。  穂刈は工場が潰れたと愚痴る武上に仕事の話を持ち掛けるが、武上は騙されると警戒して穂刈に掴みかかる。その拍子に穂刈のカバンから色々な会社のパンフレットが落ちる。穂刈はパンフをかき集め、カールも手伝おうとするが拒否される。稲垣と雅子は台風の影響で列車が運休になった事を皆に報告。紀子は明日行う予定の市議会議員、湯原庄之助の講演に間に合うかを心配する。雅子は手書きの講演ポスターを書き直してと紀子に注文をつける。台風のために電話も通じず、皆は駅で一晩過ごす事に。  稲垣と雅子は皆の食事の準備を始め、カールは駅にある温泉に入ろうと皆に呼びかける。この後、コナン、小五郎、カール、穂刈は男湯、蘭は女湯の温泉につかる。温泉から出た小五郎は脱衣所で上着のポケットに紙切れが入っている事に気付く。紙切れには「毛利先生 今夜ここで人が殺されます。犯人を捕まえて下さい。犯人は」と思わせぶりな事が書かれていた。コナン、小五郎はこのメッセージを書いた人を捜す事に。小五郎は先に温泉から出たカール、穂刈にもメモを書けたと判断する。 コナンは待合室にいた武上に何をしていたかを訊ねる。武上はずっと待合室にいたと答え、紀子も武上と一緒に待合室にいたという。この後、紀子は穂刈が詐欺師、カールがスリと小五郎に教える。色々な会社のパンフは詐欺師の七つ道具で、落とし物を拾うフリをして近づいたり、風呂に誘ったりするのはスリの常とう手段だという。紀子に指摘を受けた穂刈とカールはしらばっくれる。  ふねは食事の事を武上に訊ねる。ふねは少しボケていて、食事した事を忘れていた。午後11時、皆は薄暗くした待合室で休んでいたが、突然、紀子が起き上がる。紀子は駅員室を覗き込んだ後、タクシーを拾うと言って外に出ていく。小五郎は自分宛のメモを落とした事に気付き、紀子に読まれたかもしれないと心配。そして午後11時30分、小五郎たちが紀子を捜しに行くと銃声が聞こえてくる。  この後、コナンたちは外で銃殺された紀子を発見。小五郎は皆のアリバイを確認し、カールは駅の裏、穂刈はホーム、武上は給湯室にいたと証言。ふねは給油室の冷蔵庫をあさっていたという。カールは筆跡を比べ、メモを書いた人物を捜そうと提案。コナンは改めてメモを見て、誰が書いたかに気付く。その直後、落雷が轟いて室内が真っ暗に。明かりが復活すると、頭から血を流した雅子が倒れていて…。

第18話
(821話)
曇柄寺が隠す秘密

 4日前の夜、宍戸隆は米花金融から3千万円を強奪し、その2時間後に交通事故死する。事故の時、宍戸は3千万円を持っていなかった。どこかに隠した可能性が高く、高木刑事と千葉刑事は犯行後の足取りを掴むために聞き込みをする。その頃、小五郎、コナンは曇柄寺の住職、足立了全から相談を受けていた。了全は昨夜、建て替え工事を中止しろという脅迫電話があった事を告白。工事は昨日始まったばかりだった。了全は工事を一旦中止し、脅迫犯人を見つけ出してほしいと小五郎に依頼する。  この後、コナンは姑の矢野春子と嫁の浩美が言い争う現場に遭遇する。春子は昨日の昼間、近所に住む寅谷栄作を中央公園で見たと主張し、浩美は同時刻に栄作を西口公園で見たと反論。コナンは1人の人間が同時刻に2ヵ所にいたという話に興味を持つ。小五郎は聞き込みをして、栄作の息子の寅谷金太と寅谷銀助が工事を見て慌てていたという情報を得る。この後、コナンと小五郎は寅谷家の前でバッタリ会う。小五郎が脅迫電話の事を聞くと金太と銀助はかけてないと否定。続けて、コナンが栄作の話をすると2人は動揺する。コナンたちは2人の反応から何かを隠していると確信して情報収集する事に。  近所の人の話によれば、3人とも働いていない寅谷家。小五郎は栄作の年金で暮らしているが、栄作はすでに他界していると推理する。小五郎は年金が入らなくなるため、金太と銀助が役所に届けずに遺体を曇柄寺に埋めたと睨む。コナンは小五郎の妄想に呆れるが、栄作が他界している事がバレないように金太と銀助が栄作に成りすまして2つの公園に現れた可能性はあると考える。コナンたちは栄作の生存を確かめるため、寅谷家を再び訪ねる。だが、栄作は発言がおかしいもののちゃんと生きていた。  高木たちは曇柄寺の近くで宍戸を見たという目撃者を見つける。小五郎は3千万円が消えた事を知ると、金太と銀助が仲間の宍戸から3千万円を受け取り、曇柄寺に隠したと睨む。コナンは寅谷家に強盗事件の翌日の新聞が何紙もあった事も思い出し、小五郎の推理も満更ではないと考える。だが、宍戸は嫌われ者で、千葉は仲間の可能性はないと断言する。懲りない小五郎は金太と銀助が宍戸から3千万円を強奪し、大金だったために曇柄寺に一旦埋めたと推理して近所の人に聞き込みをする。  春子、浩美は4日前の夜、栄作がいなくなったと証言。認知症気味の栄作は夜になると街を徘徊する事があり、その夜も金太と銀助が栄作を捜し回っていたという。春子は金太と銀助が曇柄寺で栄作を見つけたと証言。その夜、栄作は持ってもいないリュックサックを埋めていたと話していたという。話を聞いた小五郎は栄作が宍戸から3千万円を奪って曇柄寺に埋めたと推理するが、コナンは70歳の栄作には無理だと言って呆れ果てる。この後、コナンはこれまでの情報、証言から事件の真相に辿り着いて…。

第19話
(822話)
容疑者は熱愛カップル(前編)

 Jリーグ、ビッグ大阪の比護隆佑とアイドルの沖野ヨーコがデパートで仲良く買い物していたという熱愛発覚のニュースが報じられ、比護ファンの灰原、ヨーコファンの小五郎は大きなショックを受ける。比護とヨーコは同じ高校の卒業生だった。灰原は比護とヨーコの素行調査をしてほしいと小五郎に依頼。小五郎は依頼という大義名分ができたため、2人の熱愛が本当かどうかを調べる事に。  小五郎はネットで比護とヨーコの居場所を調べ、ブログの目撃情報から2人が杯戸町のレストランにいる事を突き止める。比護とヨーコがいるのは比護の高校時代の先輩、飛鳥悌耶がJリーガーを引退後に出したイタリアンレストランだった。小五郎、コナン、灰原は客として入店して2人を監視する。午後7時頃、外出中のオーナー、飛鳥の帰りが遅いため、ソムリエの山田晃道、ウエイターの鴻江保人はバックヤードの休憩室、ウエイトレスの伴場嶺子は地下の倉庫を捜すが、どこにも飛鳥はいなかった。  10分後、3人は再び飛鳥を捜し、嶺子が頭から毛布を被り、休憩室のソファで寝ている飛鳥を発見。山田たちは疲れた飛鳥を10分だけ寝かせる事に。10分後、山田は飛鳥を起こすために休憩室へ。その時、鴻江のスマホに飛鳥から「人目に付かないように比護とヨーコちゃんを倉庫に連れて来てくれ」というメールが届く。鴻江は指示通り、比護とヨーコを倉庫へ案内。だが、飛鳥を呼んでも返事はなく、鴻江はその場を離れる。そして7時50分頃、倉庫で待っていた比護とヨーコが飛鳥の遺体を発見する。  死亡推定時刻は午後7時過ぎから8時前までの約1時間。死因は頸動脈切断による失血死で、遺体の傍らには凶器のカッターナイフが落ちていた。目暮警部は第1発見者の比護、ヨーコから話を聞く事に。比護は飛鳥に頼み事があって会う約束をしていたと証言。ヨーコは飛鳥とあまり親しくないが、2人と同じ高校だったために一緒に来たという。比護は店で携帯を無くした事を目暮に報告する。続いて、目暮は山田、嶺子、鴻江からも話を聞き、山田たちは飛鳥が見つかるまでの経緯を説明する。  この後、目暮は皆から個別に話を聞き、鴻江が休憩室でタバコを吸って飛鳥にひどく怒られた事が判明。さらに山田が昨夜ワインの事で飛鳥と揉めていた事、嶺子は飛鳥と交際している事が明らかに。鴻江は別れ話がこじれ、嶺子が飛鳥を殺害したと疑う。だが、嶺子は飛鳥と別れ話をしていないと反論。最近、飛鳥は経営不振の打開策を練るために店に泊まり込んでいたという。この後、千葉刑事がトイレのゴミ箱でたくさんのタバコの吸い殻を発見。山田は鴻江がトイレで隠れてタバコを吸っていたと説明する。目暮は第1発見者の比護、ヨーコも容疑者と考えるが、コナンは山田、鴻江、嶺子の中に犯人がいると推理して…。

第20話
(823話)
容疑者は熱愛カップル(後編)

 ビッグ大阪の比護隆佑とアイドルの沖野ヨーコの熱愛発覚のニュースが報じられる。比護とヨーコは比護の高校時代の先輩、飛鳥悌耶がJリーガーを引退後に出したレストランで食事をしていた。小五郎、コナン、灰原は2人を監視し、熱愛が本当かどうかを確かめる事に。この時、比護とヨーコが倉庫で殺害された飛鳥の遺体を発見。コナンはソムリエの山田晃道、ウエイターの鴻江保人、ウエイトレスの伴場嶺子の中に犯人がいると睨むが…。目暮警部は第1発見者の比護、ヨーコへの疑いを強める。  目暮はバックヤードの休憩室で比護とヨーコに事情聴取する。ヨーコは遺体が発見された倉庫は鍵がかかっていて、鴻江が鍵を開けたと証言。ヨーコは鴻江が離れた後、比護と倉庫を見て回って遺体を発見したと明かす。比護は携帯を店内で失くして飛鳥と連絡が取れなかったという。目暮は飛鳥に頼もうとした事を訊ねるが、比護とヨーコは言う事を渋る。  目暮が比護たちと話している時、コナンは飛鳥が寝ていた時にかけていた毛布に目を留める。毛布は小さな穴が開き、その周りには赤黒いシミが付いていた。コナンは赤黒いシミの匂いを嗅いで血ではなくワインだと判断。小さいシミだが、ハッキリ匂いがしたため、コナンはシミが付いたのは数時間前だと推理する。コナンはこのシミと事件の関係を考え、嶺子と鴻江の事情聴取を回想する。  きれい好きだった飛鳥は嶺子が念入りに掃除した後も掃除機をかけていたという。鴻江が最初に休憩室に来た時は毛布があるだけだったが、その後、嶺子が来た時は頭から毛布を被って寝ていた飛鳥。コナンは2人の証言を思い出して事件の真相に近づく。そして、コナンは手がかりがあると確信して休憩室のロッカーを調べる。飛鳥の服には小さな穴があり、その縁にはワインが付着。コナンはそれを見て犯人、アリバイトリックを見破る。犯人は便利グッズをトリックに巧みに利用していた。  この後、目暮は事件が起きるまでの事を改めて皆に確認する。いつも鍵がかかっているバックヤードと倉庫。その鍵は皆が目にできる廊下の入り口にかけられ、勝手に持ち出す事はできない状況。今、鍵を持っているのは飛鳥だけだった。目暮は鴻江が比護とヨーコを倉庫に連れて行った時、倉庫に鍵がかけられていた場合、犯行が可能なのは倉庫で待っていた比護とヨーコしかいないと判断する。その直後、コナンは小五郎の首に向けて麻酔銃を発射。眠りの小五郎の推理ショーが始まる…。

第21話
(824話)
少年探偵団の雨宿り

 豪雨の中、コナン、光彦、元太、歩美はトイレを借りるため、森の中にある洋館を訪ねる。表札には雨宮翔・真樹と書かれていた。コナンたちは玄関をノックしても返事がないため、洋館の中にお邪魔する事に。そこは玩具の飾られた棚で埋め尽くされたおもちゃの館だった。元太は螺旋階段の陰に隠れたアニキとノッポに気付き、トイレを貸してほしいと頼む。アニキたちは少年探偵団をトイレに案内する。  この時、コナンは事務室の机の引き出しが全て乱暴に開け放たれている事に気付く。コナンは窓際に干してある洗濯物にも目を留める。その中にはKとMのイニシャルが入ったペアルックのパーカー、まだ水滴の垂れているワンピースがあった。コナンは表札を見たと前置きして「雨宮真樹(まさき)さん、だよね?」とノッポに質問。続けて、コナンは「そっちがお兄さんの翔(しょう)さんでしょ?」とアニキに訊ねる。アニキたちが認めると、コナンは2人にある疑惑を抱く。  この後、アニキとノッポは皆をトイレに案内しようとしてバスルームに連れていく。バスルームは使用後間もない様子だった。アニキは引っ越してきたばかりだから迷ったと言い訳する。元太がトイレを終えると、歩美はこのまま雨宿りさせて欲しいと2人に頼む。だが、コナンは遅くなったらキャンプ場にいる阿笠博士と灰原が心配すると言って帰ろうとする。その時、2階から助けを求める女性の声。コナンは元太たちに逃げろと声をかけるが、アニキ、ノッポはナイフを出して探偵団の前に立ちはだかる。  コナンは2人が強盗だと元太たちに伝え、一緒に螺旋階段を駆け上がって逃げる。干してあったペアルックのイニシャルはKとM。本当の住人は夫の翔(かける)と妻の真樹(まき)なのだ。強盗のアニキとノッポはこの家のどこかにある金塊を狙っていた。この後、コナンたちは2階で縛られたガウン姿の真樹を発見。コナンたちは真樹を助けて一緒に棚の陰に身を潜める。おもちゃの収集家の翔は家にいたが今どこにいるかわからないという。コナンたちは強盗2人に気付かれてバラバラになって逃げる。  真樹はシャワーの後に襲われ、気絶させられたとコナンに明かす。その時、歩美の悲鳴が聞こえてくる。歩美、光彦、元太は強盗2人に壁際に追い詰められていた。真樹はコナンに指示され、エアガンを構え、改造したら本物以上の破壊力があると脅して発砲。同時にコナンは爆竹を鳴らし、強盗2人がひるんだ隙に歩美たちは逃げる。この後もコナンたちは家にあるビー玉、ラジコンヘリなどを使い、追いかけてくる強盗2人に反撃。コナンたちは隙を見て玄関から外に逃げようとする。その時、コナンは棚の奥にあるドアの隙間から血が見える事に気付く。コナンはドアを開け、血しぶきの中で翔の遺体を発見する。そして、コナンたちが振り返ると、ナイフを持ったアニキとノッポが目の前に迫っていた…。

第22話
(825話)
潮入り公園逆転事件

 小五郎、コナン、蘭は太平洋と繋がる広い池がある公園にやってくる。刻一刻と干潮で池の水位は下がり、池の景色は変わっていく。この潮入りの池は潮の満ち引きで景色が変わる仕掛けになっていた。この後、コナンは潮が引いて現れた沈下橋に倒れている男性を発見。駆け付けた千葉県警の基刑事が捜査を開始し、遺体は食品製造会社2代目社長の公島竜次と判明する。遺体の首には絞められた痕があり、小五郎は事件と事故、どちらの可能性もあると推理する。コナンは遺体が靴を左右逆に履いている事に気付いて不思議に思う。そこに千葉県警の慶徳刑事が公園管理人の丹波永二郎を連れて現れる。  丹波は朝の引き潮の時、遺体はなかったと証言し、小五郎は遺体が海から流れてきた可能性が高いと考える。そこに竜次の妻の公島葵、兄の公島裕太がやってくる。小五郎は竜次の死亡推定時刻の昨夜10時のアリバイを確認。葵は男性の友人と一緒だったと答え、裕太はクルーザーで沖に出て夜釣りをしていたと証言する。この後、葵が管理事務所にいる小五郎たちに会いに来る。葵は父親が弟の竜次を跡継ぎに指名したため、裕太が竜次を快く思っていなかったと告白。裕太は竜次にたかっていたらしく、クルーザーのお金を出したのも竜次だった。小五郎は話を聞いて何かを閃き、実験がしたいと慶徳に頼む。  コナンが外に出ると、焼却炉にいる丹波が若い警官を怒鳴りつけていた。若い警官がゴミの分別を間違えたのだ。この後、電気工事人の菅生恵介が丹波を訪ねてくる。水門を開閉する配電盤が故障したために修理に来た菅生。丹波は配電盤が故障したため、人が流れてきて大迷惑だったと菅生に文句を言う。この後、丹波はカリカリしながら池のほとりに落ちていた発砲スチロール板を拾ってポリ袋に入れる。  池では小五郎と慶徳が小舟に乗って実験をしていた。ダミーの首に輪っかにしたロープをかけ、小舟で引っ張る実験をするが思っていた結果は出ずに終わり、今度は裕太から話を聞く事に。裕太は子供の頃から成績が良く、自分を見下していた竜次の事が嫌いだったと明かす。だが、竜次のおかげで遊んで暮らしていた裕太は殺害する理由はないと訴える。竜次が亡くなって次期社長になるのは裕太だった。  裕太は泳げず、釣りもしない竜次が海に行った事を不思議に思う。裕太は竜次が葵に濡れ衣を着せるために海に行ったと疑い、竜次が元女優の葵に騙されていたと訴える。この後、コナンは公園の斜面を下り、何かを引きずった跡を発見。コナンは何かに気付き、周辺を調べて事件の真相に近づく。コナンは管理事務所にいる丹波を訪ね、朝の見回りの状況を聞く。そこに修理を終えた菅生が報告に来る。配電盤が作動しなかったのはバッテリーが原因だった。菅生は丹波にねぎらいの言葉をかける。丹波はこの日が勇退の日だった。この後、コナンは焼却炉を調べた後、公園の看板を見て事件の真相に辿り着く。

第23話
(826話)
美女とウソと秘密

 小五郎、コナン、蘭がレストランで食事を終えて通りを歩いていると、女性の悲鳴が聞こえてくる。コナンたちは悲鳴が聞こえた立体駐車場に駆け付け、非常階段の下で頭から血を流して絶命した八木沼武志を発見。非常階段の一番上では滝沢美咲が震えていた。この後、目暮警部が捜査を開始。美咲は八木沼がいきなり襲ってきたと証言する。美咲が身をかわすと、八木沼は頭から突っ込むように階段を転げ落ちたという。コナンは八木沼の遺体を見て、美咲の証言がおかしい事に気付く。  目暮は美咲を襲った八木沼は強盗殺人事件に関与していたと睨む。1週間前、美咲の自宅の2階ベランダから男が侵入。男は美咲の夫である不動産会社社長の滝沢彰をナイフで脅し、金庫から1億円相当の宝石を強奪したのだ。犯人は彰をナイフで殺害。美咲は彰が倒れた時に割れたガラステーブルの音で目を覚まして音がした書斎へ。そして、ベランダから逃げる犯人と目が合った美咲。その犯人が先ほど襲ってきた八木沼だった。八木沼はジャズ喫茶のマスターで、彰もその店に何度か訪れていたという。  小五郎は八木沼が口封じのために美咲を襲ったと推理。この後、八木沼の店から奪われた宝石が発見される。物的証拠も揃い、事件は解決したかに思われたが、コナンは駐車場の1、2階も空いていたのに美咲が一番上の3階に車を停めた事も引っ掛かる。そして、コナンは格好良い車に乗ってみたいと美咲にせがみ、一緒にドライブに行く事になる。ドライブ中、コナンは灰皿のフタ辺りに付着した灰が気になり、タバコを吸うかを訊ねる。美咲は吸わないと答えた後、吸っていると告白する。  美咲は彰がタバコ嫌いのため、結婚した時に吸わないとウソをついたと打ち明ける。そして、美咲はウソと秘密で幸せは成り立っているとコナンに教える。事件後、美咲はホテル住まい。自宅は事件が起きた時のままらしく、コナンは大きな家を見てみたいと美咲に甘える。この後、蘭はコナンから美咲の家に行くという連絡があったと小五郎に伝える。蘭は耳にした美咲の噂を小五郎に教える。滝沢家は先祖代々の大地主。1年前に30歳も年下の美咲が結婚した時は財産目当てと騒がれたという。  美咲は自宅に着くと着替えに行き、コナンはその隙に事件が起きた2階の書斎を調べる事に。書斎には高級なステレオがあり、出入り口は防音扉になっていた。コナンはターンテーブルにレコードが載ったままになっている事に注目。その時、着替えた美咲がやってきて、勝手に書斎を調べるコナンを注意する。ガラステーブルが割れた音で目が覚めたと証言した美咲。だが、コナンは防音扉が閉まっていたら音が聞こえるはずがないと指摘する。美咲は扉が開いていたと説明するが、コナンは開いていたはずがないと反論する。コナンは扉が閉まっていた理由を説明後、美咲の証言のウソを次々と暴いて…。

第24話
(827話)
死ぬほど美味いラーメン2(前編)

 学校帰り、コナン、蘭、園子、世良はラーメン談義で盛り上がり、世良が行きつけのラーメン店へ皆を連れていく事に。その店は移転前に毒殺事件があった「マジで死ぬほどヤバイ ラーメン小倉」だった。店内にはラーメンに酢をたっぷり入れるホステスの荘野由奈、小皿に醤油をたっぷり入れるフリーターの水科宗輔、ラーメンにコショウをたくさん入れる会社員の仲西修という常連客がいた。コナンは調味料をたくさん使う3人の行動を不思議に思う。  3人が別々に帰った後、店主の小倉功雅と店員の大橋彩代は先日、近くで女性が殺害される強盗事件があったとコナンたちに明かす。事件が起きた時に店にいた荘野、水科、仲西。警察は3人を容疑者と疑っていて、犯人はまだ捕まっていなかった。この後、婦警の宮本由美と三池苗子が店にやってくる。事件の時、強盗殺人犯を店まで追い込んだのはこの2人だった。  1週間前、由美と苗子はミニパトで警ら中に不審な人物を発見。声をかけると逃げ出したため、2人は二手に別れて挟み撃ちにしたという。苗子が車で先回りしたが、やってきたのは由美だけ。犯人が逃げ込めたのは「ラーメン小倉」しかなく、その時、店内にいたのが荘野、水科、仲西の3人だった。その後、佐藤刑事、高木刑事が不審な人物がいた家へ行き、玄関先で頭から血を流して絶命した家主を発見。由美は帰宅した被害者が玄関先で空き巣に出くわして殺害された可能性が高いとコナンに教える。  この後、蘭は小倉と由美が親しげに話している事に気付く。移転前、由美は羽田秀吉と一緒に店に来ていて2人は顔見知りだった。由美は犯人を追いかけている時に転倒。犯人が2メートルくらいのホースを投げてきために足を取られたという。犯人がホースを玄関先で必死に振り回していたため、最初はそれが凶器だと思った苗子。ホースの先にはガムテープが貼られた形跡があったという。だが、凶器はホースではなく、揉み合いになって倒れた時に階段の角に後頭部を打ち付けたのが死因だった。  ホースはその家にあったもので、コナンは犯人がそのホースを使わざるを得ない状況に追い込まれたと推理する。由美は事件の時、店にいた3人の持ち物を調べたとコナンに教える。だが、誰も金目の物を持っていなかったという。園子は3人が犯人なら店には来ないと考える。殺害された頓田温子はホステスで、以前は荘野と同じ店で働いていたホステス仲間。仲西は頓田の店の常連客で、水科がバイトしていたコンビニは頓田の家の真ん前だったという。3人はそれぞれ頓田が留守になる時間を知っていたのだ。小倉によれば、頓田は店で100万円のピアスの事を自慢。コナンはそのピアスが盗まれた可能性が高いと考える。この後、小倉は事件の時に3人以外にもう1人の客がいた事を思い出して…。

第25話
(828話)
死ぬほど美味いラーメン2(後編)

 1週間前、ホステスの頓田温子が自宅の玄関先で殺害される事件が発生する。帰宅した頓田は空き巣と鉢合わせになって襲われた可能性が高かった。事件後、婦警の宮本由美と三池苗子は犯人を「マジで死ぬほどヤバイ ラーメン小倉」に追い込むが…。その時、店内にいたのはホステスの荘野由奈、フリーターの水科宗輔、会社員の仲西修の3人。だが、警察は誰が犯人か特定する事ができなかった。小倉は事件の時に3人以外にもう1人の客がいた事を思い出す。  もう1人の客とは由美の元カレの羽田秀吉だった。羽田は3人が来店する前にラーメンを食べ終えて退店したという。この後、由美は犯人を追いかけている時に羽田と会ったと打ち明ける。犯人が投げてきたホースに足を取られて転倒した由美。その時に駆け寄って助けてくれたのが羽田だった。その時、由美は犯人を見なかったかと羽田に確認。だが、暗くて靴音とシルエットしか見えなかったらしく、羽田は犯人がガムテープみたいな物を放り投げていったと話したという。  由美はコナンに促され、羽田に電話して、他に気付いた事はなかったかを訊ねる事に。羽田は犯人とすれ違った時の事を由美に聞かれ、犯人が走る度にカチッ、カチッと奇妙な音がしたと答える。コナンは証言を聞いて何かを閃き、店内を調べた時にトイレの給水タンクもチェックしたかを苗子に確認。苗子はパッと見たが給水タンクにアクセサリーのような物はなかったと答える。  コナンと世良は話を聞くと、すぐにトイレの給水タンクの中を調べる。そして、コナンと世良は犯人が何を拾うためにホースを振り回していたかに気付く。そして、コナンと世良は犯人がこの店に通い続けている理由を見破り、今回の事件の真相に辿り着く。犯人はまだ強奪した100万円のお宝を手に入れてはいなかったのだ。この後、犯人が何も知らずに来店。コナンと世良は犯人のおかしな行動を次々と指摘し、徐々に犯人を追い込んでいく…。

第26話
(829話)
不思議な少年

 コナンは今夜もUFO観測に行くのかと元太、光彦、歩美、灰原に訊ねる。今月に入ってから米戸橋近くの河原でUFOの目撃情報が3件あり、光彦たちは少年探偵団として放っておけないと意気込む。目撃談は金色に光るものが猛スピードで飛んで行ったというもの。光彦は中学生が河原で撮影した宇宙人の写真を入手。写真には闇の中に黒い人影が写り、鋭く尖った腕の先はぼんやりと光っていた。  コナンたちは2年前から閉まっている「おもちゃのながい」の前を通りかかる。ここはコナンにとって思い出深い店だった。この日はカーテンがわずかに開いていて、元太はアイスでベトベトの手でガラス戸を開けようとするが鍵がかかっていた。店内の座敷では店主の長井徳治郎と黒丸金融の取り立て屋の大城努が話をしていた。大城は棚の機関車の玩具に手を伸ばすが、手を滑らせて床に落とす。それは亡くなった長井の妻が大切にしていた玩具だった。  借金の取り立てに来た大城は店を売って金にしろと言い放ち、長井は店を売る事を決意。そして、長井は禁酒したので、スコッチウイスキーを持っていってくれと大城に手渡す。大城はすぐにスコッチをラッパ飲みし始める。この後、長井は話があるから付き合ってくれと、大城を外に連れ出す。この時、大城はアイスでベトベトになった戸を触り、指が汚れて不機嫌になる。  長井は橋を渡った所に見せたいものがあると大城を米戸橋に連れていく。大城が橋を渡り始めると、長井は背後からピカピカ点滅するブーメランの形をした玩具を思い切り投げる。大城が光るモノに気付いて橋の欄干から身を乗り出すと、次の瞬間、長井は大城の両足を持ち上げて橋から落とす。河原にいた元太はUFOを見たと大騒ぎし、コナンたちと光が消えた付近を捜索する。  コナンは地面に落ちたブーメラン型の玩具を発見。コナンは10年前に売っていたこの玩具を見てハッとなり、橋のたもとを調べる。そして、地面に横たわる大城の遺体を見つける。この後、目暮警部たちが捜査を開始。橋の転落地点にはスコッチの割れた瓶が落ちていた。目暮は酔って転落した事故の可能性が高いと考える。コナンは遺体のズボンを見て何かに気付く。さらにコナンは遺体の手のひらが汚れている事に注目。コナンは手のひらに顔を近づけてハッとなり、1人で「おもちゃのながい」に向かう。  長井は突然訪ねてきたコナンを見てギョッとなる。長井はどこかでコナンを見た記憶があったのだ。コナンは鍵がなく、家に入れないので、時間をつぶしたいと長井に頼む。コナンは米戸橋で殺人事件があった事をそれとなく教える。コナンは長井が大城を殺害したと睨んでいた。どんなトリックで殺害したかも見破ったコナンは長井の言動の不審な点を次々と指摘し、犯行の自白まで追い込もうとするが…。

第27話
(830話)
ゾンビが囲む別荘(前編)

 コナン、蘭は小五郎に連れられ、群馬の森林にある西洋館風の貸し別荘にやってくる。この貸し別荘は昨夜観た沖野ヨーコが出演するゾンビ映画「ゾンビブレイド」のロケ地だった。小五郎は映画、TVで使われたロケ地をファンが見学する“聖地巡礼”にコナンたちを連れてきたのだ。蘭が本当にゾンビが出そうな森を怖がっていると、そこに服部平次、遠山和葉がヌッと現れる。平次たちはこの別荘で起きた事件を調べるために来たという。聖地巡礼でこの別荘を見に来た時に車の前に急に飛び出してきた何かを轢いたカップル。それはズタボロの服を着て首の骨が折れたゾンビだったという。  そのカップルは車で逃げ、知り合いの大阪府警、大滝警部に相談。平次は大滝から話を聞いて真相を確かめにきたのだ。この後、映画監督の内東徹人、プロデューサーの原脇崇、女優の河端理亜、カメラマンの江尻恭子、照明の倍賞織江、音響の二宮雅八がワゴン車に乗ってやってくる。徹人たちは「ゾンビブレイド」続編の予告フィルムを撮りに来たという。徹人以外は全員、大学のホラー研究会の部員だった。撮影が始まろうとしている時、小五郎はトイレへと駆け込む。小五郎は森の毒キノコを誤って食べて寝込む事に。撮影は順調に進むが、いつの間にか原脇がいなくなって騒ぎになる。  皆は別荘の中を捜し、コナンと平次が絶命した原脇を発見する。原脇の遺体は録画中のスマホを握っていた。平次は遺体の状況から死後30分から1時間と考える。スマホには原脇がペットボトルの水に青酸カリを入れ、その水を飲み干す動画が残っていて、皆は原脇が自殺したと考える。ズボンのポケットには封筒に入れた映画のサブタイトル「死霊の葬列」を記したメモ。スマホに残された遺書のような文章にも「死霊の葬列」という言葉は使われていた。発表前のサブタイトルを知るのは原脇だけ。封筒の封は破られてなく、コナンはスマホの文章も原脇が書いたと判断する。  平次は遺書に出てくる内東承治という人物の事を皆に訊ねる。承治は他界した徹人の弟で、皆が入っていた大学のホラー研究会の部長だった。徹人は承治の死に方が奇妙だったとコナンたちに打ち明ける。8年前、ホラー研究会の部員たちはこの別荘でホラー映画を撮影。監督の承治は途中でホラーからミステリーに変更したという。殺人犯はゾンビではなく生身の人間という設定で、承治は部屋から人が消えるトリックを自ら実演。承治は10分待って部屋に入れと指示し、皆が10分後に部屋に入ると承治は本当に消えていたという。皆は承治を捜したが見つからず、承治を放って原脇の車で街へ出掛けたのだ。その時、理亜が風邪をひいて3日間寝込み、皆が4日目の朝に別荘に戻ると、承治は消えた部屋で首を傾け、体育座りしたまま餓死していたという。8年前の話を聞いたコナンと平次は…。

第28話
(831話)
ゾンビが囲む別荘(中編)

 コナンと平次たちはゾンビ映画のロケ地の貸し別荘で絶命したプロデューサーの原脇崇を発見。スマホには原脇が青酸カリを飲む動画が残っていた。原脇と一緒に映画続編の予告を撮るために来た映画監督の内東徹人、女優の河端理亜、カメラマンの江尻恭子、照明の倍賞織江、音響の二宮雅八たちは8年前に徹人の弟、内東承治がこの別荘で餓死した事を告白。絶命して半日後に発見された承治。遺体の両手の指には何かを引っかいた跡があったが、部屋のどこにも引っかいた跡が残っていなかったという。  車を運転できるのは亡くなった原脇のみ。携帯の電波も圏外のため、コナンたちは警察を呼ぶ事ができない。コナンは8年前の映画について訊ね、恭子は完成せず、映像データもどこかに消えたと教える。恭子は映像データを見れば、原脇の自殺の謎もわかるかもしれないと意味深な事を言う。夜、腹痛で寝込む小五郎は別荘の周りにゾンビがいると蘭と和葉に伝える。だが、蘭と和葉は熱にうなされているだけと相手にしない。この後、蘭と和葉は警察に連絡するため、山を3時間歩いて下りた所にあるコンビニへ行こうと考える。その時、多数のゾンビが蘭たちに襲い掛かってくる。  コナンと平次はゾンビたちと戦うが…。ゾンビたちはエキストラのオーディション参加者だった。このオーディションを企画したのは原脇。映画ファンの参加者たちは自分でゾンビメイクをしてオーディション開始時間まで待機していたという。数日前にカップルが車で轢いたゾンビはオーディション参加者の1人だった。原脇はサプライズのため、皆にオーディションの事は黙っていたのだ。コナンと平次はこのサプライズを用意した原脇が自殺するはずがないと確信する。  この後、蘭と和葉が部屋で首から血を流して絶命した恭子を発見する。遺体近くのイスには原脇の時と同様、録画中のスマホが置かれていた。動画にはゾンビのような原脇に首を噛まれて倒れる恭子が映っていた。平次は絶命した人間が生き返る訳がないと原脇の遺体を確認に行く。だが、部屋からは原脇の遺体が消えていた。部屋にあるのは遺体に被せていたシーツ、恭子が着ていたトップス、血の付いたカッターナイフ。平次は恭子の首の傷から、噛み切られたのではなく、このナイフで殺害されたと睨む。  コナンと平次は別荘の外にいたオーディション参加者たちから話を聞くが、部屋から遺体を運んだ人、窓から何かを落とした人はいなかったという。コナンと平次は誰かが部屋のどこかに遺体を隠したと考え、皆と一緒に部屋を調べる事に。だが、洋服ダンスの裏、ベッドの下にも隠し扉のようなものはなかった。織江は8年前の承治と同じようにゾンビになって部屋から抜け出したと怯える。この部屋は8年前に承治が消えた後、遺体となって発見された部屋だった。

第29話
(832話)
ゾンビが囲む別荘(後編)

 コナンと平次はゾンビ映画のロケ地の貸し別荘で絶命したプロデューサーの原脇崇を発見。スマホには原脇が青酸カリを飲む動画が残っていた。この後、蘭と和葉が部屋で首から血を流して絶命したカメラマンの江尻恭子を発見する。スマホには恭子がゾンビのような原脇に首を噛まれる動画が残っていて、部屋からは原脇の遺体が消えていた。この部屋は8年前に承治が消えた後、遺体となって発見された部屋だった。8年前、承治の遺体を発見したのは女優の河端理亜、カメラマンの江尻恭子。照明の倍賞織江は遺体を見つけた理亜が腰を抜かしたと当時を振り返る。音響の二宮雅八は8年前、機材を運ぶ台車も消えた事を思い出す。映画監督の内東徹人も弟の承治に貸した台車が返ってこなかったと証言する。  この後、エキストラのオーディション参加者が群馬県警の山村警部たちを別荘に連れてくる。コナンたちは山村に状況を説明。山村は原脇がゾンビになって恭子を襲ったと考え、コナンと平次は呆れ果てる。そして、山村は原脇がエキストラのゾンビたちに紛れて逃げたと推理する。この後、理亜は8年前に撮った映画の映像を誰も見ていない事を平次に教える。平次はその映画での原脇、恭子の役柄を皆に確認。理亜はゾンビになった原脇が恭子を襲おうとするが、元恋人だから襲わないという設定だと説明する。だが、織江はその設定はボツになったシナリオだと反論。皆の記憶は曖昧で、意見は分かれる。  コナンは8年前の映画の映像データは本当にないのかと再度訊ね、雅八は原脇がタブレットに入れていると話していた事を明かす。コナンと平次は洋服ダンスを調べ、原脇のジャケットの内ポケットからミニタブレットを見つけ出す。だが、タブレットのデータは全て消されていた。織江は8年前の映画撮影の時に写した写真ならあるとコナンたちにスマホを見せる。それは全員の集合写真だった。コナンは恭子が着ているEマークのTシャツに注目。理亜、織江は恭子がこのTシャツを色違いで何枚も持っていたと教え、平次は殺害された時、恭子がトップスを脱いでいた理由を考える。  和葉はトイレ休憩の時、おかしな事があった事を思い出す。先にトイレに行った蘭はトイレットペーパーの予備が1つしかないと言っていたが、和葉が入ると予備は1つもなかったという。和葉はその後、もう1度トイレに行くと予備が1つ復活していたと明かす。コナンと平次はトイレットペーパーをどのように使ったか見当をつけていた。この後、山村が洋服ダンスの扉を持った時、手にしていた数珠の糸が切れ、数珠が周りに散乱する。不思議な事に洋服ダンスの上の引き出しに落ちた数珠が下の引き出しから出てくる。それを見たコナンと平次は犯人のトリックを見破り、誰が原脇と恭子を殺害したかに気付く…。

第30話
(833話)
名探偵に弱点あり

 小五郎は拳銃を持った強盗犯を追って建物の屋上にやってくる。強盗犯は発砲しながら隣のビル屋上へ飛び移り、小五郎は跡を追おうとするが、めまいに襲われる。この後、警察が強盗犯を逮捕するが、拳銃が消えた事が判明。罪を軽くするため、逃走中に拳銃を捨てた強盗犯。その拳銃はまだ見つかっていなかった。高い所がダメだった小五郎は発砲された恐怖も重なり、軽いショック状態に陥っていた。  2日後、詐欺容疑で逮捕されていた先物取引グループ代表の榊泰三が保釈される。その様子はテレビで中継されていた。この後、拘置所から出てきた榊の前にバイクに乗った人物が現れる。ヘルメットを被ったその人物は榊に向かって発砲。榊は肩と足に被弾して倒れ、犯人はバイクをスピンターンさせて逃走する。テレビを見ていた小五郎は拳銃を見てハッとなる。強盗犯が持っていた拳銃に似ていたのだ。この後、榊の手術が行われ、弾丸2発が摘出される。榊を撃った拳銃は強盗犯の消えた拳銃だった。  命に別状はなく、全治1ヵ月の重傷だった榊。コナンは強盗犯と榊の接点を探るが、小五郎は拳銃が全く無関係の人の手に渡った可能性が高いと考える。責任を感じた小五郎はコナンと共に拳銃を拾うような人がいなかったかを思い出すために現場に戻る。そして、小五郎は強盗を追跡中に買い物カゴ、コンビニ袋を持っていた女性とぶつかりそうになった事を思い出す。小五郎は近くのコンビニを訪ね、店員から話を聞く。そして、その女性は向かいのマンションに住む常連客の可能性が高いと判明する。  コナンはマンション駐車場のカバーをかけたバイクに目を留める。それは榊を撃った犯人が乗っていたバイクだった。コナンと小五郎はバイクを所有する住人の部屋403号室を訪ねると、ヘルメットを被ったライダーが現れる。ライダーは発砲した後、ベランダから向かいの建物の屋上に飛び移って逃走。小五郎は追いかけようとするが再びめまいに襲われて断念する。外に出たコナンは近くの街路で若い女性とすれ違う。その時、コナンは硝煙の匂いを感じて振り向くが、すでに女性は姿を消していた。  この後、403号室の住人は印刷会社事務員の恩田和泉と判明。和泉は射撃の元オリンピック候補だった。千葉刑事は犯行の動機を突き止める。和泉の父親は榊グループの先物取引に大金をつぎ込んだため、経営していた工場が倒産して半年前に自殺。翌月、母親も病に倒れ、追うように他界していた。和泉は榊を恨んでいたのだ。和泉の部屋からは榊グループのパンフレットが見つかり、目暮警部たちは和泉の次の標的が榊の仲間のトレーダー、柴崎幸平とアナリスト、門田里奈だと判断する。コナンはすぐに小五郎と共に柴崎、里奈に会いに行くが、何かが引っ掛かっていた。そして、コナンは和泉の不可解な行動の理由に気付き、和泉の本当の狙いを見破って…。

第31話
(834話)
二度死んだ男(前編)

 午後3時前、小五郎とコナンはマンション901号室に駆け付け、秘書の深海治行が金融業経営者の宝田鱶一の腰に包丁を突き刺している現場を目撃する。小五郎は宝田の遺体を調べ、すでに絞殺されてから2時間が経過していると判断。小五郎は深海が息絶えていると気付かずに刺したと考える。この後、目暮警部が捜査を開始する。ここは宝田が自費出版の小説を書くために借りている部屋。宝田は今朝、殺人予告が届いたから午後3時に来てほしいと小五郎に依頼していた。  目暮は金融の被害者が宝田に復讐したと推理し、深海はその被害者を殺人犯にしたくなくて宝田を刺したと供述。この後、犯人が宝田の後頭部を鈍器で殴打して気絶させ、ヒモで絞殺したという犯行手口が明らかに。マンション管理人の富井は死亡推定時刻の午後1時頃、サングラスをかけた金髪の女性が901号室から出てきたと証言。コナンは殺人予告が届いているのに不審な人物を部屋に上げる事はないと考え、目暮は身内の犯行の可能性もあると睨み、宝田の妻の宝田美香、弟の宝田鮫二から話を聞く。  午後1時頃、美香は宝田に頼まれ、蔵の中の整理。2時まで屋敷にいた深海は美香が蔵にいたと証言する。鮫二は新宿にいたと説明するが、アリバイ証人はいなかった。この後、死体損壊の罪で警察署に連行された深海は宝田の悪事に加担した事を後悔し、被害者を殺人犯にしないために宝田を刺したと供述。美香は2年前、鮫二が仕事に失敗し、尻拭いの援助を宝田に頼んだが、断られたと明かす。鮫二は身を隠していたが、突然、3日前に姿を現したという。鮫二は戻ってきたのはたまたまだと容疑を否認する。  今までも脅迫状は届いていたが、全く気にしていなかった宝田。コナンは今回に限って宝田が襲われると心配した事を不思議に思う。小五郎は身内に命を狙われていると気付き、油断させるために気にしていない素振りを見せたと推理。小五郎は美香、鮫二、深海の中に犯人がいると考える。この後、殺人予告状から鮫二の指紋が検出され、目暮は2年前の事を逆恨みした犯行と推理する。  美香はすぐに弁護士に遺産相続の手続きをしてと家政婦の木下京子に指示する。美香は悪びれる事なく、金目当てで宝田と結婚したと言い放つ。だが、この後、事態は急展開する事に。深海は宝田に命じられ、鮫二を尾行していた事を告白し、午後1時に鮫二が新宿のデパート屋上にいたと証言。深海は美香を庇うため、ウソをついた事を打ち明ける。これで午後1時のアリバイがなくなった美香。宝田は末期ガンで半年の命だったため、美香は半年待てば良いのに殺害する訳がないと無実を訴える。この後、現場近くのホームレスの荷物置き場に捨てられた金髪カツラとサングラスが発見される。カツラからは美香の毛髪が採取され、目暮たちは美香が犯人と判断する。だが、コナンは何かが引っ掛かっていた…。

第32話
(835話)
二度死んだ男(後編)

 秘書の深海が金融業経営者の宝田を刺殺する現場を目撃した小五郎とコナン。だが、すでに遺体は絞殺されて2時間が経過。深海は息絶えていると気付かずに刺したのだ。マンション管理人の富井は死亡推定時刻の午後1時頃、サングラスをかけた金髪の女性が宝田の部屋から出てきたと証言。死体損壊の罪を犯した深海は宝田の悪事に加担した事を後悔し、被害者を殺人犯にしないために刺したと供述する。  この後、殺人予告状から弟の鮫二の指紋が検出され、鮫二が犯人と疑われるが、事態は急展開する。宝田に命じられ、鮫二を尾行していた深海は午後1時、鮫二が新宿のデパート屋上にいたと証言。深海は午後1時、妻の美香は屋敷の蔵にいたと証言したが、それは美香を庇うためのウソだった。この後、現場近くで金髪カツラとサングラスが発見される。カツラからは美香の毛髪が採取され、目暮警部は美香が犯人と判断する。これで宝田の遺産は鮫二が相続する事に。コナンは鮫二が美香をハメたと疑う。  翌日、深海と同じ児童養護施設で育ったという幼馴染みの手島久が小五郎を訪ねてくる。深海は身勝手な母親に捨てられたらしく、手島は死体損傷の罪を少しでも軽くしてほしいと頼みに来たのだ。コナンはカマをかけてみるため、宝田邸にいる鮫二に会いに行く。深海は午後1時頃、鮫二が新宿のデパート屋上にいたと証言したが、コナンは深海が鮫二に脅されてウソをついたと言っているとカマをかける。  鮫二はデタラメだと言って憤慨した後、他にもアリバイ証人はいると言い放つ。鮫二は昨日、うまい儲け話があると知らない男から呼び出された事を明かす。結局、スッポかされたが、鮫二は待っている時に昔、金をだまし取った八木沼という男に見つかったという。鮫二はその八木沼がアリバイ証人になると身の潔白を主張する。鮫二が去った後、コナンの前に小五郎が現れる。  2人の話を聞いていた小五郎は宝田を殺害したのは美香だとコナンに釘を刺す。小五郎は男に電話をかけさせ、鮫二をおびき出し、アリバイを消して犯人に仕立て上げようとしたのも美香だと言い放つ。だが、コナンはアリバイを消したいならひと気のない所におびき出すはずと反論。コナンは物証の金髪のカツラを見つかる場所に捨てたのもおかしいと訴えるが、小五郎は取り合おうとしない。  それでもコナンは美香を犯人と考えるのは無理があると思い、改めてこれまでの事を整理する。コナンは矛盾が多いために混乱するが、徐々に事件の真相に近づいていく。そして、コナンは捨てられた金髪カツラを発見したホームレス、金髪の女性を目撃した富井から話を聞き、宝田を殺害した犯人かを見破る。この後、コナンは関係者を宝田の部屋に呼び集め、小五郎に麻酔銃を発射。眠りの小五郎の推理ショーが始まり、謎だらけの事件の真相が明らかになる。

第33話
(836話)
仲の悪いガールズバンド(前編)

 放課後、喫茶店「ポアロ」に立ち寄った蘭、園子、世良。昨夜、女子高生バンドの映画を見たという園子は自分たちも女子高生バンドを結成しようと2人に提案する。そして、園子がドラム、世良がベース、蘭がキーボードを担当する事に。園子はギターをやってとポアロの梓に頼むが、梓は弾けないと断る。この後、ギターが弾ける安室が貸しスタジオで蘭たちに楽器を教える事に。だが、スタジオの部屋は空きがなく、コナンたちは部屋が空くまでの1時間、地下休憩所で待つ事にする。  休憩所にはガールズバンドのギター、木船染花、ベース&ボーカルの笛川唯子、キーボードの小暮留海、ドラムの山路萩江もいた。染花らはちぐはぐな演奏を反省。リーダーの萩江は休憩後に練習を再開しようと提案し、スタジオで10分仮眠をとると伝える。留海は伸びた爪が演奏の邪魔になるため、唯子に爪切りを借りる。唯子は染花の服の取れかけのボタンを縫い付けてあげる事に。この時、他界したメンバー、首頭朱音の話題になる。萩江が被っているニット帽は朱音が編んだもの。4人はボーカルだった朱音の追悼ライブに向けて練習をしていたのだ。  コナンたちが地下休憩所で話していると、1階のスタジオから悲鳴が聞こえてくる。スタジオでは萩江がドラムセットに突っ伏して絶命していた。首には吉川線があり、世良たちは何者かに絞殺されたと推理する。コナンはスタジオの天井にある防犯カメラに気付いて映像を確認する事に。だが、染花たちは自分たちの演奏を自撮り棒に固定した携帯電話で撮影していたため、その携帯が邪魔になって防犯カメラの映像は半分遮断されていた。丁度、萩江が絞殺されたドラム付近は全く映っていなかった。  この後、駆け付けた目暮警部たちは防犯カメラの映像を見ながら3人から話を聞く。唯子、染花、留海は代わる代わるスタジオで仮眠中の萩江を起こしに行ったが、萩江は起きなかったと証言。30分以上経ったため、最後は3人でスタジオへ起こしに行き、殺害された萩江を発見したという。最初に起こしに行った唯子はスタジオに忘れた裁縫道具を使い、染花の服のボタンを縫い付けたと証言。唯子は萩江が起きないため、休憩所に戻ったという。  2人目の染花は切れたギターの絃を張り替えるためにスタジオに行ったと証言。その時、萩江はいつものようにドラムに突っ伏して寝ていたという。3人目の留海は曲に直したい箇所が見つかり、楽譜を書き直すためにスタジオに行ったと証言。その時、留海は萩江に声をかけたが返事はなかったという。3人の証言を聞いた後、目暮たちは犯人が絞殺したヒモ状の凶器を捜せと部下たちに指示を出す。だが、スタジオ内を隅から隅まで探しても凶器は発見できずに捜査は難航して…。

第34話
(837話)
仲の悪いガールズバンド(後編)

 蘭、園子、世良は女子高生バンド結成に向け、コナン、安室と共にスタジオへ練習に行く。このスタジオで仮眠していたガールズバンドの萩江が絞殺される事件が発生。仮眠中の萩江を起こしに行った染花、唯子、留海というメンバー3人が容疑者として疑われる。防犯カメラに何も映ってない上、ヒモ状の凶器は見つからずに捜査は難航。目暮警部は改めてメンバー3人のボディチェックを行う事に。  留海はスタジオの別の部屋にいたバンドの人たちも調べたかと高木刑事に訊ねる。萩江はよく他のバンドと揉めていたという。この間もライブハウスで一緒になった他のバンドと揉めた萩江。そのバンドの人はボーカルだった朱音が喉を潰して自殺した事をからかったという。話を聞いた目暮と高木は外部犯の可能性もあるとみて、スタジオから帰ったバンドも呼び戻す事にする。  コナンはバンド結成についてメンバーに訊ねる。最初にバンドをやろうと言い出したのは萩江。5人は女子大の同級生だった。萩江が良いボーカルがいると朱音を皆に紹介したという。歌だけでなく、ギターやベース、キーボードもでき、皆に色々教えてくれた朱音。だが、朱音は女の子っぽい事が何もできず、萩江が料理、染花がメイクの仕方やファッション系、唯子が裁縫や刺繍を教えたという。  この後、コナンはスタジオで撮影した練習風景の映像を見せてもらう。コナンは映像を見て違和感を抱く。携帯電話を横にして撮影すれば納まりが良いのに縦にして撮影されていたのだ。唯子は横だと足元が切れちゃうので縦しようという話になったと説明。コナン、世良、安室はこの話を聞いて事件の真相に近づく。目暮たちはヒモ状の凶器を捜すが、まだ見つける事ができない。高木は染花が張り替えたギターの絃も調べたがルミノール反応は出なかったと報告。目暮はヒモを細かく切ってトイレに流した可能性も探るが、唯子の裁縫道具、留海が持っていた爪切りからもルミノール反応はでなかったという。  目暮と高木は別のバンドの人が絞殺し、凶器を外に持ち出した可能性が高いと考える。だが、世良はまだ犯人がスタジオから逃げていないと断言。安室は同じバンドのメンバー3人の中に犯人がいると目暮に教える。この後、コナンたちは休憩所に行き、3人の中に犯人がいると染花、唯子、留海に伝える。スタジオから出ていない3人は凶器が見つからないなら自分たちは犯人ではないと無実を訴える。安室はすでに凶器はスタジオから外へ持ち出されていると推理。この後、世良と安室はコナンのサポートを受けながら犯人、トリックを暴き、事件を解決していく…。

第35話
(838話)
ふんわり気球で怪事件

 コナン、蘭は園子に連れられ、国内最大の熱気球大会、鈴木バルーンフェスティバルにやってくる。コナンは気球に乗りたいと運営委員の長谷川彩人にせがみ、記録ビデオを撮る長谷川と一緒に気球に乗る事に。参加者の水口慎吾は妻、水口有紗の追加登録を長谷川に申請。有紗は水口から優勝したら賞金でネックレスを買ってあげると言われて乗る事にしたという。この後、水口と参加者の奥田晃宏が掴み合いのケンカになり、皆に引き離される。奥田は水口にケンカを売られたと怒っていた。  コナンは蘭、園子と気球に乗り込むと、水口の事を長谷川に質問。水口は2年連続の年間チャンピオン。昨夜も最後まで残って気球を整備していたという。この後、スタートの合図が鳴り、何十もの気球が一斉に離陸。長谷川は気球の高度を上げるため、バーナーを焚き、その間はコナンがビデオカメラを回す事に。この時、蘭は何かに気付いて声を上げる。ぶつかる程、接近しながらゴールへと急ぐ参加者たちの気球。先頭に立っているのは水口と有紗が乗る青い気球だった。  そんな水口の気球に奥田の赤い気球が急接近。水口は有紗の体に腕を回して守ろうとしていた。水口は排気弁を開け、気球の高度を下げるが、間に合わずに奥田の気球と激突。水口の気球はどんどん落下していく。穴が開いても気球が急激に落ちる事はないが、次の瞬間、水口の気球のバスケットから人が落下。コナンたちは気球を着陸させ、水口の気球へと駆け寄る。気球から少し離れた場所には、絶命した有紗と頭から血を流して泣く水口の姿。気球から墜落したのは有紗だったのだ。  この後、茨城県警の金子刑事が捜査を開始し、水口はバスケットが揺れて有紗が落ちたと証言する。コナンは水口の気球を調べ、バスケットの砂袋が1ヵ所ない事に気付く。バスケット内側には血痕が付着。球皮の内側には肌色のビニールの燃えカスがあった。続いて、金子はゴールした奥田から話を聞く。金子はレース前に2人がケンカしたと知り、奥田が故意に水口の気球にぶつかったと疑うが、奥田は故意ではなく、事故だと主張する。コナンは奥田の気球のバスケットが壊れ、竹が突き出ていると指摘。それを聞いた金子は事故ではなく、殺人事件と判断し、容疑者の奥田から詳しい話を聞く事に。  奥田は昨日整備した時、竹は出ていなかったと言い訳し、水口が高度を下げなければバルーン同士がぶつかるだけで済んだと訴える。コナンも水口が高度を下げた事を不思議に思っていた。コナンは蘭が何かを見て驚いた事を思い出し、何に驚いたかを訊ねる。蘭は水口の気球に1人しか乗っていないように見えて驚いたと説明。その後に見たらちゃんと2人の姿を確認できたという。それを聞いたコナンは撮影した記録カメラの映像を確認。コナンは事件の真相を見破ると、園子に麻酔銃を発射して…。

第36話
(839話)
天狗の声が聞こえる

 小五郎、コナン、蘭は山をハイキング中、郷土史家の下村昌三に会う。この時、ウーという唸り声のような音が聞こえ、下村は天狗の声だと小五郎に冗談を言う。この日、コナンたちは麓にある民宿に宿泊する。そしてコナンたちは風呂に行く時、町長の真山庄司と工務店経営の今津重夫が言い争う姿を偶然目撃する。夜、民宿では観光課の平井安太郎たちが下村の出版記念パーティを開催していた。  翌朝、コナンたちはバスが来るまで、町の指定史跡、天狗の洞窟を見学する事に。コナンたちは洞窟の入口付近の繁みに今津が隠れている事に気付き、今津は気まずそうにその場を去っていく。観覧時間の前だったため、平井が入口のアルミ框ドアのカギを解錠。平井は洞窟に入り、天狗のお面がない事に気付く。天井のモニターには洞窟の奥の映像が映し出されていた。コナンは画面に映る天狗の祠の下で誰かが首を吊っている事に気付く。首を吊って揺れている人物は天狗のお面をつけていた。  コナンたちは狭い通路を通り、祠がある洞窟の奥へと急ぐ。洞窟の奥は空間が広がり、祠の真下には足場の資材が置かれていた。首を吊っていた人物は仰向けに倒れて絶命していて、小五郎がお面を外すと、それは真山だった。小五郎は真山が祠に縄をかけて首を吊ったが、重さに耐えきれずに祠が壊れたと推理する。平井は昨日の午前中は足場があったと説明。足場は何者かが解体したのだ。その時、昨日と同じように天狗の声が響く。この後、下村が通路からやってくる。平井、真山、今津たちが通っていた学校の校長だった下村。2年前に定年退職してからライフワークの天狗の研究をしているという。  再び天狗の声が響いた後、通路から今津が現れる。今津はこの間の町長選で真山に敗れるまで、町長をしていたという。今津は洞窟の前に午前8時30分に来たらしく、9時頃に真山が来たと証言する。昨夜、真山が誰かと携帯で話していた内容を偶然聞いた今津。真山は選挙の裏金の件で誰かに強請られ、洞窟に呼び出されていたという。今津は強請りの現場を確かめるため、洞窟の前で張り込んでいたのだ。真山は鍵を使って洞窟に入り、脅迫者は現れなかったという。前日に足場の解体を今津に指示したのは真山。コナンは首を吊るなら足場があった方が便利なのに真山が解体を指示した事を不思議に思う。  コナンは真山のズボンの脛と太股に裂け目、上着の右首辺りの生地も剥がれている事に気付く。裂け目から覗く皮膚は無傷だった。そして、コナンは遺体の背中に死斑が出ている事に違和感を抱く。首を吊ったら死斑は足に出るはずなのだ。コナンはこれらの状況から自殺ではなく、他殺だと確信し、遺体を発見した時、洞窟に犯人がいたと推理。コナンは洞窟の奥へ行き、日が差し込む天井の穴を調べる。そして、コナンは遺体が揺れていた理由、天狗の声が何かに気付き、事件の真相に辿り着く…。

第37話
(840話)
最後の贈り物

 日曜の朝、小五郎、コナン、蘭はテレビのニュースを見る。それは一昨日の頓比町の殺人事件の容疑者としてOLの広瀬純子が逮捕されたというニュースだった。純子は被害者の勝井優から金銭をタカられ続け、耐えられずに犯行に及んだという。小五郎は犯行時刻の金曜の午後8時頃に純子を目撃していて、誤認逮捕と目暮警部に教えに行く。土曜の朝、頓比町の公園で発見された勝井の遺体。警察は勝井にタカられていた被害者をリストアップし、そこに浮上した頓比町に住む純子が殺害の容疑を認めたのだ。  勝井がつけていた腕時計は午後8時少し前で壊れていて、警察は殺害された時に壊れたと判断する。午後7時20分頃、勝井が頓比町駅の売店でタバコ2箱を買う姿が防犯カメラに映っていて、警察はその後に犯人と接触したと考える。小五郎は8時頃に米花町で純子を目撃したと証言。頓比町と米花町は車で1時間の距離にあり、小五郎は純子の犯行は不可能と訴える。純子はこの証言に驚いて当惑。純子は考え込んだ後に喜び、自分と同じように強請られていた人が犯人だと思って罪を被ったと打ち明ける。  アリバイは成立し、純子は釈放される。だが、コナンは他人の罪を被ろうとした事が引っ掛かり、純子が犯人だと疑う。コナンと小五郎は純子を調べるため、遺体の発見現場を訪れる。遺体は見つかりづらい場所にあったが、高木刑事は昨日の朝、匿名の女性から遺体があると110番通報があったと説明。司法解剖の結果、死亡推定時刻は午後7時から9時の間。時計が壊れていた時刻と一致するという。コナンは9時なら米花町から頓比町に戻って犯行に及ぶのはギリギリ可能だと考える。  蘭は純子の職場の同僚、榊真弓に会って話を聞く。真弓は金曜、純子が米花町に住む元カレの松林敦郎に会いに行ったと推測。松林は純子を捨てて勤め先の重役の娘と婚約したという。コナンは純子が松林をアリバイ工作に利用したと推理するが、蘭は迷惑がかかると思って純子が松林の事を警察に黙っていたと考える。コナンたちは松林に会って、どちらの推理が正しいかを確かめる事に。  松林は別れた純子と会う訳がないと怒ってコナンたちを追い払う。だが、コナンは感触から純子が松林を訪ねたのは間違いないと確信。小五郎はコナンと蘭の推理はどちらも成立しないと考える。小五郎は逆玉狙いの身勝手な松林に不快感を露わに。蘭はそれでも松林に愛し、信じていた純子に同情する。コナンは小五郎と蘭の意見を聞いて、新たな推理を展開する。そして、コナンはこの推理が正しいかを確かめるため、純子が住むアパートを訪ねる。コナンは大家の大口浜子と話し、純子が引っ越す事を知る。純子は嫌な目に遭ったので頓比町を離れるという。コナンが純子の部屋から出たゴミ袋を調べると、予想通りのモノが出てきて、今回の事件の真犯人が誰かに気付く…。

第38話
(841話)
雨のバス停

 雨が降る中、小五郎とコナンは食事に行くため、大通りを歩いていた。その時、ドンッという鈍い音が響く。音がした裏通りに行くと、交差点付近に中央線をまたぐように車が停まっていた。車内は室内灯が点灯し、エアバッグが膨らみ、運転席では菊池俊明が気絶していた。この後、コナンは前方の街灯の下で血を流して倒れている堤直弘を発見する。偶然、そこを捜査の帰りの目暮警部、高木刑事が通りかかる。堤の死因は頭部を強打した事による脳挫傷。コナンは堤の右手の人差し指から小指にかけて指先に擦過傷がある事に気付く。  目暮は目を覚ました菊池から話を聞く事に。菊池は、はねてしまった人が亡くなったと聞いてショックを受ける。現在無職の菊池はストレッチャーで運ばれる堤の遺体を見て愕然となる。菊池と堤は会社の元同僚だった。同期入社の2人は最近、会社をクビになったという。知り合いのお店で食事した後、車で帰宅中だった菊池は突然、交差点から傘を差した男が飛び出してきて、慌てて急ブレーキを踏んだが間に合わなかったと証言。雨と暗さもあって反応が遅れたのだ。  コナンは屋根付きのバス停から辺りを見渡し、車の近くに閉じた傘を見つける。それは堤が差していた傘だった。そしてコナンは菊池の車を調べ、助手席側のサイドミラーの位置がフロント方向に曲がっている事に注目する。そこにやってきた堤は助手席のドアを開け、後部座席から自分の傘を持っていく。菊池が助手席のドアを閉めると、点きっ放しだった室内灯が消える。  この後、堤の上着のポケットから遺書が発見される。遺書の紙は三つ折りにされ、3分の2は濡れているが、残りは濡れていなかった。遺書にはパソコンで「生きるのが辛い。限界だ」と書かれ、小五郎は飛び出し事故ではなく、自殺だったと判断。菊池は堤が再就職もうまくいかず、金に困っていた事を目暮に伝える。コナンは遺書に白い繊維片が付着している事に気付く。それは何かの糸くずだった。菊池は自分の罪を心配し、小五郎は前方不注意、業務上過失致死罪以上にはならないと教える。  捜査は終わろうとしていたが、コナンは自殺ではないと推理していた。だが、決め手がなく焦るコナン。その時、小五郎はコートがびしょ濡れになった事をぼやく。このぼやきにピンと来たコナンは全身濡れている菊池の服の右の袖口だけ濡れていない事に注目。コナンが菊池の車のダッシュボードを調べると、予想通りのモノが見つかる。事件の真相に辿り着いたコナンは小五郎に麻酔銃を発射。眠りの小五郎の推理ショーが幕を開ける…。

第39話
(842話)
ドライブデートの別れ道

 小五郎はコナン、ペンション従業員の中西恵を車に乗せて海沿いの国道を走る。半年前、桐崎礼美が自宅アパートの部屋で首を吊った状態で発見された現場にたまたま居合わせた小五郎。礼美は自殺する3ヶ月前にアパートに引っ越してきて、大家の福来清美や隣の部屋に住む恵に死にたいとよく話していたという。部屋にあった遺書は賃貸契約書の文字と一致。警察は礼美の自殺と判断したという。  恵は礼美の自殺を思い留まらせる事ができなかった自分を責め、小五郎はそんな恵を励まし、2人の交流は続いていた。現在、アパートから引っ越し、叔父の中西広介が経営する郷里のペンションで働いている恵。この日、小五郎、コナンは恵に地元を案内してもらう事になったのだ。コナンは恵が自殺の責任を感じている事を不思議に思う。すると、小五郎は礼美が自殺する前、アパート近くでボヤ騒ぎがあった話をする。清美が住民たちに声をかけに行くと、恵が礼美の部屋から出てきたという。恵が礼美の部屋で留守番していた時だったらしく、2人は互いの部屋を行き来する程、親しくしていたのだ。  コナンは礼美が自殺した理由を訊ね、小五郎は礼美が偽名を使って借金取りから逃げ回っていた事を明かす。自殺後、アパートを訪ねてきた借金取りの釜足栄二は借金を踏み倒していた礼美をふてぶてしい女と話していたという。コナンは最後だけ本名で部屋を借りた事に疑問を抱き、礼美の人物像が一致しない事も引っ掛かる。コナンはふてぶてしい人間が周囲に死にたいと漏らすのはおかしいと指摘するが、小五郎は自殺したのは礼美に間違いないと断言。親戚が遺体を確認して本人だと認めているのだ。この後、小五郎の車は検問中の地元刑事の山住炭に止められる。小五郎と強盗事件の犯人の特徴が一致したため、山住は小五郎の事を疑うが、小五郎は名探偵の毛利だと言って誤解を解く。  そして、小五郎たちは郷土料理レストランに立ち寄る事に。この時、小五郎はあのアパートは呪われていると発言。礼美は不動産屋を介さず、大家に賃貸を直接頼んだらしく、小五郎は自殺する場所として呼び寄せられたと考える。恵が郷里に戻ったのは半年前だが、元々の帰る予定はその3ヶ月前。叔父の都合でペンション開業が3ヶ月延期になり、恵はアパートでの生活を3ヶ月伸ばしたという。予定通りなら恵は自殺に関わらずに済んだのだ。小五郎は恵が足止めになったのもアパートが原因と考える。  コナンはレストランに置いてあった雑誌の記事に目を留める。それは恵が働いているペンションの記事だった。コナンはオーナーの中西が10年計画の夢を実現したという記事を読み、不可解に思っていた事の辻褄が合っていく。この後、コナンは礼美の容姿について恵に訊ねる。恵の答えはコナンが予想していた通りのものだった。コナンは礼美が自殺した真相を見破るが、まだわからない事もあって…。

第40話
(843話)
探偵団はヤブの中(前編)

 コナン、歩美、光彦、元太、哀は阿笠博士に米花デパートの最上階にある高級レストランに連れて行ってもらう。阿笠は福引きで食事券を当てたのだ。食事を終えると、阿笠は福引きで商品券も当てた事を皆に報告。阿笠は商品券を使って皆にクリスマスのプレゼントをすると伝え、光彦、元太、歩美、哀はすぐに欲しい物を探しに行く。残ったコナンと阿笠も立ち上がって出口へ向かう。その時、食事中の老年の夫婦と話していた料理長の細越氏康の所に料理人がやってくる。料理人はいつものクレーマーから電話があった事を細越に報告。クレーマーは細越と会って直接話したいと言っているという。細越は店で騒がれる事に恐れ、30分後に店のそばの階段の所で会うと伝えてくれと料理人に頼む。  この後、コナンのスマホに欲しい物の写真を添付したメールが皆から届く。元太はスポーツ用品店がある7階、光彦はカメラ店がある5階、歩美はおもちゃ売り場がある4階、哀はブランド品を扱う1階にいた。そして30分後、階段の方から悲鳴が聞こえてくる。そこでは腹部にナイフが刺さった細越が倒れていた。細越は「犯人は下に逃げた」と階段を見て意識を失う。コナンは探偵バッチで元太たちに連絡し、犯人が階段で逃走していると知らせる。コナンは息を切らしてデパートから出ようとしている客を引き留めろと哀に指示。続けて、コナンは犯人の特徴を覚えてくれと元太、光彦、歩美にも伝える。  現場に駆け付けた目暮警部は捜査を開始する。デパートから慌てて出ようとした客はパーカーにニット帽、右手の人差し指に包帯を巻くフリーターの鎌屋崇司、帽子にマスクの主婦、鹿間充子、キャップ帽のシェフ、宮台優の3人。容疑者3人にはそれぞれ急いでいた理由があった。目暮は犯人を目撃した元太、歩美、光彦から話を聞く。元太は小柄で2の番号がついたグレーの服だったと証言。光彦は大柄で濃いグレーの服、男っぽい走り方だったと証言。歩美は女の人っぽく、明るいグレーの服、背は普通だったと証言する。元太たちの証言は食い違って三者三様。犯人を特定するのは困難だった。  この後、容疑者3人はそれぞれ細越と繋がりがあると判明。鎌屋は細越のレストランで2年前までバイトしていたが、仕事の態度が悪くてクビに。鹿間は細越とマンションの部屋が隣同士。鹿間の犬の鳴き声がうるさいと言い争いになっていたという。宮台は3年前に自分の料理をパクったと細越のレストランで騒いだ事があった。コナンは元太たちから改めて話を聞く事に。元太はバスケ部の生徒たちが邪魔になって犯人の顔を見ていないと証言。バスケ部の生徒たちはグレーのユニフォーム姿だったという。歩美は犯人を目撃した時、おもちゃ売り場の女性店員も一緒だった事をコナンに伝える。女性店員が犯人の顔を見ている可能性もあり、コナンたちは女性店員に会って話を聞いてみる事に…。

第41話
(844話)
探偵団はヤブの中(後編)

 コナン、歩美、光彦、元太、哀は阿笠博士と共に米花デパートへ行く。この時、最上階にあるレストラン料理長、細越が階段の所でクレーマーに腹部を刺される事件が発生。コナンは犯人が階段を使って逃走したと別々の階にいた元太、光彦、歩美に連絡する。そして、デパートから慌てて出ようとしたパーカーにニット帽、右手の人差し指に包帯を巻くフリーターの鎌屋崇司、帽子にマスクの主婦、鹿間充子、キャップ帽のシェフ、宮台優という3人が容疑者として浮上する。  目暮警部は犯人を目撃した元太、歩美、光彦から話を聞く。元太は小柄で2の番号がついたグレーの服と証言。光彦は大柄で濃いグレーの服、男っぽい走り方と語り、歩美は女の人っぽく、明るいグレーの服、背は普通と証言する。元太たちの証言は食い違って三者三様だった。容疑者3人はそれぞれ細越と繋がりがある事も判明。コナンは元太たちから改めて話を聞く。元太はバスケ部の部員たちが邪魔になって犯人の顔を見ていないと証言。バスケ部員たちはグレーのユニフォーム姿だったという。  コナンたちは犯人を見たかもしれないおもちゃ売り場の女性店員から話を聞く事に。コナンたちは階段を下りている時にマネキンを抱えた男性店員とすれ違う。すると、光彦は犯人を見た時、子供のマネキンが並んでいた事を思い出す。犯人はマネキンの間をすり抜けるように逃走したという。光彦は白い立て看板に遮られ、犯人の顔が見えなかった事も思い出す。  この後、コナンたちはおもちゃ売り場の女性店員に会う。女性店員はコンタクトがズレて犯人の顔を見ていなかったが、犯人が少し立ち止まったと証言。犯人は左足の裏にくっついた何かを取っていたという。歩美は犯人の顔を見ようとしたが、犯人は階段を上る高校生たちとすれ違うように階段を下りていったため、よく見えなかったとコナンに伝える。コナンは元太、歩美、光彦の話を聞いて証言が食い違った理由、3人の中の誰が犯人なのかを見破る。  そして、コナンは皆が犯人を目撃した時の状況を再現し、バラバラだった皆の証言が誰の事を指しているか確認する事に。千葉刑事が背の高いバスケ部員と並ぶと背が低く見える。続いて、千葉はグレーの服を着た哀を抱え、グレーのユニフォーム姿のバスケ部員の後ろに隠れるように立つ。すると哀の服のボタン3つが部員たちの番号の間に半分隠れ、ちょうど数字の3に見える。哀と部員の服は同じ色で、周りが番号だらけだとボタン3つが数字の3に見えるのだ。コナンは同様に光彦、歩美が犯人を見た時の状況も再現して犯人を追い込んでいく…。


シーズン22

第01話
(845話)
絶体絶命暗闇のコナン(前編)

 暗闇の中、コナンはふいに目覚める。猿ぐつわをされ、ロープで縛られたコナンは声が出せず、身動きも取れない状態だった。コナンはなぜ自分がこのような状況にいるのか、冷静になって思い出そうとする。コナンは自分が長方形の木箱の中にいる事、足元に自分の携帯がある事に気付く。その時、コナンの上着ポケットにあるDBバッジのコール音が響く。歩美、光彦、元太が新作ゲームを買いに行く途中で姿を消したコナンを心配して連絡してきたのだ。だが、コナンはDBバッジに出る事ができない。  その頃、小五郎は浅田法律事務所にいた。唐橋グループ会長、唐橋剛太郎の顧問弁護士の浅田公彦は今朝、金庫から遺言状が盗まれたと打ち明ける。遺言状は3日前に他界したの剛太郎のもの。今日の葬儀の後、遺言状の内容を内外に向けて発表する段取りだという。剛太郎が遺言状を書き換えたいと浅田を呼び出したのは亡くなる10日前。剛太郎の妻は10年前に他界していて、当初、遺言状には遺産の50%を長男の唐橋耕造、残りを折半して長女の唐橋光代、次男の唐橋英輔に譲ると書かれていたという。  そして、10日前に全財産を50年仕えた秘書の女性に譲ると書き換えた剛太郎。女性は剛太郎の愛人だった。小五郎は遺言状を書き換えるために盗んだ犯人は3人の子供の中の誰かと推理する。浅田の依頼は葬儀が終わるまでに遺言状見つけるか、犯人を特定する事だった。コナンは徐々に記憶が蘇ってくる。元太たちと買い物に行く途中、ビル裏口の扉が開いている事を不審に思って様子を見に行ったコナン。中では何者かが金庫を無理やりこじ開けていた。この後、コナンは犯人に見つかり、蹴り飛ばされて気を失ったのだ。その時、コナンの携帯は犯人に踏みつけられていた。  全て思い出したコナンは線香の匂いとドライアイスの冷気から自分が棺桶の中にいると察する。この後、哀はコナンが消えたと連絡してきた歩美たちと合流。哀たちはコナンが皆と別れた場所の周辺を調べる。その頃、小五郎と浅田は葬儀式場にいる耕造、光代、英輔と会い、今朝のアリバイを確認。容疑者3人は相手を疑って罵り合う。耕三は英輔から電話があり、2時間話していたと証言。英輔は光代の電話で起こされ、その後、耕三に連絡したという。3人は携帯ではなく、家の電話を使ったと証言する。    コナンは何とか足元にある携帯を縛られた後ろ手の手元に引き寄せる事に成功する。コナンは壊れた携帯のささくれを引っ掛けてロープを緩め、猿ぐつわを外す。そして、コナンはDBバッジを使って哀たちに連絡し、自分が棺桶に閉じ込められている事を伝える。コナンは二重底になった棺桶の遺体の下の小さな空間にいると推理していた。その時、棺桶が車のエンジンと共に動き出す。コナンは自分が閉じ込められた棺桶が霊柩車に載せられていると考えて…。

第02話
(846話)
絶体絶命暗闇のコナン(後編)

 コナンは歩美たちと買い物に行く途中、ビルの一室で金庫をこじ開ける人影を目撃する。この時、コナンは犯人に襲われ、棺桶に閉じ込められる。その頃、小五郎は依頼を受け、唐橋グループ会長、唐橋剛太郎の遺言状を盗んだ犯人を捜していた。犯人は長男の耕造、長女の光代、次男の英輔に絞られる。この後、コナンは縛られたロープをほどき、DBバッジを使って哀たちに連絡。コナンは二重底になった棺桶の遺体の下の小さな空間にいると推理していた。その時、棺桶が車のエンジンと共に動き出す。コナンは自分が閉じ込められた棺桶が霊柩車に載せられていると察する。  コナンは自分が葬儀場にいたと推理。哀は葬式がたった今終わり、葬儀場を出た霊柩車にコナンを閉じ込めた棺桶が載せられていると考える。その霊柩車の行き先は火葬場の可能性が高く、歩美たちはコナンが焼かれてしまうと動揺する。哀、歩美、元太、光彦は手分けして葬儀場に連絡するが、該当する霊柩車を見つける事ができない。この後、コナンが消えたと聞いた蘭が哀たちのいる浅田法律事務所の前にやってくる。歩美たちはコナンが霊柩車に載せられている事を蘭に伝える。  蘭は小五郎が依頼を受けた事務所だと気付き、光彦はコナンが目撃した盗難事件と関係があると推理する。蘭は小五郎が葬儀に出るかもしれないと話していた事を皆に伝え、哀たちはその葬儀場から出た霊柩車にコナンがいると確信する。その頃、コナンは棺桶の中で遺言状を見つけていた。蘭たちはすぐに小五郎がいる葬儀場へ行って事情を説明。蘭は葬儀後に霊柩車がどこに向かったか訊ね、小五郎は霊柩車が遺族と一緒に火葬場に向かったと教える。小五郎は犯人が遺体もろともコナン、遺言状を燃やそうとしていると推理。遺言状がなければ、実質3人の子供たちで遺産を等分する事になるのだ。  哀は火葬場に連絡するが、まだ霊柩車は着いていなかった。コナンはDBバッジを使い、霊柩車が停まったり徐行したりしていると哀に伝える。浅田は霊柩車が剛太郎のゆかりの場所に立ち寄っていると考える。小五郎たちは火葬場に先回りして霊柩車の到着を待つ事に。そして、蘭が火葬場の別館に霊柩車が着いている事に気付く。棺桶は火葬炉に入れられる寸前だった。小五郎は棺桶に子供が入っていると火葬の中止を要請。そこに目暮警部らも駆けつけ、誘拐事件の疑いがあると火葬を阻止する。  この後、高木刑事と千葉刑事は剛太郎の棺桶を開けるが、中は二重底になっておらず、コナンの姿もなかった。その頃、コナンは外の音を聞いて自分がどんな状況に置かれているか何となくわかり始める。コナンは哀から話を聞き、自分が目撃したのは小五郎が依頼された事件と察し、誰が犯人なのかも見破るが…。コナンが閉じ込められた棺桶を載せた古い霊柩車はスクラップ処理場に向かってた…。

第03話
(847話)
千葉のUFO難事件(前編)

 千葉刑事は3ヶ月前の10月4日に起きた不可思議な事件を捜査していた。その頃、小五郎は杯戸高校2年、空手部の和田陽奈から宇宙人を捜してほしいという依頼を受ける。陽奈は夏合宿の時、杯戸公園の近くで未確認飛行物体を目撃。それは細長い円柱状のUFOだったという。コナンたちは陽奈がUFOを目撃した現場へ行ってみる事に。UFOを見たのは杯戸公園近くをランニング中で、陽奈は土手の階段下に皆を案内。UFOは公園の中に消えて行き、陽奈はすぐに公園を調べたが、見つける事はできなかったという。  コナンはこの階段でジョディの友人、杯戸小学校の渋谷先生が突き落とされた事を思い出す。コナンは渋谷が帰り道にここを通っている事から近くに小学校があると考え、理科の実験で飛ばした何かを陽奈がUFOと見間違えたと推理する。だが、陽奈は夏休みだったし、杯戸小学校というより、杯戸高校の方から飛んできたと主張。目撃した日、杯戸高校は空手部が体育館を使っていたが、他には誰もいなかったという。この後、コナンたちは杯戸高校にも行ってみる事に。だが、陽奈は10月初めに改装中の校舎の敷地内で殺人事件があって、構内に入れるかはわからないとコナンたちに伝える。  杯戸高校の裏門前にはパトカーが停まっていて、コナンたちは陽奈に案内され、裏口から敷地内へ入る。目の前には規制線が張られ、囲まれた一角のコンクリートの地面には2つの人型と足跡があり、1つは顔の跡が残り、もう1つは頭部にフードの跡が残っていた。コンクリが乾く前に人が倒れ、その型が残ってできたものだっだ。小五郎は高校の敷地内でコンクリまみれの遺体が見つかったという殺人事件を思い出す。そこに千葉が現れ、小五郎は事件解決に協力すると事件の詳細を聞き出す。  妙に暑かった10月4日に殺害されたのは雑誌編集者の中津恭吾。顔をコンクリにめり込ませ、うつ伏せに倒れていた中津の死因は窒息死。遺体と一緒にコンクリでフードを被り、仰向けに倒れていたUFOマニアの朽木雄輔が容疑者になる。半年前、2人は編集部内で大ゲンカしていて、動機は十分だった。袋状の何かを頭に被せて被害者を窒息死させた犯人。だが、その袋状の凶器は発見されていないという。  朽木は殺害したのは自分じゃないと主張。UFOから降りて来た宇宙人が浮いたまま中津を殺害し、またUFOに乗って飛び去ったと話しているという。コンクリの足跡から朽木はコンクリが固まるまで外に出ておらず、凶器を処分するのは不可能だった。防犯カメラには画面の上から下に通り過ぎる大きく細長い不気味な影が映っていたという。その影はフェンスの向こうの杯戸公園の方へ飛んで行ったらしく、陽奈は夏休みに自分が見たUFOと同じかもしれないと千葉に伝える。コナンは暑いのにフードを被った朽木、中津を殺害した宇宙人、防犯カメラに映った不気味な影などの話を整理して推理を巡らせるが…。

第04話
(848話)
千葉のUFO難事件(後編)

 3ヶ月前の10月4日に不可思議な事件が発生。杯戸高校の敷地内で顔をコンクリにめり込ませて窒息死していた雑誌編集者の中津恭吾。遺体と一緒にコンクリで倒れていた朽木雄輔に容疑がかけられる。犯人が被害者の頭に被せて窒息死させた袋状の凶器は発見されていなかった。朽木は容疑を否認し、UFOから降りて来た宇宙人が浮いたまま中津を殺害し、またUFOに乗って飛び去ったと話しているという。コンクリの足跡から朽木はコンクリが固まるまで外に出ておらず、凶器を処分するのは不可能だった。防犯カメラには画面の上から下に通り過ぎる大きく細長い不気味な影が映っていて、それは杯戸高校の和田陽奈が夏休みに杯戸公園近くで目撃したUFOと似ていた。  目暮警部はこの事件を捜査する千葉刑事を呼び出して注意する。この事件の真犯人は宇宙人で、警察は宇宙人の存在を隠蔽しているとネットで大騒ぎになっていた。ネット記事には某有名探偵がネタ元と書かれていて、千葉は現場にいた小五郎と察して話を聞きに行く。小五郎は酒飲み仲間に冗談半分で話してしまったと謝罪する。最初は「強い光を浴びて気を失った」と話していたが、途中から「犯人はUFOから降りてきた宇宙人で、UFOに乗って逃げた」と証言を変えた朽木。そのため、千葉は3か月前の聞き込みを毎日やらされて疲弊していた。  コナンは朽木がやっているUFO関連のブログを見つける。コナンは朽木がいろいろなUFOの記事をブログに載せているのに今回の事件の宇宙人の話は載せていない事に違和感を抱く。渋谷先生が突き落とされた事件があって杯戸公園から皆の足が遠のいていたため、陽奈以外のUFO目撃情報はいなかった。8月末に公園内に防犯カメラが設置されてからは皆も安心して公園に来るようになったという。  この後、コナンは小五郎、千葉と共に朽木の家を訪ねて朽木から話を聞く事にする。千葉がドアをノックして話を聞きたいと声をかけると、朽木は部屋が散らかっていると大慌てになる。部屋は雑然としていて、机にはたくさんのUFO写真が置かれていた。コナンは朽木の左手が黒く、右手が白いという色の違いに注目する。そして、コナンは椅子の上に立ち、書棚の上置き戸棚に手を伸ばして開く。中には黒いポリ袋、本などが入っていた。朽木は勝手な行動に怒り、小五郎はコナンを部屋から追い出す。  コナンが陽奈の電話番号を教えて欲しいと蘭に連絡すると、陽奈はちょうど蘭と一緒にいた。コナンは目撃した細長い円柱状のUFOの色を確認。陽奈はちょっとテカった黒だと答える。コナンはそれを聞いて朽木がブログに宇宙人の話をアップしなかった理由に気付く。この後、コナンは皆を集めて実験を行い、UFOの謎、事件の真相に迫る…。

第05話
(849話)
婚姻届のパスワード(前編)

 警視庁交通部の宮本由美は佐藤刑事と食事をして店を出る。帰り道、由美の元カレの羽田秀吉の話題になる。数年前に由美に封筒を渡し、7つ揃うまで開けないで欲しいと伝えた羽田。結局、羽田は7つを揃えたが、2人は休みが合わずに連絡を取らなくなったのだ。由美は封筒の中身を見ておらず、佐藤は婚姻届だったかもしれないと推測。その時、街頭の大型ビジョンに将棋の王将戦のニュースが流れ、由美は羽田が棋士だった事を初めて知る。羽田が7つ揃えたのは将棋の7大タイトルだったのだ。  佐藤は封筒について訊ね、由美は封筒をしおり代わりに使い、封筒を挟んだ雑誌を今朝ゴミ捨て場に出してしまったと答える。由美と佐藤はゴミ捨て場に封筒を探しに行くが、すでに雑誌はなくなっていた。そこにコナンと元太、光彦、歩美がやってくる。事情を知ったコナンはごみ収集日のプレートを見て、今日が資源ゴミの日じゃない事に気付く。コナンは雑誌の束をマンション管理人が由美の部屋の前に戻しているかもしれないと推理する。コナンの推理通り、雑誌の束は由美の部屋の前に置かれていたが、封筒を挟んだ雑誌はなくなっていた。封筒の表には羽田秀吉と名前が書かれていたという。  コナン、由美たちは管理人に話を聞く事にする。将棋好きで、羽田の大ファンという管理人の八塚虎六は由美が羽田を骨抜きにすると考え、2人の交際を快く思っていなかった。元々、八塚はスリの常習犯。刑期を終えた八塚に管理人の仕事を紹介したのは由美だった。由美が封筒の事を訊ねると、八塚はスマホで撮影した婚姻届の写真を見せる。由美は婚姻届けを返して欲しいと頼むが、八塚はどこに置いたか忘れたととぼける。八塚は婚姻届の夫の職業欄に「棋士、七冠王」と書かれていたと明かす。現在、羽田と勝又前名人が対戦している王将戦は3勝3敗。雌雄を決する7戦目は勝又が優勢で2日目を迎えていた。羽田が敗れてタイトルを落とせば七冠王と書かれた婚姻届は無効になる恐れもあった。  八塚によれば、羽田は婚姻届を渡した大切な人から返事がなく、将棋どころではないと雑誌のインタビューで漏らしていたという。由美が羽田に会えるチャンスは羽田が対局場を離れる昼食休憩の時。八塚は1時間後の昼食休憩の時に由美が婚姻届を持って会いに行けば、羽田は元気が出て、どんな相手にも勝てると断言。八塚は羽田に添い遂げる覚悟があれば封筒を見つける事ができると由美に告げる。八塚は封筒の在処を知っているのだ。コナンは八塚のノートパソコンに8ケタの数字のパスワードを入力しろと書かれている事に気付く。コナンは部屋のどこかに8ケタの数字が隠されていると推理し、皆で手分けして見つける事に。そして、元太はゴミ箱の中から暗号が書かれた紙を発見。この暗号を解けば8ケタの数字がわかるはずだが、その暗号はコナンも解読できないほど難解だった…。

第06話
(850話)
婚姻届のパスワード(後編)

 将棋の王将戦のニュースを見て、羽田が棋士だった事を初めて知った警視庁交通部の由美。数年前、羽田は7つ揃うまで開けないで欲しいと封筒を由美に渡し、将棋の7大タイトルを揃えたのだ。佐藤刑事は封筒の中身を婚姻届と推測。今朝、由美は封筒を挟んだ雑誌をゴミ捨て場に出していたが、資源ゴミの収集日ではなく、管理人の八塚が雑誌の束を由美の部屋の前に戻していた。だが、封筒を挟んだ雑誌はなく、コナンと由美たちは八塚に話を聞く事に。八塚は封筒の中の婚姻届の在処を知っていた。  現在、王将戦の真っただ中の羽田は劣勢。婚姻届の夫の職業欄には「棋士、七冠王」と書かれていて、羽田が敗れてタイトルを落とせば婚姻届は無効になる恐れもあった。羽田は婚姻届を渡した由美からの返事がないため、将棋に集中できず、1時間後の昼食休憩の時に由美が婚姻届を持って会いに行かなければ敗れる可能性が高かった。  八塚はノートパソコンに8ケタの数字のパスワードを仕掛けていて、元太はゴミ箱から暗号が書かれた紙を発見。この暗号を解いて8ケタの数字を入力すれば、封筒の在処を知る事ができるのだ。コナンたちは暗号を解読しようとするが、暗号は数字か文字か図形かもわからないほど難解だった。コナンは1枚では成立しない暗号かもしれないと考え、皆ともう1枚の暗号を探す事に。  将棋好きの八塚は羽田の大ファン。八塚は羽田と由美の交際を快く思っていなかったが、由美と佐藤の会話を聞いて、由美は羽田に合っていると思い始める。歩美、元太、光彦は探すのに飽きて回り将棋をやり出す。この後、灰原は部屋が寒いと訴え、コナンは暖房をつけてと八塚に頼む。八塚はエアコンが壊れていると謝るが、最初に来た時、部屋は暖かく、コナンは八塚がウソをついていると考える。  コナンは暗号を写メで撮影して見ていたため、わからなかったが、由美は暗号の紙が直書ではなくコピーだと気付く。コピーには手間がかかるため、コナンはコピーせざるを得ない理由があったと推理。由美が暗号がわからずにヒントを要求すると、八塚は羽田と夫婦(めおと)になり、添い遂げる気構えがあれば、暗号はすぐに解けると言い放つ。コナンは夫婦という言葉が引っ掛かる。さらにコナンは光彦たちの会話を聞いて、暗号がコピーされた理由、ゴミ箱の中にあった理由に気付く。コナンはこれをヒントにして暗号の紙を折る。すると、文字が浮かび上がり、由美はその文字を見て8ケタのパスワードをパソコンに入力するが…。

第07話
(851話)
恋の地獄めぐりツアー(別府編)

 小五郎はコナン、蘭を連れて大分の別府温泉にやってくる。コナンは観光名所の地獄めぐりを訪れた時、サングラスをかけた不審な男性を見かける。小五郎の本当の目的は旅行ではなく人捜しだった。仲代電気の社長、仲代秀虎が秘書の細貝洋三と共に事務所を訪れ、1人旅に行くと書き置きして失踪した娘の仲代麻奈美を捜してほしいと依頼してきたのは昨日。最近、麻奈美がIT企業社長、江原健一郎との婚約を発表すると、昔交際していた和紙職人の早見裕之から写真が送られてきたという。  仲代は裕之が昔の親密な写真をネタに麻奈美を強請っていると心配。麻奈美は別府にいる裕之と会っている可能性が高く、小五郎は犯罪に巻き込まれる前に麻奈美を連れ帰る事が目的だった。その頃、高木刑事は佐藤刑事と大分の湯布院でデートしていた。高木は拳銃強盗事件を捜査中だったが、佐藤の休暇に合わせて休みをとっていた。コナンたちは麻奈美がいるかもしれない温泉旅館に泊まる事に。麻奈美の写真にこの旅館の送迎車が写っていたのだ。コナンの推理通り、麻奈美はこの旅館に泊まっていた。  この後、コナンたちが廊下にいると、麻奈美の悲鳴が聞こえてくる。赤鬼が出たと震える麻奈美。赤い目を光らせた鬼は窓から部屋を覗き込んでいた。小五郎は麻奈美が見つかったと仲代に報告する。翌朝、コナンは鬼がいた場所を検証。そこに足跡はなく、近くの松には数本の切り傷が横に刻まれていた。その頃、佐藤が高木とペンションにいると、目暮警部から連絡が入る。拳銃強盗の車が大分の水族館で発見されたらしく、佐藤は風邪とウソをついて休んだ高木と共に水族館へ向かう。  仲代は細貝、江原を連れて麻奈美がいる旅館にやってくる。だが、麻奈美は客室から消え、部屋は荒らされていた。この後、仲代のスマホに麻奈美を誘拐したと犯人から連絡がある。誘拐犯は身代金1億円を要求。コナンはこの誘拐には何か裏があると考える。1時間後、再び連絡してきた犯人は1億円をバックに詰めて動物園に行けと指示し、身代金を運ぶ役として江原を指名する。コナンは皆が見ていない隙に蛍光マーカーで札束の側面に線を引く。  佐藤たちは水族館の駐車場に到着後、不審な人物はいないか、水族館と道の反対側にある動物園を調べる事に。江原は動物園の簡易休憩所で犯人の連絡を待ち、コナン、小五郎たちは観光客に紛れて張り込む。この後、小五郎と高木はサルの寄せ場でバッタリ会う。小五郎は誘拐事件、高木は拳銃強盗事件の捜査をしている事を教える。その直後、犯人から連絡があり、バッグを猿岩石の上に置けと指示。小五郎たちが警戒する中、ドローンが急接近してくる。ドローンはバッグをフックに引っ掛けると勢いよく浮上。コナンは必死にバッグに飛びつくが、そのまま上空に連れ去られて…。

第08話
(852話)
恋の地獄めぐりツアー(大分編)

 小五郎は失踪した仲代電気の社長令嬢、麻奈美を見つけ出すため、コナン、蘭を連れて大分の別府温泉にやってくる。麻奈美は別府にいる元恋人の早見裕之に会いに来ている可能性が高かった。小五郎は運良く麻奈美を見つけ出し、社長の仲代と秘書の細貝、婚約者の江原が別府にやってくるが、麻奈美が誘拐される事件が発生。誘拐犯は身代金1億円を要求し、運び役に江原を指名する。  そして、小五郎たちは犯人が指定した動物園を訪れ、拳銃強盗の犯人を追う佐藤刑事、高木刑事とバッタリ会う。そして、指定された場所に1億円を入れたバッグを置くと、誘拐犯の荻久保竜次はドローンを操作してバッグを持ち去る。高木は3週間前に起きた拳銃強盗事件も狙われたのは仲代電気の車だと小五郎に打ち明ける。幸いにも車に積まれていた1億円は無事だったという。  コナンは同じ1億円だった事を偶然とは思えず、同一犯の犯行と睨む。この後、水族館の駐車場に荻久保が現れる。コナンの推理通り、誘拐犯と拳銃強盗犯は同一犯だったのだ。佐藤は強盗犯の荻久保を逮捕しようとするが、荻久保は拳銃で脅し、佐藤に車を運転させる。小五郎は荻久保の車を見失うものの、コナンが逃走した方角を指示。コナンはバッグに飛びついた時、底に発信機を付けていたのだ。  佐藤はどこに向かうのか、荻久保に探りを入れる。荻久保は地獄めぐりの1つ、海地獄で共犯の裕之と落ち合い、5千万円ずつ山分けするつもりだった。佐藤が裕之について聞くと、荻久保は会った事もないと明かす。2人は闇サイトで知り合ったらしく、裕之は仲代電気に恨みを持っているという。話を聞いた佐藤は荻久保が仲代電気の元社員だと察する。荻久保が佐藤を人質にして海地獄にやってくると、そこには先回りしたコナンが待っていた。コナンが荻久保を説得中に高木も現場に駆けつける。  荻久保は拳銃を撃とうとするが、佐藤と高木は一瞬の隙を突いて荻久保を逮捕する。そこに現れた仲代は誘拐された麻奈美の居場所を問い詰めるが、荻久保は知らないと答える。麻奈美の居場所を知っているのは裕之だけだった。この後、荻久保が持ち去ったバッグの中身を確認。だが、中に入っていたのは数冊の雑誌とビラのみ。身代金の1億円は消えていた。コナンは事件を解決するため、麻奈美と裕之の行方、消えた1億円の謎に推理を巡らせるが…。

第09話
(853話)
サクラ組の思い出(蘭GIRL)

 コナンは蘭、園子、世良をきれいな桜並木に連れて行く。蘭は桜を見て工藤新一と出会った時の事を思い出す。13年前、小五郎は蘭の保育園のネームプレートを壊してしまい、妻の妃英理が代わりのネームプレートを手作りする。その頃、新一の父である推理小説家の工藤優作はデパートでサイン会をしていた。北海道の女性ファンは「やり直すのに時のしばりはないから」というセリフに共感したと優作に伝える。その時、妻の有希子から連絡があり、優作は新一の新しい保育園のネームプレートを間違って持ってきた事に気付く。有希子は新一を保育園に連れて行く途中でデパートに寄ると優作に伝える。  保育園で蘭は手作りのネームプレートを園子に見せる。その時、同じ組のいじめっ子の男子が蘭のネームプレートを奪い取り、皆と違うから仲間じゃないと騒ぎ出す。園子はいじめっ子に掴みかかり、保育士の江舟論介が仲裁に入る。蘭のネームプレートは園子が取り戻そうとした時にグシャグシャになってしまう。昼寝の時間、蘭は色紙を使ってネームプレートを作り直す。その時、見知らぬ男の子が「オレにも作ってくれよ」と蘭に声をかけてくる。それはこの日、保育園に入園した新一だった。  新一は蘭がサクラの形のネームプレートを作っていると見破り、蘭は作っている途中なのにサクラとわかった事に驚く。新一は蘭の列の子たちがサクラ組のバッジを付けている事、折り紙の折り方と切り方からサクラと推理したと得意げに教える。新一は泣いていた蘭を泣き虫と呼び、蘭は泣いていないと言い返す。そこに入園手続きを終えた有希子が現れ、新一のネームプレートがない事に気付く。新一はどこかに失くしたと伝え、有希子はせっかく取りに行ったのにと呆れる。蘭は自分用に作ったネームプレートを新一にあげ、名前も書いてあげる。蘭はその代わり、もう泣き虫と呼ばないと約束してと新一に頼む。その時の蘭は新一がサクラのバッジを作らせた本当の意味をまだわかっていなかった。  歌の時間、新一は江舟が蘭をずっと見ている事に気付いて訝しむ。この後、江舟は園児たちを散歩に連れて行く。コナンは横断歩道を渡る時、蘭の手をしっかり握る江舟に注目。到着後、江舟は滑り台の順番を待つ列の前の方に蘭を入れてあげる。そして昼寝の時間、新一が床に布団を敷こうとすると、江舟は、そこは蘭の場所だと別の場所に敷くように促す。新一は蘭だけをひいきする一連の行動はあやしいと江舟に訴える。江舟は1つ1つの行動の理由を新一に教える。新一は江舟がいつもより遠い公園に連れて行った事にも疑問を抱き、江舟は遠い公園にした理由は明日の散歩の時に教えると伝える。翌日、江舟は同じ公園に園児たちを連れて行く。途中、ハンチング帽にサングラス、マスク姿の怪しい男が園児たちを凝視していた…。到着後、江舟はこの公園に皆を連れて来た意外な理由を新一に打ち明けて…。

第10話
(854話)
サクラ組の思い出(新一BOY)

 13年前、有希子は新一の新しい保育園のネームプレートがない事に気付き、デパートでサイン会をしている夫の小説家、工藤優作に連絡。ネームプレートを持っていたのは優作だった。新一はホームズの本を読み、中間の推理を全てぬきとり、出発点と答えだけを相手に示せば、安っぽくはあるが、ビックリさせる効果は十分あるという一文にドキッとなる。この後、有希子は新一を連れてサイン会へ行き、優作からさくら組のネームプレートを受け取る。有希子と新一は保育園を訪れ、入園の手続きを行う。  新一はこっそりと職員室を抜け出し、図書室を探しに行く。この時、新一は遊戯室の前を通りかかり、お昼寝の時間なのに折り紙をしている女の子、蘭に目を留める。蘭は色紙を使ってネームプレートを作り直していたのだ。少し前、新一はいじめっ子に何かを取られる蘭の姿を見かけていた。新一は折り紙の切り方や状況から蘭が新しいサクラ組のネームプレートを作っていると見破る。新一は自分のネームプレートをポケットに入れ、「俺にも作ってくれよ。それ、サクラだろ?」と蘭に声をかける。  ホームズのマネをした新一の言葉は効果的だった。蘭は作っている途中にサクラとわかった事に驚く。この後、新一は蘭を睨んでいる保育士の江舟に気付いて訝しむ。数日後、新一は蘭ばかりひいきする江舟の不審な行動を優作と有希子に報告。江舟がいつもと違う遠い公園に園児たちを連れて行く事も引っ掛かっていた新一。その理由は明日の散歩の時に江舟が話す事になっていた。優作は蘭が寝坊するかを確認し、新一は一番最後まで寝ていると教える。優作は担任の苗字が江舟という事にも注目。優作のファンの1人に同じ苗字の北海道の女性がいるのだ。優作は江舟の不可解な行動の理由に思考を巡らせる。  翌日、遠い公園に向かう途中、蘭は母親から友達をいじめちゃいけないと怒られたが、ピンとこない事を園子に告白する。そんな園児たちを凝視する変装した怪しい男。彼は停車中の黒いバンの運転手が園児たちの写真を撮り、ニタリと笑う姿を目撃する。公園に到着後、江舟は隣りの病院に奥さんが入院している事を打ち明け、奥さんは病室の窓際から園児たちを見つめる。来月、奥さんは空気の良い山奥の病院に転院する事になっていた。江舟は子供好きの奥さんに皆の元気な姿を見せたかったのだ。  この後、黒いバンの運転手が奥さんの病室に現れる。運転手は奥さんに撮ったばかりの園児の写真を見せていた。そんな病室の様子を見つめる先ほどの怪しい男。この男の正体は変装した優作だった。優作は新一の話を聞いて様子を見に来たのだ。数日後、保育士たちは保育園の裏口に黒いバンが停まっている事に気付いて騒ぎ出す。江舟は代表して黒いバンの様子を見に行く事に。江舟が黒いバンの運転席のドアを開けると、そこには優作が乗っていた。この後、優作は江舟が企んでいた事を暴いて…。

第11話
(855話)
消えた黒帯の謎

 コナンと園子は京極真が稽古をする大阪の道場にやってくる。その頃、蘭は元太、歩美、光彦を連れてUSJで遊んでいた。1人は心細い園子がコナンだけ道場に連れて来たのだ。館長の天神流空手八代目当主、高見達人は京極の恩人だった。この後、少年部の稽古が始まり、浅井と松本が指導にあたる。高見は子供たちの準備体操を見ながら、子供たちの成長に驚かされるという話題を話し始める。  柔軟運動が苦手だった角田弘樹は足を開いて床に胸をつけられるくらい体が柔らかくなり、今は少年部のリーダー的存在にまで成長。体は大きいが気が小さく、本番では実力を発揮できなかった川口克人は先日の審査で少年部の初段に合格し、黒帯を締められるように。小橋法雄はランニングが苦手だったが、今では余裕で完走できるようになったという。話を聞いた京極は指導の賜物だと高見に伝える。  体操の後、小橋はお腹が痛いと稽古を早退。残りの子供10人は基本稽古を始める。道場の一角にはガラス張りの展示コーナーがあり、高見や弟子たちが獲得したトロフィーやメダルが飾られていた。展示コーナーの中は密閉状態。2.5メートルくらいの位置に小窓があり、正面の開閉式の扉には錠前がかかっていた。コナンは棚の一番上にある黒帯に注目。それは歴代の館長が代々締めている黒帯だった。  園子は有名な天神流の道場なのに寂れている事を不思議に思う。道場の壁はボロボロで、窓もガタガタだった。コナンはスマホで検索して道場が寂れた理由を探る。高見が館長になってから稽古が厳しくなり、生徒が減ってしまったのだ。しかも子供たちからはお金は取らず、借金するほど経営は苦しい状態になっているという。相対稽古の後、浅井と松本は子供たちを連れて外へランニングに行く。  そこに梶芳銀次が巨漢の男2人を連れて現れる。梶芳は契約書のサインをもらいに来たという。高見はこの道場を閉めて売ろうと考えていたのだ。高見は少し待ってほしいと頼み、梶芳はしぶしぶ帰っていく。高見は道場から事務室へ移動し、京極、コナン、園子も追いかける。京極が道場を売る気か確認すると、高見は道場を閉めるつもりだと告白。高見は道場を売って借金を返済するつもりだった。この後、京極は何かの気配を感じて道場へ向かう。その直後、何かが割れるものすごい音が聞こえてくる。  コナン、園子、高見が道場に行くと、展示コーナーのガラスが叩き割られていて、京極は拳を握りしめて立っていた。そこにランニングを終えた浅井、松本、子供たちが帰ってくる。浅井は黒帯がない事に気付き、高見は黒帯を盗ったのかと京極に確認。すると京極は道場を閉めるという話の撤回を要求。そして、京極は高見に試合を申し込み、自分が勝ったら道場を続け、高見が勝ったら黒帯を返すと伝える。高見は京極の提案を受け入れて2人は戦う事に。コナンは京極ではない真犯人がいる事に気付いて…。

第12話
(856話)
セレブ夫婦の秘密

 小五郎、コナンが見つけ出した迷子の猫をマンション5階に住む依頼人に届けた後、4階から警察を呼んでという声が聞こえてくる。4階の前原聖一の部屋の前には保利舞子、マンション管理人の林吉江、宅配員の松田巧がいた。吉江は前原の部屋が荒らされ、床に血痕があると説明。小五郎たちが部屋に入ると、前原が胸から血を流して絶命していた。さらに小五郎たちはクローゼットの中で拘束された妻の前原早紀を発見。早紀の友人の舞子は口を塞いでいるガムテープは剥がすが、すでに早紀は絶命していた。  この後、目暮警部たちは捜査を開始する。舞子と松田に部屋の鍵を開けて欲しいと頼まれた吉江。松田は荷物の集荷を依頼されて部屋を訪ね、舞子は買い物に行く約束をしていた早紀を迎えに来たという。部屋からは金品がなくなっていた。前原の死因は刃物で胸を複数個所刺された事による出血性ショック死。前原はデイトレーダーで、最近大勝ちして数千万円を銀行口座に移していた。  早紀の死因は鼻口をガムテープで塞がれた事による窒息死。死亡推定時刻は前原が午前11時頃、早紀が昼12時半頃だった。そして午前11時頃、犯人と思われる人物がエントランスの防犯カメラに映っていた事が判明。映っていたのはニット帽、サングラス、マスク、ツナギ姿の人物だった。千葉刑事は非常階段の防犯カメラが壊されていたと目暮に報告。吉江によれば、壊されたのは2日前だという。  目暮は防犯カメラに映る人物を犯人と考えていた。この後、鑑識がマンションの非常階段横にあるゴミ捨て場で血の付いたニット帽、サングラス、マスク、ツナギ、ナイフが入ったゴミ袋を発見。これらは犯行に使われたモノに間違いなかった。そして、早紀が近くのホームセンターで強盗に使用した着衣を購入していた事が判明する。さらにニット帽の内側から早紀の髪の毛も採取される。  目暮は強盗に扮した早紀が前原を殺害したと推理する。早紀は強盗犯に扮して外に出て証拠品をゴミ捨て場に投棄。自分の部屋に戻る時に防犯カメラを壊した非常階段を通ったのだ。そして、被害者のフリをしようとした早紀。目暮はクローゼットに服が多すぎて窒息死してしまったと考える。コナンは早紀の鼻口を塞いだガムテープに目を留める。ガムテープの粘着面には口紅の跡が幾重にもついていた。  この後、コナンはクローゼットを調べ、服をぎゅうぎゅうにかけたハンガーラックに注目。コナンは服の匂いを嗅いである事に気付く。コナンは別の服も気になり、今度はチェストの中を確認する。コナンの推理通り、チェストの服はなくなっていた。この後、早紀が縛られていた結束バンドから彼女の指紋が検出され、目暮は強盗を装った早紀が前原を殺害後、被害者のフリをしようとして窒息死したと確信するが…。コナンはこの事件の真相に辿り着き、真犯人が誰かを見破って…。

第13話
(857話)
米花町二転三転ミステリー(前編)

 土曜の朝、高級住宅街にある公園で迷惑男の天城達也の遺体が発見される。第一発見者は会社員の福田為夫で、殺害されたのは昨夜9時前後。遺体は千枚通しのような物で全身を滅多刺しにされていた。目暮警部たちが捜査していると、パトカーを見つけたコナン、小五郎がやってくる。天城は昼夜なく騒音を轟かせてバイクを乗り回し、皆が迷惑していたという。遺体の傍らには血痕が付着した町内会長、番藤彦一の診察カードが落ちていた。番藤は住民から頼まれ、天城に抗議する話になっていたという。  目暮たちは番藤の自宅に話を聞きに行くが、番藤は酒に混ぜた農薬を飲んで服毒死していて、近くには血痕の付いた千枚通しが置かれていた。外の野次馬の中には抗議しろと一番せっついていた女子大生の江崎比呂の姿。高木刑事と千葉刑事は番藤が話を聞かない天城を刺殺後、観念して自決したと推理する。だが、野次馬の中にいた喫茶店経営者の金満豊子は番藤は人を殺害できる人ではないと訴える。  豊子は目暮たちを自分の喫茶店に案内し、昨日の昼過ぎに番藤が大学講師の千野洋介と店に来た事を明かす。千野は番藤の蔵の古道具を調べたが、お宝はなかったと報告していたらしく、その時、天城の話になったが、番藤は思いつめていなかったという。小五郎は番藤が玄関の鍵をかけずに自決した事を不審に思う。普通は邪魔されないように施錠するのだ。この後、農薬がボトル内の酒に混入された事が判明。自決するならグラスの酒に毒を入れるのが普通で、小五郎は自殺に見せかけた他殺と確信する。  さらに豊子は尖端恐怖症だった番藤に千枚通しは使えないと訴える。真犯人は天城を殺害後、番藤も殺害したのだ。この時、番藤の自宅のソファの下にライターが落ちていたという報告が入る。番藤はタバコを吸わず、家政婦の葉山栄子が夕方帰る時には落ちていなかったらしく、犯人の遺留品の可能性が高かった。ウエイトレスの蒲生小雪はライターを見て、千野のものだと証言。千野はこの町の住民ではなく、豊子は千野には天城を殺害する動機がないと擁護する。高木と千葉は千野が殺害したかったのは番藤と推理。番藤が天城への抗議を皆からせっつかれていた事を利用し、自殺の動機を作ったと考える。  千野は番藤の家の蔵で途方もないお宝を発見し、番藤を殺害して横取りしたというのが高木と千葉の推理だった。この後、目暮たちは杯戸大学にいる千野から話を聞く事に。疑われていると知った千野は天城に会った事もないし、番藤とは喫茶店で会ったのが最後と無実を訴える。千野は昨夜、自宅でミステリー雑誌の新人賞の応募原稿を審査していたと証言。大学時代、千野はミステリークラブの部長をしていて、その縁で審査を頼まれる事があるという。コナン、目暮はミステリー専門家の千野が現場で初歩的なミスをしていた事に疑問を抱く。コナンは真犯人が千野をハメた可能性があると考えて…。

第14話
(858話)
米花町二転三転ミステリー(後編)

 刺殺された迷惑男の天城の遺体が発見され、現場の遺留品から町内会長、番藤が容疑者として浮上する。だが、番藤は自宅で酒に混ぜた農薬を飲んで自決。高木刑事と千葉刑事は番藤が天城を刺殺した後、観念して自決したと推理するが…。今度は番藤の自宅で発見されたライターから大学講師の千野に疑いの目が向けられる。頼まれて番藤の蔵の古道具を調べていた千野。高木と千葉は千野が番藤の家の蔵で途方もないお宝を発見し、天城を巻き込み、番藤を殺害して横取りしたと推理する。  千野は犯行時刻の昨夜は自宅でミステリー雑誌の新人賞の応募原稿を審査していたと容疑を否認。コナンはミステリー専門家の千野が現場で初歩的なミスをしていた事に疑問を抱き、真犯人が千野をハメたと睨む。そして、コナンは番藤と千野が喫茶店で蔵の古道具の話をしていた時、真犯人も店にいたと推理。コナンは喫茶店を訪ね、ウエイトレスの小雪から話を聞く。小雪は千野が店で新人賞の審査の話をしていたと証言。千野は今晩、書斎で審査をすると話していたらしく、コナンは真犯人が千野にアリバイがない書斎にいる時間を狙って天城を殺害したと推理する。  そして、番藤と千野が店に来た時、天城の遺体の第一発見者である会社員の福田、天城に抗議しろと番藤に一番せっついていた女子大生の比呂もいた事が明らかになる。その頃、目暮警部たちは千野を容疑者と疑い、取り調べを行っていた。千野は番藤が尖端恐怖症だと知っていたと主張し、番藤の仕業に見せるなら千枚通しは使わないと訴える。だが、高木と千葉は深読みし、千野がこの言い訳を主張するためにあえて千枚通しを選んだと考える。  コナンは福田が住むマンションの管理人から話を聞き、福田の仕事は夜勤だと判明。夜勤の福田に犯行は不可能だった。続いて、コナンは比呂の自宅周辺で聞き込みをし、比呂が杯戸大学の学生だとわかる。杯戸大学は千野が講師をしている学校だった。千野と比呂には接点があり、コナンは2人の間に何かトラブルがあったと勘繰る。すると、そこに比呂がやってくる。比呂は自分の事を嗅ぎ回るコナンを警戒。コナンは追いかける比呂から逃げ、気付くと喫茶店がある脇路地にやってくる。  コナンは何気なく窓から店内を見る。店内では喫茶店経営者の豊子が本棚のミステリー誌を袋に片付けていた。コナンは店に置いていたミステリー誌を携帯で検索して何かに気付く。この後、コナンは変声機で小五郎のフリをしてミステリー誌の編集部に連絡し、あるミステリー小説について訊ねる。次にコナンは小五郎のフリをして米花北署の目暮に電話し、取り調べ中の千野にある事を確認してもらう。コナンは千野から推理通りの答えが返ってくると、事件の真相に気付き、誰が真犯人かを見破って…。

第15話
(859話)
暗闇の山岳ルート

 雲丸山の頂上を目指して登山をするコナン、光彦、元太、歩美、哀、阿笠博士は宿泊する山小屋にやってくる。そこでは池口栄子、芦塚徳則、林田太郎、山倉岳美が揉めていた。芦塚がいつも皆に迷惑かけていると岳美を非難すると、岳美は3年前の元木が亡くなった時も自分の責任だと開き直って逆ギレする。この後、岳美は崖下のキャンプ場でテントを張る。コナンは3年前の事を林田たちに訊ねる。4人は登山サークルの仲間で、3年前、仲間の元木は勝手に離れた岳美を追いかけ、崖から転落死したという。  この後、気象観測所員の林田は観測用の気球を上げる。林田は気球に灯油を塗って強度を増していた。夜中3時、コナンは山小屋を出る栄子、芦塚、林田に気付く。この日は元木の命日。栄子はテントにいる岳美を電話で起こし、岳美は自分も黙祷すると伝える。元木はこの時刻に亡くなったのだ。電話を切った栄子は芦塚、林田と共に元木の墓標に祈りを捧げる。コナンは芦塚、栄子と山小屋に戻るが、林田は近くの山にデータを取りに行く。栄子は物音で起きた歩美を横に呼び、手を繋いで一緒に眠る。  翌日の午前5時5分、元太は崖下を見て、テントの横で倒れた岳美を発見。コナンたちは5時45分に崖下の現場に到着するが、岳美は胸から血を流して息絶え、近くにはコンパスが落ちていた。この後、目暮警部たちが捜査を開始し、現場から3キロ離れた林で岳美のリュックを見つける。中には凶器のナイフと空の財布が入っていた。事件後に山から出た人物はおらず、目暮は芦塚、林田、栄子の中の誰かが外部犯に見せかけて犯行に及んだと睨む。岳美が殺害されたのは午前3時から5時までの間だった。  山小屋から現場までは4、50分で、3キロ離れた林にリュックを置いてきたらプラス3、40分。帰りの登りは60分以上かかり、合わせて2時間オーバーになるため、芦塚と栄子の犯行は不可能だった。元太は犯人が観測用の気球で空を飛び、現場や林に行ったと推理する。だが、1つの気球で飛ばせるのは5、6キロ。林田が持ってきた気球の残りは9個で、全部を使っても人を飛ばすのは難しかった。  コナンは山小屋の板が緩んでいる事、プレハブ横のボンベの下に泥が付着している事に気付く。プレハブ奥の泥地にボンベを置いた跡があり、近くの木の枝にはヒモを巻き付けた跡が残っていた。この後、警察のドローンがリュックがあった林の先で気球を発見。芦塚は林田が気球でリュックを林まで運んだと推理。それなら2時間以内の犯行は可能だった。栄子は現場にあったコンパスが元木の形見だと思い出す。それをもらったのは林田だった。林田の荷物から血が付着した気球のリモコンも見つかり、目暮たちも林田を犯人と疑う。だが、コナンは気になる事があり、ドローンを飛ばしてほしいと高木刑事に頼む。コナンはドローンが映した崖の側面の映像を見て、犯人とアリバイトリックを見破る。

第16話
(860話)
防犯システムの落とし穴

 小五郎は三好純子から空き巣の犯人を捕まえてほしいと依頼される。この近辺では空き巣が多発していて、純子も被害者の1人だった。小五郎とコナンが純子と話していると、マンションの裏手にある駐車場から男性の悲鳴が聞こえてくる。駐車場では純子の部屋の隣りに住む北上直嗣が頭から血を流して息絶えていた。この後、現場にやってきた目暮警部は北上との関係を純子に訊ねる。純子は隣人の北上とはあいさつする程度の関係だったと答える。  北上の死因は頭部を強打した事による脳挫傷の可能性が高く、小五郎は遺体から酒の匂いがする事から、泥酔してベランダから誤って転落死したと推理する。コナンは北上の瞼が赤く、額と両腕の内側に擦り傷がある事に注目する。北上のベルトのバックル部分は擦れて塗装が一部剥がれていた。目暮たちはマンション7階の北上の部屋、704号室を調べる事に。玄関にはダミーの防犯カメラが設置され、表札の下には警備会社のシールが貼られていた。ドアの鍵はかかってなく、小五郎はそのまま部屋に入る。  コナンは防犯対策をしっかりしている北上が玄関の鍵をかけていなかった事に疑問を持つ。鍵入れには家の鍵とセキュリティーキーが置かれていた。リビングのテーブルには酒瓶があり、ベランダにも空の酒瓶が転がっていた。小五郎は部屋の状況から誤って転落死したという自分の推理は正しいと考える。高木刑事と千葉刑事は念のため、近隣住民に聞き込みに行き、コナンは高木についていく。  高木とコナンは真下にある604号室を訪ね、住民の澤田良介から話を聞く。澤田は部屋にずっといたが、北上が亡くなった事は知らなかったと証言。高木は604号室のベランダを調べ、コナンは欄干に擦れたような跡がある事に気付く。そして、コナンはリビングに行き、テーブルや棚を動かした形跡も見つける。続いて、コナンがキッチンに行くと、ゴミ箱には大量の大根の切れ端、大根おろしが捨てられ、おろしは所々、茶色に汚れていた。コナンは廊下の収納棚からバッグの紐がはみ出ている事に気付く。  この後、704号室から盗まれた純子のネックレスが見つかる。この付近で頻繁に起きていた空き巣の犯人は北上だったのだ。目暮は空き巣の犯人だった北上が酔って転落死したと考え、捜査を打ち切ろうとする。だが、コナンは事故ではないと考えていた。コナンは皆と一緒にエレベーターに乗り、光沢のあるUV塗装された壁を見て何かを閃く。そして、コナンは探偵団バッジを忘れたと理由をつけ、再び澤田の部屋に行く。コナンはリビングのソファの下でヘアピンを見つけ、今回の事件の真相に辿り着く…。

第17話
(861話)
17年前と同じ現場(前編)

 コナンは阿笠邸のパソコンで17年前に棋士の羽田浩司がホテルで何者かに殺害された未解決事件を調べていた。同日、同じホテルでアメリカの資産家、アマンダ・ヒューズも殺害されたという。羽田の右手にハサミを握り締めた跡が残っていたと聞いた阿笠博士は今朝、奥穂町で殺人事件が起きた事を明かす。被害者は阿笠が発明したハサミを握ったまま息絶えていたという。そこにお裾分けを持った沖矢(赤井)が現れる。コナンはこの事件が気になるという沖矢と共に現場に呼ばれた阿笠に同行する事に。  被害者は不動産社長、樋山邦寿。事件現場は母屋ではなく離れだった。殺害方法は鈍器による爆殺。樋山は離れの部屋で襲われ、風呂場の脱衣所に逃げ込んだが、犯人に扉を破られ、トドメを刺されたのだ。脱衣所には割れた文字入りのコップの破片が散乱。樋山は犯人にコップを投げ、ハサミを持って迎え撃とうとした可能性が高かった。脱衣所の入口付近の破片には血が付着。これは第一発見者、元駄菓子屋の仙波和徳が破片を踏んだ時の血だった。  樋山は仙波の息子夫婦を言いくるめて勝手に土地を買収。仙波は文句を言いに来て遺体を発見したのだ。阿笠は仙波を犯人と疑う。だが、離れの窓には全て鉄格子があり、玄関にはボディーガードが2人いて、来た人をボディチェック。仙波が凶器を持って家に入る事は不可能だった。沖矢は脱衣所にある洗面台の蛇口が開きっ放しだったかを確認。高木刑事は蛇口が開いていたと答える。17年前も羽田の部屋の蛇口は開きっ放しだったのだ。今回の事件は17年前の事件と酷似。沖矢は父親が17年前の事件に関わっていた事をコナンに打ち明ける。  この後、現場に仙波がやってくる。先月、交通事故に遭って入院していた仙波はケガした左足をかばって歩いていた。仙波は沖矢に頼まれ、遺体を発見した時を再現する。仙波は部屋に樋山がいないため、扉が開いていた風呂場の脱衣所へ。仙波は血を流して倒れた樋山に駆け寄ろうとして破片を踏んだのだ。コナンと沖矢は再現した様子を見て、いくつもの矛盾点に気付く。仙波は疑われていると察し、返り血を浴びていないと無実を訴える。コナンと沖矢は仙波の服の乱れから、慌てて着た事に気付いていた。  沖矢は仙波が素足で破片を踏んだかを訊ね、鑑識課員はスリッパを履いたままだと答える。コナンと沖矢は破片が刺さったスリッパを見て何かに気付く。この後、沖矢は割れたコップに注目。コップはフサエブランドが食器メーカーとコラボしたものだった。その時、コナンと沖矢は鑑識課員たちが運ぶ遺体から漂う甘い匂いに気付く。遺体の傷口には蜂蜜のようなペースト状の物が付着していた。コナンと沖矢は犯人が樋山を殺害した方法を考えるが…。

第18話
(862話)
17年前と同じ現場(後編)

 不動産社長の樋山邦寿は阿笠博士が開発したハサミを持ったまま殺害され、コナンと沖矢は阿笠に同行して現場にやってくる。第一発見者は元駄菓子屋の仙波和徳。阿笠は仙波を犯人と疑うが、仙波が凶器を持って家に入る事は不可能だった。この事件は被害者がハサミを持っていた点、現場の蛇口が開きっ放しだった点など、17年前に棋士の羽田浩司がホテルで殺害された未解決事件に酷似していた。コナンと沖矢は遺体を発見した時の様子を再現する仙波を見て、いくつもの矛盾に気付く。  そして、コナンと沖矢は運ばれる遺体の傷口に注目。遺体の傷口には蜂蜜のようなペースト状のものが付着していた。コナンと沖矢は仙波が犯人で間違いないと考えるものの、凶器とそれを離れに持ち込んだ方法まではわからずにいた。コナンは仙波が来た時、何か持っていなかったかを玄関のボディーガード2人に確認。ボディーガードは仙波がビニール袋に入った小さな人形、人形のカタログを持っていたと証言する。駄菓子のオマケで、孫にプレゼントすると人形について話していた仙波。他には財布、ハンカチ、鍵くらいしか持っていなかったいう。  コナンたちが質問していると、ボディーガードは仙波が来る少し前に黄色いカラーボールが飛んできた事を思い出す。ボールは塀の向こうにある公園から飛んできた可能性が高かったが、誰も取りに来なかったという。沖矢はボールが飛んできた場所を訊ねる。ボディーガードは屋根に何か当たる音がして、離れの奥に行ったと証言し、ボールが転がっていた場所を教える。コナンは鉄格子が付いていない小さい窓に目を留める。それは離れの廊下を挟んで脱衣所の向かいにあるトイレの窓だった。この窓は小さくて、子供でも出入りする事は不可能だった。コナンと沖矢は現場の状況を1つ1つ整理していく。  この後、ボディーガードはカラーボールが屋根に当たった時、結構大きな音がした事を思い出す。この証言を聞いたコナンと沖矢は犯人が凶器を離れに持ち運んだトリックを見破る。その時、玄関の方から阿笠の大きな悲鳴が聞こえてくる。阿笠は縁側の下に行列をつくるアリを見て驚いたという。コナンは阿笠との会話をヒントに事件の真相に近づいていく。沖矢は縁側の奥を見て凶器を発見。縁側の下のアリの行列はカラーボールへと繋がっていた。全ての謎を解いたコナンと沖矢は犯人が使ったトリックを再現しながら徐々に犯人を追い込み、事件の全容を解き明かしていく…。

第19話
(863話)
霊魂探偵殺害事件(前編)

 コナンは17年前に殺害された羽田浩司の事件について考える。コナンはボディーガードの浅香が犯人で、浅香の正体は黒ずくめの組織No.2のラムだと推理する。そんな折、小五郎は霊魂探偵の堀田凱人と対談してほしいと電話で依頼される。堀田が17年前に殺害された羽田の霊を呼び出し、事件の真相を解き明かすという。翌朝、小五郎は打ち合わせするため、コナンと共にホテルのレストランへ向かう。亡くなった人の霊を呼び出すという堀田はイカサマがバレてマスコミに叩かれた過去がある男だった。  ホテル到着後、小五郎とコナンは東都テレビディレクターの古栗参平と合流。食事前に堀田がいる402号室を訪れ、霊を呼び出す所を見せてもらう事に。古栗は堀田の部屋のドアチャイムを何度も鳴らすが返事はなし。今朝、古栗が堀田とメールでやり取りした時、堀田は打ち合わせ前に誰かと会うと話していたという。この時、古栗は1時間前に堀田からメールが届いていた事に気付く。午前7時28分に届いたメールには「殺される 助けて」と書かれていた。  8時56分、ホテルボーイがカードキー持って402号室前にやってくる。その時、古栗のスマホに着信があるが、ただの間違い電話だった。この後、小五郎たちは402号室に入る。3階からは改修工事の音が響いていた。部屋に入ると、何かが割れる音が聞こえてくる。床には割れた皿やグラスとワインの染み。こぼれたワインを誰かが踏んだスリッパの跡が残り、その跡は奥の寝室まで続いていた。  寝室のドアを開けた小五郎はベランダから何者かが逃げる人影を目撃。ベランダに染みつきスリッパも脱ぎ捨てられていて、小五郎は犯人が隣の部屋に逃げたと考える。この後、小五郎たちはベッドのシーツの下から胸を数ヵ所刺された堀田の遺体を発見する。コナンと小五郎は403号室の宿泊客に会う事に。403号室に泊まっていたのは世良真純だった。世良は部屋に誰も来ていないと証言する。部屋では小五郎たちに気付かれないように世良の母親、メアリーが身を潜めていた。  この後、古栗のオープンカーが駐車場の変な場所に停めてあると苦情が入る。車は402号室のベランダの真下に停めてあって、古栗はすぐに車を移動させる。コナンは駐車スペースが空いてるのに古栗が変な場所に車を停めた事に疑問を持つ。コナンが403号室を出た後、身を潜めていたメアリーはコナンが落としていった蝶ネクタイ型変声機を拾う。捜査を開始した目暮警部はボーイから話を聞く。ボーイによれば、3階の改修工事は毎日9時から始まり、工事中は4階の部屋が少し揺れるという。小五郎たちが402号室に入ったのは9時頃。テーブルの端にグラスを置いておけば、その揺れで床に落ちる可能性もあるのだ。この時、コナンはテーブルに塩が付着している事に気付いて事件の真相に近づくが…。

第20話
(864話)
霊魂探偵殺害事件(後編)

 小五郎は霊魂探偵の堀田凱人と対談する事になり、打ち合わせのためにコナンと共にホテルに向かう。小五郎たちは東都テレビディレクターの古栗参平と合流後、堀田の部屋を訪ねる。だが呼び鈴を鳴らしても応答はなし。この時、古栗は堀田から「殺される 助けて」というメールが届いていた事に気付く。  午前9時頃、小五郎たちはホテルボーイに鍵を開けてもらって部屋に入る。3階からは改修工事の音が響いていた。部屋に入ると、何かが割れる音が聞こえてくる。床には割れた皿やグラスとワインの染み。こぼれたワインを誰かが踏んだスリッパの跡が残り、その跡は奥の寝室まで続いていた。小五郎はベランダから何者かが逃げる人影を目撃。ベッドでは堀田が胸を数ヵ所刺されて絶命していた。  目暮警部は堀田が殺害された402号室にあるワインの事をホテルボーイに訊ねる。ボーイは誰かと会うという堀田からワインの他にグラスとツマミ2人分を頼まれたという。目暮は402号室の部屋の温度が気にかかる。遺体がある寝室は暖房をかけて温かいが、窓が開いていたベランダの方は寒く、部屋に中は温度差があった。コナンは402号室のドアを開けた時、風が通り過ぎた事を思い出す。世良は402号室に入った時の事を訊ね、コナンは部屋に入った時の経緯を詳しく説明する。  この後、コナンはベランダの窓の上の方が気になって調べる。窓枠の上辺りには何かを貼ったようなベタベタした跡が残っていた。世良は窓に何か貼ってあって、ドアを開けたら風で吹き飛ぶように仕掛けてあったと推理する。空気が温かい方から冷たい方に流れる事を利用したのだ。だが、コナンは風だけではうまく剥がれないと考える。たとえ剥がれて吹き飛んでも、その何かはどこかに落ちて残っているはずだった。コナンと世良はトリックの謎を解けずにいたが、犯人は古栗で間違いないと睨んでいた。  小五郎は事件現場のトイレを勝手に使い、目暮に呆れられる。小五郎はセンサーが人を感知して便器のフタが勝手に開いた事に驚く。コナンはそんな小五郎を見て何かに気付き、402号室に入った時の事を思い起こす。コナンは古栗がベランダの真下に車を停めていた理由にも気付き、犯人がどんなトリックを使ったのかを見破る。この後、コナンは小五郎に麻酔銃を発射し、眠りの小五郎の推理ショーを始めようとするが、この時、コナンは蝶ネクタイ型変声機を落とした事に気付いて…。

第21話
(865話)
口の悪い九官鳥

 コナン、光彦、元太が公園でサッカーをしていると、近くの小久保家から小久保衛が悲鳴を上げて出てくる。衛は伯母の小久保直子の自宅を訪ねて直子の遺体を発見したのだ。14時、小五郎と蘭は九官鳥を捕まえて交番に届ける。この九官鳥は小久保家から逃げたナインだった。ナインは足輪とそれに繋がる赤い紐を残し、再び逃げてしまう。この後、駆け付けた目暮警部たちが捜査を開始する。  車イスに乗っていた直子はメイドの矢荻恵美と2人暮らし。毎日13時から14時までは直子が昼寝、恵美が買い物と決まっていたという。この日は2時を過ぎても恵美は戻っていなかった。恵美は母親の病気の治療費がかさむため、給金をあげてほしいと直子に頼んでいたという。衛は児童文学を修行していた身。衛はよく直子にお小遣いをもらいに来ていたという。  衛が遺体を発見したのは13時55分。この時に逃げたナインは口が悪くて有名だった。この後、恵美は戻ってきて直子が殺害された事を知る。恵美は置き去りの赤ん坊を見つけ、通りかかった女の子2人と一緒に母親を探して帰りが遅れたと説明する。そこに小五郎と蘭が古書店主人の狭山陽太郎を連れて現れる。14時20分、捻挫した小五郎は蘭に付き添われて病院へ行き、右腕を三角巾で吊った狭山と偶然知り合う。その時、ナインの話題になり、小五郎は狭山が直子の知り合いとわかって連れて来たのだ。  恵美は直子が珍しい古書を集めていた事を目暮に教える。直子は狭山から古書を買ったが、それは贋物だったらしく、狭山はまだ代金を直子に返していなかった。恵美は13時10分に家を出る時に直子が狭山と電話で話していたと証言する。そして、直子の首に絞殺痕があると判明。凶器は直子が首に巻いていたマフラーだった。犯行時刻は13時10分から13時55分の間。目暮は昔、児童文学を書いていた直子の書斎も調べる。この後、13時10分に携帯で話す狭山を緑台の駅前で目撃したという人物が見つかる。駅から直子の自宅までは歩いて30分の距離だった。  この後、哀と歩美が逃げていたナインを連れて小久保家にやってくる。ナインは子供たちも知ってる有名な九官鳥なのだ。哀は恵美が先ほど一緒に母親を探した人だと気付く。直子の携帯には13時5分から45分まで通話履歴が残っていた。狭山が電話の後、直子の家に行って事件を起こし、それから病院で小五郎に会うのは時間的に不可能だった。衛、恵美、狭山にはアリバイがあったが、目暮は3人の誰かが犯人と考えていた。この後、恵美は勝手口の植木鉢の位置がおかしい事に気付く。その時、ナインが「臭くてたまらん、ひでえ匂いだ」と喋る。コナンは家で臭うものについて訊ね、恵美は地下室に漬物があると教える。コナンは地下室の一部を見て事件の真相に辿り着く…。

第22話
(866話)
裏切りのステージ(前編)

 コナンは蘭、園子、沖矢と工藤邸を掃除する。この時、ロックミュージシャンの波土禄道の話題になる。波土は17年前に作った曲「アサカ」を新曲として今度のライブでお披露目するという。綴りはASAKAではなくASACAで、コナンと沖矢の脳裏にRUMの事がよぎる。波土のライブ前日、コナン、蘭、沖矢は園子に連れられ、リハーサルを見学に行くが、波土のマネージャーの円城佳苗から中に入れないと言われる。新曲の歌詞はまだ未完成。波土は誰もいない客席を眺めながら1人で歌詞を書いているという。  レコード会社社長の布施億康は今回のライブを最後に波土が引退する事を明かす。そこにスタッフに成りすました雑誌記者の梶谷宏和が現れる。梶谷は新曲のASACAは波土の新しい女の名前で、長年の浮気相手だった佳苗がブチ切れて波土と大ゲンカしたと勘繰る。佳苗は15年も波土に張り付いていて、波土の音楽活動休止を他誌にスッパ抜かれた梶谷を小馬鹿にする。この後、部外者の梶谷は外につまみ出され、園子たちも帰ろうとする。そこに園子にリハーサルを見たいと頼んでいた安室と梓がやってくる。  コナンは梓の言動を不審に思い、変装したベルモットと確信する。この後、消防員たちはが消防検査のために会場に入り、ステージ上で首を吊って絶命した波土を発見。安室は現場の状況から他殺と睨み、複数犯の犯行と推理する。波土が吊るされたロープは座席に結ばれ、ロープには何かをねじ込んだような穴。ステージ袖にはパイプイス、ロープ、工具箱が置かれていた。コナンはステージから客席に伸びているタコ糸に気付く。糸の先には野球ボールが結ばれていた。  この後、目暮警部たちは捜査を始め、沖矢は1人の犯行はほぼ不可能と指摘する。死亡推定時刻の午後4時半から5時半の間に長時間姿が確認できなかったのは布施と佳苗の2人だけだった。布施はお腹を壊してトイレにいたと証言。佳苗はスタッフに指示を出しながらホール内を駆け回っていたという。梶谷がホールに侵入したのは5時20分。姿が確認できなかったのは佳苗が4時半から4時50分、布施が5時から5時15分で、3人の内の誰かと誰かが共謀して波土を殺害するのは時間的に不可能だった。  コナンは野球経験の有無を3人に訊ね、布施はラグビー、佳苗はテニス、梶谷は登山の経験があると答える。学生の頃に野球をやっていたのは波土だった。波土がデビューして売れるまで付き合っていた佳苗。そんな佳苗に横恋慕してフラれたのが布施だった。目暮は波土の携帯がどこにあるかを訊ね、佳苗はいつも胸ポケットに入れていたと教える。それを聞いた安室はスコッチの事を回想する。波土の胸ポケットには「ゴメンな」というメモが入っていて、高木刑事は筆跡鑑定をするために皆に同じ字を書いてもらう。安室は左手で文字を書く沖矢に気付き、スコッチを見捨てた赤井の事を思い出して…。

第23話
(867話)
裏切りのステージ(後編)

 ライブ会場のステージ上で首を吊った状態で絶命していたミュージシャンの波土。リハーサルを見学しようとしたコナン、蘭、園子、沖矢、安室、梓も現場に居合わせていた。目暮警部はマネージャーの佳苗、レコード会社社長の布施、雑誌記者の梶谷を容疑者と疑う。遺体の胸ポケットから「ゴメンな」というメモが見つけるが、筆跡鑑定の結果、波土自身の字と明らかになる。  目暮は波土が誰かに負い目を感じていて、それが殺害の動機になった可能性が高いと推理する。佳苗は負い目ではないが、波土が自分の親しみにくい顔に引け目を感じていたと証言し、園子と蘭は波土が前よりもソフトな印象になったと感じていた。すると梶谷は波土が高校卒業後に整形したと噂になった事を思い出す。だが、佳苗は波土の整形疑惑を否定。若い頃、佳苗と波土は毎日のように運送業者でバイトしてミュージシャンを続けるお金を稼いでいたらしく、整形する余裕なんてなかったという。  波土が苦労を共にした佳苗を捨てて別の女性と結婚したのは16年前。梶谷は17年前に作曲された「ASACA」を今回発表しようとしていたのには何かあると勘繰る。梶谷は前回のライブ後、波土が「17年間なぜそれを黙っていた?」と布施に食って掛かった事を掴んでいた。布施は「デビューさせた本当の理由は私が佳苗さんに一目惚れして言い寄るためだった」と冗談まりじに話したら波土が予想以上に怒り出し、「本当なら引退する」と言い出した事を打ち明ける。高木刑事はこの話を聞いて、波土が殺害される動機にはならないと判断する。  今回の殺害方法は単独では不可能に近く、誰かと誰かが協力しないと殺害できないが、佳苗、布施、梶谷が姿を見せなかった時間はバラバラだった。梶谷は記事を書くと言って帰ろうとするが、高木は梶谷のカバンを引っ張って制止する。その拍子にカバンが放り投げられ、鑑識官に直撃。証拠品を押収したカバンは落下して中身が出てしまう。コナンは証拠品を拾うのを手伝い、波土の免許証、蘭の足元に並ぶ証拠品のロープを見てハッとなる。目暮は梶谷のカメラを調べる。梶谷は会場に入る波土を隠し撮りし、波土はそれに気付いてカメラを取り上げようとしたらしく、写真にはその様子が写っていた。  この後、明日のライブで演奏する予定だったバンドメンバーの1人が覚せい剤所持の現行犯で逮捕された事が判明する。コナンはある物が片方だけ落ちていなかったかを訊ね、鑑識官は落ちていなかったと答える。続けて、コナンは針金や軍手がなくなっていないかを鑑識官に確認。コナンの推理通り、工具箱から針金と軍手がなくなったという。この後、コナン、安室、沖矢はステージ上のパイプイスに張り付いたある物を発見。コナンたちは事件の真相、犯人が被害者を釣りあげたトリックを見破って…。

第24話
(868話)
汽笛の聞こえる古書店

 コナン、光彦、元太、歩美、灰原は古本の競り市場の外で顔なじみの玉木古書店店主、玉木裕次郎と偶然会う。コナンたちはリアカーで自分の店まで古本を運ぶ裕次郎を手伝う。裕次郎はお礼に皆に1冊ずつ好きな本をプレゼントすると伝える。コナンが本を選んでいると、裕次郎と息子の玉木一朗が言い争う声が聞こえてくる。一朗は経営が苦しい状況なのに新たに古本を仕入れてきた裕次郎に呆れる。  一朗がイライラして本棚の下段を蹴ると、本棚が一朗めがけて倒れてくる。一朗は倒れてくる本棚を手で押さえて事なきを得る。本棚が老朽化してもろくなっていたのだ。一朗は裕次郎に早く店を畳んでほしいと思っていた。後日、コナン、元太、光彦、歩美、灰原は古書店の横にある公園にやってくる。この日、古書店は閉まっていた。公園の奥には本物のSLが展示されていて、11時と15時の1日2回、車輪が動く仕掛けになっているという。コナンたちはサッカーをしながら15時になるのを待つ事に。  14時55分、コナンたちがSLの前にいると、散歩中の一朗が偶然通りかかる。そして15時になると、SLの車輪は動き出し、同時に煙突からは煙が出て、けたたましい汽笛の音も鳴る。コナン、一朗たちは光彦が持ってきたカメラで記念撮影をする。この後、公園を出たコナン、一朗たちは古書店の本棚が将棋倒しになっている事に気付く。店内では裕次郎が本棚の下敷きになって倒れていた。裕次郎は救急車で病院に搬送されるが、命に別状はないという。コナンたちは店内の床に散らばった本を拾っていく。  この時、コナンは床に落ちた柱時計に注目する。柱時計の針は15時で止まっていて、コナンはSLを見ていた時間に本棚が倒れたと察する。老朽化によって起きるべくして起きた今回の事故。コナンは一番端の本棚が倒れて、将棋倒しのように次々と本棚が倒れたと考える。コナンは倒れた全ての本棚の上部に細い一直線上に焦げたような跡がある事に気付く。夕方、コナンたちは病院まで裕次郎のお見舞いに行く。裕次郎は軽い脳震とうで、すぐに退院できるとコナンたちに教える。本当ならあの時間は出張中で店にいる予定じゃなかった裕次郎。財布を忘れて取りに戻った時に事故に巻き込まれたのだ。  裕次郎は今回の事故で店を畳む踏ん切りがついたと打ち明ける。裕次郎はあの店で聞こえてくる汽笛の音に耳を澄ますのが幸せだったと感慨深げになる。光彦は撮ったSLの写真を裕次郎に見せる。コナンはSL前で一朗を含めて皆で記念撮影した1枚の写真に目を留め、連射モードで撮影した他の写真も確認する。この後、コナンたちは一朗が働くカフェテリアを訪ねる。コナンたちが一朗と話していると、一朗の恋人の吉川美知子が現れる。一朗と美知子はカフェを開こうと計画。一朗がこの店で働いているのは資金作りと修行のためだった。コナンは今回の古書店の事故には裏がある事に気付いて…。

第25話
(869話)
断崖に消えたコナン(前編)

 小五郎は事務所で連続強盗放火事件を報じるニュースを見ていた。犯人の通称ゾロは押し入った先の住人2人をボウガンで殺害後、火を放って逃走。ゾロはセレブの自宅ばかりを狙う極悪非道の強盗犯だった。コナンは灰原、歩美、元太、光彦と共に海辺にある阿笠博士の知り合いの別荘に遊びに行く。到着後、歩美は庭の植え込みに倒れた伊勢原祐二を発見。伊勢原の腕にはボウガンの矢が刺さっていて、コナンたちはすぐに救急車を手配する。  コナンは庭を調べて1枚の写真を発見する。それは伊勢原と赤ん坊を抱いた女性の写真で、裏には2列の長い英数字が書かれていた。灰原は英数字を見て、IDかパスワードの可能性が高いと考える。コナンはこの写真を診療所にいる伊勢原に渡しに行く。コナンはボウガンという共通点からゾロの事件について聞こうとするが、伊勢原は診療所のベッドで眠っていた。この後、帰ろうとしたコナンは医者に変装したゾロこと溝呂木剛に気付き、咄嗟に伊勢原がいる病室の部屋番号を別の病室のものとすり替える。  伊勢原を殺害しに来た溝呂木だったが、コナンの思惑通りに間違った病室に入る。その時、目暮警部たちがパトカーに乗ってやってくる。コナンは溝呂木を病室に閉じ込めるが、溝呂木は窓から逃走。コナンは伊勢原がゾロの仲間かを高木刑事に質問する。溝呂木は仲間をその都度、金で雇っていて、伊勢原は警察が追っている凄腕ハッカー。目暮たちは伊勢原らしい男が保護されたと聞いて病院にやってきたのだ。この後、伊勢原も病室から消えている事が判明。コナンが枕元に置いていた写真も消えていた。  小五郎と蘭は連絡を受けてコナンたちの元へ向かう。その頃、コナンはスマホで撮影した伊勢原の写真を頼りに山中にある伊勢原の自宅を探していた。歩美、元太、光彦、灰原はそんなコナンを尾行するが、途中で見失ってしまう。コナンは海の近くにある洞窟に迷い込んでしまうが、何とか写真に写っている山荘を発見する。コナンが窓から室内を覗くと、ボウガンを構えた溝呂木とナイフを手にした仲間2人が伊勢原を威嚇していた。強盗に入った時、溝呂木が住人を殺害したため、仲間を抜けると言ってボウガンで撃たれた伊勢原。溝呂木は裏切った伊勢原を始末するためにやってきたのだ。  溝呂木は家族が殺害されるか、自分が自殺するか選べと伊勢原に迫る。その時、コナンは大きな音を立てて溝呂木たちの気を引く。伊勢原は混乱の隙に裏口から逃げ、コナンに先導されて山中へ。コナンと伊勢原は追ってくる溝呂木たちから必死に逃げるが、断崖絶壁に追いつめられる。歩美たちはコナンを見つけて溝呂木たちの後方から様子を見守る。溝呂木はボウガンの矢を伊勢原に向けて放ち、伊勢原は矢をよけようとして足を滑らせる。コナンは伊勢原を抱きとめるが、2人もろとも断崖から落下して…。

第26話
(870話)
断崖に消えたコナン(後編)

 コナン、灰原、歩美、元太、光彦は阿笠博士の知り合いの別荘に遊びに行き、ケガをした凄腕ハッカーの伊勢原を発見。伊勢原はゾロと呼ばれる強盗犯、溝呂木の仲間だったが、裏切り者として命を狙われていた。コナンはそんな伊勢原を助けて溝呂木と仲間から逃げるが断崖絶壁に追いつめられる。そして、コナンは足を滑らせた伊勢原を抱きとめるが、そのまま2人とも断崖から落下する。  小五郎、蘭、阿笠は連絡を受けて断崖にやってくる。歩美、元太、光彦、灰原はコナンが落ちた時の状況を目暮警部たちに説明していた。目暮は夜で暗いため、朝一番に海の捜索を開始すると小五郎に伝える。だが、小五郎は今すぐに捜索してほしいと訴え、目暮はすぐに捜索する事を約束する。翌朝、小五郎たちは警察署でコナン発見の連絡を待つ。蘭はコナンなら絶対に大丈夫と自分に言い聞かせるように歩美たちを励ます。だが、捜索開始から3時間が経っても手掛かりはなかった。断崖の下はかなりの水深で流れも速く、落ちた人間はあっという間に沖に流され、遺体が上がるのも稀だという。  3時間半前…。断崖絶壁に追いつめられたコナンと伊勢原。この時、コナンは波間に見え隠れする印象的な形の岩に目を留める。それは洞窟の中から見えた岩だった。この絶壁の真下には洞窟があるのだ。伊勢原と断崖から落下中、コナンはベルトからサッカーボールを噴出。コナンはこのボールをクッションにして伊勢原と共に洞窟内へと転がり込んでいた。コナンは少し離れた物陰から自分の事を心配する小五郎たちの様子を窺う。この後、コナンは足早に去っていく伊勢原を追って山中へ。伊勢原は自首する気がなく、溝呂木に始末される事を恐れていた。コナンはそんな伊勢原に溝呂木を潰す事を勧める。  その頃、溝呂木と仲間は倉庫で次の強盗を計画。溝呂木たちは今夜、貴金属即売会を襲おうとしていた。灰原はコナンを尾行した時に通った海沿いの道を辿り、洞窟を発見する。灰原は洞窟の奥へと入っていき、断崖の真下に洞窟がある事に気付く。ここで灰原がある物を拾った時、スマホにコナンから着信がある。この後、灰原は指示にしたがってコナンと伊勢原がいる廃屋にやってくる。  コナンは心配かけた事を灰原に謝罪。伊勢原の家族の身が危ないため、コナンと伊勢原は絶命したと思わせる必要があったのだ。灰原はコナンに頼まれたノートPCを取り出し、伊勢原はそのノートPCで自分のソフトを立ちあげ、写真の裏に書かれたパスワードを入力。伊勢原は溝呂木がセキュリティーを無力化する操作を始めている事をコナンに教える。溝呂木は貴金属即売会の襲う準備を進めているのだ。この直後、伊勢原はコナンと灰原に隠れるようにもう1列の英数字を素早く打ち込む。コナンは溝呂木の犯行を阻止するため、変声機を使い、阿笠として目暮に連絡をするが…。

第27話
(871話)
ノブナガ四五〇(よんごうまる)事件

 戦国武将、織田信長が岐阜に入城して450年目にあたる2017年。コナン、歩美、元太、光彦、灰原、阿笠博士は岐阜市の市内観光を兼ね、その記念イベントを見に来ていた。夕方、コナンたちは宿泊する老舗旅館「長良川温泉 十八楼」を訪れ、阿笠の知人の鵜匠、鳥羽山巌と会う。今回の旅に招待してくれたのは鳥羽山だった。夜、コナンたちは長良川で観覧船に乗り、鵜飼の様子を見学する。  次にコナンたちは光彦が行きたいという長良川公園を訪れ、マスクとコスチュームに身を包んだ5人組の折り紙戦隊、ノブナ・ガイザーのショーを見学する。光彦はご当地ヒーローが大好きだった。ショーの後にはファンとの交流もあり、光彦はノブナ・ガイザー5人と話して感激する。この後、イベント主催者の大藪公房がノブナ・ガイザーを迎えに来る。ノブナ・ガイザーレッドの赤星健吾、ブルーの青戸鉄平、グリーンの緑山浩二、ブラックの黒谷卓郎、ピンクの百地くるみはマスクを脱いで素顔になる。  宿に戻った後、光彦はノブナ・ガイザーにサインしてもらうのを忘れた事に気付き、1人で公園事務所にサインをもらいに行く。元太は光彦の帰りが遅いため、光彦の携帯に電話をかけると、近くから呼び出し音が聞こえてくる。コナンたちは路肩に置かれた光彦のリュックを発見する。中には光彦の携帯とDBバッジが入っていた。この後、コナンたちが公園事務所前に来ると、ちょうどコスチューム姿のノブナ・ガイザーを乗せたワゴン車が出発。公園事務所は暗くて無人になっていた。  岐阜県警捜査一課刑事の松代為吉は光彦の捜索を開始。だが、光彦の行方はわからないまま翌朝になる。松代はノブナ・ガイザーの行方もわからない事をコナンたちに教える。事情を聞こうとしても連絡がつかないという。そんな中、歴史博物館から黄金の瓦や純金の信長像のミニチュアなど、岐阜の宝と言える展示物が奪われる強盗事件が発生。防犯カメラには係員たちを拳銃で脅すノブナ・ガイザーの姿が映っていて、レッドは抵抗する警備員を右拳で殴っていた。そして展示物を奪って勝ち誇ったように決めポーズをするノブナ・ガイザーの5人。コナンはこの防犯カメラの映像を見て何かが引っ掛かる。  この後、乗り捨てられたノブナ・ガイザー専用ワゴン車が発見される。車内には5人分のコスチュームが脱ぎ捨てられ、コナンは車床にある光彦の信長バッチに気付く。光彦は人質になっている可能性が高かった。コナンはレッドのコスチュームの右手の中指の部分が破れている事に注目。タイヤと車体下部には点々と黒くて粘り気のある何かが付着していた。ノブナ・ガイザーの5人は強盗事件の容疑者として指名手配され、コナンたちの前へ通りかかった大藪はとんだ迷惑だと吐き捨てる。コナンは光彦を人質にとった今回の強盗事件の真相に辿り着いて…。

第28話
(872話)
コナンと平次の鵺伝説(鳴声編)

 コナンと蘭は平次、和葉に誘われ、静岡の宿里村にやってくる。平次は徳川埋蔵金の手掛かりが出たから発掘を手伝ってほしいという手紙を村長の竹隅殿輔からもらったのだ。コナン、平次たちを迎えた殿輔は村にある朽ちた3階建てのホテルに案内する。殿輔は発掘を手伝ってもらうため、他にも考古学者の丹沢道貴、歴史学者の染地康克、小説家の増子史絵、ルポライターの鶴見肇を村に呼んでいた。  昔、埋蔵金発掘チームの1人が洞窟での発掘中に落盤事故に遭って他界。それ以来、この村の客足はぱったり途絶えてしまったという。この後、コナンたちはホテルの前にある林、その奥にある池の方へ。地面には「林の前に入るな キケン」という大きな立て札が刺してあった。この時、年老いたゴールデンレトリバー犬がコナンたちの前に現れる。この老犬は亡くなった男性が連れていた犬だった。  夜、コナンが妖怪伝説を追う肇が村に呼ばれた理由を訊ねると、肇は発掘中に落盤事故で他界した外国人シャルル・エイベルの話を始める。息絶える直前、紙に「NUE(鵺)」と書き残したというエイベル。鵺は昔話に出てくる頭は猿、胴は狸、手足は虎、尾は蛇の化け物だった。肇は鵺を見つけるために呼ばれたのだ。この時、ヒィ~ンという不気味な鳴き声が響き渡り、老犬が吠え出す。道貴は鳴き声を聞き、鳥の鵺だと皆に教える。トラツグミという鳥はかつて鵺と呼ばれていたという。  この後、コナンと平次はエイベルが書き残した紙を確認。殿輔はこの紙の破り目とピッタリ合う手帳が見つかったと皆に報告する。手帳には洞窟のどこを掘り進んだかが記されていた。殿輔は明日、この手帳を頼りに洞窟を進み、その様子をビデオカメラで撮影すると皆に伝える。殿輔は埋蔵金の発掘には期待しておらず、村おこしのためのPVを撮影しようと考えているのだ。  皆は明日に備えて寝る事になり、殿輔はそれぞれの部屋に頼まれた物を運ぶと伝える。康克は牛乳とウイスキー、道貴は日本酒とスルメ、史絵は白ワインと炭酸水、肇はコーラとポテトチップスを用意してほしいと殿輔に頼んでいた。コナン、蘭、平次、和葉は2階の自分たちの部屋へ。机の引き出しには古いノートが入っていて、それはエイベルが日本語を練習したノートだった。  この時、平次は外が明るい事に気付く。ホテルの前の立て札付近が燃えているのだ。そして、黒煙の中から2メートルはある獣が出現。獣は立て札に噛みついて引き抜くと身を翻して消えていく。コナンと平次は獣の正体を確かめるため、裏から回って林の方へ。地面には獣の歯型がついた立て札が落ちていた。コナンたちが先に進むと、地面に点々と続く血痕。コナンたちが血痕を追っていくと、そこには絶命した康克がいた。康克の背中には獣に襲われたような爪痕が残っていた…。

第29話
(873話)
コナンと平次の鵺伝説(爪跡編)

 コナンと蘭は平次、和葉に誘われ、静岡の宿里村にやってくる。村長の殿輔は徳川埋蔵金の発掘を手伝ってもらうため、平次の他に考古学者の道貴、歴史学者の康克、小説家の史絵、ルポライターの肇を村に呼んでいた。昔、埋蔵金発掘チームの外国人エイベルが落盤事故に遭って他界。エイベルは息絶える直前、紙に「NUE(鵺)」と書き残したという。鵺は昔話に出てくる化け物で、ここは鵺伝説が残る村だった。夜、ホテル前の立て札付近が燃え、黒煙の中から2メートルはある獣が現れる。コナンと平次は獣が消えた林へ行き、絶命した康克を発見。康克の背中には獣に襲われたような爪跡が残っていた。  肇は鵺にやられたと騒ぐが、コナンはいるはずがないと反論する。平次は焼け跡から灯油の臭いがしたと指摘。平次は犯人が康克の背中を刺した後、長い傷を加えて鵺に襲われたように見せかけたと推理する。この後、殿輔は何者かが手紙と共に手帳、現金を送ってきて、道貴、康克、史絵、肇を呼べば、埋蔵金伝説が再び盛り上がると助言してきた事を告白。送り主はホテルと部屋まで指定してきたという。  蘭と和葉はエイベルが使用していた部屋を怖がり、道貴がその部屋に泊まると申し出る。皆は警察が来るまで各自部屋で待機し、コナンと平次、殿輔は林の所から見張る事に。コナンはホテル前の木は全て先が尖っているのに1本だけ丸く刈られている事を不思議に思い、平次は燃えた布が巻き付いた木を発見する。この後、再び不気味な鳴き声が響き渡り、コナンたちがいる草むらのあちこちから3人を囲むように炎が燃え上がる。その直後、ホテル3階左端の道貴がいる部屋から叫び声が聞こえてくる。  コナンたちは合鍵で部屋に入り、絶命した道貴を発見。道貴の顎の下には蛇に噛まれたような2つの傷が残っていた。道貴は密室で殺害されたのだ。コナンたちは駆け付けた静岡県警の横溝参悟警部にこれまでの状況を教える。殿輔は2回目に火がついた時、雨水が頬にかかり、同時に炭酸のフタを開けたような音がしたと証言。コナンは焼け跡に丸くて白い塊が無数落ちている事に気付く。コナンと平次はこの白い塊は火がつくと推測。残りの謎は化け物のカラクリと密室の毒殺トリックだけとなる。  コナンは道貴の部屋の真下の部屋にいた史絵を怪しいと疑う。毒針の付いた長い棒があれば犯行は可能だが、史絵は長い棒のような物を持っていなかった。道貴の部屋の横の部屋だったのは肇。窓と窓は10メートルくらい離れていたが、毒の吹き矢があれば犯行は不可能ではないと思われたが…。コナンは横から顎の下に刺す事は不可能と考える。この後、コナンと平次は蘭と和葉が世話をする老犬に目を留め、最初に鵺の鳴き声がした時、老犬が吠えていた事を思い出す。だが、老犬は化け物が現れた時は吠えていなかった。コナンたちはこの事実から事件の真相に辿り着いて…。

第30話
(874話)
コナンと平次の鵺伝説(解決編)

 コナン、蘭、平次、和葉は徳川埋蔵金の発掘を手伝うため、静岡の宿里村にやってくる。昔、埋蔵金発掘チームの外国人エイベルが落盤事故に遭って他界。エイベルは息絶える直前、紙に「NUE(鵺)」と書き残したという。鵺は昔話に出てくる化け物で、ここは鵺伝説が残る村だった。  村長の殿輔は発掘を手伝ってもらうため、平次たちの他に考古学者の道貴、歴史学者の康克、小説家の史絵、ルポライターの肇を村に呼んでいたが、鵺に襲われたような傷跡を残して康克、道貴が殺害される。コナンと平次は徐々に事件の核心へと迫り、残りの謎は化け物のカラクリと密室の毒殺トリックだけとなる。そして、コナンたちはこの2つの謎も解き、事件の真相に辿り着く。  コナンと平次は犯人のトリックを再現するため、蘭と和葉に必要なものを集めてほしいと頼む。そして、蘭たちはシーツ3枚、デッキブラシ、モップ、工具箱、スプレー缶、油性ペン、ソーイングセット、接着剤、ナイフを用意。この時、和葉は移った部屋にあった机の引き出しに古い写真が入っていた事を平次に伝える。それは16年前の埋蔵金発掘チームの写真だった。写真にはヘルメット姿の5人が写っていて、蘭は写真の中央にいる外国人がどこか肇に似ていると感じる。  和葉は何をやろうとしているのかを訊ね、コナンと平次はあの化け物をもう一度呼び出すと伝える。夜が明けるとトリックの再現は難しく、コナンたちは急いで準備に取り掛かる。朝4時、平次は鵺の正体がわかったと言って蘭、和葉、史絵、肇、殿輔、横溝警部をホテルの玄関前に集める。  この後、化け物が現れた時と同じように立て札が燃え出し、不気味な鳴き声が響き渡る。鳴き声はどんどん近づき、化け物が皆の前に現れる。化け物は大きく口を開けて吠え、和葉は姿を見せない平次に助けを求める。コナンと平次は皆の前に現れ、化け物の正体や康克、道貴の殺害トリック、誰が犯人なのかを暴いていく。今回の連続殺人事件は16年前の埋蔵金発掘チームの事故が関係していた…。

第31話
(875話)
不思議な予知仏像

 小五郎は不思議な仏像の謎を解くため、コナンと蘭を連れて山梨の山里にある方斗寺にやってくる。依頼したのは住職の福原栄鏡の妻、昌子と娘の由佳。本堂にある十一面観音は誰も触っていないのに勝手に横や後ろを向く事があり、仏像がそうなった後は必ず悪い事が起きるという。小五郎が仏像を見に行くと、仏像は後ろを向いていた。昌子と由佳はまた悪い事が起きるかもしれないと不安になる。  小五郎たちは本堂から繋がる福原家の母屋へ行き、栄鏡と息子の栄全の言い争いに遭遇する。栄鏡は檀家のお金を盗んだ栄全を非難。栄全は返せばいいんだろと悪態をついて去っていく。栄鏡の跡を継ぐために本山へ修行に行ったが、一ヵ月経たない内に逃げ出した栄全。以来、栄全は仕事もせずに悪い仲間と遊び歩いているという。この後、由佳は寺で修業する和田順光をコナンたちに紹介する。  夜、コナンたちが食事をしていると、栄鏡がやってくる。栄鏡は仏像を調べに来た小五郎の事を快く思っていなかった。栄鏡はお前たちの結婚式は6月にしたと由佳と順光に伝えて去っていく。コナンと昌子が食後に大福を食べていると、ゴーンと鐘の音が響く。由佳は本堂でお勤めしている栄鏡が戻ってこない事を心配して様子を見に行く。この後、本堂から由佳の悲鳴が聞こえてくる。コナンたちが駆け付けると、本尊前に座った栄鏡は向机に突っ伏して絶命。首筋にはナイフが突き刺さっていた。  コナンは向机の左側にある5センチ程の押された跡に目を留める。その跡の中程には小さな切り傷があった。さらにコナンは上を見上げ、装飾が施された黄金色に輝く天蓋の左側に何か付いている事に気付く。現場に到着した山梨県警の下川刑事、林刑事は捜査を始め、由佳は午後8時の鐘が鳴るまで全員揃っていたと証言。小五郎は外部から侵入した者の犯行と考えるが、鑑識官が調べても何者かが外部から侵入した痕跡はなかった。コナンは鑑識官に頼み、天蓋を調べてもらう。天蓋の左の内側にはセロハンテープが付いていた。この後、外出していた栄全が帰宅。栄全は栄鏡が殺害されたと知って驚く。  小五郎は栄鏡と言い争っていた栄全を犯人と疑う。だが、栄全はホステスの桜井マナミと会っていたと無実を訴える。コナンは本堂の横にある鐘楼を調べ、走り去るタヌキを目撃する。タヌキは近くの藪に住んでいて、昌子は夜になると餌をあげているという。この後、自動鐘つき機が作動して撞木が鐘をつく。続いて、コナンは藪の道へ行き、長くて細い糸を発見。糸の端には半分かじられたサラミが結びつけてあり、もう一方は藪の中に消えていた。コナンはこの糸を見て事件の真相に辿り着く。コナンはこの糸の事を小五郎に教え、小五郎は犯人が使ったトリックに気付く。小五郎は順光を犯人と特定し、観念した順光は自分が犯人と認めるが…。コナンはある事が引っかかって…。

第32話
(876話)
機械じかけの目撃者

 小五郎、コナン、蘭は社長の久須美境一に案内され、ロボットを作る久須美工機の工場内を見学する。コナンたちが2階の研究室に入ると、ネズミ型のロボットが出現。このネズミロボは社員の谷崎赳志が作ったものだった。社員の堀内史華と一色和臣はハイテク技術を駆使して悪戯グッズを作った谷崎を小馬鹿にする。この後、小五郎たちは3階の社長室へ移動。実は明星テクニクスにパーツを横流ししている社員がいて、小五郎は久須美から犯人の特定を依頼されていたのだ。  小五郎は谷崎が犯人だと久須美に報告し、谷崎が明星テクニクスの牧田と会っていた事を教える。夜、小五郎、コナン、蘭は情報漏洩犯を現行犯逮捕するため、工場1階に身を潜めて様子を窺う。明日は明星テクニクスで重要なプレゼンがある日。盗難は決まってプレゼンの前夜に行われていて、小五郎は犯人が今夜動くと考えていた。その時、階上からドン、ドンと音がする。小五郎は聞き耳を立てるが、それきり音はしなくなる。この後、ガスの臭いが漂ってきて、警報がけたたましく鳴り響く。  コナンたちが2階に上がると、廊下に堀内の姿。ガス漏れした物置き部屋のドアは内から鍵がかかっていた。そこに3階から久須美、1階から一色がやってくる。屈強な一色はドアに体当たりして部屋の中へ。部屋の窓の横にある給湯器の所では谷崎がうつ伏せの状態で絶命していた。久須美はドアを開け、コナンは久須美の足元に転がるネズミロボに目を留める。給湯器のガス管は折れていて、テープか布で塞ぐ事に。コナンは谷崎の作業着の背中に錆が付着している事に気付く。床には擦ったような直線の足跡があり、その先にある給湯器の一部は錆付き、給湯器の上の換気扇には血痕が付いていた。  この後、目暮警部、高木刑事たちが現場に到着。谷崎の死因はガス中毒ではなく、窒息死と判明する。遺体の首には絞められた痕、手のひらにはロープの痕が残っていた。窓の下の植え込みからは10メートル程のロープが発見される。このロープが凶器の可能性が高かった。小五郎は警報が鳴る前に争う音がしたと目暮に教える。谷崎の服のポケットからロボットのパーツが発見され、小五郎は盗もうとしたパーツと判断。小五郎は谷崎が外部の人間を工場に招き入れ、トラブルになって殺害されたと推理する。  目暮は事件当時のアリバイを確認。久須美は3階の社長室にいたと証言。堀内は2階の研究室にいて、一色は退社後、忘れ物に気付いて工場に戻ったところだったという。コナンは外に出て工場の裏手に回り、2階の窓と換気扇、3階の窓を確認する。そして、コナンは2階の窓から下に向かって黒い汚れがある事に気付く。コナンは物置き部屋に戻り、窓を開けて黒い汚れを調べる。続いて、コナンは研究室でロボットの設計図を見て全ての謎を解く。谷崎を殺害した犯人はネズミロボが知っていた…。

第33話
(877話)
交差する運命の二人

 目出し帽に赤いポロシャツ、ジーパン姿の鳥丸真也は奥米花の山の中腹にある大きな家で引き出しを漁り、記念コインを見つける。この時、傍らで気絶していた家主の老女、甲田由が目を覚まして泥棒と声を上げる。慌てた鳥丸は由の後頭部を殴り、再び気絶させて逃走する。山道を逃げる鳥丸は前方にいた元太を払い倒し、路面に頭を打った元太は起き上がって鳥丸を追いかける。この後、鳥丸は角を曲がった所で権野太郎に激突。2人は傍らの崖を転げ落ち、元太は2人に気付かずに駆け抜けていく。  元太は男を探し出すため、コナン、光彦、歩美、灰原に協力を求める。コナンたちは元太を突き飛ばした名無しの権兵衛をゴン太と呼ぶ事に。崖下で目を覚ました鳥丸は気絶した権野を見て名案を思い付く。鳥丸は自分より一回り小さい権野の服に着替え、代わりに権野に自分の服を着させる。鳥丸は権野を犯人に仕立て上げようと企んだのだ。高木刑事と千葉刑事は由の家に入った強盗の行方を追っていた。  高木たちはコナンたちと偶然会い、赤いポロシャツ、ジーパン姿の不審な男を見なかったかと訊ねる。犯人の特徴を聞いた元太はゴン太が強盗犯だと気付く。その頃、崖下の権野は意識を取り戻すが、頭を打って記憶を失っていた。権野は奥米花駅の方へ行き、記憶喪失になったと巡査に声をかける。巡査は権野の服を見て強盗犯と勘違い。権野は身に覚えがなかったが逃走し、この時、公務執行妨害罪、住居侵入罪など、色々な罪を犯す事に。コナンは巡査から話を聞き、権野の記憶喪失の原因が気になる。  この後、コナンたちが由の家へ行くと、目暮警部が由から話を聞いていた。目暮は痕跡から強盗は2人組と考えるが、由は1人だったと証言する。高木は野次馬の中にいる氏原益蔵に気付く。氏原は借金が返せないと脅して悪事を働かせるという黒い噂がある金融業者だった。コナンたちはゴン太の足取りを辿り、崖で人が転げ落ちた跡に気付く。コナンは崖下の痕跡から、曲がり角でゴン太ともう1人が激突し、2人とも崖下に転落したと推理する。コナンは巻き添えになった人が警察に被害届を出していない点、逃げるゴン太の服のサイズが合っていなかった事から、権野とぶつかった方が強盗犯だと考える。  コナンたちは真犯人Xを見つけるため、事件の黒幕の可能性が高い氏原に会いに行く。氏原金融があるのは米花駅前の雑居ビル。コナンはビル入口付近を清掃する清掃員の鳥丸が元太を見て表情を強張らせた事に気付き、鳥丸の顔や腕にある擦り傷に注目する。コナンたちはビルに入り、氏原を問い詰めに来た高木と会う。高木が権野の似顔絵を見せると、氏原は一瞬動揺するが、知らないと言い張る。光彦、元太、歩美は高木を廊下に引きずり出し、権野は巻き添えになった可哀そうな人だと説明。コナンは権野の似顔絵を見た時の氏原の反応、目暮の言葉を思い出し、この事件の真相に辿り着く…。

第34話
(878話)
試着室の死角(前編)

 コナンは蘭、園子、世良と共にデパートの水着売場にやってくる。蘭たちは水着を試着して大はしゃぎし、コナンは世良の水着姿を見て何かを思い出しそうになる。この後も蘭たちは水着の試着を繰り返し、コナンは玩具売り場へ行くと言ってその場を離れる。コナンが婦人服売場「シムサ」の前を通りかかると、客の二塚朝世が婦人服店員の南部玲亜と興奮気味に話しかけていた。  先週、この店の試着室で倒れ、医務室に運ばれた二塚。倒れた原因は犬アレルギーらしく、二塚は自分の前に試着室を使った犬の毛まみれだった客を探している事を南部に伝える。二塚が高飛車で、目つきが悪く、ド派手なネイルをしていたと客の特徴を説明していると、そこに女社長の指原律子が部下の八卷彩実を連れてやってくる。指原はその客は自分だと名乗り出て、二塚と険悪な雰囲気になる。  指原は二塚を小馬鹿にしたような発言を繰り返し、八卷は言い過ぎだと指原をなだめようとする。すると、指原は八卷が意見した事に憤慨。指原は借金を肩代わりし、自分の会社に入れてあげた恩を忘れたのかと八卷に言い放つ。南部は試着室は3つあるので、使う部屋を決めれば良いと提案。デパートの社長と知り合いという指原は私に指図する目障りな娘をクビにしてとに伝えておくと言って南部を不安にさせる。この後、指原は海外のパーティーで着る服を選び、コナンは関わらないようにその場を去る。  コナンが「シムサ」での話を蘭たちにすると、世良と園子が興味を持ち、様子を見に行く事になる。その時、「シムサ」から悲鳴が聞こえてくる。コナンたちが駆け付けると、人が亡くなっていると騒ぎになっていた。試着室は3つあり、右側に二塚、左側に八卷、中央の試着室の前に南部の姿。コナンたちが中央のカーテンを開けると、首にロープを巻かれた指原が絶命していて、首には吉川線が残っていた。  コナンは指原が不自然に左手を懐に入れている事に注目。懐から左手を出すと、左手は親指と人差し指が立っていて、隣を指差している形になっていた。コナンは遺体の右手が親指を握り込んでいる事にも気付く。指原のネイルした親指の爪先には口紅が付着していた。  この後、目暮警部、高木刑事たちが捜査を開始する。死因は頸部圧迫による窒息死。遺体の第一発見者は南部だった。右側の試着室にいた二塚は自分の前に誰かが試着室を使っていたと証言。試着室の前に白いサンダルが脱いであったという。だが、他の客は関わりたくないと帰っていて、手掛かりは遺体の右手と左手に残ったダイイングメッセージだけだった。遺体発見時、左手が差していたのは八卷がいた左側の更衣室。左手の指が数字の2を示していれば二塚、拳銃のニューナンブを示していれば南部が犯人というメッセージだったが…。右手のメッセージが何を伝えようとしているかは謎だった…。

第35話
(879話)
試着室の死角(後編)

 コナンと蘭、園子、世良が訪れたデパートで女社長の指原が何者かに絞殺される事件が発生。現場は婦人服売場にある真ん中の試着室で、指原は左手と右手にダイイングメッセージを残していた。店員の南部、客の二塚、指原の部下の八卷が容疑者として浮上。試着室は3つあり、右側に二塚、左側に八卷がいて、第一発見者は南部だった。二塚が入る前、右側の試着室前には白いサンダルがあったという。  目暮警部は南部、二塚、八卷を事情聴取する。目暮は試着室に入った順番を南部に確認。八卷、指原、二塚の順番で、八卷が左側の試着室に入る時にはすでに右側の試着室の前に白いサンダルが脱いであったという。世良は靴について南部に訊ね、南部は履いている黒いパンプスの他に通勤用の白いスニーカーがあると答える。次に高木刑事はカバンの中にあった箱について八卷に質問。八卷は指原の会社の新商品の香水と説明する。八卷は指原に指示され、デパートの社長にこの香水を渡すつもりだったという。  コナンは二塚が持っていた茶色いケースのようなモノについて訊ね、二塚は携帯用スリッパと答える。二塚がケースを取り、折り畳みスリッパにすると、コナンと世良はそれを見て何かに気付く。目暮はこのスリッパをうまく細工して白いサンダルに見せたと疑うが、二塚は形が全然違うと否定する。この後、鑑識官が試着室近くのゴミ箱からハサミ、セロハンテープのクズ、ストローとその切れ端を発見する。  コナンと世良は犯人の目星をつけるが、犯人が被害者に騒がれずに試着室に入った方法がわからずにいた。園子は被害者がフェイスカバーを付けていたと推理する。化粧が売り物の服につかないように被る使い捨てのフェイスカバー。これを被ると周りが見えづらくなるため、試着室に入る前に店員が渡す時もあれば、試着室に置いてある時もあるという。コナンと世良は蘭と園子からフェイスカバーの話を聞いて、犯人が使ったトリックを見破る。この後、コナンと世良は犯人が騒がれずに被害者を殺害したトリック、被害者が残したダイイングメッセージの意味などを暴いて犯人を追い込んでいく…。

第36話
(880話)
探偵団と幽霊館

 コナン、元太、光彦、歩美はキャンプにやってくる。コナンたちが灯台を見に行くと、急に土砂降りになり、近くにある大きな洋館で雨宿りさせてもらう。コナンたちはお手伝いの中年夫婦、吉本三郎、吉本ハナからタオルを借りて体を拭く。三郎はこの屋敷にいても良い事がないから、雨が上がったら帰った方が良いと忠告。家主である元社長の太田黒信輝はこの洋館に黄色がかった白い色の幽霊が出ると話しているという。その直後、2階の壁をサ~ッと黄色っぽい光が走る。  この後、コナンたちの前に居候の雨宮秀人が現れる。秀人は大学で化学を研究していて、叔父が家主の太田黒だった。太田黒が50年前に建てられたこの洋館を購入したのは5年前。太田黒がお化けが出ると言い出したのは約半月前から。2カ月前に妻の太田黒智恵子が他界し、太田黒は智恵子が霊になって訪ねてくると話しているという。足が悪くて車椅子に乗っていた智恵子。海岸に絵を描きに行った時、智恵子は3メートル程の崖下に落下して事故死したという。  コナンたちは太田黒、秀人とテーブルを囲み、夕飯をご馳走になる。コナンは智恵子の幽霊について訊ね、太田黒は夜10時頃に黄色い光が現れ、それが徐々に智恵子の姿になり、声も聞こえると答える。この後、太田黒は部屋に戻り、秀人は庭の実験室へ。去り際、秀人は部屋の薬品戸棚の前でビーカーを割ったので掃除してほしいとハナに頼む。コナンは光彦たちに促され、少年探偵団として、幽霊の謎を解明する事に。コナンたちが階段の下に来ると、2階の廊下にあった車椅子が音もなくスーッと動く。  コナンたちは2階に上がり、太田黒の部屋の前にやってくる。部屋からはぼそぼそと太田黒と女性の声が聞こえてくる。そして、勝手に開いたドアの隙間から中を覗くコナンたち。暗い部屋ではぼんやりした黄色い光がフワフワと動いていた。コナンたちは悲鳴を上げて逃げ出し、食堂にいる三郎とハナに幽霊が出たと教える。ハナをそれを聞いて激しく動揺する。元太、光彦、歩美が部屋で怯える中、コナンは玄関ホールへ行き、掃除機を持ったハナが秀人の部屋に入るのを見かける。  コナンは2階に上がり、勝手に動いた車椅子を調べ、ブレーキをかけてもタイヤが回る事に気付く。今度は背後の壁を見るコナン。そこは他の板壁とは違い、木製の格子を張った扉になっていた。取っ手を引っ張ると簡単に開き、コナンは幽霊騒動や智恵子の事故死の真相に近づく。コナンはハナが秀人の部屋を出た後、部屋の様子を見に行く。この後、コナンたちは太田黒、秀人と共に食堂で飲み物を飲む。この時、太田黒は紅茶を飲み、グフッと手で口を押える。コナンは太田黒の紅茶に何かを入れた犯人を見破り、智恵子の事故の真相や幽霊が現れた謎などを解き明かしていく…。

第37話
(881話)
さざ波の魔法使い(前編)

 コナンは蘭、園子、世良と国によって指を使った数の数え方が違うという話題を話す。この時、コナンは世良の発言を聞いて、過去の発言も思い返してみる。そして、コナンは世良が隠している留学先はイギリスと推理。この後、コナンは10年前の幼い工藤新一だった頃の記憶が次々に蘇ってくる。  10年前、渡米中の大学生、赤井秀一は一時帰国し、弟の羽田秀吉、妹の世良真純、母親のメアリーと海水浴に来ていた。秀一は秀吉と7年ぶりの再会、幼い真純とは初対面だった。秀一はメアリーと喧嘩になり、右目の下に痣を作っていた。この後、真純は全く笑わない秀一の笑顔が見たいと思い、あの手この手を使って秀一を笑わせようとする。真純は鼻や大きく広げた口いっぱいにフライドポテトを詰めるが、秀一は食べ物で遊ぶなと笑わずに注意する。そこに水着姿の工藤有希子がやってくる。  有希子は息子の新一と友達の蘭を捜していた。有希子はここに新一たちがいないとわかると、他の場所に捜しに行く。その直後、秀一たちの前に新一が現れる。新一は「バレバレだよ」と声をかけ、秀一をピエロだと推理する。新一がピエロと推理した理由を教えると、秀一は声を出して大笑いする。真純は笑わない秀一が笑った事に驚く。秀一は新一の推理がなかなか鋭い事を認めつつ、ピエロではない事を伝え、推理のミスを指摘する。秀一は何者かと訊ね、新一はシャーロックホームズの弟子だと答える。  そこに新一を捜していた蘭が現れる。蘭はまたホームズごっこをしていると呆れるが、新一はごっこじゃなく、名探偵になるための修行だと怒る。その時、屈強な男たちが新一を探してやってくる。新一は男たちが料理にハエを入れ、料金を踏み倒そうとした事を暴露。男たちは新一を逆恨みしたのだ。秀一は新一に乱暴しようとする男たちを追い返し、妹の真純の友達になってほしいと新一と蘭に頼む。  この後、車がガードレールをぶち破り、崖から海へと突っ込んでいく。秀一は海に飛び込み、沈む車の運転席から男を救出しようとするが、男は首が折れて即死の状態だった。秀一は後部座席にあるバッグに値札が付いた大量のブランド品の腕時計が入っている事に気付く。腕時計は全て10時10分を指していた。助手席のサイドウィンドウは開いていて、秀一は同乗者がいたと察する。  海から上がった秀一は海水浴客に紛れ込んだ可能性が高い同乗者を捜す事に。秀一は、ずぶ濡れで海の家にTシャツを買いに来た客がいないか調べてほしいと新一に頼み、蘭や真純にも別の指示を与える。新一は海の家の店員に聞き込みをし、店員は2、3人の客がTシャツを買いに来たが、顔まではわからないと答える。その時、海の家にいた秀吉はその客3人の顔を覚えていると名乗り出る。その頃、秀一は駆け付けた刑事と話をしていた。秀一は車に乗っていた人たちが何者かに気付いていた…。

第38話
(882話)
さざ波の魔法使い(後編)

 10年前、幼い工藤新一はひょんな事から海水浴に来ていた赤井秀一と弟の羽田秀吉、妹の世良真純、母親のメアリーと知り合う。この後、車が崖から海に落ちる事故が発生。秀一は海に沈む車から男を助けようとするが男は即死していた。この時、秀一は車内のバッグに値札が付いた大量のブランド品の腕時計が入っている事に気付く。腕時計は全て10時10分を指していた。秀一はこの車が事件に絡んでいると睨み、新一たちと共に海水浴客に紛れ込んだもう1人の乗客を捜す。  秀一は海に沈んだ車に同乗者がいた事を刑事に伝え、この近辺の時計を扱う店で強盗事件はなかったかと訊ねる。刑事が1時間くらい前に時計店に2人組の強盗が入ったと答えると、秀一は大量のブランド品の腕時計が入ったバッグの事を報告。秀一は事故を起こした車に乗っていた2人が強盗犯と考えていた。この後、新一と秀吉は車が落ちた後に海の家にTシャツを買いに来た3人の客を連れて来る。  1人目はTシャツ、海パンに腕時計をした福水繁克。太った福水は濡れた着衣を持っていた。2人目はTシャツの裾を前で絞り、パレオを身に着けた北森靖絵。ビーチサンダルを履いた北森も腕時計をしていた。3人目は星マークが付いたアロハシャツを着た大網頼哉。細身の大網は両腕に腕時計をはめていた。福水はTシャツと海パン、北森はビーチサンダル、大網はアロハシャツを海の家で購入したという。  刑事は3人から話を聞く事に。福水はゴムボートの上で彼女から結婚話を切り出され、煮え切らない態度をとったら海に落とされたと証言する。福水は服が濡れたためTシャツと海パンを購入し、怒った彼女は帰った可能性が高いという。北森は男漁りのために海に来たが、ビーチサンダルの鼻緒が切れたので、新しいのを購入したと証言。北森は財布だけ持ち、タクシーに乗って海まで来たという。大網はひと泳ぎしてシャワーを浴びている時に置き引きに遭ったと証言。バッグを盗まれ、仕方なくアロハシャツを買ったという。刑事は2つの腕時計について訊ね、大網は日本とNYの時間だと答える。  誰が強盗犯の仲間か知りたい工藤有希子はホテルにいる工藤優作に電話をして事情を説明する。優作は有希子が送ってきた容疑者3人の写真を見ただけで犯人の見当をつける。秀一もすでに3人の証言を聞いて誰が強盗犯の仲間かを見破っていた。有希子は一応3人の詳しい情報も優作に伝え、話を聞いた優作は写真を見て疑った人物が強盗犯で間違いないと確信する。この後、秀一は強盗犯の仲間を名指しし、事件を解決へと導く…。

第39話
(883話)
絵本から飛び出す爆弾魔(前編)

 毛利探偵事務所に宅配便が届く。入っていたのはゲラ刷りの立体絵本「チクタクじいじとみっつのとけい」とピンクのスマホだった。この時、テレビからニュースが流れ、先月閉店したパチンコ店「サンドキャッスル」が爆破された事が報じられる。コナンは砂の城を意味する店名を聞いてピンとくる。絵本に「ひとつめのとけいは、すなのおしろにとどけよう」と書かれていたのだ。コナンはこの絵本の内容と実際の爆破事件は何か関係があると推理する。  次のページには「ふたつめのとけいの届け先はなぞなぞだ。バス停で客が5人待っている。そこへ来たバスには客が3人乗っている。次のバス停で2人降り、また1人が乗った。次は終点、行き止まり。乗っているのは、さて何人?」と書かれ、答えのページは破られていた。その時、ピンクのスマホに「あと60分。8丁目?それとも3丁目?さて、爆弾はどっちでしょう?」という爆破予告のメールが届く。なぞなぞの引っ掛けに気付いたコナンは答えは3人と考え、爆弾は3丁目のバス停にあると推理する。  コナンたちは目暮警部らと3丁目のバス停で爆弾の捜索を開始。この時、目暮は犯人を爆弾魔、蛭川卓司と特定した事を明かす。5年前に爆弾事件を起こし、海外に逃亡した蛭川は密かに帰国していたらしく、パチンコ店の爆発現場から指紋が検出されたという。そこに出版社編集長の朝永博之が現れ、3日前に蛭川が「弟の遺品だから」と絵本を強引に奪った事を告白。絵本の作者、いまいけんいちは蛭川の腹違いの弟だった。いまいは新人絵本コンクールのグランプリ候補だったが、兄である蛭川の犯罪歴を暴露されてノミネート辞退を余儀なくされ、その直後に体調を崩して病死。ネットでは犯罪歴を暴いたのは探偵と噂になり、探偵を恨んだ蛭川は有名な探偵の小五郎を勝手に選んで事件に巻き込んだのだ。  警官はごみかごから時限爆弾を発見するが、その直後、ピンクのスマホに「走れ、走れ、名探偵!かけっこに勝ったのはどっち?ゴールのこうえんにとどけよう」というメールが届く。爆破時刻までは20分。走って20分以内に行ける青空噴水公園、フラワーガーデン・イソベ、金松公園の3つに答えは絞られる。コナンは引っ掛けに騙されず、正解の金松公園へ行って爆弾を発見。だが、タイマーは止まらず、爆破時刻が迫る。その時、小五郎は修理中のイソップ童話「ウサギとカメ」のオブジェに気付く。近くのマンホールのフタはズレていて、小五郎はそこに爆弾を投げ込む。小五郎たちは伏せて爆発に備えるが爆発は起こらない。小五郎は爆発せずに一安心するが、コナンは何かが引っ掛かっていた。ここで再びピンクのスマホに「ゲームはまだ終わらない」という次の爆破を示唆するメールが届く。蘭が絵本のページをめくると、そこには「さいごのとけいは、7のまんなかにとどけよう」と書かれていた…。

第40話
(884話)
絵本から飛び出す爆弾魔(後編)

 毛利探偵事務所に立体絵本「チクタクじいじとみっつのとけい」とピンクのスマホが届く。この絵本は連続爆弾事件の予告状だった。犯人は病死した絵本作者の腹違いの兄で、爆弾製造の前科がある蛭川だった。蛭川は探偵を恨んでいて、有名な探偵の小五郎を事件に巻き込んだのだ。爆弾を仕掛けた場所はなぞなぞになっていて、コナンは小五郎、目暮警部、出版社編集長の朝永らと爆弾を捜索。小五郎は2つ目の爆弾をマンホールに投げ込み、何とか爆発を回避するが、コナンは何かが引っ掛かっていた。  この後、ピンクのスマホに「ゲームはまだ終わらない」と次の爆破を示唆するメールが届く。絵本には「さいごのとけいは、7のまんなかにとどけよう」と書かれていた。なぞなぞの答えのページは破られていて、小五郎は答えを覚えていないか朝永に確認する。朝永は答えを知らなかったが、100%ハッピーエンドじゃないラストは覚えていると明かす。実は重い病気だったチクタクじいじが他界するという結末で、十年後、孫息子が跡を継いで立派な時計職人になったというエピローグが救いだという。  小五郎はこのラストは爆弾の手掛かりにならないと判断。コナンたちは7で表すものとその真ん中とは何かを考える。1週間なら木曜日、虹なら緑色、音階ならファだが、小五郎は対象が多すぎると頭を抱える。7の真ん中を表す木、緑、ファと関係する場所は数えきれない程あるが、目暮は諦めず、警視庁をあげて総動員で爆弾を捜索すると捜査方針を決める。この後、朝永は編集会議があると目暮に伝えてその場を去り、警察官たちは総動員で木、緑、ファがつく場所、会社、学校、施設の捜索に取り掛かる。  コナンはこれまではなぞなぞを使いながら、ちゃんと答えが1つに限定されていたのに今回は違う事が引っ掛かる。コナンは小五郎がマンホールに投げ込んで爆発しなかった爆弾の事も気になっていた。3つ目の爆弾の捜索に警察官を総動員しているため、この不発弾の捜索は中断されていた。この後、コナンは蛭川の本当の狙いは別にあると推理。コナンはこの推理が正しいかを確かめるため、蛭川の過去の犯行について目暮に訊ねる。過去に蛭川は金融機関の金庫を爆破したり、現金輸送車を爆破したりして、多額の現金を奪っていた。コナンは恨みが動機と思われる今回の犯行には裏があると確信する。  この後、3ヶ所から3つの時限爆弾が発見される。その頃、ある通りでは警官が現金輸送車を停車させていた。警官は変装した蛭川だった。蛭川が発信機のスイッチをオンにすると2つ目の爆弾が爆発。爆風のあおりを食って現金輸送車は横転する。2つ目の爆弾は下水道を流れて現金輸送車の下辺りにあったのだ。発見された3つの爆弾は爆発せずにダミーと判明。最初から蛭川の狙いは混乱に乗じて現金輸送車を襲う事だったのだ。この後、匿名の110番通報があり、蛭川のアジトが発見されるが…。

第41話
(885話)
謎解きは喫茶ポアロで(前編)

 大阪からやってきた平次と和葉は毛利探偵事務所を訪れ、錦座のイルミネーションを一緒に見に行こうと蘭とコナンを誘う。蘭と和葉が夕飯の仕度をしてから見に行く事になり、コナンと平次は時間をつぶすため、下の喫茶ポアロへ行く。コナンと平次、店員の安室が話をしていると、見知らぬ男性客が話に入ってくる。この後、コナンたちの隣の席を予約していた米花大学の大積明輔が来店する。  ソファ席にカバンを置いた後、大積は演劇サークルの仲間が来たら、先に始めるように伝えてほしいと店員の榎本梓に頼んでトイレへ行く。大積はお腹の調子が良くないという。間もなく、大積の仲間の山下唯、安斉典悟も来店。唯と大積は交際していて、唯と安斉は幼馴染みだった。安斉は大積がいないのを良い事に唯を抱き寄せる。唯はあの事は絶対に内緒にしてほしいと安斉に頼む。そこに仲間の永塚稔が遅れてやってくる。永塚は唯にちょっかいを出す安斉を快く思っていなかった。昨年、ポアロをモデルにした舞台をやった唯たち。セットを作るためにテーブルやイスの寸法まで測ったという。  この日は唯の誕生日会で、皆は唯のために作ったバースデー動画を見せ合う事に。安斉がノートPCのプラグをコンセントに差し込むと、火花が飛び散って店内が暗くなる。暗闇の中、梓はブレーカーを上げに行く。スイッチを入れると店内は明るくなり、大積もトイレから出てくる。コナンたちは店内を見て絶句する。床には背中を刺された安斉が倒れていて、その傍には凶器の長い刺身包丁が落ちていた。  安斉はまだ息があり、安室は救急車と警察を手配する。平次は犯人の手や袖口に返り血が付いていると推理するが、唯、大積、永塚、先ほど話した男性客の手に血は付いていなかった。事件を知らない和葉と蘭は先に2人でイルミネーションを見に行く事に。この後、目暮警部たちは捜査を開始。ショートの原因はプラグに巻かれていた細い針金と判明する。安斉は敵が多いタイプだが、代議士の父親が手を回して揉め事を丸く収めていたという。目暮はトイレにいた大積は返り血を洗い流せたと疑うが、安室は大積が停電までトイレから出てこなかったと証言する。誰がどこ席に座っていたかを知らない大積が安斉を狙うのは不可能。トイレの小窓は磨りガラスのため、店内の様子を見る事はできないのだ。  この後、高木は3人の持ち物を調べる。大積は鍵とタバコ、ライター、財布、スマホ、包装した唯へのプレゼントのネックレス、唯はハンカチとティッシュ、化粧道具、鍵、財布、永塚は目薬と財布、スマホ、包装した唯へのプレゼントの手袋を持っていた。永塚は停電後に外から犯人が刺しに来た可能性もあると考える。だが、先ほどの男性客は停電してから外に出た客はいなかったと証言。高木刑事は名前を訊ね、男性客は和田進一と名乗る。コナンは和田の名前に違和感を抱いて…。

第42話
(886話)
謎解きは喫茶ポアロで(後編)

 コナンと平次が喫茶ポアロにいると、隣の席に米花大学の大積、唯、安斉、永塚がやってくる。唯と大積は交際していて、唯と安斉は幼馴染みだという。この後、ブレーカーが落ちて店内が暗くなった間に安斉が長い刺身包丁で背中を刺される事件が発生。平次は犯人の手や袖口に返り血が付いていると推理するが、唯、大積、永塚、男性客の和田の手に血は付いていなかった。目暮警部はトイレにいた大積は返り血を洗い流せたと疑うが、皆が来る前にトイレに入り、停電まで出てこなかった大積が安斉を狙うのは不可能。トイレの小窓は磨りガラスのため、皆の座っている位置を確認できないのだ。この後、高木刑事は大積、唯、永塚の持ち物を調べるが、犯行に使えそうなものは見つからなかった。  平次は犯人がわかったかをコナンに確認。コナンはまだ犯人はわからないが、返り血を浴びないトリックは見破ったと答える。平次もこのトリックには気付いていた。だが、そのトリックを使える人物に犯行は不可能だった。コナンは安斉との本当の関係を唯に訊ねる。コナンは唯と安斉がただの幼馴染みではないと推理。コナンは2人の本当の関係が事件を解くカギになると考えるが、唯は誰かを守るための秘密だから言えないと教える事を拒否する。先に錦座のイルミネーションを見に行った和葉と蘭。平次は早く事件を解決して向かわないとイルミネーションが終わる時間になると焦る。  この後、和田は咳払いし、「秋風にたなびく雲のたえ間より もれ出づる月のかげのさやけさ」と唐突に百人一首の歌を詠みあげる。コナンと平次、安室はこの歌を聞き、同時にハッとなる。大積、唯、永塚は自分たちの中に犯人がいると疑われている事に納得できずに目暮たちに文句を言う。3人は返り血も浴びてないし、真っ暗の中で人を刺す事なんてできないと訴える。その時、平次は突然、先ほどの歌を詠い出す。コナンと平次、安室はこの左京大夫顕輔が詠った和歌をヒントに犯人、犯行を可能にしたトリックを見破っていた。平次は緻密に計算されたトリックを暴き、犯人を追い込んでいく…。


シーズン23

第01話
(887話)
怪盗キッドの絡繰箱(前編)

 鈴木次郎吉は幕末の絡繰師、三水吉右衛門が作った絡繰箱を開けてほしいと友寄公華から頼まれる。先日他界した夫は開ける方法が書かれた紙を何かの本に挟んでいたらしく、公華は寄贈する本の中からその紙を見つけてほしいと次郎吉に頼む。絡繰箱には遺品の世界最大の月長石、月の記憶(ルナ・メモリア)が入っているという。次郎吉は鈴木大図書館に月の記憶を展示するという怪盗キッドに向けたメッセージをマスコミに発表。月の記憶を拝むためには絡繰箱を開ける必要がある事も公表する。  コナン、阿笠博士、小五郎、蘭、園子、灰原は鈴木大図書館にやってくる。中森警部たちは外を警備し、キッドはすでに変装して機動隊員に混じっていた。阿笠、小五郎は闇雲に絡繰箱を開けようとして失敗。箱は下手にいじると針が出る仕掛けで、阿笠の手は絆創膏だらけになる。この後、皆の前に沖矢昴がやってくる。沖矢は阿笠から話を聞いた時は興味を示さなかったが気になって来てしまったという。  次郎吉は一般客にも絡繰箱を公開する。テーブルに展示した箱は自由に触る事ができるが、次郎吉がスイッチを入れるとテーブルの下の重量センサーが作動。誰かが入った時の増えた重さと出た時の重さが1グラムでも違ったら、円形の檻が落ちてくる仕組みになっていた。公華は箱を開けるとオルゴールが鳴ると皆に教える。コナンはどんな曲かを訊ね、公華は童謡だったと思うと答える。愛をもたらすと言われる月長石。小五郎は宝石を箱に隠した理由を訊ね、公華は夫がシャイだった事を明かす。  次郎吉はすでにキッドから予告メールが届いている事を皆に報告。沖矢はむやみに箱をいじるより、箱の開け方が書かれた紙が挟まっている本を見つける方が早いと判断するが、寄贈された本は1万冊もあった。次郎吉はすでにスタッフ総出で紙を探したが見つける事ができなかったという。生前、夫の外出時にこの紙を探したが見つける事はできなかった公華。小五郎は公華が普段読まない本に挟んであると睨む。皆は公華が読まないミステリーや怪奇小説を重点的に探す事に。その前に風邪の小五郎は咳止めの薬を飲むためにトイレに行き、阿笠も一緒に行く。コナンはキッドを警戒して2人についていく。次郎吉は5分以内に絡繰箱を開けたら100万円を進呈すると一般客にも協力を求める。  トイレから戻った小五郎は絡繰箱に挑戦。小五郎は重量センサーが作動するかを確認し、その時に絡繰箱が水に濡れてしまう。公華は箱の中に水が入る事を心配し、コナンは公華の反応を見て何かが引っかかる。この後、公華は沖矢の服から肉ジャガの匂いがする事に気付く。沖矢は来る前に肉ジャガを作っていたのだ。公華は肉ジャガが夫の大好物だった事を明かす。夫の母親から直々に教わったという。皆と話している時、コナンはキッドが傍にいる気配を感じる。キッドは誰かに変装して近くにいた…。

第02話
(888話)
怪盗キッドの絡繰箱(後編)

 次郎吉は幕末の絡繰師、三水吉右衛門が作った絡繰箱を開けてほしいと友寄公華から頼まれる。絡繰箱には他界した夫の遺品である世界最大の月長石、月の記憶(ルナ・メモリア)が入っていた。絡繰箱を開ける方法が書かれた紙は、次郎吉に寄贈した本1万冊の中の1冊に挟んであるという。次郎吉は怪盗キッドをおびき出すため、月の記憶が入った絡繰箱を展示。皆はその紙を手分けして見つける事に。  コナンはキッドが傍にいる気配を感じて警戒する。風邪を引いているのにトイレから戻った後は咳をしてない小五郎。沖矢昴は本を調べるよりも周りを気にしていた。そして、トイレにこもっている時間が長かった阿笠博士。コナンは怪しくないのは次郎吉と公華だけと考える。防犯装置のリモコンを持っている次郎吉に変装していたら、すでに絡繰箱をすり替えているはずだが、絡繰箱はすり替えられていなかった。公華は絡繰箱が濡れて慌てたが、変装したキッドだったら慌てる事はなかったはずだった。コナンはトイレから戻ってきた蘭と園子にも注目。過去にキッドは蘭と園子に変装した事もあるのだ。蘭は上の方にある本を取ろうとしてイスに乗る。蘭は頑張って背伸びをするが、上の方の本に手は届かない。阿笠は見かねて蘭が取ろうとした本を代わりに取ってあげる。  この後、公華は本を見つける参考になるかもしれないと言って学生時代の思い出を語る始める。学生時代、交換日記をしていた公華と夫。公華はその日記がとても不思議だったと打ち明ける。夫は左のページ、公華は右のページに書く約束をしていたが、その日あった事や夫に対する想いを書くと1ページでは納まらなかったという。夫が左のページに書けるように3ページ分びっしり書いたが、夫はいつも数行書くだけ。当時、公華は夫が筆不精だと思っていたという。だが、結婚したての頃、公華は交換日記を読み返し、見覚えのないページを発見。夫が2ページに渡って書き込んだ文章があったという。公華は日記はすぐに夫に取り上げられ、それ以来、日記を目にしていないと明かす。  公華の話を聞いたコナンは公華のこれまでの発言を思い出してハッとなる。変装したキッドはコナンの表情を見て、コナンが紙の在処、箱の本当の中身に気付いたと察する。コナンは皆に紙の在処がわかったと報告。コナンは皆が一生懸命探しているのに紙が見つからない理由にも気付いていた。コナンは公華の夫が見つからないように紙を本に隠したトリックを暴くが…。その時、展示室が突然停電する。キッドが動き出したのだ。コナンはキッドを捕まえるため、思考を巡らせるが…。

第03話
(889話)
新任教師の骸骨事件(前編)

 コナンが1年B組の教室で光彦、歩美、元太たちと話していると、担任の小林先生が若狭留美を連れてやってくる。若狭はB組の新しい副担任になったという。この日の5時間目は体育。若狭は昼休みの間にドッジボールのラインを引こうとするが、ライン引きの中に石灰がほとんど入ってなく、予備の石灰も倉庫にないと困っていた。コナンは古い倉庫に石灰があるかもしれないと教える。そこは閉じ込められて餓死した先生がいるという噂がある倉庫だった。  コナンたちは若狭が怖がっているため、一緒に古い倉庫に行ってあげる事に。コナンが倉庫の扉の取っ手を握った時、「それに触っちゃいけないよ」という男の声が聞こえたような気がする。この後、コナンたちは扉を開けて真っ暗な室内に入る。コナンたちはライトを照らして進み、歩美は古い時間割表を拾う。そして、コナンたちは地下への扉を見つける。取っ手の錆がはがれた跡は真新しく、コナンは最近誰かが開けた可能性があると考える。コナンたちは地下室への扉を開け、階段下の跳び箱の前で白骨遺体を発見。コナンは遺体の状態から10年くらい前に亡くなったものと推理する。遺体は右手に中国語のような文字が書かれたハチマキを握っていた。  コナンはこのハチマキを見て、小1の新一の頃を思い出す。小1の時、蘭はこの倉庫に結んであったハチマキを発見。新一がハチマキをほどこうとした時、「それに触っちゃいけないよ」と男に声をかけられる。その男は「恐ろしい魔物を封じ込めた魔封じのヒモ」と新一たちに説明していた。この後、白鳥警部たちが捜査を開始。白鳥は現場の状況から泥棒が石灰の袋を盗もうとして足を踏み外し、階段下の跳び箱に後頭部を強打して絶命したと推理。白鳥は事件性がないと判断する。校長はここに警察が来たのは10年ぶりと発言する。10年前、近所の資産家の家に4人組の強盗が入り、家主の資産家を殺害後、2億円相当の金塊を奪って逃走。同じ日の深夜、怪しい数人が帝丹小学校に入る姿が目撃され、警察が調べに来た事があったという。その強盗犯たちはまだ捕まっていなかった。  事件のために5時間目が自習になると、コナンたちはハチマキの暗号解読に取り掛かる。コナンはハチマキに書かれているのがスキュタレー暗号と気付く。棒に巻き付けると解読できる暗号だが、ハチマキは警察が持って行ってしまっていた。コナンは撮影していたハチマキの写真をプリントアウト。倉庫の扉の取っ手に巻きつけた事を想定して文字を読もうとするが簡単には解読できない。この後、コナンは若狭が誤って時間割を破ってしまった姿を見て、歩美が倉庫で拾った古い時間割表の事を思い出す。コナンはこれが時間割表ではなく、暗号の解読表だと気付いて…。

第04話
(890話)
新任教師の骸骨事件(後編)

 コナンたちの1年B組に副担任として若狭留美がやってくる。コナンたちは若狭と学校にある古い倉庫の地下室で白骨遺体を発見。遺体は10年くらい前に亡くなったものだった。コナンたちは遺体が握っていたハチマキに書かれた暗号の解読に取り掛かる。そして、コナンは歩美が倉庫で拾った古い時間割表に注目。コナンはこれが時間割表ではなく、暗号の解読表だと気付く。  コナンは解読表と照らし合わせて暗号を解読しようとする。だが、解読できたのは「すまほめう、そねあれた。えぶえむあ」という呪文のような言葉だった。若狭は他のクラスの先生から古い倉庫から石灰を取ってきてほしいと頼まれ、またコナンたちに一緒に行ってもらう事に。コナンはライトで倉庫内を照らし、室内が荒らされている事に気付く。それは鑑識が調べた跡ではなく、何かを探したような感じだった。哀は警察が引き上げた後に誰かが来たと考える。この事件がネットニュースで配信されたのは2時間前。コナンは何者かがネットニュースを見て、この倉庫に何かを探しに来たと推理する。  コナンたちは何者かが探している物を見つけるためには暗号を解く必要があると判断する。この後、コナンたちは倉庫の地下室も確認。地下室は荒らされた形跡がなかった。若狭は地下に続く扉を持ち上げながら「早く家に帰ってお酒を飲んで、グッスリ眠りたいわ」とボヤく。好きなウイスキーを飲めばエビス顔で寝られるという。コナンはウイスキー、エビスという言葉をヒントに暗号をどう解くかに気付く。コナンは4人組の強盗が近所の資産家の家に入り、家主の資産家を殺害後、2億円相当の金塊を奪って逃走した10年前の事件とこの暗号が関係していると確信する。  コナンは上にいる元太に石灰の事を聞かれ、地下にあるライン引きのフタを開ける。その時、倉庫の扉から3人の人影が中の様子を窺っていた。倉庫にいた哀は気配を感じて振り返るが、そこには誰もいなかった。哀は気のせいと考えるが、コナンは10年前の強盗犯の3人が様子を見に来たと推理。白骨遺体は暗号を残した強盗犯の残りの1人だったのだ。コナンは「ワケマエハ、ヨウイシタ。スグニコイ」と暗号を解読。白骨遺体はここを集合場所にしていた強盗犯のボスで、金塊をお金に換えて仲間の取り分を用意していたのだ。ボスは階段から落ちて事故死。強盗犯3人はこの倉庫に金があると思って探しに来た可能性が高かった。コナンは地下室にあったライン引きの石灰の中に隠されていた金を見つけていた。コナンは警察が本格的に動いたら強盗犯3人はここに近寄らないと考え、その前に強盗犯3人を一網打尽にする作戦を決行するが…。

第05話
(891話)
幕末維新ミステリーツアー(山口編)

 小五郎は倉田屋駒吉という謎の人物から家宝を譲り渡したいという手紙をもらい、コナン、蘭を連れて山口県にやってくる。小五郎たちはニュースサイト記者の夏目明日香と知り合い、観光地の香山公園、枕流亭に案内してもらう。小五郎は明日香から今後の予定を聞かれ、口止めされていたのに駒吉と約束があると答える。駒吉の名前を聞いた明日香は顔色を変えてその場を離れていく。この後、山口北署の鷲山伸人警部補と鶴見浩巡査部長が現れ、小五郎は連行されて取り調べを受ける事に。  鷹丈哲也警部は駒吉から家宝を受け取るのかと小五郎に確認。駒吉は1年前に起きた強盗事件の容疑者だった。1年前、犯人は古民家カフェ店主の宝田昭彦の腕に発砲し、時価数億円の慶長小判千両を盗んだという。鷹丈は小五郎を駒吉の仲間と疑っていた。そこに現れた明日香は通報したのは自分だと打ち明け、小五郎は関係ないと鷹丈に訴える。明日香は小五郎を事件に巻き込まれないように通報したのだ。  釈放された小五郎は明日香たちと観光施設の狐の足あとへ行く。この時、コナンは駒吉の名前で小五郎に手紙を出したのは明日香だと見破る。明日香は手紙を出した事を認め、すでに強盗事件で金属加工の技術開発の研究者、福原友一が逮捕された事を告白。駒吉を名乗る人物から長州藩の当時の武器を再現してほしいと依頼された福原。観賞用として作成するが、完成間際に盗まれ、実弾が撃てるように改造されたという。その拳銃が事件に使われ、福原は拳銃を密造したとして逮捕されたのだ。  明日香は犯人を捕まえるために小五郎に手紙を書いたと告白。明日香は萩にある福原の工場を取材してニュースサイトで紹介。犯人はそれを見て拳銃製造を依頼した可能性が高く、明日香は責任を感じていた。小五郎は自分が強盗犯を捕まえると明日香に約束。明日香は小五郎が調査に乗り出す事をニュースサイトで配信する事に。翌日、小五郎たちは古民家カフェの宝田を訪ね、宝田は犯人が映っているウェブカメラの映像を小五郎たちに見せる。犯人は奇兵隊を真似た格好をしていた。  この後、弁護士の藤木陽介が現れ、余計な事は止めてほしいと小五郎に忠告する。小判が盗まれた蔵に所蔵されている美術品、骨董品を地元に寄贈するというのが先代の遺言。藤木は捜査のために寄贈作業を中断したくないという。藤木は拳銃を所持する犯人に狙われる可能性もあると小五郎を脅す。コナンは事件の手掛かりは福原の工場もある萩にあると考える。この日、明日香は萩を取材していて、コナン、小五郎、蘭も萩に向かう。宝田は萩にいる明日香に電話し、藤木が小五郎を脅した事を教える。明日香と宝田は藤木を強盗犯と疑っていた。萩に到着後、壁の陰から拳銃の銃口が小五郎に向けられる。コナンが気付いて小五郎を助けるが、すでに小五郎は駒吉から命を狙われていた…。

第06話
(892話)
幕末維新ミステリーツアー(萩編)

 小五郎は倉田屋駒吉から家宝を譲り渡したいという手紙をもらい、コナン、蘭と山口県を訪れるが、強盗の仲間に間違われて警察の取り調べを受ける。駒吉は1年前に古民家カフェ店主、宝田の腕に発砲し、蔵から時価数億円の慶長小判千両を盗んだ強盗犯だった。ニュースサイト記者の明日香のおかげで、小五郎は釈放されるが、駒吉の名前で手紙を書いたのは明日香だった。明日香は小五郎に極秘で強盗事件の調査を依頼したかったという。小五郎は犯人を捕まえると明日香に約束。そして、小五郎はコナン、蘭と事件を調査するために萩を訪れ、犯人に拳銃で命を狙われる。  小五郎は明日香の身も危ないと考え、明日香を探しに行く。その時、鷹丈警部が現れ、小五郎を保護しようとする。隙を突いて逃げ出した小五郎は萩反射炉にいる明日香に連絡。だが、電話中に明日香は何者かにさらわれてしまう。小五郎たちは萩反射炉に行き、明日香のスマホを拾う。その時、明日香のスマホに宝田から着信が入る。宝田がテレビ電話をかけてきたのは自宅の車庫。背後には派手なスポーツカーが映っていた。小五郎は明日香が何者かに連れ去られた事を伝え、宝田は藤木弁護士が怪しいと訴える。明日香は駒吉の正体は藤木と疑っていて、藤木に何度か指月公園に呼び出された事もあるという。宝田は山口市の自宅から指月公園に向かうと小五郎に伝える。だが、車で1時間はかかるという。  小五郎たちは先に指月公園に行って明日香を捜す事に。移動中、コナンは藤木が話していた事を思い出してハッとなる。藤木は犯人が盗んだ小判を溶かして金の延べ棒にして売りさばいたかもしれないと話していた。コナンは犯人が明日香を金属溶解炉で溶かそうとしている可能性もあると推理。コナンは小五郎、蘭と別れ、鋳物工場へと急ぐ。この後、小五郎たちが乗るタクシーは小五郎を保護しようとする鷹丈が乗るパトカーとすれ違う。だが、ここは山口北署の管轄外で、小五郎は執拗に自分を保護しようとする鷹丈が駒吉かもしれないと警戒する。  この後、コナンは鋳物工場に行き、ロープで手足を縛られた明日香を発見。ベルトコンベアに載せられた明日香は金属溶解炉に迫っていた。コナンは溶解炉に落ちそうになりながらも明日香を救出。コナンは蘭に連絡して明日香の無事を報告。小五郎はその間に蘭をタクシーに残して1人で指月公園に行く。そして、小五郎は藤木とそこに向かって歩いていく鷹丈を見つけて2人がグルだと勘繰る。小五郎が様子を窺うために藤木の方に近づくと銃声が響き、小五郎の足元に着弾する。その直後、拳銃を手にした鷹丈が茂みから現れ、小五郎にゆっくり近づいていく。鷹丈は小五郎に向けて拳銃を発砲して…。

第07話
(893話)
星付きレストランの謎

 小五郎はコナン、蘭を連れ、湖畔にあるクッチーナ・エイゴにやってくる。口石英吾がオーナーシェフを務めるこのお店は予約が取れない程、大人気のレストランだった。夕方、小五郎たちが入店すると、テーブルの1つには始まったばかりらしい5人分のディナーが供されていた。だが、肝心の客たちの姿はなく、置かれたスマホには男女5人が別の場所でパーティーをしている姿が映っていた。コナンは19世紀に起きた有名な未解決事件、メアリー・セレスト号事件と状況が似ていると感じる。  この後、コナンたちはカウンターの中で頭から血を流して倒れている口石を発見。小五郎が消えた客の事を訊ねると、口石は裏口を指し示す。裏口のドアには「呪」と書かれた紙が貼られ、裏口からは5人の足跡が10m先の湖に続いていた。この後、目暮警部たちが捜査を開始。口石は昨日、恩田交易から予約があったと証言。1時間前に来店したのは役員の加納幸三と江国光代、社員の佐原徳郎、 池谷一樹、真中香織と判明する。口石はオードブルやスープを出した後、調理中に背後から殴られたと証言。口石は意識を失う前、ドアに紙が貼られ、5人が出ていく姿がぼんやり見えたという。  コナンはテーブルを見て、オードブルの最中なのに1人だけデザートを食べていた事に気付く。コナンは他にも現場の状況にいろいろと違和感を抱く。この後、恩田交易が3年前に会社ぐるみで貴金属の密輸を行っていた容疑で捜査を受けていた事が判明。重役の口石兄吾は「全て自分が1人でやった」という遺書を残して自ら命を絶ったという。コナンたちはシェフの口石と名字が同じ事に驚く。蘭はスマホを見て、店のブログに「呪」の紙がアップされている事に気付く。口石はいつの間にか姿を消し、キッチンの冷蔵庫には同じ「呪」の紙が貼られていた。目暮は朝まで待たずに湖の捜索を始める事に。  コナンは2枚の「呪」という貼紙の裏を見てハッとなる。2枚の裏に書かれた幾何学模様のような線を重ねると地図になるのだ。コナンは地図を見ながら高木と山あいの道を進み、口石が所有する倉庫を見つける。そして、コナンたちは倉庫の中で縛られた5人を発見。5人は靴を履いておらず、コナンは湖に続く足跡は口石がつけたと推理する。コナンは口石が殴られた頭のケガも自作自演と睨んでいた。  翌朝、恩田交易社長の恩田輝明は貸金庫サービスにやってくる。そこで待ち伏せしていたのはナイフを手にした口石だった。恩田は口石が3年前に密輸の罪を被って自ら命を絶った兄吾の息子だと察する。そこに小五郎と目暮がやってくる。救出した5人からこの貸金庫サービスの場所を聞き出し、高木を介して小五郎たちをここへ誘導したのはコナンだった。この後、コナンは物陰から小五郎に向けて麻酔銃を発射。眠りの小五郎の推理ショーが始まり、今回の謎めいた事件の全容が明らかになる。

第08話
(894話)
となりの江戸前推理ショー(前編)

 小五郎は事務所で競馬中継を見ていたが、賭けたレース全てを外して落ち込む。この日は色々とついていない事があって散々だったと愚痴る小五郎。場外馬券場に行った時、路上で誰かとぶつかり、財布を落として路上に小銭が散乱したという。挙句の果てに財布が落ちたのは水溜まり。中に入っていた馬券もびしょ濡れになったという。コナンは財布に入っていた第9レースの馬券を確認して当たっている事に気付く。1万円購入して100倍のため、100万円の万馬券だった。だが、小五郎がこの馬券を買った覚えがなく、コナンは小五郎が財布を落とした時、誰かの馬券を拾って財布に入れたと推理する。  落とした方が悪いと開き直った小五郎は万馬券を手に入れて上機嫌。小五郎はコナン、蘭を連れて米花いろは寿司に行き、気前よくにぎりの特上3つを注文する。店内には客がおらず、小五郎たちが最初の客だった。左目に眼帯をした板前の脇田兼則はミステリーファンらしく、事件の話を聞きたいと小五郎に頼む。この後、客の原島常貴が来店し、コナンたちの奥のテーブル席に座る。原島はにぎりの上と茶碗蒸し、コーラを注文し、ガリを多めに欲しいと付け加える。原島は注文を終えるとトイレに行く。  次に来店した宗近為重はにぎりの並とウーロン茶、焼き魚のニシンを注文する。続いて、芦野捺芽が雨の文句を言いながら来店。芦野は店の常連だったが、馴染みの店員は交通事故で入院していた。芦野はハイボールと海鮮ちらし、ウニ、イクラを注文し、ワサビたっぷりと付け加える。この後、小五郎がお会計しようとした時、聖沢鈴代がすごい形相をして店にやってくる。聖沢は「私のポーチを盗んだのは誰よ」と皆に聞いた後、トイレを確認。聖沢の推理通り、トイレのゴミ箱にはポーチが捨ててあった。  聖沢は電車の中でポーチをスラれた事を告白。ポーチには財布、スマホが入っていて、スマホのGPSで犯人がこの店にいると突き止めたという。ポーチを盗まれたのは1時間前。リンゴの皮をむいている時に親指を切り、バンソウコウを貼っても血が滲んでいたという聖沢はポーチを奪われた時、犯人のシャツの袖を掴んで血を付けたと明かす。聖沢は袖に血がついている人が犯人だと断言して皆のシャツの袖を確認する。だが、芦野、宗近、原島のシャツの袖に血の痕はなかった。  聖沢は財布のお金は無事だが、100万円の万馬券が盗まれたと明かす。聖沢は電車の中で万馬券が当たったと友達と話して犯人に狙われたという。この後、3人のシャツの袖が濡れている事が判明。聖沢はトイレの水で血を洗い流したと疑う。3人はトイレに行っていたが、原島と宗近は手を洗った時に濡れたと反論し、芦野は雨で濡れたと証言する。蘭は小五郎が拾った万馬券は犯人が落とした万馬券かもしれないと疑う。ミステリー好きの脇田はどっちが先にスリを見つけるか勝負しようと小五郎に提案して…

第09話
(895話)
となりの江戸前推理ショー(後編)

 小五郎は100万円の万馬券を拾い、コナン、蘭を連れて米花いろは寿司に行き、ミステリーファンの板前、脇田は小五郎の来店を喜ぶ。客の原島、宗近、芦野が別々に来店後、聖沢が店にやってきて、この中の誰かにポーチを盗まれたと激怒。電車の中でポーチをスラれ、ポーチの中のスマホのGPSで犯人がこの店にいると突き止めたという。聖沢は電車の中で100万円の万馬券が当たったと友達と話して犯人に狙われたという。聖沢は手の指をケガしていて、ポーチを奪われた時、犯人のシャツの袖を掴んで血を付けたという。だが、芦野、宗近、原島のシャツの袖に血の痕はなかった。  用事があると言って早く店から帰ろうとする原島、宗近、芦野。原島は見たいドラマがあり、宗近は妻の両親と飲む約束があるという。芦野はネットオークションで買いたい絵画があり、オークション終了時間前に帰宅したいと説明する。3人は事件解決に協力して、もう少し店にいる代わりに追加の注文をサービスしてほしいと脇田に頼む。そして、芦野はワサビ、宗近は焼き魚につける大根おろし、原島はガリを追加注文する。コナンは寿司屋のトイレにポーチを捨てた事に意味があるのか考える。  聖沢は小五郎にも袖口を見せてほしいと要求。聖沢は小五郎も容疑者の1人と考えていた。小五郎が袖を捲り、シャツを出すと、袖口にシミがある事が発覚。聖沢が疑いの眼差しを向けると、小五郎はこぼした醤油のシミだと大慌てになって言い訳する。犯人と名乗り出る者もなく、聖沢は電車の中で私のポーチを盗んだのは誰か白状してと訴える。原島は電車に乗らずに店までは歩いてきたと証言。宗近は満員電車が苦手なのでバスで来たと話し、芦野は会社からタクシーでここまで来たと明かす。  聖沢は白状すれば許してあげたが、こうなったら警察を呼ぶと激怒。コナンは聖沢の言葉をヒントに犯人が血の痕を消したトリックを見破る。脇田は警察を呼ぶ必要はないと聖沢に伝える。脇田はすでに誰が犯人かわかっているという。聖沢が袖口に血がついていない謎も解いたのかと確認すると、脇田は生姜の話を語り始める。生姜はタンパク質を分解する力があり、服についた血がなかなか落ちないのは血にも入っているタンパク質が服の繊維にこびりついているからだと説明。脇田は生姜を甘酢につけて薄切りにしたガリを多めに注文した原島が犯人と推理する。  脇田は原島が見たいドラマがある事を理由に帰りたいと言ったのもおかしいと指摘。歩いて帰れる距離に自宅がある原島が帰宅した頃にやっているテレビ番組はアニメか子供番組だけなのだ。原島は子供番組の仮面ヤイバーが見たかったと訴える。原島は100万円も万馬券もないから持ち物検査をしても良いと身の潔白を主張。すると蘭は万馬券を持っている人を知っていると打ち明けて…。

第10話
(896話)
白い手の女(前編)

 早朝、プロゴルファーの伴野貞悟は海外ツアー挑戦のため、彼女の飯山来美に別れ話を切り出す。来美は慰謝料1億円を要求し、伴野は夜に食事しながら改めて話そうと頼む。約束は午後6時30分で、伴野は料理を仕度しておくと伝える。隣に住む帝丹小1年B組の副担任、若狭先生は登校時に2人の会話を偶然聞く。コナンたちは学校で一休さんの劇の練習をする。若狭は屏風にバケツの水をかけてしまい、帰宅して屏風に絵を描き直す事に。コナン、元太、光彦、歩美、哀も手伝うために若狭についていく。  若狭の部屋に入る時、コナンたちは伴野の部屋のチャイムを鳴らす帽子にサングラスの厚化粧の女性を見かける。絵を描き終えた後、伴野の部屋から大音量の音楽が聞こえてきて、元太たちは文句を言いに行く。返事がないため、元太はドアを開けて部屋に入り、リビングにあるステレオのコンセントを抜く。この時、元太は部屋の異変に気付く。コナンたちも部屋に入ると、そこでは来美と伴野が倒れていた。歩美が悲鳴を上げると、伴野は目を覚ます。伴野は頭部を殴打されて絶命した横の来美に驚く。  伴野の右頬には赤い文字で「愛してる」と書かれていて、床には2枚のインスタント写真。1枚は気を失った伴野と来美の写真で、もう1枚には文字が書かれた伴野の頬と女性の白い手が写っていた。この後、駆け付けた目暮警部たちは伴野から事情聴取する。伴野は夕方、妙な女が訪ねてきて、ドアを開けた途端にスタンガンをやられて気絶したと証言。気が付くと子供たちがいて、横に絶命した来美がいたという。伴野は来美が何も知らずに部屋に入ってきて、妙な女に殺害されたと考える。  伴野は右頬の文字は気絶後に書かれたと証言。哀は自分の手にファンデーションを塗り、彼女と見せかけて自撮りするトリック写真と同じ要領で撮ったと勘繰るが、伴野は右手が頭の後ろに写っていると訴える。光彦は来美に書かせたと疑うが、伴野は来美の字じゃないと反論し、もう1枚の写真には文字が書かれる前の気絶した2人が写っていると訴える。伴野は襲ってきた女性の特徴はツバの広い帽子にサングラスをかけた化粧の濃い女だと証言。それはコナンたちが先ほど見かけた女性だった。  伴野はその女性をファンと推理。初優勝し、写真集を出した後、妙なファンが増えたという。この後、元太がクリアファイルを入れた棚を触ると伴野は触るなと激怒する。目暮は来美が家に来た理由を確認。伴野は遊びに来ただけと答えるが、若狭は別れ話だと訴える。若狭は今朝、2人が別れ話をしていた事、伴野がご飯を作ると話していた事などを目暮に教える。コナンが料理を作る準備をしていないと指摘すると、伴野は食材を買い出しに行く前に襲われたと言い訳する。この後、哀は元太の右手から化粧品の匂いがする事に気付く。コナンはすでに来美を殺害した犯人は伴野だと確信していて…。

第11話
(897話)
白い手の女(後編)

 若狭先生の隣りに住むプロゴルファーの伴野の部屋で事件が発生。伴野の恋人の来美が殺害されたのだ。来美は別れ話を切り出した伴野に慰謝料1億円を要求していた。来美の横で気絶していた伴野の右頬には「愛してる」という赤い文字。伴野は右頬の文字は気絶した後に書かれたと証言し、ツバの広い帽子にサングラスをかけた化粧の濃い妙な女に襲われたと訴える。床に置かれたインスタント写真2枚も妙な女が存在した事を証明していた。だが、コナンは来美を殺害した犯人は伴野だと確信する。  コナンは伴野が犯人と元太たちに伝えるが、光彦は妙な女が書いた「愛してる」の文字の謎がわからないと訴える。自分で自分の顔にキレイな文字を書く事は不可能に近いのだ。この後、コナンは若狭の部屋で今朝買い物したコンビニのレシートを発見。コナンが今朝遅刻した理由を訊ねると、若狭は冷蔵庫が空っぽと気付いて慌ててコンビニに買いに行ったために遅刻した事を明かす。  聞き込みをしていた高木刑事は数人のマンション住人が妙な女を目撃した事を目暮警部に報告する。エレベーターの防犯カメラにも妙な女が昇り降りを何度も繰り返す姿が映っていた。来美を殺害した凶器は伴野のゴルフバックに入っていた5番アイアンと判明。来美のバッグからはインスタント写真を写したカメラ、伴野の頬に文字を書いた水性ペンも発見される。どれにも犯人らしき指紋は残っていなかった。目暮と高木は伴野の熱狂的ファンの犯行として捜査を進め、伴野の事務所に届いたファンレターの中から頬に書いた文字と同じ筆跡のファンがいないか確かめる事に。  コナンは熱狂的ファンではなく、伴野が犯人で間違いない事を改めて光彦たちに伝える。コナンは伴野と会って異様な点2つに気付いていた。だが、コナンは伴野が自分の顔に文字を書いたトリックはまだ解けずにいた。哀はスマホ画面を鏡のように使い、自分の顔に文字が書けるか検証するが失敗。哀は誤って油性マジックを使い、文字が消せなくなる。元太は疲れて虎の絵の上で寝てしまう。この時、寝汗で虎の絵の絵具が溶けて元太の頬に付着。コナンは哀と元太の言動から事件の真相に近づく。  高木は伴野に届いた今月分のファンレター50通に目を通すが、該当する筆跡の人物は見当たらない。この後、伴野は次のゴルフツアーの事を話し合いたいと言って事務所に行こうとする。目暮は恋人が殺害されたのにツアーの相談に行こうとする伴野に呆れる。伴野は女を見つけてくれと目暮に言って部屋を後にしようとするが、コナンは見つかるわけがないと声をかける。続けて、コナンはあの女の人は伴野だと目暮たちに教え、頬に字を書いたトリックや事件の真相を解き明かしていく。

第12話
(898話)
ケーキが溶けた!

 コナンは小五郎、蘭と喫茶ポアロにモーニングを食べに行く。注文後、小五郎は間もなく開催される東京サミットの新聞記事を読み、蘭はケーキ専用の小型冷蔵庫に目を留める。蘭は安室透の特製ケーキを食べた事があり、とてもおいしいと絶賛する。この時、冷蔵庫の裏にある電気ケトルが電子音を発して蒸気を噴く。梓はケトルの熱湯をまな板にかけて除菌をする。このケトルはインターネットに接続できるIOT家電。梓は家を出る時にスマホで操作してケトルのお湯を沸かしているという。  安室は小型冷蔵庫の中を見て「まただ」と落胆する。冷蔵庫の上下2段に置かれたホールケーキはどちらも形が崩れていた。冷蔵庫のケーキが型崩れした事は何度もあったが原因は不明だった。安室は解決策を考える事に。この後、阿笠博士の家にいる光彦、元太、歩美がDBバッジでコナンに連絡してくる。これから阿笠が作ったドローンを飛ばすらしく、光彦は早く阿笠の家に来てとコナンに伝える。だが、その直後にコントローラーに触れていないのにドローンのローターが回転。ドローンはあらぬ方向に飛んでいって壁に衝突する。ドローンを修理するため、飛ばすのは中止になる。  光彦、元太、歩美はコナンがポアロでケーキを食べていると知って店にやってくるが、ケーキがもうないという事実に落胆。梓は冷蔵庫の修理を業者に頼むが、点検した業者は壊れていないと伝える。歩美は商店街に安室のケーキにそっくりのケーキを販売するお店がある事をコナンに教える。コナンたちはこのケーキを購入して試食するが、味は安室のケーキの方が断然おいしかった。元太はこのケーキ屋の店主が夜中にライバルのポアロに来てケーキを壊していると推理する。コナンは元太の推理は違うと思いつつも皆のために店の外にカメラを設置し、店内を撮影する事に。  撮影したのは閉店後から朝まで。だが、映像を確認しても特に不審な点はなく、この日はケーキも型崩れしていなかった。梓によれば、ケーキが崩れるのは大体3日に2日。それも定期的ではないという。翌日以降も外から店内の撮影を続けたコナン。そして、3日の内2日だけ深夜に不意に窓が曇り、十数秒だけ店内が見えなくなる事に気付く。梓に確認すると、その2日はどちらもケーキが崩れた日で、コナンは店内が映らなくなった十数秒の間に何かが起きた可能性が高いと考える。  お店には鍵がかかっていて、壊された形跡もなし。歩美は鍵を持っている人が怪しいと考え、梓は自分が疑われていると思って困惑する。元太は録画映像を見て、店内が見えなくなった時、窓ガラスに何かが映っている事に気付く。ケーキが壊れた2日とも映っていたのは車だった。コナンたちは博士に映像の解析を頼み、2日とも同じタクシーが映っていると判明。コナンはケーキを壊した犯人に気付いて…。

第13話
(899話)
真犯人の叫び声

 日曜の朝、佐伯綾乃が森田美冬の自宅マンションを訪ねると、部屋の中から窓ガラスが割れる音、「やめて、田端さん」という声が聞こえてくる。綾乃は部屋に入り、リビングに倒れた美冬を発見。美冬は胸から血を流し、床には血の付いたナイフが落ちていた。美冬は「田端さんが…。早く逃げて」と言って絶命。その時、ベランダからガシャーンと物音が聞こえ、綾乃は恐怖を感じて部屋の外に飛び出す。  綾乃はマンション前を通りかかった小五郎、コナンに事情を説明。コナンたちは部屋に向かうが、すでに遺体は消えていて、現場には男の足跡が残っていた。この後、目暮警部、高木刑事たちが捜査を開始する。綾乃と美冬は駅前のベーカリーで一緒に働く友達同士。今日は美冬に誘われて部屋に来たという。田端敦司は美冬の交際相手だった。綾乃は美冬がベーカリーカフェを開くために貯めた1千万円を田端に騙し取られた事を小五郎たちに打ち明ける。田端は他の女性からもお金を騙し取っていた。  小五郎は田端が口封じのために美冬を殺害したと推理する。ナイフと床に付着した血液がB型と判明。美冬の血液型もB型だった。コナンは美冬の部屋のゴミ箱から「293」と書かれたメモ用紙を発見。コナンは割れた窓ガラスの破片がベランダに散らばっている事にも注目する。ベランダには部屋の中にあったのと同じ男の足跡が残っていた。コナンは綾乃が訪ねてきた時、犯人はベランダに身を潜めていたと考える。エアコンの室外機の上には何かが置かれていた跡があり、わずかに茶色い粉が落ちていた。コナンはこの粉の正体を突き止めるため、部屋の中を調べる。  綾乃は部屋の押し入れから美冬の大きなキャリーバッグが無くなっている事に気付く。小五郎は犯人がこのバッグに遺体を入れて外に運び出したと推理する。この後、コナンは小五郎、目暮たちと田端の自宅にやってくる。玄関に置かれた靴には血痕が付着。小五郎は靴底を調べ、美冬の部屋にあった足跡と同じと確信する。コナンたちは自宅に上がり、テーブルに突っ伏して絶命した田端を発見する。田端の口からは青酸性の毒物の匂いがして、テーブルには飲みかけのコーヒーと遺書らしき手書きのメモ。そこには「美冬のところにいきます 田端」と書かれていた。  小五郎たちは美冬を殺害した事を後悔して自ら命を絶ったと推理する。高木は大きなキャリーバッグを発見するが、中に遺体はなく、美冬のものらしき髪の毛が1本残っているだけだった。小五郎は自宅に戻るまでにどこかに遺体を遺棄したと考える。コナンは田端が来客用のティーセットを使っていた事が引っかかる。調理台には普段使っていると思われるマグカップがあったのだ。コナンは田端は1人じゃなかったと推理していた。この後、コナンはキッチンの流し台を調べ、事件の真相に近づくが…。

第14話
(900話)
密室の謎解きショウ

 廃研究所に小五郎、コナン、不動産屋社長の東東一郎、秘書の河西治彦、事務員の末松末子が集まる。東は殺害予告をされ、犯人を見つけて欲しいと小五郎に依頼。廃研究所には犯人と疑われている会社員の山南弁吉、自動車修理工の北尾充、ウエイトレスの弔加奈も呼び出されていた。小五郎は3人を調査した内容を東に報告。自宅の土地を売れと東から迫られていた山南。先日、反対していた妻が事故で亡くなり、山南は土地を手放す事にしたが、東に妻を殺害された可能性もあると気付いたという。北尾は父親が遺してくれたはずの土地を東に奪われ、加奈の父親は先祖代々の土地を東に騙し取られて自ら命を絶ったという。3人はそれぞれ東に恨みを持っていた。  そして、実際に東は目出し帽を被り、包丁を持った何者かに襲われて片腕を切られたのだ。小五郎は近くの防犯カメラを調べ、犯人が映っていた事を明かす。小五郎は末子から話を聞き、犯行の背景もわかったという。東の右腕として違法行為を重ねてきた河西。だが、事情が変わり、河西の最愛の妹が一流銀行への就職が内定したという。今までの悪事が露見すれば妹の内定も取り消しになるため、河西は裏の顔を知る東を葬ろうとしたのだ。防犯カメラには目出し帽を被り、包丁を持った河西が映っていた。  小五郎は河西が犯人と考えていたが、コナンは推理に間違いがあるため、小五郎に向けて麻酔銃を発射。コナンは眠りの小五郎として事件の真相に迫る。コナンは東を襲ったのは河西に間違いないが、妹を守りたかったら東を殺害しろと河西を脅迫した黒幕がいると皆に教える。そして、コナンはその黒幕は山南だと断言。山南が持っているボールペンは河西のもの。昨晩、山南は河西を脅した時、河西が落としたボールペンを拾ったのだ。  追い込まれた河西は観念するが、山南は腹に巻いていたダイナマイトの束にライターで火をつけようとする。コナンが思わず狼狽えた声を出すと、皆は一斉に笑い出す。コナンは意味がわからずに茫然となる。すると、東は何もかもウソだと告白。末子は「ビックリカメラ大成功! 日売テレビ」というプラカードを持ってくる。デタラメな探偵依頼で犯人に辿り着かせ、その犯人が自爆しようとしたら名探偵の小五郎はどんな顔をするかを撮影するためのドッキリだったのだ。東たちは全員が仕掛け人だった。  ドッキリは終わり、皆は撤収作業に取り掛かるが、末子は建物の扉が開かない事に気付き、山南はダイナマイトが外れないと困惑する。状況がわからずに皆が動揺していると、加奈は「ここからが本当の本番の始まりなのよ」と拳銃を小五郎に向ける。加奈はドッキリカメラの収録自体がウソだと言い放ち、小五郎を処刑するために全て仕組んだと明かす。状況を飲み込んだコナンは加奈の動機を探るが…。

第15話
(901話)
妃弁護士SOS(前編)

 小五郎と蘭、コナンが映画を観に行こうとすると、蘭のスマホに妃英理からメッセージアプリで連絡が来る。すでに英理のアイコンは登録していたが、蘭は面白がって新たな英理のアイコンも同じグループに入れる。メッセージは「悪い奴らに捕まっている。警察に連絡して」という内容だった。英理は自分がいる場所がわからず、事務所に置き去りの栗山が心配だという。  小五郎は英理が事務所から何者かにさらわれたと察する。だが、その直後、すでに登録していた英理のアイコンから「ウソウソ!冗談よ!」というメッセージが届く。小五郎はいつもの英理のアイコンが偽者で、アイコン設定なしが本物の英理と推理する。この後、いつもの英理のアイコンも設定なしに変更され、どちらのメッセージが本物の英理かわからなくなる。  2時間前、妃英理被害者の会と名乗る男3人が英理の事務所を襲撃。男たちはスタンガンで英理と栗山を襲い、気を失った英理はスーツケースに押し込められて拉致されたのだ。男たちは英理を車に乗せ、廃ビルに連れて行く。到着後、英理は一瞬の隙に突き、男の1人からスマホを奪って逃走する。廃ビルはシャッター、ドアが閉まっていて、英理はビル4階に移動し、引き出しのロッカーの中に身を潜める。  英理は声が出せないため、警察への電話は断念。英理はメッセージアプリを使って蘭に助けを求める事に。男の1人は英理のスマホを見て、英理が娘と連絡している事に気付く。男は英理のフリをしてチャットに参加。途中からアイコンも英理に合わせて未設定に変更する。コナンはこのままチャットを続ければ、偽者がボロを出して英理の居場所がわかるかもしれないと考える。小五郎はどちらが本物の英理かわからないと頭を抱えるが、コナンはどちらが本物かわかると教える。弁護士は書類を横書きする時、読点を「、」ではなく「,」を使うため、コナンは「,」を使っている方が英理だと見破る。最初の助けを求めるメッセージが本物とわかり、小五郎は警察に連絡して事務所の様子を見てもらう事に。  蘭は「そこから何か見えない?東都タワーとか、都庁の庁舎とか」とチャットで質問する。コナンは場所がわからないと言っていた英理は答えないと推理。案の定、英理の偽者だけが「都庁ビルは見えるけど東都タワーは見えない」と答え、小五郎はその逆の東都タワーが見える場所に英理はいると推測する。コナンはチャットに「電話をかけて」と書いてと蘭に頼む。英理と電話で繋がると、コナンは午後5時を知らせる教会の鐘の音が聞こえたらスマホを爪で叩いてと英理に指示。事務所近くの教会から鐘の音が英理に聞こえるまで3秒かかり、コナンはその時間から英理が事務所から1キロ先の東都タワーが見える場所にいると推理する。この後、英理は男の1人に見つかってしまい…。

第16話
(902話)
妃弁護士SOS(後編)

 妃英理被害者の会と名乗る男3人に拉致され、廃ビルに連れていかれた妃英理。廃ビルに着いた直後、英理は男の1人からスマホを奪って逃げ、廃ビル内にあるロッカーに身を潜める。英理はメッセージアプリで蘭に助けを求め、小五郎、蘭、コナンは英理が何者かに拉致されたと察する。英理は自分がどこにいるかわからなかったが、コナンはチャットのやりとり、音が聞こえる時間から英理が事務所から1キロ先の東都タワーが見える場所にいると推理する。この後、男の1人にロッカーを開けられ、絶体絶命の英理だったが…。男は英理に気付かずに別の場所を探しに行く。  小五郎、蘭、コナンは英理がいる場所を探すため、事務所から1キロ先にあり、東都タワーが見える増上寺にやってくる。ここでコナンはもう一度英理と電話を繋げ、音が聞こえたらスマホを爪で叩いてと英理に指示。コナンは射出ベルトから出したサッカーボールを蹴り、鐘つき堂の鐘に当てる。鐘の音が英理に聞こえるまでの時間は約1秒。コナンはこの事から英理がいる場所を分禄町と須単町に絞り込む。英理を探していた男2人はロッカーを開けた時にお腹が鳴った、鳴らないで言い争う。お腹が鳴ったのは英理だった。もう1人の男は話を聞いて、そのロッカーに案内しろと2人に言う。  男3人はロッカーを開けるが、そこに英理の姿はなかった。男の1人は引き出しが温かい事に気付き、英理はここにいたと確信する。男たちは英理が外の景色を見て、個別にメッセージアプリで娘に自分がいる場所を教えないかと心配。だが、男たちは英理のスマホをハッキング済み。英理が蘭と個別にチャットをしても筒抜けの状況だった。英理は机の下に隠れ、男たちの会話を聞いていた。英理は自分のメッセージが男たちに筒抜けと知り、暗号のようなメッセージを蘭に送る。  蘭は英理から「蟹は,生茹でだけどお陰で2匹のメカジキが美味しそう…今夜は,明るいから外で食べましょうか?」というメールが届いて困惑。蘭、小五郎は気付かなかったが、コナンは暗号と気付いて解読する。コナンは解読したメッセージの内容を小五郎、蘭に教え、その内容から英理が須単町にいると伝える。男の1人は英理が読点を「、」ではなく「,」を使う事に気付き、仲間に「,」を使って蘭にメッセージを送れと指示。男たちの思惑通り、蘭は2人の英理からのメッセージに混乱する。  英理は男たちが「,」を使い始めたため、自分と蘭しかわからない表現で自分がいる廃ビルの特徴を伝える。そして、小五郎たちは英理が伝えた特徴の黄色がかったねずみ色のシャッターがある廃ビルを発見。4階に隠れていた英理は窓から身を乗り出して声を上げ、自分がここにいる事をビル前にいる小五郎たちにアピールする。だが、その直後、英理は男たちに見つかり、捕らえられて…。

第17話
(903話)
似た者同士が犬猿の仲

 コナン、小五郎、蘭がレストランでランチを食べていると、店内に怒鳴り声が響き渡る。日売スポーツ記者の橋爪明と同僚の加賀爪弘が言い争いを始めたのだ。コナンたちの後ろの席では同僚の桑名君子と後輩の細田信吾が2人のケンカに呆れていた。2人は仲が悪いのに持ち物、服装、仕草など、何から何までソックリだった。この後、橋爪は荷物をまとめて店を出て行き、加賀爪は残されたタンブラーを思いつめたように見つめる。コナンは橋爪が間違えて加賀爪のタンブラーを持ち帰った事に気付く。  小五郎は2人が関わった事件を思い出す。1年前、大会社の社長が病死した後、遺言状が消えたために遺族は対立。週刊誌の日売スポーツは遺族をさかんに煽り、親族同士による殺人未遂事件にまで発展した。その日の夜、川原で加賀爪の遺体が発見される。死亡推定時刻は夜7時から9時の間。死因はタンブラーのコーヒーに混入された青酸化合物による中毒死の可能性が高かった。  翌日、犬猿の仲だった橋爪は重要参考人に。加賀爪のタンブラーから橋爪の指紋が検出されたのだ。コナンは橋爪が加賀爪のタンブラーを間違えて持っていった事を高木刑事に教える。橋爪は昨夜7時から9時は芸能人の不倫現場を張り込んでいたと証言。橋爪はその時に訪れた宅配便の配達員の特徴を覚えていた。コナンと高木は橋爪が張り込んでいた高級マンションを訪れる。コナンは橋爪が三脚カメラで動画を撮影したまま事件現場に向かい、後から動画を確認してアリバイを主張したと睨む。  この後、加賀爪のパソコンのUSBメモリーから橋爪を殺害する計画書が見つかる。その計画書は殺害方法もアリバイトリックも今回の犯行と全く同じだった。書かれていた犯行の手口は取り違えたタンブラーに毒物を入れて相手に返し、言葉巧みに乾杯して毒殺するというもの。その後、仕事に行き詰って自ら命を絶ったという追悼記事を書く結末だった。高木は橋爪がこの計画書を見て逆上し、同じ方法で殺害したと推理する。事件は解決したかと思われたが、コナンは何かが引っかかっていた。  この後、橋爪のUSBメモリーからも同じ内容の殺害計画書が見つかる。2人の計画書が書かれたのはほぼ同時期。2人は偶然、お互いに殺害を企てていたのだ。観念した橋爪は殺害しようとして現場に行った事は認めるが、その時、すでに加賀爪は絶命していたと主張する。コナンは念のため、桑名、細田のアリバイも高木に確認。犯行時刻、2人はそれぞれ仕事をしていたが、どちらも証明する人はいなかった。コナンは高木と共に事件現場を再検証する事に。コナンは現場写真を見て、加賀爪の靴下が黒く濡れている事に注目。これはこぼれたコーヒーの痕だった。コナンは靴下だけでズボンが濡れていない事に違和感を抱く。次にコナンは加賀爪が現場まで来た車を調べ、今回の事件の真相に辿り着く…。

第18話
(904話)
相討ちの果て

 コナンは光彦、歩美、元太、灰原、阿笠博士と公園でサッカーをする。この時、元太はボールを取りに行き、民家の窓際で胸にアイスピックを刺されて倒れている河合信蔵を発見。コナンたちは玄関のドアを激しくノック。妻の河合優子がドアを開けると、コナンは信蔵がいる書斎へと急ぐが…。窓からの死角には柴田健介も倒れていて、コナンは信蔵と柴田がすでに絶命している事を確認する。  この後、目暮警部たちは捜査を開始する。大柄な信蔵は腹部に刺された傷があるが、死因は胸をアイスピックで刺された事による出血死。小柄な柴田は頭部への外傷が死亡の原因で、現場の状況からソファの肘掛部分の角に頭を強打した可能性が高かった。死亡推定時刻はコナンたちが発見した1時間前。2人の関係は不動産会社の社長と元従業員。数か月前に柴田は会社のお金を着服してクビになっていた。  優子は1階で事件が起きた時、2階の寝室で仮眠中だったと証言する。この日は着服したお金の返済期日だったという。柴田は着服したお金を病気の家族の入院費に充てたらしく、信蔵はお金を返せばクビはなかった事にすると約束していた。コナンは柴田と信蔵の遺体を確認。柴田の右手袋の親指と人差し指の部分は血が付着し、信蔵に刺さったアイスピックの柄のニード付近は血で汚れていた。さらにコナンは柴田が着ている返り血を浴びたセーターをめくり、下のシャツを見て何かに気付く。  母親の介護をしているという優子は自身も足を捻挫していた。優子は介護に疲れて寝てしまい、争う物音に気付かなかった自分を責める。灰原は柴田のセーターが有名ブランド品だったため、入院費のためにお金を着服したという話はウソだと疑う。この後、柴田のバッグから現金が入った封筒が見つかる。柴田はお金を返す意思があったのだ。高木刑事は河合不動産の従業員から話を聞き、信蔵が柴田を再び雇うつもりはなかった事が判明。信蔵はお金を返してもらうためにそんなウソをついたのだ。目暮は柴田が再び雇うという約束がウソだとわかり、信蔵と言い争いになって犯行に及んだと考える。  灰原は事件の事をコナンに訊ねる。灰原は信蔵が刺された直後に柴田を突き飛ばし、2人とも致命傷を負って絶命したと推理。目暮たちも2人の相討ちと判断するが、コナンは何かが引っかかっていた。阿笠はコナンの右手の小指の外側が擦りむいている事に気付き、コナンは玄関のドアを激しくノックした時にできた擦り傷だと説明する。その時、コナンはドアを叩いた時の事も思い出して何かに気付く。この後、高木は書斎の棚の上に置かれた鉢植えの中から柴田のシャツのボタンを発見する。目暮は2人が揉み合った時にボタンが飛び、鉢植えに入り込んだと推理する。コナンは2人の会話を聞いて何かを閃く。コナンは鉢植えの場所を確認した後、自分の手の傷を見て、事件の真相を見破る…。

第19話
(905話)
七年後の目撃証言(前編)

 午後2時、小五郎、コナン、蘭はビールの品揃えが豊富なペンション、鳩笛荘に宿泊するため、奥穂駅にやってくる。鳩笛荘はビール王子ことタレントの南北家オー太郎もオススメするペンションだった。この後、鳩笛荘の従業員、大原慎介が車で駅まで迎えに来る。コナンたちは他の宿泊客のウェブデザイナーの井出正也、文具メーカーOLの藤吉比呂子、タウン誌ライターの城ヶ根徹と共に車に乗り込む。  鳩笛荘では支配人の友里朝子、娘の友里未央奈がコナンたちを歓迎する。コナンはダイニングにあったカウマグが何か気になる。カウマグは牛の胃の中に入れ、草と一緒に飲み込んだ金属片を吸着させる強力な磁石だった。月1で泊まりに来るというオー太郎がやってきた後、藤吉は着ているシャツのワッペンの事を井出に訊ねる。このワッペンは7年前に放送していた特撮ヒーロー、彗星仮面ビューンのエンブレムだった。ビューンが地球征服を目論む彗星魔王ダイアークから地球を守る話だという。井出がリュックからビューンのお面を取り出して被ると、未央奈はトレイを落として激しく動揺する。  この後、未央奈はコナン、蘭、藤吉を近くの吊り橋まで案内する。吊り橋の下の池では奥穂署の村松刑事が捜査をしていた。溺死した男性の遺体が発見されたのだ。夕食後、コナン、蘭、未央奈がカウマグと王冠(栓)で遊んでいると、そこに村松がやってくる。村松は池で絶命していた男性の写真を皆に見せ、見覚えがないかを確認する。男性はオー太郎と3年前までコンビを組んでいた元相方の南北家キュー次郎だった。今、芸能記者のキュー次郎はオー太郎の事をいろいろ調べていたという。  村松はキュー次郎の死亡推定時刻である正午から1時頃のアリバイを皆に訊ねる。オー太郎は都心から車でこちらに向かっていたと証言。井出は小五郎と同じ電車、城ヶ根はバスで移動中だった。藤吉は小五郎たちより1時間早い電車で来て、駅周辺を散歩していたという。村松はキュー次郎の所持品にビューンのカードがあった事を皆に教え、未央奈はそれを聞いて、また具合が悪くなる。  井出は7年前に杯戸町で金融業者が殺害され、大金が盗まれた事件の事を思い出す。犯人はビューンとダイアークのお面を被った2人組だった。この事件には小さい女の子の目撃者がいたという。話を聞いていた未央奈は倒れて寝室に運ばれる。就寝時間、コナンはこれまでの事を整理し、未央奈が7年前の目撃者だった可能性が高いと睨む。その時、藤吉が小五郎たちを呼びに来る。遺体の肺から検出された水が池のものではなく、都心部で使用されている水道水と判明したのだ。村松たちはオー太郎の犯行は可能と判断し、オー太郎を再度聴取するために部屋を訪ねる。オー太郎の部屋は閂(かんぬき)がかかっていて、蘭がドアを蹴り破って中に入るが…。オー太郎は仰向けに倒れて絶命していた。

第20話
(906話)
七年後の目撃証言(後編)

 小五郎、コナン、蘭はタレントのオー太郎、ウェブデザイナーの井出、文具メーカーOLの藤吉、タウン誌ライターの城ヶ根とペンション鳩笛荘に宿泊する。そんな折、近くの池でオー太郎の元相方、キュー次郎の遺体が発見される。キュー次郎は7年前に放送していた彗星仮面ビューンのカードを所持。支配人、友里朝子の娘の未央奈はビューンの話題に怯え、コナンは未央奈が7年前のビューンのお面を被った犯人による強盗殺人事件の目撃者と睨む。この後、客室で絶命したオー太郎が発見される。  奥穂署の村松刑事は遺体発見前の状況を皆に訊ねる。午前2時、藤吉は1階のダイニングが荒らされている事に気付いて皆を集めるが、1人だけ現れなかったオー太郎。蘭が鍵と閂が掛かった部屋のドアを蹴り破って遺体を発見したのだ。最後にオー太郎に会った従業員の大原は午後11時頃、オー太郎がダイニングからビールと栓抜きを持って行ったと証言。オー太郎が絶命していた客室は密室状態。小五郎は酔っ払って空き瓶を踏んで転倒し、頭を打って亡くなった事故死と推理する。  だが、オー太郎の客室からはキュー次郎の指紋が付いた盗聴器が発見され、城ヶ根はキュー次郎がオー太郎の事を探り、大きな秘密を知ったために口封じで殺害されたと考える。この後、オー太郎の指紋が、7年前に強盗殺人事件を起こした、ビューンのお面を被った2人組の犯人の1人の指紋と一致した事が判明。コナンは7年前の事件の目撃者について訊ね、村松は当時5歳だった未央奈だと認める。未央奈はショックが大きく、当時の記憶が曖昧になっているという。  事件が原因で打ち切りになった特撮番組ビューン。城ヶ根は本当の職業は脚本家で、当時、ビューンのチーフライターだったと告白する。井出は7年前に強盗に殺害された金融業者の息子だと打ち明ける。2人は未央奈の事が気になってここに来ていた。コナンは杯戸町から引っ越してきた時期を朝子に訊ねる。朝子は未央奈の心の傷を癒すため、事件の半年後に静かな西奥穂に引っ越してきたと答える。大原は都心に住んでいたが、4年前にこの村に引っ越してきたという。  この後、オー太郎の車からキュー次郎の毛根が発見され、オー太郎がキュー次郎を殺害した可能性が強まる。そんな中、藤吉は父親の仇を討ったと井出を、オー太郎を殺害した犯人と疑い、事件のせいで番組を潰されて恨んでいると城ヶ根にも疑いの眼差しを向ける。コナンはオー太郎の客室を調べ、空瓶が7本あるのに王冠が6個しかない事に気付く。王冠は昨日の夕食の時に抜栓された王冠とめくれ具合が違っていた。コナンは現場のテーブルの上にあった謎の鍵の用途に気付き、オー太郎の行動が矛盾している事にも注目。そして、コナンはサムターンのサイズと閂の位置を確認して事件の真相に近づく…。

第21話
(907話)
Jリーグの用心棒

 小五郎は東京スピリッツVSガンバ大阪の試合前に始球式を務める事になり、コナン、光彦、元太、歩美、灰原と東都スタジアムにやってくる。上位同士の直接対決となるこの試合は、スピリッツが勝てば優勝に近づくというJリーグの後半戦を占う大事な一戦だった。始球式の前、東京スピリッツスタッフの岩貞和明はスタジアム内の施設を案内。小五郎たちは試合前に選手がくつろぐラウンジにやってくる。  歩美はチーム旗に書かれた赤木英雄選手のサインを見つけて大興奮。歩美はケガから復帰する赤木選手のために特製スポーツドリンクを作ってきたが、ホペイロ(用具係)の土濃塚友市は、試合前に飲食の差し入れはイエローカードと言って歩美を注意する。灰原と岩貞はドーピングの問題もあり、飲食の差し入れは難しいと泣きそうになる歩美を諭す。選手たちが飲むのはスタジアムに用意された公式スポーツ飲料。未開封のペットボトルのため、選手も中身を心配せずに飲めるのだ。  コナンたちはロッカールームも見学。そこでは土濃塚が見習いホペイロの梨沙に指示を出していた。土濃塚が立ち去った後、コナンたちは梨沙と仲良くなる。歩美が土濃塚に注意された一件を話すと、梨沙は土濃塚にはホペイロとしてのプライドがあるからだと擁護する。ホペイロは選手のスパイク、ウェア、ドリンクなどを準備し、選手がプレーに集中できる環境を作る大事な仕事だという。  この後、東京スピリッツの選手を乗せたバスが到着し、歩美は降りてきた赤木選手に特製スポーツドリンクを手渡す。歩美は赤木選手からやさしくしてもらって舞い上がる。歩美がドリンクを渡したため、梨沙は赤木選手の分のドリンクの処分に困る。それを聞いた小五郎は欲しいと言って、そのドリンクを飲む。その時、ガンバ大阪の遠藤保仁選手が現れてコナンたちは大興奮。コナンはシュートのアドバイスを遠藤選手に求める。遠藤選手は小五郎に気付き、眠りの小五郎の大ファンだと言って握手をねだる。  この後、小五郎はPKスタイルの始球式に登場。明らかに体調が悪そうな小五郎はモジモジしながら何とかヒールでボールを蹴り、観客から笑われる事に。始球式後、小五郎は医務室の医師に下痢と診断される。この時、コナンは医師が公式スポーツ飲料のペットボトルを開ける姿を見てハッとなる。小五郎がキャップを開けた時との違いに気付いたのだ。  その頃、試合が始まり、歩美、元太、光彦はスタンドから大きな声援を送る。コナンと灰原は小五郎が飲んだペットボトルについて調べる事に。コナンたちは小五郎の下痢の原因はこのドリンクだと考えていた。コナンは聞き込みやスタジアム内を調査し、灰原は小五郎が飲んだドリンクの成分を調べる。そして、コナンは決定的証拠を見つけ、赤木選手の体調を崩そうとした犯人が誰かに気付いて…。

第22話
(908話)
川床に流れた友情

 小五郎、コナン、蘭は川を渡るように座敷が設けられた都内の川床料理店にやってくる。コナンは川上にある水車小屋に目を留める。小屋は店で出す天然氷を貯蔵する氷室として使っているという。この後、客として来店した帝都大学の松居樹璃、鈴本麻里亜、秋葉夕子は小五郎に気付いて記念撮影を頼む。撮影後、麻里亜と夕子は言い争いになり、樹璃は仲直りに来たんだからと言って2人をなだめる。  樹璃たちは出てきた料理の写真をそれぞれ撮影し、誰の写真が良いか審査してほしいと小五郎にお願いする。3人は出版社主催のフォトコンテストに参加しようと考えていた。この時、夕子のスマホにメールが届き、夕子は川床を出て行く。麻里亜はスマホの充電が切れ、樹璃はスマホのメモリがない事を思い出す。樹璃と麻里亜は今の内に外の写真を撮りに行くと言って小五郎の審査は取り止めになる。  しばらく経ってから樹璃、麻里亜は川床に戻ってくるが、夕子はまだ写真を撮っているのか姿を見せない。コナンは戻ってきた2人の手を見て違和感を抱く。この後、樹璃は赤く染まった川の中の人影に気付いて悲鳴を上げる。小五郎は川に飛び込み、川の中に沈んだ夕子を助けようとするが、夕子はすでに絶命していた。夕子の服の縫い目には赤く小さい植物が付着。コナンは遺体のふくらはぎにあるひっかき傷に注目する。  この後、目暮警部たちが捜査を始め、夕子の死因は後頭部を強打した事による脳挫傷と判明する。水が赤く見えたのはアイオオアカウキクサというシダ植物が原因だった。大量発生すると血だまりのように見える事があるという。水車小屋の近くでは夕子のスマホがセットされた自撮り棒が見つかる。スマホには水車小屋をバックに自撮りする夕子の写真が残っていて、目暮は撮影の時に誤って転落した事故死と推理する。だが、コナンはこの写真を見て違和感を覚える。用水路の水門が上がっていたのだ。  高木刑事は樹璃に事情聴取する。樹璃は事件当時、コンビニにスマホのメモリを買いに行ったと証言。3人は写真部の仲間だが、突然、写真部を解散しようという話になり、夕子と揉めて、今日は仲直りのためにこの店に来たという。コナンが水車小屋を調べに行くと、使われていないはずの水車は動いていた。  小屋の天然氷には溶けないようにおが屑がかけられ、床にはおが屑をほうきで掃いた跡が残っていた。隅には台車があり、手前の木桶にはレンガ大の天然氷。コナンはこの氷を見て、夕子は事故ではなく、殺害されたと確信する。続いて、高木は麻里亜から話を聞く。麻里亜は忘れた充電器を取りに行き、途中でこの店の板前と会ったと証言する。その頃、コナンは用水路も調べ、赤い川のトリックを見破る。コナンは皆が店に集っている時に小五郎に向けて麻酔銃を発射。眠りの小五郎の推理ショーが始まる…。

第23話
(909話)
燃えるテントの怪(前編)

 コナン、歩美、元太、光彦、灰原はクラスの副担任、若狭留美に連れられ、東都の森キャンプ場にやってくる。テント設営後、コナンたちはキャンプに来ていた白網大学バスケットボール部の部員の芦沢純人、漆原史昭、マネージャーの古岡美鳥、段野邦典と知り合う。芦沢は去年まで控えだったが、今はバスケ部のエースに成長。漆原はディフェンスの要の選手だった。段野は練習中、漆原に肘を当てられ、片目を潰されてマネージャーになった元エースだった。  段野は漆原のちょっと肘が当たったという言い草に激怒し、失明寸前で義眼になる所だったと声を荒げる。漆原はマネージャーになって、美鳥と仲良くなれたから感謝してほしいくらいだと悪態をつき、段野はムッとした表情に。芦沢は言い過ぎだと漆原を注意するが、漆原はお前もいつだって潰せると言い返して険悪な雰囲気になる。不貞腐れた漆原は酒を飲んで寝ると言って自分のテントに入っていく。  夕方、コナンたちは芦沢たちが作ったカレーをご馳走になる。芦沢はテントまで漆原を呼びに行くが、返事がないと戻ってくる。美鳥が少し前にテントまで声をかけに行った時は文句を言っていたという。段野は漆原のテントに明かりが点いている事に気付く。皆がテントの方を見ると、漆原がスクワットするシルエットが浮かんでいた。段野はカレーの皿を持って漆原のテントの前に行き、さっきは悪かったと声をかける。だが、漆原から返事はなく、段野はヘッドホンをしてスクワットしていると考える。  段野が戻ってきた直後、灰原は焦げ臭いと言い出し、元太が漆原のテントが燃えている事に気付く。コナンたちはテントに水をかけて消火するが、すでに漆原はテントの中で絶命していた。漆原のテントが燃えた原因は不明で、光彦は何か見ていないか、隣りのテントの人に話を聞く事に。隣りのテントにいたのは警視庁捜査一課の黒田管理官だった。黒田は白鳥警部に勧められ、このキャンプ場にやってきたのだ。黒田は先日の事件をニュースで見て、若狭の事が気になっていた。  この後、弓長警部が捜査を開始し、火元はランタンに使っていたロウソクと判明する。倒れたロウソクからマンガ本や衣類に火がついて一気に燃え広がったのだ。テントの出入り口のファスナーは閉められ、施錠までされていた。弓長は事件性はないと判断するが…。コナンは溶けたロウソクの中に竹ヒゴが1本混ざっている事に注目。弓長はこの竹ヒゴを酒のつまみに食べていた団子の竹串と考える。コナンは固まって溶けているロウソクの中に、先の方に穴が開いたロウソクがある事に気付く。コナンはノートパソコンのそばにある雑誌の表紙のVの字に焦げた跡も気になり、誰かが何かの仕掛けをしたと睨む。弓長は代わる代わる漆原のテントに行った段野、芦沢、美鳥の3人から話を聞く事にするが…。

第24話
(910話)
燃えるテントの怪(後編)

 コナン、歩美、元太、光彦、灰原はクラスの副担任、若狭留美に連れられ、東都の森キャンプ場にやってくるが、白網大学バスケットボール部の漆原史昭が寝ているテントが燃える事件が発生。中でお酒に酔って寝ていた漆原の遺体が発見される。隣りのテントにいたのは警視庁捜査一課の黒田管理官だった。コナンはテント内を見て、溶けたロウソクの中に竹ヒゴが1本混ざっている事に注目。コナンは何かの仕掛けと推理し、事故ではなく、バスケ部の仲間の美鳥、芦沢、段野の中の誰かが殺害したと睨む。  弓長警部は代わる代わる漆原のテントに行った段野、芦沢、美鳥から話を聞く。美鳥はテントに行き、ベロベロに酔った漆原から「あっちへ行け」と怒鳴られたと証言する。弓長は大量にロウソクを持っていた理由を訊ね、美鳥は漆原がロウソクを持ってくる担当だったと教える。コナンは漆原のテントにマンガがたくさんある理由を確認。マンガは美鳥のもので、漆原に読みたいと頼まれて持ってきたという。次にテントに行った芦沢は漆原に声をかけても返事がなかったと証言。芦沢はテントを離れた後に急に明かりが点き、漆原がスクワットを始めた事を教える。元太たちもスクワットするシルエットを見たと弓長に証言。弓長はこの時点では漆原がまだ起きていたと判断する。  黒田と弓長は最後にテントに行った段野に疑いの眼差しを向ける。段野はテントに火をつけていないと慌てて犯行を否定。段野がテントに行って声をかけた時も漆原は無視して黙々とスクワットをしていたという。段野は早くあっちに行けと言わんばかりに漆原のスクワットの動きが激しくなっていったと証言。コナンはこの段野の発言が引っかかる。コナンは段野がバスケ部の元エースだったのは本当かを確認し、美鳥は段野がプロ大注目の選手だった事を教える。だが、練習中に漆原に肘を当てられ、片目を潰されてマネージャーになった段野。芦沢は皮肉にもそのケガのおかげで自分が控え選手からレギュラーに昇格し、今やエースと呼ばれる存在になったと明かす。マネージャーになった段野は美鳥と一緒にいる時間が長くなり、2人は付き合うようになったという。  刑事の1人は写真を見せながら漆原の両手の指に巻かれたテーピングの事を弓長に報告。テーピングをほどいてみたが、特に仕掛けのようなものはなかったという。コナンは写真を見せてもらい、黒焦げの漆原の左手に目を留める。さらにコナンは歩美、元太、光彦が飽きて、どんぐりで遊んでいる姿を見て、犯人が仕掛けたトリックを見破る。犯人はコナンたちの目を欺き、自然に発火させて漆原を殺害したのだ。この後、コナンは寝ている漆原がスクワットしているように見せかけ、同時にテントに火をつける実験をやると言ってトリックを暴き、徐々に犯人を追い込んでいく…。

第25話
(911話)
目暮警部からの依頼

 目暮警部は毛利探偵事務所を訪れ、国文学者、霊岸雄高が刺殺された事件解決のために力を貸してほしいと小五郎に頼む。容疑者は逮捕されて送検されたが、起訴目前に全てひっくり返ってしまったという。3週間前、四葉台の自宅で刺殺死体として発見された霊岸。殺害されたのは前日の夜8時と判明し、目撃者の八尾公一は夜8時に霊岸邸から霊岸の甥にあたる舞浜竜二が出て行く姿を見たと証言。舞浜は事件前日にホームセンターで凶器の包丁も購入していた。舞浜は唯一の血縁者だったが、独身主義の霊岸に結婚を誓い合う女性が出現。財産を独り占めするには結婚前に霊岸が亡くなる必要があったのだ。  犯行を否認していた舞浜は勾留期限まで残り2日となった昨日になって、霊岸が殺害された頃、笹五町で強盗に入っていたと供述。独り暮らしの老女、天山日出の家に押し入った賊は1時間以上居座った上に50万円を奪って逃走したが、現場で食べ物を食い散らかした犯人の歯型が舞浜の歯型と一致し、舞浜が隠した50万円も発見されたという。舞浜が民家に押し入ったのは夜7時で、逃げ去ったのは8時過ぎ。笹五町から四葉台までは車で1時間近くかかり、舞浜に霊岸を殺害する事は不可能だった。  昨日になって八尾は目撃証言は嘘だったと告白し、舞浜がアパート裏に埋めた包丁も発見される。包丁は霊岸の遺体に刺さっていた包丁と同じだった。小五郎は舞浜が強盗に入ったのは遺産相続の資格を失わないための工作と睨み、目暮もアリバイ作りのために強盗をしたと確信する。だが、強盗して、同時に霊岸も殺害したトリックはわからずにいた。このままでは霊岸殺害では起訴に追い込めないのだ。  舞浜が日出の家に押し入ったのはテレビの7時のニュースが始まった直後。舞浜は黒い布袋を日出の頭から被せ、ヒモで後ろ手に縛って床に転がしたという。殴られて気絶した日出が目覚めたのは1時間後。目隠しされていたが、8時から始まるテレビ番組の音声が聞こえてきたという。そして、舞浜は金の在処を聞き出すと、日出をもう一度殴って気絶させて逃走したのだ。  小五郎は舞浜が中抜けして霊岸を殺害したと推理。録画した8時の番組の音声を聞かせ、日出に8時と誤認させたと睨む。だが、日出は8時に消防車のサイレンの音も聞いていた。笹五町で消防車が出動したのは8時の1度きりで、目暮は8時に舞浜は笹五町にいたと考える。コナンは舞浜が布袋を被せ、日出の視覚を封じた狙いを推理。日出はサイレンと同時に焼け焦げた臭いも嗅いだと証言していたが、虚偽通報だったため、それはあり得ない事だった。日出は他にも8時に沸くようにセットしたお風呂のお知らせ音が聞こえなかったと話していて、目暮は高齢者のため、妙な思い違いをしたと考える。だが、コナンは日出の言っている事が全て本当だと仮定して推理を進め、舞浜の巧妙なトリックを見破る。

第26話
(912話)
モデルになった探偵団

 コナンは高木刑事に呼ばれて小五郎、蘭と共に米花町にある北園邸にやってくる。コナンは殺人事件の参考人になっていた。高木は1枚の絵をコナンたちに見せる。そこには奥穂湖を背景に立っているコナン、元太、光彦、歩美が描かれていた。殺害されたのはこの屋敷の主人である洋画家の北園清峰。この日、弟子2人が訪ねてくる事になっていたが、その内の1人、西山大樹は奥穂湖でこの絵を描いていて、犯行時刻までに屋敷に来る事は無理だと話しているという。コナンが西山と会ったのは午前11時だった。  絵を描いている時に襲われた北園。凶器は血が付着した石膏像の可能性が高く、第一発見者は弟子の東尾謙吾だった。午後3時50分頃、アトリエを訪れた東尾は絶命した北園を発見し、母屋にいた家政婦の南田シズを呼んだという。その直後に妻の北園絹子がタクシーに乗って帰宅。西山が屋敷に来たのは110番通報を受けた高木たちが現場に到着した後だった。絹子は第一発見者の東尾を犯人と疑う。東尾は北園が米花美大の講師に推薦しなかった事を恨んでいたという。東尾は絹子の方が怪しいと反論し、絹子がホストに入れあげて北園とケンカになっていた事を暴露する。  目暮は犯行時刻の午後3時10分から40分のアリバイを確認する。東尾は3時過ぎに家を出て、車で屋敷に向かっていたと証言。絹子は米花デパートで食事した後、別のデパート2軒を回っていたと語る。西山は奥穂から米花町に向かう電車の中だったと話し、奥穂駅のホームで撮った写真を見せる。行き先表示板には「先発14時02分 青畑行き」と表示されていて、西山はこの電車に乗ったと説明する。この電車では4時前に屋敷に着くのは不可能だった。シズはスーパーに買い物に行っていたと証言する。  翌日、高木はアリバイ確認のため、コナン、元太、光彦、歩美を連れて奥穂にやってくる。目暮、千葉刑事、佐藤刑事もそれぞれシズ、絹子、東尾のアリバイを調べるが、裏付けが取れたのはシズだけだった。コナンは行き先表示板が「先発14時02分」と表示されるのはいつかを駅員に質問。駅員はその前の13時17分の電車が出ると同時に表示されると説明する。この後、コナンたちは西山が絵を描いていた奥穂湖にやってくる。西山は偶然通りかかったコナンたちにモデルになってほしいと頼んだのだ。  高木は西山のアリバイが確認できたと目暮に連絡し、コナンたちと米花町に戻る事に。途中、青畑駅で定刻になっても列車が発車しないトラブルが発生。出発時刻になると、行き先表示板は「先発 13時37分 立河行き」から次発の「13時49分 快速 東京行き」に表示が変わる。コナンは同じように昨日の奥穂駅でも出発が遅れるトラブルがあったかもしれないと推理。コナンたちは奥穂駅に戻り、昨日の13時17分発の青畑行きの電車が遅れた事が判明。コナンはこれをきっかけに事件の真相に近づいて…。

第27話
(913話)
連れ去られたコナン(前編)

 目暮警部たちは倉庫に身を潜めていた宝石強盗犯の鷹取巌男の身柄を確保する。昨夜、米花町の宝石店に覆面をした2人組が押し入り、3億円相当の宝石を奪ったのだ。目暮が共犯の内海徳郎の事を聞くと、鷹取は相棒ではないとムキになって否定する。鷹取が証拠がないと開き直ると、眠りの小五郎が話に入ってくる。眠りの小五郎は決定的証拠が防犯カメラに残っていたと言い放つ。その時、鷹取は拳銃を発砲し、眠りの小五郎の推理が初めて強制的に中断されてしまう。  鷹取は裏口へ向かい、そこにいたコナンとぶつかる。鷹取はコナンを人質にとり、車に乗って逃走する。目暮と小五郎は宝石店オーナーの島津輝明と仕入れ担当の山鹿節夫から話を聞き、どこかから仕入れの情報が漏れたと睨む。手を縛られ、助手席に乗せられたコナンは鷹取にいろいろ話しかけ、ぶつかった拍子に鷹取が落とした縄梯子の事も訊ねる。だが、鷹取は縄梯子の事は一切話さずに車を急発進させる。この後、車が停車した時、コナンは車内にあった杯戸町スナック新月のマッチを掴んで外に逃げる。だが、コナンは逃げきれず、袋小路に迷い込んだ時に鷹取に捕まって車に連れ戻されてしまう。  鷹取は車を乗り換えた後、廃工場にやってくる。鷹取は廃工場の巨大な煙突の入口までコナンを連れて行く。落とした縄梯子はこの煙突の煙道で使うものだった。鷹取は縄梯子を失ったため、代わりに小さなコナンを利用しようと考えたのだ。鷹取は煙突の中に入れとコナンに命じる。その頃、高木刑事は鷹取が乗り捨てた車を発見したと目暮に報告。だが、鷹取とコナンのその後の足取りは掴めていなかった。この後、山鹿の消息が不明になったと連絡が入り、目暮と小五郎は山鹿が事件に関与していると睨む。目暮たちが従業員控え室にある山鹿のロッカーを調べると、バッグの中には宝石2、3個が入っていた。小五郎は山鹿が犯人に仕入れ情報を流し、その見返りとして宝石をもらったと推理する。  鷹取は煙突の底に行って宝石を拾ってこいとコナンに命令し、3分以内に戻らなければ火をつけた新聞紙を投げ込むと脅す。そんな事をされたら煙に巻かれて即窒息だった。コナンが煙突の底に着くと、そこでは散らばった宝石と共に内海が絶命していた。コナンが内海の事を聞くと、鷹取は内海に裏切られて煙突の上から撃たれたと答える。鷹取が応戦して拳銃を撃つと、内海はバランスを崩して煙突の底に落下して絶命したという。この後、コナンは宝石を全て拾い、何とか3分以内に煙突の外に戻る。コナンは宝石を鷹取に渡すが、3億円分より明らかに少ない数だった。鷹取はアイツと呼ぶ裏切者への怒りを露わにし、コナンは鷹取がこれから裏切者に会いに行くと推理する。鷹取はコナンを車に乗せて走り出すが…。途中、鷹取は「運が良ければ助かるかもな」と言って、コナンを外へと蹴り落として…。

第28話
(914話)
連れ去られたコナン(後編)

 覆面姿の2人組が米花町の宝石店から3億円相当の宝石を奪う事件が発生。目暮警部たちは倉庫にいた強盗犯の1人、鷹取を追い詰めるが、鷹取は拳銃を発砲した後、コナンを人質にとって車で逃走。この後、姿を消した宝石店の仕入れ担当の山鹿も事件に関与していた事が発覚する。鷹取は廃工場にコナンを連れて行き、煙突底にある宝石を拾いに行かせる。煙突底では宝石と共に共犯の内海が絶命していた。宝石は3億円分より少なく、鷹取はアイツと呼ぶ裏切者への怒りを露わにする。この後、鷹取はコナンを車に乗せて走り出し、「運が良ければ助かるかもな」と言って、コナンを外へと蹴り落とす。  顔や腕の打撲、擦り傷の痛みに顔をしかめるコナン。落とされたのは道路の中央分離帯の植え込みだった。小五郎、目暮、高木刑事、千葉刑事は病院で手当てを受けたコナンから事情を聴く。コナンは黒幕にそそのかされて鷹取を裏切った共犯の内海が廃工場の煙突から落ちて絶命していた事を皆に伝える。この後、コナンは病院を抜け出し、黒幕に報復しようとしている鷹取の行方を追う。だが、手掛かりは鷹取の車にあった杯戸町スナック新月のマッチしかなく、コナンはこのスナックを訪ねてみる事に。  コナンは雑居ビルの3階にあるスナック新月にやってくるが、開店前のために閉まっていた。この時、コナンは店の隣りの住居の表札が内海だと気付く。コナンは半開きになっているドアから部屋の中に入る。室内は雑然と物が散乱し、床には食べかけのカップ麺がひっくり返っていた。コナンはこぼれたカップ麺のスープを何者かが踏んだ跡を見つける。コナンは奥へと進み、背中にナイフを突き立てられた男性の遺体を発見。コナンは持っていた名刺から遺体は宝石店の山鹿だと気付く。コナンは部屋を見回し、山鹿、鷹取、内海ともう1人が乾杯してる写真を見つける。もう1人の顔はストロボが反射してわからなかったが、コナンはこの人物が黒幕だと確信。コナンはゴミ箱から旅行パンフレットの一部を見つけ、黒幕が16時の香港行きの飛行機に乗ろうとしている事に気付く。現在の時刻は14時半だった。  この時、ベランダからガタっと物音がする。コナンがベランダに出ると、背後でサッシが閉まって施錠されてしまう。閉めたのは鷹取だった。コナンが山鹿を殺害したのか訊ねると、鷹取は俺を裏切ったのはこいつじゃないと否定する。コナンは隣りのベランダから避難用のハシゴを使って道に降りると、黒幕の海外逃亡を阻止するため、タクシーに乗って空港へ向かう。この後、鷹取は空港近くの道を塞ぐように車を停め、黒幕が運転する高級車を急停車させる。鷹取は報復のため、裏切った黒幕に向けて拳銃を構える。渋滞にハマったタクシーを降りたコナンは渋滞の先にいる拳銃を構えた鷹取に気付いて…。

第29話
(915話)
JK探偵鈴木園子

 コナン、蘭は星を観測したいという園子に付き合い、児童公園にやってくる。園子は滑り台の上からカシオペアを観測するが、飽き始めて双眼鏡を町に向ける。園子は双眼鏡をズームインし、正体不明の黒い手が花壇の陰から白い腕を持ち上げて指輪を抜き取る様子を目撃する。白い腕は無機物のような動きで、園子は悲鳴を上げ、死んでいる人の腕を見たとコナンたちに教える。コナンたちは園子が見たのは死体かを確認しに行く事に。園子が見たのは3階建てビルの佐々木スタジオの前にある花壇だった。  コナンたちは佐々木スタジオ1階の仕事部屋で所長の佐々木博人、アシスタントの水上利香に事情を説明。博人は園子が見たのはマネキンの腕と考えるが、園子は見間違うはずがないと反論する。コナンが滑り台から低い位置にある花壇を見るのは無理だと指摘すると、博人は隣り合わせの吉村ビルの屋上に同じ花壇がある事を教える。吉村と友人という博人はコナンたちを吉村ビルへ案内し、利香は急ぎの仕事に戻る。吉村は出張中で、奥さんのななえがいるはずだが、博人が呼び鈴を押しても応答がない。  その時、博人の携帯に吉村から連絡がある。コナンはふと足下を見て、細長い影に気付く。吉村はななえと連絡が取れずに心配していた。吉村ビルの前の道路は水道管が破裂したため、工事をしていて、ななえは車が出せないと電話で愚痴っていたという。コナンは電話があった時間を訊ね、博人は利香が買い物に出た後の6時半だったと答える。この後、博人たちは合鍵を使って吉村ビルの中に入り、コナンは3階でななえの携帯を発見する。さらにコナンたちは花壇がある屋上を調べる。  だが、花壇は人を埋める程の深さがなく、園子は遺体はまだこのビルのどこかに隠されていると推理する。ななえの車には男性モノの寝袋しかなく、園子は犯人が女性モノの寝袋に遺体を隠したと考える。博人はななえが殺害されたと決めつける園子に怒ってビルから追い出す。この後、コナンたちは喫茶店に入り、園子は蘭を相手に推理を展開。コナンは吉村ビルに入る前に見た影の事が気になっていた。園子は1階にいた博人、3階にいた利香、それぞれに犯行は可能だったかを考える。コナンは2人の会話から先ほどの影が何だったのかに気付く。  蘭は遺体はないと園子に言い聞かせ、3人は喫茶店を出る事に。コナン、蘭と別れた後、園子は宝石店の前を通り、黒い手が白い手から指輪を抜き取った事を思い出す。人形が指輪をしている事はなく、園子はやはり目撃したのは人間の手だったと確信する。そして、園子は立て看板を片付けようとする店員を見て、犯人がどこに遺体を隠したのかにも気付く。その頃、コナンは影の正体を糸口にして犯人を見破るが…。園子は誰が犯人かわからないまま1人で吉村ビルに戻り、犯人と2人きりになって…。

第30話
(916話)
恋と推理の剣道大会(前編)

 全国高等学校春季剣道大会が東都体育館で開催される。コナン、蘭、遠山和葉が応援する中、服部平次は準決勝まで勝ち進む。平次は強敵、京都泉心高校の沖田総司に勝って優勝すると誓う。準決勝、決勝は昼食休憩後の午後2時から開始の予定だった。蘭とコナンはトイレが混んでいたため、空いているトイレを探す。その頃、京都泉心高校の大岡紅葉は平次の優勝祝賀パーティーの準備を進めていた。  抜谷士道は体育館の北口のトイレ前で胃腸薬を飲もうとする。そこに現れた剣道着の何者かが抜谷の喉元を刃物で斬って殺害。剣道着の犯人は盲目の老人、安岡克成が近くにいる事に気付くと急いでその場を後にする。この後、北口のトイレにやってきたコナンと蘭は壁にもたれて絶命した抜谷を発見する。克成は何かあったのかとコナンたちに声をかけ、コナンは克成の目が見えていない事に気付く。  コナンは男性が首を斬られて殺害されたと事情を説明。克成は犯人が「カッターナイフが血で汚れてしまって、切れなくなったから、代わりのヤツを持ってきてくれ」と話していた事を教える。犯人は誰かと電話で話していたのだ。さらに克成は犯人がトイレの方に向かった事を明かす。その後、克成の前を通ってトイレにいったのは2人くらいで、トイレから出て行った人はいないという。コナンは犯人がまだトイレにいると確信し、警察に通報してほしいと蘭に頼む。  この後、沖田がトイレ前に現れ、服装から被害者が審判員だと気付く。審判は剣道の有段者で、沖田は有段者を一太刀に殺害した犯人は剣道の達人だと推理する。沖田は蘭を気に入り、ちょっかいを出すが、そこに平次が現れて止めに入る。駆け付けた高木刑事と佐藤刑事はトイレを調べ、中にいた法村稔司、横手恒之、定森朱音から話を聞く。審判員の稔司は判定の事で抜谷と揉めていて、元自衛官の朱里は高校の時、剣道部の顧問だった抜谷に奥さんと別れてと言い寄っていた事が判明。恒之は過去の剣道の大会の件で抜谷と揉めていた事が明らかに。3人にはそれぞれ抜谷を殺害する動機があったのだ。  蘭は犯人の声について克成に訊ねるが、克成は3人とも違うと答える。克成が聞いたのは被害者の抜谷の声だったのだ。そして、抜谷のスマホの最後の通話履歴は奥さんと判明。今、奥さんは体育館に向かっているという。この後、トイレ裏から返り血を浴びた道着と防具が見つかる。この道着と防具は昨日の団体戦の後に盗まれた京都泉心高校の予備のものだった。佐藤は複数の人間が身に着ける予備ではDNA鑑定で犯人を特定するのは難しいと考える。佐藤は殺人事件が起きたため、大会を中止するように高木に指示。平次は優勝して和葉に伝えようとしている事があり、中止は困ると慌てる。試合開始までは40分で、平次はそれまでに事件を解決すると躍起になるが…。

第31話
(917話)
恋と推理の剣道大会(後編)

 全国高等学校春季剣道大会が東都体育館で開催され、服部平次は準決勝まで勝ち進む。準決勝、決勝前の昼食休憩中に審判員の抜谷士道が喉元を斬られて殺害される事件が発生。現場にいた盲目の老人、安岡克成は犯人が犯行後にトイレに行ったと証言。トイレにいた法村稔司、横手恒之、定森朱音にはそれぞれ抜谷を殺害する動機があった。佐藤刑事は大会を中止にしようとするが、優勝して和葉に伝えたい事がある平次は反対。佐藤は再開される午後2時までに事件が解決すれば中止しないと約束する。  殺害される前に「カッターナイフが血で汚れてしまって、切れなくなったから、代わりのヤツを持ってきてくれ」と電話の相手に話していた抜谷。凶器のカッターナイフは見つかっておらず、佐藤は容疑者3人の持ち物を調べる事に。稔司は竹光袋を持っていて、中にはバラされた2本の竹光、鍔、墨汁が入っていた。佐藤は墨汁を持っている理由を訊ね、稔司は審判員として対戦表の負けた選手の名前に墨を入れるためと答える。朱音のディパックにはチョコレート、ソーイングセットが入っていて、コナンはチョコの一部が溶けている事に注目。朱音は上着のポケットに入れていたため、体温で溶けたと話す。  恒之はスマホ、財布、家の鍵などを所持していた。この時、恒之のスマホに着信があり、佐藤が電話に出る。電話の相手は「カッター好きの女の子か?」と佐藤に質問する。佐藤が恒之に疑いの眼差しを向けると、恒之はヨットのカッターの話だと慌てて否定する。話を聞いた克成は抜谷がカッターナイフではなく、カッターと言っていた事を思い出す。結局、3人ともカッターを持っていなかった。  高木は抜谷のバッグの中身についても鑑識課員に確認。抜谷のバッグに入っていたのは財布、タオル、スマホ、雑誌、空になった胃腸薬の小袋だった。抜谷の口の周りには胃腸薬が少し残っていて、鑑識課員は胃腸薬を飲んだ直後に首を斬られたと考える。高木はトイレでカッターナイフの刃を折るような音は聞こえなかったかと3人に確認。3人は防具などを窓から外に放り投げる音がしたと証言。その後、ガリガリと何かを削るような音も聞こえたという。  沖田は犯人が着ていた剣道着を調べ、血の付き方が引っかかる。垂れの際まで血は飛んでいるのに袴の表には血は付着していなかった。だが、袴のお尻辺りには血が付着しているのだ。沖田は抜谷の顔を見て、準決勝の時に副審をしていた事を思い出す。沖田に突きをされて飛ばされた対戦相手は副審の抜谷と激突。抜谷は鼻血を出してしまったという。克成は平次の話を聞いて抜谷が関西弁を使っていた事を思い出し、それを聞いた平次は抜谷の奥さんが体育館に向かっているのは着替えを届けるためかと確認。鑑識課員がそうだと認めると、平次は3人の中の誰が犯人か、何を使って殺害したかを見破って…。

第32話
(918話)
ミニパトポリス大追跡

 交通課の婦警、宮本由美と三池苗子はデパート近くの道路で駐車違反の車を取り締まっていた。その時、乱暴な運転のワンボックスカーが脇を通過し、その車を追いかけてコナン、光彦、歩美がやってくる。コナンたちはミニパトに乗り込み、緊急事態だと伝える。コナンたちは阿笠博士とデパートのうまいもの市に買い物に来たと状況を説明。その時、元太がいなくなり、コナンたちは元太を探す事に。そして、コナンは業務用駐車場で血の付いた目打ちを発見。コナンは目打ちを拾おうとした時、駐車場から出て行こうとするワンボックスカーの荷台に元太が乗せられている事に気付いたという。  ワンボックスカーの荷台に乗せられた元太はガムテープで口を塞がれ、両手を後ろ手に縛られていた。コナンはDBバッジで元太に連絡。元太のズボンのポケットに入っているバッジはお尻で踏まれ、スイッチが押された状態になっていて、車内の声が聞こえてくる。元太を連れ去った井口翔と川又満雄はまずい話を聞かれ、顔も見られたため、このまま帰すわけにはいかないと元太の事を話していた。川又たちはダイヤでガッポリ大儲けと話していて、光彦はこの会話から2人が宝石泥棒だと推理する。  そして、光彦たちは川又たちの会話から元太の命が危ないと心配する。コナンは追跡メガネを操作。ワンボックスカーは帝丹小学校の方に向かっていた。先回りした由美はワンボックスカーを見つけると追跡を開始する。由美はワンボックスカーに接近するものの、踏切の所で振り切られてしまう。この後、由美は追跡を再開。ワンボックスカーの元太は口に貼られたガムテープを剥がし、ポケットからDBバッジを取り出す。元太はコナンたちと会話を試みるが、川又に気付かれてバッジを奪われる。  川又はバッジを窓から投げ捨て、バッジは道路に叩きつけられる。これでコナンたちは元太の居場所を知る手段を失う。コナンはワンボックスカーに近づいた時、荷台にオレンジ色のクーラーボックスが積まれていた事を思い出す。コナンはデパートで元太を捜していた時、同じクーラーボックスを担ぐ2人組を見かけていた。その時、手を動かして堀川伸太郎にサインを送っていた2人組。コナンは堀川とすれ違った時、堀川のズボンに細い線のシミが付いていた事、堀川からある匂いがした事を思い出す。  コナンは堀川をボスと考えていて、2人組がボスに向けて出したサインは仕事の場所を教えるものだったと推理する。見失ったワンボックカーが向かったのは湾岸の倉庫エリア。倉庫には番号が付いていて、コナンは2人組が出したサインは倉庫の番号を示すものと確信する。この後、コナンたちは元太を救出するため、サインが示している数字を推理するが…。

第33話
(919話)
JKトリオ秘密のカフェ(前編)

 コナンと小五郎は最近、妙にウキウキしている蘭の跡をつける。小五郎は蘭が新一と旅行するのではないかと疑っていた。蘭は京都のガイドブックを購入後、カフェを訪れる。コナンたちが気付かれないように様子を窺っていると、蘭と合流したのは園子と世良だった。蘭たちは女子だけで京都旅行を計画していたのだ。コナンは蘭が京都で新一にソックリな沖田総司と会いたがっていると知って動揺する。  蘭たちが安室のサンドイッチの話題を話し始めると、ウエイターの更家大輝がどこの店か教えてほしいと声をかけてくる。その時、客の本巣利範が教えたらダメだと園子に忠告。有名な食べ歩きブロガーの更家はブログにムチャクチャな事を書くらしく、本巣は自分の店も被害を受けた事を明かす。本巣は店長、蓮沼珠央の弟だった。この後、更家はウエイトレスの直村伊鈴に言い寄る。珠央が寿退社後、店長になる更家はお金には不自由しないと伊鈴を口説く。伊鈴は借金をしていて、お金に困っていた。  珠央が店の料理の出来について弟の本巣に訊ねると、本巣は更家を何とかしてくれと珠央に文句を言う。過去に更家と付き合っていた珠央だが、オーナーの甥っ子である更家に強くは言えなかった。珠央は入口にある大きな花瓶が1つ足りない事に気付き、探してほしいと伊鈴に頼む。この後、園子は店内にコナンと小五郎がいる事に気付く。コナンはコソコソと旅行に行こうとしているので、気になって跡をつけたと正直に蘭に明かす。蘭は大きくなったら経験する普通じゃない旅行だとコナンに教える。  その直後、更衣室から伊鈴の悲鳴が聞こえてきて、珠央、コナンたちは更衣室へと急ぐ。更衣室のドアの横ではタンスを背にした更家が前頭部から血を流して絶命していた。傍には大きな花瓶が転がっていて、小五郎は犯人はかなりの怪力だと推理する。更家のロッカーの南京錠は壊されていて、犯人は何かを盗んでいった可能性が高かった。この後、駆け付けた目暮警部たちが捜査を開始。伊鈴は花瓶は出勤した時にはなかったと思うと証言する。店の入口の鍵を持っていたのは伊鈴と更家。更衣室を出た所にある勝手口の鍵は料理人たち全員が持っているという。  死亡推定時刻の1時半から2時の間、厨房から出た料理人はいない事が判明。店の元シェフでもある本巣は料理の指示を出すため、一度厨房に行ったが、更衣室に更家がいた事は知らなかったと証言する。だが、ヘビースモーカーの更家が更衣室でタバコを吸う事は誰でも予測できる事だった。花瓶は空でもかなり重く、珠央はスタッフに振り回せる人はいないと訴える。小五郎はガタイの良い本巣なら可能と考えるが、本巣は右の手首を脱臼していると犯行を否定する。そして、南京錠を壊されたロッカーからは何か盗まれた可能性が高かった。コナンは真剣な眼差しで考え込むが…。

第34話
(920話)
JKトリオ秘密のカフェ(後編)

 コナンと小五郎が妙にウキウキしている蘭の跡をつけると、蘭はカフェで園子と世良と合流。蘭たちは女子だけで京都旅行を計画していた。コナンは蘭が京都で沖田総司と会いたがっていると知って動揺する。この後、カフェの更衣室でウエイターの更家が大きな花瓶で撲殺される事件が発生。食べ歩きブロガーの更家に店を酷評された客で店長の弟の本巣、更家に言い寄られて迷惑していたウエイトレスの伊鈴、更家と付き合っていた店長の珠央。3人には更家を殺害する動機があったが、凶器の重い花瓶を振り回せる怪力はいなかった。  高木刑事は犯人の狙いは更家のロッカーだったと推理する。目暮警部たちは更衣室にあった工具箱の中身を確認するが、ペンチや金づち、ドライバー、スパナでは壊せないと判断する。工具箱にはネジや釘も入っていて、高木はネジを1つ落としてしまう。ネジはタンスの下に転がり、高木がネジを取ろうとすると、その奥には別の何かが落ちていた。伊鈴は更家がロッカーに大事にしまっていた物はタブレット端末だと目暮に教える。更家はそのタブレットを使ってブログの文章を書いていたのだ。  本巣は更家のブログに悪い事を書かれて店は火の車だと告白する。本巣の店から暖簾分けした伊鈴の実家の店は何とかやっているという。小五郎は伊鈴の実家の店もブログのせいで傾いていて、それを恨みで殺害したと疑う。その店の看板娘だった伊鈴はそれなら直接文句を言っていると犯行を否定する。この後、珠央が更家と交際していた話になり、小五郎は珠央が交際中の恥ずかしい写真をネタに更家から強請られていたと推理。珠央は店長になる更家は金に困っていなかったと犯行を否定する。  小五郎は最終的にブログで酷評された本巣の犯行と推理する。本巣が手首を脱臼していると言ってギプスした手を突き出すと、小五郎は脱臼したようにギプスして誤魔化していると疑う。世良はこのやりとりを聞いて犯人のトリックを見破る。だが、そのトリックを使えば、この3人なら誰でも犯行が可能だった。園子はコナンの様子がいつもと違う事に気付く。世良がわからないのかと訊くと、コナンは全然わからないと答える。世良がトリックは解いたが犯人がまだわからないと伝えると、コナンは犯人は更衣室に入った時にわかったと明かす。コナンは大体のトリックも見破っていた。  世良が何がわからないのか訊ねると、コナンは蘭たちの旅行だと答える。コナンは大きくなったら経験する普通じゃない旅行が何なのかをずっと考えていたのだ。目暮は外部の犯行もあると考え始める。水が入った40キロ以上ある花瓶を振り回し、南京錠を破壊する程の怪力は3人の中にいないのだ。世良はそれはフェイクだと言って犯人のトリックを解き明かし、その後にコナンは誰が犯人かを暴いて…。

第35話
(921話)
殺意のあいのり

 小五郎、コナン、蘭が乗るレンタカーは山道でガス欠になり、大学生の佐伯遼平が運転するワゴン車で近くのスーパーまで牽引してもらう事に。コナンと蘭が乗せてもらったワゴン車には佐伯の他にゼミ仲間の井上春香、駒田孝弘が同乗し、教授の後藤正司は後部座席で酔っ払って眠っていた。佐伯たちは後藤の論文が表彰されたお祝いも兼ねてキャンプに行くのだという。スーパー到着後、買い物を終えた駒田と春香はスーパー前で時間を潰し、佐伯は近くのコンビニでタバコを吸っていた。  佐伯はコンビニからワゴン車に向かい、出発すると察した駒田は大量の荷物を持ってワゴン車の方に歩き出し、春香も荷物を抱えて駒田の跡を追う。この後、車に乗った駒田と春香は一番後ろの席でグッタリした後藤を発見する。駒田は異変に気付いて、いち早く後藤に駆け寄る。後藤は首から携帯電話のストラップのヒモを下げていたが、席からズリ落ちて、ヒモが首を絞める状態になっていた。携帯がヘッドレストの金具部分に挟まっているのだ。駒田は携帯を外すが、後藤はすでに息絶えていた。  コナンは座席にあるエアクッションに目を留める。クッションは穴が開いていて、表面は湿っていた。この後、目暮警部たちが事情聴取を始める。最後にワゴン車を降りた駒田は後藤にブランケットをかけたと証言。クッションは腰痛を和らげるために後藤が使っていたものだった。春香はスーパーに入る前、車に忘れたスマホを取りに戻ったと証言。戻った時、後藤はイビキをかいて寝ていたという。佐伯は買い物した後、タバコを買いにコンビニへ行き、1本吸ってから車に戻ったと証言する。  後藤はお酒を飲まないと眠れなかったらしく、睡眠薬も常用していた。後藤の携帯は折り畳み式。目暮は携帯が開いた状態で、シートとヘッドレストのわずかな隙間に引っかかっていた事に違和感を抱く。小五郎は泥酔した後藤が電話をかけようとして手を滑らせて隙間に入ったと推理。すると佐伯は買い物中、後藤から着信があった事を告白する。佐伯は返事がなかったので電話を切ったという。  そして、春香たちの会話から後藤が恨まれていた事が判明する。就職が内定した佐伯に嫌がらせで単位をあげなかった後藤。駒田は後藤から暴言を吐かれ、春香は後藤からセクハラを受けていた。目暮は3人には殺害の動機があると判断するが、事故に見せかけて殺害するのは難しいと考える。車内を調べていたコナンはエアクッションに穴が開いているのはおかしいと指摘。さらにコナンはクッションの表面が濡れていたのに席は濡れていなかった事もおかしいと皆に伝える。コナンはある物を使えば離れた場所にいても後藤を席から落とす事はできると推理。コナンはその細工ができる犯人の目星もつけていた。コナンはブランケットを見て、犯人がトリックに使用した決定的な証拠を今も持っていると確信して…。

第36話
(922話)
消えた少年探偵団

 コナン、光彦、元太、歩美、灰原はコンテナ埠頭で行われている仮面ヤイバーの撮影を見学する。コナンと灰原は見学者の中にいる辰巳雅也に目を留める。コナンは不審な動きをする辰巳を怪しいと直感。辰巳はヤイバーと違う方を見ていた。しばらく後…。灰原、元太、光彦、歩美は暗闇の中で目を覚ます。縄で縛られた灰原たちは少し離れた場所で辰巳も縛られている事に気付く。  30分前、コンテナ埠頭を離れたコナンたちは老人の仲間敏江とすれ違う。この時、突風が吹いて敏江の財布から1万円札が舞い上がる。コナンたちは公園に飛んで行った1万円札を追いかけるが、光彦、歩美、元太は別々の場所で1万円札を発見。この3枚は敏江の1万円札とは別のもので、紙幣番号が同じニセ札だった。最近、都内で発見されたニセ札の事はニュースにもなっていた。  ニセ1万円札はオレンジジュースで濡れていて、コナンは自販機の下を調べ、ニセ1万円札とスマホを発見する。ニセ札犯はジュースを買った時、突風に吹かれてニセ札を飛ばしてしまったのだ。慌てて拾い集めた時にスマホを落とした可能性が高かった。コナンは離れた場所で目暮警部に通報する。そして、灰原たちが公園で張り込みをしていると、ベラ・曳舟が現れる。ベラは1万円札とスマホを回収して立ち去っていく。歩美、元太、光彦、灰原はベラを尾行するが、ベラに気付かれて捕まってしまう。  灰原たちは捕まった後、麻酔のようなものを嗅がされて意識を失っていたのだ。灰原、元太、光彦、歩美は協力して縄を解き、身動きが取れるようになる。辰巳は自分も縄を解いてほしいと助けを求めるが、灰原たちは怪しい辰巳を警戒して応じない。コナンは姿を消した灰原たちを探しに行く。  元太は辰巳からオレンジジュースの匂いがする事に気付く。ニセ札を飛ばしてしまったのは辰巳だったのだ。この後、DBバッチが繋がり、灰原はどこにいるかわからないが動いているとコナンに伝える。コナンは灰原たちがコンテナトレーラーの中に閉じ込められていると推理。コンテナの中にある段ボールには大量のニセ札が入っていた。そして、コナンは走っている2台のコンテナトレーラーを発見。その内の1台のコンテナを調べるが、灰原たちが乗っているのはもう1台の方だった。  コナンはスケボーに乗って、もう1台のトレーラーを追う。トレーラーは月汐桟橋方面に向かっていた。灰原は何が起きたのかと辰巳を追及。辰巳は借金返済のためにニセ札を使おうとしたと告白する。ベラはニセ札を扱うマフィアで、辰巳はベラの手下だった。辰巳はニセ札を盗んだ事をベラに気付かれて監禁されたのだ。この後、トレーラーは月汐桟橋に到着。ベラは灰原たちがいるコンテナを海底へと沈める。ベラは灰原たちの命を奪おうとしていた。コンテナの扉の隙間からは海水が侵入してきて…。

第37話
(923話)
コナンのいない日

 光彦、元太、歩美、灰原は建設工事現場で雲母定数の遺体を発見する。雲母は頭を殴られていて、前歯が1本欠落していた。鉄パイプのようなもので殴られたようだが、現場に凶器は残っていなかった。この後、目暮警部たちが捜査を開始し、雲母は強請りの常習犯だと判明する。その頃、コナンは小五郎と温泉に来ていた。コナンは光彦から連絡を受けて事件について知る。雲母の死亡推定時刻は午後3時半から4時半の間だったが、光彦は4時だと断言する。  光彦たちは工事現場の向かいのアパート前で見張りをしていた事を目暮に明かす。孫の久保幸英が仕事もせずに遊び回り、最近は夕方から出掛けて朝帰りしている事に悩んでいた久保久江。この話を偶然耳にした光彦たちは幸英に意見しようとアパート前で張り込んでいたのだ。そして、光彦たちは4時5分前に工事現場に忍び込むキャップにサングラス、マスクをしたコート姿の長身の男を目撃。その5分後に男は慌てて逃げ去ったという。その時、アパートから幸英が出てきて、光彦たちは尾行を開始。そして、光彦たちは幸英が工場で働いていた事を突き止める。本採用されたら話すつもりだったという。  光彦はその後、気になっていた工事現場を覗き、雲母の遺体を発見したと証言する。目暮たちは強請られていた長身の男が雲母を工事現場に呼び出して殺害したと推理。電話で事件の話を聞いたコナンは現場に凶器がなく、逃げ去った男も凶器を持っていなかった事に違和感を抱く。翌日、高木刑事と千葉刑事は雲母が男性10人、女性1人を強請っていた事実を突き止める。そして、高木たちは挿絵作家の鮫井リカに会いに行く。リカは華奢で小柄な女性だった。隣人の田子国子は犯行時刻、リカは部屋で仕事をしていたと証言する。男性10人にも確実なアリバイがあり、捜査は行き詰まる。  コナンは変声機で小五郎になりすまし、現場の遺体写真を送って欲しいと高木に頼む。コナンは写真を見て雲母の欠落した1本の前歯に注目。高木はそれは差し歯だと説明し、差し歯は雲母の部屋にあったと教える。昨日、東京は寒かったのにポロシャツ姿だった雲母。コナンは上着を着ていない事には理由があると考え、事件の真相へと近づく。コナンの推理が正しければ長身の男に辿り着けない事も凶器の事も遺体が薄着だった事も全て説明がつくのだ。  だが、まだ犯人が誰なのかはわからずにいた。コナンはアリバイ証人への再確認と証拠探しを光彦たちに頼む。灰原は国子を訪ね、犯行時刻にリカが本当に部屋にいたのかはわからない事が判明。そして、光彦たちは現場近くの川で鉄パイプに縛り付けられたコート、キャップ、サングラス、マスクを発見する。灰原、光彦たちから報告を受けたコナンは全ての謎を解いて…。

第38話
(924話)
みかん畑に陽は沈む

 コナン、蘭、園子は都内の山地にあるみかん園までみかん狩りにやってくる。みかん園の経営者、寺内哲二は収穫が雑だと傷がつくと園子に注意。息子の寺内直哉は哲二の言い方がキツかったと園子に謝罪する。哲二の妻の寺内信子は先に下りると言って去っていく。直哉は最近、哲二と揉めてばかりの信子の機嫌が良かったのは久しぶりだとコナンに明かす。麓に下りた信子は農業用モノレールの運転レバーを入れ、無人のモノレールは山へと続くレールを登っていく。  コナンたちがたくさんのみかんを収穫し終えると、みかんを運搬するために使う農業用モノレールが近づいてくる。このモノレールは山頂の作業小屋まで行くと、自動でバックに切り替わって麓の小屋まで戻っていく仕組みになっているという。モノレールの荷台にコンテナを積んだ後、哲二は「乗っていくか?」とコナンに声をかけ、コナンは哲二と一緒にモノレールに乗って麓まで下りる。  コナンたちは寺内家でみかんを使った料理をご馳走になる。哲二は蘭たちにみかんを褒められると上機嫌になる。トイレに行ったコナンは農園売却の件で言い争う直哉と哲二を見かける。直哉は勝手に売却先を決めた哲二に文句をつけるが、哲二はお前の味方をするから信子には話すなと釘を刺し、決定権は家長の自分にあると言い放つ。この後、哲二は蘭たちに昔の写真を見せようと本棚の上段にあるアルバムを取ろうとする。だが、五十肩の哲二は痛がり、代わりに蘭がアルバムを取る。  夕方、コナン、蘭、園子は信子に勧められ、山頂まで沈む夕日を観に行く。夕日を見終わった頃、エンジン音が近づいてくる。モノレールに乗って哲二が迎えにきたのだ。蘭たちが手を振ると、哲二も蘭たちに向かって手を振る。その直後、哲二は荷台から落下。コナンたちは哲二が落下した山の中腹へと急ぐが、頭から血を流した哲二は絶命していた。間もなく、麓から直哉、遅れて信子が登ってくる。  夜、目暮警部たちは現場検証を行う。哲二の死因は頭蓋骨陥没で、高木刑事は転落時に近くの石に頭をぶつけたと考える。蘭と園子は哲二が転落した瞬間を見たと証言。コナンは直哉と信子が転落に気付いた事を不思議に思う。直哉と信子は麓の別の場所にいたが、蘭たちの声が聞こえたので、そっちを見たら転落する瞬間を目撃したと証言する。蘭たちを迎えに行ってほしいと哲二に頼んだのは信子だった。  コナンは哲二の帽子の内側に付着した血痕に目を留める。コナンは外側に石で擦った跡がない事から石にぶつかる前に帽子は飛んだと推理。だが、そう考えると、内側に付着した血が不自然なのだ。この後、コナンはモノレールについた泥の足跡と荷台のコンテナに注目。さらにコナンは辺りを見渡し、他と違うコンテナと見つける。目暮は不運な転落事故と考えるが、コナンは事件の真相を見破って…。

第39話
(925話)
心のこもったストラップ(前編)

 コナン、歩美、元太、光彦、灰原は東都スタジアムを訪れ、ビッグ大阪VSスピリッツ東京の試合を観戦する。帰りの電車で、コナンは帝丹高校の修学旅行があるのでアポトキシン4869の解毒剤を使いたいと灰原に頼む。灰原は何日も連続して服用した時の副作用を心配して難色を示す。灰原はロンドンの時や死羅神様の事件の時のように解毒剤を飲んだ時に起きるトラブルの事も懸念していた。その時、コナンたちが乗車していた電車は急停車。コナンたちは体勢を崩して転倒する。  コナンたちは阿笠博士の自宅に戻り、スタンドで会ったビッグ大阪の比護選手の話題で盛り上がる。灰原は売り切れる直前に大好きな比護選手のぬいぐるみストラップを購入していた。光彦は撮った写真を見ようとしてスマホを取り出し、知らない内に録画していた事に気付く。電車の中で転倒した時に録画ボタンを押してしまったのだ。この後、灰原は自分のスマホを確認して愕然となる。スマホに付けていた比護選手のぬいぐるみストラップが無くなっていたのだ。  コナンはまたネットで買えば良いと慰めるが、比護選手が自分のグッズと気付いて触ってくれたらしく、灰原は世界でたった1つのストラップだとショックを受けて、その場に崩れ落ちる。元太は電車で転倒した時に落としたと考え、光彦が偶然撮影した動画を確認する事に。動画には落ちた灰原のストラップを拾い上げる日焼けした口ヒゲのある男性の姿が映っていた。阿笠はこの男性が駅の落とし物預かり所に届けてくれたかもしれないと期待して駅に連絡する。  電話をした阿笠は灰原のストラップが届けられていた事を皆に報告。だが、預けられているのは米花駅ではなく、少し離れた千槍駅だった。コナン、元太、光彦、歩美はショックから立ち直れない灰原の代わりにストラップを受け取りに行く事に。コナンたちは阿笠邸の近くに車を停車して仮眠していた安室に千槍駅まで送ってもらう。コナンたちは千槍駅の忘れ物取扱所を訪ねるが、届けられたのは比護選手のストラップではなく、ボロボロの真田選手のストラップだった。  安室はこの謎を解くために光彦が撮影した動画を確認し、口ヒゲの男性の傍にいる男の子は息子と推理する。安室は父親が比護選手のストラップを息子が落としたと勘違いして持って行ったと考える。熱心なファンでなければ同じストラップに見えるのだ。息子のストラップは別の人が拾って駅に届けた可能性が高かった。この時、元太は自分も電車でDBバッジを落とした事に気付く。この後、コナンたちはファミレスに入って相談。コナンたちはこの親子の会話を思い出したり、動画を見返したりして親子が電車でどこに向かったのかを推理する。そんなコナンたちの姿をハンチング帽の男性が監視していて…。

第40話
(926話)
心のこもったストラップ(後編)

 ビッグ大阪VSスピリッツ東京の試合を観戦後、コナン、歩美、元太、光彦、灰原は阿笠博士の自宅に戻る。この時、灰原は大好きな比護選手のぬいぐるみストラップが無くなっている事に気付く。無くしたのは帰りの電車の中だった。光彦が偶然録画した動画には灰原のストラップを拾い上げる日焼けした口ヒゲの男性が映っていた。このストラップは千槍駅の忘れ物取扱所に届けられていて、コナンたちは安室の車に乗せてもらい、立ち直れない灰原の代わりにストラップを受け取りに行く。  だが、届けられていたのは比護選手ではなく、真田選手のストラップだった。安室は光彦が撮影した動画を見て、口ヒゲの男性の傍にいる男の子は息子と推理。安室は父親が比護選手のストラップを息子が落としたと勘違いして持って行ったと考える。コナンたちはこの親子の会話を思い出したり、動画を見返したりして親子が電車で潮干狩りに向かったと推理。コナンたちは海水浴場に向かう事に。そんなコナンたちの行動は謎のハンチング帽の男性に監視されていた。  コナンたちがファミレスを出て、安室の車に乗ろうとすると、雨が降ってくる。元太はフードを被ろうとした時にフードの中から何かが落ちてきた事に気付く。それは無くしたと思っていたDBバッチだった。元太は落ちたDBバッジを拾って車に乗り込む。この後、コナンたちは潮干狩りができる海水浴場に到着するが、たくさんの人たちが来ていて、あの親子を見つけるのは容易ではなかった。  その時、安室のスマホに部下の風見から着信がある。安室は息子の方が扉の窓に何かを書いていたと聞いて、コナンたちが乗車していた電車を調べて欲しいと頼んでいたのだ。風見はコナンたちがいた車両の扉の窓に「よしだゆうと」と書かれていたと安室に報告。コナンは変声器で女性アナウンサーの声になり、よしだゆうとを海の家に呼び出す。そして、コナンたちが海の家で待っていると、父親が息子の吉田佑斗を連れてやってくる。コナンたちが事情を説明すると、思っていた通り、父親は佑斗が落としたものと勘違いして灰原のストラップを拾っていた。  父親は謝罪してコナンたちに灰原のストラップを返そうとする。その時、横から手が伸びてストラップが奪われる。それはコナンたちを監視していたハンチング帽の男性だった。男性はストラップを奪って逃走。安室はこの男性が千槍駅やファミレスにいた事を覚えていた。コナンがただのストラップを盗んだ事を不思議がっていると、父親と佑斗はぬいぐるみの中に何かが入っていたと教える。あのぬいぐるみには何か秘密が隠されているのだ。コナンら少年探偵団は灰原のために一致団結。コナンたちは手分けして海水浴場のどこかにいる男性を必死に探すが、なかなか見つける事ができずに…。


シーズン24

第01話
(927話)
紅の修学旅行(鮮紅編)

 灰原から解毒薬をもらったコナンは一時的に工藤新一の姿に戻り、蘭、園子、世良たちと京都へ修学旅行にやってくる。新一がロンドンで蘭に告白した事もあり、2人をつっくけようと張り切る園子。新一が告白した事はクラスメイトにも知れ渡っていた。園子は告白の返事をしろと蘭をせっつく。この後、新一は清水寺で母、有希子の友人の女優、鞍知景子と出会う。景子は大学時代の同級生たちと友人のお墓参りに来たという。景子は同級生のもとに届いた暗号を解読してほしいと新一に依頼。新一は午後9時に同じホテルに宿泊している景子に部屋に行く事を約束する。  午後9時、新一は蘭、園子、世良を連れて景子が宿泊する1506号室の前にやってくる。その時、歌手の倉木麻衣とマネージャーが部屋から出てくる。倉木たちは中で映画ポスターの打ち合わせをしていた様子だった。この後、新一たちは1506号室に入室。景子は撮影中にタンコブができたらしく、それを隠すために帽子を被っていた。1506号室に集まっていたのは週末に封切られる映画「紅の修羅天狗」の関係者たち。俳優の井隼森也、映画監督の馬山峰人、作曲家の阿賀田力は景子の大学の同級生だった。暗号は脚本家の西木太郎のもとに届いたらしく、新一、景子たちは西木が宿泊する1502号室を訪ねる事に。  新一は西木から暗号が入った封筒を見せてもらう。封筒には干乾びたヤツデの葉も同封されていたという。新一は暗号の頭に書かれた黒い4つの四角のマークについて質問。これは暗号を考えた出栗未智男がいつも使っていたマークだったらしく、出栗は先月、清水の舞台から飛び降りて自害したという。新一は暗号を受け取った後、ラウンジで食事をするという景子たちと別れる。だが、間もなく、新一のスマホに西木の部屋に来てと景子からメールが届く。1502号室ではイスに足をひっかけ、逆さの体勢になった西木が胸から血を流して絶命していて、額には2つのタンコブができていた。  ラウンジに行く前に準備のためにそれぞれの部屋に戻った景子たち。10分後に1502号室に集まる事になっていたが、いくらドアベルを鳴らしても返事がなく、景子たちはボーイにドアを開けてもらって遺体を発見したのだ。現場は養源院の血天井のように天井が血で染まっていた。天井についた血の足跡は窓まで続いていて、それは15階から空を飛び、神通力がある化け物の仕業に見立てた犯行だった。景子たちは天狗に襲われたと恐れ戦く。天狗は今回の映画の題材になっていて、西木の懐には天狗がよく持っているヤツデの葉と新たな暗号が入っていた。  暗号は殺害予告の可能性があり、床にはツルツルした表面の付箋を貼り付けた脚本の原稿が散乱。新一は映画に不満を持った人物の犯行と睨む。その時、新一の体に異変が起き、汗が拭き出し、呼吸が荒くなる。薬の効果が切れそうになっているのだ。新一はコナンの体に戻る前に理由をつけて自分の部屋に帰る。ベッドの毛布に包まって幼児化した新一はベッドに下に隠れていた服部平次に声をかける。クラスメイトと相部屋のため、布団のふくらみでバレないように平次に入れ替わってもらうのだ。一度、幼児化したら8時間は間を空けて薬を飲む事が灰原との約束だった。その頃、1502号室では到着した京都府警捜査一課の綾小路文麿警部が現場検証をしていた。  翌朝、幼児化していた新一は薬を飲んで元の姿に戻る。その時、新一のスマホに景子からメールが届く。1504号室で阿賀田が大変な事になっているという。新一が平次を起こして1504号室に急ぐと、ドアの前に綾小路、景子たちが集まっていた。1504号室から阿賀田の助けを求める声が聞こえてきたため、景子は皆を呼んだのだ。この後、ボーイが部屋を開けると、天井から顔を出した巨大な天狗が怯える阿賀田に襲い掛かろうとしていた。阿賀田は吸いかけの煙草と灰皿を天狗に投げつけ、煙草の火がついた天狗は燃えて消滅する。昨夜、バーで飲んでから寝ようとした阿賀田。だが、飲み過ぎて泥酔し、気付いたら自分の部屋に戻っていたという。起きて煙草を吸っている時に気配を感じた阿賀田は天井を見上げて天狗に気付いたのだ。阿賀田は殺害された西木と同じようにタンコブを2つつけられていた。  新一は自分が部屋に戻った後の捜査の進捗状況を世良に訊ねる。世良は西木の部屋の天井の血は中心部分だけ西木のもので、あとは随分前から塗られた赤い絵具だったと説明。凶器は現場から見つかっていなかった。この後、新一と世良は蘭、園子と合流して映画「紅の修羅天狗」の話になる。新一は映画の詳しいストーリーを蘭に教える。蘭たちが公開前にストーリーを知っている事を不思議がると、新一はこの映画は景子たち5人が祇園芸術大学の時に撮った卒業制作のリメイクだと教える。この卒業制作によって5人は有名になり、ネットにもストーリーは載っているのだ。  蘭は清水の舞台で景子に会った時の事を思い出す。それは映画のラストシーンを連想させる行動だったらしく、景子は押し花を風に飛ばして「待っててね、出栗君。もうすぐだから」と呟いていたという。午後の自由行動の時間、新一のスマホに平次から着信がある。景子たち4人は暗号を考えた出栗の話をするため、お昼に料亭を予約したらしく、平次はその店に警察と一緒に行く事になったと新一に伝える。新一も話を聞くため、蘭たちをその料亭に誘う。この後、新一たちは景子たちが集まる先斗町の料亭前で京都泉心高校の大岡紅葉と偶然会う。蘭は紅葉と同じ高校に通う剣道部の沖田総司の事を訊ね、紅葉は同じクラスだと答える。新一は蘭が沖田を気にしている事に動揺する。  この後、木屋町通りに天狗が出たと騒ぎになる。路地にいた新一たちが表通りに出ると、天狗の面をつけた大勢の人たちが駆け回っていた。その頃、料亭の客間にいた綾小路、平次、景子、阿賀田、馬山、井隼たちも天狗が出たという報告を受ける。景子、阿賀田、馬山、井隼は西木の事件と関係があるかもしれないと怯える。綾小路と平次は景子たちを残して木屋町通りに向かう。平次は天狗の面を付けた人を捕まえて話を聞く。天狗の面をつけて木屋町通りを走り回ったらお金がもらえるとネットで募集があったという。平次が話を聞いていると新一がやってくる。新一と平次は4人が危ないと察して料亭へと急ぐ。犯人はこの混乱の隙に4人の中の誰かを狙っている可能性が高かった。そして、新一たちは料亭の前で犬矢来に足をひっかけ、逆さの状態で絶命した井隼を発見。井隼は首を斬られ、額にタンコブが2つできていた。犬矢来には西木の現場と同じように天狗のような足跡が残っていて…。

第02話
(928話)

 灰原から解毒薬をもらったコナンは一時的に工藤新一の姿に戻り、蘭、園子、世良たちと京都へ修学旅行にやってくる。新一は清水寺で出会った母、有希子の友人である女優の鞍知景子から暗号を解読してほしいと依頼される。週末に封切られる映画「紅の修羅天狗」の関係者である景子、俳優の井隼森也、映画監督の馬山峰人、作曲家の阿賀田力、脚本家の西木太郎は大学の同級生だった。新一は西木のもとに届いた暗号を預かって景子たちと別れるが、その直後に西木が殺害される事件が発生。現場には天狗に襲われたような形跡が残っていた。この後も阿賀田が巨大な天狗に襲われかける事件が発生。さらに井隼が殺害される事件が起きる。井隼の現場にも天狗のような足跡が残っていた。  ネットで募集した天狗の面をつけた人たちに騒ぎを起こさせ、その隙に井隼を殺害した犯人。平次は料亭の客間で待つようにと景子、阿賀田、馬山、井隼に釘を刺したが、馬山は井隼、阿賀田と一緒にトイレに行ったと説明。井隼は部屋に1人でいる景子が心配だと言って途中で戻ったという。阿賀田は井隼が戻る前にスマホのメールを見ていたような気がすると新一たちに教える。景子は1人で部屋にいるのが怖くなり、後からトイレに立ったため、井隼とは会ってないと明かす。世良は3人の誰でも井隼をメールで呼び出して殺害する事は可能だったと考える。  犬矢来の足跡はかなり前に絵具で描かれたもので、蘭、園子、紅葉は遺体を見つける前、料亭に来た時にはこの跡はなかったと綾小路に教える。新一は犬矢来のヘリに点々とついた何かの跡に目を留める。西木の時と同じように井隼の懐にはヤツデの葉と共に新たな暗号が入っていた。この3枚目の暗号の頭にも出栗のマークが書かれていて、世良は4つの■を大きな四角で囲むと「出」の文字が浮かび上がる事に気付く。紅葉は暗号に書かれた文字を見て、京都の地名みたいだと新一たちに伝える。上京区の庇野の「庇」、下京区木賊山町の「木」、左京区化野の「化」など、暗号には京都の地名に当てはまる文字が使われていた。続けて、紅葉は京都には上京区、中京区、下京区、左京区、右京区があると教える。紅葉からヒントをもらった新一、平次、世良は暗号の解読方法に近づく。  この後、新一、平次、世良、綾小路は料亭で出栗の話を景子たちから聞く。出栗は景子たちと同じ祇園芸術大学の同級生。皆の学科はバラバラだが、特撮研究会で知り合ったのだ。出栗だけは漫画研究会と掛け持ちだったという。大学祭では皆で撮影した映画を毎年上映していたらしく、馬山が得意だったのは特撮で、景子と井隼は特殊メイクに精通。阿賀田は映像に音楽をつけ、脚本は西木、衣装や化け物のデザインは出栗が担当していたという。新一は今回上映される「紅の修羅天狗」のもとになった卒業制作のスタッフに出栗の名前がない理由を景子たちに訊ねる。卒業制作の脚本に悩んでいた時、出栗が同人誌で描いた漫画「紅の修羅天狗」を発見。景子たちはこの漫画を卒業制作の映画にしたいと頼むが、出栗はプロの漫画家になった時、きちんと発表するから使わないで欲しいと断ったという。だが、景子たちは完成した作品を見れば納得してくれると思い、勝手に「紅の修羅天狗」を撮ってしまったのだ。  だが、完成した卒業制作を見た出栗はこんなのは僕の作品じゃないと激怒し、僕の名前は出さないでくれとスタッフロールに名前を入れる事を拒否。その後、卒業制作は評判になり、出栗以外の5人が脚光を浴びる形になってしまったという。話を聞いた平次は5人が出栗から恨まれても仕方ないと感じる。  馬山は今回の映画化が決まると、製作発表した日に出栗から連絡があった事を明かす。漫画家を諦め、小さなデザイン会社に勤めていた出栗はあの話をリメイクするなら、スタッフロールの片隅に僕の名前を入れて欲しいと頼んできたという。出栗は自分の漫画が映画化されるのが夢だったのだ。馬山は出栗の希望通り、スタッフロールに名前を入れようとしたが、手違いがあって初号試写のスタッフロールには出栗の名前が入っていなかった事を明かす。出栗はその初号試写を見て、失意の果てに清水寺から飛び降りて自害してしまったのだ。その頃、蘭、園子、紅葉は料亭の外で話が終わるのを待っていた。そこに蘭が会いたがっていた沖田総司が偶然通りかかる。沖田はたくさんの天狗が現れたと聞いて、剣道部の部員たちを連れて退治しに来たのだ。園子は沖田が新一にソックリな事に驚く。蘭は沖田を離れた場所に連れて行って封筒を手渡す。園子は親密そうな蘭と沖田の関係を怪しんでスマホで撮影する。  新一は父の優作と一緒にアメリカのロサンゼルスにいる有希子に電話して景子の事を聞く。新一は有希子が景子の事を京子と呼んでいる事が引っかかる。景子の本名は京子らしく、有希子は大学の卒業制作の時にいろいろあって「京」の上に「日」をつけて芸名を景子にしたと教える。景子のように卒業制作の時だけ、馬山は峰人の「峰」を「峯」に、西木は「太郎」を「太郎坊」と名前を変えたという。景子は大学時代に好きだった人を今も想い続けて結婚していないらしく、その想い続けている人は出栗だった。有希子に一方的に電話を切られた後、新一のスマホに園子からメールが届く。「妻の浮気現場だよん」という文章に添えて送られてきたのは親密そうな蘭と沖田の写真だった。  この後、西木が喫煙部屋を予約しようとしたら最初は満室だと断られたのに電話中にキャンセルが出て部屋が取れたという情報が入り、新一、平次、世良、綾小路は祇園ホテルへ確認に行く。フロントマンはこの話が事実だと認める。喫煙家の阿賀田は西木のすぐ後にまたキャンセルが出て予約できたと証言。その時、西木たちはマンションに集まって一緒に予約したという。世良は阿賀田の部屋に出現した巨大な天狗の事を綾小路に確認。綾小路はコゲた天井にノリみたいな物が付いていたと明かす。阿賀田が天狗に向かって投げた灰皿の煙草が落ちてカーペットに3センチくらいの焦げた跡が残っていたという。話を聞いた新一は何かが引っかかるが、写真の蘭と沖田の姿がチラついて推理に集中できない。  その時、新一の体に異変が起きる。薬の効果が切れて幼児化する時間が近づいているのだ。新一は苦しみながらも犯人がわかった事を平次と世良に伝える。だが、捕まえるためにはまだ証拠が薄く、新一は綾小路に協力を求める。翌日、綾小路は自分の部屋から出ないように景子、阿賀田、馬山に釘を刺す。犯行予告と思われる暗号が井隼の遺体からも発見されたため、犯人が新たに誰かを狙う可能性は高いのだ。景子たちは綾小路と別れ、それぞれ自分の部屋に戻るが、この後、犯人が動き出して…。

第03話
(929話)
窓辺にたたずむ女(前編)

 歩美は道端で転んでしまい、通りかかった緑川紗希が住むアパートで手当てを受ける。質素な暮らしをする紗希の部屋には男性との2ショット写真が飾られていた。紗希は花を窓辺に飾った後、外を眺めながら「へぇ、お友達が来てるんだぁ」と呟く。この後、歩美はコナン、光彦、元太、灰原を連れて紗希のアパートに向かう。歩美が明るくやさしい紗希の話をして、会いに行く事になったのだ。だが、窓辺に佇んでいた紗希は妙に寂しげな表情をしていた。紗希は外にいる歩美たちに気付いて笑顔になる。  紗希は歩美たちと話した後、ジムに行くと言って去っていく。紗希と別れたコナンたちは何か事件はないかと見回りを始める。この後、車が建物に突っ込む事故が発生。近くにいたコナンたちは激突音に驚き、ジムから出てきた紗希も事故現場に向かう。紗希は驚きの声を上げ、集まった野次馬たちに注目される。コナンは野次馬の中にいた堂島多津子、立花淳之介、今野美千代が紗希を忌々しそうに見ている事に気付く。コナンは人に恨まれる覚えはあるかと訊ねるが、紗希はないと笑って去っていく。  コナンは紗希と何かあったのかと多津子、立花、美千代に確認。3人は動揺しつつも惚けて去っていく。歩美は紗希が人に恨まれる人とは思えないと当惑する。多津子、立花、美千代は同じマンションに帰っていき、コナンは3人の事を管理人の小木狭一に訊ねる。102号室の立花はカッコイイと学生に人気の女子大講師だった。真面目で礼儀正しい美千代は302号室に住み、貿易会社に勤務していた。1107号室に住む多津子は社会評論家。テレビにコメンテイターとして出演する事も決まっているという。  コナンたちは紗希の部屋の下に行き、3人が住むマンションの方を確認。紗希の部屋から見えるのは102号室、202号室と縦並びの1列のみ。102号室、302号室は見えるが、1107号室は死角になっていた。コナン、灰原たちは紗希が部屋の窓から立花、美千代の部屋の何かを見た可能性があると考える。102号室の立花はドアの新聞受けに入っていた封筒の中身を見て戦慄する。便箋には「しっかり見ちゃったもんね」「公表されたくなければ金で」と書かれていて、差出人名は「秘密を知っている女」だった。  コナンたちは紗希がいる米花シネマに向かうと、紗希は近くの交差点で信号待ちをしていた。その直後、紗希は車に轢かれそうになり、コナンたちは急いで助けに行く。紗希は考え事をして赤信号で渡ろうとしたという。コナンたちは紗希に話を聞こうとするが、紗希は動揺している事を理由に去っていく。コナンたちは多津子、立花、美千代から話を聞く事に。コナンが紗希を睨んだ理由を3人に確認。美千代はキレイで妬ましかった、多津子は嫌いな従妹に似ていた、立花はフッた彼女に似ていたと答える。コナンたちの心配は杞憂に終わったかに思えたが、翌朝、紗希はマンションから落ちて絶命して…。

第04話
(930話)
窓辺にたたずむ女(後編)

 コナンたちはひょんな事から明るくてやさしい紗希と仲良くなるが、間もなくして妙な事に気付く。社会評論家の堂島多津子、女子大講師の立花淳之介、OLの今野美千代が紗希を恨んでいる可能性が出てきたのだ。3人の住むマンションは紗希の住むアパート近くにあり、コナンたちは紗希が部屋の窓から3人の何らかの秘密を目撃したと考える。そんな折、紗希が3人のマンションから落ちて絶命する。  コナンは野次馬の中にいる中林ナカに声をかける。ナカは昨日、紗希が車に轢かれそうになった時も現場にいたのだ。紗希は考え事をしていて轢かれそうになったと話していたが、ナカは紗希が背後から何者かに突き飛ばされて交差点に飛び出したと証言。話を聞いたコナンはこの墜落死は自殺ではなく、他殺だと確信する。紗希は何か目撃した事で3人の誰かを強請り、口封じに殺害された可能性が高かった。コナンは紗希の遺体を確認。紗希は手袋をはめ、首には微かな擦過痕が残っていた。  この後、目暮警部たちは捜査を開始する。千葉刑事は紗希が屋上から落ちた可能性が高いと高木刑事に報告。屋上の鉄柵の汚れが拭えていて、その汚れが紗希の服に付着していたのだ。屋上には紗希のピアスも落ちていた。目暮は防犯カメラを調べ、紗希は11階までエレベーターを使用していたと判明。11階から屋上には階段を使うしか方法はないという。携帯の履歴から紗希は誰かに呼び出されてマンション屋上に行った事も明らかになる。元々、明るくて誰からも好かれる女性だったショーパブ専属ダンサーの紗希。だが、3年前から人が変わり、同僚ダンサーを強請ったり、客にたかったりするようになったという。コナンは3人の事を高木に伝え、高木はアリバイがある多津子以外の2人から話を聞く。  立花は脅迫状が届いた事を告白し、紗希が落ちた時は部屋にいたと証言する。紗希に何を見られたか訊かれると、観念した立花はハゲている事がバレたと言ってカツラを取る。美千代も紗希が落ちた時、部屋にいたと証言。紗希から部屋で待っていろと連絡があったという。美千代は昨日、交差点で紗希を押した事は認める。強請られた理由を訊かれると、美千代はある大金持ちが昔作った娘を捜していると聞いて、その娘に成りすまして金をせびっていたと告白。美千代はカツラを外し、自分の正体は沼垣大八という男だと打ち明ける。紗希は部屋でカツラをとった沼垣を見て強請っていたのだ。  この後、紗希は睡眠薬を飲まされていた事が判明。沼垣は今日の事は知らないと主張するが、高木と千葉は沼垣が紗希を殺害したと疑う。沼垣は殺人未遂と詐欺容疑で逮捕されるが、コナンは何かが引っかかっていた。その時、202号室の赤羽根十和が大騒ぎをする。旅行中に宝石類を盗まれたという。コナンはこの空き巣事件と紗希が殺害された事件が繋がっている事に気付き、事件の真相に近づいていく…。

第05話
(931話)
北九州ミステリーツアー(小倉編)

 日本探偵連盟のベスト探偵アワードに選ばれた小五郎は授賞式に出席するため、コナン、蘭と福岡の小倉にやってくる。小五郎はコナンと共に警視庁時代の先輩、深町虎三が経営する小倉の会社を訪ね、蘭は1人で観光地を回る事に。専務の桐山栄作は深町が1週間前に転倒事故を起こしたと小五郎に明かす。頭を打った深町は入院中で、今も意識不明だった。膝を痛めてリハビリのために散歩していた深町は駐車場の車止めブロックにつまづいて転倒。倒れた深町を発見したのは社長秘書の泉海乃梨子だった。  桐山は会社に落書きした犯人を捕まえてほしいと小五郎に依頼する。壁には赤いスプレーで「虎」と書かれていて、第一発見者の運転手、宇梶誠は3日前に出勤した時に気付いたと証言。会社の駐車場や倉庫、桐山の自宅ドアにも同じ落書きがされていた。深町の社長復帰が難しい場合、今日の株主総会で桐山の社長就任が決まるため、桐山は深町の息子の虎彦が阻止するために脅迫していると考えていた。  小五郎は泉海に案内され、逃げる犯人を目撃した警備員の岩田源一郎に会いに行く。コナンは別れ際に小五郎に発信シールを貼り、深町が倒れた駐車場を調べる。その時、コナンのメガネからフェリーで移動中の小五郎と泉海の会話が聞こえてくる。泉海は深町と桐山が会社の経営方針を巡り、よく言い争っていた事を告白。泉海は桐山が深町を突き飛ばしたと疑っていた。この後、小五郎は倉庫にいた岩田と会って落書き犯の事を聞く。岩田は後ろ姿だったが、金髪だったので虎彦に間違いないと証言する。  岩田と別れた後、泉海は深町が搬送される救急車の中で「トラ…」とだけ言ったと小五郎に報告する。小五郎と泉海は虎彦が立ち寄りそうな場所に行ってみる事に。この後、コナンは岩田が社長車を洗車している事に気付く。岩田は後部ドアを開けて上半身を突っ込んでいた。コナンが声をかけると、岩田は自分が掃除する担当だと説明する。後部座席には小倉城のマスコットキャラクター“とらっちゃ”が置かれていた。この後、岩田の携帯に着信があり、岩田は社長室にいる誰かに呼び出されて去っていく。  コナンは蘭に連絡し、ランチを一緒に食べられないと伝える。門司港レトロにいる蘭は1人でランチを食べる事に。電話を切った後、蘭は若い男に声をかけられる。悪いヤツに追われているので、少しだけ恋人のフリをしてほしいという。男は蘭を抱き寄せるフリをして顔を隠し、愚連隊風の志垣修平、中丸銀次は男に気付かずに去っていく。この後、社長室から宇梶が出てくる。コナンは社長室に入り、ゴミ箱に入った丸めた封筒に目を留める。その頃、蘭は助けた男と一緒にレストランに入っていた。蘭は男と話をして、深町の息子の虎彦だと気付く。小五郎と泉海は虎彦を捜すため、門司港レトロの展望室にやってくる。小五郎は素行が悪い虎彦と一緒にいるのが蘭だと気付いて動揺するが…。

第06話
(932話)
北九州ミステリーツアー(門司編)

 小五郎はベスト探偵アワードの授賞式に出席するため、コナン、蘭と福岡の小倉にやってくる。小五郎の警視庁時代の先輩である会社社長、深町は転倒事故を起こし、意識不明で入院していた。専務の桐山は会社に落書きした犯人を捕まえてほしいと小五郎に依頼。深町の社長復帰が難しい場合、桐山が社長に就任するという。桐山は深町の息子の虎彦がそれを阻止するために落書きしたと考えていた。落書き犯の捜査を進める小五郎だったが、桐山が深町を突き飛ばした可能性が浮上する。  門司港レトロにいる蘭は志垣、中丸に追われている男を助けて仲良くなる。蘭は男と話をして、深町の息子の虎彦だと気付く。小五郎と社長秘書の泉海は虎彦を捜すため、門司港レトロの展望室にやってくる。小五郎は素行が悪い虎彦と一緒にいるのが蘭だと気付いて動揺する。この後、虎彦は背後から志垣と中丸に締め上げられ、蘭は虎彦を助けるために2人にパンチやキックをして攻撃。小五郎と泉海は蘭たちがいた場所へと急ぐが、駆け付けた時には志垣、中丸しかいなかった。  逃げた後、虎彦は志垣と中丸の正体を蘭に明かす。2人は虎彦が高校の頃から世話になっている小倉署の刑事だった。警察は虎彦を落書きの犯人として追い回しているが、虎彦は自分ではないと断言する。蘭は逃げずにきちんと警察で話せば良いとアドバイスする。だが、虎彦は父親の深町が誰かに背後から突き飛ばされた事を蘭に打ち明け、犯人の証拠を掴むまで捕まるわけにはいかないと訴える。  搬送される救急車の中で「トラ…」と言った深町。虎彦は深町が社長車の後部座席に小倉城のマスコットキャラクター“とらっちゃ”を置いている事を蘭に明かす。昔、深町はとらっちゃに盗難防止のGPSやカメラを仕掛けていたらしく、虎彦はそこに犯人との会話などの証拠映像が残っているかもしれないと考えていた。その時、蘭のスマホにコナンから着信がある。コナンは小五郎が全て解決してくれると虎彦を説得してほしいと話し、蘭はこれから虎彦と一緒に会社に行くとコナンに伝える。  コナンは小五郎に連絡し、蘭と虎彦が会社に向かっていると報告。事件を解決すると意気込む小五郎は専務の桐山、運転手の宇梶、警備員の岩田ら関係者を集めて欲しいと志垣、中丸に頼む。この時、泉海は桐山が深町のお見舞いに行っている事を明かす。小五郎は桐山からお見舞いは遠慮してほしいと言われたため、自分だけ病院に行っている事に疑問を抱く。そして、午後2時過ぎ、桐山を含む関係者全員が会社に集まる。だが、午後3時からは大事な株主総会があり、桐山は急いでほしいと小五郎に頼む。小五郎は深町を突き飛ばした犯人は桐山だと言い放つが、これは見当はずれの推理だった。事件の真相に辿り着いたコナンは慌てて小五郎に麻酔銃を発射。眠りの小五郎の推理ショーが始まる…。

第07話
(933話)
サラブレッド誘拐事件(前編)

 小五郎はコナンを連れて競馬場にやってくる。小五郎は馬券売り場で帽子にサングラス、口髭の男に声をかけられる。フリーの競馬ジャーナリストを名乗る男は小五郎に仕事を依頼する。小五郎、コナンが事務所に戻ると、ネットで競馬の予想と評論をしているという別の依頼人が待っていた。この男が帰ると、すぐに競馬ファンという女の依頼人も現れる。この後、コナンは喫茶ポアロで依頼人の女と男2人が密談している現場を目撃。3人は知り合いらしく、コナンはこの依頼には何か裏があると考える。  コナンは小五郎についていき、TOKUYOSHI厩舎にやってくる。小五郎が競走馬のホワイトスピリッツを見ていると、そこに馬主で会社社長の徳吉耕三が現れる。小五郎はこの馬を殺害すると手紙やメールで脅迫されているかを確認。徳吉が脅迫を認めると、小五郎はこの馬を守ってくれと依頼された事を告白。小五郎が依頼されたのは3件とも同じ内容だった。話を聞いた徳吉もこの馬を守って欲しいと依頼する。その様子を見ていた調教師の長谷康孝は何故か顔色を変え、携帯で誰かに電話をかけていた。  翌日、ホワイトスピリッツは競馬場で開催されるレースに出走するため、馬運車に乗せられる。運転手付きの車の助手席には徳吉、後部席には小五郎、コナン、蘭が乗り込む。厩務員の永浦実秋は脅迫されているのに出走するのは無茶だと訴えるが、徳吉は心配するなと聞く耳を持たない。この後、塩見正雄が運転する馬運車が出発し、徳吉、コナンたちが乗る車はその跡をついていく。途中、小五郎は不審な車に気付く。だが、その車は何事もなく追い越していく。運転していたのはホワイトスピリッツにも騎乗する騎手の角田千鶴だった。コナンは依頼人3人の正体は変装した長谷、永浦、千鶴だと気付く。  この後、前方に「工事中につき まわり道」という看板が見え、馬運車は脇道へ入っていく。徳吉の車も脇道へ入るが、前方に馬運車は見えない。その時、別の脇道から馬運車が現れる。塩見は標識が間違っていたと徳吉に伝えて元の道路に戻る。そして、競馬場に到着後、徳吉は車から降ろされたホワイトスピリッツを見て、よく似た別の馬だと気付く。馬の首に巻かれたリボンには紙片が挟まっていて、それは「身代金1億円を用意して、自宅で連絡を待て」と書かれた徳吉宛の脅迫状だった。  馬運車を運転していた塩見は妻と子供がさらわれ、脅迫されていたと告白。脇道に入った時、もう1台の馬運車に乗り換えたという。コナンはこの事件がコナン・ドイルの小説「白銀号事件」に似ていると感じていた。この後、塩見の家族は解放されて無事保護される。そして、徳吉の自宅の郵便受けに誘拐犯から新たな指示が届く。それは取引には徳吉1人で来いというものだった。徳吉は身代金1億円を持って指定された公園へ向かい、コナン、目暮警部たちも徳吉に気付かれないように跡を追うが…。

第08話
(934話)
サラブレッド誘拐事件(後編)

 小五郎は脅迫された競走馬のホワイトスピリッツを守ってくれと3人の依頼人から別々に依頼される。小五郎はこの馬の馬主で会社社長の徳吉に会って事情を説明し、徳吉からも同じ事を依頼される。コナンは依頼人3人の正体は変装した調教師の長谷、厩務員の永浦、騎手の千鶴だと気付いていた。翌日、ホワイトスピリッツはレース出走のため、馬運車で競馬場に移送されるが途中でニセモノとすり替えられる。犯人は身代金1億円を要求し、徳吉は指示に従って1人で取引きに向かう。  徳吉は犯人の指示通りに陸橋の上から1億円を入れたバッグを落とす。そして、犯人が現れないまま30分が経過。目暮警部、小五郎たちがバッグを確認しに行くと、バッグの中には雑誌が詰まっていた。小五郎は落とした直後に隠れていた犯人が中身をすり替えたと推理する。翌日、ゴミ集積所からホワイトスピリッツがまとっていたホースラグが見つかる。ホースラグには血が付着した馬のたてがみが絡みついていた。目暮たちは匿名の通報があり、このホースラグを発見する。  この後、ホースラグに付着した血はホワイトスピリッツのものと判明。目暮はこの馬がすでに殺害されている可能性もあると考える。マスコミは人気競走馬の事件を大きく取り上げ、同時に小五郎や目暮の失態も報じる。小五郎は徳吉が協力してくれたらこんな事にならなかったと愚痴る。コナンはすでに誰が犯人かに気付いていて、事件の全容を明らかにするため、もう一度事件を洗い直す事に。  コナンは移送中にホワイトスピリッツとニセモノがすり替えられた脇道にやってくる。妻子を人質にとられた運転手の塩見はこの脇道でニセモノが載った馬運車に乗り換えたと証言。コナンはすり替えられた場所で2色の絡み合った馬の毛を発見する。そして、コナンは2台分並んだ馬運車の轍を調べ、事件の核心に近づいていく。この後、コナンは近くにあるコンビニの防犯カメラに注目。コナンは小五郎のフリをして高木刑事に連絡し、コンビニの防犯カメラが見たいと頼む。  コナンはコンビニにやってきた高木と共に防犯カメラの映像を確認する。コナンは馬運車が映っている映像の日付を見て驚く。この後、コナンは高木とTOKUYOSHI厩舎を訪ね、見習い厩務員の井原敏司から話を聞く。井原は3日前からもう1台の馬運車が戻っていないと告白。ホワイトスピリッツの予備の馬具やグルーミング用の道具も見当たらないという。馬房の柱には血が付着していて、井原はホワイトスピリッツがささくれに身体をこすってケガをした事を明かす。幸い大したケガではなく、獣医が診て治療も終えているという。話を聞いたコナンは今回の事件の真相に辿り着いて…。

第09話
(935話)
占い師と三人の客

 古い洋館で絞殺された馬場貞子の遺体が発見され、目暮警部、高木刑事たちが捜査を行う。貞子は占いの館で霊感占い師、バーバラ貞子として働いていた。朝、貞子を自宅まで迎えに来た秘書の尾久将也が第一発見者だった。殺害されたのは昨夜の可能性が高く、尾久は昨夜、貞子は小五郎から電話があって会いに行ったという。馬場邸に呼ばれた小五郎は電話はしていないと主張する。小五郎は貞子と面識がなく、一緒に来たコナンも小五郎が自宅にいたと昨夜のアリバイを証明する。  目暮は犯人が小五郎と偽って貞子を呼び出したと推理。貞子は屋外で殺害され、自宅に運ばれた可能性が高かった。コナンは自宅にある貞子のPCを調べ、「また殺されかけた。犯人はあの三人の中の誰なのだ?Kか?Eか?Sか?」という文章を見つける。尾久は1週間前にテレビの生放送に出演後の貞子をテレビ局前で3人の客が待ち伏せしていた事を明かす。元土木作業員の金輪芯介、OLの遠藤深美、元ラーメン屋の漣諒一は占いのせいで悲惨な目に遭ったと貞子に言い掛かりをつけてきたという。  高木は遺体の傍らで深美のブローチを見つける。この後、芝浜公園でロープと貞子の名刺入れが発見され、目暮はここが殺害現場と判断する。昨夜この公園で大きな物を車に積んでいる不審な人影を見たという匿名の110番通報が今朝あったという。現場からは金輪のライターも発見される。この後、馬場邸の近くに漣の車が乗り捨てられていた事が判明。目暮はこの空き地に金輪、深美、漣を呼んで話を聞く。漣は2日前に盗まれた車だと証言。車のトランクからは毛髪が採取される。金輪はライター、深美はブローチを自分の物と認めるが、2人とも失くした物だと主張する。  小五郎は3人が共謀して貞子を殺害したと推理するが、コナンは3人の持ち物が都合よく発見された事に違和感を抱いていた。この後、漣の車から見つかった毛髪は貞子の物と判明する。昨夜は自宅にいたためにアリバイがない3人。男性から電話があり、貞子がお詫びに伺うので自宅で待っていてほしいと言われたという。3人はアリバイ潰しのために真犯人にハメられたと訴える。  この後、貞子の死亡推定時刻は昨夜の8時から9時の間と判明し、コナンは貞子のPCを再度確認する。コナンが思った通り、例の文章が入力されたのは昨夜10時過ぎだった。コナンはこの文章を書いたのは貞子ではなく、遺体を運んできた犯人だと確信する。小五郎、目暮たちは3人の犯行と思わせるために真犯人が仕組んだ事と考える。だが、コナンは真犯人にハメられたのではなく、そう思わせようとした犯人が3人の中にいると推理。コナンは犯人が3人の共犯と思わせた理由、探偵の小五郎を巻き込んだ理由について考える。そして、コナンは改めて3人から話を聞き、誰が犯人なのかを見破って…。

第10話
(936話)
フードコートの陰謀

 朝、光彦、元太、歩美は農家の人たちが野菜や果物を販売するイベント、米花町ファーマーズマーケットにやってくる。歩美は北海道に行く急用でコナンが来れなくなったために落ち込んでいた。このイベントでは目暮警部が講演する予定になっていた。光彦たちがキッチンカートがたくさん停まっている駐車場の脇の細い道を歩いていると、その向こうから門倉伸夫、山脇雄二、菅野佳織の話し声が聞こえてくる。佳織たちは「計画通り、派手にドカーンといきましょうよ」と物騒な話をしていて、光彦たちは山脇たちが目暮を狙って爆弾を仕掛けようとしていると推理する。  この後、光彦、歩美、元太の前に妄想のコナンが現れる。光彦は妄想のコナンからヒントをもらい、警察を動かすためには犯行の証拠が必要だと気付く。妄想のコナンはこの後も光彦たちの前に何度も現れて捜査に協力する。そして、山脇たちは分かれて行動を開始。元太は山脇、光彦は門倉、歩美は佳織を尾行する事に。その近くでは高木刑事、佐藤刑事が不審者に備えて警備体制を確認していた。  山脇はホームセンターでサラダ油、ガスカートリッジなどを買い、元太は爆弾を作る材料だと睨む。佳織はシンガポールレストラン「マリーナ」に入っていく。歩美は様子を窺っていたが、血まみれのエプロンに包丁を持った佳織に気付かれる。門倉は喫茶店に入るが、すぐに携帯に着信があって退店。門倉は近くのタバコ屋に入り、紙袋を持って出てくる。その直後、光彦は尾行している事を気付かれる。  駐車場に戻った後、光彦は会話を聞いたと伝え、どういう事か説明してほしいと門倉に詰め寄る。そこに荷物を抱えた山脇が戻ってくる。尾行していた元太は爆弾の材料を買っていたと伝えて光彦に警戒を促す。門倉と山脇は誤解だと笑い飛ばし、イベントでシンガポール料理のチキンライスを売ろうとしていた事を明かす。「マリーナ」に勤める門倉たちは皆に料理の味を知ってもらうためにイベントに参加。山脇たちはチキンライスを派手にドカーンと売りまくろうと話していたという。  門倉がタバコ屋から出てきた時に持っていた紙袋の中身は印刷所の友人に頼んでいたイベント告知のチラシだった。喫茶店で受け取る予定だったが、友人は時間がなく、顔なじみのタバコ屋に預けたと連絡があったという。そこに佳織が配膳コンテナを押しながら歩美と共にやってくる。佳織は店まで仕込んだ鶏肉を取りに行っていたのだ。歩美は佳織が悪い人じゃない事を光彦たちに伝え、自分たちの誤解だったと察するが…。この後、光彦の前に妄想のコナンが現れ、「いいのか、探偵。この程度で引き下がって」と問いかけてくる。光彦は諦めずに疑問に思った事を門倉たちにぶつけていく。だが、門倉たちが言っている事に不審な点はなかった。光彦たちは勘違いだったと3人に謝罪するが…。

第11話
(937話)
巨人タロスの必殺拳(前編)

 コナン、元太、光彦、歩美、灰原は阿笠博士、蘭と共にカガミスタジオにやってくる。阿笠がコナンたちにモニターを頼んだのだ。庭には大型フィギュアがいくつも展示されていた。秘書のしのぶはコナンたちを見学用のドームに案内。しのぶはカガミスタジオ社長の加賀見栄三の娘だった。歩美はスタジオの様子をカメラで撮影。ドーム内には森が広がり、頭上には空を呼ぶ船、筋斗雲などが飾られていた。  天井は電磁石になっていて、ブランコに吊られた巨大な和船は振動しながら移動。しのぶはリモコンを使えばブランコの位置を移動できると説明する。この後、しのぶはリモコンを操作し、王城の壁の向こうから青銅の巨人タロスが出現する。和船とタロスは客に合わせてガイド役のしのぶが動かしているのだ。営業主任の羽生正は未完成のタロスの下半身は今後も作らないと明言。フィギュア制作はお金がかかるため、予算を重視する羽生と将来への投資と考えるデザイナー主任の山県徳一は言い争いに。  社長室では加賀見が友人の阿笠と話していた。タロスの駆動装置を安く設計してほしいと阿笠に依頼したしのぶ。だが、加賀見は頭ごなしに阿笠のプランを却下する。阿笠は加賀見が逃げ腰では職人の山県が腕をふるえないと忠告。続けて阿笠は山県の技術力あってのスタジオだと訴えるが、加賀見は経済的に苦しくなったのは山県の先代の時からだと言い返す。山県は2人の会話を偶然耳にする。  コナンたちは制作棟で軽食をご馳走になり、離れた席では羽生がスタジオを売りに出している事を恋人のしのぶに伝えていた。この時、蘭は羽生が鈴木家のパーティーに来て、園子に気に入られていた事を思い出す。身売り先の候補の1つは鈴木財閥だった。売却を成立させるために必要なのは手土産の企画で、しのぶは山県の力が必要になると羽生に伝える。スタジオの警備員2人は庭を巡回中に通用口のドアノブの鍵が壊れている事に気付く。トイレに行こうとして迷った元太は壊れている通用口のドアに気付き、ドアの前に重しとして彫刻を置いておく。  羽生は交渉の状況を聞くために加賀見に会いに行く。社長室にいる加賀見は交渉相手に電話して大詰めの話をしていた。この時、加賀見は2度ドアを開閉する気配を感じ、手が離せんと怒鳴り声を上げる。ラウンジでは阿笠、しのぶが加賀見の事を話していた。しのぶは加賀見が上海のトップ企業と交渉している事を阿笠に明かす。羽生も別の企業と交渉していたが話し合いは難航していた。阿笠たちは帰る事になり、制作棟の個室にいる山県に声をかけて庭に出る。その時、ドーム棟が突然暗くなり、誰かの悲鳴が聞こえてくる。そして、バラバラと固いものが無数に落下する音がした後、すぐに明かりが復旧する。阿笠たちがドーム棟に駆け込むと、そこでは後頭部を強打された羽生が倒れていた…。

第12話
(938話)
巨人タロスの必殺拳(後編)

 コナン、元太、光彦、歩美、灰原は阿笠博士、蘭と共に大型フィギュアを制作するカガミスタジオにやってくる。フィギュアの制作はお金がかかるらしく、予算の事を考える営業主任の羽生と将来への投資と考えるデザイナー主任の山県は言い争いになる。このスタジオは経営が苦しく、身売り先を探している状況だった。そして、コナンたちが帰ろうとした時に事件が起きる。ドーム棟が突然暗くなり、何者かの悲鳴が聞こえてくる。バラバラと固いものが無数に落下する音がした後に明かりが復旧。フィギュアや模型が落下したドーム棟では後頭部を強打された羽生が倒れていた。  しのぶは羽生の殴られた痕に青銅色の塗料が付着している事に気付く。それは巨人タロスと同じ色で、阿笠はタロスに打ちのめされたように感じる。羽生は病院に搬送され、しのぶも一緒に病院に行く。この後、目暮警部たちが捜査を開始する。警備員は通用口のドアが壊れていた事を千葉刑事に打ち明ける。山県はそこから犯人が逃げたと推理する。だが、元太はドアの前に重しとして彫刻を置いた事を報告。彫刻は動かされた形跡がなく、千葉は犯人がまだ中にいると判断する。  コナンはドームの電源を操作するリモコンの数を加賀見に確認。加賀見は山県としのぶが持っている2台だと答える。コナンはリモコンを持っているか山県に訊ね、山県は作業着のポケットからリモコンを取り出す。目暮は皆に犯行時刻のアリバイを確認する。加賀見はオフィスを出た時に羽生の悲鳴を聞いたと証言。コナンはもう1台のリモコンをしのぶが持っているか、羽生が落としたままかが気になる。  コナンはリモコンを捜してほしいと光彦たちに頼む。事件の時、電気が消えた後にすぐ復旧したため、コナンは羽生がリモコンを持っていたと推理。リモコンは放したら電源がじきに回復する仕組みで、コナンは暗くしたのは羽生の意思だったと考える。結局リモコンは見つからず、コナンはリモコンが消えた状況に思考を巡らせる。そして、コナンはドームの天井が見学した時と違う事に気付く。コナンは歩美が撮影したカメラの画像を確認。犯行前と犯行後では天井に張り付いた和船の位置が違っていた。コナンはグラスファイバー製の和船が天井に張り付いている理由を考え、その答えを見つけ出す。  加賀見は事件前、電話中に誰かが2度社長室に入ったと目暮に伝える。2度とも同じ人物かはわからないという。加賀見は社長室に来たかと山県に確認するが、山県は自分ではないと答える。加賀見は同業者が山県のアイデアを盗むために忍び込み、羽生と鉢合わせになって事件が起きたと推理する。この後、加賀見はコナンに促されて病院にいるしのぶに連絡。コナンはしのぶにリモコンを持っているかを訊ね、しのぶは持っていると答える。それを聞いたコナンは誰が犯人かを見破って…。

第13話
(939話)
危ない化石採集

 コナン、歩美、灰原、元太、光彦は化石発掘を体験するため、阿笠博士と共に群馬にあるロッジ化石館にやってくる。展示している珍しい化石は海外から買い付けたもので、オーナーの大神明は来月もアメリカまで買い付けに行くと明かす。この後、ジャーナリストの宮下海果が現れる。村会議員の中谷創元は「金で解決した」と大神に話した後、海果に対応する。コナンは2人の会話を聞いていた。この時、大神は流せる除菌シートで腕を拭く。海果はこの村で珍しい化石、月のおさがりが発掘されたと知って取材に来たのだ。中谷はこの化石を村のシンボルにしようと計画。今は駅舎に展示しているという。この時、海果は「負のシンボルにならなきゃいいけど」とボソッと呟く。  コナンたちは採集場に移動し、化石の発掘に取り掛かる。海果は月のおさがりの事をPR担当の中谷に質問。中谷は化石に詳しくないので大神に任せっきりだと答える。この後、大神は地層を調べていた海果に話すべき事があると声をかける。だが、その直後に大神は中谷に呼ばれて話は中断。大神は後で話をすると海果に伝えて去っていく。この後、歩美と灰原は化石館のトイレに行くが、すでに中には誰かが入っていた。中から水が流れる音が聞こえてた後、何かがドアにぶつかる音が聞こえ、歩美たちは中で誰かが倒れたと考える。灰原はコインを使ってトイレの鍵を開けると、中では大神が苦悶の表情を浮かべて絶命していた。駆け付けたコナンは独特な匂いから青酸性の毒物による中毒死だと判断する。  この後、群馬県警の山村警部が捜査を開始。山村は誰かがトイレに毒を塗って大神を殺害したと推理する。中谷は大神が数日前から悩んでいて、自殺を仄めかしていたと打ち明ける。山村が原因を訊ねると、海果は月のおさがりが原因かもしれないと証言。海果は発掘現場の取材ではなく、大神の偽装を暴くために来た事を明かす。海果は月のおさがりが発掘されたのは別の採集場だと疑っていた。海果は大神が自分の犯した罪に耐えきれなくなって自殺したと推測する。海果は化石に詳しくない中谷が気付けなかったのは仕方ないと同情する。月のおさがりで村おこしを計画していた中谷はショックを受ける。  話を聞いた山村は自殺と判断するが、コナンは自殺する人が来月の旅行を楽しみにしているのはおかしいと指摘。コナンは化石に詳しい大神が杜撰なウソをついた事も疑問を持っていた。山村は念のため、皆の身体検査を行う。だが、どこからも毒物反応は出なかった。コナンは必死に自殺に仕立て上げようとしているが、中谷の犯行に間違いないと考えていた。この後、鑑識課員は大神が持っていた除菌シートが市販のものより酸性度が高かったと山村に報告する。この除菌シートが事件と関係があると判断したコナンは元太たちの会話をヒントに事件の真相に近づいて…。

第14話
(940話)
姿を消した恋人

 成瀬純は恋人の水沼果帆が数日前に突然姿を消してしまったと小五郎に捜索を依頼する。小五郎、コナン、蘭は果帆のアパートを訪ね、アパートの大家から話を聞く。果帆が引っ越してきたのは3ヵ月前。靴棚には果帆のスニーカーが並んでいた。部屋のカーテンは閉められていて、コナンは窓の桟の一部に溜まった埃に目を留める。そして、コナンは部屋に飾られた果帆の写真数枚を見て、何か違和感を抱く。  この後、警察から連絡があり、コナンたちは果帆の手掛かりが発見された現場に向かう。現場の橋の上では目暮警部たちが捜査をしていた。橋の上には果帆のスニーカー、写真入りマイナンバーカードが置かれ、小五郎は自殺したと推理する。小五郎は濁流の川を見て、遺体を見つけるのは難しいと考える。新聞配達の大学生、潮哲也は午前5時15分頃、橋から飛び降りる長い髪の女性を見たと証言。潮はその時の様子をスマホで撮影していた。動画を見たコナンは女性の胸元で何かが光っている事に気付く。  果帆がこの現場までタクシーに乗ってきた事が判明。タクシー運転手の大原マキは深夜2時半に乗せ、3時頃にこの現場に降ろしたと証言する。防犯カメラにもタクシーに乗る果帆の姿は映っていた。高木刑事は果帆の自宅の住所を見て、3ヵ月前の事故現場に近い事に気付く。3ヵ月前、公園の階段の下で転落死した女子大生の遺体が発見されたのだ。腕にタトゥーの入った男と一緒にいたという目撃情報もあったが、警察は酒に酔って転落した事故と処理していた。  コナンは皆を送ってほしいとマキに頼み、蘭、潮、成瀬と共にマキのタクシーに乗り込む。移動中、コナンは手掛かりを探すため、果帆が飛び降りた動画を何度も確認する。この後、コナンはバックミラーに掲げられているお守りのような若い女性の写真に気付く。マキは病気で他界した1人娘だと打ち明ける。途中、コナンたちがコンビニに立ち寄ると、棚には「目撃情報求む!」というビラが平積みされていた。それは転落死した女子大生と一緒にいた、腕にタトゥーがある茶色い長髪の痩せた男のイラストだった。コンビニの店長は遺族に頼まれてビラを置いているとコナンに教える。  マキはコンビニでコンタクトレンズの洗浄液と2人分の弁当を購入。金髪の潮は新しいバイトの面接に備え、黒髪染めを買う。それを見たコナンはハッとなり、忘れ物をしたと理由をつけ現場に引き返してもらう。コナンは橋の欄干付近を調べている時、小五郎、高木の不注意から川に落下。この時、コナンは橋の方を見上げ、果帆の胸元で何が光ったかを見破る。マキは川へ飛び込んでコナンを救助。マキは国体に出場したほど水泳が得意だった。マキは濡れた免許証を干し、コナンはその免許証を見て何かに気付く。この後、コナンは潮と成瀬を見て、謎に包まれた事件のカラクリを見破って…。

第15話
(941話)
マリアちゃんをさがせ!(前編)

 蘭が京都の修学旅行から自宅に戻ってくる。コナンは阿笠博士の家に泊りに行って風邪を引いた事にしていた。コナンは風邪が治ったと言うが、蘭にまだ安静にしていろと言われて学校を休む事に。コナンが京都のお土産を持って阿笠博士の自宅を訪ねると、隣りの工藤邸の前にはたくさんの報道陣が集まっていた。その時、コナンのスマホに灰原から着信がある。目立つ行動は避けろと忠告していた灰原はコナンに激怒。ネットで新一は生きていて、紅の修羅天狗殺人事件を解決したと話題になっているのだ。灰原は対策を考えるから阿笠の自宅にいろとコナンに伝えて電話を切る。  この後、担任の小林澄子先生は東尾マリアの事を灰原、元太、歩美、光彦に相談する。この日、マリアは学校を休んだが、小林はマリアが休んだ理由がわからないと明かす。小林はマリアの両親の仕事先に電話したが、両親はマリアが今朝もいつも通り登校したと話しているという。灰原たちは小林に頼まれ、マリアの自宅まで様子を見に行く。だが、自宅の呼び鈴を鳴らしても応答はなし。歩美は先日他界した祖母の手紙を見つけたとマリアが話していた事を思い出す。昨日、マリアは祖母が自分のために家の中に宝物を隠しているので、コナンと一緒に探したいと話していたという。  灰原たちは向かいにある祖母の自宅を訪ねる。鍵は開いていて、玄関にはマリアの靴とランドセルが置かれていた。灰原はマリアが登校する前にここに立ち寄ったと推理する。玄関マットの横には「スタート!マリアちゃん頑張って」というメモ紙が貼られていた。メモ紙には矢印が書かれていて、灰原は矢印の先にある部屋にヒントがあると推理する。その頃、コナンは世界一の工藤ファミリーフリークを自称するブロガーの呟きが今回の騒動のネタ元だと気付く。  灰原たちが矢印の先にある寝室に入ると、ドレッサーの前に化粧品が倒れていて、上には矢印が貼られていた。灰原は化粧品が倒れているのは昼頃にあった大きな地震のせいだと推理する。歩美は「女の子は身だしなみが肝心!ちゃんと寝グセはチェックしたかしら?」というメモ紙を発見。灰原は三面鏡を見て、メモ紙のヒントを解読する。矢印が示しているのは書斎だった。  この後、灰原たちは書斎にやってくる。地震の影響で本棚は倒れていて、元太たちは協力して本棚を元に戻す。そして、光彦が散乱した本の中に「整理整頓 ヨロシクね」と書かれたメモ紙を発見。メモ紙は漫画本に貼り付けられていて、灰原たちは82巻まで出ている漫画本を本棚に並べる事に。灰原はマリアが登校前にこの家に来て、メモ通りに進んでいって、どこかの部屋に閉じ込められた可能性が高いと考える。灰原たちはマリアを助けるため、急いで本をきれいに並べて整理整頓するが…。

第16話
(942話)
マリアちゃんをさがせ!(後編)

 工藤邸の前にたくさんの報道陣が集まる。ネットで新一は生きていて、紅の修羅天狗殺人事件を解決したと話題になっているのだ。コナンは騒動が鎮まるまで阿笠の自宅に身を潜める事に。放課後、灰原、元太、歩美、光彦は担任の小林に頼まれ、東尾マリアの自宅を訪ねる。いつも通り登校したはずのマリアが学校を休んだのだ。マリアは他界した祖母が遺した宝物を探している可能性が高く、灰原たちは祖母の自宅を訪ね、宝物探しのヒントが書かれたメモの解読に挑む。  帝丹高校にもマスコミが多数集まってくる。世良は新一の事がワイドショーで話題になっていると蘭に教える。灰原たちは本棚の所に書かれた矢印が地下の部屋を示していると見破る。灰原たちが地下の部屋に入るとベッドやタンスにぬいぐるみが置かれていた。サイドテーブルには「夜中のおトイレも、これで安心ね」というメモ紙が貼られていた。灰原がスタンドのライトを点け、部屋の電気を消すと、壁にデコボコの模様が映し出される。灰原はサイドテーブルの上に何か置かれていた跡がある事に気付く。灰原がその跡に合わせて写真立て、台座付きの人形を置くと、投影された壁の模様が変化。さらに元太が棚の上で倒れたヨットの模型を起こすと、壁に大きな矢印が投影される。  灰原たちは矢印が示した隣りのトイレにやってくる。洗面台の下には矢印と「バードちゃんのお世話してね」というメモ紙と共にコップに入った水飲み鳥の人形が置かれていた。灰原たちはこのヒントを解読できず、光彦と歩美はコナンに聞こうと提案。灰原はコナンのスマホに連絡し、話を聞いたコナンは水飲み鳥に水を与えれば動くと教える。灰原たちはコナンの指示通りに水飲み鳥に水を与え、矢印が示しているのはトイレの向かいの部屋だと判明する。  その頃、工藤優作と工藤有希子は羽田空港で今回の騒動の発端になった工藤ファミリーフリークの女性と会っていた。この後、灰原はコナンに再び連絡し、トイレの向かいの部屋の扉が開かないと助けを求める。優作と有希子はブロガーの女性と別れた後、コナンに会いに行く。コナンは今回の一軒で黒ずくめの組織に目を付けられた可能性が高くなっていた。優作は羽田浩司の殺害現場に残されていた暗号を解き、ついに黒ずくめの組織のボスの正体がわかったとコナンに伝えて…。

第17話
(943話)
東京婆ールズコレクション

 小五郎のもとに毒島豊子という女性ファンから招待状が届く。豊子は月島でやっているもんじゃ焼きの店に来てほしいという。小五郎は写真を見て美しい豊子を気に入り、コナンを連れて豊子の店を訪れる。小五郎が軒先で踊っている老婆に声をかけると、老婆は店の中に入っていく。老婆が厚化粧をすると写真と同じ豊子の顔になるが、すぐに厚化粧は剥がれて老婆に戻る。豊子は老婆だったのだ。  この後、小五郎とコナンは隅田川の方に向かった豊子の跡を追う。豊子は隅田川の月島岸で不気味に踊っていた。昔、豊子は銀座の大きな劇場のダンサーだったという。小五郎とコナンは豊子の店に戻り、もんじゃ焼きをご馳走になる。店の壁には東京婆ールズコレクションのポスターが貼られていた。豊子もコナンたちと一緒にもんじゃを食べるが、もんじゃを喉に詰まらせて苦しみ出す。小五郎が水を飲ませると、豊子はキャベツの芯を吐き出す。豊子は何者かが命を奪おうとして芯を入れたと怯える。  豊子が犯人と疑っているのは幼馴染みの布田英子、宇賀神京子、周防友子の3人だった。豊子はブー、英子はフー、京子はウー、友子はスー。豊子たちは月島のブー・フー・ウー・スーと呼ばれていた。豊子はこの事件の調査を依頼。探偵料をもらった小五郎は依頼を快く引き受ける。小五郎とコナンは東京駅の新幹線のホームでジョギングしているフーこと英子に会いに行く。英子は豊子を恨んでいる事をあっさり認める。中学の時、英子は交際していた卓球部のキャプテンを豊子に奪われたという。  この後、小五郎とコナンはウーこと京子、スーこと友子にも会いに行く。中学の時、京子は付き合っていた野球部キャプテン、友子は彼氏だった柔道部キャプテンを豊子に奪われたらしく、2人とも豊子の事を恨んでいた。コナンは3人が豊子を恨んでいると言いながらも楽しそうに笑顔だった事が引っかかる。小五郎は英子、京子、友子から話を聞き、3人が共謀して豊子を殺害するためにもんじゃの中にキャベツの芯を入れたと推理する。だが、コナンは小五郎の推理は絶対にあり得ないと呆れる。  小五郎は幼馴染み3人が犯人だと豊子に伝える。豊子は警視庁捜査一課の目暮警部に連絡してほしいと頼む。豊子は自分の余命が幾許もないと情に訴え、小五郎は目暮に連絡すると約束する。豊子は目暮に連絡する小五郎を見て微笑む。豊子が調理場に消えた後、コナンは東京婆ールズコレクションのポスターに目を留める。ポスターには豊子、英子、京子、友子の笑顔の写真が載っていた。コナンは調理場を覗き、嬉しそうに踊る豊子を確認。コナンはそんな豊子を見て、事件の真相を見破る…。

第18話
(944話)
いいね。の代償(前編)

 コナン、光彦、歩美、灰原は米花中央病院に搬送された元太のお見舞いに行く。元太が同じように事故に巻き込まれた無職の大坪菊英と劇団員の神楽澄人と話していると、会社員の河内山豪、劇団員の伊部遥が神楽のお見舞いに来る。河内山は事故に遭ったのに神楽を嬉しそうに撮影する。銀行に1本の電話がかかってきたのは約1時間前。それは銀行に仕掛けた爆弾を1分後に爆発させるという電話だった。  客や行員たちは我先にと外へ逃げ出し、銀行前を通りかかった元太たちが巻き添えを食ってケガしたのだ。電話はすぐ近くの公衆電話からかけられたものと判明したが全くのデタラメだった。銀行は被害者たちに治療費や見舞い金を支払うと約束したという。コナンは事故に遭ったのに嬉しそうな理由を神楽と河内山に訊ねる。半月前、神楽は道を歩いている時に工事現場の不発弾の爆発に巻き込まれていた。  神楽は工事業者から相当な見舞金をもらって借金を一気に返済。河内山は爆発に巻き込まれた神楽をネタにした写真をSNSにアップして、たくさんの“いいね”をもらっていた。今回も神楽は見舞金をもらえ、河内山は“いいね”を稼げるので嬉しそうなのだ。河内山は狸ポン吉というアカウント名を使っている事を明かし、それを聞いた大坪は忌々しげに河内山を見つめる。  神楽と河内山は昔からの親友で、神楽と遥は同じ劇団に所属。3人はいつも一緒に遊んでいるという。皆が退院する時、コナンは大坪と知り合いなのかと河内山に質問。河内山は知り合いじゃないと答える。この後、コナンたちは誰が銀行にウソの電話をしたのか調査を開始。コナンは神楽が半月間で2度も同じような目に遭った事が気になる。コナンは見舞金に味をしめた神楽が銀行に電話をかけ、巻き添えの被害者を装った可能性もあると考える。コナンたちは手分けして神楽と大坪を調べる事に。  歩美と灰原は神楽を尾行し、元太と光彦は劇団主宰者の出羽恥一朗が営む喫茶店を訪ねる。出羽はまたおいしい巻き添え被害に遭いたいと神楽が話していた事を明かす。コナンは大坪のアパートを訪れ、隣人の安川シロから話を聞く。大坪は“いいね”を稼ぐ事が生き甲斐で、狸ポン吉をライバル視していた事が明らかに。3日前、大坪は運の悪い神楽を尾行すれば、また不運な目に遭うからネタにできると話していたという。大坪が銀行前で不運な事故に巻き込まれたのは神楽を尾行していたからだった。  この後、コナンは元太たちと合流し、それぞれ調べた内容を報告し合う。元太や光彦は神楽が犯人だと疑うが、コナンは決定的な証拠がないと考えていた。尾行していた大坪は神楽が銀行に電話をかける姿を目撃した可能性があり、コナンたちは明日にでも大坪に会って話を聞く事にする。だが、翌朝、公園で頭を殴られて殺害された大坪の遺体が発見されて…。

第19話
(945話)
いいね。の代償(後編)

 銀行に爆弾を仕掛けたというウソの電話があり、銀行前を通りかかった元太や無職の大坪と劇団員の神楽は騒ぎに巻き込まれてケガをする。半月前にも工事現場の不発弾の爆発に巻き込まれて見舞金をもらった神楽。友人の河内山は運の悪い神楽をネタにした写真をSNSにアップして、たくさんの“いいね”を稼いでいた。コナンたちは銀行にウソの電話をした犯人捜しを開始するが…。翌朝、公園で殺害された大坪が発見される。光彦は神楽が爆弾騒動の犯人と気付かれ、口封じのために殺害したと推理する。  コナンたちは証拠を掴むため、昨日騒動があった銀行に向かう神楽に直撃する。昨日がバイトの給料の振り込み日だったが騒動があって下ろしそびれたという。神楽は大坪が殺害された事を知らない様子だった。コナンはまた見舞金がもらえるような巻き添え被害に遭いたいと皆に話していたのかと確認。神楽はそんな事は言っていないと否定する。この後、神楽は河内山が自宅に飲みに来るから買い出しに行くと言ってコナンたちと別れる。コナンたちは劇団主宰者の出羽からもう一度話を聞く事に。  出羽は巻き添え被害に遭いたいと神楽から直接聞いた訳ではなかった。そして、この発言を聞いたという発信源は河内山と判明。出羽は河内山が神楽を陥れ、遥を振り向かせるためにデマを流したと疑う。灰原は河内山、神楽、遥は単純な仲良し3人組ではないと推測。コナンはスマホで河内山のSNSを確認して何かに気付き、遥に会いに行く。コナンが河内山、神楽と三角関係なのかと訊ねると、遥は全くないと笑い飛ばす。元々、役者としての神楽のファンだった遥は一緒に芝居をやりたくなって劇団に入ったという。その後、遥は神楽から河内山を紹介してもらったのだ。神楽と河内山は大学時代からの友人で、大学時代は河内山も芝居をしていた。遥は3人の間に恋愛感情はなく、仲間である事を強調する。  遥と別れた後、灰原は遥に自覚がなくても2人が彼女をどう思っているかが問題だと指摘。コナンは爆弾騒動と大坪を殺害した事件の背景が見えてきていた。コナンは現場の公園に戻り、高木刑事、千葉刑事に捜査の状況を確認する。コナンは予想に反し、爆弾事件の手掛かりがないと高木から聞いて驚く。だが、銀行に電話があった直後、問題の公衆電話を清掃する作業員は目撃されていた。清掃会社はその時間に作業をしていなかったらしく、千葉はその人物が犯人に間違いないとコナンに教える。  この後、大坪が殺害された昨夜8時頃に現場の公園から慌てて逃げ去る人物を目撃したと匿名の110番通報がある。通報者はネットで話題の運の悪い男かもしれないと神楽の事を話していたという。それを聞いたコナンは犯人の企てがまだ終わっていない事に気付く。コナンの推理が正しければ、手掛かりを残さなかった事も説明がつくのだ。コナンは犯人の新たな犯行を阻止するために急ぐが…。

第20話
(946話)
呪いの宝石ボルジアの涙(前編)

 鹿屋建設社長の梅木弘道と野々垣不動産社員の水沢翔は管理地を巡回中に干上がったダム湖で車を発見。車内から白骨化した佐伯由利の遺体が40年ぶりに見つかる。遺体の腹部にはナイフが刺さっていた。40年前に消えた呪いの宝石、ボルジアの涙。当時は由利が持ち逃げしたと噂されたが、車内から宝石は発見されなかった。由利の孫の佐伯菫は小五郎の事務所を訪れ、40年前の事件について相談する。  40年前に制作されたヤマトテレビ創立5周年記念ドラマ「私が殺しました」(通称ワタコロ)。菫はこのドラマの主演女優、朝比奈なぎさの付き人だった祖母の由利は事件の被害者だと訴える。小五郎は警察に電話して捜査状況を探る。殺人と断定できないというのが警察の見解。由利が宝石を紛失し、自ら命を絶った可能性もあるという。40年という時間の壁もあって捜査の続行は困難だった。  コナンと蘭は菫を送りながら話を聞く。米花町のテレビ局からロケ先のダム湖まで宝石を運ぶ役目だった由利。菫は祖母の無実を証明したい様子だった。この時、鹿屋建設顧問の鹿屋辰馬が菫に声をかけてくる。菫は40年前の由利にソックリだという。鹿屋は40年前ワタコロを撮影したカメラマンだった。コナンたちは鹿屋の自宅に行って当時の話を聞く。由利となぎさは姉妹のように仲が良かったという。  録画ではなく、生放送されたワタコロ。なぎさはクライアントの娘だったために女優デビューできたという。朝比奈家はボルジアの涙を買い込んだ程の成金だった。生放送当日、由利はボルジアの涙の指輪を持ってロケ現場に現れず、最終的に小道具の指輪を使ったという。鹿屋はロケ地の湖畔の詰所でリンゴを剥くなぎさを撮影した事を今も鮮明に覚えていた。鹿屋は放映直後になぎさが倒れたと明かす。なぎさは40度の熱があったという。生放送を中止にできないため、なぎさは無理して撮影をしたのだ。  コナンたちは介護施設にいるなぎさに会いに行く。菫が由利の名前を出すと、なぎさは「由利さんごめん なさい。許して!」と絶叫して拒絶反応をする。コナンは2人の間に何かがあり、それがなぎさのトラウマになったと考える。この後、介護施設の前庭で西洋史の教授だった千住英雄が由利と間違えて菫に声をかけてくる。千住もワタコロの関係者の1人だった。  千住はボルジアの涙は歴史上に実在しない偽物だったと明かす。千住は40年前、テレビ局からは本物と証言してほしいと頼まれた事を告白。千住は無理に本物と言えば持ち主が大恥だと忠告したが、まともに話を聞いてくれたのは由利だけだったという。夕方、小五郎は知り合いの水沢に相談があると呼び出され、野々垣不動産を訪れる。小五郎は焦げ臭い事に気付いて建物の中に入っていく。小五郎は煙がもうもうと噴き出す部屋のドアを開けた途端、噴き出した猛烈な炎に巻き込まれて…。

第21話
(947話)
呪いの宝石ボルジアの涙(後編)

 ダム湖で車に乗った由利の遺体が40年ぶりに発見される。遺体の腹部にはナイフが刺さっていた。40年前に消えた呪いの宝石、ボルジアの涙。当時は由利が持ち逃げしたと噂されたが、車内から宝石は発見されなかった。40年前に制作されたドラマ「私が殺しました」(通称ワタコロ)の主演女優、なぎさの付き人だった由利。コナンと蘭は祖母の無実を証明したい孫の菫に協力し、ドラマ関係者たちから話を聞く。その頃、小五郎は知人の水沢に相談があると野々垣不動産に呼び出されて火事に巻き込まれる。  鹿屋建設社長の梅木と共に由利の遺体を発見した野々垣不動産社員の水沢は原因不明の火事によって命を落とし、小五郎もケガをして病院に搬送される。関わる人に災いをもたらすというボルジアの涙の噂は本当だった。目暮警部は水沢が火事の前に殺害されていた事を明かす。水沢は写真を撮るのが好きだったが、スマホには写真が1枚も残っていなかった。高木刑事は犯人に消されたと考え、コナンは犯人に都合が悪い写真があったと推理する。高木は削除された写真データの復元を鑑識に手配する。  目暮は小五郎の証言から火事になる前の午後5時から5時半に水沢は殺害されたと考える。その時間、野々垣不動産の野々垣社長は車で法要に向かっていた事が明らかに。だが、証人は身内の奥さんだけだった。梅木は5時頃から友人数人と一緒に飲んでいた事がわかる。この後、コナンは火元の書斎を調べる。書斎はガラクタ置き場になっていて、コナンはアルコール度数90度以上の強いお酒があったと聞いて犯人が仕掛けたトリックを見破る。  翌日、鹿屋建設顧問の鹿屋から連絡があり、コナンは阿笠博士と共に鹿屋邸を訪れる。鹿屋はコナンに頼まれていたワタコロのラストの映像を探し出したという。コナンはフィルムを見て、窓について確認する。当時カメラマンとして現場にいた鹿屋は窓を閉めていたと答える。コナンはワタコロのラストを撮影したロケ現場のダム湖にやってくる。コナンは40年前に小屋が建っていた場所に行き、そこから何が見えるかを確かめる。40年前のボルジアの涙が消えた事件と水沢が殺害された事件、2つの事件の真相に辿り着いたコナンは小五郎、目暮警部らを鹿屋邸に集める。コナンは変声機を使い、眠りの小五郎として、2つの事件の謎を解き明かしていく…。

第22話
(948話)
恐竜につぶされた男

 コナン、歩美、元太、光彦、灰原、阿笠博士は米花恐竜館にやってくる。コナンたちは中央ホールで行われた着ぐるみの恐竜が戦う恐竜ショーを楽しむ。この時、恐竜に追われた歩美が転倒。実況をしていた司会者の内藤辰樹は歩美を抱き起す。恐竜ショーが終わった直後、突然大きな音が鳴り響く。音が聞こえてきた第二展示ルームの前で呆然となる事務員の桂川結愛。そこでは巨大な恐竜の化石像が崩れ落ちていた。学芸員の朽木良人は崩れた化石像にショックを受けて落胆する。  コナンは崩れた化石像の下で絶命した館長の志田信久を発見する。コナンは遺体の近くの床の一部が濡れている事に気付く。駆け付けた目暮警部たちは関係者から話を聞く。朽木は展示物を組み立て中だったため、第二展示ルームは立入禁止だったと証言する。この後、崩れた化石像のワイヤーは何者かに切られていたと判明。近くにはワイヤーを切ったと思われるワイヤーカッターも落ちていた。    化石像が崩れた前後で建物に出入りした人はおらず、目暮たちは内藤、結愛、朽木の誰かが殺害した可能性が高いと考える。コナンたちは捜査の邪魔になると外に出される。この時、コナンは第二展示ルームの裏口付近で小さな石片2、3個を見つける。目暮はショーの実況をしていた内藤を除く2人のアリバイを確認。コナンたちは裏口から顔を出して聞き耳を立てる。結愛は1人で事務室にいたと証言。朽木は1人で恐竜館裏の準備室にいたという。目暮は2人には確かなアリバイがないと判断する。    朽木は結愛が犯人だと疑う。結愛は病気の母の治療費が足らずに志田に相談。志田はお金を貸す代わりに自分の女になれと結愛に迫っていたという。結愛は志田を恨んでいた事を認めるが、朽木も志田を恨んでいたと証言する。化石の展示を大事にしたい朽木と集客のために派手なショーを重視する志田は意見が合わずに衝突していたという。この後、結愛がいた事務室はスタッフルームの奥にあり、スタッフに気付かれずに外に出る事は不可能だとわかり、結愛のアリバイが立証される。  目暮は館長室のゴミ箱から証拠が見つかったと皆に伝える。それは志田を第二展示ルームに呼び出す朽木からの手紙だった。朽木はそんな手紙は知らないと訴える。内藤は事前にワイヤーを何本か切り、志田が第二展示ルームに来た時に最後の1本を切ったと朽木の犯行を推理。朽木は自分はやっていないと無実を主張する。目暮は化石の保護に使う液体、パラロイドが現場の床にこぼれていた事も明かす。これは朽木が普段から使っている液体だった。朽木はいくつも証拠が出てきて言葉を失う。この後、コナンは館長室の前の廊下で小さな赤い破片を発見してハッとなる。コナンは館内図を確認した後、館内を調べ直して事件の真相に辿り着く。

第23話
(949話)
ラジオお悩み相談(挑戦編)

 小五郎は日売テレビのラジオ番組「昼までワイド」お悩み相談コーナーにゲスト出演する。本番前、プロデューサーの万田照臣(まんだてるおみ)はディレクターの鯨井守(くじらいまもる)、アナウンサーの犬山二之助(いぬやまにのすけ)、放送作家の矢代楓(やしろかえで)、ADの阿部理恵(あべりえ)を小五郎に紹介する。小五郎はお調子者の万田に勧められ、お酒を飲んでから本番に臨む。  TMという女性からの相談はマンションの真上の部屋に住む女性が非常識で困っているというもの。その女性は騒音を出し、タバコの吸い殻や空き缶をTMのベランダに投げ落とすという。酔った小五郎はこの迷惑女に対して暴言を連発。万田たちは放送が盛り上がって大喜びする。数時間後、都内マンションの302号に住む鬼島公美(きじまくみ)は202号室の万田十和子(とわこ)の部屋に怒鳴り込む。公美は自分の事をラジオで笑い者にしたと憤怒し、十和子も言い返して激しい口論になる。  翌朝、撲殺された十和子の遺体が発見され、小五郎とコナンは遺体が発見されたマンション近くの公園にやってくる。死亡推定時刻は昨夜の午前0時前後。目暮警部は十和子と揉めた公美の事を犯人と疑っていた。昨日、公美は郵便受けに入れられたCDとワープロ打ちの手紙を発見。手紙には「お前の事を世間の笑い者にしてやったもんね」と書かれ、CDには録音したラジオの放送が入っていたという。公美は十和子の仕業だと思って怒鳴り込みに行ったのだ。 だが、楓は相談者のTMは十和子ではなく、森川つぐみという別人だと証言。CDを入れたのも十和子ではなく、誰が入れたかは高木刑事が捜査中だった。  元タレントの十和子は万田と別居中の奥さんで、万田は離婚を求めたが十和子は断固応じなかったという。この後、CDを公美の郵便受けに入れたのは万田と判明する。観念した万田は公美にラジオを聞かせれば面白い事になると思ってCDを入れたと認めるが、殺害されるとは思っていなかったと主張。楓は公美の無実を証明してほしいと小五郎に頼む。楓は公美が犯人なら事件を引き起こした万田も罪に問われると心配する。7年前、万田は楓が持ち込んだ脚本をラジオドラマに採用。万田は放送作家としてデビューさせてくれた恩人なのだ。1ヵ月前に楓はプロデューサーの交代で番組に来た万田と再会したという。  この後、犯行時刻に公美が飲み屋で酔い潰れていた事がわかる。目暮たちは公美の無実が証明されると、今度は十和子が殺害されて得をする万田を疑う。目暮が昨夜のアリバイを訊くと、万田は皆と飲みに行ったが眠くなって帰宅したと証言。犯行時刻に1人で自宅にいた万田はアリバイがないに等しかった。犬山と鯨井も万田が公美の犯行に見せかけ、十和子を殺害したと疑う。目暮は詳しく話を聞くため、万田を署まで連行するが、コナンはお調子者の万田に計画的な犯罪ができるのかと疑問を抱いて…。

第24話
(950話)
ラジオお悩み相談(謎解き編)

 真上に住む女性が非常識だという相談がラジオ番組で取り上げられ、都内マンションに住む公美はラジオで笑い者にしたと真下の十和子の部屋に怒鳴り込む。翌朝、十和子の遺体が発見され、目暮警部はと公美を犯人と疑う。昨日、ラジオ放送を録音したCDが郵便受けに入っている事に気付いた公美は十和子の仕業だと思って怒鳴り込みに行ったのだ。十和子はラジオプロデューサーの万田と別居中の奥さんで、離婚には断固応じなかったという。そして、CDを公美の郵便受けに入れたのは万田と判明する。  万田は2人を揉めさせるためにCDを入れた事を認める。この後、公美の犯行時刻のアリバイが証明され、目暮たちは十和子が殺害されて得をする万田を犯人と疑う。目暮は詳しく話を聞くため、万田を署まで連行するが、コナンはお調子者の万田に計画的な犯行ができるはずがないと考え、アナウンサーの犬山、ディレクターの鯨井を真犯人と疑う。万田は独立してフリーになろうとする犬山を妨害。鯨井は番組を私腹を肥やす道具と考える万田を軽蔑。2人は万田を陥れる動機があるのだ。だが、放送作家の楓は2人が万田を陥れるために十和子に殺害するなんて馬鹿げた事はしないと考える。  コナンはADの理恵から話を聞く。理恵は鯨井が万田を無能呼ばわりしていたと証言。万田がディレクターの頃に演出したドラマ「さよならも言わずに消えた」を酷評していたという。それは楓の放送作家のデビュー作だった。楓にとっては万田を恩人と慕う事になり、鯨井にとっては万田がを無能と見限る事になったドラマ。コナンはラジオ制作部に行って、このドラマの台本に目を通す。さらにコナンは理恵に頼み、このドラマを録音した音源を聞かせてもらって何かに気付く。  音源を確認後、コナンは台本の登場人物表の主人公、井坂希子(いさかきこ)役の安達十和子(あだちとわこ)という女優に注目する。コナンは変声機を使い、小五郎として当時のプロデューサーだった神尾義隆(かみおよしたか)に電話し、この女優の話を聞く。この後、コナンは昨日の反省会の時、「今日のお悩み相談、万田さんの奥さんの上の人にも聞かせてあげたかったね」と誰かが言っていたという話を思い出し、誰だったのかを理恵に確認。その発言をしたのはコナンの推理通りの人だった。  コナンは再び変声機を使い、問題のお悩み相談を投稿してきたTMこと森川つぐみに電話をかける。コナンの推理通り、つぐみがあの相談を投稿したのは偶然ではなかった。事件の真相に辿り着いたコナンは目暮や小五郎、関係者たちを屋上庭園に集め、真犯人を徐々に追い詰めていく。真犯人が今回の事件を企てたのはプロデューサーの交代で万田が皆の前に現れた1ヵ月前。万田が皆の前で離婚に応じない別居中の奥さんの話題を話した時だった…。

第25話
(951話)
汽笛の聞こえる古書店2

 玉木ブックカフェ店主の玉木裕次郎(たまきゆうじろう)は出張買取の依頼を受けて水谷明子(みずたにあきこ)の自宅を訪問。コナン、光彦、元太、歩美、灰原も裕次郎を手伝うために同行する。書斎にはたくさんの本があり、その中の10冊は価値のある稀覯本だった。稀覯本は入院中の夫のものらしく、裕次郎は稀覯本を買取らず、夫の了承を得てほしいと明子に伝える。  コナンは写真立てに飾られた花々の写真に目を留める。どの写真も一部分が黒くくすんでいた。この後、歩美は本の中に小さい虫の紙魚(シミ)がいる事に気付く。裕次郎は紙魚対策として、歩美からもらったウサギのキャラ絵の紙にラベンダーの香りがする液体を数滴垂らして本棚に挟む。ラベンダーの香りが苦手な紙魚はいつの間にかいなくなるという。  夕方、玉木ブックカフェに沢田良介(さわだりょうすけ)が現れる。沢田は10冊ほどの古書の背表紙が写ったスマホ画像を見せ、いくらになるかと訊ねる。本は貴重なものばかりで、裕次郎は状態にもよるが最低でも200万円だと興奮気味に伝える。金額を聞いた沢田は「あの野郎」と呟いて去っていく。後日、コナン、光彦、元太、歩美、灰原、阿笠博士は玉木ブックカフェにやってくる。裕次郎の息子の玉木一朗(いちろう)とその恋人、吉川美知子(よしかわみちこ)が接客する。  裕次郎は奥で明子から買取った本の状態の確認と修理をしていた。夫が稀覯本だけは売らないと言ったらしく、それ以外の本を買取ったという。その時、明子から店に電話がある。稀覯本が盗まれたらしく、明子は裕次郎を犯人と疑っていた。身に覚えがない裕次郎は直接釈明するため、明子の家を訪れ、コナンたちもついていく事に。明子は11時半頃に友人とランチに出掛け、13時頃に帰宅して窓ガラスが割られ、本がない事に気付いたと明かす。それを聞いた裕次郎はずっと店にいたため、盗みに入る事は不可能だと身の潔白を主張。だが、明子は誰かに盗ませた可能性があると裕次郎への疑いを解かない。  明子の自宅を出た後、コナンたちは裕次郎と別れて家路につく。この時、コナンはスマホをカフェに忘れた事に気付いて取りに戻る事に。裕次郎が閉店作業をしていると、沢田が正確な買取金額を知りたいと稀覯本を持参して現れる。裕次郎が査定したのは明子の家にあった稀覯本と同じだった。この時、本からウサギのキャラ絵の紙が落ち、裕次郎は明子の自宅から盗まれた本だと察する。沢田は通報しようとする裕次郎を突き飛ばして去っていく。この後、コナンたちがカフェの横にある公園を通りかかると、野次馬が集まっていた。規制線の向こう側には目暮警部たちと服が血で汚れている裕次郎の姿。地面には沢田の遺体が横たわっていた。裕次郎は事件の重要参考人だった…。

第26話
(952話)
迷宮カクテル(前編)

 小五郎は脅迫状が届いたという資産家の諸岡郡蔵(もろおかぐんぞう)から仕事を依頼され、コナン、蘭、喫茶ポアロの安室透を連れて諸岡に会いに行く。待ち合わせた黒ウサギ亭はバニーガールが接客する飲食店だった。諸岡が執事の深町惇史(ふかまちあつふみ)と現れると、小五郎は脅迫状の内容を確認。そこには「命が惜しくば、黒ウサギ亭に近づくな」という切り抜き文字が貼りつけられていた。  諸岡はバニーガールの朝倉有里(あさくらゆり)を指名。諸岡は好きな注文して良いと伝え、有里はフルーツ盛り、玉子焼きなどを注文する。有里は指先にユリの花を描いた付け爪をしていた。深町が席に座って、メガネを拭いてテーブルに置くと、玉子焼きが運ばれてくる。諸岡はソースを取って欲しいと深町に頼む。メガネを外した深町が手間取っていると、諸岡は立ち上がって自分でソースを取ろうとする。その時、諸岡は床に落ちた深町のメガネを踏んづけてしまう。  諸岡は小五郎と一緒に駐車場の車に置いてある深町の予備のメガネを取りに行く。この時、諸岡は有里たちバニーガールの脇を通って外に出る。バニーガールの村上紗菜(むらかみさな)は売り上げがトップになりそうな有里を忌々しそうに見る。その時、店内に警報音が響き渡り、有里はグラスを置いてスマホをチェックする。深町はスマホを触っている時に誤って警報音を鳴らしてしまったと謝罪する。  この後、紗菜は有里とぶつかり、紗菜のワインが有里のカフスにかかる。有里はテーブルにグラスを置き、更衣室にある替えのカフスを取りに行く。駐車場に着いた後、小五郎は深町の事を訊ね、諸岡は先日他界した奥さんの家に古くから仕えていた事を教える。小五郎は親しそうな有里との関係も質問。諸岡は店の隣りの洋服屋でスーツを新調した時に会いに行く程度の関係だと答える。  諸岡、小五郎たちは席に戻るとお酒と会話を楽しみ、有里はフルーツを食べながらお酒を飲む。その直後、有里は苦しみながら倒れ、小五郎はすぐに救急車と警察の手配を頼む。紗菜は諸岡と有里の関係を勘繰っている事を蘭に教える。諸岡は有里の事をちゃん付けしていたが、有里が倒れた時は呼び捨てにしていたという。この後、目暮警部たちが捜査を開始し、有里が飲んでいた酒からヒ素が検出される。有里は一命をとりとめたものの意識は戻っていなかった。  諸岡は自分が脅迫されていた事を目暮たちに打ち明ける。諸岡は犯人が自分を殺害しようと盛った毒を有里が間違って飲んだと考えていた。だが、コナンは諸岡と有里のグラスの形状が異なり、間違いようがないと指摘。高木刑事は犯人の狙いは有里の可能性が高いと考える。安室は有里のグラスに毒を混入できたのは諸岡、深町、紗菜だと確信。コナンも3人の中に犯人がいるのは間違いないと考えるが…。

第27話
(953話)
迷宮カクテル(中編)

 小五郎は脅迫状が届いたと資産家の諸岡から仕事を依頼され、コナン、蘭、安室と共に黒ウサギ亭で諸岡、執事の深町と会う。脅迫状は「命が惜しくば、黒ウサギ亭に近づくな」という内容だった。この後、諸岡たちを接客していたバニーガールの有里が酒を飲んだ後に苦しみながら倒れる。有里は一命をとりとめたが意識は不明だった。有里のワインからヒ素が検出され、安室は有里のグラスに毒を混入できたのは諸岡、深町、バニーガールの紗菜だと確信。コナンも3人の中に犯人がいると考える。    目暮警部は諸岡に事情聴取し、諸岡は深町のメガネを踏んづけた状況を説明する。目暮が玉子焼きにソースをかける諸岡の味覚に驚くと、バニーガールの1人が有里も玉子焼きにソースをかけると教える。諸岡はメガネを取りに行った時に有里とすれ違っていた。諸岡はお気に入りの有里に毒を盛る理由はないと訴えるが、小五郎は愛人の有里に結婚を迫られ、妻にバレる前に命を狙ったと疑う。小五郎は有里が玉子焼きにソースをかけるのも諸岡のクセが移ったと推理。だが、諸岡の妻は半年前に病死していた。    深町はスマホを触っている時に誤って警報音を鳴らしたと目暮に明かす。その時、皆はグラスを置き、毒を盛れるチャンスはあったが、深町はメガネをかけていないので誰がどのグラスなんてわからないと犯行を否定する。紗菜は有里とぶつかり、紗菜のワインが有里のカフスにかかった事を目暮に伝える。紗菜はその一瞬で有里のグラスに毒を入れる事なんてできないと犯行を否定。だが、紗菜は売り上げNo.1の座を脅かす有里を忌々しく思っていた。No.1には半年ごとに多額のボーナスが出るという。    コナンと安室は駐車場に行って諸岡のボディガードから話を聞く。ボディガードは諸岡が最近痩せたり太ったりと体型の変化が激しい事を明かす。転んでケガする事も多く、諸岡は何かに悩んでいた可能性が高いという。安室はケガと聞いて、幼い頃、宮野エレーナに治療を受けた時の事を思い出す。この後、バニーガールの1人が新事実を目暮に証言。深町が1人で有里に会いに来た事があったらしく、最初は楽しそうに話していたが、深町が封筒を出した途端に険悪な雰囲気になったという。小五郎は深町が諸岡と別れてくれと有里に頼みに来て、手切れ金を渡そうとしたと推理する。  バニーガールの1人は諸岡が若い頃、好きな女性と駆け落ちして、鳥取に4年くらい住んでいたと話していたと証言する。結局、諸岡は親に連れ戻されて許嫁の奥さんと結婚したという。偶然にも有里と紗菜も鳥取の出身。有里は鳥取の話題で諸岡と意気投合したという。その時、紗菜のスマホに父親から電話がある。紗菜は病気療養する父親の手術代を必要としていた。安室はボディガードから聞いた話を目暮、小五郎に伝える。安室は話している時に再びエレーナとの記憶を思い出して…。

第28話
(954話)
迷宮カクテル(後編)

 何者かが黒ウサギ亭の有里の酒にヒ素を入れる事件が発生。有里は一命をとりとめたが意識は不明だった。コナンは有里のグラスに毒を混入した犯人は諸岡、深町、紗菜の中にいると考える。安室はコナンと共に関係者から話を聞いている時に幼い頃、宮野エレーナに治療を受けた時の事の記憶を少しずつ蘇らせる。ケガして宮野医院を訪れた安室はエレーナと夫の宮野厚司の会話を偶然聞いていた。研究をバックアップしてくれる施設に行くか悩んでいた厚司。その施設のスポンサーは烏丸グループだった。  蘭は店でユリの花が描かれた有里のつけ爪を拾って高木刑事に渡す。蘭は気付かない内につけ爪を踏んでしまってボロボロになっていた。コナンは有里がそのつけ爪をいつも付けているのかをバニーガールの1人に確認。バニーガールは有里が私のトレードマークと言って、そのつけ爪をいつも付けていたと答える。蘭は有里のつけ爪を踏んづけたために今日は散々だとぼやく。蘭はこの前にも財布を落としていたのだ。コナンは財布の事を訊ね、蘭はトイレ前で安室が拾ってくれたと答える。  この後、コナンと安室は小五郎の何気ない一言をヒントに事件の真相を見破る。犯人は有里のつけ爪を標的にして有里のグラスに毒を入れていたのだ。目暮警部は諸岡、深町、紗菜の事情聴取を続ける。諸岡はグラスを持った有里とすれ違った事は認めるが、その一瞬で有里のグラスに毒を入れる事なんてできないと身の潔白を主張。紗菜も有里にぶつかってワインをひっかけた時に毒を入れる事なんてできないと無実を訴える。深町もメガネをかけていなかったので、有里がグラスをテーブルに置いた時に毒を入れる事なんてできないと犯行を否定する。  諸岡は早く解放してほしいと目暮に要求する。諸岡は有里が心配なのですぐに病院に行きたいと訴える。目暮はただの客の諸岡がそこまで心配する事に違和感を抱く。小五郎は諸岡が有里から結婚を迫られ、困り果てた末に毒殺しようとしたと推理。紗菜は諸岡が病院にとどめを刺しに行くつもりだと疑う。だが、諸岡は紗菜の犯行を疑っていた。有里がいなくなれば、売り上げNo.1になる紗菜。諸岡は多額のボーナスを手に入れるために紗菜が犯行に及んだと疑う。紗菜は難病の父親の手術費を必要としていた。  紗菜は有里に手切れ金を渡そうとした諸岡に言われたくないと激怒するが、諸岡は手切れ金と聞いてもピンとこない。紗菜は深町が有里に金を渡そうとして突き返された話をして、諸岡はどういう事だと深町に詰め寄る。この後、コナンは目暮に声をかけ、容疑者2人は言動から犯人の可能性はない事を伝える。そして、コナンは犯人が使ったトリックを暴きながら徐々に犯人を追い込んでいく。事件解決後の夜、安室は合鍵を使って工藤邸に侵入。安室と赤井は拳銃を構えたまま対峙して…。

第29話
(955話)
昆虫人間のヒミツ

 コナン、元太、光彦、歩美は村営昆虫人間牧場がある黒野須駅に降り立つ。その時、不気味な鳴き声が聞こえてくる。音がするのは立入り禁止の看板がある森の中だった。森では村人たちがショベルカー、ブルドーザーで作業をしていた。不気味な鳴き声の正体は作業の音だったのだ。コナンたちは村人たちに睨まれ、慌てて逃げていく。コナンたちは駅の方に戻り、食堂の前でカブトムシ人間に遭遇する。  カブトムシ人間はカブトムシに仮装した小学生だった。小学生は昆虫の仮装をしている理由を紙芝居「村営昆虫人間牧場事件」を使って説明する。政府の役人はこの村の森に国立カジノ付きスーパー銭湯を作ろうと計画。村の大人たちは大喜びするが、村長だけは猛反対する。村の森には、かつてこの世の昆虫たちをこよなく愛した蛾蛾姫のお墓があった。政府の役人たちは森を視察した時に蛾蛾姫の祟りに襲われ、建設計画は中止になる。村長は代わりに村営昆虫人間牧場を作ると宣言したという。    猛反対した大人たちは村会議を開いて村長を首にする。その後、元村長は退職金で森を買い取って発掘作業を始める。そんな折、元村長はこの食堂で食事中に突然絶命。元村長は蛾蛾姫の宝の地図を持っていた。元村長は宝を独り占めしようとしていたのだ。村の大人たちは蛾蛾姫の宝の亡者となって発掘作業を開始。子供たちは昆虫人間牧場の夢を捨てきれず、昆虫に仮装して留守を預かっているのだ。歩美、元太、光彦はラーメンを注文するが、コナンは食事をせず、この村で起きた事件の調査を始める。    コナンは郵便局を訪れ、元村長に配達した郵便物の記録を確認。村長はハロウィン用の蛾のコスプレを購入していた。政府の役人たちを襲った蛾蛾姫の祟りの正体は蛾のコスプレをした村長だったのだ。食堂の食事には昆虫人間に仮装できるサービスが付いていて、元太はカマキリ人間、光彦はコオロギ人間、歩美はコガネムシ人間になる。続いて、コナンは村の医院を訪れる。元村長は末期の癌で、自分の命が短い事を知っていた。コナンは余命わずかな元村長が宝を独り占めしようとした事に疑問を持つ。  この後、コナンは村役場を訪れ、村の歴史がわかる資料を確認する。資料には森にかつて大きな前方後円墳の形をした蛾蛾姫の墓があったと書かれていたが、蛾蛾姫の宝の事は何も記されていなかった。宝は存在していなかったのだ。コナンは村長が何の目的で森を買い取り、何の作業をしていたのかを推理する。その時、森の方から元太の悲鳴が聞こえてくる。昆虫人間になった元太、光彦、歩美は森を訪れ、宝に目がくらんで正気を失った村人たちに追われていたのだ。コナンは森に行って元太たちを助けようとする。この時、村人たちが持っていた古地図が吹き飛ばされてコナンの顔に被る。地図には発掘する仕方や手順まで書かれていた。コナンはこの地図を見て、元村長の本当の目的に気付いて…。

第30話
(956話)
謎解き水上バス(前編)

 米花公園の外れで頭をカチ割られた門脇栄二の遺体が発見される。遺体の傍らには凶器の鉄パイプが落ちていた。目暮警部たちが捜査をしていると、そこにコナンと小五郎が偶然通りかかる。母親の門脇安子は泣き崩れ、兄の門脇優一は愕然となる。栄二が殺害されたのは昨夜10時頃。安子は栄二が夕方から飲みに行っていたと証言する。昨夜、優一は都心のホテルに泊まって書類を作成していたという。エリートの優一は官庁職員だった。高木刑事は栄二の近所の評判が良くないと目暮に報告する。栄二は3年前に大学を中退。栄二は20日に飲み屋で揉め事を起こし、警察署内の泥酔者保護所に入れられていた。  千葉刑事は不審な男の情報を目暮に報告する。何日か前、体格のよい30歳くらいの男性が門脇家の事を近所で聞き回っていたという。千葉は栄二が安子に暴力を振っていたと近所で噂になっている事も目暮に伝える。兄の優一がいつも暴力を振う弟の栄二を止めていたという。門脇家にとっては忌まわしい問題児だった栄二。話を聞いた小五郎は安子が泣いていたのは演技だったと疑う。目暮は栄二の家庭内暴力について安子たちに確認。だが、安子、優一はムキになって否定する。  目暮は昨夜10時頃のアリバイを訊ね、優一はホテルの廊下で酔った女性とぶつかったと証言する。優一は自分が疑われていると察して憤慨する。この後、米花警察署で事情聴取を受けた優一は犯行を否認し続ける。そして、事情聴取中に昨夜10時頃、ホテルで優一とぶつかった女性が見つかる。ホテル従業員も優一と女性がぶつかった光景を目撃していて、優一のアリバイは成立する。優一は容疑者にされた屈辱は忘れないと怒りを露わにして警察署を後にする。  この後、門脇家の事を近所で嗅ぎ回っていた男は建設現場作業員の高瀬林太郎と判明する。安子は元小学校教師で、高瀬は昔の教え子だった。安子は高瀬と先日バッタリ再会したという。目暮たちは建設現場で働く高瀬に話を聞きに行く。目暮たちが訪ねてきても動じない高瀬。コナンは高瀬の態度から警察が訪ねてくる事を予測していたと感じる。高瀬は小学生の頃、安子にいつも叱られ、恨んでいたと告白。高瀬は再会後、近況が知りたくて門脇家の事を聞き回った事を認める。  目暮は安子の次男が殺害された事を高瀬に伝え、犯行時刻のアリバイを訊ねる。高瀬は居酒屋で3時間の飲み食い放題に挑戦していたと答える。防犯カメラには昨夜8時頃に居酒屋に入店し、11時過ぎに店を出る高瀬が映っていて、居酒屋店員の宇野も高瀬をはっきり覚えていた。宇野は高瀬がトイレに立った以外はずっと席にいたと証言。優一に続き、高瀬のアリバイも成立する。その時、門脇家で火災が発生したという情報が入る。優一は何とか逃げ出したが、安子は遺体となって発見されて…。

第31話
(957話)
謎解き水上バス(後編)

 米花公園で頭をカチ割られた門脇栄二の遺体が発見される。門脇家の問題児だった栄二は母親の安子に暴力を振い、兄の優一が栄二を止めていたと近所で噂になっていた。不審な男が門脇家の事を嗅ぎ回っていた事も明らかになる。目暮警部は優一の犯行を疑うが、優一には犯行時刻のアリバイがあった。この後、不審な男は元小学校教師の安子の教え子だった高瀬と判明。目暮は安子の次男が殺害された事を高瀬に伝え、犯行時刻のアリバイを訊ねる。高瀬は居酒屋で3時間の飲み食い放題に挑戦していたと答える。その頃、門脇家で火災が発生。優一は逃げ出したが、安子は遺体となって発見される。  目暮は栄二の殺害も火災も門脇家に恨みを持つ同一犯によるものと睨むが、コナンと小五郎は栄二の殺害に関しては安子を恨む高瀬が怪しいと考える。翌日、コナンと小五郎は高瀬のアリバイ工作を暴くため、居酒屋店員の宇野に会いに行く。そして、高瀬は皆に背を向けて飲み食いしていた事が判明。居酒屋から犯行現場までは往復1時間必要だった。目暮たちは門脇家で捜査を続け、火元は台所のガス台にかけてあった油の鍋とわかる。司法解剖の結果、安子は焼死ではないと判明。後頭部に打撲痕があり、遺体が階段の下にあった事から油の鍋をかけている最中に階段を踏み外した転落死の可能性が高まる。  小五郎は不運な事故の可能性が高いと連絡を受けて納得するが、コナンは栄二が殺害された後にそんな事故が偶然起きる事を信じられずにいた。この後、コナンと小五郎は居酒屋入口付近の防犯カメラの映像を確認。コナンは派手な服装の高瀬と体つきは似ているが、地味な服装の男に注目する。午後9時8分頃、男は入店して10分もしない内に顔を隠すように退店。男は10時半頃に再び居酒屋に戻っていた。コナンは高瀬と地味な男がすり替わったアリバイトリックを見破り、小五郎もこのトリックに気付く。  コナンと小五郎は高瀬と男、恩田松夫を見つけ出して昨夜の事を訊ねる。恩田は高瀬の友人だった。恩田は話をはぐらかそうとするが、コナンたちは恩田の態度から2人が居酒屋ですり替わった事を確信する。コナンは高瀬が犯人という確証が必要と訴えるが、小五郎はアリバイ偽装を伝えれば犯行と認めるはずだと安易に考える。この後、コナンと小五郎が高瀬に会いに行くと、高瀬は水上バスに乗って逃げようとする。だが、コナンと小五郎も水上バスに乗り込んでいた。小五郎は居酒屋の替え玉トリックを暴くが、高瀬は自分が犯人という証拠がないと開き直る。コナンは高瀬と話している時に高瀬の本当の犯行動機、火災の真相を見破って…。

第32話
(958話)
プードルと散弾銃(前編)

 午後8時頃、小五郎、コナン、蘭はドッグフードの会社の社長、火乃宮アンナ(ひのみや)の誕生パーティーに呼ばれ、ヨットハーバーにやってくる。係留された大型クルーザーでは副社長の稲村幸四郎(いなむらこうしろう)、専務の江波真知子(えなみまちこ)がアンナに誕生日プレゼントを渡していた。その時、半地下の船室から現れた黒いレインポンチョに黒手袋、黒い覆面をした男が散弾銃を発砲。撃たれたアンナは絶命する。犯人は顔に巻いていた黒いタオルをはぎ取りながら闇に紛れて逃げていく。  駆け付けた目暮警部たちは捜査を開始。コナンは遺体の爪の派手なマニュキアに残る筋状の傷に目を留める。船室には袋からこぼれたアンナの会社の新商品のドッグフードが散乱。この後、船室の収納ロッカーからロープで後ろ手に縛られ、口にガムテ―プを貼られたアンナの秘書の森島草太(もりしまそうた)が発見される。森島は午後7時過ぎのパーティーの準備中に覆面の男に殴られ、意識を失ったと証言。稲村と真知子はアンナの元カレの豹藤誠(ひょうどうまこと)が犯人だと訴える。  豹藤はウソの投資話でアンナの会社から5千万円近くを騙し取り、アンナ個人からも多額の借金をしていた。小五郎、高木刑事は豹藤を見つけ出して話を聞く。散弾銃は稲村のものだったが、稲村は3日前に散弾銃を積んでいた車ごと盗まれたと証言する。かつて交際していた豹藤と真知子。豹藤は真知子が彼氏を奪ったアンナを恨んでいたと暴露。さらに豹藤はアンナがいなくなって一番得するのは副社長の稲村だと言い放つ。豹藤は真知子、稲村の犯行と疑うが、小五郎は豹藤が犯人と考えていた。  目暮は犯人が船室に潜んでいた午後7時から8時のアリバイを訊ね、豹藤はアンナの自宅に空き巣に入っていたと白状する。豹藤は7時20分頃、合鍵を使って部屋に侵入し、現金3万円を盗んだと打ち明ける。豹藤はその時にジムのメンバーズカードを落としたと明かす。高木はアンナの部屋に行き、豹藤のカードが落ちている事を確認。コナンは壁にかけてあるヒョウ柄のワンピースを調べて何かに気付く。  この後、部屋に設置されたペットカメラの映像を確認。空き巣は映っていたが、顔までは確認できなかった。コナンはプードルのサリーが侵入者に飛びつく姿に注目する。小五郎はアリバイ偽装のため、わざとカードを落としたと疑い、映像に映っているのは共犯者と推理する。アンナの自宅はヨットハーバーから車で15分。共犯者がいなくても7時20分に自宅に侵入し、8時にアンナを殺害する事は可能だった。だが、森島は覆面の男はずっと船室にいたと証言。コナンは犯人が最初から証人にするために森島に目隠しをしなかったと推理する。その時、蘭が連れていたサリーが急に走り出す。サリーは豹藤の足元へと飛び掛かり、豹藤は乱暴にサリーを払い除ける。警察が豹藤を逮捕できずにいると…。

第33話
(959話)
プードルと散弾銃(後編)

 小五郎、コナン、蘭はドッグフードの会社の社長、アンナの誕生パーティーに呼ばれ、ヨットハーバーにやってくる。パーティー開始直後、アンナは覆面の男に散弾銃で撃たれて絶命。犯人はそのまま逃走する。目暮警部は副社長の稲村、専務の真知子、秘書の森島から話を聞き、アンナの元カレの豹藤が容疑者として浮上。だが、豹藤にはアンナの自宅に空き巣に入っていたというアリバイがあった。小五郎たちはアリバイ偽装と疑うが、警察は証拠がないため、豹藤を逮捕できない。その日の深夜、豹藤はヨットの下にある何かを取ろうとする。その時、豹藤は背後から何者かに散弾銃で頭を殴られる。  翌朝、豹藤の遺体が発見される。近くには凶器の散弾銃が落ちていた。一番怪しかった豹藤が殺害されたため、高木刑事は真犯人が別にいると考える。だが、コナンはアンナを殺害したのは豹藤だと確信。問題は誰が豹藤を殺害したかだった。高木はヨットの下でアンナを撃った犯人が着ていた黒いレインポンチョ、黒手袋、顔に巻いていた黒いタオルを発見する。手袋には誕生日ケーキのクリームが付着していた。小五郎は隠していた証拠品を取りに戻った豹藤を待ち伏せした何者かが殺害したと考える。コナンはタオルに稲村とローマ字で刺繍されている事に気付く。  目暮警部は稲村、真知子、森島を呼び集め、もう一度話を聞く事に。稲村は凶器の散弾銃を見て、自分のものだと認める。小五郎は刺繍が入ったタオルの事も確認。稲村は自分が作ったタオルだが、誰にも配っていないと証言する。稲村がアンナにプレゼントしたシャンパンを包んでいたのも同じタオルだった。稲村は盗まれた車に積んでいたタオルが犯行に使われたと考えるが、小五郎は稲村が豹藤に手を貸した共犯者と疑う。稲村は豹藤が犯人という証明もできていないのに共犯者扱いされて憤慨する。  小五郎は稲村に反論されて弱気になるが、すぐに豹藤のアリバイが崩れたと強気に戻る。小五郎は森島が豹藤の共犯者と推理。覆面の男はずっと船室にいたという森島の証言をウソと疑う。だが、森島は恩人のアンナを裏切る事はないと反論する。お気に入りのホストだった森島を特別待遇の秘書として引き抜いたアンナ。真知子はアンナが別れた後も豹藤と密かに会っている事に森島の心中は穏やかじゃなかったと勘繰る。真知子は豹藤が好きなヒョウ柄のワンピースを着て街を歩くアンナと見たと証言する。  この後、プードルのサリーが黒い布を咥えてコナンたちの方にやってくる。咥えていたのは稲村と刺繍されたタオルだった。タオルには白い汚れがついていて、目暮はタオルが2枚ある事に困惑する。コナンはサリーの行動、この2枚目のタオルや稲村、真知子、森島の証言から事件の真相に辿り着き、小五郎に向けて麻酔銃を発射。眠りの小五郎の推理ショーが幕を開け、事件の真相が明らかになっていく。

第34話
(960話)
未亡人(ミズロンリー)と探偵団

 コナン、光彦、元太、歩美、灰原は公園でサッカーをしている時に1人でワインを飲んでいる小森朋子(こもりともこ)と知り合う。朋子は涙を流しながら最愛の彼が亡くなったと告白。朋子は未亡人だった。この後、コナンたちは朋子に植物館に連れてきてもらう。朋子は元太たちと遊んでいる間は悲しみを忘れている様子だった。この後、歩美が植物館の中で迷子になる。朋子はインフォメーションセンターを訊ね、迷子の館内放送を頼む。しばらくすると、梶木浩平(かじきこうへい)が歩美の手を引いてやってくる。朋子は歩美を見つけてくれた梶木に感謝し、お礼がしたいと言って梶木の連絡先を訊く。    後日、コナンたちは下校中に朋子と梶木と偶然会う。朋子はこの前のお礼として梶木を食事に誘ったのだ。コナンたちは朋子、梶木と一緒にレストランで食事をする。梶木はメンズコスメブランドの社長だった。梶木はよく公園や植物園を散歩するらしく、雑誌のインタビューでもその話をしているという。別の日、コナンたちは梶木と一緒にサッカーをする。この時、梶木は朋子の手作り弁当を食べて絶賛。梶木はこんな手料理を作ってくれる奥さんがほしいと語り、灰原は遠回しのプロポーズと冷やかす。  後日、コナンたちは朋子の自宅に招待され、阿笠博士は子供たちの世話をしてくれる朋子にお礼を言うために付き添う。朋子の自宅は3階建ての大豪邸だった。コナンたちは朋子に迎えられる。すでに梶木は3階の屋上で皆を待っているという。朋子は梶木がお酒を飲み過ぎて寝ている事をコナンたちに教える。コナンたちが朋子に連れられて屋上の扉の近くに行くと、どこからかスマホの呼び出し音が聞こえてくる。朋子が扉を開けると、コナンは「危ない」と声を上げる。その直後、屋上の縁の方で梶木がよろけて転倒。木製の手すりが壊れ、梶木はそのまま転落して絶命する。    この後、目暮警部、高木刑事たちは捜査を開始。梶木の死因は転落による脳挫傷だった。目暮は梶木との関係を朋子に訊ね、朋子は内縁関係にあったと答える。朋子は最近、梶木からプロポーズされたが、夫を亡くしたばかりだったため、結婚は気が進まなかったという。光彦は転落の瞬間を目撃したと目暮に伝え、事故だったと証言する。屋上でお酒を飲んでいる時に酔って寝てしまった梶木。そして、スマホに着信があって、目を覚ました梶木は慌ててスマホに出ようとしたのだ。梶木は酔っていたため、スマホを落としてしまい、それを拾おうとして転落した可能性が高かった。この後、元太は屋上の床に落ちている梶木のコンタクトレンズに気付く。梶木は目をこすったのか、片方だけコンタクトを落としていた。元太はテーブルの水のボトルを取ろうとして倒してしまう。コナンはテーブルから床に滴り落ちる水を見て、梶木が転落した事故の真相に辿り着く。

第35話
(961話)
グランピング怪事件

 コナン、蘭、園子は優雅さと快適さを兼ね備えたキャンプのグランピングを楽しむため、豪華なキャンプ施設にやってくる。施設では会社社長の戸崎敬大(とざきけいだい)、妻の戸崎響子(きょうこ)、メイクの三浦美香(みうらみか)、シェフの田辺博(たなべひろし)が豪華なBBQを前に写真を撮っていた。夜、コナンたちが焚き火の前でまったりしていると、広場の方から従業員の悲鳴が聞こえてくる。広場では戸崎の遺体がライトアップされ、暗闇に浮かび上がっていた。 戸崎の遺体の顔には化粧。口にはタラバガニを入れられ、手にはメモが握りしめられていた。そこに田辺、美香、響子がやってくる。コナンは挙動が怪しい3人に何かしたのか訊ね、3人は戸崎に何かした事を認める。響子は夫の戸崎、美香と一緒に戸崎の友人でもある田辺の料理を食べに来たと証言。美香は戸崎の宣材写真のメイクを気に入られ、そのご褒美としてここに招待されたという。響子は部屋を少し離れ、戻った時には戸崎が絶命していたと打ち明ける。  響子は自分が犯人と疑われるのを恐れ、人のせいにする事にしたと明かす。響子は田辺の部屋に遺体を運び、田辺の犯行と思わせるために厨房の冷蔵庫にあったカニを口に突っ込んだと証言する。田辺は部屋に戻ると遺体があったため、メイクの仕事をする美香に罪を擦り付けようと思ったと証言。田辺は遺体の顔にマジックでメイクをして美香の部屋に運んだという。美香は部屋に戻って遺体を見つけ、人のせいにする事を決断。美香は「犯人は嫁」というダイイングメッセージを紙に書いて遺体に握らせたと証言。美香は遺体を戸崎の部屋まで運ぼうとしたが、面倒臭くなって広場に置いたという。  響子、美香、田辺はお互いに陥れようとした事に腹を立てて言い争いになる。この後、駆け付けた目暮警部、高木刑事たちが捜査を開始。高木はカニを口に入れた理由を響子に訊ねる。響子は戸崎がカニアレルギーだった事を明かし、コナンはアナフィラキシーショックが死因の可能性が高いと考える。田辺も戸崎がカニアレルギーという事は知っていた。表向きはおしどり夫婦の戸崎と響子だが、田辺は2人の夫婦仲は最悪だったと暴露する。田辺は美香を戸崎の愛人と勘繰る。 目暮たちは戸崎との関係を美香に訊ね、美香は仕事だけの関係だと答える。コナンは皆の証言を聞いて、誰かが嘘をついていると確信する。コナンは広場にいる鑑識官から話を聞いた後、容疑者3人の中の1人のテント内を調べ、床に落ちている黒い何かを発見する。コナンは施設のロビーにいる響子に声をかけ、昼間に撮った写真を見せてもらう。それは響子たちがカヌー、食事、お茶をしている時の写真だった。コナンはその写真を見て、事件の真相、誰が犯人かを見破って…。

第36話
(962話)
毛利小五郎大講演会(前編)

 小五郎、コナン、蘭は打ち合わせのために弁護士の妃英理と会う。明日開催されるHISHIDAホールのリニューアルを記念した小五郎の講演。英理は後半のトークイベントに参加するのだ。帰り際、英理はファイルの一部を落とし、コナンは拾うのを手伝う。そのファイルは大学教授の殺害事件の新聞記事だった。翌日、講演前の小五郎が景気づけにワインを飲んでいると、ホールのオーナーの菱田順子(ひしだじゅんこ)、支配人の氏森勇作(うじもりゆうさく)が楽屋まであいさつに来る。  続けて、イベント会社社長の角筈直也(つのはずなおや)がスタッフの甘木康介(あまぎこうすけ)、古井紀保(ふるいきほ)、筑波芽衣(つくばめい)を連れて小五郎の楽屋に現れる。さらにトークイベントに参加する警備会社社長の月野木英樹(つきのぎひでき)、俳優の猪越健一郎(いのこしけんいちろう)も楽屋を訪問。その時、ロビーの方から元支配人の冷泉茂吉(れいぜいもきち)の大声が聞こえてくる。  先代の時代遅れの経営理念を一新し、同時に冷泉との契約を打ち切った順子。冷泉はステッキを順子に突き付けて激怒していた。この時、冷泉を止めようとした猪越と月野木が言い争いになり、灰原は2人には何か因縁があると察する。講演20分前、歩美、元太、光彦、灰原はサッカーを観戦するためにホールの出口に集まる。灰原は姿を見せないコナンを呼びに行き、歩美たちは先に出発する事に。灰原はコナンがいる小五郎の楽屋を訪れる。コナンと蘭は酔ってうたた寝をする小五郎に呆れていた。  その時、猪越の楽屋の方から紀保の悲鳴が聞こえてくる。コナンたちが駆け付けると、猪越の楽屋のドアの隙間から血が流れていた。ドアは内側に5センチほど開いて動かなくなり、コナンたちは中庭に行って窓から猪越の楽屋の様子を確認。コナンの予想通り、心臓付近にナイフが刺さった猪越の遺体がドアの開閉を阻んでいたのだ。コナンはこの状況から密室殺人と判断する。  この後、目暮警部たちが捜査を開始。猪越の上着の左の胸ポケットには破損した懐中時計が入っていた。破損した部分と凶器の刃は一致していて、目暮は時計が止まっていた2時50分が犯行時刻と考える。床には遺体を椅子に座らせたままドアまで引きずった跡があった。コナンはイスの背に小さなくぼみを見つけ、密室トリックを見破る。芽衣も密室トリックに気付いていた。氏森は講演を1時間遅らせようと提案。小五郎は1時間以内に事件を解決すると意気込む。高木刑事と千葉刑事は関係者を事情聴取。犯行時刻にアリバイがなかったのは控え室に1人でいた冷泉だけだった。小五郎は冷泉が犯人だと言い放ち、ステッキを使った密室トリックを暴く。だが、そのトリックは力を使うため、芽衣は高齢の冷泉には無理だと指摘する。小五郎たちの話を聞いていた冷泉は殺害を認めるが…。

第37話
(963話)
毛利小五郎大講演会(中編)

 小五郎の講演会が開催される会場で事件が起きる。トークイベントに参加予定だった俳優の猪越が密室状態の楽屋で何者かに殺害されたのだ。小五郎は元支配人の冷泉が犯人だと推理し、ステッキを使った密室トリックを暴く。だが、容疑者の冷泉が自供したのは全く別の殺害事件だった。冷泉がステッキを使って非常階段から突き落としたのはオーナーの順子。冷泉のステッキの先端と遺体のうなじの痣も一致する。冷泉は先代のやり方をないがしろにする順子が許せなかったと供述する。    この後、講演を1時間遅らせる事が正式に決まり、小五郎はトークイベントに参加する警備会社社長の月野木に迷惑をかけると謝罪する。この時、コナンは話している2人を見て何かに気付く。高木刑事は防犯カメラの映像を確認し、冷泉が順子を殺害した時間が判明する。冷泉と順子が非常口を出ていった時間は午後2時45分、冷泉が1人で戻ってきた時間は2時55分だった。猪越が殺害された時刻は2時50分のため、目暮警部は猪越を殺害した犯人は別にいると考える。2つの事件が起きたのはほぼ同時刻。その時間の冷泉を除く関係者たちにはアリバイがあり、目暮と小五郎は犯人が消えたと困惑する。  ロビーでは支配人の氏森、イベント会社社長の角筈、スタッフの甘木、紀保が集まって事件の事を話していた。講演が始まるまで30分を切り、氏森たちは名探偵、眠りの小五郎が解決してくれる事を期待する。コナンと灰原は猪越の楽屋を調べ、窓の近くに重石を置いた2枚の紙片を見つける。紙片は雑誌を破り取ったものらしく、コナンたちは事件後に誰が何のために置いたかを考える。コナンはピンときて、順子が殺害された現場も確認。コナンの推理通り、現場の階段には同じような紙片2枚が置かれていた。コナンと灰原はこの紙片は何かのメッセージだと確信する。この時、コナンはスタッフの芽衣から知らせた方が良いと助言され、紙片の事を小五郎に教えに行くが、小五郎は全く相手にしない。  小五郎と目暮は密室トリックについて考えていた。遺体を座らせたイスをステッキで支えて密室を作ったと推理した小五郎。コナンはステッキの代わりに何を使ったかに気付き、誰が犯人かを見破る。コナンが小五郎に気付いてもらうためにヒントを出そうとすると、芽衣が先に何気なく小五郎にヒントを出す。コナンは芽衣がタダ者ではないと察する。小五郎は芽衣の発言もあって、密室トリックを見破って犯人を特定する。だが、容疑者は犯行時刻にアリバイがあると無実を主張して…。

第38話
(964話)
毛利小五郎大講演会(後編)

 小五郎の講演会が開催される会場で2つの事件が起きる。元支配人の冷泉はオーナーの順子を殺害。俳優の猪越を殺害したのは警備会社社長の月野木だった。月野木の密室トリック、犯行時刻をズラしたトリックを見破り、犯人の証拠まで見つけたスタッフの芽衣。コナンは芽衣の推理力を目の当たりにして驚きを隠せない。この後、HISHIDAホールで小五郎の講演が始まる。小五郎が名探偵の極意を語る第一部は無事に終了。第二部のトークイベントに参加する弁護士の妃英理も会場にやってくる。  第二部のゲストだった猪越、月野木は参加できなくなり、急遽、芽衣が新世代推理女子として、小五郎と英理と共にイベントに参加する事になる。芽衣は大学で犯罪心理学を勉強していた。コナンは芽衣に推理力がある理由がわかって納得する。スタッフの甘木、紀保は英理を楽屋に案内。英理はテーブルに置かれた重石と紙片2枚に気付く。コナンと灰原は紙片を捨てようとする甘木を慌てて止める。  この後、第二部が始まり、光彦、元太、歩美もサッカー観戦から戻ってくる。コナンは2件の殺人事件が起きた事を光彦たちに伝える。事件現場と英理の楽屋にあった紙片は暗号の可能性が高く、コナンはこの暗号を解くコードブックとなる破られた雑誌を一緒に探してほしいと頼む。トークイベントでは芽衣が名探偵の小五郎に質問。芽衣は1年前にある大学で起きた殺人事件の謎を訊ねる。被害者は大学の教授で、犯人として逮捕されたのは芽衣の友人の兄である研究助手の芦田大翔。自分の論文を教授の著書の盗作と言われ、職を追われそうになった事が動機だった。英理は芽衣の話を聞いて顔色が変わる。  容疑者は犯行を自供し、裁判でも有罪が確定。小五郎は何も問題がないと答えるが、芽衣は大ありだと言って怒りを露わにする。その頃、光彦はスタッフルームで複数のページが破られた雑誌を発見する。雑誌はアメリカのニュース雑誌の日本版だった。コナンは目次を見て、大学教授の殺害事件に目を留める。コナンは英理が大学教授の殺害事件の新聞記事を持っていた事を思い出す。  芽衣は「兄が他人の論文を盗むはずがないし、そんな事で殺害するのも信じられない」と友人が話していた事を小五郎に伝える。公判では控訴も行われずに判決が確定したらしく、芽衣はその理由を推理してほしいと小五郎に頼む。コナンは変声機を使い、小五郎として高木刑事に電話をかけ、ある事を調べてほしいと頼む。小五郎が芽衣の質問に困惑していると、芽衣は彼が控訴しなかった理由は勝手に担当を降りた国選の弁護人に絶望したからだと言い放つ。その弁護士とは英理の事だった。この話は友人の話ではなく、芽衣は服役中の芦田の妹だったのだ。コナンは高木に調べらもらった事を足掛かりに芦田の事件の真相に気付き、小五郎に麻酔銃を発射して…。


シーズン25

第01話
(965話)
大怪獣ゴメラvs仮面ヤイバー(序)

 大阪にある日売テレビ新社屋の大ホールで新社屋完成記念映画「大怪獣ゴメラvs仮面ヤイバー」の制作発表会が行われる。小五郎は招待され、コナン、蘭、元太、光彦、歩美、灰原、平次、和葉を連れて発表会に来ていた。敏腕プロデューサーの米倉功人(よねくらいさと)がステージ上であいさつした後、部下のプロデューサー、小杉裕雅(こすぎひろまさ)が小五郎に声をかけてくる。明日は大阪城公園で映画の群衆シーンの撮影があり、小杉はエキストラとして参加してほしいと小五郎たちに頼む。  米倉はスマホを見ながらバックヤードにある倉庫にやってくる。倉庫には巨大な怪獣のフィギュアがあり、足場に固定されたロープが怪獣に結び付けられていた。足場の上にいる犯人はロープを切ろうとするが手が滑ってナイフが床に落ちる。だが、米倉はスマホ画面を見て、音に気付いていなかった。犯人はそのままナイフでロープを切断し、巨大な怪獣のフィギュアは米倉の上に倒れる。この後、怪獣フィギュアの下敷きになった米倉の遺体が発見され、コナンたちも騒動に気付いて現場に駆け付ける。  大阪府警の大滝警部たちは現場検証を開始。遺体の傍らにはスマホがあり、コナンと平次は息絶える寸前まで米倉がスマホを操作していたと推理する。この後、フィギュアに支えていたロープはナイフで切られていた事が判明。大滝たちは事故ではなく、事件として捜査を進める事に。平次は倉庫のセキュリティを確認。第一発見者の小杉は専用カードキーを持っているのは主要スタッフ15人だけと答える。コナンは倉庫に行った理由を訊ね、小杉は午後2時半に倉庫に来いという米倉のメモがあったと答える。  この後、倉庫に入るカードキーを持っていて、バックヤードに残っていたのは小杉を含めて3人だけと判明。小杉以外の2人は米倉の部下であるプロデューサーの三原義人(みはらよしひと)と高内尊(こううちたける)だった。米倉はヒットメーカーと言われていたが、実際に企画を考えていたのは部下だった小杉、三原、高内の3人。平次は米倉の事が邪魔だった3人には殺害する動機があると考える。  犯行時刻は米倉が倉庫に入った午後2時20分から発見された2時30分までの間。平次はこの時間のアリバイを確認する。三原は3階の会議室に1人でいたと証言。三原は会議室で2時20分と30分頃に他のスタッフと会っていて、時間的に犯行は不可能だった。高内はセキュリティチェックで館内を歩き回っていたと証言。誰にも会っておらず、アリバイはないに等しかったが、高内は米倉を殺害する事はできないと主張。高内は極度の高所恐怖症で足場にも上がる事ができないのだ。2人は仕事があるとその場から去っていく。この後、米倉のスマホの解析が終わり、米倉は犯人の写真を撮っていた事が判明。写真はピンボケの後ろ姿だけだったが、コナンと平次はわずかな手掛かりから犯人を見破って…。

第02話
(966話)
大怪獣ゴメラvs仮面ヤイバー(破)

 大阪の日売テレビの新社屋完成記念映画「大怪獣ゴメラvs仮面ヤイバー」の制作発表会に招待されたコナンたち。制作発表中、敏腕プロデューサーの米倉が倉庫で巨大な怪獣フィギュアの下敷きになって絶命する。フィギュアを支えていたロープはナイフで切られていて、大阪府警の大滝警部は事件として捜査を進める。そして、コナンと平次はわずかな手掛かりから米倉の部下のプロデューサー、高内と三原の共犯だと見破る。高内と三原は米倉の車を奪って逃走するが、その直後に車が爆発する。  翌朝、大滝警部は本部長の服部平蔵、刑事部長の遠山銀司郎に捜査状況を報告する。爆弾は暴走した衝撃で爆発した可能性が高く、運転していた高内は即死だった。高内と三原が逃走した時、日売テレビにいた京都府警の綾小路文麿警部。平蔵は現場にいた理由を訊ね、綾小路は一昨日、京都宝ヶ池の道路で死亡事故があった事を明かす。亡くなったのは脚本家の恩田崇(おんだたかし)。親の財産を食いつぶして生活していた恩田は自宅付近の山道から車ごと崖下に転落。綾小路は事件の可能性を探っていた。  赤と青のスポーツカーを所有し、偶数日は赤、奇数日は青と決めていた恩田。一昨日は奇数日だが、青の車に故障が見つかり、赤の方に乗っていたという。綾小路は恩田の事を調べ、過去に米倉と接点があった事を突き止めたのだ。2人はかつて同じ団体主催の自主映画上映会に参加していた。平次は車に爆弾が積まれていたため、米倉が2方向から狙われていた可能性もあると推理する。    助かった三原は取り調べを受ける。三原は倉庫で米倉はスマホを見て「恩田が、恩田が」と何度もつぶやいていたと証言する。コナンは米倉のカバンの中身を確認。昨日の夜からバンコク出張の予定だった米倉のカバンには航空チケット、パスポートの他に新聞6紙が入っていた。米倉は恩田の事故を詳しく調べていたのだ。この後、大阪南港の倉庫で爆発があり、日売映画社の末村良平(すえむらりょうへい)が爆死する。末村は米倉に頼まれ、「大怪獣ゴメラvs仮面ヤイバー」の撮影に使う倉庫を探していた。末村もかつて自主映画上映会に参加。爆弾は米倉の車に仕掛けられたものと同じ可能性が高かった。  そして、再調査の結果、恩田の車にも爆弾が仕掛けられていた可能性が高いと判明。小五郎は同一犯による連続爆破殺人事件と確信する。綾小路たちは米倉、恩田、末村が参加していた自主映画上映会の主催者、奥田から当時の話を聞き、3人には石澤克二(いしざわかつじ)という仲間がいた事がわかる。理工学部出身の石澤には爆弾を製造する化学知識があるのだ。当時、石澤は3人から陰湿なイジメを受けていたという。そして、鑑識の結果、末村の殺害現場の爆弾から石澤の指紋が検出される。石澤の自宅には爆弾が残っている可能性もあり、大滝たちは特定した石澤の自宅へ慎重に踏み込むが…。

第03話
(967話)
大怪獣ゴメラvs仮面ヤイバー(急)

 大阪の日売テレビの新社屋で敏腕プロデューサーの米倉が殺害された事件は急展開を迎える。犯人は捕まるが、米倉の車には爆弾が仕掛けられ、別の人にも狙われていた事が判明。京都で事故死した脚本家の恩田の車にも爆弾は仕掛けられていた。そんな中、倉庫で爆発があり、日売映画社の末村が爆死。これは同一犯による連続爆破殺人事件なのだ。米倉、恩田、末村はかつて自主映画上映会に参加していた仲間と判明。そして、当時、3人は石澤という仲間をイジメていた事も明らかになる。  末村の殺害現場の爆弾から石澤の指紋が検出され、大滝警部たちは石澤を犯人と考え、自宅へ踏み込む。そして、大滝たちは後ろ手を縛られ、後頭部から出血した石澤を発見。憔悴した石澤は意識を失い、自宅から爆弾は見つからなかった。この後、コナン、小五郎は石澤の自宅を調べる。2階で2、3日監禁されていた石澤。逃げようとして階段から1階に転がり落ちた時にケガをしたのだ。  大滝たちが自宅に踏み込んだ時、石澤がいたのは台所。コナンは石澤が玄関から逃げずに台所に向かった理由を推理する。靴脱場には新聞が散らばり、一番上には昨日の朝刊があった。それは米倉が殺害された事件が一面の新聞だった。その頃、平次は京都に行って、恩田の事を調べていた。この後、コナンは灰原と合流。灰原はコナンに頼まれ、米倉、恩田、末村の共通点を調べていたのだ。15年前、お金に困って借金をしていた3人。その借金をキレイに清算したのが3人揃って10年前だった。    コナンは10年前に起きた未解決事件に注目する。それは神戸で起きた資産家宅の強盗事件で、4人組の犯人は1億2千万円を奪って逃走。犯行には爆弾が使われていた。この4人組の犯人グループは米倉、恩田、末村、石澤の可能性が高く、コナンは今になって仲間割れがあったと推理する。恩田は投資に失敗して破産寸前だったらしく、強請られる可能性が高いのは成功者の米倉だった。米倉が強請ってきた恩田を殺害した可能性もあるが、コナンは米倉の車にも爆弾が仕掛けられていた事が引っかかる。灰原は石澤が怪しいと考え、監禁は自作自演と疑うが、コナンは現場の状況から自作自演はないと断言する。  灰原はお手上げ状態になるが、コナンはすでに事件の真相に近づいていた。コナンは恩田が車を2台所有しているのに犯人が片方にだけ爆弾を仕掛けた意味、米倉の車の爆弾に起爆装置、時限装置が付いていなかった理由など、これまでの謎を1つ1つ整理していく。この後、石澤は病院で目を覚まし、大滝、綾小路は誰に監禁されたのかを訊ねる。だが、石澤は口を割ろうとしなかった。大阪府警の合同捜査本部には本部長の平蔵、刑事部長の銀司郎、大滝、綾小路らが集まっていた。そこにホテルで待機していた小五郎が現れる。コナンは部屋に入り込み、小五郎に向けて麻酔銃を発射して…。

第04話
(968話)
大怪獣ゴメラvs仮面ヤイバー(結)

 大阪府警の本部長の平蔵、刑事部長の銀司郎、大滝警部、京都府警の綾小路警部が集まる大阪府警の合同捜査本部。コナンは小五郎に向けて麻酔銃を発射。コナンは眠りの小五郎として今回の連続爆破殺人事件の核心に迫る。恩田、末村を爆殺した犯人の意図は自身のアリバイを確保するため。車の故障によって1日早まってしまったが、恩田が本来亡くなる日に海外主張を予定していた米倉。映画「大怪獣ゴメラvs仮面ヤイバー」プロデューサーの米倉は末村を倉庫に行かせる事が可能だった。  2人を殺害した犯人は米倉だったのだ。眠りの小五郎は米倉が車に積んだ爆弾を空港の駐車場で爆発させるつもりだったと推理。米倉は全ての罪を石澤に着せようと企てていたのだ。眠りの小五郎は10年前の4人組による強盗事件が動機だと説明。その時、平次が恩田の自宅から証拠となるビデオテープを持ってやってくる。テープには強盗した時の恩田、米倉、末村、石澤が映っていた。コナンは4人が映っていたため、撮影した5人目がいたと推理する。米倉の狙いは関係者を全員殺害する事。コナンと平次は米倉がもう1人も殺害するため、どこかに爆弾を仕掛けていると確信する。    大滝たちは5人目の強盗犯の特定を急ぐ。コナンと平次は病院にいる石澤に会いに行く。石澤は米倉に監禁された事を認め、米倉に脅されて爆弾を作った事も白状する。その頃、蘭、和葉、歩美、光彦、元太は映画「大怪獣ゴメラvs仮面ヤイバー」の一般向け制作発表が行われるアベノハルカスの特設会場に来ていた。和葉はバルーンのゴメラ、ヤイバーと自撮りして平次のスマホに送信する。石澤は平次とコナンが病室から離れた隙に変装して病院から出ていく。    この後、石澤には浩一(こういち)という2つ上の兄がいる事が判明する。綾小路は5人目は浩一の可能性が高いと考える。その頃、石澤は古いアパートに住む兄の浩一を訪ねていた。石澤と浩一が話していると、物陰からコナンと平次が現れる。コナンたちは病院からずっと石澤を尾行していたのだ。浩一は一瞬の隙を突いて逃げていく。浩一は人混みに紛れて逃げようとするが、コナンは浩一を何とか見つけ出して捕まえる。  平次はコナンと合流した後、自宅を調べたが爆弾は見つからなかったと伝える。浩一を殺害するために米倉は浩一の自宅に爆弾を仕掛けたと睨んでいたコナンと平次は困惑。この後、浩一は仕事をサボった事を明かす。それは米倉から頼まれたイベントの警備の仕事だった。平次がどこの警備か訊くと、浩一はアベノハルカスで行われる映画の制作発表だと答える。それは蘭、和葉たちが行っているイベントだった。コナンと平次は皆を助けるために動き出すが、爆弾が爆発する時刻は刻一刻と迫っていた…。

第05話
(969話)
加賀令嬢ミステリーツアー(前編)

 江戸川コナンは、毛利蘭、毛利小五郎とともに、蘭が福引で当てた金沢旅行にやってくる。3人が金沢観光を満喫していたところ、小五郎は不注意から林マリという女性とぶつかる。普段はハイヤーを使っていてタクシーに乗ったことがない、手助けしたコナン達にチップを渡そうとするなど、マリは浮世離れしたお嬢様だった。  一旦は分かれたものの、マリがひったくりにあっているところに遭遇。再び助けるが、どうも言動がおかしい。マリは小五郎がひったくりから守った大金入りのボストンバックを「置いてきた」というのだ。現場に駆け付けるが、すでにそのバッグはなく、コナン達は詳しい話を聞くことに。実は、犀川学という呉服店の元友禅作家が誘拐されており、マリがその身代金受け渡しを指示されていたことを知る。  その後、学は無事に解放された。普段の行動範囲を知っていたことや、ボイスチェンジャーで声を変えていたことから、知人の可能性があるとコナンは考える。しかし、マリ、経理の楓優子、学の弟子・萩野凛太朗にはそれぞれアリバイがあった。残るは社長の林壮一だが、彼にも身代金受け渡しの時、自宅にいたというアリバイがある。  そんな中、壮一はマリの彼氏・近藤タクミに疑いの目を向け、呼び寄せる。タクミにはアリバイがなく、言い争いになるが、学が誘拐されていた疲労のためか座り込んでしまう。学を介抱するため、その場は一時お開きとなるが、そこでコナンは今回の事件の不審な点に気が付く…。

第06話
(970話)
加賀令嬢ミステリーツアー(後編)

 江戸川コナンは、毛利蘭、毛利小五郎とともに金沢旅行に来ていた。そこで身代金を運ぶ林マリという女性に会い、誘拐事件に巻き込まれる。しかしこの誘拐事件、被害者と思われていた元友禅作家・犀川学の自作自演だった。犯人もわかり、事件は解決したかに思われた。  ところがその後、学の雇い主だった呉服店社長の林壮一が襲われるという事件が発生。動機や目撃証言から、学が有力な容疑者となる。    そんな中、マリのもとに学から電話がかかってくる。その内容は弟子である萩野凛太朗を誘拐したというものだった! 身代金が準備され、小五郎が受け渡しに駆り出される。  コナンは監禁写真や脅迫電話からヒントを探し、ある場所に1人で行こうとするが蘭に見つかってしまう。コナンの目的地は小松空港周辺。学からの脅迫電話に飛行機の離発着音が聞こえたため、金沢周辺で唯一空港がある場所へやってきたのだ。蘭とともに小松駅にたどり着いたコナンは、そこで学に鉢合わせするが…。

第07話
(971話)
標的(ターゲット)は警視庁交通部(一)

 警視庁交通部交通課の三池苗子は遅刻しそうになり信号無視をしようか迷っていたところ、幼少期、刑事部捜査一課強行犯捜査三係の巡査部長・千葉刑事に注意されたことを思い出し立ち止まる。そこにコナンたち少年探偵団が通りかかる。苗子は、標識について教えながら途中まで一緒に通学する。その様子を見ている不審な男がいた…。  苗子は千葉に好意を寄せながらも、いまだに恋心はおろか元同級生であることすらも伝えられない。  なかなか進展しない千葉との関係に悩み、憂さ晴らしのため交通部執行課警部捕の八木紫織、交通部執行課巡査部長の百崎橙子と、カラオケに行くことになる。そこで八木と百崎は、ここ1週間ほど、お互い誰かにつけられていることを知る。  酔っぱらった苗子とそれを介抱する八木を見送り、1人なった百崎に「公園から女の子の泣き声がする」と男が声をかけてくる。不審に思いながらも百崎は男についていくことにするが、そこで襲われ翌日、遺体となって発見される…。

第08話
(972話)
標的(ターゲット)は警視庁交通部(二)

 警視庁交通部交通課の三池苗子は、同僚の八木紫織、百崎橙子とカラオケに行く。その帰り道、1人なった百崎が襲われ、翌日遺体となって発見されてしまう。遺体のそばには折れ曲った100円硬貨、そして百崎の指は、公園のブランコを指さしていた。  一週間前、百崎と八木は青野健吾、赤峰萬治、白山祐三という3人の男性を交通違反で取り締まっていた。3人とも急いでいたため激しい言い争いになっており、今回の事件はそれと関係があるのではないかと捜査が進む。  そんな中、八木はある男のもとに1人で向かっていた。百崎殺害の犯人だと確信し、そこにいた男に自首を促すが襲われてしまう。倒れた八木を見つめ、男は「あと…一人…」とつぶやくのだった…。  一方、江戸川コナンは、一週間前に交通違反の取り締まりが行われた、米花町五丁目の交差点近くにある、喫茶ポアロで安室透と榎本梓に聞き込みをしていた…。

第09話
(973話)
標的(ターゲット)は警視庁交通部(三)

 警視庁交通部交通課の百崎橙子、八木紫織が立て続けに殺害された。  佐藤刑事、高木刑事、千葉刑事など警視庁の刑事たちは、八木の落下現場付近の聞き込み開始。一週間前に付近で別の事件が発生していたことを知る。  そこに交通課の宮本由美がやってきて、“駐車禁止の標識”が2人のダイイングメッセージではないかと助言する。一週間前、百崎と八木が取り締まった青野健吾、赤峰萬治、白山祐三という3人の男性に容疑者は絞られるが、決定的な証拠はない。由美は、八木が残したもう一つのダイイングメッセージ『7155』から、さらなるヒントを得るために前日、2人と一緒にカラオケに行っていた三池苗子に電話をする。  そんな苗子の話を聞き『由美』という名前に怒りを燃やす怪しい男がいた…。    一方、現場にやってきた江戸川コナンは千葉刑事に声をかけ、現在の捜査状況を知る。コナンは千葉刑事に車で送ってもらっている最中、あることに気が付く…。

第10話
(974話)
標的(ターゲット)は警視庁交通部(四)

 江戸川コナンは、警視庁交通部交通課の八木紫織が殺害された現場で千葉刑事に声をかけ捜査状況を確認。ダイイングメッセージなどから犯人が、一週間前、運転中にスマホをいじっていたことで交通違反の取り締まりを受けた青野健吾であることを特定する。  さらに佐藤刑事たちは、取り締まりを受けていた際に“由美”という名前を耳にしていたことを知る。実際には二人の友人だが、交友関係から同じ交通部の宮本由美が狙われるのではないかと、犯人の捜索が始まる。しかし、犯人の姿は見つからず、由美ともなかなか連絡が取れない。  そのころ三池苗子は、由美の連絡先を聞きだそうとする青野に監禁されていた。決死の覚悟で千葉刑事に連絡を入れるが喋ることができず、監禁場所のヒントを残すだけで携帯電話を取り上げられてしまう…。

第11話
(975話)
妻探しの秘密

 コナンと蘭は、駅前で失踪した妻を探す男性・樋口正樹と出会う。妻の樋口知実が失踪した日は、お祝いをする予定で、財布や携帯電話も自宅に置いたままだという。事件だと考えたコナンと小五郎は、樋口の自宅近くで聞き込みを開始するが、目撃情報も少ない。  そんな中、『今夜は許して!』『殺すのは明日にして!』など河原で物騒な言葉を聞いたという青年、正樹と知実が怒鳴り合う声を聞いたという主婦、公園で『私を追い出して!』と叫んでいる知実を見かけたという女性の目撃証言を得る。出てきた話は正樹と知実が揉めていたというようなものばかり。  さらに「奥さんの遺体を庭に埋めていた」という匿名の通報で目暮警部、高木刑事たちがやってくる。庭の捜索を始めると、そこから遺体が発見され…。

第12話
(976話)
追跡!探偵タクシー

 とあるマダムに依頼され、行方不明になったペットの“アルマジロ君”を探すことになったコナンと小五郎。捜査中に乗ったタクシーの運転手は小五郎の大ファンで猛アプローチ! 先ほど乗車した不審な“サングラスの兄弟”について語り、その道順を案内し始める。  兄弟は行き先を告げず遠回りし、小さな百円パーキングで降りて行ったという。その後、向かっていった公園では『お化け煙突祭り』のお囃子の練習が行われていた。  ハロウィンの影響で盛り上がっている『お化け煙突祭り』では、売上金を大きな金庫で管理しており、それは当日の交通規制で銀行の集金車が回収しに来ることになっている。コナンは、兄弟がこの売上金を狙っているのではと推理する。

第13話
(977話)
割れた金魚鉢

 投資会社社長の土田義博にボディーガードを依頼された小五郎は、コナンと共に様子を見に行く。そこには顧客である北村満や阪東篤子がいた。彼らは「詐欺だ!」と怒り心頭。投資の内容を見た小五郎も「法に触れているのでは?」と依頼を断って帰ろうとする。  しかしそのとき悲鳴が聞こえ、コナンと小五郎が駆けつけると、そこには呆然としている事務員・永瀬綾子の姿と、倒れている土田がいた。さらに、扉の向こうにはナイフを胸に刺された秘書・梶浦勇人の姿が……。そこに外で梶浦を待っていたという恋人・牧村希美もやってくる。  小五郎は、怒っていた顧客たちの中に犯人がいるのではと考え……。

第14話
(978話)
対岸の事件

 公園にバードウォッチングにやってきたコナンたち少年探偵団は、“推理力向上”のために双眼鏡で川の対岸の人間観察を始める。職業あてをして遊んでいたところ、変装した高木刑事たちが張り込みをしているのを発見。どうやら、誘拐事件の現金の受け渡しが行われているようだ。向こう岸に行こうとするが、移動までの時間がかかるため、そのまま見守ることにする。  その後、現金の受け渡しに犯人が現れ確保されるが、コナンは何か引っかかる。犯人は、誘拐事件ではなく、特殊詐欺の受け子だった。少年探偵団の面々は、それぞれ犯人らしき人物に目星をつけ観察しはじめ……。

第15話
(979話)
探偵を引きずり回す

 小五郎のもとに「大切なブローチを盗まれた」という女性・香苗がやってくる。香苗は犯人から『宝物のブローチは預かった。返して欲しければ、あの世まで取りに来い。公園だ。ただし、警察に知らせたらお宝は即刻処分する』という手紙を受け取っていた。  指定された公園に向かった小五郎と香苗は、そこにあったカラクリ時計から新たな手紙を発見する。そこには二人の行動を見張っていたような文章と次の場所が指定されていた。手紙の“あの世まで”という言葉、そしてたびたび起こる危険に小五郎は香苗が命を狙われているのではと考える。  次々に場所を移動させられていた小五郎は、2年前に解決した“ある事件”を思い出していた……。

第16話
(980話)
完全犯罪のススメ

 毛利小五郎探偵事務所に、高木刑事と佐藤刑事がやってくる。「最近、おかしな事件がいくつも起きている」という2人は、事件の資料を小五郎に見せる。  事件の内容は結婚詐欺、銀行殺人、空き巣……とバラバラ。しかし、これらの事件には共通点があり”事件のプロット”が証拠品の中に必ず入っているというのだ。捕まった犯人たちの供述によると「犯罪アドバイザー」から犯罪計画書を売ってもらったという。居場所を突き止めた2人は警察側のアドバイザーとして小五郎に白羽の矢を立てたのだった。  ”現代のモリアーティ”と名乗った犯罪アドバイザーの浜中繰は、「犯罪小説のプロットを売っている」と言って自分のやってきたことを認め、犯罪教唆で逮捕される。佐藤刑事の凄みに押され、かかわっている事件について浜中は話し始めるが、『石神隆復習計画』というプロットの容疑者だけが見当たらず……。

第17話
(981話)
坊っちゃん亭へようこそ(前編)

 江戸川コナンたち少年探偵団が、公園を通りかかるとそこには傷だらけの猫がいた。猫はどうやら何者かに暴行を受けたようだ。急いで病院に連れて行き、少年探偵団は猫の爪に残っていた血痕と繊維から犯人捜しを開始する。  そんな中、目暮警部たちの乗る覆面パトカーを目撃。追いかけると規制線の張られた『坊っちゃん亭』という料亭があった。『坊っちゃん亭』は、夏目漱石の有名な小説『坊っちゃん』を再現した料亭。そこでは、接客係主任の“うらなり”が遺体となって発見されていたのだ。  彼の上着は、猫の爪に残ってた繊維と酷似していて……。

第18話
(982話)
坊っちゃん亭へようこそ(後編)

 コナンたち少年探偵団がケガをした猫を保護した日、夏目漱石の小説『坊っちゃん』を再現した料亭『坊っちゃん亭』で接客係主任の“うらなり”が遺体となって発見された。警察の捜査が進む中、犯人の有力候補と思われた経営者の“赤シャツ”までもが、翌日、遺体となって発見される。警察は逃られないと思い詰めた末の自殺だと考える。  しかし、“うらなり”の遺体が移動させられていたことに気が付いたコナンは、敷地内に住んでいた“赤シャツ”に疑いの目を向けさせるための偽装だと見抜く。  そのことを小五郎や目暮警部に伝えようとするコナンを止め「あの猫にひどいことした犯人、私たちで見つけたい!」という歩美の提案により、少年探偵団はそちらの犯人について捜査することにする……。

第19話
(983話)
キッドVS高明 狙われた唇(前編)

 平次と和葉は、コナンたちと博物館“鈴木ミュージアム”に行くため、新幹線で東京に向かっていた。  鈴木ミュージアムには、世界最大級のコンクパール「妖精の唇(フェアリーリップ)」が展示されており、怪盗キッドがこれを狙っているらしい。コナンたちは鈴木次郎吉のキッドへの挑戦状でそのことを知る。挑戦状には「その宝石は全方向から速やかに見ていただける準備をしています」と書かれていた。  鈴木ミュージアムでは、「妖精の唇」を硬質ガラスでできた部屋で、巨大な氷柱の中に入れて展示。そこには中森警部とともに、長野県警本部捜査一課の諸伏高明警部がいた。  一方、怪盗キッドはすでに機動隊員に紛れて下見に来ており、高校生探偵2人と頭の切れる高明警部の存在を脅威に感じていた。予告状を出すことをためらっていたが、そこに「預けた本物のコンクパールの指輪に模造品を付け替えられて返された」と訴える人物が現れ……。

第20話
(984話)
キッドVS高明 狙われた唇(後編)

 コナン、蘭、小五郎、そして大阪からやってきた平次、和葉は世界最大級のコンクパール「妖精の唇(フェアリーリップ)」を見るため、博物館“鈴木ミュージアム”にやってくる。  一方、「妖精の唇」を盗むと予告した怪盗キッドは和葉に変装して平次を翻弄。展示部屋に潜入し、氷の中にたくさんの宝石を増殖させるマジックをみせる。それが“フローラルアイスパフォーマンス”と高明警部が見破ったことにより、その場にいた平次と和葉は怪しまれる。しかし、入り口に設置されていたセンサーは反応せず、なんとか切り抜けることができた。  コナンは、言動から和葉が“怪盗キッドの変装”だと見抜く。コナンからその事実を伝えられた蘭と小五郎は“平次も気が付いており一緒にいるのは捕まえておくためだ”と怪盗キッドを泳がせることにするが……?

第21話
(985話)
二つの素顔(前編)

 毛利小五郎探偵事務所に、武藤雅子という女性がやってくる。  雅子は姿を消した夫・武藤一誠を探しているという。先日、友人とランチをするために車を運転していた雅子は、勤務先ではない町で夫を見かけた。一緒にいた見知らぬ女性と別れたところで声をかけたが、何故か逃げられ姿を見失ってしまったというのだ。  コナンと小五郎は、自宅にあった名刺から夫が勤める会社を訪ねるが、そこは若い起業家達が安い資金で起業するために使う架空のオフィス“ヴァーチャルオフィス”だった。  夫はいったい、何をしていたのか……?

第22話
(986話)
二つの素顔(後編)

 毛利小五郎事務所にやってきた武藤雅子の夫・武藤一誠。失踪していた彼の本来の仕事は貿易商ではなくリサイクル業者の社長だった。見栄を張って雅子に隠し事をしていたことを反省し、武藤夫婦は無事和解したかに思えた。  しかし翌日、一誠が遺体となって発見されたと探偵事務所に連絡が入り、急いでコナンと小五郎は現場に向かう。  遺体の死亡推定時刻は本日2時から6時の間。死因はまだわかっていなかったが、遺体は燃やされ黒焦げになっており、身元の判明を遅らせるためか歯がすべて抜かれていた。  コナンは、死亡したのは本当に一誠かと疑問を持つ。小五郎とともに会社へ聞き込みに行くと、無断欠勤している社員・野中貞彦の存在を知る。コナンと小五郎は、野中の自宅に向かうが彼の姿はない。そんな中、コナンはある所持品がないことに気が付き……。

第23話
(987話)
会社解散パーティ

 レストランに食事に行ったコナン、蘭、小五郎は、そこで通販サイト『クレーノ』の社員たちが“会社解散パーティ”をひらいているのに出くわす。そこには、社長の呉野次郎、広報担当の戸田潤之介、商品管理担当の越元栄路、経理担当の成田摩由、ウェブデザイナーの上条広雄がいた。労いの言葉とともに花束を渡された呉野が倒れてしまう。その花束には、毒針が仕込まれていたのだ。  話を聞くと、参加者それぞれに殺害の動機があった。そんな中、従業員から花束の前にしゃがみこみ何か細工をしている越元の姿を目撃したとの証言が出てくる。参加者たちを再び集めるが、そこに越元の姿がなく……。

第24話
(988話)
いがみ合う乙女達

 コナン、蘭、園子はショッピングモールに買い物に来ていた。そこでスマートフォンで操作できるアザラシのおもちゃを販売している4人のモデルを見かける。  そんな中、転んでしまったコナンは、蘭、園子とともにバックヤードで休憩させてもらうことになる。そこには、先ほど見かけたモデルたちがいた。西条彩華、深本舞衣、小諸美奈、大淀祐子の4人は、それぞれに雰囲気が悪く、特にCMのオーディションで争った彩華と舞衣は最悪なものだった。  買い物に戻ったコナン達だったが、直後に悲鳴が聞こえる。悲鳴の聞こえた倉庫に駆け付けると、そこには立ち尽くしている舞衣と、頭から血を流して倒れている彩華がいた。  彩華は、工事中だった倉庫の足場から転落したようで、事故、殺人どちらの可能性もあった。控え室のゴミ箱から『舞衣へ。さっきはごめんなさい。私、調子にのってた。謝りたいので、倉庫の二階に来て。彩華』という手紙が見つかり、現場にブローチが落ちていたことで、舞衣に疑いの目が向くが……。

第25話
(989話)
歩美の絵日記事件簿

 コナンたち少年探偵団は登校中、歩美から「絵日記に何を書いていいか迷っている」と相談を受ける。それぞれに案を出し、コナンも「歩美ちゃんなりの観察眼で、毎日周囲を見渡すんだ。そうすればネタはきっと見つかるはずだよ」とアドバイスする。  そんななか、通学路にある米花町商店街の宝石店『金子宝石店』に人だかりができているのを見かける。店のショウウインドウには豪華な宝飾時計があった。店主が「町おこしのために」と仕入れた商品で、住民たちも興味津々の様子だ。装飾時計は世界に5本しかない限定品で、値段は億はくだらないという。当然、万全のセキュリティで守られているのだが、コナンは泥棒に狙われていることに気が付く。  そのきっかけは、コナンのアドバイスを受けて歩美が描いていた数日間の絵日記だった……。

第26話
(990話)
オートマティック悲劇(前編)

 毛利探偵事務所に依頼人・大出房矢がやってくる。房矢の依頼は、父親・大出頼太が殺害された事件の犯人を見つけてほしいというものだった。  事件は先週の水曜日、手倍町の自宅で発生。一人でいた頼太が何者かに頭を殴打され亡くなり、現金三十万円ほどが盗まれた。十日経った今も、犯人はまだ捕まっていないというのだ。  房矢は生真面目な父親への反発でグレていた時期があった。最近、姉が地元では有名な資産家一族の御曹司と婚約したのを聞きつけ、その頃のワル仲間が「婚約相手を自分たちにも紹介しろ」と迫ってきていたのだ。姉に迷惑をかけないよう家出を計画していたため、事件の日、在宅しているはずの時刻に家にいなかった。房矢は、そのせいで強盗に入られたのだと考え後悔していたのだった……。

第27話
(991話)
オートマティック悲劇(後編)

 依頼人・大出房矢が家出をしている間、自宅に1人でいた父親・頼太が強盗に入られ殺害された。コナンと小五郎は、盗みをした人物を見つけるが「殺害はしていない」という。  なかなか犯人像が見えない中、再び現場に向かうコナンたち。「ソファがあるにもかかわらず床で寝ていたのはなぜか」という疑問から、小五郎は睡眠薬を飲まされたと考える。そこで思い当たったのが、駅前で大出家の3人を薄笑いで見ていた女性・曽保呉美だった。呉美が薬剤師だと知った小五郎は、彼女に会いに行くことにする。  一方、コナンは姉の杏と、母親の伊緒に当日の話を聞き、殺害された時間に疑問を持つ……。

第28話
(992話)
町屋カフェでの事件

 コナンは、蘭、園子とSNS映えすると評判のドーナツを出す町家カフェにやってくる。  しかし、店内には店長の富田智、店員の酒井千登勢、客も怪しげな2人しかいない。1人はずっと挙動不審な古川義久、もう1人はずっとドーナツを観察して撮影している野中健司。  そんななか、トイレに行った野中の悲鳴が聞こえる。そこには頭を殴られて倒れている富田の姿があった。  容疑者は店内にいた3人に絞られる。ずっとドーナツを揚げている音がしていた酒井、テーブルに居たことを全員が証言できる古川。一方で、被害者の次にトイレに行き、近くでカフェをやっていて「いつもこの店に偵察に来て、レシピを盗んでいっている」と言われる野中に疑いの目が向くが……。


シーズン26

第01話
(993話)
代役・京極真(前編)

 コナン、蘭、園子、京極、世良の5人で映画を見に行った帰り道、拳銃を持ち女性を人質にとった男に遭遇。京極の活躍で事件は解決……と思いきや、それはTVドラマの撮影をしている俳優だった。京極は気絶してしまった俳優の代役を務めることになる。 コナン達が見学にやってきた撮影現場は廃校の校庭と四階の教室。そこには、監督の富岡茂松と助監督の尾取大策、俳優の徳薗彩也、神明奈々子、メイクの油井英香、ADの吠木曜太といった多くのスタッフがいた。京極は刑事役とアクションの練習を始める。  休憩後、四階から徳薗が落下シーンを撮るためのカメラが校庭にセットされた。その時、悲鳴と共に徳薗が落下し、四階の窓から京極が姿を現す……。

第02話
(994話)
代役・京極真(中編)

 京極が代役を務めることになったTVドラマの撮影現場に、コナン、蘭、園子、世良は見学にやってくる。しかしそこで俳優の徳薗彩也が、撮影現場の校舎四階から転落する事件が発生する。  犯人に気づいたらしい助監督の尾取大策は、こっそりメッセージを送り何かを企んでいる様子。  徳薗のスマホが、四階の窓の外という不自然な場所に置かれていたことから警察は事件として捜査を開始する。  一方、世良はコナン達に“工藤新一”について「妙な薬飲んでないかな?」「新一くんがいる時、コナンくんいないんじゃないか?」などと探りを入れてきて……。

第03話
(995話)
代役・京極真(後編)

 京極が代役を務めることになったTVドラマの撮影現場である校舎四階から俳優の徳薗彩也が、転落する事件が発生。捜査が進む中、助監督の尾取大策も毒殺されてしまう。直前まで持っていた飲み物のシェイクから毒物は発見されず、べつに食べ物などを渡した人物もいない。しかし尾取が所持いたはずのスマホが見当たらない。  コナンは捜査をしようとするが、一緒にいた世良が“工藤新一”さらには“灰原哀”についても探りを入れ始め、気が気ではない。  一方、少年探偵団と遊んでいた灰原は、話の流れから25年前に倒産した“白鳩製薬”。そこで働いていた父・宮野厚司について語り始め……。

第04話
(996話)
能ある鷹は罪を隠す

 のどかな里山にある古民家カフェ・竹の家にやってきたコナン、蘭、小五郎。そこでは《奥穂里山フェス》が行われていたが、店内には古民家カフェ経営の夫婦・竹原玄一と竹原佐登子、鷹匠の赤柴徹、ポン菓子の実演を行う石間明彦しかおらず、フェスとは思えないほどガランとしている。それでもコナンたちはポン菓子や鷹匠を体験し楽しむ。  そんな中、イノシシ猟に出ていた玄一が銃で撃たれ負傷した姿で現れ、目の前で絶命してしまう。直前に、鷹匠の鷹がバランスを崩し、玄一がいた茂みの中に入っていたのを見ていたため、小五郎は「鷹に襲われそうになったことに驚き、身を守ろうとして咄嗟に猟銃を撃ったが暴発してしまった」と考える。  しかしコナンは、トイレに行った際に見かけた玄一と客でもない人物がコソコソと会って話をしていたことや、鷹がバランスを崩す前に何かが光ったことなどが引っかかり……。

第05話
(997話)
スマイルの里の陰謀

 コナンが招待された超高級老人介護施設『スマイルの里』には、すでに元太、光彦、歩美がいた。そこに住むお婆さん、サクラ、スミレ、ボタン、アザミは少年探偵団が揃うのを心待ちにしていた様子。遠足の際に4人を見かけて以来ファンだったそうだ。  孫としてそれぞれの時間を過ごした後、合流したコナンたちは、『スマイルの里』に来た際に会ったタンゴ理事長とワルツ事務長に違和感を持っていた。2人のいる理事長室を覗きに行くと、彼らはお婆さんたちを『スマイルの里』に残すため少年探偵団を利用したようで……。

第06話
(998話)
憎しみのフライパン

コナン、蘭、小五郎は、ベンチャー企業「オーシロ」が開発した新しいフライパンのモニター会場にやってきた。社員の田口哲雄と水沢都美によるフライパンの紹介が終わると、挨拶のために社長の大村直行が呼ばれるが、なかなか出てこない。社長室からした悲鳴を聞きいてコナン達が駆けつけると、そこには胸から血を流した大村が倒れていた。 社長室の窓は開いており、強盗による犯行かと思われた。社長室のあるビルにいた全員が集められるが、敷地内には別に研究棟があるらしい。そこの人たちにも集まってもらおうという話をしている最中、研究棟の一室が爆発。研究開発部主任の古城直行が遺体となって発見される。そこには、ナイフと社長のものと思われる財布が転がっており……。

第07話
(999話)
迷惑な親切心

 コナン、蘭、小五郎が食事をしている居酒屋で、自分が行ってきた“親切”について自慢げに話すサラリーマン・草野灯哉がいた。「自宅アパートの前にいた人物を不審者だと思い通報した」「携帯電話で話しながらATMを操作していた人物を振り込み詐欺だと思い通報した」といった内容だが、どれも勘違いで“おせっかい”と思われるものばかり。話を聞いていた同僚・山梨元は苦笑いするしかない。  一方、カウンターに座っていた・小谷芯は、コナンたちが気が付くほど挙動不審になっていた。小谷は“おせっかい”被害者の一人で、怒りに震えていたのだ。草野の殺害を目論んでいた最中、トイレから聞こえてきた山梨の悲鳴で我に返る。駆けつけると、そこには小谷の考えていた方法で殺害された草野の姿があった……。

第08話
(1000話)
ピアノソナタ『月光』殺人事件(前編)

 「次の満月の夜 月影島で再び影が消え始める 調査されたし 麻生圭二」――コナン、蘭、小五郎は、謎の依頼人に伊豆の小島・月影島に呼び出される。村役場で依頼人・麻生圭二について尋ねると、彼は12年前に妻と娘を殺害し、自身も自宅に火をつけピアノソナタ『月光』を弾きながら死亡したという有名なピアニストだった。イタズラかと思われたが、すでに依頼料も送られてきている。コナンたちは、もう少し麻生圭二について調べることにする。その道中に立ち寄った月影島診療所で医師・浅井成実に村について教えてもらう。  村は現在、村長選挙の真っ最中。漁民代表・清水正人、最近評判があまりよくない現村長・黒岩辰次、そして村一番の資産家・川島英夫の三人が立候補している。さらに今日は、前村長・亀山の三回忌だった。公民館には、この三人の他にも、準備のためにたくさんの人が集まっているため、話を聞いていくようにと勧められる。  公民館での待ち時間、コナンは中を見て回ることにする。すると奥の部屋にピアノが置いてあった。コナンを探してやってきた蘭と小五郎も交えピアノを眺めていると、そこへ黒岩村長の秘書・平田和明が慌てた様子でやってくる。平田によるとピアノは麻生圭二が12年前、亡くなる直前に演奏会で弾いていたピアノであり、そこで亀山村長も亡くなっていたというのだ。そして亀山村長が亡くなる直前には『月光』が……。  法事が始まると村長選立候補者たち、成実医師、黒岩村長の娘・黒岩令子、娘婿の村沢周一なども姿を見せる。三回忌の法要が進められていく中、『月光』が流れ始め……。

第09話
(1001話)
ピアノソナタ『月光』殺人事件(後編)

 コナン、蘭、小五郎が訪れた伊豆の小島・月影島。  前村長・亀山の法事が行われている公民館でピアノソナタ『月光』が流れ始め、黒岩村長が遺体となって発見された。現場は放送室で、死に至ってから数分しか経っていないという。遺体が座っていた椅子の下には血で書かれた譜面があった。  小五郎たちが犯人探しをしている間、コナンはその譜面から「わかってるな 次はお前の番だ 業火の怨念 ここに晴らせり」という犯人が残したメッセージを読み取る。それを聞いた関係者たちは12年前に自宅に火をつけピアノソナタ『月光』を弾きながら死亡したというピアニスト・麻生圭二を思い浮かべ、恐怖に震える。麻生圭二には、最後に書き残した譜面があったことを知ったコナンは、村の警官とともに譜面が保管されている倉庫のカギを探しに行く。しかし、時間がかかりすぎたことで容疑者たちは帰宅してしまう。  あわてて公民館に戻ったコナンは、ピアノのある部屋から物音を聞く。部屋に飛び込んだコナンが見たのは、ピアノを探る怪しい人影。コナンはその姿をを射かけるが、そこで倒れている人物につまずき……。

第10話
(1002話)
米花商店街ダストミステリー

 江戸川コナンは、灰原哀、吉田歩美、小嶋元太、円谷光彦とともに、学級活動として商店街の清掃をしていた。そのとき壁際の一部にたまる、ごみの山を見つける。そこには、もともと屑籠があったようだ。そこで、コナンたちはこの辺りを1人で掃除をしていた磯島千恵美という女性の存在を知る。  商店街では、飲食店とそれ以外の店が増えたごみと、ゴミ箱の設置についてもめており、あふれるゴミに耐え兼ね、屑籠を撤去してしまったのだった。  翌日、商店街にやってきたコナンたちは同じ場所にゴミがたまっているのを発見し、犯人探しに乗り出す。消えた屑籠のもとにたまるゴミの謎とは…?  一方そのころ、毛利蘭、鈴木園子、世良真純たちの通う帝丹高校では四年に一度の世界的なスポーツの祭典『WSG(World Sports Games)』に向けてのアイディアの募集が行われており、世の中は盛り上がりを見せていた…。

第11話
(1003話)
36マスの完全犯罪(パーフェクトゲーム)(前編)

 小五郎、コナン、安室、そして“いろは寿司”の職人・脇田兼則は、特急あずさで長野に向かっていた。もともと一緒に向かうはずだった園子が熱を出してしまい、そのお見舞いに行くという蘭が安室に声をかけ、近くを通りかかった脇田も参加することになったのだ。それは今回の依頼人である日原泰生という人物が手紙に「必ず四人で来てくれ」と書いていたためだった。手紙には、カタカナの暗号で書かれた紙切れも入っていた。  四人が到着したのは、吹雪く山奥にある廃教会。礼拝堂には日原の高校時代同級生である、高校教師の藤出頼人、会社員の和田孝平、OLの古浦郁絵、銀行員の川崎陽介、バーテンダーの西野澄也がいた。彼らの会話で、コナンたちは依頼人・日原が二ヶ月前にここで自殺した人物であると知る。そのとき突然、大きな音が響き渡り車を停めていた駐車場が崩れてしまう。動けない状態になった小五郎は長野県警に連絡する。  しかし、現場近くまでやってきた長野県警の大和勘助、上原由衣、諸伏高明は雪崩でトンネルの入口が塞がれており、すぐに迎えに行くことができないことを確認。「教会の中で待っているように」と指示をする。そんな中、現場に来ていた高明はトンネルから火薬の匂いを感じ「教会に来た人間を閉じ込めるために行われた人為的な雪崩ではないか」と推理して……。  一方、教会で一晩過ごすことになったコナンたちは、その準備と暗号解読をはじめる。

第12話
(1004話)
36マスの完全犯罪(パーフェクトゲーム)(中編)

 小五郎、コナン、安室、そして“いろは寿司”の職人・脇田兼則が、依頼を受けて向かった廃教会。依頼人・日原泰生の高校時代の同級生だったという人物たちを含めた計九人は、役割分担をして一晩を廃病院で過ごす準備を始めるが、トイレで会社員の和田が眉間をボーガンで撃たれて死亡しているのが発見される。早速、小五郎は長野県警に連絡を入れる。  小五郎から送られてきた現場の動画を見ていた大和勘助、上原由衣、諸伏高明。その中に映る安室の姿に諸伏は「以前どこかで……」と考えを巡らせる。  これから何が起こるかわからないため、ペアで行動することになった八人。コナンは安室と組み、トイレへ戻って捜査を始める。そこで黒ずくめの組織の“RUM”について質問するコナンに、安室は困惑し「その人物はとてもせっかち」という情報を伝えるのだった。  一方、残った六人はガラスが割れような音を聞き、様子を見に行くペアを決めようとする。五ケース積んであるミントタブレットから三ケースを取り、残った二ケースを空にして、どれが空けたものかわからないように混ぜる。中身が入っており音が鳴るケースを引いたペアが様子を見に行くというもの。様子を見に行くことになったペアは、このくじ引きを提案し最後にケースを引くことになったバーテンダーの西野と銀行員の川崎だった。しばらくすると、西野が一人で戻ってくる。川崎が届いたメールを見た途端、血相を変えて風呂場の方に行ってしまったという。そのとき絶叫が響き渡り、風呂場で川崎が毒殺されているのが発見される。そこには、新しい暗号の紙が落ちており……。

第13話
(1005話)
36マスの完全犯罪(パーフェクトゲーム)(後編)

 コナン、小五郎、安室、“いろは寿司”の職人・脇田がやってきた廃教会で起こった、会社員の和田と銀行員の川崎が殺害された事件。この事件を解く鍵となる四枚のカタカナ文字の暗号用紙を囲むコナンたちは、なかなか解読の糸口を見つけることができない。そこへ、トンネルの除雪作業をしている長野県警の大和警部から連絡が入る。「あと三時間ほどで迎えに行く」という言葉を聞き、ホッとする面々をよそに、「犯人がいるかもしれない場所で三時間も待てない!」という西野は、ここに来てから行ってきたくじ引きに違和感を覚えていた小五郎の言葉に怒り出し、書斎に閉じこもってしまう。  同級生たち五人だけを呼べばよかったにもかかわらず、四人という人数指定までつけて呼び出されたコナンたちは、“九”にどんな意味があるのか考え始める。それにより、くじ引きの意味、残された暗号の解読、犯人までもが判明したのだった。  そんな中、書斎の外で説得する藤出のもとに西野から「犯人が分かったので、一人で屋根裏を通って書斎に来るように」と連絡が入る。藤出が書斎に到着すると、西野は“無理やり藤出に毒を飲まされそうになっている”かのような演技を始める。そこへコナンたちも屋根裏から到着し、これまで藤出がやってきたくじ引きのイカサマの種明かしを始めるのだった。

第14話
(1006話)
毒を入れたのは誰

 コナンと蘭は、小五郎の依頼主である笹野金融二代目社長・笹野修司主催のパーティー会場にいた。笹野には『ササノヲコロスカクゴシテオケ』という殺害予告が届いており、ボディガードのためにきていたのだ。会場には、土岐信用金庫理事長・土岐新太郎、テルミ美容チェーン代表・花岡てるみ、江ノ島病院院長・江ノ島章、シェフの太刀川公之とメイドの大泉七瀬。そして、笹野と秘書の小早川がいた。先代のころから、詐欺同然の金融業だったという笹野金融。会場に来ている客の3人は、どうやら社長のことを恨んでいるらしい。それぞれが会場で過ごす中、笹野が倒れる。予告通り毒殺されたのだ。  設置していた監視カメラによって、客たちの不審な動きが明るみになる中、笹野と小早川が入れ替わっており、殺害されたのが小早川だったことが判明する……。

第15話
(1007話)
復讐者(前編)

 都区内の小公園で、刃物で全身を滅多刺しにされた惨殺遺体が発見された。被害者は駅前で喫茶店を経営する春山淳兵。交友関係などを洗っている目暮警部たちに出会ったコナンと小五郎は、友人たちが米花町にもいると知り、手伝いを買って出る。  投資コンサルタント・夏川洋二の事務所にむかうと、そこには金融業をやっているという冬木隆三郎と、不動産屋の秋葉都がいた。春山や恨んでいた人物について知っているはずなのに協力的でない三人。  翌日、再びコナンと小五郎が夏川の事務所に向かうと、そこには春山と同じ方法で殺害された夏川の遺体があった。警察も駆けつけ、呼び出された冬木と秋葉は、高校の同級生である甲本高士について話し始める。十年前、デタラメな投資話を持ちかけ金を騙し取った。甲本は日本を捨てて南米へと移り住んでいたが、一昨日、春山が甲本を見かけたと怯えていたのだ。その後、殺害されていたため不安で三人が集まっていたところに、コナンたちがやってきたのだった。  確認したところ、一週間に甲本は日本に戻ってきており、余命幾許もない身だと判明する。死期が迫って自分を騙した恨めしい四人を道連れにしようとしているのではと考える。  取引き相手と四季川渓谷にやってきた秋葉と、警護についていた千葉刑事は、刃物を持った甲本に襲われる。そこで甲本は悲鳴を上げ崖から転落し、連続殺害事件は幕を閉じたかに思われたが……。

第16話
(1008話)
復讐者(後編)

 都区内の小公園で、刃物で全身を滅多刺しにされた惨殺遺体が発見された。同じ方法でその友人の投資コンサルタント・夏川洋二も殺害される。交友関係から、十年前デタラメな投資話で金を騙し取られた甲本高士という人物が容疑者として浮かび上がる。当時、共謀した残る二人を警護していると、そのうちの一人、秋葉都のもとに甲本が現れる。甲本は誤って崖から転落して連続殺害事件は幕を閉じたかに思われた。しかし、その翌日に秋葉が同様の手口で殺害されている。甲本は生きていて、残る冬木隆三郎も殺害しようとしているようだ。  ところが甲本は、郊外の造成工事現場から遺体となって発見される。死亡推定時刻から転落した際に死亡していたことがわかったが、なぜ離れた場所の土の中で発見されたのか、死亡していたのであれば秋葉を殺害したのは誰なのか……?  小五郎は、復讐を代行している者・Xがいると推理する。冬木に連絡が入りXがいることは確定するが、何故かXは冬木に命を奪わない代わりに金を要求する。目的は復讐の遂行ではないのか? これは罠なのか?  そんな中、コナンは甲本が崖から転落した日、近くで釣りをしていた人物がいたこと、甲本もその人物もいつの間にか消えてしまっていたことを聞き、ある推理をする。

第17話
(1009話)
落とし物は事件のにおい

 コナンは、光彦、元太とともに歩美がブレスレットを拾ったという公園にやってくる。その公園が面した道路には急発進した車のタイヤ痕と血痕のようなものがあった。  自分たちで持ち主に返すことに決め、アクセサリーショップを回っていた少年探偵団は、購入者の山喜忍という名前にたどり着く。忍の自宅へ向かうと、そこには忍の妹の山喜理沙がいた。忍はでかけているということで理沙にブレスレットを返すが、コナンはその時の様子が気になる。  3人と別れ理沙を尾行していたコナンは、忍の友人である大井豊を訪ねている様子を目撃。理沙も忍と連絡が取れず行方を探していることを知る。コナンは光彦、元太、歩美に見つかり、手分けをしてそのほかの友人、谷木圭太、小暮正のもとに向かうが……。

第18話
(1010話)
笑顔を消したアイドル

 毛利探偵事務所に、今月から米花町の交番勤務になったという巡査・山里太志がやってくる。米花町の飲食店で食い逃げ事件が発生したのだが、同じような事件がもともと勤務していた杯戸町でも起こっており相談に訪れたのだ。  食い逃げしたのは金髪・サングラスの女で、アイドルグループ『DDPP』の加倉井加代子に似ていたという。加倉井は、圧倒的な人気を誇りメンバーたちに妬まれていた。イジメを受け救急車で運ばれた日の夜に、1回目のラーメン屋での食い逃げが発生したこともあり、金髪・サングラス姿で病院を抜け出したのではと山里は推理していた。現在は地方の病院で療養中だが、そこからも抜け出してファミレスのチョコレート・パフェを食い逃げしたのではないか……一方で、食い逃げした女性は母親や姉とともに謝罪に訪れ、代金を支払いに来たらしいが別人のように見えたという情報もある。そんな話を聞いていた小五郎は、山里がやってくる前から飲んでいた酒のせいで眠り込んでしまう。コナンはチョーカー型変声機で推理を始める。

第19話
(1011話)
山菜狩りとクローバー(前編)

 小林先生、若狭先生の引率でコナンたち少年探偵団は自然に触れ合う授業の下見のために群馬へ向かう。最寄駅で降りると、元小学校教師の善田舞佳がいた。これから向かう山は、善田が務めていた学校でも過去に使ったことがあるということで案内をお願いしていたのだ。善田は結婚を控えており、幸せそうな様子だ。善田の用意したワゴン車に乗り込むと、大量の段ボールが積まれていた。山菜採り場所に到着すると、記念にと車の前でコナン達は写真を撮る。  付近の野原で楽しい時を過ごす中、歩美と善田が飲み物を取りに車へ向かう。飲み物を準備し、戻ろうとすると善田がピアスを落としてしまったといい、歩美と一緒に探すことに。  一方、風向きが変わったことでコナンたちのもとに“血の匂い”が流れてくる。慌てて歩美と善田の様子を見に行ったコナンたちは、車の後ろの木に男性の遺体があるのを発見する。それを見た善田は泣き叫び、男性を抱きしめる。男性は善田の婚約者の吹越桐司だった。  群馬県警が現場検証を行い山村警部は善田を疑うが、車の前で撮った写真に遺体は写っていなかった。全員が車から離れて野原で過ごしている間に、誰かが置いていったのではないかということになる。さらに、吹越の所持品から彼が指名手配中の結婚詐欺師だと判明する。疑いが晴れたかに見えた善田だったが、コナンは善田の右手と肘が泥で汚れているのを不審に思う。そんな中、タイヤの側で四つ葉のクローバーを探す歩美があり……。

第20話
(1012話)
山菜狩りとクローバー(後編)

 コナンたちが山菜採りに到着した際に車のそばで撮った写真には遺体が写っておらず、突然現れたようだと確認した山村警部。被害者と婚約していたという善田舞佳に疑いの目を向けていたものの、遺体発見時も歩美とともにいたこともあり、別の線を考え始める。  遺体を引き摺った跡を辿って近くの別荘へ向かうと、そこには大量の血痕、クローゼットに手を血で染めた女性と凶器の包丁があった。警察が女性を容疑者と考え始めた一方で、コナンは歩美が見つけたという四葉のクローバーから車の位置が移動されていたことを発見。山村警部を眠らせ、推理を始める。

第21話
(1013話)
愛しすぎた男

 コナンと小五郎が、ご飯の準備のため買い物に向かっていると、通りすがった家に人だかりができていた。野次馬の中には、高木刑事の姿があった。  高木刑事とともに中に入ると、派手に荒らされた室内に頭から血を流し倒れている男・増岡進と、座り込んでいる桜川将平と桜川絵里菜がいた。  桜川夫婦の話によると、増岡は空き巣で、夫婦がデパートから帰ってきたところで遭遇した。絵里菜にナイフで襲い掛かってきたため、将平がそこにあったゴルフクラブで咄嗟に応戦。転んだ際に、下にあった鉄の塊に頭を打ち付け絶命してしまったということだ。増岡は、過去に何度も不法侵入と窃盗を繰り返しており逮捕歴もある。供述通りであれば正当防衛になるだろう。  話を終えたコナンと小五郎はかいものに向かうため再び外に出る。しかし裏口に差し掛かったところで将平が持っていたはずの絵里菜へのバースデーカードや、ゴルフクラブなどがあることに気が付き……。

第22話
(1014話)
魔王と呼ばれた小説家

 コナンと小五郎が、米花町の住宅街を歩いていると、豪邸前に警察と野次馬たちの人だかりができていた。そこは売れっ子作家・田分晋太郎の自宅で、射殺遺体が発見されたという。  現場となった書斎は北向きで昼間なのに明かりがついている。ライフル銃があり死亡推定時刻は正午前後。物色された形跡はなく殺害が目的だったようだ。書斎内を観察していたコナンは、レースのカーテン越し窓ガラスに血痕が付着しているのを発見する。カーテンに付いていないということは、わざわざ犯人が閉めたのか……? 部屋隅にあった一脚の椅子以外に血痕がなく、殺害現場は別の場所で遺体を移動させた可能性もある。杭打ち騒音が続いており、銃声を聞いたという目撃情報もない。遺体の第一発見者は弟子の赤池直哉と出川みゆき。他にも尾藤龍之介、茅ヶ崎春夫という計四人の弟子がいた。話を聞いているうちに、田分の作品は弟子たちが書いていたもので、彼らは田分を恨んでいたことがわかり……。

第23話
(1015話)
張り込み

 コンビニで大量に食料を買い込む千葉刑事を目撃した少年探偵団は、「何かあるに違いない!」と後をつける。入っていったのは普通のマンション。友人にでも会いに来たのだろうと思ったが、コナンはマンションが新築で、千葉刑事はここで張り込みをしていると推理する。後を追いかけると、そこには高木刑事もいた。少年探偵団は「博士が迎えに来るまで待たせてほしい」と頼み、張り込みの理由が、先週起こった宝石店強盗殺人であるということを聞く。  向かいのマンション、3階の真ん中の3部屋。302号室は、さっぱりとした生活感のない部屋で、桑井綱彦という男性。303号室は、鳥かごのある部屋で若い男性・花井光喜の一人暮らしのようだ。304号室は、エクササイズウエア姿の女性・天野香須美が、それぞれ住んでいた。  数日前、現行犯逮捕された空き巣がこのマンションに入っており、宝石店から盗まれた指輪を持っていた。しかし、それがどの部屋だったのかわからず、容疑者を絞り込むために張り込みをしていたのだ。3人は、それぞれに不審な点があり……。

第24話
(1016話)
モノレール狙撃事件(前編)

 モノレールに乗って湾岸エリアへと向かっていたコナンと小五郎は、そのモノレールに銃弾が撃ち込まれ乗客の1人が負傷するのを目撃する。緊急停車したモノレールから飛び出し、犯人の追跡をする2人は、狙撃地点と思われるマンションの一室へとやってくる。そこには犯人の姿はなかったが、鑑識の捜査の結果、そこは狙撃地点であり、別の殺害事件が起こった現場であることが判明した。しかし、病院に運ばれていた被害者から摘出されたのは到底狙撃に向いているとは言えないトカレフの弾で……。

第25話
(1017話)
モノレール狙撃事件(後編)

 コナンと小五郎が乗っていたモノレールで銃弾による傷害事件が発生する。犯人を追跡した2人は、あるマンションに到着するが、そこで発見した犯人は東都市場へと逃走。東都市場では多くの人が大荷物を運んでおり、犯人がマンションで起こした殺害事件の遺体を運んでいても目立たない。そこで猿ぐつわで口を塞がれ拘束された従業員が発見される。洋服と鍵束、ターレーを盗まれ、犯人はどうやら東都市場に溶け込み、何かをしようとしているようだ。  そんな中、マンションの住人が判明。前科がないが、4か月前に米花町で起きた現金輸送車襲撃事件の容疑者として、捜査線上に浮上したことのある秋山一郎という男で……。

第26話
(1018話)
骨董盆は隠せない(前編)

 阿笠邸に呼び出されたコナンは、博士が年代物の小皿で大儲けしようと企んでいることを知る。その小皿は博士の伯父の別荘から持ち帰ったもので、知り合いの鑑定士に依頼するつもりらしい。  コナンはなぜ自分が呼び出されたのかと疑問に思うが、その相手は灰原だった。阿笠邸の前で世良が張っており、灰原は不安に思っていたのだ。蘭と園子から「大人びた子ども」ということで灰原の名前が出たことで「世良は灰原の様子を伺っているのだろう」と聞き、怒る灰原。そこへ差し入れにやってきた沖矢に、世良も付いてきてしまう。是が非でも話を聞こうとする世良と、灰原を二人にするわけにもいかず、全員で鑑定士のもとに向かうことになる。 しかし、古美術鑑定士・西津法玄は自宅で何者かに殴られ虫の息だった。慌てて警察に連絡するため部屋を出た阿笠の後から、潜んでいた犯人が現れ西津は刺殺されてしまう。  この邸宅には、数千万はすると言う堆黒盆の真贋を依頼に来た、証券会社社長・遠島基行、元不動産会社社長・蝶野欽治、美術館館長・坂巻鈴江の三人がいた。犯人と、本物の堆黒盆は……?

第27話
(1019話)
骨董盆は隠せない(中編)

 古美術鑑定家の西津法玄が槍で刺殺された。現場には、椎黒盆と呼ばれる漆芸品の鑑定を依頼しにやってきた、証券会社社長・遠島基行、元不動産会社社長・蝶野欽治、美術館館長・坂巻鈴江の三人がいた。  阿笠は、西津がまだ息のあった時に堆黒盆の裏を血のついた指で触ったのを見ていた。現場にやってきた目暮警部たちは三つの盆を箱からを出して確認してみるが、すべてに全く同じ血の跡が残っている。位置で判別しようとするが、阿笠が記憶していたものとすべて違う。  一方、灰原へ接近しようと試みる世良。止めに入った沖矢の様子を思い出し、「最初に会った時、自分を“女”だと気が付いたのは何故なのか?」と詰め寄る。何とか世良の追及をかわした沖矢も、世良に何かを確かめたい様子で……。

第28話
(1020話)
骨董盆は隠せない(後編)

 古美術鑑定家の西津法玄が槍で殴り倒され、その後に刺殺された事件。警察は現場にあった堆黒盆を鑑定できる人物を探そうとするが、なかなか見つからない。家の中を捜索していた警察は、阿笠博士が鑑定を依頼していた小皿の箱を発見する。家政婦の情報によると西津は「今日来る客たちに、このつつみを見せて解説を聞かせて驚く顔が見てみたい」と言っていたらしい。  小皿を見て何かに気が付いたコナンは、改めて阿笠が見た堆黒盆の向きについて確認する。これによって犯人と、動機が本物の堆黒盆を自身のものにしようとしていたことであるとわかる。しかし、犯人は本来の持ち主を覚えていないということで揉めるが、コナンは血の痕からそれを見極める。  阿笠が持ち込んだ小皿についても「阿笠の伯父が、誤って割ってしまった小皿を何とか修復したがバレてしまった」という代物だった。  事件を解決し世良や沖矢と別れたコナンは、赤井の母・メアリー、そして『領域外の妹』について考える。彼女の思惑とは……?

第29話
(1021話)
悪友たちの輪舞(ロンド)

米花町の小公園で男性の殴殺遺体が発見される。そこに通りかかったコナンと小五郎が話を聞くと、被害者・光本猛志はよくない評判だらけの小悪党。凶器は見つかっていないが鉄パイプのようなもので、殺害されたのは昨夜7時前後らしい。この時刻、公園の方から慌てて駆けてくる光本のワル仲間・保坂頼光が目撃されていた。保坂のもとへ向かった一同は、すでに包丁で殺害されている保坂の姿を発見する。保坂はダイイング・メッセージを残しており、そこから光本、保坂とツルんでいた志田康保の名前が浮上する。慌てて志田のもとに向かうと、そこには酒に混入された毒物で殺害されている志田の姿があった。彼らを殺害した犯人とは……?

第30話
(1022話)
呪いのミュージアム

 コナンは、蘭、園子と「古代オリエント文明博物館」へやってくる。展示物はレプリカで、手作り感満載の博物館。蘭と園子のお目当ては、いま女子高生の間で流行っているという“エジプト神キーホルダー”。夢中になっている二人の姿を見ながら時間をつぶそうとしたコナンの目に入ったのは、テーブルの上にあったノート。中には、来園者のご意見、感想、要望などが書き込んであった。その傍らには、いつの間にか館長・木幡賢が立っており、声をかけてくる。  夕方までキーホルダーを選んでいた二人が会計をしようと声をかけると、従業員・石川拓人が出てくる。木幡が閉館準備を開始していたが、そんな博物館の中に重いものが倒れたような音が響く。  慌てて音の方に向かったコナンたちが目にしたのは、倒れたアヌビス像の下敷きになっている内田博光の姿だった。それを見た木幡は“アヌビスの呪い”だと語り……。

第31話
(1023話)
汽笛の聞こえる古書店3

 コナンたち少年探偵団は、小説家・大村光輔の小説教室にいた。そこには少年探偵団の知人であり、「玉木ブックカフェ」で働く吉川美知子の姿もあった。過去の事件後、「玉木ブックカフェ」で働きながら本をよく読むようになった美知子は、自分でも小説を書きたくなったらしい。今回、少年探偵団が小説教室にやってきたのも美知子の紹介だった。  そこに、蔵書家・野嶋亮司と家政婦・竹内渚がやってくる。野嶋は、この家の持ち主で大村のスポンサーのようなことをやってる人物らしい。元太の書いた小説を読んだ野嶋は「話の基本がなっとらん」と怒り出し、少年探偵団と美知子は野嶋の書庫に連れていかれる。そこには、1冊数百万円する本が壁一面に並んでいた。野嶋に渡された本を読むまでここから出ないように言いつけられ、なんとか読み終えた面々は食事をご馳走になることになるが……。

第32話
(1024話)
大岡紅葉の挑戦状(前編)

 蘭のもとに大岡紅葉からメールがくる。内容は「工藤新一に解いてほしい暗号がある」というものだった。ある資産家の屋敷に長年勤めて家政婦が、四人の息子に暗号を残し亡くなった。彼女はミステリー好きで息子達が力を合わせて宝物にたどりつくように、四人に一枚ずつ暗号を送ったそうだ。彼らが暗号を共有した直後、長男が音信不通に。トラブルに巻き込まれたかもしれないということで、暗号を解き、行方を探して欲しいというものだった。紅葉はこの日に東京へ来て、詳しい話をしてくれるらしい。その予定時刻が直前に迫っていたこともあり、蘭は急いで新一に暗号を送る。  そのメールを阿笠邸で受け取ったコナン。そこには、明日から夏休みということで少年探偵団の面々が集まっていた。ゲームをしながらエビせんべいを食べていた元太は痒みを覚え、甲殻類アレルギーの可能性が出る。  探偵事務所に帰宅したコナンは「新一に、蘭と一緒に紅葉の話しを聞いてきてほしいと頼まれた」と伝え、蘭とともに紅葉が待っている杯戸中央ビルの屋上へ向かう。そこには平次と和葉の姿もあった。  紅葉は「平次より先に解く高校生がいた場合、私のお願い聞いてほしい」と約束しており、その相手として新一を指名したのだ。「平次に結婚を迫るに決まっている!」と焦る和葉は、新一に負けてほしいと頼もうとするが……。

第33話
(1025話)
大岡紅葉の挑戦状(後編)

 大岡紅葉の依頼で「ある資産家の屋敷に長年勤めていた家政婦が、四人の息子に残した暗号」を解いていたコナンと平次。たどり着いた杯戸港の第四倉庫では、頭部から血を流して倒れている男の他、三人の姿があった。彼らは暗号を残された四兄弟で、遺体となっていたのは長男の浜名勉造。彼らは浜名に呼び出され、最初に来た次男・柏木優が発見した時にはすでに遺体となっており、その後に三男・菅田克信、四男・陣屋才輔が合流したそうだ。近くに落ちていたメタルフレームの眼鏡の様子から、コナンと平次は、これが殺害事件だと考える。彼らは幼少期に養子に出されたため、三十年ぶりの再会ということでほとんど初対面。中に宝目当ての他人が混じっているのではないかと考えるが、彼らには幼少期についたと思われるジンギスカンの鍋による火傷の跡が残っており、理由は不明だが被害者・浜名が突き落とされたと思われる辺りにもジンギスカン鍋が置かれていた。  一方、倉庫の職員からある情報を仕入れた平次は、この勝負に勝って和葉への告白を考えており……。

第34話
(1026話)
言えない目撃者

 コナンは、蘭、小五郎とともに警察が現場検証しているところに居合わせる。昨夜、路地で撲殺された女性の遺体が発見された。彼女は近所に住む家事手伝いの篠崎姫奈。合コン帰りの夜道で、背後から頭を撲られたようだ。先週にも二件、この付近で同じ様な事件が起こっており、警察は同一犯と考えている様子だ。酔っていたせいもあって二件の被害者には覚えていることもなく、付近には監視カメラもない。  現場をウロウロしていたコナンは、ある一件の家が目に入る。その二階から現場をのぞいている人影があり、コナンと目が合うと慌ててカーテンを閉じる。野次馬の中にいた近所に住む立花志乃に話を聞くと、そこには就職活動に失敗して引きこもっているという男性・小森ヒカルが住んでいるという。話を聞きに自宅にあがるが、ヒカルは声を発することもなく母親に『何も見てない。みんな帰って』とメールしてくる。その内容から「自分が疑われると考えるのではなく、“見て”ないというのは何故なのか?」とコナン。どうやらヒカルは何かを知っているようだが、部屋から出てくることもなく一切口をきこうとしない。収穫がないまま帰ることになるが、コナンはヒカルの様子や玄関の靴などからあることを推理しており……。

第35話
(1027話)
カーテンの向こう側

 街中にあるビルの三階に入っているレストランで、阿笠博士、元太、光彦、歩美は食事をしていた。席で外を見ていた四人は、向かいのマンションでカーテン越しに男女らしき人影が仲良くパーティーをしている様子を見る。それが一変、女性が男性に襲われている様子に変わる。慌てて四人は警察に電話するが、影を見た部屋には家主と思われる国分優子という女性と愛犬しかいないという。確認した警察官にも「女性しか居なかった」と言われ相手にされない。  元太、光彦、歩美は、このことを相談しにコナンのもとを訪れる。同じシルエットを見ていた三人だったが、元太は「刑事が容疑者を取り調べしている様子」、光彦には「プロポーズ直前のカップル」、歩美には「おじいちゃんとおばあちゃんが日向ぼっこしてる様子」に見えたという。話を聞いていたコナンは、あることにたどり着く。  高木刑事を連れ、改めて優子の住むマンションにやってきたコナンたち。優子は部屋におらず、飼っていると言っていた愛犬の姿もない。しかし、拭われた血痕、ゴミ箱に入っている割れたお皿、ひび割れた写真立てなどが残されていた。さらに探すと、短髪の優子が収められた写真があり、短髪のシルエットが優子で被害者は長髪の人物だという結論になる。優子が警察官だけを部屋に入れたのは「女性が男性に襲われていた」という言葉を受けて誤魔化せると判断してのことだったのだ。しかしバレるのは時間の問題と考えたのか、すでに大きなスーツケースを持って部屋を出ていた。コナンは、優子が遺体さえ見つからなければ警察の追及から逃げ切れると判断していると考える。SNSを確認すると、優子は遺体を持ったまま普段通りの仕事に向かっているようで……。

第36話
(1028話)
ケーキを愛する女のバラード

『洋菓子のパラダイス』新工場建設予定地という廃墟の前で話をしていた、元太、光彦、歩美は、コンクリートの残骸の中から出ている右手を発見する。思わず失神してしまった三人を見つけて話を聞いたコナンは、移動する血痕を発見。三人が見た手の人物は生きて移動していると考える。それを追いかけ『洋菓子のパラダイス』の店舗にやってきた四人は、一週間前ここで話をしていたことを思い出す。そのときに店内でケーキを食べていた美女が、このときも同じ席で同じケーキを食べていた。その服には、廃墟にあったコンクリートと思われる汚れが付いており、彼女が廃墟の手の持ち主だろうと推理する。様子を伺っていると、彼女は怒り出し本社工場に向かって行く。そこにはあんこにまみれて死亡している社長・小川明の姿があった。 第一発見者の美女は社長秘書の伊東弥生。死亡推定時刻にコンクリートの下敷きになっていた弥生のアリバイは、少年探偵団によって証言される。廃墟で社長と待ち合わせをしており、本来はそのまま駆け落ちをする予定だったのだという。そこへ副社長・小川浩の妻である小川花子がやってくる。二人はお互いを犯人だと思い、守りあっている様子。彼らの様子を見たコナンは、あることを推理し……。

第37話
(1029話)
警察学校編 Wild Police Story CASE.松田陣平

 夜の警視庁警察学校。桜が舞い散る中、敷地内では殴り合う音が響いていた。そこに居たのは降谷零と松田陣平。松田は警察学校にいるにもかかわらず「どうしても警察官になりたい」という降谷が気に入らないという。二人の争いは一歩も引かずに続いた。  夜中の2時、諸伏景光が悪夢で飛び起きると、ドアをノックする音がする。諸伏がドアの外を確認すると、そこには傷だらけの降谷の姿があった。「売られたケンカを買っただけ」と語る降谷の様子を見ていた諸伏は「その相手とは仲良くやっていけそうか?」と質問するのだった。  朝礼の際、傷だらけになっている降谷と松田の横には、同期の諸伏、萩原研二、伊達航が並んでいた。初任科鬼塚教場教官・鬼塚八蔵は、二人の傷の理由を問うが伊達が機転を利かせて嘘を付く。そんな同期五人の様子を見ていた教官たちは鬼塚に声をかける。五人はそれぞれ問題を抱えており、教官たちから「厄介な連中」と思われていたのだ。  講義の時間、教官からの質問に正確に答える降谷の一方、生意気な口をきいて「警察官を何だと思っている!?」と問われた松田は、警察が嫌いだという割に警察官の心得についてはしっかりと答えるのだった。そんな松田の姿に疑問を持った降谷は、彼の過去について調べ始める。松田の父は過去に誤認逮捕されたことで人が変わってしまい、そのことで警察を恨んでいる様子。ではなぜ、警察学校に入ったのか……?それは松田と仲の良い萩原にも疑問だったようだ。  その後始まった拳銃訓練。五発をほぼど真ん中に当てる降谷の一方、「全然当たらねぇ」とイライラした様子の松田は破損を確かめるために拳銃を分解し始める。拳銃訓練は中止となり、装備返却をすることになるのだが実弾が一発足りない。松田が疑われている中、屋根の補修工事をしていた作業員が落下してくる。それを助けようと飛び込んだ鬼塚の首に命綱が絡まり首つり状態に。現場が混乱する中、五人は鬼塚を助けるため、それぞれ行動を始める。

第38話
(1030話)
空白の一年(前編)

 ひと仕事終えた小五郎が甲練町の住宅街を歩いていると、悲鳴が聞こえてくる。小五郎が現場に向かうと、そこには江坂律雄という男性がヘタり込んでいた。信号待ちしていたところをいきなり誰かに背中を突きとばされて車にハネられそうになったようだ。  コナンと小五郎が探偵事務所で江坂に話を聞くと、一年間の記憶がなくなっており、その間に何か恨まれるようなことをしていたのかもしれないという。会社から朝出かけて営業周りをしていた江坂は、駅で階段から落ちて気絶。夕方、会社に戻ったところ一年間失踪していたことになっていた。どうやら一年間記憶喪失のままどこかで過ごし、階段から落ちたことで過去の記憶が戻り、逆に一年間の記憶が失われてしまったようだ。交通系ICカードを手掛かりに甲練町に戻ることに決めた三人の目に、つけっぱなしにしていたテレビのニュースが入ってくる。そこには、突然姿を消したあと若葉台の山の中で遺体が発見された木杉彬という男性が映っていた。  甲練町に戻った三人は、交番で話を聞こうとするが……。

第39話
(1031話)
空白の一年(後編)

 コナンは、小五郎とともに記憶喪失の江坂律雄という男性が過ごした甲練町で、失われた一年間を見つけるため調査を行う。甲練町で一緒に過ごした人たちと再会し、苦手な犬に吠えられたことで記憶を取り戻しそうになる江坂。  二日後、期待をもって江坂宅に向かったコナンと小五郎は、江坂が遺体となって発見されたことを知る。死因は毒物を入れたコーヒーを飲んだことによるもので、自室は施錠されており、大家から渡されていた鍵は二つとも室内にあった。そのため警察は自殺と考える。見つかった携帯電話には、自身が一年間働いていた火田興業と気象情報サービス会社へ連絡した履歴が残っていた。火田興業へは半年前のある日の作業記録、そして気象情報サービス会社へはその付近で落雷がなかったかという問い合わせだった。それはどちらも木杉彬という人物の他殺体が見つかった若葉台についてで、小五郎たちは江坂が自身の罪を思い出し自殺したのではないかと考える。  しかしコナンは、部屋の様子などから江坂は事件を目撃しただけで、犯人に口封じに殺害されたのではと考えており……。

第40話
(1032話)
モデル、毛利蘭

 コナンは、蘭と共に画家・春日隆二のアトリエに居た。蘭が買い物に出かけた日にデパートの前で春日に声をかけられ、モデルのアルバイトをしていたのだ。そこには、助手の六井理子と弟子の込山義男もいた。込山は最近、弟子となった新人画家で、急に女性の人物画を描き始めた春日に何か思うところがあるようだ。春日のマネージメントを行っている理子も、あまり快くは思っていない様子。  一方、窓の外に不自然に光るものを見つけたコナンは、庭に出てそれを確かめようとする。そこへやってきた庭師に「彼のモデルのアルバイトはいわくつき」と教えられたコナンは、蘭の前にモデルをしていた二人の女性・永畠愛由と野上町子に話を聞きに行くことにする。二人は、誰かに突き飛ばされており、その前には春日の姿を見ていたという。町子から話を聞いたコナンは、急いで小五郎に連絡を取り……。


シーズン27

第01話
(1033話)
太閤名人の将棋盤(初手編)

 下校途中、少年探偵団がサッカーの話題で盛り上がるなか、コナンは別のニュースについて考えていた。八百長騒ぎで失踪中の錦戸棋士が殺害され、遺体で発見された事件。現場には、一本脚を切られた将棋盤があった。コナンが見ていたその事件の記事から、「八百長」の由来について話し合っていたコナンたちのもとに羽田秀吉が現れる。秀吉は、錦戸棋士と対局した際の「特に印象のない棋士だったが、一度だけ彼がトイレから帰ってきて指した手がとんでもない妙手でビックリした」と語る。  髭をキレイに剃り、こざっぱりとした秀吉の姿を見た少年探偵団は、このあと恋人である由美とのデートがあるのだと考えるが、秀吉は「大事な人と会う」とデートを否定して去っていく。  そこに現れたのは由美だった。由美は「おめかししてコソコソ出かけるコトが多くなった」という秀吉を不審に思い尾行していたのだ。「子供連れのほうが尾行に気づかれにくい」と、コナンは由美に連れていかれてしまう。  尾行を続けていたコナンと由美は、ドーナツ屋でたくさん買い込み、女性二人に親しげに話しかける秀吉の姿を目撃。怒りのあまりに飛び出した由美に、秀吉は将棋の勉強会をしていたことを伝える。女性二人は、女流棋士の勝又水菜と瓜生祥子でだった。そこに棋士の菱沼浩輔が合流し、もう一人の参加者である源田安清が待っているマンションへ向かう。しかし、そこで源田は遺体となって発見される。その傍らには脚が切り取られた将棋盤があり……。

第02話
(1034話)
太閤名人の将棋盤(妙手編)

 秀吉が将棋の勉強会をしているというマンションを訪れたコナンと由美は、そこで参加者の一人である源田安清が殺害されているのを発見する。傍には脚が二本切られた将棋盤があった。  部屋の鍵は開いており、他の参加者である勝又水菜、瓜生祥子、菱沼浩輔が買い物に出ていた隙に、何者かが侵入したのではと三人は主張する。三人のうちの誰かがこっそり戻ってきて犯行に及んだとも考えられたが、菱沼はぬるくなっていたが温かさの残るコーヒー、水菜はホカホカのパン、祥子は冷えたアイスクリームを購入していた。三人の購入したものの状態は「ついさっき買ってきた」と主張できるものであり、アリバイが成立する。  警察は、先日起こった八百長疑惑で失踪中だった錦戸公春棋士が遺体で発見された事件の現場に、脚が一本切られた将棋盤が残されていたこともあり、連続殺人の線も考え始める。マスコミ発表の時間から、模倣犯は考えにくいと思われたのだ。話を聞くと、源田は錦戸と面識があり、この勉強会はもともと源田と錦戸、岸本雄平棋士と瓜生欣二棋士というメンバーで行われていたらしい。欣二は祥子の兄で水菜の恋人だったが、自ら命を絶ってしまった。その理由は分からず、欣二に目をかけていた岸本はそれ以来うつ病になってしまった。勉強会の人数が足りなくなったことで、現在の三人に声がかかったのだった。岸本の自宅を確認しようと窓から外をのぞくと、その付近で煙があがっているのか見え……。

第03話
(1035話)
太閤名人の将棋盤(王手編)

 秀吉が将棋の勉強会をしているというマンションを訪れたコナンと由美は、そこで参加者の一人である源田安清が殺害されているのを発見する。傍には脚が二本切られた将棋盤があった。さらに、もともとも勉強会に参加していたという岸本雄平の自宅が燃え、遺体が発見される。そこには脚が三本切られた将棋盤があった。  そんな中、秀吉が犯人に拉致される。源田の遺体が発見された際にキッチンの様子を見て何かに気が付き、自首をすすめるため犯人に会いに行ったらしい。  コナンは工藤邸に居る赤井に連絡を取り、合流することになる。優作からの助言で犯人に目星をつけるが、その人物は最近引っ越してしまい、電話も警戒しているようで住所を聞き出すこともできない。秀吉の電話もつながらず、どうやら犯人につかまることを想定して親しい人たちの連絡先が入ったスマホを持っていなかったようだ。  そんな中、赤井はどこかに連絡を始める。それは、赤井と秀吉が内密な話をする時専用のスマホだった。連絡に気が付いた秀吉は通話をつなげ、犯人との目隠し将棋を始める。コナンと赤井は、スマホのGPS情報から秀吉を助けに向かう。

第04話
(1036話)
ホワイトアウト(前編)

 阿笠博士に連れられ、冬の雪山にスキーをしにやってきたコナン、歩美、光彦、元太。スキー場へ向かう道路でスタックしている車を発見し助けたことで、薬品メーカー社長・石橋健吾、医師の横山タケルと知り合う。彼らはライフルを所持しており、スポーツハンティングをやりに行くところだったらしい。連絡先を交換し別れたコナンたちだったが、それを追いかける怪しい車があった。そこには二人の男が乗っており何やら“面倒なこと”に巻き込まれているらしい。  ゲレンデで遊んでいたコナンたちが、リフトに乗ると眼下には森が広がっている。歩美はその切れ間に、もみ合う石橋と横山の姿を発見。ナイフで石橋が横山を殺害するのを目撃してしまう。さらに、石橋は歩美の視線に気付いたようで……。

第05話
(1037話)
ホワイトアウト(後編)

 スキー場で薬品メーカー社長の石橋健吾が、医師の横山タケルを殺害したのを目撃してしまった歩美。それに気づかれたことでコナン、歩美、光彦、元太は、犯人の石橋から追いかけられることになる。逃げだしたもののコースを外れて雪道を歩くことになってしまい、さらにそこには薬品メーカー社員の森正樹と丹内太郎が待ち構えていた。ソリを使って追跡をかわしたものの、二人は石橋と合流し再びコナンたちを探し始める。  小屋にたどり着き外部に連絡を取ろうと試みたコナンがスマホを触っていると阿笠博士に電話がつながる。しかし電波が悪くどこまで伝えられたかわからないまま切れてしまうのだった。コナンは吹雪の中、別の小屋に移動することを提案する。全員をロープで結び、眼鏡を頼りに外に踏み出したコナンたちだったが、風に煽られたトタンがはがれロープに直撃。コナンは歩美、光彦、元太と離れ離れになってしまう。そんなコナンのスマホに非通知着信があり……。

第06話
(1038話)
警察学校編 Wild Police Story CASE.伊達航

 逮捕術の授業で戦った降谷と伊達。伊達が勝利し、負けた降谷に「なぜ自身の弱点を突かなかったのか?」「誰よりも強くなければ、正義は遂行できない」といった言葉を吐き捨てる。  その夜、降谷は一人ベッドで伊達の言葉について考えていた。そんな降谷の部屋に、外出するという諸伏がやってくる。「買ってきて欲しいものはないか?」という言葉に「特にない」と返した降谷だったが、しばらくして歯磨き粉が切れていることを思い出す。お願いしようと部屋を出るが、すでに諸伏、萩原、松田の姿はなく一人でコンビニに行くことにする。降谷が外に出ると、そこには空を見て何か考え事をしている伊達がいた。  伊達は降谷の姿を見つけると昼間の道場での言葉を謝罪し、自分の父について語り始める。 父は交番勤務の巡査部長であり、弱そうな見た目ではあったものの伊達の尊敬する人物だった。しかし非番だったある日、買い物に入ったコンビニで強盗事件が発生する。そこで犯人に土下座をする情けない父の姿を目の当たりにしショックを受けた。伊達が「父は警察官だ」と犯人に伝えたことで、怒り出した犯人によって父は怪我を負わされてしまう。その怪我が原因で、伊達の父は警察をやめたのだった。どうやらその事件は縄張り抗争に負けた暴力団員が逃亡資金欲しさに起こした犯行で、その後も違う店で傷害事件を起こしていたという。伊達は「父が強く、あの男を捕まえていたら被害者を誰一人出す事がなかった」と考えていたのだ。  コンビニに到着した降谷と伊達。そこに数人の男が押し入り……。

第07話
(1039話)
空飛ぶハロウィンカボチャ

 江戸川コナンは、毛利蘭と毛利小五郎が出かけたため喫茶ポアロにやってくる。そこでは、店員の榎本梓がハロウィンのためのジャック・オー・ランタンづくりをしていた。コナンは手伝いをしている中で、最近“カボチャのお化け”が発見され話題になっていることを知る。そこに、大慌てて入ってきた女性・河野タミ江、それに続いて貸山トモミ、水沼郷司がやってくる。三人は家がお隣同士。梓からもらったカボチャで『米花町商店街・ハロウィンカボチャコンテスト』に向け、ジャック・オー・ランタンをつくっていたが、それが盗まれてしまったという。コンテスト三連覇中であるタミ江のものはまだわかるが、他の二人に盗まれるような理由もない。コナンと梓は、それぞれがカボチャを置いていた場所や現場の状態を確認しに行くことになる。

第08話
(1040話)
歩美の絵日記事件簿2

 阿笠博士の車でドライブをしていた、コナン、歩美、光彦、元太。その帰り道に通りかかったビルの三階、事務所の電灯が不自然に点滅していた。モールス信号で『SOS』を読み取ったコナンたちは、その事務所に向かう。そこには拘束されたバイク便ライダーの団野大がいた。彼はここに爆弾が仕掛けられていると言い、コナンたちは慌てて逃げ出す。  その後、匿名の通報で警察がやってくる。団野は荷物を届けに来た時に、そこにいた男の持っていた拳銃を見てしまい捕まった。拘束されただけだったのは、爆弾を仕掛けて一緒に爆破してしまおうとしていたかららしい。しかし、現場を確認した警察が見つけたのは……。

第09話
(1041話)
1041

 米花町にある寺の石段からお婆さんが突き落とされる事件が発生。彼女は「若い女性に突き落とされた」と語るが、それ以外の情報がない。そんな中、野次馬の中にお婆さんをじっと見つめる男を見つける。声をかけるが、挙動不審な様子で何も知らないとその場を立ち去ってしまう。どうやら現場を見ていたが、言えない理由があるようだ。  コナンたち少年探偵団は、二手に分かれて男について調査を始める。コナンと灰原は、喫茶店のウエイトレスからの話で、彼は鹿骨町に住む蟹江田という人物だということを知る。ここからは1時間以上かかる町で喫茶店の利用も初めてだが、ウエイトレスは喫茶店にかかってきた電話が蟹江田宛のもので、そのときの様子を覚えていたのだった。その際に忘れていったというライターを託され、コナンたちは蟹江田に接触を試みる。  一方、蟹江田を追跡していた光彦、元太、歩美は、彼が時計を気にしながら米花町内を一時間ほどブラブラ歩き回ったあと、携帯電話で話をしながら米花駅から電車に乗っていったのを見ていた。携帯電話を持っているにもかかわらず、喫茶店の電話を使ったのはなぜなのか? やはり、コナンは蟹江田の様子に不信感を抱く。コナンたちは蟹江田の向かう駅を特定し追いかける。そこで見たのは、彼と高木刑事たちが一緒にいるところだった。話を聞いてみると、蟹江田と思われていた彼の名前は“臼井栄一”だとわかり……。

第10話
(1042話)
警察学校編 Wild Police Story CASE.萩原研二

 合コンの場に集まっている降谷、伊達、松田、諸伏。伊達は恋人がいるが、萩原に「酒代を出す」と言われて頭数合わせで参加していた。そこへ「来る途中に、おばあちゃんを助けていて遅れた」という萩原が遅れてやってくる。合コンの二件目はカラオケに行くことになるが、その頃には萩原の独壇場になっていた。  翌日、五人が掃除をしていると「RX-7FD3S」が警察学校に入ってくる。その車から出てきたのは鬼塚教官だった。車に興味津々の萩原は、鬼塚教官を圧倒するほど熱弁する。しかし、これは鬼塚の持ち物ではなく殉職したある先輩刑事の愛車。先輩の娘が刑事を目指しており、それまで預かっているものだった。  その後の重装備訓練では、先ほどの萩原の様子について話題になる。萩原の実家は車の修理工場をしていたため、車に詳しかったらしい。幼馴染である松田も萩原家の工場に入り込んでいたこともあり、彼らは機械いじりが得意だったのだ。萩原は「本当は工場を継ぎたかったが、経営が順調で店舗を増やした途端に景気が悪くなり潰れてしまった。それにひきかえ警察は絶対に倒産しない」という理由で警察官を目指したと語る。  重装備訓練終了後、萩原と松田に声をかけてくる男がいた。男は二人の手際の良さを見て「爆発物処理班にスカウトしたい」と言う。松田はすぐに「興味がある」と返事をするが、萩原は「一度考えさせて欲しい」と断ってしまう。友人である松田と同じ部署で好きな機械いじりができる――それは萩原にとって魅力的だったが、何か渋る理由があるようで……。

第11話
(1043話)
復讐のフィギュア

 コナンたち少年探偵団は、光彦の知人である青木啓二の住むマンションへやってくる。青木は、大学のサークル仲間である水原なおと、白石和也、緑山咲とフィギュア制作をしており、そのフィギュアを見せてもらう約束をしていたのだ。制作部屋を見せてもらっていたコナンたちが部屋にあるものに驚いたり、興味津々に楽しんだりしている中で、白石は不機嫌そうな態度をみせる。  白石は「俺の将来がかかってる」と言い、現在制作しているフィギュアを出す予定のコンテストに執着しているようだ。もともと、このメンバーに黒瀬ゆりを加えた五人がサークル仲間だった。ゆりは故人であり、今回参加するコンテストに入賞するのが夢だったという。他のメンバーが一次審査の当日である命日にフィギュアをもって墓参りに行く計画を立てている中、白石は「いくらセンスがあっても死んだら意味がない」など、ゆりを侮辱するような言葉を吐き捨てて部屋を出ていく。  別の部屋で遊んでいた少年探偵団の面々から離れ、コナンがトイレに行くために部屋を出たところ、青木と咲の不審な会話を耳にする……。

第12話
(1044話)
豚汁は命がけの合図

 コナンと小五郎は、通りかかったマンションにパトカーが止まっているのを目撃する。そのマンションでは、一人暮らしの女性が遺体となって発見されていた。彼女はリサ・ヒューイットソン。ナイフで腹部を刺されていた。現場から検出された指紋は三つ。一つ目は交際中の男性・原隆司。二つ目は勤め先の店のオーナー・小牧智のもの。もう一つは登録がないものだった。玄関や窓にこじあけた形跡がないことから、警察は顔見知りの犯行とみて捜査を始める。  原に話を聞きに行くと、彼は犯行時刻に会社の同僚たちと飲んでおりアリバイがある様子。さらに「小牧がリサに言い寄ってきていた、犯人はあいつだ!」と訴える。一方の小牧は何故か「現場には決定的な証拠があるはず」と言い出し、それを否定されると「原が犯人だ!」と訴える。小牧のアリバイを証言できるという妻の小牧美穂子に会いに行くが、自宅の様子はどこか不自然で……。

第13話
(1045話)
天罰くだる誕生パーティー(前編)

 蘭、園子、世良はクラスメイトの関澤祐美からバースデイパーティーに招かれる。祐美が2月16日生まれ、姉でモデルの関澤礼美が2月15日生まれで2人のお祝いを兼ねているパーティーなのだという。  会場はこじんまりとしていたが、モデルや俳優やタレントといった有名人ばかり。そこには礼美のマネージャーである櫛山認、礼美の同級生でパティシエの初根継男、ヘアメイクの花崎瑞俊という面々もいた。  そんな中、蘭に誘われ会場にやってきたコナンは浮かない顔をしていた。数日前から口内炎ができており会話がしづらい状態だったのだ。コナンは、パーティーが始まる前に薬を飲もうとしてピルケースを取り出すが、世良に覗き込まれたのに気が付き慌てて隠す。そこには修学旅行の時、灰原にもらった『APTX4869』の解毒薬が入っていたのだ。  一方、解毒薬の存在を確認した世良はメアリーに連絡しており……。

第14話
(1046話)
天罰くだる誕生パーティー(後編)

 コナンは、蘭、園子、世良のクラスメイトである関澤祐美と、その姉でモデルの関澤礼美のバースデイパーティーにやってきていた。  パーティー中、スライドショーのため会場の電気が消えたとき、関澤姉妹に言い寄っていたヘアメイクの花崎瑞俊が苦しむ声が聞こえる。照明が点くと、そこには額に『天罰』の文字が書かれた花崎の遺体があった。  会場に目暮警部たちが到着し現場検証が行われた結果、倒れる直前に食べていたケーキに毒が盛られていた可能性が高いということになる。テーブルの下からは青酸系の毒が入っていた小瓶も見つかる。しかしケーキを口にしていた時間、会場は暗く目撃者はいない。会場には40人近くの人間がおり目暮警部たちは頭を悩ませるが、コナンと世良は容疑者を4人に絞っていた。  一方、世良は母・メアリーが子どもの姿になってしまった日を思い出していた。

第15話
(1047話)
赤いヒツジの不気味なゲーム(前編)

 毛利探偵事務所に「彼女が“赤いヒツジ”に誘拐された!」と助けを求めて依頼人がやってくる。彼は別府亮太。誘拐されたのは『ラ・ムーチョ』というレストランで一緒に働いている恋人の滝川亜美だ。別府のもとには「亜美を無事に返してほしければ、今夜12時、おまえ一人で米花公園に来い。警察には絶対に知らせるな」と脅迫文が届いていたが、なぜか身代金の要求はない。コナンと蘭は、その様子を見ながら「昔、どこかで見たような気がする」と考えていた。  夜中に指定の公園へ向かった小五郎と別府は、誘拐された様子のない亜美に会う。誘拐の真相は“彼氏の勇気と愛情を試す赤いヒツジゲーム”であり、現在SNSで流行ってるということを知らされる。  一方、それぞれ“赤いヒツジ”について気になっていたコナンと蘭は夜道で会う。話をしていると、前方のトンネルから不気味な人影が――それは着ぐるみの赤いヒツジだった。黒いボストンバッグを抱えて赤いヒツジが去っていったあとには、胸に包丁が突き刺さった男性が倒れていた。  現場に到着した警察によると、男性は若林哲三郎。小五郎が依頼を受けた別府たちが働くレストラン『ラ・ムーチョ』のオーナー兼料理長だった。コナンたちは誘拐事件との関連を考え、レストラン『ラ・ムーチョ』に向かう。

第16話
(1048話)
赤いヒツジの不気味なゲーム(後編)

 小五郎が“彼氏の勇気と愛情を試す赤いヒツジゲーム”による偽装誘拐事件の捜査で振り回されていたころ、コナンと蘭は夜道で着ぐるみの赤いヒツジに鉢合わせする。赤いヒツジが去った後には、レストラン『ラ・ムーチョ』のオーナー兼料理長・若林哲三郎の遺体があった。偽装誘拐事件を起こした滝川亜美と、その恋人である別府亮太の勤務先でもあるため、コナンたちは関連を疑い店を訪れる。そこで副料理長の向井幸吉、コックの神尾大輝、レストランの共同経営者である平沢基次郎に会う。アリバイなどを聞く過程で、二、三週間ほど前から動画サイトに赤いヒツジが、デート中のカップルにイタズラをして逃げるという動画がアップされいたという話題が出る。  若林の家を捜査していた警察はパソコンに脅迫メールを発見する。相手は赤いヒツジで、人質はアンリという女性。そして五千万の身代金が要求がされていた。  その後、着ぐるみのレンタル会社で社長の岩見秀人に話を聞き、赤いヒツジの着ぐるみを借りた人物を特定したコナンたちだったが……。

第17話
(1049話)
目暮、刑事人生の危機

 都内の廃工場で山下部巌の遺体が発見される。匿名の通報を受けて現場に到着した目暮警部たちは、遺体の状態から殺害現場がここではなかったと考える。  一方、遺族と連絡が付かないことから山下部の自宅にやってきた地元署の巡査は、荒れた室内にある扉の開いたままの金庫、そして血痕と毛髪のついた置物が床に転がっているのを発見する。  現場を確認した目暮警部たちは、ここが犯行現場であるとし捜査を開始する。二日後、山下部にしつこく付きまとっていた人物が浮上。その人物・手向京助の名前を聞いた目暮警部は動揺する。三年ほど前、ある殺害事件の捜査で目を付けたのが当時都庁に勤めていた手向だった。事件発生時のアリバイについて聞かれ、渋々ながら明かしたのはある業者との密会。殺害事件に関してのアリバイは証明されたが、特定業者との不適切な関係が役所にバレて手向は職を失った。それにより、目暮警部を逆恨みしているというのだ。現在は出版業をしており、社会的に成功した人にすり寄っては自伝を書かせ自費出版させるという方法を取っているらしい。そのターゲットの一人が山下部だったのだ。  手向は殺害時刻にアリバイがあるというが、証人はいないらしい。そして、殺害事件の翌朝に自損事故を起こして自家用車を焼失させていた。目暮警部たちは彼が殺害現場から車で遺体を運び証拠隠滅のために焼失させたと考える。目暮警部は自身の首をかけ手向の逮捕に踏み切るが……。

第18話
(1050話)
森川御殿の陰謀(前編)

 コナンは、蘭とともに小五郎が依頼を受けた屋敷に同行する。依頼主はソフトクリーム産業のドンと呼ばれる森川雄山。雄山はガンで余命いくばくもないと診断されており、小五郎に遺産相続のアドバイザーを頼みたいとのことだった。屋敷には主人である雄山を始め、遺産相続候補の森川勇一郎、森川優次郎、森川游三郎の三兄弟、弁護士・大井宏樹、執事長・司徒友嘉がいた。三兄弟の話題は遺産の事ばかり。コナンが屋敷内を回っている際にも、それぞれが遺産を手に入れようと躍起になっている様子が見える。ケンカも絶えず、彼らを幼いころから知っている友嘉は寂しそうな様子だ。  夕食の際、食堂に集まったメンバーの中に優次郎の姿がない。優次郎が来ないまま食事は始まり、食後には「明日の午後、遺言書の書き換えが行われる」という旨が伝えられる。  翌朝の食堂には、優次郎、そして游三郎も現れない。不審に思ったコナンたちはそれぞれの部屋を確認しに行く。優次郎の姿はなく、游三郎は密室で殺害されていた。小五郎は警察を呼ぼうとするが、大井に止められ……。

第19話
(1051話)
森川御殿の陰謀(後編)

 コナン、蘭、小五郎が依頼を受けてやってきたソフトクリーム産業のドン・森川雄山の屋敷。雄山はガンで余命いくばくもなく小五郎に遺産相続候補の三兄弟を見極めてほしいと依頼する。そこで三男・森川游三郎が密室で遺体となって発見された。さらに、前日から行方不明だった次男・森川優次郎も捜索の結果ソフトクリームのタンクの中で遺体となっていた。「次に狙われるのは僕だ!」と取り乱した長男・森川勇一郎も自身の部屋に籠ってしまう。  コナンたちが部屋に戻り事件について話をしていると、屋敷に銃声が響く。慌てて駆けつけると、そこには勇一郎の遺体があった。銃声のした方に向かったコナンは、執事長・司徒友嘉に鉢合わせする。二人は物置部屋に向かい、そこで勇一郎の命を奪ったと思われるアイフルを発見。現場を確認したコナンはあることに気が付き……。

第20話
(1052話)
少年探偵団の肝試し

 コナンは、少年探偵団の面々と阿笠博士の家にいた。動画サイトで心霊系配信『恐狩サダオと怖霊屋トシコの突撃!心霊スポット』を観て、その映像に夢中になっている歩美、光彦、元太。コナン、灰原は「心霊スポットに幽霊を撮りに行こう!」と盛り上がる三人に付き添って廃病院を訪れることになる。  最上階の三階にあるという幽霊の棲む“開かずの間”をゴールにして撮影をスタート。ここには、“赤鬼の赤ちゃん”や“車椅子に乗った包帯男”、“長い黒髪の女医”といった幽霊が出るらしい。病院内で噂の通り赤ちゃんの泣き声を聞いたコナンたちはそちらへ向かうが、そこには猫がいるだけだった。「幽霊の正体なんてこんなものだ」と話しながら先に進もうとしている中、コナンだけは猫に違和感を覚えていた。その後、五人が向かった二階には……。

第21話
(1053話)
牧場に墜ちた火種(前編)

コナン、歩美、光彦、元太、灰原は、担任の小林澄子先生、副担任の若狭留美先生とともにバスで鳩山牧場へ向かっていた。学校で世話をする新しいニワトリを譲ってもらうことになっていたのだ。バスには同じ牧場へ向かう日塚順哉、南武敬、加納昭吾が乗っており、彼らの目的は取材や研究だという。しかし何やら険悪な様子だ。そんな中、加納がスマートフォンで観ていた映像に興味を持った歩美と光彦。光彦はその映像を自身のスマートフォンで撮影、作品について調べようとしたところで見つかりトラブルになる。そこで同乗していた安室透に助けられるのだった。安室も牧場に何か用事がある様子で……。 牧場についたコナンたちだったが、そこは閑散としている。どうやら牧場を潰してゴルフ場の一部にするため、閉場の準備をしていたようだ。牧場主が現れるまで目当てのニワトリを確認しに行くことにしたコナンたち。しかし養鶏場にニワトリはいなかった。壁に大きな穴が開いており、どうやらニワトリたちはそこから逃げ出してしまったようだ。ニワトリを探す前に、トイレ休憩をすることにした面々だったが、その際に歩美の姿が見えなくなってしまう。

第22話
(1054話)
牧場に墜ちた火種(後編)

 コナン、歩美、光彦、元太、灰原、担任の小林澄子先生、副担任の若狭留美先生は、鳩山牧場へ向かうバスの中で安室に会う。バスには何か目的のあるらしい日塚順哉、南武敬、加納昭吾も乗っていた。  牧場での時間を過ごしていたコナンたちの前に、牧場主の弟を名乗る人物・鳩山海輔が現れる。海輔は歩美を人質に取り、コナン、安室、光彦、小林は事務所にあった地下室に閉じ込められてしまう。そこには、牧場主・鳩山義輔の遺体と、風見裕也の姿があった。  コナンは地上に残った灰原たちに連絡を取ることに成功するが、そこへバスに同乗していた三人と海輔がやってくる。果たして、彼らの目的とは?

第23話
(1055話)
幽霊になって復讐を

コナンと小五郎が病院で知り合った会計事務所経営者・勝呂隆行、その妻・勝呂さやか、秘書の巻浦建。隆行は余命半年と診断されていたが、残された時間を精一杯生きようとしている様子だった。しかしその数日後、自宅で殺害されているのが発見される。 その日の朝、さやかと巻浦は、隆行に用事を頼まれ出かけた。夕方になって帰ってみると風呂場で手首を切った隆行の姿があった。状況的には自ら手を切ったのではとも思われたが、さやかと巻浦はもちろん、コナンたちも病気を苦にしてこのようなことをする人物ではなかったという考えだった。そこへ隆行の友人・神田用次がやってくる。彼は昨夜、隆行から連絡を貰い自宅に来るように言われていたそうだ。その電話で隆行は誰かに対して憤りを感じていたことを話しており、神田は何かトラブルがあったのではないかと言う。 事件として捜査が行われる中「勝呂の幽霊が現れた!」という噂が町中に広まりだしていた。さらに容疑者として不動産業者・押川将斗が浮上するが……。

第24話
(1056話)
あの人を取り戻したい

コナンと小五郎は、テレビで交通事故の被害者・仏丸大二郎が消えたというニュースを見かける。散歩中に事故を目撃した女性・森房江が仏丸の運転免許証を持って警察に届けたが、加害者である犬飼始は「仏丸を病院に連れていく」と、そのまま行方をくらませてしまったらしい。そんな中、毛利探偵事務所に一本の電話がかかってくる。それは仏丸の妻・仏丸笑子からのものだった。 自宅に向かったコナンと小五郎を出迎えたのは、笑子と秘書の門倉震矢。二人の依頼は「主人を見つけ出し、無事連れ返してほしい」というものだった。そこへ一本の電話がかかってくる。電話の相手は「仏丸の遺体を一千万で買い取ってほしい」と言う。犯人の要求通り警察に知らせることなく一千万払おうとする二人を見て、コナンは違和感を持つ。

第25話
(1057話)
わるいやつら

コナンは元太、光彦と公園に向かっている途中、二人の女性の悲鳴を聞く。声のした家に向かうと、そこには階段から落ちて倒れている平沢香と平沢聖子の姿があった。後からやってきた平沢良二との会話から二人は彼の嫁と義母で、良二はこの家の婿養子。二人は良二を困らせようとしているだけのようだった。 その後、公園の近くでも良二の苦労している姿を見かけるコナンたち。歩美が言うには、近所でも平沢家については話題になっているようだ。平沢家はかなりのお金持ちであり、良二がやってきた頃は「金目当てでは?」などと言われていたが、現在は召使のように日々扱き使われているらしい。良二を手伝って再び平沢家を訪れることになったコナンたちだったが、入れ違いに外へ出ていった香と聖子がひき逃げにあってしまう。

第26話
(1058話)
警察に居座った男

 喫茶ポアロの前を歩く目暮警部の姿を見かけた小五郎。最近起こった事件をスピード解決したことを祝福するが、どうやら誤認逮捕だったらしい。そこにコナンが合流し、二人は目暮警部から事件について聞くことになる。  ある民家で家主の小田原周平が遺体となって発見された。首には絞められたような、そして頭部には殴られたような痕がそれぞれあり、現場にはロープと鉄パイプ。警察は“犯人が窓ガラスを割って侵入し、鉄パイプで気絶させて絞殺した”と考える。さらに恋人である矢口知子の証言から、彼女の元交際相手・香月陽介が犯人として浮上した。  香月に話を聞きに向かった目暮警部たち。そこで彼は「丁度自首しようと思っていたところだ」と小田原の殺害を認める。それにより事件はスピード解決と思われたが……。

第27話
(1059話)
沖野ヨーコと屋根裏の密室(前編)

毛利探偵事務所に沖野ヨーコがやってくる。その理由は、ある別荘で起こった事件の謎を解いてほしいというものだった。 数日前、ヨーコは日売テレビの塀島湾也プロデューサーと、テレビドラマのロケハンのため軽井沢の別荘に向かった。そこは塀島の姉・馬場宝華が嫁いだ後に失踪してしまった場所だという。到着すると別荘には宝華の夫・馬場貫康、貫康の弟・馬場風悟、その妻の馬場緋美が来ていた。別荘に泊まることにしたヨーコたち。その夜、ドタドタという謎の足音を聞く。不審に思い廊下を確認すると、そこには点々と血痕があった。それを追いかけていったヨーコ。しかし血痕が途切れているだけで何もない。そうこうしているうちに他の人たちも集まってきたのだが、そこで貫康の姿が見えないことがわかる。みんなで探そうとした矢先、貫康から風悟のスマホに“トランプを撮影した奇妙な画像”が届く。画像の意味が解らないまま別荘とその周辺を捜していたが、四日目に屋根裏部屋を調べると背中にボーガンの矢が刺さって亡くなっている貫康の姿があった――。 一通り話を聞いた小五郎は推理を披露しようするが、お腹の調子が悪くなってトイレに籠ってしまう。そこに、いろは寿司の脇田兼則が現れる。小五郎不在の中、コナンと脇田は事件の謎を推理することに!

第28話
(1060話)
沖野ヨーコと屋根裏の密室(後編)

 毛利探偵事務所にやってきた沖野ヨーコが話す、ある別荘で起こった事件。トイレに籠って出てこない小五郎の代わりに、いろは寿司の脇田兼則とコナンは事件について推理することになる。  当時、ヨーコとともに別荘に居た日売テレビの塀島湾也プロデューサーは、事件と関係すると思われる“数年前に失踪した姉・馬場宝華”について詳細を連絡してくる。宝華の夫・馬場貫康、貫康の弟・馬場風悟、その妻・馬場緋美は、彼女とずっと一緒にいた幼馴染。宝華は貫康の妻であり、風悟の初恋の相手で、緋美の大親友だった。  失踪したのは二年前の夏。避暑のためにそれぞれの夫婦で別荘に行き合流するはずだったが、貫康に急用が入り宝華は一人で先に別荘に着くことになっていた。しかし残りの三人が別荘に着いた時に彼女の姿はなく、警察を呼んで捜索してもらったが見つけることができなかったという。今回の事件で殺害されることになった貫康が、その失踪と関係していたとしたらヨーコ以外の全員に動機があることになる。  ヨーコから気になった点を聞きながら推理する中、コナンのスマートフォンにトイレにいるはずの小五郎から連絡が入り……?

第29話
(1061話)
警察学校編 Wild Police Story CASE. 諸伏景光

降谷、萩原、伊達、松田が止めるのを振り切り、諸伏は炎に包まれた家の階段を駆け上っていく――! 話は三時間前にさかのぼる。五人は鬼塚教官に捕まり派手な行動の数々に対して咎めを受け、風呂掃除を命じられていた。その最中、コピー機にある昨夜捜索願が出された女の子の情報を目にする。女の子を町で見かけたことのあった諸伏は、写真を貰っていた。掃除中も当然その話題になったが、諸伏は「子どもの頃に遊んでいた女の子とそっくりだ」というだけで詳しいことははぐらかそうとする。誰かが巻き込まれることに怯える諸伏に、四人は口をそろえて「死なねぇよ!」と声をかける。それに勇気づけられた諸伏は、自身が過去に遭遇した事件について話し始めるのだった。 十五年前、諸伏が父、母と夕飯を食べていた時に何度もインターホンを鳴らす音が聞こえた。どうやら訪問してきた男は父親の知り合いのようで、最初は穏やかに会話する声が聞こえたが徐々に不穏な雰囲気に。様子を見に行き、戻ってきた母は諸伏に「押し入れに隠れるように」と伝える。その押し入れから諸伏が感じたのは、鉄の匂いと犯人の奇妙な言葉、肩に入ったゴブレットの様な刺青――。

第30話
(1062話)
雨と悪意のスパイラル

川原で放置された車を発見したコナン、灰原、歩美、光彦、元太。非常識だと文句を言っていたものの夕方から雨が降るという予報だったため、五人は急いで遊びに向かうことにする。 サッカーを始めたコナンたちだったが、元太が近くのベンチにいた女性にぶつかりそうになってしまう。彼女はデザイン会社代表の恩田たまき。そわそわした様子でボイスレコーダーに声を吹き込んでいたが、元太と話をしたことをきっかけに華麗なリフティングを見せてくれる。大学時代にやっていたというサッカーで、すっかり仲良くなったのだがそこへ天気予報通り雷の音が聞こえてくる。誰かを待っている様子のたまきを残し、コナンたちはそれぞれ自宅に帰ることになった。 翌日、コナンは“川原に放置されていた車の中からたまきの遺体が見つかった”というニュースを観る。急いで川原に向かうと、そこにはすでに四人の姿があった。コナンたちは廃車の近くに高木刑事、千葉刑事の姿を見つけ、昨日の事を話しに行く。土砂降りだったため、事件当時の目撃者はいない。そんな中、野次馬の中で思いつめた顔をしている小藪竜次が気になったコナン。彼の勤め先である配送会社に向かうと、上司に掴みかかる小藪の姿があった。止めに入った高木刑事たちの話によると、小藪は前科があり、たまきの眼鏡には彼の指紋が残っていたという。さらに、たまきが握りしめていたピアスから、彼女の部下である城崎ゆり菜も浮上する。しかし、二人とも死亡推定時刻にアリバイがあるようで……。

第31話
(1063話)
狙われたひよこ鑑定士

草野鶏卵工場にやってきたコナン、蘭、小五郎。初生雛鑑別師、通称ひよこ鑑定士の全国チャンピオンである難波仁志は「この数週間おかしなことが続いている」と小五郎に相談してきたのだ。内容は、歩いていたらゴムまりのような砲丸が飛んでくる、居眠りしていたら遠くから虫眼鏡で手を焦がされる、スマートフォンが爆発するなどといった奇妙なものばかり。狙われる心当たりもないということで、小五郎は原因の究明と難波のボディーガードをすることになったのだった。 工場の人たちに話を聞きに行くと、社長の草野三郎は「実績も人柄も最高で、誰かに狙われるなんて考えられない」と語るが、同僚の初生雛鑑別師・中村隆司は「外面はいいが……」と含みを持たせた返答をする。経理の平沢真美子に紹介され、雑誌記者の北沢一正に話を聞くことになり、そこで業界のレジェンド・岡部雄二の話題が出てくる。岡部の華々しい記録と比べると難波は「腕が悪いわけではないが、最盛期の岡部に比べると足元にも及ばない」という評価らしい。 午後からの講演にボディーガードのためついていったコナン、蘭、小五郎は、そこで難波が実際に狙われた現場を目撃して……。

第32話
(1064話)
夢見る貴婦人、最後の恋

最新デートスポットにやってきたコナン、蘭、園子。不安げな表情でベンチに座る老婆・鴨川ハルを発見し、迷子になってしまったのではないかと声をかけようとする。そこにやってきた一人の男性。見た目からハルの息子だと思ったコナンたちだったが、彼・風間丈治は恋人だという。ハルがかなりの資産家だと見た園子は、息子ほど年齢の離れた風間が金目当てで近づいた可能性を考え助言しようとするが軽くあしらわれてしまう。ムキになった園子が「どーせ『難病の娘の為』とか言われて、大金ふんだくられるに決まってる」と言うと、風間は悲しげな表情に……。 話の流れで紹介されたのは娘・風間ユキだった。百万人に一人の心臓の難病だという彼女は、父である風間の今後を案じている様子。ハルは二人を幸せにすることを誓い、蘭と園子は感動に包まれる。治療費を渡すため車で去っていくハルと風間。それを見送りハッピーエンドかと思われたが、コナンには何か引っかかることがあり……。

第33話
(1065話)
探偵は眠らない

コナンと小五郎がいる毛利探偵事務所にやってきた女性・西脇香恵。彼女は「仕事に行っている間、部屋に誰かが忍び込んでいる」と小五郎に助けを求めに来たのだ。ひと月ほど前から現れた侵入者は、空き巣ではなく部屋に贈り物を残していくらしい。奇妙な話であるため、警察には信じてもらえないと考え小五郎の事務所にやってきたということだった。 香恵の住むマンションにやってきたコナンと小五郎は、玄関にリボンのついたトランクを発見。侵入者からの新たなプレゼントだと考え、小五郎が開けてみると中には頭から出血してる日下部竜子の遺体が詰められていた……。 香恵の直属の上司である竜子は厳しいところがあり、香恵は苦手意識をもっていた。そんな竜子の遺体をプレゼントすることで侵入者が「愛しいアナタのため恨めしい相手を始末してあげました」と伝えようとしたのだと推理する小五郎。目暮警部たちの捜索で香恵の部屋から盗聴器が見つかり、ここから情報を得ていたことが分かる。部屋に侵入されていたのはいつも木曜日だったため、務めている場所が木曜定休である可能性。さらに、昨日の深夜大きなトランクを駐車場から運んでくる人影が目撃されていた。しかし、部屋にトランクが運び込まれたのは夜中ではない。それまでいったいどこに隠されていたのか? そこで、マンションの住人・九十九久の名前が浮上し……。

第34話
(1066話)
死が二人を分かつまで

コナンと小五郎は、横山進歩と今村佐代子の結婚式に参列していた。小五郎の行きつけの飲み屋で花婿の父・横山伸晃と知り合い、盛り上がった勢いで結婚式に招待されることになったのだ。会場にはウェディングプランナー・永島ひろ子や牧師・川須アレックス晴敏といったスタッフ、進歩の親友・山田岳人、佐代子の友人たちの姿があった。 結婚式は始まったが、佐代子がチャペルに入ってきたところで突然苦しみだし、そのまま絶命してしまう。佐代子の友人・水口菜穂をはじめ、会場にいた人々は「当然のむくい」「呪われていた」と不穏な言葉を口にする。 佐代子に外傷はなく、死因は毒殺。検出されたのは毒キノコの成分で、少量でも摂取すれば体全身が麻痺しおよそ一時間で死亡すると言われているらしい。そこでコナンたちは佐代子が口にしたものと、それを渡した人物について調べ始める。

第35話
(1067話)
恋する商店街

コナンと小五郎は、裏通りにある寂れた盆土商店街を通りかかる。目に入った八百屋『八百𠮷』で買い物をしようとするが、店主である山崎𠮷伸は元気がない様子だ。そこへやってきた“疲れきった商店街を元気にするプロデューサー”マダム・ガガと、その助手・ラビット鈴木。マダムは「商店街の元気を復活させるために、プロレス大会を開催しましょう!」と呼びかける。商店街の店主たちは様々なトレーニングで体を鍛え上げていき、小五郎もレフリーとして参加することになった。 マダムとラビットの指揮により、プロレス大会の準備も着々と行われる。その様子を蘭と見に来ていたコナンは、あることが気にかかる。


シーズン28

第01話
(1068話)
円谷光彦の探偵ノート

 テイクアウト専門のピザ屋『マキシマズピッツァ』にやってきた、コナン、灰原、歩美、元太、光彦。ピザ生地の目方当てキャンペーンに参加し、元太の活躍でピザを一枚ゲットする。五等分したピザを特製ボックスに入れてもらい、それぞれ帰路についたコナンたち。その途中で、全員が何者かにピザを盗まれてしまう!  再び集まったコナンたちは、ボロボロになったピザの箱を抱えていた。中身は無事だったが、特製ボックスは傷が付いた状態で少し離れた場所に放置されていたのだ。コナンと光彦は、傷の付き方から犯人の狙いが箱だと気が付く。再びピザ屋に向かっていると、店の前に停まったパトカー、高木刑事と千葉刑事の姿を見かける。どうやら近くの宝石店に強盗が入り、聞きこみしているらしい。ピザ屋には特に関係がないように思われたが、逃走経路や盗まれた物からコナンたちは犯人の目的にたどり着き……。

第02話
(1069話)
受話器ごしのスウィートボイス

毛利探偵事務所に依頼人・永峰麻也子から連絡が入る。麻也子は事務所にやって来ることになっていたが、どうやら道に迷っているようだ。予定の時間は過ぎていたが、インスタグラムで写真を確認し麻也子が美女であることを知っている小五郎はワクワクとした様子。 麻也子は、一年前に会社の上司だった永峰春彦と結婚。現在は専業主婦をしている。電話の内容を聞いていたコナンは、浮気の噂が絶えない春彦の調査をするものだと思っていた。しかし、今回の依頼は春彦が犯罪に関わっている可能性を調査してほしいというものだという。麻也子は、夜中にスーツケースを運んで来てガレージに隠す春彦の姿を目撃。中を確認しようとしたが鍵がかかって開けることができず、不自然に重かったことから不審に思ったようだ。 改めて電話を受けた小五郎は、こちらに向かっている麻也子から「春彦に尾行されている」と聞かされる。さらに帰宅した蘭に「道に迷っている様子のきれいな女の人が、帽子をかぶった怪しい男に後をつけられていた」と伝えられ、それが麻也子であると確認したコナンと小五郎は彼女が逃げ込んだという場所へ助けに向かうが……。

第03話
(1070話)
サプライズは悲劇のはじまり

阿笠博士の友人がいるマンションに来ていたコナン、歩美、光彦、元太。帰宅する途中、下の階から悲鳴が聞こえてくる。駆け付けたコナンたちが見たのは、返り血を浴びた女性・瀧川麻衣と、頭から血を流し倒れている男性・津田佑助、津田に縋り付いて泣いている戸塚莉子の姿だった。 その後、捜査にやってきた高木刑事と佐藤刑事が事情を聞くことになる。仕事から帰ってきた麻衣は部屋の異変を感じ、空き巣の可能性を考えて護身用に置いていたゴルフクラブを手に取った。電気をつけようとしたが反応せず暗闇の中をそのまま進んでいった麻衣は、佑助がお祝いのために準備していたクラッカーに驚いてゴルフクラブを振り抜いた。それが佑助の頭にあたり殺害してしまったのだ。 三人は仲の良い幼馴染みで、佑助は麻衣の恋人でもあった。佑助と莉子の方はというと、莉子の提案で“麻衣のキャリアアップ祝うサプライズパーティー”を準備していたのだ。防犯カメラの映像などから麻衣と莉子の供述通りであることを確認した警察は、不幸な事故だと考える。しかし、コナンには気になる部分があり……。

第04話
(1071話)
工藤優作の推理ショー(前編)

警視庁から出てきた優作はテレビレポーターに声をかけられる。レポーターの目的はある事件で怪盗キッドの冤罪を晴らしたことへの取材だったため、「警視庁への訪問はその確認のためか」と質問される。しかし、優作が警視庁へ来たのは別の事件についてアドバイスをするためだった。 この一ヶ月の間に連続密室殺人と思われる事件が三件発生していた。しかし被害者は三人とも全くつながりがなく殺害方法も異なっている。そこで「同一犯の犯行なのか?」と、優作が意見を求められたのだ。 犯人は分からないが密室の謎を解き明かしたという優作は、週末に東都テレビで放送される『緊急生放送!連続密室殺人事件完全解明!』で推理を披露すると宣言し、レポーターからの「怪盗キッドへ一言」という質問にもメッセージを残して去っていく。 生放送の当日、優作は昨晩イタリア店で食べた物で食あたりになり寝込んでしまう。有希子に呼び出されたコナンは、優作に変装した有希子に変声機で声をあて推理を披露することになるが……。

第05話
(1072話)
工藤優作の推理ショー(後編)

この一ヶ月の間にアパレルメーカー勤務の盛田敦実、フリーターの桐生泰二、パン屋の菅沢惟次という、一見、共通点のなさそうな三人が密室で発見される連続殺害事件が発生した。警視庁からアドバイスを求められた優作は、東都テレビの『緊急生放送!連続密室殺人事件完全解明!』で推理を披露することになっていた。しかし当日、優作は食あたりで寝込んでしまい、変装して代理を務めるはずだった有希子も倒れてしまう。呼び出されていたコナンが生放送への出演を断るべく工藤邸のドアを開けると、そこに立っていたのは寝ているはずの優作だった。 その正体は怪盗キッドで、優作が冤罪を晴らしてくれた借りを返そうとしているという。怪盗キッドに東都テレビのアナウンサー・夢川彩子ら番組スタッフへの対応をしてもらい、資料を見せながら事件について解説していくコナン。しかし、肝心のトリックと犯人を伝える前にスタッフに呼び出されてしまう。ぶっつけ本番“工藤優作の推理ショー”がスタートする!

第06話
(1073話)
探偵団の引ったくり大追跡

街外れの大通りで、歩美は必死に走っている男を見かける。男は長髪で赤いジャンパーを着、マスクと手袋をしていた。その手には小さめの黒いバッグを抱えており、そのまま大型団地の構内へと駆け込んでいく。さらに同じ方向から高齢の男・久米庄作が「引ったくりだーッ!!」」と叫びながら現れ、長髪の男の後を追いかけていった。久米から「おろした三十万円の入ったバッグを引ったくられた」と聞いた歩美は、コナンたちに連絡を入れる。 コナンたちが団地に到着し話を聞いていると、団地内で遺体が発見される。被害者はB号棟301号室の住人・佐村功一。傍らには赤いジャンパーと小さめの黒いバッグが転がっていた。しかしバッグの中に三十万円はなく、見た目もひったくり犯のように長髪ではない。また片脚をギプスで固めており走れるとは思えなかった。彼の部屋を捜索していたコナンはあるものを発見する。 一方、事件の捜査をしていた目暮警部のもとに「久米の物と思われる財布と三十万円のを持った男の遺体が発見された」と連絡が入る。居酒屋で毒物を飲んで絶命していた男・東金勝美は、佐村とワル仲間だったらしい。ひったくりの際に揉めたことで佐村を殺害、やけになって自ら毒を飲んだのではないかと考えられた。お金を取り戻した久米を見送り、無事に事件は解決と思われたが、コナンには気になることがあり……。

第07話
(1074話)
てっちり対決ミステリーツアー(門司港・小倉編)

過去の遺産相続事件で知り合った大井宏樹弁護士の紹介で、コナン、蘭、小五郎は下関にやって来る。今回の依頼人は創業100年超、老舗ふぐ料亭『泉谷』を営んでいる四代目・泉谷誠と娘の泉谷楓。店が一番忙しく住居に誰もいない時間帯に空き巣が入ったという。金品には目もくれず、空き巣が金庫の中から盗んでいったのは鍋だった。同じ作者の作品ならどれも数百万はくだらない品だが、彼らにとって重要なのは“創業以来の旨味がしみ込んだ鍋肌から出る出汁”。それは同じ材料を使って作ったとしても味の奥深さが一味も二味も異なるそうで、近々『てっちりGP』という全国イベントの決勝戦を控えた泉谷にとって盗まれたことは大きな痛手だった。 大井の調査によって容疑者候補は四人に絞られていた。二年前『泉谷』に窃盗に入り捕まったことのある飲食店勤務・小林康、過去に『泉谷』を買収しようとしたことがある和食レストランチェーン『勘』を経営している藤井真一、門司のレストラン『キングアーサー』のオーナーシェフ・大江原悟、そして鍋の存在を知っている『泉谷』の元従業員・伴啓介。それぞれに話を聞いてみるが、全員にアリバイがある様子。果たして、犯人の正体は……?

第08話
(1075話)
てっちり対決ミステリーツアー(下関編)

コナン、蘭、小五郎は、大井宏樹弁護士の紹介で下関の老舗ふぐ料亭『泉谷』を訪れる。四代目・泉谷誠と娘の泉谷楓に「空き巣に盗まれた家宝の鍋を取り戻してほしい」と依頼され捜査を続けていく中、夜の街でコナンたちをつける怪しい人物と接触。小五郎が一人になったところを「これ以上事件に首を突っ込むな」と襲撃されてしまう。捜査で話を聞いた容疑者候補、飲食店勤務・小林康、和食レストランチェーン『勘』の経営者・藤井真一、門司のレストラン『キングアーサー』のオーナーシェフ・大江原悟、『泉谷』の元従業員・伴啓介。この四人の中に、犯人がいるのか? コナンたちは、それぞれの店へ再び話を聞きに行き、自慢の料理を口にする。そんな中、大井から「アリバイを崩された小林が逃走を図ろうとしている」と連絡が入り……。

第09話
(1076話)
カリスマ社長の極秘計画

コナンと小五郎は、米花町の繁華街で男性の遺体を発見する。被害者は菰田明。パイプで頭部を一撃されて死亡したようだ。遺体の右手には血の痕があり、路面にはダイイング・メッセージが残されていた。菰田の住んでいたマンションを訪れたコナンたちは、管理人の大竹実から「働いている様子もないよく分からない人だったが、明日にでも溜まってる家賃を払うと言っていた」という話を聞く。さらに当日、大竹が読んでいた週刊誌に反応していたことから歌川総業社長・歌川塔介が浮上。彼をゆすろうとしていたことで事件に巻き込まれた可能性が出てきた。コナンたちは話を聞きに行くが、歌川ははぐらかそうとする。そこでコナンは、現場の野次馬の中で「昨日の朝うちのアパートを訪ねてきた」と言っていた泉巴のことを思い出す。巴が言うには、菰田はアパートに住んでいた印南銃一という人物に用があったようで……。

第10話
(1077話)
黒ずくめの謀略(狩り)

ここ数日、身元不明の外国人の遺体が二人ずつ発見される事件が起こっていた。下校中、その事件について話をしていたコナン、元太、光彦、歩美、灰原はビルの屋上から外国人が落下する現場に遭遇。コナンはそのビルの屋上にウォッカを見つけ、灰原に三人を連れてこの場を離れるよう指示する。コナンは落下死した外国人からFBIのIDと暗号メールを表示したスマホを発見。そのまま工藤邸へ向かうことにする。工藤邸に着くと赤井だけではなく、日本に滞在している他のFBI捜査官も集まっていた。数日前から見つかっている身元不明の外国人の遺体はFBI捜査官たちで、何故か次々と黒ずくめの組織の手にかかっているという。FBIが使用している暗号の解読方法と滞在中のホテルについて、殺害された捜査官が漏らした可能性があり危険なため、工藤邸に避難してきていたのだ。コナンは落下死したFBI捜査官の持っていた暗号メールを解読。FBI捜査官たちが漏らしたのではなく、黒ずくめの組織も暗号メールを自力で解読したのだと推理する。FBIはそれを逆手にとり、黒ずくめの組織を罠にかけるため作戦を立てるが……。

第11話
(1078話)
黒ずくめの謀略(上陸)

ここ数日の間に発生していた外国人の殺害事件は、FBI捜査官たちを狙った黒ずくめの組織の犯行だった。黒ずくめの組織がFBIの暗号メールを解読して襲っていると推理したコナンとFBIは、それを逆手にとって罠にかけることにする。先行して待ち合わせ場所に行く二人は、キャメルと殺されたトニーの弟・マークに決まった。しかし、キャメルは黒ずくめの組織から死亡したと思われている。赤井はそれについて忠告し、二人を送り出すことになった。しかし暗号で指定した待ち合わせ場所の駐車場には誰も来ず、見張ってる外部班の捜査員たちが次々に襲われ始める。車で逃げるキャメルたち。その後を追跡してくるキャンティの車をまき銃撃で負傷したマークを逃がすことに成功したが、ジンの車に見つかってしまう。激しいカーチェイスの末、海ボタルのトンネル近くでキャメルは車ごと海に落下。コナンたちの指示でなんとか沈んでいく車から脱出し、海猿島へ上陸することができた。キャメル救出のため現地に向かうコナンと赤井。一方、追跡していた黒ずくめの組織のコルンは、車に乗っていた人物の顔を見たことあると言い出す。ジンたちは海に落ちた人物の顔を確認するために捜索を開始。車から脱出し海猿島にたどり着いたことを確信する……。

第12話
(1079話)
黒ずくめの謀略(正体)

罠にかけるはずだった黒ずくめの組織に追い詰められ、車ごと海に落下したキャメル。無事に脱出して海猿島へたどり着き、キャンプ場で暖を取っていた。しかし、その火を発見され居場所がバレてしまう。キャメルを殺害して顔を見ようと上陸してきた黒ずくめの組織。彼らをまくため、キャメルは赤井の指示で島内のカフェからコーヒー豆の麻袋やストローを調達する。しかし、そこでウォッカとキャンティに鉢合わせしてしまった。何とか逃げ切り土の中へ潜むことに成功したキャメルは、そのまま時間を稼いで海猿島のスタッフが来る夜明けまで待機することになる。隠れたことが分かったところですべての地面を調べるのにはかなり時間がかかる。二時間程度であれば持ちこたえられると考え安心するFBI捜査官たちだったが、それを聞いていた優作はあることを考えていた。「もしも私が彼らなら……」 一方、海猿島が一望できるなみかぜ公園に到着したコナンと赤井の目にある光景が飛び込んでくる……。頭の切れる姿の見えない敵・ラムが率いる黒ずくめの組織と、作戦のため“死亡している”はずのキャメル生存を認識させてはいけないFBI。二組の攻防の決着は!?

第13話
(1080話)
灰原を狙うカメラ

米花デパートで始まった冬の大バーゲン。会場では福引も行われており、一等賞の『八丈島ホエールウォッチングツアー』を狙っている歩美、元太、光彦に、コナンと灰原は誘われていた。二人は行かないつもりだったが、興味津々の阿笠博士に促されてデパートに向かうことになる。博士から「ついでにキャッシュカードでいつものように現金をおろしてほしい」と頼まれた灰原は、歩美、元太、光彦と合流した後『東都銀行』のATM支店に向かう。しかし直前に利用していた小五郎のキャッシュカードが機械に飲みこまれ返ってこないという状況に鉢合わせる。別のATM支店に移動しようとしていたコナンたちの目の前で、黒背広の男が現金を引き出すのを目撃。男が持っていたのは、灰原が使っているものと違う『黒ずくめカード』だった。その様子を不思議に思い、眺めていたコナンと灰原。そんな二人に気が付いた黒背広の男は、灰原を見つめ驚いた表情を浮かべる。直前に話していた国際ハッカーと関係があると考えた歩美、元太、光彦は黒背広の男を追いかけ始めてしまう。一方のコナンは、灰原の顔や名前に反応していたことから、黒ずくめ組織に関係するかもしれないと考える。しかし先に追いかけていた三人は、逃げ場のないはずの場所で黒背広の男を見失っていた。この地域一帯のATMが使えなくなっていることを知った灰原は帰宅しようとするが、その途中、黒背広の男に顔写真を撮られてしまい……!?

第14話
(1081話)
愛犬パン君はおりこうさん

公園で遊んでいたコナン、元太、光彦、歩美、灰原は、激しい犬の鳴き声と女性の悲鳴を聞く。現場に向かうと、主婦の山田幸子と愛犬のパンが目出し帽の男に襲われていた。飼い主を助けるかと思いきやどさくさに紛れて逃げだすパン。コナンたちが助けに入ったことで、幸子はケガもなく難を逃れることができた。襲われた理由に見当がつかないという幸子は戻って来たパンとともに帰宅するが、コナンたちは男の目的が気になり調査を始める。幸子の自宅を発見し、パンの様子やそれを紹介するSNSなどを確認していたところ、再びパンの激しい鳴き声と幸子の悲鳴が聞こえてくる。今度は山田家に二人の男が押し入っていたのだ! 助けに入ったコナンたちはそのうちの一人を確保する。 その後、高木刑事と千葉刑事がやって来たことで、犯人の名前が高橋元であり一昨日発生した宝石店強盗事件の犯人と似ていることなどが分かる。捕まった高橋は何も話そうとしなかったが、警備も付いたことでもう一人は無謀な行動に出ないだろうと思われた。パン自体を狙った犯行とも思えず、宝石店で盗まれたものは犬であるパンが誤飲してしまうようなものはない。推理していたコナンたちの目の前で、パンは何かに誘われるように家から飛び出して行ってしまう。

第15話
(1082話)
哀しみの裏切り横丁

三軒長屋が並ぶ横丁・米花美食街。そこにある「イタリアンバル RESO」へやってきたコナンと小五郎は、店主の山浦隆と話しながら楽しい食事の時間を過ごしていた。そんな中、突然鳴り始めた異音とともに店の壁が破壊されてしまう。 その犯人はショベルカーを手配した横丁のオーナー・楠見広之だった。立ち退きを了承しない店への嫌がらせで、騒動を聞きつけてやってきた寿司「さくら家」の店主・中野史緒と創作居酒屋「七十七」の店主・米沢友二の様子によると、その心労で亡くなった店主もいるようだ。小五郎の加勢もあってなんとか楠見を追い払うことができ、その後も店にいたコナンと小五郎。しばらくしてトイレに立った小五郎は、そこで楠見の遺体を発見する。頭に傷があったことから滑りやすいタイルで転び頭を打ったのではないかと思われた。しかし、遺体が発見されたトイレは機械にメダルを入れドアが閉まると自動で鍵がかかり、中に人がいる場合はメダルが入らないようになっているというもの。小五郎がトイレの中に入ることができたのは、遺体を残して“誰か”が出ていったからだ。それに気が付いたコナンは、横丁で捜査を開始する。

第16話
(1083話)
Jリーグ決戦の舞台裏

国立競技場で行われている「Jリーグ30周年記念マッチ」川崎フロンターレ対FC東京の試合。特別イベントとして選手と抽選で選ばれた子どもたちの混合スペシャルフレンドリーマッチが行われることになっており、参加したコナン、灰原、歩美、光彦、元太は楽しい時間を過ごした。客席に戻ったコナンたちだが、何故か灰原は不機嫌だ。実はビッグ大阪が参加する試合で憧れの比護選手と手を繋いで入場するのが灰原の目的だったのだが、試合が行われたのは昨日。試合日を間違ってしまった上に、ビッグ大阪は真田選手が決定的な場面でチャンスを逃してしまうなどの要因で負けていた。灰原が不満を爆発させていると、隣から謝罪が聞こえてくる。その声の主は変装した真田選手だった。敵情視察に来たという真田選手とともに盛り上がる試合を観戦していたコナン達だったが、灰原が客席の異変に気が付く。川崎フロンターレ側のサポーターがほとんど居ないのだ。SNSでは、正式なルートで購入したはずのチケットが無効になって中に入ることができないサポーターの様子が投稿されていた。さらに、コナンは客席で試合を観ているとは思えない動きをする男を発見。高木刑事に連絡を取り、男について調べてもらうことにする。締め出されたサポーターに謎の人物。試合と事件の行方は!?

第17話
(1084話)
冷え切った男達

コナン、蘭、小五郎は米花中央病院で揉める男性たちに出会う。彼らは『会澤フーズ』社長・会澤謙蔵の息子で、長男・会澤涼一、次男・会澤玲二、そして間に入っていたのが専務の板東勝だった。謙蔵は処置室に入っており、それが言い争いの原因らしい。小五郎の素性を知った三人は“商品を保管する冷蔵倉庫で謙蔵が倒れていた状況”を伝えようとするが、その際に処置が終了。目を覚ました謙蔵本人に話を聞くと「疲れていて点検中に居眠りしてしまった」という。助かったにもかかわらず、辛辣な言葉を謙蔵にかける涼一と玲二。謙蔵は怒鳴りかけるが、黙って俯いてしまう。「疲れているので出て行ってほしい」と言う謙蔵に、不自然さを感じたコナンは声をかける。謙蔵の手には、誰かに閉じ込められて必死にドアを叩いているときにできるような傷があったのだ。それでも頑なに居眠りをしたと言い張る謙蔵。そんな中、小五郎は涼一に頼まれ現場の冷蔵倉庫に行くことになる。扉には鎖と南京錠があり、当時カギが掛かっていたらしい。「元社員の可能性もある」というコナンの言葉を強く否定する謙蔵の様子は、犯人が誰か分かっているかのようで……。

第18話
(1085話)
不吉な縁結び(前編)

コナンと蘭は、久し振りに東京へやって来た和葉とともに杯戸神社へ参拝に向かう。縁結びにご利益があるという神社は特別な“115縁”の日ということもあって、この日限定のお守りや御朱印を求める人たちで溢れていた。近くにあるのに杯戸神社が縁結びにご利益のある人気スポットだと知らなかった蘭は、和葉にどうやってここを知ったのか質問する。情報源は平次で、たまたま調べているのを見かけて気になったという。その話と最近の言動から平次がここに来ていると確信したコナンは、怪しい狐面の男を発見し追いかけることにする。一方、参拝客の人ごみに単語帳のようなものをめくる男性を見つけた和葉。縁結びの神社では少々目立っており、受験生にしてはかなり年上に見えたことで不自然に感じたようだ。年齢を重ねてから大学を目指している受験生で“学校との縁”を求めてやってきたのではないかという話になるが、その後「さすが縁結びの神社、ここだけで3人もかよ」と謎の言葉を呟き、列を離れて行ってしまったという。コナンと狐面の男、蘭と和葉が合流しその話をしていたところ境内に悲鳴が響き渡り……。

第19話
(1086話)
不吉な縁結び(後編)

久し振りに東京へやって来た和葉に誘われ、杯戸神社へ参拝に行くことになったコナンと蘭。そして境内で出会った狐面の男こと平次。四人はそこで発生した殺害事件に遭遇する。被害者は警視庁見当たり捜査班の氷高創志刑事で、彼が見ていた単語帳のようなものには指名手配された犯人の顔写真があった。氷高刑事が境内で見つけた指名手配犯を追っていたと考えたコナンたちは、高木刑事に連絡を取り参拝客の中から三人の容疑者を発見する。万引きの常習犯の社本鶴美、無免許でひき逃げをした川野寅彦、結婚詐欺師の神内恭麻。駐輪場の街灯に手錠と自転車の防犯用のワイヤーでつながれていた社本、神社の入口でケンカしていた川野、紛失してしまった財布を探していた神内と、それぞれの理由で境内に残っていた彼らは氷高刑事を認識していたようだ。事件に関係があると思われるノボリの棒はなかなか見つからず、もう一人指名手配犯がいた可能性も出てくるが……。

第20話
(1087話)
歩美の絵日記事件簿3

買い物に出かけたコナンたち少年探偵団。歩いていると、雑居ビルの方から悲鳴が聞こえてくる。駆け付けたコナンたちの目に入ったのは、二階にある『日焼けサロン黒沢』だった。中にはサロン従業員・角田康夫がおり「奥から三番目の部屋に遺体がある」という。暗い廊下を進むとタンニングマシンの中で絶命している西谷信の姿があった。彼はボディビルダーで、身体は綺麗に日焼けするために塗るタンニングジェルに覆われていた。到着した高木刑事と千葉刑事の調べによると、そのジェルに毒物が仕込まれていたらしい。西谷が死亡したとき店に居たのは、遺体を発見した角田、関東ボディビル学生選手権の三年連続チャンピオン・小沢勝、西谷と同じ大学の先輩で小沢のライバルと言われている永野剛士だった。人当たりが良く、ボディビルダーとしての成績なども含めて特に目立つようなこともなかった様子の西谷。そんな中「最近大きな買い物をした」と話していたということがわかる。金銭トラブルなども含めて捜査が始まり、高木刑事は彼の通っていた米花国際大学のボディビル部を尋ねることにする。犯人はどうやって被害者に毒物の入ったタンニングジェルを使わせることができたのか? そして、被害者が殺害された理由とは……?

第21話
(1088話)
不運で不審な被害者

米花町「度照神社」の近くを通りかかったコナンたち少年探偵団は、悲鳴を聞き駆け付ける。そこには、頭部を強打し石段下でグッタリしている岡本寿飛太の姿があった。目撃者の女性によると強盗に襲われて蹴落とされたという。米花中央病院で治療が始まった寿飛太は、どうやら命に別状はないようだ。付き添っていたコナンたちの元にやって来たのは新進作詞家で姉の岡本寿里亜と、彼女の師匠・斉門高太郎。寿里亜の話によると寿飛太は強盗被害にあう直前、米花町ではなく「和井葉町に来ている」という話を電話でしていたらしい。寿里亜と斉門は米花町を毛嫌いしている様子で口々に「どうしてこんな町に……」と言い、困惑した様子だ。その理由は、二人にとって因縁のある人物・狩場ユズルが住んでいるためだった。超売れっ子作詞家である狩場は斉門の弟子だったが、「性根が腐っている」という理由で破門となった。しかしその後ヒットメーカーとなり、日本作詞家連盟の理事長の座に付いたことで一転、斉門を誹謗するようになったのだ。狩場は盗作などをしており、その影響を受けた連盟員たちが真似するようになってしまったことで斉門の怒りを買っていた。そんな様子を見ていた寿里亜は、狩場が米花町に住み始めたことを知って恋人の水谷漣に「引っ越しをしたい」と提案する。ところが「誰が住んでようと関係ない」と取り合わない水谷と揉めてしまい、婚約まで行きながらケンカ別れという結果になっていたのだ。その一方で、米花町に因縁のない寿飛太。コナンたちは、寿飛太が嘘を付いてまで米花町を訪れた理由を捜査し始める。

第22話
(1089話)
天才レストラン

新装開店した駄菓子屋にやってきたコナンたち少年探偵団。チンドン屋が演奏しており、お祝いなのか駄菓子のスモモが配られる。初めての駄菓子に夢中になる歩美、光彦、元太だったが、コナンは特に興味がなさそうだ。そんなコナンに対して「大人ぶって思い上ってる!」と怒り出す元太。二人はケンカになってしまい、コナンは一人で帰ることにする。その道中、路地から飛び出してきた老紳士が「オムライスの死体を見た!」と、コナンに助けを求めてくる。ケンカの後ということもあり「疲れそうだ」と慌てて逃げ出したコナンだったが、捕まって連れてこられたのはレストラン『聚楽大』。過去に蘭と来た時には楽しそうな雰囲気で、天才料理人が作る世界一の『特製お子様ランチ』が評判のお店だったことを思い出す。しかし現在は蜘蛛の巣が張り、すっかり朽ち果てていた。老紳士が見てしまったという“オムライスの死体”は消えており、レストランの扉にはコナンの写真が貼られている。謎が深まる中、コナンはレストランに来た時の事を思い返し始める……。

第23話
(1090話)
眠れる街に消えた犯人

依頼が終わり人気のない路上を歩いていたコナン、蘭、小五郎は、鋭い警笛の音と叫び声を耳にする。そこでコナンたちが発見したのは、腹をナイフで刺された警備員・根津吾郎だった。息があることを確認し救急車を呼んでいたところ、根津が落ちてきたと思われる階段からヒールの足音がする。結城景子が泣き叫んでおり、そこには夫でIT企業社長の結城秀人が倒れていた。そんな中、根津は大通りを指さしながら「白い服」と言い残し絶命してしまう。コナンは大通りに犯人を追いかけていくが、そこには声を聞いてやってきたのか「黒い服」の青年・一ノ瀬薫がいるだけだった。第一発見者である景子の証言では――近くにある会社の三階会議室で結城と打ち合わせをした後、自分だけ残って仕事をしていたところ警笛が聞こえてきた。気になって会社の窓から見下ろすと、倒れている結城と懸命に心臓マッサージしている根津の姿が。その後、犯人を追うように走り出した根津が転落する音と叫び声が聞こえてきた――という状況だったらしい。その証言が正しいとすると、姿の見えない犯人は結城を殺害した後、再び現場に戻ってきたことになる。事件発生時、離れた場所に居たが「白い服」を着ている景子。仕事が休みにも関わらず会社の近くにおり、根津が指さした方向にいた社員・一ノ瀬。それぞれ言動に不審な点があるものの証拠は出ず、姿の見えない犯人X説も浮上してきて……。

第24話
(1091話)
1091

コナンが阿笠博士と海外ドラマの鑑賞会をしている頃、米花デパートにやってきた蘭と園子。買い物を満喫していると、デパートの屋上で灰原と歩美に出会う。「歩美がピアノの発表会で着る服を選びに来た」という話をしていると、通りかかった佐藤刑事を発見。思わぬ形で、五人は女子会をすることになった。そんな中、デパート内に居た不審な人物についての話題になる。蘭と園子が三階の洋服を見ていた時“独り言を呟きながら天井を見ている男性”に遭遇したのだ。空調のチェックだったのか万引きGメンだったのか……服を見ずにずっと周囲を見渡しており、普通の客ではないようだった。さらに灰原と歩美は、六階のアートギャラリーで“絵ではなく壁をじっと見つめている男性”に出会っていた。屋上にいた“風向きを確認しているような男性”、只野フルーツパーラー付近に現れた“空の乳母車を押す男性”と次々に出てくる不審な人物。デパート内では来月から始まる『ハリー・ムルザバエフ デザインダイヤモンドコレクション特別催事』の準備も行われている。五人は、男性たちの行動を繋ぎ合わせ「デパートを襲おうとしている」という結論を出す。デパートの防犯係・高橋和夫と連絡を取り、防犯カメラを確認した五人は、特別催事の警備は万全だということを知る。防災センターから出てきたところで、不審な男たちが集まって車で移動しているのを発見。しかし何も起こっていない以上、どんなに怪しくても捕まえることはできない。その様子を見ていた歩美は、あることを提案する。

第25話
(1092話)
張り込み2

高木刑事と千葉刑事は、空き店舗で身を潜め張り込みをしていた。そこへ突然やって来たコナンたち少年探偵団。「帰って貰うには、出番はないと分らせるしかない」と考えた高木刑事と千葉刑事は、見張っている人物とそれに関連する事件について話し始める。 今朝発生した強盗傷害事件。幸い犯人は無職の男性・藤木一馬だとすぐに判明した。しかし藤木は自宅に帰ってこず、行方が分からなくなっていたところで元恋人・与田理美の名前が浮上した。どうやらヨリを戻そうとしていたらしく、追われる身となれば藤木が理美を頼る可能性は高い。理美に経緯を説明したところ「ここに現れたら連絡する」と協力を承諾してもらえたが、元恋人ということで情がわいて匿ってしまう可能性もある。そこで高木刑事と千葉刑事が来るかもわからない藤木を待つため、張り込みをすることになったのだ。 犯人も分かっており、謎解きも一切ない。高木刑事と千葉刑事は少年探偵団を帰らせようとするが、コナンは気になることがある様子。しばらくして電話を受けた理美が出かける準備を始め……。

第26話
(1093話)
宮野明美のタイムカプセル(前編)

コナン、灰原、歩美、元太、光彦は飼育小屋にいるウサギの世話をするために、日曜日の帝丹小学校を訪れる。一緒に居た小林先生と若狭先生が職員室に戻ったところで、入れ違いに現れた男性。彼は灰原を見て「宮野明美の妹・宮野志保ではないか?」と声をかけてくる。自分の正体がバレたのではと怯える灰原だったが、彼は帝丹小学校の卒業生・村田匠だった。そこに元クラスメイトの柳町岳、市橋聖子も現れ“明美が帝丹小学校の卒業生”だと知ったコナンたち。過去、明美に見せられた妹の写真とそっくりだったため、村田は思わず灰原に声をかけてしまったのだ。 彼らは卒業式の前日に埋めたタイムカプセルを掘る予定だったが、埋めた場所を知っているのは明美だけ。明美の遺体は身元不明となっていたため、誰も彼女の死を知らないのだ。明美が現れないことに焦り始める三人だったが、タイムカプセルの場所を書いた手紙は当時の担任である国上が預かっていた。 しかし、その手紙の内容は暗号になっており「モネ見せられる」「飛行機襲え」「絵描き行くな」「医者ウソこくな」「89のお守り焼くな」が箇条書きで書かれ、「図書委員 宮野明美」とサインがあった。コナンは、暗号を見ただけで顔色を変えた三人の様子が気にかかる。話の流れで“なかなか会えない妹へのメッセージも入っている”と知ったコナンは、一緒に探すことを提案。彼らより先に見つけて、灰原のために明美の手紙を入手することを決める。

第27話
(1094話)
宮野明美のタイムカプセル(後編)

飼育小屋でウサギの世話をしていたコナン、灰原、歩美、元太、光彦は、帝丹小学校の卒業生である村田匠、柳町岳、市橋聖子に出会う。校内で同窓会の準備が進む中、彼らには“タイムカプセルを掘る”という役割があった。埋めた場所を唯一知っているのは、クラスメイトだった宮野明美。しかし彼女はすでにこの世におらず、姿を現すことはない。明美が残していた手紙に暗号が書かれていたことから、コナンたちも協力してタイムカプセルの場所を指すヒントを見つけていくことになった。 グループを分けて一通り学校を探すが、何も見当たらない。「他の卒業生たちにも助けを求めよう」という提案が出るが、「もう少し自分達で探したい」と言う村田、柳町、聖子。その後、再び校内で捜索を始めたコナンたちは、最初の暗号の『モネ見せられる』から校長室で『よ』という文字を見つける。喜ぶ村田たちだったが、一度探したはずの場所に文字が現れるなど不自然な点が多い。コナンは何者かが偽の文字を準備し、タイムカプセル探しを妨害していると考える。 コナンは灰原のために、明美が残した手紙を手に入れることができるのか……?

第28話
(1095話)
消えた男の夢

毛利探偵事務所に「夫の中島敬史が失踪した」という中島貴子がやってくる。三日前から連絡が取れなくなっており、警察にも相手にしてもらえない様子。貴子からパソコンなど私物の入った箱を受け取ったコナンと小五郎は、中身を調べ始める。そこには名刺、写真、貴子の書いたメモといった物が入っていた。写真立てに入った写真は、新婚旅行のもの、同じ会社の西村真や船長の山内勲とダイビングをしているもの、実家の前で弟の中島隆と写っているもの。パソコンの中を見てもほとんどメールのやり取りがなく、インターネットの履歴におかしなものはない。クルーザーや高級時計、車や別荘のページが残っていたが、それも見る分には問題ないはずだ。物からの情報はあまり得られなかったため、中島の会社に行くことにするコナンと小五郎。しかし、会社の受付で聞いてみても「経理部に中島という人間は所属していない」と言われてしまう。それではと、友人だった西村を見つけてに話を聞いてみたところ「中島は半年前に辞めた」という答えが返ってくる。それもいきなりのことだったらしく、彼のいくあてにも心当たりがないようだ。諦めて会社を後にしようとした時、受付の女性・葛西純子が二人を追いかけてくる。彼女が言うには中島が辞める直前、上司に「こんな会社、今すぐ辞めてやる!」と啖呵を切っていたということだった。真面目だったはずの中島の奇妙な行動。さらに、コナンには貴子の行動で気になることがあった。

第29話
(1096話)
円谷光彦の探偵ノート2

公園の管理人・君島智志のミニ鳥園を手伝っていたコナン、歩美、元太、光彦、灰原。餌を持ってきてくれる公園利用者も多いようで、鳥たちはとても人に懐いていた。ほとんど手伝いも終わったところで、君島から「落とし物の野球帽の持ち主を探してほしい」と頼まれる。しばらくしてコナンたちがたどり着いたのは、勝見望の家。そこには空き巣警戒地域をパトロールする警察官がおり、勝見に注意を呼び掛けていた。コナンたちに気が付いた勝見は「なぜここにたどり着くことができたのか?」と質問する。「聞き込みをした後、野球帽を観察していたところで草野球チームのオーダー品だということに気が付いた。作った会社からチーム名を割り出して、チームメイトに勝見のことを聞いた」と経緯を説明。得意げな光彦は、シャーロック・ホームズの物語『青い紅玉』を参考にしたことを語り始める。空き巣の件についても調査を始めたコナンたちは、聞き込みをするうちに全員が同じところに通っていることに気が付き……。

第30話
(1097話)
私がやりましたか?

毛利探偵事務所に血だらけの服を持った男・酒匂学がやってくる。酒匂は昨日、仕事で大失敗、恋人にもフラれて一人でヤケ酒を飲みに出かけた。途中で記憶が無くなり、翌朝自宅で目覚めると眼鏡のレンズが割れて、服が血だらけ。自身は頭にコブがある程度だったので、血が他人のものだということは分かった。そこで「何か大変な事をしでかしたんじゃないか」と不安を抱えて、小五郎に助けを求めに来たのだ。手掛かりがないように思われたが、コナンは、服の中から金木犀の花びら、靴底に付いていたコンクリート、爪に挟まっていた血痕付きの金色に輝く繊維片などを見つけていく。さらに、酒匂の手の甲には、特殊なインクで『EDEN』のロゴがスタンプされていた。クラブ『EDEN』を発見したコナンたちが中に入ると、そこにはオーナーの秦レイラがおり、昨夜の酒匂を知っている様子。話を聞いていくうちに不審な点が出てきて……。

第31話
(1098話)
風の女神・萩原千速(前編)

二年待ちの人気フレンチレストラン「デェース・デュ・ヴォン」にやってきた蘭、小五郎、園子。一方、阿笠博士と車でそこに向かっていたコナンは、白バイ隊員に止められていた。博士が慣れない道で迷い、遅れを取り戻そうと焦ったことでスピード違反をしてしまったのだ。その後、無事に合流した五人はレストランに入ることになる。 博士がトイレに立ったところで、コナンたちの元に帽子とマスクで変装した男性が近づいてくる。彼は鈴木セキュリティー社長・南條欽治だった。南條は数日前に金庫を盗まれており「ウチの金庫は私にしか開けられない! 悔しかったら私ごと盗むんだな!」と挑発したことで脅迫を受けていた。家族サービスのために予約して楽しみにしていたレストランだったが、ボディーガードまで付けられて窮屈な思いをしている様子。その後、南條たちはトイレに行くためにその場を離れる。 しばらく待っても、先にトイレに行ったはずの博士が帰ってこないことに気が付いたコナン。トイレに様子を見に行くと、そこには何故か博士の服を着た南條の姿があった。服を交換したと考え博士を探していたコナンは、何者かが南條と間違えて博士を拉致した痕跡を発見。探偵バッジで博士と連絡を取り、犯人の車を発見してスケボーで追いかける。しかしコナンの追跡に気が付いた犯人に車で幅寄せされ、コナンはバランスを崩してしまう。空に跳ね上げられたコナンを助けたのは、レストランに来る道中で違反切符を切った白バイ隊員だった。「神奈川県警交通部第三交通機動隊 小隊長・萩原千速」と名乗った彼女は、コナンの言ったことをすべて受け入れ、犯人の追跡に協力を申し出る。

第32話
(1099話)
風の女神・萩原千速(後編)

人気レストランを訪れたコナン、蘭、小五郎、園子、阿笠博士。博士は、そこに居合わせた背格好の似ている鈴木セキュリティー社長・南條欽治に入れ替わりをお願いされ実行する。しかし南條の誘拐を企てていた強盗殺人犯の知苑大哉と知苑禄江に、間違って攫われてしまった。事件発生に気が付き犯人を追いかけるコナンは、その道中で神奈川県警交通部第三交通機動隊小隊長・萩原千速に助けられる。犯人の追跡に協力してくれるという千速のバイクに乗り黄色い逃走車を追いかけるが、頼みの綱だった探偵バッジが処分されてしまう。博士は盗聴器を持っており、そこから“消防車両の音”“歩行者用信号機のカッコ―の鳴き声”“ウインカーの音”といった音だけを頼りに追跡を続けるコナンたち。逃走先に検問があると気が付き安堵するが、到着したコナンたちに告げられたのは「検問所を黄色い車は通過していない」ということだった。千速たち警察が困惑する中、コナンはある音を聞いたことを思い出す。 一方、レストランに残っていた蘭、小五郎、園子。そこにやってきた横溝重悟警部は、コナンが千速と一緒に行動していると知ると顔色を変える。さらに博士にはタイムリミットが迫っていて……。

第33話
(1100話)
疑惑の2000万円

依頼人であるシステムエンジニア・根本恵理子の自宅を訪れたコナン、小五郎、蘭。恵理子は三ヶ月前に夫の根本豊を交通事故で亡くした。少しずつ遺品整理をしていたところ、押し入れの奥で新聞紙に包まれた二千万円を発見。「犯罪に関わるお金の可能性もある」と考えた恵理子は、小五郎にその出所を明らかにしてほしいと依頼したのだった。 コナンたちが豊について話を聞いていた中で、事故の数日前に「もしも、とんでもない大金を手に入れたら何が欲しいか」という話題が出ていたことを知る。貯金や宝くじの可能性もあったが、大金ということもあり小五郎は最近発生した強盗事件について調べ始める。三ヶ月から半年前までに米花町で起きた強盗事件は六件。そのうち二件は解決済み、一件は被害額が少なかった。絞られた候補は、米花銀行襲撃事件、巨額結婚詐欺事件、宝石店襲撃事件。コナンたちは、それぞれの被害者の元を訪ねることにする。まず向かった米花銀行では、半年前に“英語を話す目出し帽子の三人組”が強盗に入っており……。

第34話
(1101話)
不死身男のプライド

裏通りを歩いていたコナンと小五郎はツクバ総業社長・筑波峻一の遺体を発見する。警察の捜査によると、死亡推定時刻は昨夜の八時から十時の間。ビルの屋上から落ちたことによる頭部損傷が死亡の原因と思われる。さらに筑波の懐には、死神大吉を名乗る者からのメッセージが書かれた紙が入っていた。 ツクバ総業に話を聞きに行くと、メッセージ内の“三度目の正直”という言葉に社員たちは反応する。筑波はここ数日の間に、二度襲われていたのだ。この証言から「犯人がついに襲撃を成功させた」として目暮警部たちは捜査を始めようとするが、そこに筑波の叔母・町側貞子が駆け付ける。貞子が言うには「昨夜電話があり、いつもとは別人のようなボソボソ声で弱音を吐いていた」とのこと。さらに社長秘書の広瀬葵も「筑波が精神科クリニックから出てくるのを見かけた」という電話がかかって来たと話し始める。他殺と自殺、それぞれの情報が出てきたため両面で調べることになった警察。他殺の線を捜査し始めた高木刑事たちに付いていったコナンと小五郎は、あることを知り困惑してしまう。

第35話
(1102話)
赤べこと3人の福男

園子の招待で、新進気鋭のアーティスト・べこべ素子の展覧会にやってきたコナンと蘭。素子は、伝統的な赤べこと現代アートを融合させた前衛的な作品を発表しており、世界でも注目を集めているらしい。三人が展示会場を見て回っていたところ、叫び声が聞こえてくる。駆け付けると、そこには首を絞められて絶命している素子の遺体があった。 遺体の左手には赤べこ、右手の指の先には血のダイイングメッセージ『フク』が残されており、警察の捜査によると凶器はまだ特定できていないという。ダイイングメッセージから『フク』が付く人物が犯人の可能性があると言う園子。しかし展示会場には、第一発見者であり元交際相手のダンサー・福井純也、素子の事務所所長・福元俊晴、学生時代に同じ工房に居たことのある赤べこ職人・福良一という三人の『フク』が居た。それぞれ話を聞くが、三人とも素子と因縁があるようだ。しかし決定的なものはなく、コナンたちは名前の『フク』でない可能性も考え始めるが……。

第36話
(1103話)
青春小説に罪の匂い

 小説家の正村中に「交通事故で亡くなった靖木泰三の身元調査をしてほしい」と依頼を受けた小五郎。靖木の実家付近で調査をしていたところ、実家から出てくる市議会議員・片岡弘樹の姿を見かける。靖木と片岡は中学の同級生だったが、とくに親しかったわけではないという。たまたま訃報を聞いて弔問したところだったらしい。勤めていたコンビニや書店に話を聞きに行くと、靖木は小説を書こうとしていたことが分かる。 数日後、調査報告のために正村の自宅を訪ねた小五郎は、そこで正村が血を流し倒れているのを発見。慌てて近寄ると、傍には「215」「222」「SAME」などという文字が書かれた手帳が落ちていた。それに気をとられていた小五郎は、背後から催涙スプレーとバットで襲われてしまう。  病院で治療を受けることができた小五郎は無事回復。警察の捜査で正村のもとに「雑誌で連載している小説を打ち切らなければ殺害する」といった内容の脅迫状が届いていたことが分かる。小説の内容は二十年前を舞台に“おやじ狩り”をテーマにしたものだった。それまでの作品と雰囲気が違うことから、今回の事件との関係も視野に入れ捜査が始まる。

第37話
(1104話)
真犯人は逃走中

 公園で遊んでいたコナン、歩美、元太、光彦、灰原は、傍にある茂みで男性の遺体を発見する。到着した警察によると、男性は近くのビルで金融業を営んでいる高松次郎。違法な金利でお金を貸していたらしく金銭トラブルの可能性、そして身の回りの金品が無くなっていたことから強盗殺人の可能性などが考えられた。凶器の石に血がべっとりと付着していることから、犯人は相当な返り血を浴びているはずだということになる。死亡推定時刻は午後三時から遺体が発見された午後三時ニ十五分までの間ということだったが、コナンたちは犯人の姿を見ていない。遊んでいた広場と反対側に血の付いた足跡が発見され、犯人の追跡はすぐに終わると思われた。しかし、途中で気が付いた犯人は水で血を洗い流してしまったらしくその後の足取りがつかめない。警察は検問やパトロールを強化して捜査を始めるが、目撃者はなかなか出てこなかった。 現場検証も終わり、公園に手掛かりがないことを確認した警察は撤収を始める。コナンたちも帰ることにするが、公園の出入り口には通るのも大変なほどたくさんの野次馬が居た。「いい道知っている」と言う元太について、フェンスの穴を通り外に出たコナンたちはそこで真新しい血痕を発見し……。

第38話
(1105話)
キッドVS安室 王妃の前髪(クイーンズ・バング)(前編)

鈴木次郎吉の博物館で行われる「ロバノフ王朝の秘宝展」にやってきたコナン、蘭、園子。秘宝展の目玉は、ロバノフ王朝の王妃に受け継がれてきたという世界最大級のガーネットが埋め込まれたティアラ『クイーンズ・バング(王妃の前髪)』。怪盗キッドがティアラを盗むと予告したことで、秘宝展には長蛇の列ができていた。その列の中に喫茶ポアロの安室と梓を見つけ、コナンたちは一緒に並ぶことになる。人が多いため列が進まず手持無沙汰になったところで、梓は「安室は手が空いた時にカードマジックを見せてくれる」と話し出す。園子がトランプを持っていたことでカードマジックを見せてもらうことになるが、そこへ見知らぬ帽子の男が近づいてきた。男はマジックの種を見破り、なぜかコナンを挑発する。コナンは男が怪盗キッドの変装だと気が付いたが、その頃には忽然と姿を消してしまっていた。安室は「あれが怪盗キッドだというのは本当か?」とコナンに聞いたかと思うと、どこかに電話をし始め……。

第39話
(1106話)
キッドVS安室 王妃の前髪(クイーンズ・バング)(後編)

「ロバノフ王朝の秘宝展」の目玉であるティアラ『王妃の前髪(クイーンズ・バング)』が怪盗キッドに盗まれてしまった! 突如白い煙に包まれる展示エリア。煙が引いた頃にはケースの中のティアラも消えていた。変装がとれてしまうため、怪盗キッドが準備されていたガスマスクをしていた可能性は低い。容疑者はマスクをしていない状態でティアラの近くに居た安室、梓、風見に絞られた。コナンは三人に探りを入れることにする。

第39話
(1107話)
ハメられたのは私

不動産会社経営者・真田浩明に依頼され、羅鈍市天狗町の自宅を訪れたコナンと小五郎。しかし真田は「依頼しようと思っていた件はもう結構」とキャンセル料を押し付けてくる。早く帰ってほしいという様子を見て「探偵に居られてはマズイことが起こったのでは?」と小五郎が問い詰めると、真田は「殺害する気などなかった」と話し始める。 三日前、真田が経営する不動産屋に犬丸二朗という男が訪ねてきた。犬丸は身に覚えのない悪行を並べ、真田を強請ってきたのだ。どれも事実無根だが、悪い噂を流されるのは困る。犬丸が去った後にやってきた友人・川勝大吾に相談したところ「連絡があったら教えろ。俺が話をつけてやる」と頼りになることを言ってくれた。犬丸から再び「これから行く」と連絡が来た際、川勝にも伝え待っていた。しかし先に到着した犬丸に掴みかかられたため真田が振り払ったところ、犬丸は倒れたまま動かなくなってしまう。そこへやってきた川勝が安否を確認すると、犬丸がすでに絶命していることが分かった。そこで二人は山に遺体を埋めることにする。川勝の助言でアリバイも作り安心していたところに、湯川さおりが現れた。さおりは犬丸に騙し取られた三千万を取り返そうとしており、犬丸が真田の家に入っていくのを見ていた。「犬丸を出さないのであれば警察に通報する!」と言い出したため、真田は三千万をかわりに支払うことでその場を収めることにする。しかし、犬丸に強請られている件について小五郎に依頼しているのをすっかり忘れていたのだった。 話を聞いていたコナンと小五郎は、タイミングよく事が運びすぎていると考え……。

第40話
(1108話)
カードに伏せられた秘密

古書店に設けられたトレーディングカードゲームのプレイ用テーブルで、対戦を楽しむ光彦と元太。それに付き添ってやってきたコナン、歩美、灰原、阿笠博士。白熱した対決が行われていたが、歩美と灰原は魅力が良く分からないといった様子だ。そこへやってきた新田司と正木直斗。光彦によると二人はトレーディングカードゲームの大会によく出てくるトッププレイヤーで、特に新田は“高価なレアカードを揃えた相手を、安いカードを駆使して倒していくヒーロー” なのだそうだ。さらにそこへ青年実業家の財前大吾と会社員の久野理がやってくる。財前と久野も大会常連だが、財前は“大金で買い漁ったレアカードで相手を蹂躙するラスボス”と呼ばれているらしい。取り出された珍しいレアカードに興味津々だった光彦と元太は財前に怒鳴られてしまうが、それを止めに入ったのは正木だった。怒り心頭の財前に対して、正木は「バラされてもいいのかよ、あのコト」という言葉を投げかける。どうやら久野も関係しているようで、その場は重い空気になる。気を取り直して対戦を始めることになり、財前はいつもの癖でトイレに立つ。財前の貴重なレアカードを見張るよう命令された久野の睨みもあり、「後で盗られたと騒がれないように」とコナンたちは新田と共に少し離れた場所に移動しようとする。そこで突然、店内の棚が倒れ、火災報知器が大音量で鳴り響き始める。店内が大混乱に陥る中、出入口に殺到する客たち。事態はなんとか落ち着いたが、正木の姿が見えなくなっており……。


シーズン29

第01話
(1109話)
高木と伊達と手帳の約束(前編)

入院している阿笠博士のお見舞いにやってきたコナン、歩美、元太、光彦、灰原。その帰り道、高木刑事が強盗犯を追いかけている場面に遭遇する。挟み撃ちのため別ルートから佐藤刑事もやってきて、無事に強盗犯は確保された。逮捕時刻を記入しようと手帳を開いた高木刑事は、そこに一年前に交通事故で亡くなった伊達刑事が書き残した暗号のメモがあることに気が付く。自分なら分かるかもしれないと手帳を見たコナンが導き出した場所は、なんと喫茶ポアロだった。 ポアロに到着し、暗号の内容が「日曜 昼12時 米花町5の6 ポアロの窓際 赤いネクタイ付けてまて」だったと解説するコナン。店内で話を聞いていた安室は、伊達が残した「お前を男にしてやる」は「手柄を挙げさせて一端の刑事にしてやる」という意味だったのではと声をかけてくる。ポアロで怪しい取引をしている人物を捕まえるつもりだったと推理したコナンは、窓際の席を調べてテーブルにテープの跡を発見する。梓に聞いてみると、そこにゲーム機が落ちていたことがあったらしい。さらに日曜日の昼頃に店の前に来る車があり、中で外国人の少年が不自然な動きをしているのを目撃しており……。

第02話
(1110話)
高木と伊達と手帳の約束(後編)

一年前に伊達刑事が書き残した暗号のメモを解き、喫茶ポアロにやってきたコナン、歩美、元太、光彦、灰原、高木刑事、佐藤刑事。ポアロに残された情報から誘拐犯が指定した身代金の受け渡し方法を推理し、フランス自動車メーカー副社長の息子・アランのを救出することに成功する。犯人には逃げられてしまったが、とにかく人質の安全が確保され安堵する一同。しかし拘束されてもいないアランが逃げ出せなかったのは、当時、一緒に居た友人の犬飼佑二も監禁されていたためだった。アランは車から外の景色を見ることができなかったが、出発する時と到着したときに日売ラジオの『道路交通情報』を聴いたという。車で移動した距離が三十分だと分かったため、高木刑事、佐藤刑事、安室はポアロを起点に三方向へ車を走らせる  アランの記憶では、監禁されていた場所は「人や部屋が多いエレベーターのある所」「エレベーターのボタンを押すところは見るなと言われていたが一番上の数字は“五”だった」とのこと。一度最上階に行ってから外出していたことから、アランがどの階に監禁されているか認識できないようにしていると考えられた。さらに、窓からは朝陽と夕陽、子どもたちだけが泳ぐプールが見えていたことも分かる。小学校の屋上プールが見える団地かマンションの四階角部屋――しかし、東京にはよくある場所だ。そこでアランは犯人の指示で車で横になっていた際、“ある物”が見えたと言い始める。

第03話
(1111話)
ルーブ・ゴールドバーグマシン(前編)

依頼を受け別荘地にやって来たコナン、蘭、小五郎。内容は「別荘に何者かが忍び込んだ痕跡がある」というものだったが、犯人はアライグマで早々に事件は解決した。帰宅しようと道を歩いていると、大きな別荘の前に群馬県警の警察車両が複数停まっているのを見かける。現場に居た山村警部が言うには、ベランダでコーヒーを飲んでいた被害者が、落ちてきた煙突にぶつかって絶命してしまったという事故らしい。被害者は全国三十六店舗も展開するヤンニョムチキン専門店『チョムチョム』の会長・井上浩平。話している最中、コナンは煙突の付け根に切り込みを発見する。煙突が落ちやすいよう、何者かが事前に細工していた痕跡であるため、殺害事件として捜査が始まった。  別荘地には、井上の知人が数名滞在している。『チョムチョム』代表取締役社長・田中風馬、『チョムチョム』にも出資している投資家・島田典弘、学生時代からの友人で無職とはいえ悠々自適な生活を送っている資産家・河本新、そして遺体の第一発見者である井上の二人目の妻・井上奈々子。奈々子以外の全員にアリバイがあるようだ。 周辺を捜索していたコナンは、ドミノのような板や屋根に刺さった手斧などを発見。さらに遡ると、手斧の発射台と思われる装置や鳥にエサを与えるためのオートフィーダーがあった。コナンは、これらの装置が井上を殺害するためのルーブ・ゴールドバーグマシンだと考える。毎朝六時きっかりにベランダでコーヒーを飲む井上の習慣を知っている人物による可能性が高いということになるが……。

第04話
(1112話)
ルーブ・ゴールドバーグマシン(後編)

コナン、蘭、小五郎が訪れた別荘地で発生した、煙突の落下事故。被害者を殺害するための細工をコナンが発見したことで、山村警部は事件として捜査を始める。別荘地には、被害者であるヤンニョムチキン専門店『チョムチョム』会長・井上浩平の知人が数名滞在しており、コナンたちは容疑者たちに話を聞いていくことにする。遺体の第一発見者である妻・井上奈々子、ヤンニョムチキンにタレについて揉めていた代表取締役社長・田中風馬、旧友で会社の株主でもある資産家・河本新、最近激しいケンカをし殺害予告までしていた投資家・島田典弘。そして新たに井上の愛人・手島まなみの存在も判明した。 そんな中、島田が学生時代にルーブ・ゴールドバーグマシン研究会に所属していたことが分かる。別荘に仕掛けられていた装置を造ることができるのではないかということで犯人の最有力候補となった島田。滞在しているホテルを訪れたコナンたちは、島田不在の部屋でルーブ・ゴールドバーグマシンの設計図を発見する。決定的な証拠が出てきたことで目撃情報がある場所を探し回るが、島田は遺体となっていた。追い詰められた末に自ら命を絶ったかに思われたが、コナンは遺体の不自然な点を発見する。ハイブランドを身に着けている島田のマフラーが、不自然なほど安いものだったのだ。マフラーを外すと、そこには首を絞められた跡があった。新たに起こった殺害事件。コナンたちは、改めて関係者たちのことを調べ始める。

第05話
(1113話)
ラスト・ディナーをあなたに

道を歩いていたコナン、蘭、小五郎は、突然鳴り響いた火災報知器の音に驚く。それは目の前のイタリア料理店からで、すでに煙が漏れ出していた。蘭が消防署に連絡しようとしたところで、近くに居た男性が叫びながら店内に飛び込んでいってしまう。男性を止めるため後を追った小五郎が見たのは、倒れている人影だった。 現場にやって来た消防隊員によると、火元は奥の厨房。被害者は料理長のサレルノ・マルチェロだった。店内に飛び込んでいったのはウェイターの秋村準で、後からオーナーの倉坂柳太郎とその娘の倉坂真理子もやってくる。マルチェロの死因は刺殺。定休日で誰もいないと思っていた空き巣が、料理中のマルチェロと鉢合わせ。刃物で刺した勢いで鍋の油がこぼれて、引火したと考えられた。小五郎が店に入ったとき裏口を開け閉めする音が聞こえたため、犯人はしばらく店内に身を潜めた後に逃げ出したのではないかということになる。しかし定休日にも関わらず、料理が作られテーブルがセッティングされていることに従業員たちは不思議そうな様子だ。その後、警察に連れられてきた妻のサレルノ・有里紗は「離婚の話し合いをするため店で会う予定だった」と話し始める。しかし、店の場所が分からずに帰ることにしたらしい。捜査をするうちに、コナンはマルチェロが犯人に刺された後も料理を続けていたことに気が付く。

第06話
(1114話)
お騒がせな籠城

住宅街に拳銃を持った男が現れ、逃げ遅れた女性を人質にして近くの家に籠城するという事件が発生した。テレビでその様子を見ていたコナンと小五郎は、慌てて現場に向かう。犯人は到着した警察に『X』と名乗って「今夜のナイターで、日売の湯村にホームランを十本打たせろ!」「仮面ヤイバーチョコ一個に一枚しか入ってないヤイバーカードを、百枚に増やせ!」など訳の分からない要求ばかりしてくる。困惑する目暮警部たちのもとに、家の持ち主である草津庄助が駆け寄って来た。草津によると家は空き家で、明日にも解体工事が行われるらしい。「ドアや壁をぶち破って突入して構わない」と言うが、それでは人質の命が危ないため目暮警部は躊躇う。そこへ周辺を捜査していた千葉刑事が戻って来る。しかし近くで事件は起きておらず、犯人が籠城する理由がまったく分からない状態だった。そんな中、家から二発の銃声が聞こえてくる。SITの突入を決断した目暮警部たちが見たのは、拳銃で眉間を撃ち抜かれた人質の女性と、自身の口に拳銃を突っ込んで命を絶っている犯人の姿だった。 その後の捜査で、犯人の別府佑一と人質の有馬弥生は同棲している恋人だということが判明。そこへ、テレビを見て犯人が別府だと気が付いた友人・鬼怒川努が現れる。鬼怒川によると、別府は誰かと賭けをして“世間を驚かせるようなバカな冗談”を実行してたようだ。結果、予想以上の大事になってしまい心中することにしたのではという結論に至る。警察は全容解明のため賭けの相手を見つけようと捜査を始めるが、コナンは別府が自ら命を絶つとは思えなかった。 翌日、別府たちが通っていたスナックに向かったコナンと小五郎は、“二人を恨んでいる人物”として“弥生の元カレ”と“金ヅルにされていた男性”について教えてもらう。

第07話
(1115話)
千速と重悟の婚活パーティー(前編)

福引でお食事券を当てた店にやってきたコナン、蘭、小五郎。しかし、店内は婚活パーティーのため貸し切り状態で、よく確認してみれば券の期限も切れていた。諦めて帰宅しようとするが、その途中で小五郎が家の鍵を落としたことに気が付き、店の周辺を探すことになる。 一方、店内で行われている“マスカレード婚活パーティー”には、横溝重悟の姿があった。家族に女性を紹介されることを面倒に感じていた重悟は、「一度きり」という約束でパーティーに参加したのだ。会場は地元の神奈川ではなく東京で、カップルになるまで仮面をつけたまま。誰にも知られることなく婚活パーティーを終えられると高を括っていた重悟だったが、ある女性に名前を呼ばれる。それは、萩原千速だった。千速は、女性の参加費が無料の婚活パーティーだったため「タダで有名レストランのオードブルやデザートが食べられる」という理由で参加したらしい。 パーティーが進む中、素顔が見えて美人だとバレた千速と、仮面を付けていても色気が出ている泊里安珠に男性陣の人気は集中。千速を選ぶ予定だった重悟だが、意中の女性の番号を記入する段階になって千速の付けていた番号を忘れていることに気が付く。適当な番号を記入した結果、なぜか安珠の選んだ男性の中にも入っておりカップルが成立。一度も話したことのない安珠に選ばれたことに困惑しながらも、別室でのアプローチタイムに参加することになる。しかし、部屋に入った重悟が対面したのは胸を撃たれた安珠の遺体だった。店の外で鍵を探していたコナン、蘭、小五郎も悲鳴を聞いて駆け付ける。 目暮警部たちが到着し、重悟の前に安珠と部屋に二人きりになる機会のあった、円崎源司、上寺幾久、蕪木到を容疑者として捜査が始まった。

第08話
(1116話)
千速と重悟の婚活パーティー(後編)

横溝重悟と萩原千速が参加していた“マスカレード婚活パーティー”の会場で、拳銃による殺害事件が発生した。被害者の泊里安珠と別室で二人きりになる機会のあった、蕪木到、上寺幾久、円崎源司を容疑者として捜査が始まる。 三人は、安珠と話していた際の印象として「体調が悪そうだった」と語る。現場の状況から、犯人はサイレンサー付き拳銃で威嚇射撃をして安珠を脅した後、テーブルの下で拳銃を突きつけながら次に入ってくる男性と会話をするよう指示していたと考えられた。安珠が残したメモには、蕪木を『篤実な人』、上寺を『楽のしい人』、円崎を『博識な人』と印象が書かれており、実際に話した内容とも一致するようだ。そんな中、円崎はメモの漢字や送り仮名が間違っていることを指摘。「銃を突きつけられて動揺していたのであれば納得だ」と言うが、メモを見たコナンはあることに気が付く。 一方、犯人は手袋やビニール袋を使って硝煙反応が出ないよう細工しており、目撃者も出てこないため、警察の捜査はなかなか進まず……。

第09話
(1117話)
空手の先生、毛利蘭

コナンと蘭は、一階に空手道場の入っている百原ビルを訪れる。ここで空手教室の師範である郷田涼太が怪我をしたため、臨時の先生として蘭に白羽の矢が立ったのだ。付き添いで来ていたコナンがその様子を眺めていると、郷田が途中で教室を抜け出していくのが目に入る。その後をついていくと、郷田は二階のビル管理事務所前で男性と揉めていた。 しばらくして、ビル内が停電。郷田の「古いビルなのでたまにある」という言葉通り、生徒たちも特に気にしていない様子だ。郷田がブレーカーを上げに行き、すぐに電気は点いた。教室は順調に進んでいくが、終わりが近づいた所で二階から叫び声が聞こえる。コナンと郷田が駆け付けると、そこには後頭部を殴られ息絶えている男性の姿があった。 被害者の男性はビルのオーナである百原倫之。事務所にあった金庫の扉が開いており、物取りの可能性があった。百原の遺体を発見して叫び声をあげたのは並杉通。百原の高校からの友人であり、このビルを一緒に管理しているビジネスパートナーだ。並杉が頼まれていた仕事を終わらせて戻ってくると、そこにはすでに百原の遺体があったのだという。大雑把な性格の百原は壊れた防犯カメラの修理をしておらず、集まっていた保護者達も自分の子供を見ていたため怪しい人物を目撃していなかった。また、遺体のあったデスクの背後は壁で、後頭部を凶器のドライバーで殴るには広さが足りない。そのため入り口付近で殺害された後に、何らかの理由で遺体が移動したことになる。そんな中、凶器からある人物の指紋が出てくる。

公式サイトより引用。©青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996

「名探偵コナン」の主題歌

アニメ「名探偵コナン」のテーマソング

OPテーマ

↑ 倉木麻衣「Unraveling Love ~少しの勇気~」

EDテーマ

↑ 倉木麻衣「You & I」

「名探偵コナン」の原作漫画

 
アニメ「名探偵コナン」シリーズの原作コミックが読めるサービスを紹介します♪

1994年から現在も週刊少年サンデーで連載中の大人気長寿シリーズ!

2023/12現在、104巻まで既刊しています。

累計発行部数はなんと2億7,000万部を突破しました(^^♪

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アニメは原作漫画の何巻まで?

アニメが、原作コミックの何巻の内容なのか対応表を作りました!

アニメ 漫画
シーズン1 1~5巻
シーズン2 5~15巻
シーズン3 16~19巻
シーズン4 20~25巻
シーズン5 25~29巻
シーズン6 30~32巻
シーズン7 32~36巻
シーズン8 36~42巻
シーズン9 42~44巻
シーズン10 45~47巻
シーズン11 48~52巻
シーズン12 53~56巻
シーズン13 57~61巻
シーズン14 62~65巻
シーズン15 65~69巻
シーズン16 69~72巻
シーズン17 72~76巻
シーズン18 76~80巻
シーズン19 80~83巻
シーズン20 83~86巻
シーズン21 86~89巻
シーズン22 89~92巻
シーズン23 92~94巻
シーズン24 94~95巻
シーズン25 95~96巻
シーズン26 96~98巻
シーズン27 98~99巻
シーズン28 99巻~
※漫画とアニメでエピソードの順番がずれていたりもするので、あくまで目安として参考にして下さい↑

「名探偵コナン」シーズン29はある?

アニメ「名探偵コナン」29期の制作発表は2023/12現在まだありません。

また、最近はTVオリジナルストーリーが放送される機会も増えていますね。

理由としては、どうやらアニメ放送が原作に追いついてきてしまったからみたいです。。。

ハリウッドじゅん
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漫画は104巻まで既刊で、現在TVで放送してる内容は101巻ですからね

要は原作マンガのストックがなくなってきているということですね。

とはいえ大人気の国民的アニメですから、引き続き放送される可能性は非常に高いと思います♪

2024年には劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」も4月に公開予定です☆
ハリウッドじゅん
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YouTube動画

 
アニメ「名探偵コナン」には公式YouTubeチャンネルがあります。

その中では、25周年記念のオーケストラ公演や最新の劇場版予告編、そしてTVアニメの無料動画も数話、公開されてます♪

↑灰原哀の初登場エピソード

ハリウッドじゅん
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記事執筆時点ではキャラクター初登場集なんかもあります☆

BD/DVD特典

 
アニメ「名探偵コナン」はTVアニメも劇場版映画もDVD化されてます♪

下記にDVD購入特典の一例を挙げておきますね↓

  • 限定デザイン収納三方背BOX
  • ジャケ絵柄ポストカード

各店舗によって特典が異なる場合もあるので比べてみるのも楽しいですね(^^♪

ハリウッドじゅん
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ちなみにTVシリーズはDVDのみで、劇場版のようにBlu-ray版は発売されてないようです

コラボ&イベント

 
「名探偵コナン」は様々なコラボ企画をしています。もはやキティちゃん並みですw

↑世界史探偵コナン

↑リアル脱出ゲーム

あと2024年は30周年なので、名探偵コナン展なども全国で開催予定!

 
さすが国民的人気のアニメシリーズですね☆

オススメの似てる作品

アニメ「名探偵コナン」シリーズが好きな方なら、こちらの作品も絶対ハマるハズっ!!

金田一少年の事件簿
こちらも累計1億部突破の大人気シリーズ!現在も新シリーズが連載中で本編はFILEシリーズやCaseシリーズ、リターンズなど合計74巻が既刊♪

名探偵ホームズ
イギリスの作家コナン・ドイルの世界的推理小説「シャーロック・ホームズ」シリーズに大胆なアレンジを加えてアニメ化した日伊合同作品。監督として宮崎駿さんも参加してますよ!

「名探偵コナン」の関連グッズ

 
アニメ「名探偵コナン」の関連グッズもいくつか紹介しておきますね♪

まとめ:「名探偵コナン」は4つの動画サイトで配信中☆オススメはU-NEXT!

 
人気TVアニメ「名探偵コナン」が見られる人気動画配信サイトをご紹介してきました!

結論:「名探偵コナン」は…

  • 4つの動画サイトで配信中
  • TVerとYouTubeで無料配信あり
  • ダントツでU-NEXTがオススメ!

アニメ「名探偵コナン」は、U-NEXT、アマプラ、Hulu、ネトフリの5社で見れます。

※配信サイクル※

23/12現在、TVシリーズは配信中ですが、劇場版は配信されてません。
逆に、毎年4月の映画公開時は劇場版シリーズを配信。TVシリーズは配信停止というサイクルのようです。

 

無料配信はTVerで、最新話のみ約1週間の無料配信中(23/12)

公式YouTubeチャンネルでも、シーズン1~5までの数話が無料公開されています☆
ハリウッドじゅん
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ちなみに2024/3現在は、

【TVアニメシリーズ】…シーズン29がTV放送中
【オンライン動画】…シーズン1~26まで配信中

ただしNetflixは一部のシーズンのみ配信中なので、

シーズン1~26まで全て見れる人気の動画配信サイトは下記3社のみとなっています。

  • U-NEXT
  • アマプラ
  • Hulu

なかでもU-NEXTは、映画・ドラマ・アニメ、雑誌・漫画、大人の動画まで楽しめるのでオススメです!! [登録方法はコチラ]

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